JP2000067764A - プラズマディスプレイパネル用障壁及びその製造法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネル用障壁及びその製造法

Info

Publication number
JP2000067764A
JP2000067764A JP23936798A JP23936798A JP2000067764A JP 2000067764 A JP2000067764 A JP 2000067764A JP 23936798 A JP23936798 A JP 23936798A JP 23936798 A JP23936798 A JP 23936798A JP 2000067764 A JP2000067764 A JP 2000067764A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
barrier
layer
weight
pattern
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23936798A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Sudo
鉄也 須藤
Seikichi Tanno
清吉 丹野
Tadayasu Fujieda
忠恭 藤枝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP23936798A priority Critical patent/JP2000067764A/ja
Publication of JP2000067764A publication Critical patent/JP2000067764A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 微細で高い寸法精度を実現できるプラズマデ
ィスプレイパネルの障壁の製造法を提供する。 【解決手段】 基板1上に感光性樹脂組成物の層8を形
成し、この感光性樹脂組成物層をパターン状に露光、現
像して樹脂パターン10を形成し、この樹脂パターンと
樹脂パターンの間に低融点ガラスの含有量を65重量%
以下とした無機材料を含んでなる下層形成用障壁材料4
a′を埋込み、次いで低融点ガラスの含有量を70重量
%以上とした無機材料を含んでなる上層形成用障壁材料
4b′を埋込んだ後、樹脂パターン10を除去して前記
2種の障壁材料から構成されたパターンを形成し、この
パターンを焼成することを特徴とするプラズマディスプ
レイパネル用障壁の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンピューター
端末や璧掛けテレビ、券売機において文字情報や映像情
報の表示装置として使用されるプラズマディスプレイパ
ネル(以下、PDPと略す)の障壁(バリアーリブ)及
びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】PDPは透明電極が形成される前面板
と、データ電極や絶縁膜が形成される背面板の二枚の絶
縁板(以下ガラス板と略す)の内側に障壁、蛍光体が形
成された構造よりなる。この障壁は直行する透明電極群
とデータ電極群との間に一定空間を保持したセル構造を
形成し、さらにNe、Xe等の稀ガスが封入され、この
透明電極とデータ電極の交差部が印加電圧により放電、
蛍光体が発光する画素が形成され画像を表示する。図1
にAC型PDPの概略の構成図を示した。図1におい
て、1は基板、2は透明電極、3はデータ電極、4は障
壁、5は蛍光体、6は誘電体層及び7は保護膜を示す。
この障壁は、セル間での誤放電を防止し一定の放電区間
を得るための機能を有している。
【0003】従来の障壁は黒色または白色の1層構造で
あったが、蛍光体の発光を最大限に利用でき、また画素
のコントラストを向上させるなど障壁の役割を十分発揮
できるようにするため白黒2層構造の障壁が検討されて
いる。例えば、特開平5−266791号公報では、放
電による蛍光体の発光を確実に区分し、画素のコントラ
ストを向上させる作用と蛍光体の発光を最大限に利用す
るために白色、黒色の2層構造の障壁が提挙されてお
り、背面板側が白色で前面板側が黒色である。すなわ
ち、下層の白色は蛍光体の発光が裏側へ漏れるのを防止
し、前面に反射させる役割を有し、上層の黒色は各画素
の発光をより明確に区分する、いわゆるブラウン管テレ
ビ等で使用されているブラックマトリックスの役割を有
している。
【0004】しかし、これらの白黒2層構造の障壁は、
下層白色層と上層黒色層の境界は直線状か、上に凸の曲
線状になっている。例えば、サンドブラスト法による障
壁では、境界は直線状で(図2)、スクリーン印刷によ
る障壁材料の重ね塗り方法では境界が上に凸の曲線状
(図3)となっている。
【0005】しかしながら、白黒2層構造障壁の下層白
色層と上層黒色層の境界が直線状の場合は、次のような
問題がある。 下層と上層の接着面積が小さく、障壁焼成時の収縮
で剥がれる部分がある。 2層構造障壁を全面に形成した背面板では、部分的
に障壁の高さのバラツキが発生した場合に上層の黒色層
を均一厚さに形成することができず、部分的に研磨で除
去されてしまう部分(黒色層の欠落欠陥)が発生する
(図4)。 の研磨による黒色層の欠落欠陥を防ぐために、あ
るいは上層の黒色層の色調を増すために黒色層を厚くし
ようとしても、黒色層を厚くすると下層の白色層の割合
が減少するために、蛍光体の発光した光の反射効率が低
下してしまうため限界がある(図5)。 また、白黒2層構造障壁の下層白色層と上層黒色層の境
界が上に凸の曲線の場合は、上記のの接着面積に関し
ては問題は無いものの、との問題を有している(図
6)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、上下層の剥がれが無く、最大限にRGB色調を発揮
でき、上層の上面の平坦性が優れたプラズマディスプレ
イパネル用障壁を提供する。請求項2記載の発明は、上
下層の接着面積が大きく、障壁焼成時に剥がれが無く、
下層を犠牲にすること無く上層の厚みを増加することが
可能で、上層の上面の平坦性が優れ、最大限にRGB色
調を発揮できて、障壁の高さ調整も容易で、微細で高い
寸法精度を実現できるプラズマディスプレイパネルの障
壁の製造法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上下2層から
構成されるプラズマディスプレイパネル用障壁におい
て、下層が窪みを有し、下層の上に上層を形成してなる
プラズマディスプレイパネル用障壁であって、上層の低
融点ガラスの含有量が70重量%以上であり、下層の低
融点ガラスの含有量が65重量%以下であるプラズマデ
ィスプレイパネル用障壁に関する。また、本発明は、基
板上に感光性樹脂組成物の層を形成し、この感光性樹脂
組成物層をパターン状に露光、現像して樹脂パターンを
形成し、この樹脂パターンと樹脂パターンの間に低融点
ガラスの含有量を65重量%以下とした無機材料を含ん
でなる下層形成用障壁材料を埋込み、次いで低融点ガラ
スの含有量を70重量%以上とした無機材料を含んでな
る上層形成用障壁材料を埋込んだ後、樹脂パターンを除
去して前記2種の障壁材料から構成されたパターンを形
成し、このパターンを焼成することを特徴とするプラズ
マディスプレイパネル用障壁の製造法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のプラズマディスプレイパ
ネル用障壁は、上下2層から構成されるが、2層構造と
して各層に機能を分担させることにより、蛍光体の発光
を最大限に利用でき、また画素のコントラストを向上さ
せるなど障壁の役割を充分発揮することができる。例え
ば、下層を白色、上層を黒色の2層構造とすれば、白色
の下層は蛍光体の発光が裏側へ漏れるのを防止し、前面
に反射させる機能を果たし、黒色の上層は各画素の発光
をより明確に区分する、いわゆるブラックマトリックス
的な機能を果たす。
【0009】本発明のプラズマディスプレイパネル用障
壁を構成する下層及び上層は、低融点ガラスの含有量を
特定の範囲とした無機材料を含んでなる障壁材料を焼成
することにより形成することができる。そのような障壁
材料は、無機材料及びバインダ樹脂を必須成分とし、他
に必要に応じて、有機溶剤、顔料、シランカップリング
剤等の密着性向上剤、可塑剤、分散剤、レベリング剤等
の密着性向上剤等を含んでなる組成物である。
【0010】本発明のプラズマディスプレイパネルの障
壁は、上下2層からなり、その上層の低融点ガラスの含
有量を70重量%以上としてなり、下層の低融点ガラス
の含有量を65重量%以下としてなるものである。
【0011】障壁上層の低融点ガラスの含有量は、70
重量%以上とされる。この含有量が70重量%未満では
障壁の上層の上面の平坦性が劣る。この含有量は100
重量%でもよいが、100重量%では障壁の上層の形状
が崩れる傾向があるので、95重量%以下とすることが
好ましい。一方、障壁の下層の低融点ガラスの含有量
は、65重量%以下とされる。この含有量が65重量%
を超えると、障壁製造時の形状保持性が劣り、所望の放
電空間を構成するための所望の形状の障壁を得にくくな
る。この含有量の下限は、基板との密着性、ガス不透過
性等の点から50重量%程度である。
【0012】本発明の障壁は、例えば、基板上に形成さ
れた低融点ガラスの含有量を65重量%以下とした無機
材料を含んでなる下層形成用障壁材料からなるパターン
と、その上に形成された低融点ガラスの含有量を70重
量%以上とした無機材料を含んでなる上層形成用障壁材
料を焼成することにより製造できる。ここで、上層形成
用障壁材料において使用される無機材料は低融点ガラス
の含有量を70重量%以上とすることが必要である。こ
の含有量が70重量%未満では、焼成時の流動性が不充
分で焼成後に得られる障壁の上層の上面の平坦性が劣
る。無機材料の低融点ガラスの含有量は100重量%で
もよいが、100重量%では焼成時の流動性が増加しす
ぎて焼成後に得られる障壁の形状が崩れる傾向があり、
この含有量は95重量%以下とすることが好ましい。
【0013】一方、下層形成用障壁材料において使用さ
れる無機材料の低融点ガラスの含有量は、65重量%以
下とされる。この含有量が65重量%を超えると、障壁
製造時の形状保持性が劣り、所望の放電空間を構成する
ための所望の形状の障壁を得にくくなる。
【0014】障壁材料からなるパターンは、焼成により
有機材料は焼失するが、低融点ガラスを含む無機材料は
焼失しないで残存し、有機物等の焼失により焼成前より
縮んで障壁となるが、焼成前の形状は、焼成後も保存さ
れ、焼成前の障壁材料からなるパターンの形状と焼成に
より得られた障壁の形状は、ほぼ相似している(障壁材
料からなるパターンの基板と接着している底部の形状は
底部が基板と密着しているため焼成前後で変化せず、主
に高さと底部を除いた部分の幅が小さくなる)。したが
って、上層形成用障壁材料としての低融点ガラスの含有
量を70重量%以上とした無機材料を含んでなる障壁材
料からなるパターンの焼成後に得られる障壁は、低融点
ガラスの含有量が70重量%以上となる。また、下層形
成用障壁材料についても同様のことがいえる。
【0015】本発明で使用される基板としては、例え
ば、0.5〜5mm程度の厚さのガラス板、セラミック
板、プラスチック板等が挙げられ、この基板上には、誘
電体層、電極、保護層等が設けられてもよい。
【0016】本発明で使用される障壁材料は、無機材料
(低融点ガラス及び無機充填材)と有機材料(樹脂バイ
ンダー)とを必須成分として含み、他に必要に応じて、
有機溶剤、顔料、染料、レベリング剤、γ−メタクリロ
キシトリメトキシシラン等の密着性向上剤、分散剤等を
含む。上記低融点ガラスは、特に制限なく公知のものを
使用しうるが、その組成としては、PbO−SiO2
23、PbO−SiO2、PbO−B23、ZnO−
23等が挙げられる。作業点、障壁の強度の点から、
低融点ガラスの軟化点は、350〜1000℃であるこ
とが好ましく、350〜500℃であることがより好ま
しく、粒度は、0.1〜5μmであることが好ましい。
無機材料(低融点ガラス及び無機充填材)中、低融点ガ
ラスの含有量は、上述したように上層用障壁材料及び下
層用障壁材料において、各々特定の範囲とされる。
【0017】上記無機充填材としては、アルミナ、Zr
SiO4、Cu−Cr系酸化物、CuCrO4、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、酸化バリウム、酸化カリウム、酸化ナト
リウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化カド
ミウム、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸
化ビスマス等の金属酸化物が挙げられる。
【0018】上記樹脂バインダーは、特に制限なく公知
の樹脂を使用しうるが、非硬化型樹脂(熱や光で2量化
や重合して硬化をしない樹脂)であることが好ましく、
そのような樹脂は、熱や光で重合して架橋し硬化するよ
うな官能基(ビニル基、ヒドロキシル基、エポキシ基
等)を有さない樹脂であり、例えばアクリル酸のアクリ
ルエステル及びメタアクリル酸のアクリルエステルを主
成分とし、これらと共重合可能なビニル単量体を必要に
応じて共重合したもが挙げられる。具体的には、メタク
リル酸ブチル又は、メタクリル酸エチルを主成分とし
て、これに少量のメタクリル酸又は、メタクリル酸ラウ
リルを共重合させたもがある。樹脂バインダーの使用量
は、無機材料(低融点ガラス及び無機充填材)100重
量部に対して3〜40重量部とすることが好ましい。3
重量部未満であると、バインダーとして機能せず、障壁
材料からなるパターンの形状が容易に崩れる傾向があ
る。また、40重量部を超えると、障壁材料からなるパ
ターン中の有機物を焼成により熱分解、焼失させる工程
でその熱分解、焼失前の溶融段階で流動性が過大となり
障壁の形状が変形する傾向がある。
【0019】本発明の障壁の製造は、例えば、低融点ガ
ラスの含有量を70重量%以上とした無機材料を含んで
なる上層形成用障壁材料及び低融点ガラスの含有量を6
5重量%以下とした無機材料を含んでなる下層形成用障
壁材料を使用してスクリーン印刷法で重ね塗りを適用す
ることにより行いうるが、生産性、微細性、寸法精度等
が優れる点から、基板上に樹脂パターンを形成し、この
樹脂パターンと樹脂パターンの間隙に、まず前記下層形
成用障壁材料を埋め込込み、次いで前記埋め込まれた下
層形成用障壁材料の上に、さらに前記上層形成用障壁材
料を埋めんだ後、樹脂パターンを除去することにより行
うことが好ましい。
【0020】下層形成用障壁材料を埋め込込み、必要に
応じて乾燥すると、下層は上部のほぼ中央に窪みがで
き、次いで、上層が下層の窪みの上に形成されるので、
上下層の接着面積は大きく、焼成時の収縮に対しても剥
がれが無く良好となる。このような、本発明の障壁の一
例を図7として示した。なお、窪みの形状は下方に凸で
あれば、特に制限はなく、例えば、図8、図9等の形状
もとりうる。この障壁で下層の窪みの最大深さは15μ
m以上で、かつ障壁高さの95%以下の範囲にあること
が好ましい。最大深さが15μm未満であると障壁を形
成する際の焼成時に上下層間で剥がれが起こる傾向があ
り、一方窪みの最大深さが障壁高さの95%を超えるも
のは障壁の作成自体が困難となる傾向がある。また、コ
ントラスト、視確できる輝度等の点から下層が光反射層
で上層が光吸収層であることが好ましく、光反射層が白
色で光吸収層が黒色であることがより好ましい。
【0021】ここで、より優れた生産性、微細性、寸法
精度等を達成する点から、基板上に形成された感光性樹
脂組成物層をパターン状に露光し、現像することによ
り、基板上に樹脂パターンを形成することが好ましい。
基板上に感光性樹脂組成物層を形成する方法としては、
感光性樹脂組成物を基板上に直接塗布し、必要に応じて
乾燥する方法、感光性フィルム(感光性エレメントとも
呼ばれる)を用いラミネータにより感光性フィルムの感
光性樹脂層を基板上に転写することにより設ける方法等
があるが、環境衛生の点、樹脂パターンの膜厚(高さ)
を大きくできる点等から、後者の感光性フィルムを用い
る方法が好ましい。
【0022】感光性フィルムは、支持フィルム及び感光
性樹脂層を有してなり、例えば、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム等の支持フィルム上に感光性樹脂組成物
を塗布し、必要に応じて乾燥して感光性樹脂組成物層を
形成することにより製造される。通常、感光性樹脂組成
物層は未硬化であり、柔軟で粘着性を有するため、この
層の上にポリエチレンフィルム等の保護フィルムを貼り
あわせて、外部からの損傷、異物の付着を防止してい
る。感光性フィルムにおける感光性樹脂組成物層の厚さ
は、特に制限ないが、形成しようとする樹脂パターンを
容易に厚膜化できる観点から15μm以上とすることが
好ましく、上限は250μm程度である。
【0023】感光性樹脂組成物としては、特に制限がな
く公知のものを使用でき、例えば、ネガ型感光性樹脂組
成物、ポジ型感光性樹脂組成物等を挙げることができ
る。ポジ型感光性樹脂組成物としては、例えば、1,2
−ナフトキノンジアジド系化合物、o−ニトロベンジル
系化合物等を用いた光可溶性基生成型の組成物、オニウ
ム塩等を用いた光酸発生・酸分解型の組成物などが挙げ
られる。ネガ型感光性樹脂組成物は、厚さ50μm以上
の比較的厚膜の樹脂パターンの形成に好適であり、例え
ば、(a)エチレン性不飽和化合物、(b)カルボキシ
ル基含有フィルム性付与ポリマ及び(c)光重合開始剤
を必須成分として含有し、他に必要に応じて、(d)染
料又は顔料、(e)その他添加物、(f)有機溶剤を含
んだ光重合型の組成物が挙げられる。
【0024】以上のような感光性樹脂組成物を用いて基
板上に形成された感光性樹脂組成物層は、所定パターン
のネガマスク(フォトツールとも呼ばれる)を通して活
性光線を照射すること等によりパターン状に露光され、
必要に応じて加熱された後、現像により感光性樹脂組成
物層が選択的に除去されて基板上に複数の樹脂パターン
が形成される。現像方法としては、特に制限されず、ウ
ェット現像、ドライ現像等が挙げられる。ウェット現像
の場合は、感光性樹脂組成物に対応した現像液を用い
る。現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム等の弱アルカリ性の希薄水溶液が挙げられ、現像
方式は、浸漬方式、スプレイ方式等が挙げられる。ま
た、現像後に基板上に形成された樹脂パターンを、強
度、耐溶剤性等の向上の目的で加熱及び/又は露光して
もよい。
【0025】以下に、本発明の障壁の製造法の好ましい
態様を図10を用いて説明する。図10(a)に示され
るように基板1上に形成された感光性樹脂組成物層8は
所定パターンのネガマスク9を通して活性光線(UV)
を照射することによりパターン状に露光され、この後必
要に応じて加熱された後、現像により感光性樹脂組成物
層8を選択的に除去して基板1上に複数の樹脂パターン
10を形成する(図10(b))。現像方法としては、
特に制限されず、ウェット現像、ドライ現像等が挙げら
れる。ウェット現像の場合は、感光性樹脂組成物層8の
材料に対応した現像液を用いる。現像液としては、例え
ば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の弱アルカリ性の
稀薄水溶液が挙げられ、現像方式は、浸濱方式、スプレ
イ方式等が挙げられる。また、現像後に基板上に形成さ
れた樹脂パターン10を、強度、耐溶剤性等の向上の目
的で、加熱及び/又は露光してもよい。
【0026】このようにして形成された基板の複数の樹
脂パターン10の間隙に、スクリーン、スキージ、ロー
ル等を使用して、下層形成用障壁材料4a′を埋め込
み、乾燥(50〜180℃で10〜120分間程度)し
(図10(c))、次いで、上層形成用障壁材料4b′
を埋め込み、乾燥(50〜180℃で10〜120分間
程度)する(図10(d))。次いで、樹脂パターン1
0の上面、間隙の上部にあふれた障壁材料を必要に応
じ、掻き取り、研磨等により除去する(図10
(e))。なお、この研磨による除去工程により障壁の
高さを調整し、揃えることを容易に行うことができる。
例えば、図11に示したように種々の要因で不揃いが起
こっても研磨により一定のリカバリーが可能となる。
【0027】次いで、樹脂パターンを除去することによ
りパターン状の障壁材料が残る(図10(f))。樹脂
パターンは種々の方法で除去できるが、例えば、剥離液
を用いて行う場合、使用する剥離液としては、水酸化ナ
トリウム又は水酸化カリウムの1〜10重量%程度の水
溶液が挙げられる。剥離方式としては、浸濱方式、スプ
レイ方式のいずれも好適であり、浸漬方式及びスプレイ
方式を併用してもよい。また、レジストパターンを障壁
材料とともに焼成することにより除去することも可能で
ある。樹脂パターンの除去後、基板上に残ったパターン
状の障壁材料から樹脂バインダー等の有機物を除去し、
強度、ガス不透過性等を向上する目的で、パターン状の
障壁材料を焼成する。この焼成の温度と時間は、350
〜580℃、1〜20時間程度である。このようにして
製造された基板上の障壁の厚さ(高さ)は、50〜25
0μm程度であり、その幅は20〜150μm程度であ
る。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 実施例1 〔感光性樹脂組成物の調整〕メタクリル酸メチル/アク
リル酸エチル/メタクリル酸共重合体(共重合組成重量
比53/30/17、重量平均分子量10万)の41重
量%メチルセロソルブ/トルエン(重量比8/2)溶液
134g(固形分55g)、2,2−ビス〔4−(メタ
クリロキシペンタエトキシ)フェニル〕プロパン34
g、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−メタ
クリロイルオキシエチル−o−フタレート11g、2,
2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェ
ノール)0.1g、トリブロモメチルフェニルスルフォ
ン1.2g、シリコーンレベリング剤(商品名SH−1
93、トーレシリコン(株)製)0.04g、1−7−ビ
ス(9−アクリジニル)ヘプタン0.2g、ベンジルメ
チルケタール3g、ロイコクリスタルバイオレット1.
0g、マラカイトグリーン0.05g、トルエン7g、
メチルエチルケトン13g及びメタノール3gを配合し
て感光性樹脂組成物の溶液を得た。
【0029】〔感光性フィルムの作製〕この感光性樹脂
組成物の溶液を20μm厚のポリエチレンテレフタレー
トフィルム上に均一に塗布し、110℃の熱風対流式乾
燥機で10分間乾燥して感光性フィルムを得た。乾燥後
の感光性樹脂組成物層の膜厚は50μmであった。
【0030】〔樹脂パターンの形成〕次いで、得られた
感光性フィルムを厚さ3.0mmのガラス板上にラミネー
タを使用してラミネートし、ポリエチレンテレフタレー
トフィルムを剥離し、感光性樹脂組成物層を露出させ
た。この露出した感光性樹脂組成物層上に前記感光性フ
ィルムを前記と同様にラミネートし、ポリエチレンテレ
フタレートフィルムを剥離し、感光性樹脂組成物層を露
出させた。さらに、この露出した感光性樹脂組成物層上
に前記感光性フィルムを前記と同様にラミネートし、ガ
ラス板上に150μm厚の感光性樹脂組成物層を形成し
た。ラミネートはラミネートロール温度130℃、ロー
ル圧4.0kgf/cm2、速度0.5m/分の条件で行っ
た。
【0031】次に、ポリエチレンテレフタレートフィル
ム上に所定のネガマスクを載置し、ネガマスクの上から
平行光線型露光機で露光量70mJ/cm2(紫外線主波長:
365nm)の露光を行った。次いで、ポリエチレンテレ
フタレートフィルムを剥がし、30℃、1重量%炭酸ナ
トリウム水溶液でスプレー現像を行った後、水洗し、水
切りした。さらに、80℃で10分乾燥後、7kWメタル
ハライドランプ(HMW−680、(株)オーク製作所
製)で3000mJ/cm2の露光を行い、次いで乾燥機で1
60℃で60分間加熱を行って、ガラス板上にストライ
プ型の樹脂パターン(ライン/スペース=300μm/
100μm、厚さ150μm)を形成した。
【0032】〔障壁材料からなるパターンの形成〕上記
のようにして樹脂パターンを形成したガラス板上に、下
記表1に示した下層形成用障壁材料にメチルナフタレン
を添加して粘度を70ポイズに調整したペーストを12
0メッシュのスクリーン版を有するスクリーン印刷機に
よりベタ塗り状態で塗布し、次いで減圧装置の付いたア
ルミ製の容器中に入れ、10トールに減圧し3分間保持
後常圧に戻す操作を行い下層形成用障壁材料のペースト
中の気泡を除去し、樹脂パターンの間隙に埋込んだ。そ
の後、乾燥機で80℃で30分間乾燥し、表面の溶剤を
揮発させた。次いで、上層形成用障壁材料のペーストの
塗布、減圧、乾燥の操作を上記と同様に行い、樹脂パタ
ーンの間隙に埋込んだ。
【0033】その後、ゴムスキージで樹脂パターン上に
残っている上層形成用障壁材料を完全に掻き取った。続
いて、乾燥機で160℃で60分間乾燥して残っている
溶剤をほぼ完全に揮発させてから、45℃に保持した5
重量%の水酸化ナトリウム水溶液中に10分間浸漬し、
直ちに45℃に保持した温水に浸漬して樹脂パターンを
剥離し、次いで、水洗し、80℃で30分間乾燥してガ
ラス板上に2層構造の障壁材料からなるパターン(最上
部の幅が100μm、底部の幅が120μm、高さが1
50μm)を形成した。
【0034】
【表1】
【0035】〔障壁の形成〕上記のようにしてガラス板
上に形成された障壁材料からなるパターンを、マッフル
炉を使用し空気中で焼成して障壁(最上部の幅が80μ
m、底部の幅が120μm、高さが120μm)を得
た。焼成条件は、室温から380℃まで昇温速度が3℃
/分で昇温し、380℃で30分間保持、さらに550
℃まで昇温速度が5℃/分で昇温し、550℃で30分
間保持後、室温まで自然冷却するものとした。得られた
障壁は、上層の上面の平坦性が優れ、微細で寸法精度の
優れた高品位なものであった。
【0036】実施例2 実施例1において、表1に示した下層形成用障壁材料の
低融点ガラスの配合量を70重量部に変更し、アルミナ
粉の配合量を10重量部に変更(無機材料中の低融点ガ
ラスの含有量は87.5重量%)した以外は、実施例1
と同様に行なった結果、実施例1と同様に高品位な障壁
を得ることができた。
【0037】比較例1 実施例1において、表1に示した下層形成用障壁材料の
低融点ガラスの配合量を52重量部に変更し、アルミナ
粉の配合量を28重量部に変更(無機材料中の低融点ガ
ラスの含有量は65.0重量%)した以外は、実施例1
と同様に行なった結果、得られた障壁は、上層の上面に
窪みが発生し、実用に耐えないものであった。
【0038】
【発明の効果】請求項1記載のプラズマディスプレイパ
ネル用障壁は、上下層の剥がれが無く、最大限にRGB
色調を発揮でき、上層の上面の平坦性が優れたものであ
る。請求項2記載のプラズマディスプレイパネルの障壁
の製造法は、上下層の接着面積が大きく、障壁焼成時に
剥がれが無く、下層を犠牲にすること無く上層の厚みを
増加することが可能で、上層の上面の平坦性が優れ、最
大限にRGB色調を発揮できて、障壁の高さ調整も容易
で、微細で高い寸法精度を実現できるプラズマディスプ
レイパネルの障壁が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】AC型PDPの模式図。
【図2】サンドブラスト法により形成された白黒2層構
造障壁の模式図。
【図3】スクリーン印刷による重ね塗り法により形成さ
れた白黒2層構造障壁の模式図。
【図4】サンドブラスト法により形成された白黒2層構
造障壁の研磨による障壁高さバラツキ調整時の不具合を
示す模式図。
【図5】黒色層を増した時の不具合を示す模式図。
【図6】スクリーン印刷法により形成された白黒2層構
造障壁の研磨による障壁高さバラツキ調整時の不具合を
示す模式図。
【図7】本発明の障壁の一例の模式図。
【図8】本発明の障壁の一例の模式図。
【図9】本発明の障壁の一例の模式図。
【図10】本発明による障壁の製造を示す模式図。
【図11】本発明における研磨による障壁高さバラツキ
調整による均一化効果を示した模式図。
【符号の説明】
1 基板 2 透明電極 3 データ電極 4 障壁 4a 下層 4b 上層 4a′ 下層形成用障壁材料 4b′ 上層形成用障壁材料 5 蛍光体 6 誘電体層 7 保護層 8 感光性樹脂組成物層 9 ネガマスク 10 樹脂パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤枝 忠恭 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 Fターム(参考) 5C027 AA09 5C040 AA04 AA07 DD09 EE06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下2層から構成されるプラズマディス
    プレイパネル用障壁において、下層が窪みを有し、下層
    の上に上層を形成してなるプラズマディスプレイパネル
    用障壁であって、上層の低融点ガラスの含有量が70重
    量%以上であり、下層の低融点ガラスの含有量が65重
    量%以下であるプラズマディスプレイパネル用障壁。
  2. 【請求項2】 基板上に感光性樹脂組成物の層を形成
    し、この感光性樹脂組成物層をパターン状に露光、現像
    して樹脂パターンを形成し、この樹脂パターンと樹脂パ
    ターンの間に低融点ガラスの含有量を65重量%以下と
    した無機材料を含んでなる下層形成用障壁材料を埋込
    み、次いで低融点ガラスの含有量を70重量%以上とし
    た無機材料を含んでなる上層形成用障壁材料を埋込んだ
    後、樹脂パターンを除去して前記2種の障壁材料から構
    成されたパターンを形成し、このパターンを焼成するこ
    とを特徴とするプラズマディスプレイパネル用障壁の製
    造法。
JP23936798A 1998-08-26 1998-08-26 プラズマディスプレイパネル用障壁及びその製造法 Pending JP2000067764A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23936798A JP2000067764A (ja) 1998-08-26 1998-08-26 プラズマディスプレイパネル用障壁及びその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23936798A JP2000067764A (ja) 1998-08-26 1998-08-26 プラズマディスプレイパネル用障壁及びその製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000067764A true JP2000067764A (ja) 2000-03-03

Family

ID=17043720

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23936798A Pending JP2000067764A (ja) 1998-08-26 1998-08-26 プラズマディスプレイパネル用障壁及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000067764A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100378895C (zh) * 2001-02-28 2008-04-02 友达光电股份有限公司 等离子显示器的不对称阻隔壁结构的制作方法
US7750568B2 (en) 2004-10-12 2010-07-06 Samsung Sdi Co., Ltd. Plasma display panel (PDP) having a reflection preventive layer

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100378895C (zh) * 2001-02-28 2008-04-02 友达光电股份有限公司 等离子显示器的不对称阻隔壁结构的制作方法
US7750568B2 (en) 2004-10-12 2010-07-06 Samsung Sdi Co., Ltd. Plasma display panel (PDP) having a reflection preventive layer

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5909083A (en) Process for producing plasma display panel
WO1999010909A1 (fr) Ecran a plasma et procede de fabrication de cet ecran
US6106992A (en) Photoresist film and process for producing back plate of plasma display panel
JPH09283018A (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法およびプラズマディスプレイパネル
JP2000067764A (ja) プラズマディスプレイパネル用障壁及びその製造法
JPH09147751A (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
US20060204900A1 (en) Green sheet, plasma display panel (pdp) and manufacturing method of pdp
JPH11191377A (ja) プラズマディスプレイパネルの障壁及びその製造法
JPH11185642A (ja) プラズマディスプレイパネル用障壁及びその製造法
JPH11213908A (ja) プラズマディスプレイパネルの障壁、その製造法及びプラズマディスプレイパネル用背面板
JPH11185644A (ja) プラズマディスプレイパネルの障壁及びその製造法
JPH08222135A (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2008239778A (ja) 無機粉体含有樹脂組成物、転写フィルムおよびフラットパネルディスプレイの製造方法
JPH11153860A (ja) プラズマデイスプレイパネル用基板の製造法
JP2000173454A (ja) プラズマディスプレイパネルの障壁の作製方法及びプラズマディスプレイパネルの障壁
JPH11213873A (ja) プラズマディスプレイパネルの障壁の製造法
JPH11213874A (ja) プラズマディスプレイパネルの障壁の製造法
JPH11185643A (ja) プラズマディスプレイパネルの障壁材料、障壁の製造法、障壁及びプラズマディスプレイパネル用基板
JP2001084898A (ja) プラズマディスプレイパネルの障壁の形成方法
JPH11233029A (ja) プラズマディスプレイパネル用カラーフィルター組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネル
JP2001203436A (ja) 電極形成用シートとその製造法および基板上への電極の形成方法
JP3644160B2 (ja) プラズマディスプレイ用平面基板の製造方法及びそれに用いる感光性樹脂組成物
JPH10241557A (ja) プラズマディスプレイパネルの障壁の製造法
JP2000306513A (ja) プラズマディスプレイパネル用の背面板
JP2000268712A (ja) プラズマディスプレイパネルの隔壁形成方法及びプラズマディスプレイパネルの製造法