JP2000068643A - 絶縁層表面の粗化方法並びに配線基板及びその製造方法 - Google Patents

絶縁層表面の粗化方法並びに配線基板及びその製造方法

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JP2000068643A
JP2000068643A JP23154798A JP23154798A JP2000068643A JP 2000068643 A JP2000068643 A JP 2000068643A JP 23154798 A JP23154798 A JP 23154798A JP 23154798 A JP23154798 A JP 23154798A JP 2000068643 A JP2000068643 A JP 2000068643A
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interlayer insulating
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wiring
forming
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Yoshihide Yamaguchi
欣秀 山口
Takashi Kashimura
隆司 樫村
Isamu Tanaka
勇 田中
Makio Watabe
真貴雄 渡部
Hirotake Nakayama
浩偉 仲山
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多量の有害・有毒廃棄物を発生することなく、
層間絶縁膜を粗化する。 【解決手段】粗化に光触媒を用いる。すなわち、内層配
線2a表面に所定のパターンで形成された層間絶縁層3
の表面に光触媒4の膜を形成し、これを露光させる。こ
れにより、層間絶縁層3表面が粗化される。その後、光
触媒4を除去し、層間絶縁層3表面に上部配線5(ビア
ホールを含む)を形成する。光触媒としては、酸化反応
を触媒する酸化チタンなどが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は絶縁基板上に複数層
の導体パターンを設けてなる多層配線基板及びその製造
方法に関し、特にビルドアップ法による高密度多層プリ
ント配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器の高性能化ニーズに対応したLS
I(大規模集積回路)やIC(集積回路)チップの高集積
化に伴い、これらの半導体デバイスを搭載する配線基板
の高密度配線化が希求されている。こうした要求に呼応
して、導体配線層と層間絶縁層とを交互に積層すること
によって所望の多層配線を得る、いわゆる、ビルドアッ
プ法による多層プリント配線基板が注目を集めている。
【0003】ビルドアップ法による多層配線基板の製造
では、層間絶縁層となる樹脂層の上部に配線導体皮膜を
信頼性よく形成することが重要である。これは、高密度
化の要求に応えるためには配線の微細化や層間絶縁層の
薄層化が必要となるが、微細配線化すれば絶縁層と配線
との接触面積が減少して絶縁層と配線層との間の密着性
が低下するという問題が発生しやすくなり、一方、層間
絶縁層を薄層化すれば層間絶縁性の維持が問題になりや
すいためである。こうした背景から、ビルドアップ法に
よる多層配線基板の製造技術に関して、層間絶縁性を維
持しながら絶縁層と配線層との間の密着性を向上させる
ために多くの努力が払われてきた。
【0004】例えば、特開昭64-53497号公報、特開平01
-166598号公報、特開平01-184997号公報、特開平02-143
492号公報、特開平02-188992号公報などには、層間絶縁
樹脂層の中に酸化剤に対して難溶解性あるいは易溶解性
の微粒子成分(フィラー)を混合するという技術が示さ
れている。この技術によれば、溶解性の異なるフィラー
を混合した絶縁樹脂層の表面を酸化剤で処理することに
より、溶解性の差に起因する微細な凹凸が樹脂層表面に
形成され、いわゆる粗化面が得られる。この粗化面に配
線導体を形成すれば、この凸凹形状がアンカー効果を発
揮して絶縁層と配線層との密着性(ピール強度)が確保
できる。
【0005】しかしながら、この技術には、絶縁層とな
る樹脂とフィラーとを混合する際にフィラーの2次凝集
が起こって粘度、チクソ性などが変動しやすく、樹脂の
作成工程における品質管理が困難であるという欠点があ
る。また、2次凝集フィラー粒子を含有する樹脂を用い
て成膜した絶縁層を粗化すると、その凹凸形状が安定し
にくく、ピール強度が変動しやすいという問題がある。
更に、フィラーが2次凝集した箇所では粗化によって生
成する凹部が異常に深くなり、その結果、実効的な絶縁
膜厚が薄くなって層間絶縁性やマイグレーション耐性が
低下するなど層間絶縁膜としての機能を果たさなくなる
という問題も生じやすい。
【0006】上記のような状況に対して、フィラー凝集
に起因する問題を解決する改良技術が特開平08-162768
号公報において提案されている。この改良技術の要点
は、難溶性フィラーを含有する絶縁材層と可溶性フィラ
ーを含有する接着剤層との複合層をもって層間絶縁層と
することにある。
【0007】一方、上記とは異なり、フィラーによら
ず、したがって、アンカー効果を利用せずにピール強度
を確保する技術も提案されている。例えば特開平07-249
867号公報に示される技術では、O2/CF4の混合ガス
プラズマを用いて絶縁樹脂の表面を処理することによっ
てピール強度を確保する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のうち、
フィラーを利用する技術には、酸あるいは酸化剤に対し
て特定の溶解特性を有するフィラーを使う必要があり、
層間絶縁性と両立できる絶縁材料の選択の幅が狭くなっ
たり、絶縁材料が高価になったりするという問題があ
る。更に、イオン性物質をフィラーとした場合には、粗
化処理でフィラーを溶出させた後に形成される凹部にフ
ィラーの残渣であるイオン性物質が残留しやすく、イオ
ンマイグレーションの危険性もある。また、高いピール
強度を安定的に発現させるためには、アンカー効果を十
分に発揮させる、すなわち層間絶縁膜表面に凹凸を高い
密度で形成する必要がある。しかし、フィラーを絶縁膜
表面に偏在させることは容易でなく、層間絶縁材料へ均
一に混合せざるを得ないため、フィラー量をある程度多
めに混合することは避けられない。したがって、かなり
の量のフィラーがピール強度に寄与することなく絶縁層
間に多量に残存することになり、層間絶縁材料の誘電特
性や機械強度(耐変形性、伸び、可とう性)に悪影響があ
る。
【0009】このような観点からみると、特開平08-162
768号公報に提案されている改良技術といえども、フィ
ラーに関わる問題に対する本質的な解決に至っておら
ず、逆に、複合膜を利用することによって絶縁膜厚を薄
くしづらくなって高密度化という目的に合致しないう
え、工程も長くなってコストが上昇するという新たな問
題も生じている。
【0010】一方、特開平07-249867号公報に示される
ようなプラズマを利用する技術には、プラズマを発生さ
せるために必要なチャンバーに関連して技術的な問題が
多い。特に、プリント基板としては標準的なサイズであ
る500mm角程度の基板を処理する場合には、チャンバー
内のガス交換に長時間を要するうえ、プラズマ密度が面
内で不均一になって表面処理の強さが同一基板面内で不
均一になるという問題がある。また、この技術によって
絶縁膜表面を処理した場合には、絶縁層と配線層との間
にはアンカー効果が作用せず、ピール強度の発現機構は
プラズマ処理によって樹脂層表面に発生させた水素結合
基(OH基、COOH基等)による水素結合を主体とする化学
親和力だけとなるため、樹脂組成や樹脂塗布時の分子配
向のわずかな違いによってピール強度が変動しやすいと
いう問題がある。
【0011】また、上述のいずれの従来技術において
も、絶縁層表面の粗化処理には多量の処理剤を使用し、
それに伴って多量の廃棄物を発生する。例えば、特開平
08-162768号公報記載の技術では硫酸、過マンガン酸塩
又はクロム酸塩の濃厚溶液を用い、特開平07-249867号
公報の技術ではO2/CF4混合ガスを使用している。し
たがって、いずれの技術においても粗化工程に伴い多量
の有害・有毒な廃棄物を副成することは避けられず、こ
れらの廃棄物処理には手間・コストの負担が大きくなる
ことは避けがたい。更に、これらの有害・有毒廃棄物の
無害化処理には多大な資源・エネルギーを消費するた
め、ライフサイクルアセスメントという観点でみた総合
的な環境への負荷は相当に大きなものであって、多量に
廃棄物を発生することのない技術が希求されている。
【0012】本願発明は、多量の有害・有毒廃棄物を発
生することなく、層間絶縁性を維持しながら絶縁層と配
線層との間の密着性を向上させるために有効な多層配線
基板の製造技術を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】絶縁基板表面に内層配線
を形成し、該内層配線表面を含めた基板表面に層間絶縁
層を形成する工程と、該層間絶縁層の所望の位置に設け
たビア穴を介して上記内層配線との接続が維持されるよ
うに上部配線を形成させる工程とを有し、前記層間絶縁
層形成工程と導体配線形成工程とを所望の回数交互に繰
り返す、いわゆるビルドアップ法による多層配線基板の
製造方法において、発明者らは粗化に関わる化学反応に
ついて集中的・包括的な検討を行い、従来、過マンガン
酸塩などの酸化剤を用いて行っていた粗化反応を光触媒
を用いることにより触媒的に達成できる光触媒酸化反応
によって代替できることを見出して本発明に至った。
【0014】すなわち、本願発明の多層配線基板の製造
方法では、層間絶縁層形成後、当該絶縁層表面に光触媒
活性物質を用いた光酸化反応を作用させて表面に粗化形
状を形成した後、導体配線を形成する。本発明では、光
触媒の特性を活用することにより、所望の凹凸形状の粗
化構造を形成する工程において、廃棄物発生を顕著に低
減するとともに、工程の省資源化を実現することができ
る。
【0015】本願発明では、光触媒として、光酸化反応
活性を有する公知慣用な触媒材料を用いることができ
る。例えば、ZnO、TiO2、MgO、RuO2、SnO2、WO3、SrTiO
3、Fe2O3、ZnS、CdSなどに例示される金属酸化物あるい
は金属硫化物を主成分とする固体光触媒を用いることが
でき、これらの光触媒を相互に組み合わせたり、Al2O3
やSiO2、Ptなどに坦持させたものでも構わない。また、
これらの他に、数十nm以下望ましくは10nm以下の
粒径に調製された貴金属超微粒子を適当な担体上に固定
化したもの、例えば、Au/Fe2O3、Au/NiFe2O4、Au/Al
2O3、Au/TiO2、Au/SiO2、Au/Mg(OH)2等でも構わな
い。
【0016】本願発明では、これらの固体光触媒の中で
も、活性度、価格、純度、粒径分布、入手しやすさなど
を考慮すると、酸化チタンが好ましい。中でも、アナタ
ーゼ型酸化チタンは、その光触媒活性の点でルチル型酸
化チタンよりも勝っており、価格も低いことから、本願
発明においては特に好ましい。
【0017】光触媒活性物質による光酸化反応を絶縁層
表面に作用させるためには、当該光触媒活性物質が該絶
縁層表面に接触した状態で光照射する必要がある。
【0018】本願発明では、光触媒活性物質が絶縁層表
面に接触してさえいれば、どのような接触形態であって
も特段の問題はない。例えば、絶縁層材料表面へ粉体状
の光活性物質を撒布したり、光触媒活性物質の溶液をス
プレー塗布しても構わない。あらかじめ光触媒活性物質
を透光性の媒体中に均一分散させた後にコーティング剤
やコーティングフィルム等に調製・成型したものを用い
ると、基板面内における光触媒の濃度バラツキなどを抑
制できるので簡便である。本願発明に好適な光触媒コー
ティング剤としては、例えば、日本曹達(株)製の低温硬
化型光触媒コーティング剤ビストレイダーLなどが挙げ
られる。また、日本曹達(株)製の光触媒コーティングフ
ィルムビストレイダーFは本願発明に好適な光触媒コー
ティングフィルムの一例である。
【0019】光の照射は、光触媒活性物質を含有するコ
ーティング剤を絶縁層表面へ塗布した場合にはその上面
から行う。また、光触媒活性物質を含有するフィルムを
利用する場合には、あらかじめ透光性の高いベースフィ
ルム上に当該光触媒フィルムを成膜して複合膜を形成
し、この複合膜を、その表面の光触媒フィルムが絶縁層
表面に接するようにして絶縁層に合わせ、透光性ベース
フィルム裏面から光照射すればよい。なお、本発明にお
ける成膜方法及び光照射方法は、これには限られず、他
の方法により光触媒を絶縁層と接触させ、光を照射して
も構わない。
【0020】本願発明では、光触媒による酸化作用を利
用するため、層間絶縁層内部に酸化剤に溶解しやすいフ
ィラー等を含有させる必要がない。したがって、従来技
術にみられたような絶縁層材料製造時のフィラーの2次
凝集や絶縁層間に残留するフィラーに起因する問題から
解放され、層間絶縁性の低下は起こらない。
【0021】また、光触媒酸化作用は光触媒表面のみで
起こるため、光触媒に接触している樹脂表面層にしか作
用しない。それゆえ、本発明では、万一、光触媒物質が
2次凝集を起こして粗化による凹みの径が大きくなるこ
とがあっても、凹みの深さは大きくなることはないの
で、層間絶縁膜の実効的膜厚が薄くなって層間絶縁性が
低下するということもない。
【0022】逆に、光触媒酸化反応の後に、層間絶縁層
を加熱するなどの工程を付加することで光酸化反応を化
学増感させれば、所望の深さの凹みを作成できる。な
お、絶縁材料自体の機械的な特性(破断伸び、ヤング
率、耐衝撃性など)によって密着強度を確保するのに必
要な深さは大きく変化するが、本願発明で好適な凹みの
深さは、1〜20μmの範囲である。この範囲より小さ
いと十分なアンカー効果が発揮されずに密着強度が弱く
なることがある。一方、この範囲より大きくても密着強
度には支障はないが、光触媒を多量に使用したうえ露光
量も著しく大きくしなければならないために粗化工程に
関わるコストがかかりすぎる場合がある。
【0023】また、本願発明では、光触媒の粒子径・形
状や触媒活性を適切に選択することによって粗化形状
(凹凸)やその大きさをコントロールできる。触媒活性の
コントロール方法としては、これらの他にも触媒活性物
質の種類・製造方法、照射する光の波長分布やその強度
などがあり、コストや被粗化物質である絶縁層物質の特
性・分子構造を考慮して適宜選択することができる。
【0024】本願発明においては、その感光性の有無に
関わらず特段の問題なく周知慣用の絶縁材料を絶縁層の
材料として用いることができる。例えば、層間絶縁材料
として入手可能な日本ペイント(株)製プロビコート5000
や日立化成工業(株)製BL9700あるいは旭化成工業(株)製
銅箔付き熱硬化性PPE樹脂などが使用できる。
【0025】本願発明では、絶縁層樹脂としてネガ型感
光性層間絶縁材料を用い、絶縁材料塗布→光触媒塗布→
露光→現像という工程順を経ることにより、ビア穴形成
工程と粗化工程とを同時に達成することもできる。
【0026】また、本願発明では、光酸化反応を利用す
るため、見かけ上は光子が酸化剤として作用することに
相当しており、酸化剤が不要あるいは少量で済む。また
反応自体は触媒的であるため、光触媒活性物質の所要量
も触媒量でよい。更に、ポリフィリン類やミヒラーズケ
トンなど吸光性物質によって光増感させることにより、
光酸化反応の量子収率を顕著に向上させて光触媒活性を
実質的に増大させることもできる。
【0027】なお、光触媒膜は、絶縁層の絶縁信頼性を
確保し、また、光触媒がα線の線源となってしまうこと
を避けるため、表面粗化工程の後、剥離することが望ま
しい。剥離には、アルカリ溶液などが用いられる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、実施例に基づき、図1を用
いて本願発明を具体的に説明する。なお、ここでは、説
明を簡略にするため片面基板の作製を例にとっている
が、同様の操作により両面基板を作製することもでき
る。また、下記の各実施例に基づき、図1(b)〜
(d)の操作を繰り返すことにより、所望の層数の多層
配線基板を作製することもできる。
【0029】<実施例1> (1)内層配線形成工程 縦横各10cm、厚さ1.6mmの銅張りガラスエポキ
シ板1(日立化成工業(株)製;MCL-E-679、銅箔層2の厚
さ35μm)をベースの基板とし、その表面の銅箔層2
を選択的エッチングによってパターニングして内層配線
2aを形成した(図1工程(a))。選択的エッチング
は、常法通り、感光性ドライフィルムレジストを成膜
し、露光、現像、エッチング、剥離して行った。
【0030】(2)絶縁層形成工程 次いで、配線2aを覆うように、基板表面にネガ型感光
性液状絶縁材料3(日本ペイント(株)製プロビコート50
00C)を成膜(膜厚60μm)し、所望のビア孔パターン
を有するマスクを透して露光させ、NaOH水溶液による現
像を行って、上下層の配線を相互に接続するためのビア
孔3a(直径200μm)を形成した(図1工程
(b))。ここで、絶縁材料3は半硬化状態となってい
る。
【0031】(3)粗化工程 このようにして作成した基板の表面に、日本曹達(株)製
の低温硬化型光触媒コーティング剤ビストレイダーL
(型式NDC100C)をディップ法により成膜(厚さ1μ
m)して光触媒層4とし(図1工程(c))、60℃で10
分間加熱してビストレイダーLを硬化定着させた後、基
板表裏面全面に均一に紫外光を照射した。なお、ビスト
レイダーLの成膜は、通常の使用方法では、ビストレイ
ダーアンダーコート剤(型式NDC-100A)成膜後に光触媒
剤ビストレイダーL(型式NDC100C)を塗布するという
操作手順により行われるが、本願発明では、アンダーコ
ート層は使用せずに光触媒剤ビストレイダーLのみを基
板に直接成膜して、光触媒層4を形成した。これは、光
触媒をビストレイダーLの下地である層間絶縁樹脂に作
用させるからである。
【0032】次いで、40℃の10%NaOH水溶液を噴霧して
ビストレイダーLを除去すると、層間絶縁樹脂3の表面
には、微細な凹凸が均一かつ緻密に形成されており、そ
の深さは約2μmであった。
【0033】(4)上部配線形成工程 引き続いて、この粗化面にめっき触媒を付与し、化学銅
めっき、電気銅めっき、選択的銅エッチングを順次行っ
て、上部配線5(厚さ20μm)を形成した(図1工程
(d))。なお、めっき触媒の付与は、60℃のシプレ
ー社製「コンディショナー231」4%水溶液に3分間
浸した後、水洗し、40℃のシプレー社製「キャタプリ
ップ404」5%水溶液に5分間浸した後、更に42℃
のシプレー社製「キャタポジット44」3%水溶液に2
分間浸し、十分に水洗することにより行った。化学銅め
っきは、30℃のシプレー社製「アクセラレータ19」
15%水溶液に5分間浸し、十分に水洗した後、シプレ
ー社製化学めっき液(「キューポジットカッパーミック
ス328A」125mL/L、「キューポジットカッパ
ーミックス328L」125mL/L及び「キューポジ
ットカッパーミックス328C」25mL/Lの混合
液)に20分間浸し、十分に水洗することにより行っ
た。電気銅めっきは、1A/dm2の条件で行い、後処理
として160℃で60分間のアニーリング処理を行っ
た。このアニーリング処理により、銅めっき皮膜のアニ
ーリングとともに層間絶縁膜3も完全に硬化した。
【0034】得られた配線基板特性について、導体層5
の引き剥がし強度を測定したところ、1kN/m以上で
あった。また、85℃、85%RH、50V印加の高温高湿試験(1
000時間)を行ったところ、層間絶縁抵抗値は500MΩ以上
であった。
【0035】なお、本実施例により形成された配線基板
の絶縁層は、フィラーを含まない単一の組成からなって
おり、また、粗化処理により表面に形成された微細な凹
部のエッジ部が滑らかである点でも、従来のフィラーを
用いる粗化処理により形成されたものとは異なってい
た。このように絶縁層表面の凹凸が滑らかであること
は、その上に形成される導体配線における表皮効果の点
から、好ましい。
【0036】<実施例2>本実施例では、実施例1と同
じ基板材料(MCL-E-679)を用いて配線基板を作成した
が、使用した光触媒剤とその工程を以下のように若干変
更した。
【0037】まず、実施例1と同様にして内層回路を形
成し(図1工程(a))、その表面にネガ型感光性液状
絶縁材料3(日本ペイント(株)製プロビコート5000C)
を成膜(膜厚60μm)した。
【0038】この後、実施例1では該感光性樹脂3の露
光を行ったが、本実施例では、透光性のポリエチレンテ
レフタレートフィルム上に貼り付けた光触媒コーティン
グフィルムを基板表面に接触させた後に、実施例1で用
いたものと同じフォトマスクを介して露光させた。この
時の露光量は、実施例1の絶縁層形成工程における露光
量に比べ約2割多めにした。なお、本実施例では、光触
媒として日本曹達(株)製の光触媒コーティングフィル
ム「ビストレイダーF」を用いた。
【0039】次に、光触媒フィルムを剥離し、後加熱処
理を行った後、NaOH水溶液により現像したところ、ビア
孔3aが形成されるとともに、層間絶縁樹脂表面には微
細な凹凸が面内で均一かつ緻密に形成されており、その
凹凸の深さは約3μmであった。
【0040】引き続いて、実施例1と同様、めっき触媒
付与、化学銅めっき、電気銅めっき、選択的銅エッチン
グを順次行って上部配線5を形成した(図1工程
(d))。
【0041】得られた配線基板特性について、導体層5
の引き剥がし強度を測定したところ、実施例1より多少
小さな0.8kN/mしかなかった。これは、粗化反応
にとって露光量が適切でなかったためと推察されるが、
この基板に部品実装しても部品の脱落などの問題は起こ
らず、実用上問題のない接着性が得られていることがわ
かった。一方、85℃、85%RH、50V印加の高温高湿試験(1
000時間)を行ったところ、層間絶縁抵抗値は500MΩ以上
で実施例1の結果と同等であった。
【0042】<比較例1>本比較例では、実施例1と同
じ基板材料、処理工程を用いて配線基板を作成したが、
粗化工程では光触媒を使用せず、強酸化剤であるアルカ
リ性過マンガン酸カリウム溶液(80℃に加温)に浸漬し
て絶縁層表面の粗化を行った。また、アルカリ性過マン
ガン酸カリウムによって粗化処理すると絶縁樹脂表面に
二酸化マンガンが沈着するので、塩酸ヒドロキシルアミ
ン水溶液を用いてこれを除去した。得られた粗化面にめ
っき触媒付与、化学銅めっき、電気銅めっき、選択的銅
エッチングを順次行い、配線基板特性を測定したとこ
ろ、導体層引き剥がし強度は1kN/m以上、高温高湿
試験(85℃、85%RH、50V、1000時間)後の層間絶縁抵抗値
は500MΩ以上であり、実施例1によって得られた値と同
等であった。
【0043】しかしながら、本比較例では、基板作成後
にはアルカリ性過マンガン酸カリウム溶液、塩酸ヒドロ
キシルアミン溶液の廃液が多量に発生した。なお、過マ
ンガン酸カリウムは強力な酸化剤(消防法危険物質)であ
り、塩酸ヒドロキシルアミンは還元剤であるのでそれぞ
れ別個に回収・処理する必要があった。また、労働安全
衛生上の要求により、これらの保管のために特別の設備
・施設が必要であった。
【0044】
【発明の効果】本願発明ではこれまで使用されていた強
酸・強アルカリや強酸化剤などを使用せず、また、これ
に伴い多量の有害・有毒廃棄物を発生することなく密着
信頼性の高い層間絶縁層表面の粗化形状を形成できる。
また、層間絶縁材料に特定のフィラーを混合する必要が
無くなったことにより、層間絶縁性の高い多層配線を形
成できる。更に、以上の2つの特徴を活用することによ
り、層間絶縁性を維持しながら絶縁層と配線層との間の
密着性を向上した多層配線基板とその製造技術が提供さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1における多層配線基板の製造工程を
示す概略図である。
【符号の説明】
1…基板、2…銅箔、2a…内層配線、3…層間絶縁
層、3a…層間接続ビア、4…光触媒層、5…上層回路
配線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 勇 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 渡部 真貴雄 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株 式会社日立製作所情報通信事業部内 (72)発明者 仲山 浩偉 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株 式会社日立製作所情報通信事業部内 Fターム(参考) 4F073 AA06 BA27 BB02 CA45 EA52 5E343 AA02 AA12 AA37 BB15 BB24 BB71 CC32 CC44 DD33 DD43 EE32 EE40 ER01 GG04 5E346 AA05 AA12 AA15 CC51 DD01 DD22 DD32 EE38 FF02 FF12 GG01 GG15 GG17 GG18 GG22 GG27 HH08 HH11 HH13

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁層表面に光触媒活性物質を接触させ、
    該光触媒活性物質に光を照射することにより、該絶縁層
    表面を粗化することを特徴とする絶縁層表面の粗化方
    法。
  2. 【請求項2】上記絶縁層表面に上記光触媒活性物質を含
    む膜を成膜することにより該絶縁層表面に該光触媒活性
    物質を接触させる工程と、 上記光触媒活性物質を含む膜に光を照射する工程とを含
    むことを特徴とする請求項1記載の絶縁層表面の粗化方
    法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の粗化方法により表面が粗化
    された層間絶縁層を備えることを特徴とする配線基板。
  4. 【請求項4】上記層間絶縁層がフィラーを含有しないこ
    とを特徴とする請求項3記載の配線基板。
  5. 【請求項5】上記層間絶縁層を有しており、粗化によっ
    て形成された凹凸の深さが1〜20μmであることを特
    徴とする請求項3記載の多層配線基板。
  6. 【請求項6】請求項1記載の粗化方法により層間絶縁層
    表面を粗化する粗化工程と、 上記粗化工程により粗化された上記層間絶縁層表面に導
    体配線を形成する上部配線形成工程とを備えることを特
    徴とする配線基板の製造方法。
  7. 【請求項7】上記光触媒活性物質は、光の照射により酸
    化反応を触媒する物質であることを特徴とする請求項6
    記載の配線基板の製造方法。
  8. 【請求項8】上記光触媒活性物質は、金属酸化物又は金
    属硫化物を含むことを特徴とする請求項7記載の配線基
    板の製造方法。
  9. 【請求項9】上記光触媒活性物質は、酸化チタンを含む
    ことを特徴とする請求項8記載の配線基板の製造方法。
  10. 【請求項10】上記粗化工程は、 上記絶縁層表面に上記光触媒活性物質を含む光触媒膜を
    成膜することにより該絶縁層表面に該光触媒を接触させ
    る光触媒成膜工程と、 上記光触媒膜に光を照射する光照射工程とを含むことを
    特徴とする請求項6記載の配線基板の製造方法。
  11. 【請求項11】上記光触媒成膜工程は、 透光性のベースフィルムと該ベースフィルム表面に形成
    された上記光触媒活性物質を含む膜とからなる複合膜
    と、上記絶縁層とを、該光触媒活性物質を含む膜が上記
    絶縁層表面に接するようにして合わせる工程を含み、 上記光照射工程は、 上記ベースフィルムを介して、上記光触媒活性物質に光
    を照射する工程を含むことを特徴とする請求項10記載
    の配線基板の製造方法。
  12. 【請求項12】(a) 絶縁基板表面に内層配線を形成する
    工程、(b) 上記内層配線を覆うように、上記絶縁基板表
    面にネガ型感光性層間絶縁材料を用いて層間絶縁層を形
    成する工程、(c) 上記層間絶縁層表面に光触媒活性物質
    を接触させ、該光触媒活性物質及び上記層間絶縁層を露
    光させる粗化工程、(d) 上記層間絶縁層の非露光部及び
    上記光触媒活性物質を除去する工程、及び(e) 上記層間
    絶縁層表面に上層配線を形成する上部配線形成工程を有
    することを特徴とする請求項6記載の配線基板の製造方
    法。
  13. 【請求項13】上記工程(a)を行った後、上記工程(b)〜
    (e)を所定回数繰り返すことにより所望の多層配線積層
    構造を形成することを特徴とする請求項12記載の配線
    基板の製造方法。
  14. 【請求項14】(a) 絶縁基板表面に内層配線を形成する
    工程、(b) 上記内層配線を覆うように、上記絶縁基板表
    面に感光性層間絶縁材料を用いて層間絶縁層を形成する
    工程、(c) 上記層間絶縁層を露光させ、現像する工程、
    (d) 上記層間絶縁層表面に光触媒活性物質を接触させ、
    該光触媒活性物質を露光させる粗化工程、(e) 上記光触
    媒活性物質を除去する工程、及び(f) 上記層間絶縁層表
    面に上層配線を形成する上部配線形成工程、を有するこ
    とを特徴とする請求項6記載の配線基板の製造方法。
  15. 【請求項15】上記工程(a)を行った後、上記工程(b)〜
    (f)を所定回数繰り返すことにより所望の多層配線積層
    構造を形成することを特徴とする請求項14記載の配線
    基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101148226B1 (ko) * 2010-05-24 2012-05-22 삼성전기주식회사 인쇄회로기판 및 그 제조방법
JP2015149325A (ja) * 2014-02-05 2015-08-20 新光電気工業株式会社 配線基板及び半導体装置と配線基板の製造方法及び半導体装置の製造方法

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