JP2000067913A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

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JP2000067913A
JP2000067913A JP10305833A JP30583398A JP2000067913A JP 2000067913 A JP2000067913 A JP 2000067913A JP 10305833 A JP10305833 A JP 10305833A JP 30583398 A JP30583398 A JP 30583398A JP 2000067913 A JP2000067913 A JP 2000067913A
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battery
ether
nonaqueous electrolyte
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JP10305833A
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Toru Tabuchi
田渕  徹
Taku Aoki
卓 青木
Kazuhiro Nakamitsu
和弘 中満
Minoru Mizutani
実 水谷
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Japan Storage Battery Co Ltd
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GS MERUKOTEKKU KK
Japan Storage Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非水電解液二次電池の高温環境下における諸
特性を高める。 【解決手段】 非水電解液二次電池の電解液中に、熱的
安定性に優れるとともに、沸点は高く融点は低いといっ
た特徴を持つシアノ基を有するエーテル系化合物及びシ
アノ基を有するグリコール系化合物を含ませることによ
り、高温時における非水電解液二次電池のサイクル特
性、保存特性、安全性などの諸特性を高めることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解液を改良した
非水電解液二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、非水電解液二次電池には非水電解
液として、高誘電率溶媒と低粘度溶媒とを所定の比率で
混合して構成される混合溶媒がよく用いられている。具
体的には、高誘電率溶媒として、炭酸エステル系化合物
である環状カーボネート(エチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等)が、低
粘度溶媒としては、同じく炭酸エステル系化合物である
鎖状カーボネート(ジエチルカーボネート、ジメチルカ
ーボネート、エチルメチルカーボネート等)が広く知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、鎖状カーボ
ネートは、概して沸点が低く、そのため高温環境下で電
池の充放電を繰り返したり長期間保存すると、鎖状カー
ボネートの一部が揮発し、その揮発成分により密封され
た状態の電池の内圧が上昇して、ついには電池のケース
に膨れが生じたり、また場合によっては放電容量の低下
を招くこともあった。さらに、異常高温時には、電池内
部が異常燃焼しやすい状態となり、ついには電池が発煙
することがあった。そこで、代わりに比較的沸点の高い
溶媒を用いようとしても、今度は粘度が高いものが多い
ため、低温時の性能が悪化することがあった。
【0004】一方、環状カーボネート及び鎖状カーボネ
ートは、共に熱的安定性の面から見ると必ずしも十分と
は言えず、高温環境下で使用したり長期間保存した場合
には非水電解液中に分解反応が起こり易くなっている。
このことが原因となって電池の放電容量が低下したり、
また、分解成分が揮発し、電池の内圧を上昇させて電池
のケースに膨れが生じたりしており、非水電解液の熱的
安定性の改善が切望されていた。本発明は上記のような
事情に基づいて完成されたものであって、非水電解液二
次電池の高温環境下における諸特性を高めることを目的
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの手段として、請求項1の発明は、溶媒にリチウム塩
を溶解させた非水電解液を備えた非水電解液二次電池に
おいて、前記非水電解液は、シアノ基を有するエーテル
系化合物及び/又はシアノ基を有するグリコール系化合
物と炭酸エステル系化合物とからなる構成としたところ
に特徴を有する。
【0006】前記電解液に用いられるシアノ基を有する
エーテル系化合物として、具体的には、メチル,2−シ
アノエチルエーテル、エチル,2−シアノエチルエーテ
ル、イソプロピル,2−シアノエチルエーテル、エチレ
ングリコール−メチル,2−シアノエチルエーテル、ビ
ス−(2−シアノエチル)エーテル等があり、シアノ基
を有するグリコール系化合物としては、ビス−(2−シ
アノエトキシ)エチレングリコール、ビス−(2−シア
ノエトキシ)プロピレングリコール等がある。
【0007】また、前記炭酸エステル系化合物は、環状
炭酸エステル系化合物と鎖状炭酸エステル系化合物のう
ち少なくともいずれか一方から構成されている。具体的
には、環状炭酸エステル系化合物である環状カーボネー
トとして、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート、ブチレンカーボネート等があり、環状炭酸エステ
ル系化合物である鎖状カーボネートとしては、ジメチル
カーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネート等がある。
【0008】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記シアノ基を有するエーテル系化合物及び/又は
シアノ基を有するグリコール系化合物は、前記非水電解
液中に、10%以上、90%以下の体積比率で含まれて
いる構成としたところに特徴を有する。
【0009】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2の発明において、前記シアノ基を有するエーテル系化
合物及び/又はシアノ基を有するグリコール系化合物
は、前記非水電解液中に、20%以上、40%以下の体
積比率で含まれているとともに、前記炭酸エステル系化
合物は、鎖状炭酸エステル系化合物からなる構成とした
ところに特徴を有する。
【0010】
【発明の作用及び効果】<請求項1の発明>シアノ基を
有するエーテル系化合物及びシアノ基を有するグリコー
ル系化合物は、沸点が高く融点は低いといった性質を持
っている。非水電解液二次電池(以下、電池という)の
非水電解液を、シアノ基を有するエーテル系化合物又は
シアノ基を有するグリコール系化合物と炭酸エステル系
化合物とから構成することにより、高温環境下において
電池を繰り返し充放電した場合や長期間保存した場合に
非水電解液の成分が揮発するのを抑えることができる。
その結果、電池のケースが膨れるのを抑えることができ
るとともに、電池の放電容量の低下を極力抑えることが
できる。さらに異常高温時には、揮発した成分が発火し
て電池内部が燃焼するのを抑えることができる。また、
融点が低く、低温時の粘度も低いから、電池の低温特性
を損うこともない。従って、シアノ基を有するエーテル
系化合物又はシアノ基を有するグリコール系化合物を非
水電解液に含ませることで、低温特性を損うことなく電
池の高温特性を改善できる。
【0011】また、シアノ基を有するエーテル系化合物
及びシアノ基を有するグリコール系化合物は熱的安定性
に優れているから、高温時のような過酷な環境下におい
ても分解反応が起き難くなっている。これにより、高温
環境下で電池の充放電を繰り返し行った場合や長期間保
存した場合に起こる電池の放電容量の低下を極力抑える
ことができる。また、分解成分が揮発し、電池の内圧が
上昇して、電池のケースが膨れるのを抑えることもでき
る。すなわち、高温環境下における電池の諸特性を改善
できる。
【0012】<請求項2の発明>非水電解液のうち、シ
アノ基を有するエーテル系化合物又はシアノ基を有する
グリコール系化合物が占める体積比率を10%以上、9
0%以下とすることで、高温環境下において非水電解液
が揮発するのをさらに抑えることができ、また、非水電
解液の熱的安定性をさらに良好にすることができる。こ
れにより、高温環境下で電池の充放電を繰り返し行った
場合や長期間保存した場合に起こる放電容量の低下や電
池のケースの膨れをより効果的に防ぐことができる。
【0013】<請求項3の発明>非水電解液中の、シア
ノ基を有するエーテル系化合物又はシアノ基を有するグ
リコール系化合物の体積比率として、20%以上、40
%以下の範囲を選択するとともに、炭酸エステル系化合
物として鎖状炭酸エステル系化合物を用いることによ
り、高温環境下で電池の充放電を繰り返し行った場合や
長期間保存した場合に起こる放電容量の低下をさらに防
ぐことができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例につい添付図面ととも
に説明する。この実施例では、シアノ基を有するエーテ
ル系化合物又はシアノ基を有するグリコール系化合物
と、炭酸エステル系化合物である環状カーボネート又は
鎖状カーボネートとの混合溶媒を非水電解液として非水
電解液二次電池に用いた場合を示す。
【0015】非水電解液二次電池として、携帯電話やノ
ートパソコン等の小型電子機器によく使用されている角
型リチウムイオン二次電池(以下電池という)を例示す
る。この電池は、正極板と負極板との間にセパレータが
挟まれ、そこに電解液が浸透された状態でケース内に密
封状態として収容されることで構成されている。なお、
電池の大きさは、厚さ7.8mm、幅22.2mm、高
さ46.5mmとされている。
【0016】正極板は、リチウムコバルト複合酸化物を
活物質として用い、このリチウムコバルト複合酸化物に
対して結着剤としてポリフッ化ビニリデンを、導電剤と
してアセチレンブラックを重量比87:8:5の割合で
混合してペースト状に調整した後、厚さ20μmのアル
ミニウム箔からなる集電体の両面に均一に塗布し、乾燥
後プレスすることで作製されている。負極板は、グラフ
ァイトを活物質として用い、このグラファイトに対して
結着剤としてポリフッ化ビニリデンを重量比86:14
の割合で混合し、ペースト状に調整したものを厚さ10
μmの銅箔からなる集電体の両面に均一に塗布し、乾燥
後プレスすることで作製されている。セパレータは、ポ
リエチレン製のものを使用している。
【0017】このような構成の電池には、以下に示すよ
うな電解液が用いられている。 (実施例1)炭酸エステル系化合物である鎖状カーボネ
ートとしてEMC(エチルメチルカーボネート)を用
い、シアノ基を有するエーテル系化合物として、メチ
ル,2−シアノエチルエーテルを用いた。これらEMC
とメチル,2−シアノエチルエーテルとの体積比率が7
0:30になるように混合し、リチウム塩として、6フ
ッ化リン酸リチウムを1.0mol/lの濃度で加える
ことにより電解液を構成した。
【0018】(実施例2)炭酸エステル系化合物として
環状カーボネートであるEC(エチレンカーボネート)
と鎖状カーボネートであるEMCを50:50の体積比
率で混合したものを用い、シアノ基を有するエーテル系
化合物として、実施例1と同じメチル,2−シアノエチ
ルエーテルを用いた。この炭酸エステル系化合物からな
る混合溶媒とメチル,2−シアノエチルエーテルとの体
積比率が70:30になるように混合し、実施例1と同
様のリチウム塩を加えることにより電解液を構成した。
【0019】(実施例3)上記した実施例1の鎖状カー
ボネートであるEMCに代えて、環状カーボネートであ
るECを用い、その他は実施例1と同様にして電解液を
構成した。
【0020】(実施例4)上記した実施例1のEMCと
メチル,2−シアノエチルエーテルとの体積比率を6
0:40とし、その他は実施例1と同様にして電解液を
構成した。 (実施例5)上記した実施例1のEMCとメチル,2−
シアノエチルエーテルとの体積比率を80:20とし、
その他は実施例1と同様にして電解液を構成した。
【0021】(実施例6)上記した実施例1のEMCと
メチル,2−シアノエチルエーテルとの体積比率を5
0:50とし、その他は実施例1と同様にして電解液を
構成した。 (実施例7)上記した実施例1のEMCとメチル,2−
シアノエチルエーテルとの体積比率を90:10とし、
その他は実施例1と同様にして電解液を構成した。 (実施例8)上記した実施例1のEMCとメチル,2−
シアノエチルエーテルとの体積比率を30:70とし、
その他は実施例1と同様にして電解液を構成した。
【0022】(実施例9)上記した実施例3のECとメ
チル,2−シアノエチルエーテルとの体積比率を30:
70とし、その他は実施例1と同様にして電解液を構成
した。 (実施例10)上記した実施例9のメチル,2−シアノ
エチルエーテルに代えて、シアノ基を有するグリコール
系化合物であるビス−(2−シアノエトキシ)エチレン
グリコールを用い、その他は実施例9と同様にして電解
液を構成した。
【0023】(比較例1)鎖状カーボネートであるEM
Cにリチウム塩として、6フッ化リン酸リチウムを1.
0mol/lの濃度で加えることにより電解液を構成し
た。 (比較例2)シアノ基を有するエーテル系化合物とし
て、メチル,2−シアノエチルエーテルを用い、これに
比較例1と同様のリチウム塩を加えることにより電解液
を構成した。
【0024】(比較例3)環状カーボネートであるEC
と鎖状カーボネートであるEMCとの体積比率が40:
60になるように混合し、ここに比較例1と同様のリチ
ウム塩を加えることにより電解液を構成した。
【0025】上記のような構成の電解液を備えた電池を
それぞれ実施例1〜実施例10及び比較例1〜比較例3
とし、各電池について以下に示すサイクル試験、保存試
験を行い、両試験における電池のケースの厚みの変化と
放電容量の変化について記録した。このとき、実施例1
〜実施例8と比較例1,2については、放電容量の変化
のみを記録した。また、実施例9,10及び比較例3に
ついては、両試験に加えて異常加熱試験を行い、電池の
発煙の有無を記録した。
【0026】サイクル試験及び保存試験について、具体
的な試験方法を説明する。 (サイクル試験)温度45℃の環境下で各電池の充放電
を繰り返して、そのサイクル数に対する各電池のケース
の厚さ及び放電容量の変化を測定した。充電は、600
mAの定電流で電池電圧が4.1Vに達するまで行い、
放電は、600mAの定電流で終止電圧2.75Vに達
するまで行った。放電容量は、放電に要した時間から計
算して求めた。
【0027】(保存試験)温度45℃の環境下で各電池
を保存し、保存日数に対する各電池のケースの厚さ及び
放電容量の変化を測定した。まず、試験前に温度25℃
の環境下において600mAの定電流で電池電圧4.1
Vまで充電しておく。そして、温度45℃の環境下で1
4日間保存した後、再び温度25℃の環境下において6
00mAの定電流で電池を放電させ、終止電圧2.75
Vに達するまでに要した時間から残存していた放電容量
を求めた。なお、保存前の放電容量も同様の放電方法に
より求めた。また、14日間保存した電池を温度25℃
の環境下で再び充電し、回復した電池の放電容量を同様
の放電方法により求めた。
【0028】続いて、両試験から得られた結果について
の評価を示す。 (放電容量の変化)サイクル試験における放電容量の変
化について図1,2に示し、保存試験における放電容量
の変化については図3,4に示す。これらの図1〜図4
に示すように、実施例1〜実施例10は、45℃の環境
下における充放電のサイクル数や保存日数の増加に伴っ
て放電容量が緩やかに低下しているのに対して、比較例
1〜比較例3、特に比較例1,2は急激に低下してい
る。このことから、比較例1,2の電解液に使用されて
いるEMC、メチル,2−シアノエチルエーテルは、電
解液として単独で用いるには適さないことが分かる。
【0029】一方、比較例3の電解液は、ECとEMC
の混合溶媒から構成されており、放電容量の低下率は比
較例1,2よりは小さいが、実施例1〜実施例10と比
べるとやや大きい。この原因としては、比較例3の電解
液の熱的安定性が十分でないために、電解液中に分解反
応が起き易くなっていることが考えられる。また他の原
因としては、電解液の成分が揮発し易くなっていること
も考えられる。
【0030】これに対して、実施例1〜実施例10の電
解液には、良好な熱的安定性を持つメチル,2−シアノ
エチルエーテル又はビス−(2−シアノエトキシ)エチ
レングリコールが少なくとも体積比率で10%以上含ま
れているから、電解液に十分な熱的安定性を与えること
ができ、これにより充放電のサイクル数や保存日数の増
加に伴う放電容量の低下を極力抑えることができる。ま
た、メチル,2−シアノエチルエーテル及びビス−(2
−シアノエトキシ)エチレングリコールは高い沸点を有
しているから、電解液の成分は揮発し難くなっている。
なお、上記したようにメチル,2−シアノエチルエーテ
ルは単独で用いるには適さないため、この実施例中では
メチル,2−シアノエチルエーテルの体積比率の上限は
70%程度とされているが、90%以下であればよいこ
とが分かっている。また、ビス−(2−シアノエトキ
シ)エチレングリコールについても同様のことが言え
る。
【0031】また、実施例1〜実施例3について見てみ
ると、特に実施例1は実施例2,3よりもサイクル数や
保存日数に対する放電容量の低下率が小さい。実施例
2,3の電解液には、ECが混合されているのに対し
て、実施例1には混合されておらず、このことは、メチ
ル,2−シアノエチルエーテルの体積比率が30%程度
の場合には、炭酸エステル系化合物としてEMCを用い
ることにより、放電容量の低下をさらに抑えることがで
きると考えられる。なお、このときのメチル,2−シア
ノエチルエーテルの体積比率は、20%〜40%でもよ
いことが分かっている。つまり、電解液中のメチル,2
−シアノエチルエーテルの体積比率として20%〜40
%の範囲を選択するとともに、混合する炭酸エステル系
化合物として、鎖状カーボネートであるEMCを選択す
ることにより、放電容量の低下をいっそう効果的に抑制
することができる。なお、ビス−(2−シアノエトキ
シ)エチレングリコールについても同様のことが言え
る。
【0032】以上説明したように、炭酸エステル系化合
物にシアノ基を有するエーテル系化合物又はシアノ基を
有するグリコール系化合物を一定の比率で加えて電解液
を構成することで、実施例1〜実施例10は、高温環境
下における充放電のサイクル数や保存日数に伴う電解液
の分解及び電解液の揮発が抑えられ、これに伴う放電容
量の低下を極力抑えることができる。
【0033】(ケースの厚みの変化)サイクル試験にお
けるケースの厚みの変化について図5に示し、保存試験
におけるケースの厚みの変化については図6に示す。こ
れらの図5,6に示すように、温度45℃の環境下にお
けるサイクル数や保存日数の増加に伴って、比較例3は
実施例9,10よりも電池ケースの厚さが増加してい
る。この原因としては、高温環境下におかれた電解液の
成分のうち比較的飽和蒸気圧が低いEMCが揮発し、電
池の内圧を上昇させていることが考えられる。また、他
の原因として比較例3の電解液の熱的安定性は、実施例
9,10の電解液に比べると十分とは言えず、高温によ
り電解液が分解し、その分解成分が揮発して電池の内圧
を上昇させていることが考えられる。
【0034】すなわち、炭酸エステル系化合物にシアノ
基を有するエーテル系化合物又はシアノ基を有するグリ
コール系化合物を加えて電解液を構成することで、実施
例9,10は、高温環境下における充放電のサイクル数
や保存日数に伴う電解液成分の揮発及び電解液の分解が
抑えられているから、ケースの膨らみを極力抑制するこ
とができる。
【0035】続いて、異常加熱試験の具体的な試験方法
を説明した後、その結果についての評価を示す。 (異常加熱試験)各電池を600mA、4.2Vで3時
間定電流低電圧充電を行った後にオーブンに入れて、温
度を155℃及び160℃に設定して90分間加熱し
た。この試験を各電池についてそれぞれ10個ずつ行
い、発煙した電池の個数を記録した。なお、この試験は
実施例9,10及び比較例3についてのみ行った。
【0036】(異常加熱試験結果)異常加熱試験の結果
を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1に示すように、実施例9,10が温度
155℃及び160℃の環境下で1個も発煙していない
のに対し、比較例3では温度155℃で1個、温度16
0℃では8個発煙している。比較例3においてのみ発煙
が起きていることから、温度150℃以上という高温環
境により電解液成分のEMCが揮発し、その揮発した成
分が発火されて異常燃焼が生じたためと考えられる。特
に温度160℃以上になるとその傾向が顕著になってい
ることが分かる。このように電池の内部が異常燃焼して
いる状態では、電池の安全性は著しく低下しているとい
える。すなわち、実施例9,10では、温度150℃以
上の環境下においても電解液の揮発成分の発生とそれに
伴う異常燃焼が抑制されており、高い安全性を得ること
ができる。
【0039】また、これらの物質は、EMCに比べて融
点が低いため、低温時においても粘度が低く、低温環境
下においても良好な電池性能を示す。
【0040】以上説明したように、非水電解液二次電池
の電解液として、シアノ基を有するエーテル系化合物で
あるメチル,2−シアノエチルエーテル又はシアノ基を
有するグリコール系化合物であるビス−(2−シアノエ
トキシ)エチレングリコールを加えることにより、高温
環境下における非水電解液二次電池のサイクル特性、保
存特性及び安全性を高めることができる。また、これら
物質は融点が比較的低いため、低温時の電池性能が損わ
れることもない。
【0041】<他の実施例>本発明は上記記述及び図面
によって説明した実施例に限定されるものではなく、例
えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれ、
さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変
更して実施することができる。 (1)本発明は、メチル,2−シアノエチルエーテル、
メチル,2−シアノエチルエーテル以外のシアノ基を有
するエーテル系化合物についてももちろん適用できる。 (2)本発明は、ビス−(2−シアノエトキシ)エチレ
ングリコール以外のシアノ基を有するグリコール系化合
物についてももちろん適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各試験電池のサイクル数に対する放電容量の変
化を示す図
【図2】図1の放電容量500mAh〜700mAh付
近の拡大図
【図3】各試験電池の保存日数に対する放電容量の変化
を示す図
【図4】図3の放電容量600mAh付近の拡大図
【図5】各試験電池のサイクル数に対する電池ケースの
厚さの変化を示す図
【図6】各試験電池の保存日数に対する電池ケースの厚
さの変化を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 卓 京都府京都市南区吉祥院新田壱ノ段町5番 地 ジーエス・メルコテック株式会社内 (72)発明者 中満 和弘 京都府京都市南区吉祥院新田壱ノ段町5番 地 ジーエス・メルコテック株式会社内 (72)発明者 水谷 実 京都府京都市南区吉祥院西ノ庄猪之馬場町 1番地 日本電池株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ04 AJ05 AJ12 AK03 AL07 AM01 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ02 HJ07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶媒にリチウム塩を溶解させた非水電解
    液を備えた非水電解液二次電池において、 前記非水電解液は、シアノ基を有するエーテル系化合物
    及び/又はシアノ基を有するグリコール系化合物と炭酸
    エステル系化合物とからなることを特徴とする非水電解
    液二次電池。
  2. 【請求項2】 前記シアノ基を有するエーテル系化合物
    及び/又はシアノ基を有するグリコール系化合物は、前
    記非水電解液中に、10%以上、90%以下の体積比率
    で含まれていることを特徴とする請求項1記載の非水電
    解液二次電池。
  3. 【請求項3】 前記シアノ基を有するエーテル系化合物
    及び/又はシアノ基を有するグリコール系化合物は、前
    記非水電解液中に、20%以上、40%以下の体積比率
    で含まれているとともに、前記炭酸エステル系化合物
    は、鎖状炭酸エステル系化合物からなることを特徴とす
    る請求項1または請求項2記載の非水電解液二次電池。
JP10305833A 1998-06-08 1998-10-27 非水電解液二次電池 Pending JP2000067913A (ja)

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