JP3661831B2 - マルチピースソリッドゴルフボール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソリッドコアと中間層とカバーとを備えた少なくとも3層構造のマルチピースソリッドゴルフボールに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来より、数多く提案されているツーピースソリッドゴルフボールは、糸巻きゴルフボールに比べてドライバーショット、アイアンショットともに所謂棒球と言われる弾道を有すると共に、そのスピンがかかりにくい構造特性により、ランが多く出ることからトータル飛距離が増大するという利点を備えている。
【0003】
その反面、ツーピースソリッドゴルフボールは、糸巻きゴルフボールに比べて、アイアンショットではスピンがかかりにくいためにグリーン上で止まりづらく、コントロール性の点で劣る傾向がある。
【0004】
一方、ゴルフボールは、飛距離の増大と共に、打撃時の軟らかい打感が必須の要素であり、これがないと商品価値が損なわれてしまうものである。そして、一般に糸巻きゴルフボールは、ツーピースソリッドゴルフボールに比べて軟らかく良好な打感が得られる構造特性を有している。
【0005】
このため、コアとカバーとからなるツーピースソリッドゴルフボールにおいて打撃時の軟らかい打感を達成すべく、ボール構造を軟化させることが一般に行われている。
【0006】
しかしながら、このような軟らかいタイプのツーピースソリッドゴルフボールは、一般に軟らかいコアを用いているが、コアを軟らかくしすぎると、反発性が低下して飛び性能が低下すると共に、耐久性も著しく低下し、ツーピースソリッドゴルフボールの特徴である優れた飛び性能及び耐久性が得られないばかりか、実際の使用に耐え難くなってしまうという問題があった。
【0007】
最近、このような問題点を解決すべく、コアとカバーとの間に中間層を設けたスリーピースソリッドゴルフボールが数多く提案されている(特開平7−24084号公報、特開平6−23069号公報、特開平4−244174号公報、特開平9−10358号公報、特開平9−313643号公報等参照)。
【0008】
しかしながら、これらの提案においても、カバー及び中間層を軟らかく形成すると、フィーリングは軟らかくなるが、ドライバーでのフルショット時の飛距離が低下してしまう。逆に、飛距離を得ようとすると、カバー及び中間層を硬く形成しなければならず、結果としてアプローチショット、パッティング時における打感が悪くなり、またアイアンショットでのスピン性能も低下してしまい、いずれにしても十分要望に応えたソリッドゴルフボールは未だ得られておらず、更なる改良が望まれていた。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ソリッドコアと中間層とカバーとを備えた少なくとも3層構造のマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、アプローチショット、パッティング時に非常に軟らかい良好なフィーリングとアイアンショットでの良好なコントロール性を有すると共に、ドライバーでのフルショット時に優れた飛び性能を有するマルチピースソリッドゴルフボールを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、ソリッドコアと中間層とカバーとを備えた少なくとも3層構造のマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、中間層に非常に軟らかい高反発な層を設けることにより、比較的軟らかめのカバーを用いてもソリッドゴルフボールの特徴である飛距離を減少させることなく、アイアンショット時に高いスピン性能を有し、コントロール性が良好であると共に、アプローチショット、パッティング時に非常に軟らかい良好なフィーリングを有するマルチピースソリッドゴルフボールが得られることを知見した。
【0011】
即ち、ソリッドコアと、該コアを被覆する少なくとも一層の中間層と、該中間層を被覆する少なくとも一層のカバーとを備えたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、▲1▼好ましくはソリッドコアをゴム基材を主材として形成し、その比重を1.1〜1.5、コアに100kgの荷重をかけたときの変形量を2.5mm以上と比較的軟らかく形成すること、▲2▼このコアを被覆する中間層をショアD硬度8〜35の非常に軟らかな熱可塑性樹脂、特に、(A)熱可塑性ポリエステル系エラストマーと、(B)オレフィン系エラストマー及びその変性物、並びにスチレン系ブロック共重合体及びその水素添加物から選ばれる1種又は2種以上の熱可塑性エラストマーとを混合してなる加熱混合物を主材として形成するか、又は(B)成分の熱可塑性エラストマーを主材として形成すること、▲3▼この中間層を被覆するカバーを比較的軟らかめの熱可塑性樹脂、特にショアD硬度が40以上57未満のアイオノマー樹脂を主材として形成し、このカバーのショアD硬度を中間層のショアD硬度より15以上高くなるように形成することにより、これら▲1▼〜▲3▼が相乗的に作用して、アプローチショット、パッティング時に非常に軟らかい良好なフィーリングと、アイアンショット時の高いスピン性能とを有すると共に、ドライバーでのフルショット時に優れた飛び性能を有する今までにないマルチピースソリッドゴルフボールが得られることを見出し、本発明を完成したものである。
【0012】
従って、本発明は、
(1)ゴム組成物から形成されたソリッドコアと、該コアを被覆する少なくとも一層の中間層と、該中間層を被覆する少なくとも一層のカバーとを備えたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、上記中間層がショアD硬度12〜27の熱可塑性樹脂を主材として形成されると共に、上記カバーが熱可塑性樹脂を主材として形成され、そのショアD硬度が40〜55であり、かつカバーのショアD硬度が中間層のショアD硬度より21〜38高いことを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール、
(2)上記ソリッドコアがゴム基材を主材として形成され、その比重が1.1〜1.5であると共に、このソリッドコアの直径が25〜40mm、該ソリッドコアに100kgの荷重をかけたときの変形量が2.5mm以上である(1)記載のマルチピースソリッドゴルフボール、
(3)上記中間層が、オレフィン系エラストマー及びその変性物、並びにスチレン系ブロック共重合体及びその水素添加物から選ばれる1種又は2種以上の熱可塑性エラストマーにより形成されたものである(1)又は(2)記載のマルチピースソリッドゴルフボール、
(4)上記中間層が、(A)熱可塑性ポリエステル系エラストマーと(B)オレフィン系エラストマー及びその変性物、並びにスチレン系ブロック共重合体及びその水素添加物から選ばれる1種又は2種以上の熱可塑性エラストマーとの加熱混合物により形成されたものである(1)又は(2)記載のマルチピースソリッドゴルフボール、
(5)中間層の厚みが0.2〜5.0mmである(1)乃至(4)のいずれかに記載のマルチピースソリッドゴルフボール、及び
(6)上記カバーがアイオノマー樹脂を主材として形成され、その厚みが1.0〜5.0mmである(1)乃至(5)のいずれかに記載のマルチピースソリッドゴルフボール
を提供する。
【0013】
以下、本発明につき更に詳しく説明すると、本発明のマルチピースソリッドゴルフボールGは、図1に示したように、ソリッドコア1と、該コア1を被覆する少なくとも一層の中間層2と、該中間層2を被覆する少なくとも一層のカバー3とを備えたものである。
【0014】
上記ソリッドコア1は、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、天然ゴム、シリコーンゴムを主成分とする基材ゴムを主材とするゴム組成物から形成することができるが、特に反発性を向上させるためにはポリブタジエンゴムが好ましい。ポリブタジエンゴムとしては、シス構造を少なくとも40%以上有するシス−1,4−ポリブタジエンが好適である。また、この基材ゴム中には、所望により上記ポリブタジエンに天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴムなどを適宜配合することができるが、ポリブタジエンゴム成分を多くすることによりゴルフボールの反発性を向上させることができるので、これらポリブタジエン以外のゴム成分はポリブタジエン100重量部に対して10重量部以下とすることが好ましい。
【0015】
上記ゴム組成物には、ゴム成分以外に架橋剤としてメタクリル酸亜鉛、アクリル酸亜鉛等の不飽和脂肪酸の亜鉛塩,マグネシウム塩やトリメチルプロパンメタクリレート等のエステル化合物などを配合し得るが、特に反発性の高さからアクリル酸亜鉛を好適に使用し得る。これら架橋剤の配合量は、基材ゴム100重量部に対し15〜40重量部であることが好ましい。
【0016】
また、ゴム組成物中には、通常、ジクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドと1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンの混合物等の加硫剤が配合されており、この加硫剤の配合量は基材ゴム100重量部に対し0.1〜5重量部とすることができる。
【0017】
上記ゴム組成物には、更に必要に応じて、老化防止剤や比重調整用の充填剤として酸化亜鉛や硫酸バリウム等を配合することができ、これら充填剤の配合量は、基材ゴム100重量部に対し0〜130重量部である。
【0018】
そして、上記コア用ゴム組成物は、通常の混練機(例えばバンバリーミキサー、ニーダー及びロール等)を用いて混練し、得られたコンパウンドをコア用金型を用いてインジェクション成形又はコンプレッション成形により形成することができる。
【0019】
このようにして得られたソリッドコアは、その直径が好ましくは25〜40mm、より好ましくは27〜39mm、更に好ましくは30〜38mmであり、重量が10〜40g、好ましくは15〜35g、より好ましくは20〜32gであり、比重が1.1〜1.5、好ましくは1.12〜1.45、より好ましくは1.15〜1.40である。
【0020】
また、ソリッドコアに100kgの荷重をかけたときの変形量が2.5mm以上、好ましくは2.8〜6.0mm、より好ましくは3.0〜5.5mm、更に好ましくは3.3〜5.0mmである。コアの変形量が2.5mm未満ではフィーリングが硬くなる場合があり、一方、6.0mmを超えると反発性が低下してしまう場合がある。
【0021】
なお、コアは一種類の材料からなる単層構造としても、異種の材料からなる層を積層した二層以上からなる多層構造としても構わない。
【0022】
本発明においては、上記コア1の周囲に少なくとも一層、好ましくは一層又は二層の中間層2を被覆形成する。この中間層2はショアD硬度8〜35の非常に軟らかい熱可塑性樹脂を主成分として形成される。このように今までにない非常に軟らかな中間層をコアとカバーとの間に形成することにより、アプローチショット、パッティング時に非常に軟らかい良好なフィーリングを実現し得るものである。
【0023】
この中間層の熱可塑性樹脂としては、(A)熱可塑性ポリエステル系エラストマーと(B)オレフィン系エラストマー及びその変性物、並びにスチレン系ブロック共重合体及びその水素添加物から選ばれる1種又は2種以上の熱可塑性エラストマーとの加熱混合物、又は(B)成分の熱可塑性エラストマーを単独で用いることができる。
【0024】
ここで、(A)成分の熱可塑性ポリエステル系エラストマーとしては、テレフタル酸、1,4−ブタンジオール及びポリテトラメチレングリコール(PTMG)若しくはポリプロピレングリコール(PPG)から合成され、ポリブチレンテレフタレート(PBT)部分をハードセグメントとし、ポリテトラメチレングリコール(PTGM)若しくはポリプロピレングリコール(PPG)部分をソフトセグメントとするポリエーテルエステル系のマルチブロックコポリマーが好適である。具体的には、ハイトレル3078、ハイトレル4047、ハイトレル4767(東レ・デュポン社製)などの市販品を用いることができる。
【0025】
上記(B)成分のオレフィン系エラストマーとしては、エチレンと炭素数3以上のアルケンとの共重合体、好ましくはエチレンと炭素数が3〜10のアルケンとの共重合体や、α−オレフィンと不飽和カルボン酸エステルとカルボキシル基又は無水カルボン酸基含有の重合性モノマーなどが挙げられる。このオレフィン系エラストマーとしては、例えばエチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−ブテン共重合体ゴム、エチレン−ヘキセン共重合体ゴム、エチレン−オクテン共重合体ゴムなどが挙げられる。更にこれらに第三成分としてエチレン−プロピレン−非共役ジエン、例えば5−エチリデンノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ブテン等を添加したエチレン−プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体ゴム、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂などが挙げられる。
【0026】
このようなオレフィン系エラストマーとしては、具体的には、「MITUI EPT」,「タフマー」(三井石油化学工業社製)、「ENGAGE」(ダウ・ケミカル日本社製)、「ダイナロン」(日本合成ゴム社製)などの市販品を用いることができる。
【0027】
また、上記オレフィン系エラストマーの変性物も好適に用いることができ、このような変性オレフィン系エラストマーとしては、例えばエチレン−エチルアクリレート共重合樹脂に無水マレイン酸をグラフト変性したもの等が挙げられ、具体的には、「HPR」(三井・デュポンポリケミカル社製)などの市販品を用いることができる。
【0028】
次に、スチレン系ブロック共重合体としては、その共役ジエンブロックがブタジエン単独、イソプレン単独、又はイソプレンとブタジエンとの混合物からなる重合体などが好適である。また、これらスチレン系ブロック共重合体の水素添加物を好適に用いることができ、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。
【0029】
このようなスチレン共役ジエンブロック共重合体の水素添加物としては、具体的には、「ダイナロン」(日本合成ゴム社製)、「セプトン」,「ハイブラー」(クラレ社製)、「タフテック」(旭化成工業社製)などの市販品を用いることができる。
【0030】
本発明の中間層は、上記(A)熱可塑性ポリエステル系エラストマーと、(B)オレフィン系エラストマー及びその変性物、並びにスチレン系ブロック共重合体及びその水素添加物から選ばれる1種又は2種以上との加熱混合物を主材として形成することができ、この場合、両者の混合比は(A)成分が95重量%以下、好ましくは(A)/(B)が95〜0/5〜100重量%、より好ましくは90〜5/10〜95重量%、更に好ましくは80〜10/20〜90重量%である。
【0031】
このような(A),(B)成分の混合物としては市販品を用いることができ、例えば「プリマロイ」(三菱化学株式会社製)等が挙げられる。
【0032】
また、(B)成分のオレフィン系エラストマー及びその変性物、並びにスチレン系ブロック共重合体及びその水素添加物から選ばれる1種を単独で、又は2種以上を組み合わせた熱可塑性エラストマーを中間層の主材として用いることができる。
【0033】
なお、この中間層組成物には上記樹脂成分以外に、必要に応じて重量調整剤、着色剤、分散剤などを添加することもできる。
【0034】
上記中間層をコアの周囲に被覆する方法としては、特に制限はなく、通常のインジェクション成形又はコンプレッション成形を採用することができる。
【0035】
このようにして成形された中間層は、そのショアD硬度が8〜35であることが必要であり、好ましくは9〜30、より好ましくは10〜29、更に好ましくは12〜27、最も好ましくは15〜24である。ショアD硬度が8未満では中間層が軟らかくなりすぎ、反発性及び耐久性が低下し、使用に耐え難くなる。一方、ショアD硬度が35を超えると中間層が硬くなりすぎ、アプローチショット、パッティング時の打感が硬くなり、本発明の目的を達成できない。
【0036】
また、中間層の厚みが好ましくは0.2〜5.0mm、より好ましくは0.5〜4.0mm、更に好ましくは0.7〜3.5mmである。
【0037】
次に、上記中間層2の周囲にカバー3を少なくとも一層、好ましくは一層又は二層に被覆形成する。このカバー3は中間層よりショアD硬度で15以上硬い熱可塑性樹脂を主材として形成されるものである。
【0038】
上記カバーは、通常の熱可塑性樹脂を主材として形成することができ、例えばアイオノマー樹脂、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、オレフィン系エラストマー及びこれらの混合物などが挙げられるが、特にアイオノマー樹脂が好ましい。具体的には「ハイミラン」(三井・デュポンポリケミカル社製)、「サーリン」(デュポン社製)等の市販品を用いることができる。なお、カバー材には、必要に応じてUV吸収剤、酸化防止剤、金属石鹸等の分散剤などを添加することもできる。
【0039】
このカバーを中間層の周囲に被覆する方法としては、特に制限はなく、通常のインジェクション成形又はコンプレッション成形を採用することができる。
【0040】
このようにして成形されたカバーのショアD硬度が40以上57未満であり、好ましくは45〜56、より好ましくは48〜55、更に好ましくは50〜54である。カバーのショアD硬度が40未満では、中間層との硬度差が小さくなりすぎ、一方、57以上では中間層との硬度差が却って大きくなりすぎ、いずれも本発明の作用効果を発揮し得なくなる。また、カバーの硬度が中間層の硬度よりショアDで15以上高いことが必要であり、好ましくは15〜45、より好ましくは18〜40である。カバーと中間層との硬度差が15未満ではカバーが軟らかくなり、反発性が低下する。一方、45を超えると硬度差が大きくなりすぎ、耐久性が低下する上に、エネルギーロスが大きくなり、飛距離が低下する場合がある。
【0041】
また、カバーの厚みは1.0〜5.0mm、好ましくは1.2〜4.0mm、より好ましくは1.3〜3.0mm、更に好ましくは1.4〜2.5mmである。
【0042】
本発明のマルチピースソリッドゴルフボールは、以上の構成を有し、比較的軟らかめコアと、このコアを被覆する非常に軟らかい中間層と、この中間層を被覆する比較的軟らかめのカバーとを組み合わせることにより、これらが相俟って、アプローチショット、パッティング時に非常に軟らかい良好なフィーリングとアイアンショット時に高いスピン性能を有し、コントロール性が良好であると共に、ドライバーでのフルショット時に優れた飛び性能を有するものである。
【0043】
なお、本発明のゴルフボールは、その表面に多数のディンプルが形成されており、必要に応じて表面に塗装及びスタンプなどの仕上げ処理を施すことができる。また、ボール全体の硬度が100kgの荷重を負荷した時の変形量で好ましくは2.6〜5.5mm、より好ましくは2.8〜4.8mmであり、ボール直径及び重量はR&Aのゴルフ規則に従い、直径42.67mm以上、重量45.93g以下に形成することができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、アプローチショット、パッティング時に非常に軟らかい良好なフィーリングとアイアンショット時に高いスピン性能を有し、コントロール性が良好であると共に、ドライバーでのフルショット時に優れた飛び性能を有するマルチピースソリッドゴルフボールが得られる。
【0045】
【実施例】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、表1,2,3の配合量は総て重量部である。
【0046】
〔実施例、比較例〕
表1に示した配合処方のコア用ゴム組成物をニーダーで混練し、コア用金型内で155℃の温度で約15分間加硫することにより実施例1〜7、比較例1〜6のソリッドコアを作成した。
【0047】
得られたコアの周囲に表2に示した中間層材及び表3に示したカバー材をそれぞれ射出成形により被覆形成して、実施例1〜7及び比較例1,2,4,5のスリーピースソリッドゴルフボールを作成した。
【0048】
また、比較例3のスリーピースボールは、表2の中間層材で予め一対のハーフシェルを成形し、これらハーフシェルでコアを被包し、これを金型内で155℃、15分間加硫することにより2重ソリッドコアを作成し、この2重コアの周囲にカバーを射出成形により被覆して作成した。なお、比較例6は中間層のないコアとカバーからなるツーピースゴルフボールである。
【0049】
次いで、得られたゴルフボールについて、下記に示した方法により諸特性を評価した。結果を表4,5に併記する。
ソリッドコア変形量
コアに100kgの荷重をかけたときのコアの変形量(mm)で表した。
飛び性能
ヘッドスピード45m/sec(HS45)にて、ミヤマエ社製スイングロボットにより、クラブはドライバー(#W1)(「PRO230Titan」 ロフト10度(ブリヂストンスポーツ株式会社製))を用いて実打した時のキャリー,トータル飛距離、スピン量を測定した。また、クラブを9番アイアン(#I9)(「MODEL 55−HM」 ロフト44度(ブリヂストンスポーツ株式会社製))に代えてヘッドスピード33m/sec(HS33)で実打した時のスピン量を同様に測定した。
打感
プロゴルファー5名により、クラブとしてドライバー(#W1)、9番アイアン(#I9)及びパター(#PT)を用いて実打した時の感触を下記基準で評価した。
○:非常に軟らかい
△:普通
×:硬い
連続打撃耐久性
得られたボールをミヤマエ社製スイングロボットにより、クラブはドライバー(「PRO230Titan ロフト10度」(ブリヂストンスポーツ株式会社製))を用いてヘッドスピード45m/sec(HS45)にて、繰り返し打撃した後、ボール表面の状態を打撃回数に応じて相対的に下記基準により評価した。
○:全く問題なし
△:比較的早期に破壊
×:早期破壊
【0050】
【表1】
Figure 0003661831
*:日本合成ゴム社製 BR01
【0051】
【表2】
Figure 0003661831
*1:「ハイトレル」東レ・デュポン社製ポリエステル系エラストマー
*2:「ペバックス」アトケム社製ポリアミド系エラストマー
*3:「プリマロイ」三菱化学工業(株)製ポリエステル系エラストマーを主成分とするアロイ材料
*4:「HPR」三井・デュポン社製エチレン・エチルアクリレート共重合体樹脂の無水マレイン酸グラフト変性物
*5:「タフテック」旭化成社製スチレン系エラストマー
*6:「ハイミラン」三井・デュポンポリケミカル社製アイオノマー樹脂
*7:「サーリン」デュポン社製アイオノマー樹脂
【0052】
【表3】
Figure 0003661831
【0053】
【表4】
Figure 0003661831
*8:コア+中間層
【0054】
【表5】
Figure 0003661831
*8:コア+中間層
【0055】
表4,5の結果から明らかなように、比較例1〜5のボールはいずれも中間層のショアD硬度が40以上であり、また比較例1,3はカバーのショアD硬度が63と高く、比較例5のカバーのショアD硬度が58であると共に、比較例2〜5はカバーと中間層の硬度差が15未満であるため、本願発明の作用効果を奏し得ないものである。
【0056】
即ち、比較例1は特開平7−24084号公報と同じタイプのスリーピースボールであり、ドライバーでのフルショット時の飛距離は比較的増大するが、9番アイアンでのスピン性能が低下し、パターの打感が硬く劣るものである。
【0057】
比較例2は特開平4−244174号公報と同じタイプのスリーピースボールであり、ドライバーでのフルショット時の飛距離が劣るものである。
【0058】
比較例3は特開平6−23069号公報と同じタイプのスリーピースボールであり、ドライバーでのフルショット時の飛距離が低下し、9番アイアンでのスピン性能が低下すると共に、ドライバー、9番アイアン、パターのいずれにおいても打感が硬く劣るものである。
【0059】
比較例4は特開平9−10358号公報と同じタイプのスリーピースボールであり、ドライバーでのフルショット時の飛距離が低下し、打感も硬く劣るものである。
【0060】
比較例5は特開平9−313643号公報と同じタイプのスリーピースボールであり、ドライバーでのフルショット時の飛距離は比較的増大するが、ドライバーでの打感が硬く劣るものである。
【0061】
また、比較例6は軟らかいタイプのツーピースソリッドゴルフボールであり、ドライバーでのフルショット時の飛距離が低下し、9番アイアンでのスピン性能が極めて低く、連続打撃耐久性が著しく劣るものである。
【0062】
これに対して、実施例1〜7のスリーピースボールは、ドライバー、9番アイアン、パターのいずれにおいても打感が非常に軟らかく良好であると共に、9番アイアンショットで高スピン性能を有し、ドライバーでのフルショット時の飛距離が飛躍的に増大するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るマルチピースソリッドゴルフボールの断面図である。
【符号の説明】
1 ソリッドコア
2 中間層
3 カバー
G ゴルフボール

Claims (6)

  1. ゴム組成物から形成されたソリッドコアと、該コアを被覆する少なくとも一層の中間層と、該中間層を被覆する少なくとも一層のカバーとを備えたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、上記中間層がショアD硬度12〜27の熱可塑性樹脂を主材として形成されると共に、上記カバーが熱可塑性樹脂を主材として形成され、そのショアD硬度が40〜55であり、かつカバーのショアD硬度が中間層のショアD硬度より21〜38高いことを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。
  2. 上記ソリッドコアがゴム基材を主材として形成され、その比重が1.1〜1.5であると共に、このソリッドコアの直径が25〜40mm、該ソリッドコアに100kgの荷重をかけたときの変形量が2.5mm以上である請求項1記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  3. 上記中間層が、オレフィン系エラストマー及びその変性物、並びにスチレン系ブロック共重合体及びその水素添加物から選ばれる1種又は2種以上の熱可塑性エラストマーにより形成されたものである請求項1又は2記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  4. 上記中間層が、(A)熱可塑性ポリエステル系エラストマーと(B)オレフィン系エラストマー及びその変性物、並びにスチレン系ブロック共重合体及びその水素添加物から選ばれる1種又は2種以上の熱可塑性エラストマーとの加熱混合物により形成されたものである請求項1又は2記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  5. 中間層の厚みが0.2〜5.0mmである請求項1乃至4のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  6. 上記カバーがアイオノマー樹脂を主材として形成され、その厚みが1.0〜5.0mmである請求項1乃至5のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
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