JP2000066479A - 帯電部材及び帯電装置 - Google Patents

帯電部材及び帯電装置

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JP2000066479A
JP2000066479A JP10231487A JP23148798A JP2000066479A JP 2000066479 A JP2000066479 A JP 2000066479A JP 10231487 A JP10231487 A JP 10231487A JP 23148798 A JP23148798 A JP 23148798A JP 2000066479 A JP2000066479 A JP 2000066479A
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resin
charged
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fluororesin
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Yoshitomo Masuda
善友 増田
Manabu Yakushiji
薬師寺  学
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Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性に優れ、しかも帯電メモリーによる不
具合の発生を可及的に防止することができる帯電部材を
提供することを目的とする。 【解決手段】 被帯電体に当接させて、この被帯電体と
の間に電圧を印加することにより、被帯電体を帯電させ
る帯電部材において、少なくとも上記被帯電体と接触す
る部材表面が、フッ素樹脂と、帯電列がポリスチレンよ
りも正である樹脂とを含有し、かつ上記帯電列がポリス
チレンよりも正である樹脂の上記フッ素樹脂に対する配
合重量比が0.05〜3である表面層で形成されている
ことを特徴とする帯電部材を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー等における静電潜像プロセスで、感光体等の被帯電体
を帯電させる場合に好適に用いられる帯電部材及び帯電
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機、プリンター等の電子写真
装置では、まず、感光体の表面を一様に帯電させ、この
感光体に光学系から映像を投射して、光の当たった部分
の帯電を消去することによって潜像を形成する静電潜像
プロセスにより静電潜像を得、次いで、トナーの付着に
よるトナー像の形成、紙等の記録媒体へのトナー像の転
写により、プリントする方法がとられている。
【0003】この場合、最初の感光体を帯電させる操作
は、コロナ放電方式が一般的に採用されてきた。しかし
ながら、このコロナ放電方式は6〜10kVもの高電圧
印加が必要とされるため、機械の安全保守の観点から好
ましくないものである。また、コロナ放電中にオゾン、
NOx等の有害物質が発生するため、環境上の問題もあ
る。
【0004】このため、コロナ放電に比べて低い印加電
圧で帯電を行うことができ、かつ、オゾン等の有害物質
の発生を抑制することができる帯電方式への取り組みが
なされており、新たな帯電方式として、電圧を印加した
帯電用部材を感光体等の被帯電体に所定の圧力で接触さ
せることにより、被帯電体を帯電させる接触方式による
方法が提案されている。
【0005】この場合、この接触帯電方式で使用される
帯電部材としては、例えば、ゴムやウレタンフォーム等
の弾性層の表面に、アクリル、ウレタン、ナイロン等の
樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂溶液をディッピング法や
スプレー法などにより塗布して、表面に塗膜層を形成し
たものが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような接触帯電方
式では、帯電部材と被帯電体とが常に接触しているの
で、ワイヤーなどから被接触状態で被帯電体を帯電させ
る従来のコロナ放電方式では問題となりにくかった帯電
メモリーや耐久性が新たな課題として発生してきてい
る。
【0007】帯電メモリーとは、帯電部材と感光体など
の被帯電体とを長期に接触させた際に、被帯電体表面の
帯電部材との接触部分に電荷が偏在蓄積され、画像形成
時に電圧を印加しても被帯電体表面の帯電部材との接触
部分が所望の帯電電位にならず画像不良となってしまう
現象である。この原因は、定かではないが、帯電部材と
被帯電体とを接触させておくと接触帯電あるいは放置中
の振動などによる摩擦帯電により、帯電部材と被帯電体
とが互いに逆極性に帯電してしまうためであると考えら
れる。
【0008】また、接触式の帯電部材では、被帯電体と
の摩擦、あるいは残留トナーの付着などがあるために、
耐久性が問題となりやすい。この耐久性を改善する方法
としては被帯電体との摩擦力低減、残留トナーの付着防
止のために、摩擦係数が小さく、防汚性に優れるフッ素
系樹脂を、帯電部材表面に配設することが効果的であ
る。
【0009】ところが、フッ素系樹脂は、周知のように
負に帯電しやすい。従って、フッ素系樹脂を表面に配設
した帯電部材と負帯電用の被帯電体とを接触放置させた
場合には、帯電部材は負に、逆に被帯電体は正に帯電し
やすくなる。従って、接触放置後に画像出しを行うと、
帯電部材と被帯電体との間に電圧を印加して、被帯電体
を所望の負の帯電電位に帯電させようとしても、被帯電
体表面の帯電部材との接触部分が、接触放置中に偏在蓄
積された電荷のために、所望の帯電電位に到達しないと
いう不具合を生じ、画像不良を発生させてしまう。この
帯電メモリーの問題を解消するには、帯電部材表面にフ
ッ素系樹脂を配設しなければよいが、それでは部材表面
の摩擦係数低減及び防汚性向上が達成されず、耐久性が
低下してしまう。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、耐久性に優れ、しかも帯電メモリーによる不具合の
発生を可及的に防止することができる帯電部材、及び該
帯電部材を用いた帯電装置を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、帯電部材を被帯電体に当接させ、帯電部材と被帯電
体との間に電圧を印加することにより、被帯電体を所望
の帯電電位に帯電させる場合に、上記帯電部材の表面層
を、フッ素樹脂と、帯電列がポリスチレンよりも正であ
る樹脂とを含有する樹脂とを用いて形成すること、この
場合に上記帯電列がポリスチレンよりも正である樹脂の
フッ素樹脂に対する配合重量比を0.05〜3の範囲と
することにより、帯電メモリーによる不具合の発生を可
及的に防止して部材の耐久性を向上させることができる
ことを見出し、本発明を完成したものである。
【0012】従って、本発明は、被帯電体に当接させ
て、この被帯電体との間に電圧を印加することにより、
被帯電体を帯電させる帯電部材において、少なくとも上
記被帯電体と接触する部材表面が、フッ素樹脂と、帯電
列がポリスチレンよりも正である樹脂とを含有し、かつ
上記帯電列がポリスチレンよりも正である樹脂の上記フ
ッ素樹脂に対する配合重量比が0.05〜3である表面
層で形成されていることを特徴とする帯電部材、及び、
被帯電体に当接し、該被帯電体を帯電させる帯電部材
と、被帯電体と帯電部材との間に電圧を印加する電圧印
加手段とを具備してなる帯電装置において、帯電部材と
して、上記本発明の帯電部材を用いたことを特徴とする
帯電装置を提供するものである。
【0013】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の帯電部材は、上述のように、フッ素樹脂と、帯
電列がポリスチレンよりも正である樹脂とを含有する樹
脂とを用いて表面層を形成したものである。
【0014】上記フッ素樹脂としては、ポリテトラフル
オロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチ
レン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキ
ルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−
エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、
クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリ
ビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオライドなど
が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることが
できるが、特に耐久性の観点からは、摩擦係数が小さ
く、かつ防汚性に優れるポリテトラフルオロエチレンが
好ましく用いられ、更に平滑性確保の観点からは、水系
樹脂が好適であり、とりわけポリテトラフルオロエチレ
ンの微粒子を水中に分散させたディスパージョンタイプ
の水系フッ素樹脂が好ましく用いられる。この場合、用
いられるフッ素樹脂微粒子の粒子径は、特に制限される
ものではないが、5μm以下、特に0.05〜1μmで
あることが好ましい。
【0015】また、帯電列がポリスチレンよりも正であ
る樹脂としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リアミド樹脂(ナイロン樹脂)、シリコーン樹脂、セル
ロース、メラミン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、
ポリカーボネートなどが挙げられ、これらの1種又は2
種以上を用いることができるが、正帯電性及び成膜性の
観点からアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド
樹脂(ナイロン樹脂)、シリコーン樹脂、セルロースが
好適であり、とりわけアクリル樹脂が好ましく用いられ
る。この場合、上記フッ素樹脂の場合と同様に、平滑性
確保の点から帯電列がポリスチレンよりも性である樹脂
も、水系樹脂タイプが好適に用いられる。
【0016】なお、ポリスチレンに対する帯電列の正負
は、ポリスチレンと対象樹脂とを接触あるいは摩擦させ
ることにより、容易に判別することができる。例えば、
次の摩擦帯電テスト法により容易に判別することができ
る。
【0017】図3に示したように、円盤状回転板10上
に試験サンプル11を取り付け、ポリエチレンサンプル
12を試験サンプル11に圧接させた状態で、円盤状回
転板10を回転させて試験サンプル11のポリエチレン
サンプル12との摩擦部位の帯電電位を表面電位計13
で観測し、帯電電位の極性を識別することにより容易に
試験サンプル10のポリスチレンに対する帯電列の正負
を識別することができる。この場合、特に制限されるも
のではないが、円盤状回転板10の回転数は30〜20
0rpm程度、円盤状回転板10の直径は5〜50cm
程度、ポリスチレンサンプル12と試験サンプル11と
の加圧は接触面積あたり5〜5000g程度、摩擦時間
は1〜10分程度とすることが妥当である。なお、円盤
状回転板10の回転数が大きいほど、またポリスチレン
サンプル12と試験サンプル11との加圧力が大きいほ
ど、更に摩擦時間が長いほど、観測される帯電電位の絶
対値は大きくなる傾向にあるが、ここで肝要なのは、正
に帯電するか、負に帯電するかの極性を識別することで
あり、値の大きさではない。従って、場合によっては、
ポリエチレンサンプルと試験サンプルとを、手で十分に
摩擦させ、直接試験サンプルの帯電極性を測定しても良
い。
【0018】上記フッ素樹脂と、帯電列がポリスチレン
よりも正である樹脂との配合比率は、帯電列がポリスチ
レンよりも正である樹脂の配合比がフッ素樹脂に対して
重量比で0.005〜3の範囲とされ、好ましくは0.
1〜2.5、より好ましくは0.1〜2とされる。上記
配合比率が0.005未満であると、フッ素樹脂により
帯電部材の負帯電性を十分に抑制することができず、一
方上記配合比率が3を超えると逆に帯電部材が正に帯電
し過ぎてしまう。
【0019】ここで、上述のように、上記フッ素樹脂と
してはポリテトラフルオロエチレンが特に好ましく用い
られ、また上記帯電列がポリエチレンよりも正である樹
脂としては、アクリル樹脂が特に好ましく用いられる
が、このポリテトラフルオロエチレンとアクリル樹脂と
を用いて表面層を形成する場合には、特に制限されるも
のではないが、ポリテトラフルオロエチレンに対するア
クリル樹脂の配合重量比を0.05〜2.5、特に0.
1〜2、更には0.1〜1.5とすることが好ましい。
これにより、フッ素樹脂をポリテトラフルオロエチレン
とすることで、帯電部材の低摩擦性、防汚性を最大限に
引き出せるため耐久性を特に効果的に向上させることが
できる。この場合、ポリテトラフルオロエチレンの使用
によって、普通は帯電部材が負に帯電しやすくなり帯電
メモリーの問題を発生させやすくなるが、帯電列がスチ
レンよりも正である樹脂としてアクリル樹脂を用いるこ
とにより、その負帯電性を特に効果的に抑制することが
でき、更に両者の配合比率を上記範囲とすることで帯電
部材の帯電性を妥当な領域に確実に制御し得、良好な低
摩擦性及び防汚性を維持したまま、帯電メモリーによる
問題の発生を可及的に防止し得るものである。
【0020】この表面層には、本発明の目的を逸脱しな
い範囲であれば、平滑性、製膜性及び耐水性の向上等の
目的で必要に応じて他の樹脂を配合することもできる。
他の樹脂としては、特に制限はないが、その一部を例示
すれば、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、塩化ビニリデン系共重合体等が挙げ
られる。
【0021】また、この表面層には、必要に応じて導電
剤を添加して導電性を付与又は調整することができる。
導電剤としては、特に制限はなく、各種電子導電剤や各
種イオン導電剤を用いることができるが、本発明では特
にカーボンを用いることが好ましい。
【0022】この場合、この表面層に用いられるカーボ
ンとしては、特に制限されるものではないが、酸素含有
率が5%以上、特に7%以上、更には9%以上であるこ
とが好ましく、かつpHが5以上、特に6以上、更には
7以上であることが好ましい。即ち、通常のカーボンの
酸素含有率は0.1〜3%程度であり、一部、酸化処理
を施したカーボンも存在するが、この酸化処理を施した
カーボンは、酸素含有率が若干増加するにつれてpHが
酸性側へとシフトしてしまう傾向があり、カーボンが酸
性になると水系樹脂(具体的には、水系フッ素樹脂)に
添加した場合に安定性が低下するおそれがある。これに
対して、本発明に好適に用いられる上記カーボンは、酸
素含有率が多いにもかかわらず、中性ないしアルカリ性
を維持したものであり、安定的に水系フッ素樹脂に添加
し得るものである。このような酸素含有率及びpHを有
するカーボンの詳細な構造は明らかではないが、カーボ
ン表面にカルボキシル基、水酸基、ケトン基等の官能基
を付け、しかもこれらの官能基が有する水素の一部をナ
トリウム等のアルカリ金属に置換させたものが好適に使
用される。
【0023】導電剤の添加量は、所望とする抵抗が得ら
れるように適宜調整することができる。この場合、表面
層の抵抗は、体積抵抗率103〜1012Ω・cm、特に
105〜1010Ω・cmとすることが好ましく、このよ
うな体積抵抗率を達成するように導電剤の添加量を調整
することができ、導電剤としてカーボンを用いた場合の
添加量は、通常、表面層の0.01〜40重量%、特に
5〜20重量%程度とされる。
【0024】また、この表面層には、架橋剤、増粘剤、
チクソトロピー性付与剤、構造粘性付与剤等を必要に応
じて添加することができる。この場合、架橋剤として
は、用いる樹脂に応じて所望の架橋効果を発現し得るも
のであればいずれのものでもよく、例えば、エポキシ
系、オキサゾリン系、メラミン系、イソシアネート系、
フェノール系の架橋剤が挙げられ、特にエポキシ系、オ
キサゾリン系の架橋剤が、架橋効果、低硬度の点から好
適に用いられる。架橋剤の添加量は、通常、樹脂100
重量部に対して0.1〜50重量部程度とすることが好
ましい。なお、増粘剤、チクソトロピー性付与剤、構造
粘性付与剤等は、無機系、有機系を問わず適宜用いるこ
とができる。
【0025】この表面層の厚みは、帯電部材の形態や構
造などに応じて適宜設定され、特に制限されるものでは
ないが、通常は30μm以下、特に1〜15μm程度と
することが好ましく、厚みが30μmを超えると硬くな
って表面層の柔軟性が損なわれる場合がある。
【0026】また、この表面層の表面、即ち帯電部材の
表面に凹凸があると、この凹凸内にトナーが詰まって画
像不良の原因となることがあるため、その表面はできる
だけ平滑であることが好ましく、特に制限されるもので
はないが、表面層の表面粗さ、即ち帯電部材の表面粗さ
は、JIS10点平均粗さRzで4μm以下、特に3μ
m以下、更には2μm以下であることが好ましい。この
場合、ポリテトラフルオロエチレンとアクリル樹脂とを
組み合わせた水系樹脂によりこの表面層を形成すること
により、このような良好な平滑性を容易に得ることがで
きる。
【0027】更に、本発明の表面層の表面、即ち帯電部
材の表面は、水に対する接触角が90度以上であること
が好ましく、これにより良好な防汚性を確実に達成する
ことができる。この場合、表面層をポリテトラフルオロ
エチレンとアクリル樹脂とを組み合わせて形成し、ポリ
テトラフルオロエチレンとアクリル樹脂との配合割合を
上述した好適範囲に調整することによって、このような
接触角は容易に達成することができる。
【0028】 この表面層の形成方法に制限はなく、上
記フッ素樹脂と上記帯電列がスチレンよりも正である樹
脂とを上記条件で含有する層を形成することができる方
法であればいずれのものでもよく、例えばディッピング
法、スプレー法、押し出し成形法などの公知の方法によ
り形成することができる。
【0029】本発明の帯電部材は、被帯電体と接触する
部材表面に上記表面層を有するものであるが、この場合
部材の表面を複数層で形成してもよく、この場合、フッ
素樹脂と帯電列がポリスチレンよりも正である樹脂とを
上記所定の割合で含有した上記表面層が最上表面を形成
するようにすればよい。複数の層を形成する場合、その
下側層を形成する樹脂としては、特に制限はなく、具体
的には、上記表面層の材料として例示した樹脂と同様の
樹脂を例示することができる。また、この下側層にも、
導電剤、架橋剤、増粘剤、チクソトロピー性付与剤、構
造粘性付与剤等を必要に応じて添加することができ、こ
れら添加剤として具体的には、上記表面層で例示したも
のと同様のものを用いることができる。
【0030】更に、本発明の帯電部材には、上記表面層
の下側に、被帯電体との良好な接触性を確保するため弾
性層を設けることができる。
【0031】上記弾性層を形成する弾性体に制限はな
く、ゴム或いは樹脂、又はこれらの発泡体(以下、「フ
ォーム」という)で形成することができる。具体的に
は、ポリウレタン、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、
イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジ
エンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ポリノルボルネ
ンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、エピク
ロルヒドリンゴム等を基材ゴムとするゴム組成物が例示
されるが、特にポリウレタンが好ましく、より好ましく
は発泡倍率が1.5〜50倍のポリウレタンフォームが
用いられる。なお、この場合のフォーム密度は、0.0
5〜0.9g/cm3程度が適当である。
【0032】上記弾性層には、導電剤を添加することに
より、所定の抵抗値を付与することができる。その導電
剤としては、特に限定されず、ラウリルトリメチルアン
モニウム、ステアリルメチルアンモニウム、オクタドデ
シルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチル
アンモニウム、変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウ
ムの過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸
塩、エトサルフェート塩、臭化ベンジル塩、塩化ベンジ
ル塩等のハロゲン化ベンジル塩等の第四級アンモニウム
塩等の陽イオン性界面活性剤、脂肪族スルホン酸塩、高
級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレン
オキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エ
ステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸
エステル塩等の陰イオン界面活性剤、高級アルコールエ
チレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エス
テル、多価アルコール脂肪酸エステル等の非イオン性帯
電防止剤等の帯電防止剤、NaClO4、LiAsF6
LiBF4、NaSCN、KSCN、NaCl等のL
+、Na+、K+等の周期律表第1族の金属塩、あるい
はNH4 +の塩等の電解質、また、ケッチェンブラック、
アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、IS
AF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等
のゴム用カーボン、酸化処理を施したカラー(インク)
用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造
グラファイト、アンチモンドープの酸化錫、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金
属及び金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリ
アセチレン等の導電性ポリマー等が挙げられる。この場
合、これら導電剤の配合量は、組成物の種類に応じて適
宜選定され、通常弾性層の体積抵抗率が100〜108Ω
・cm、好ましくは102〜106Ω・cmとなるように
調整される。
【0033】本発明の帯電部材は、上述のように、被帯
電体に直接接触して用いられるものであり、その形態は
被帯電体と安定的に接触し得、電圧印加によって該被帯
電体に均一に電荷を与えることができるものであればい
ずれの形態でもよく、例えば、ロール状、プレート状、
ブロック状、球状、ブラシ状等の種々の形状とすること
ができるが、通常はロール状とすることが好ましい。ロ
ール状に形成する場合には、例えば図1に示したよう
に、上記弾性層3をシャフト2の外周に形成し、該弾性
層3の外側に、上記表面層4を形成した帯電部材1を例
示することができる。この場合、上記シャフト2は金属
或いはプラスチック製のシャフトを用いることができ、
また帯電部材の形態や帯電部材が用いられる帯電装置の
機構などによっては、このシャフト2を省略することも
できる。
【0034】本発明の帯電部材は、感光ドラム等の被帯
電体に当接した状態に配設され、被帯電体と本発明帯電
部材との間に電圧を印加することにより、被帯電体を帯
電させるものであるが、この場合、帯電部材と被帯電体
との間に印加する電圧は、直流電圧であっても交流電圧
であってもよく、特に制限されるものではないが、直流
電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加して帯電を行うよ
うにすることが好ましく、これにより被帯電体をより均
一に帯電させることができる。また、特に制限されるも
のではないが、本発明の帯電部材と被帯電体との接触圧
力は、50〜2000g、特に100〜1000gとす
ることが好ましく、これにより良好な帯電を確実に得る
ことができる。
【0035】本発明帯電部材を用いた帯電装置について
は、例えば、図2に示したように、本発明の帯電部材1
を感光ドラム等の被帯電体5に所定の圧力で当接させ、
電圧印加手段6から被帯電体5との間に電圧を印加する
ように構成した帯電装置を例示することができるが、こ
れに限定されるものではなく、被帯電体5、帯電部材1
の形態や電圧印加手段6による電圧印加方式等は適宜変
更して差し支えない。
【0036】
【発明の効果】本発明の帯電部材によれば、表面の摩擦
係数、防汚性に優れることから耐久性に優れ、しかも帯
電メモリーによる不具合の発生を可及的に防止すること
ができ、被帯電体を所定の電位に安定的に帯電させるこ
とができ、電子写真プロセスの帯電部材として用いるこ
とにより良好な画像を長期に亘って安定的に得ることが
できるものである。従って、本発明の帯電部材を用いた
帯電装置によれば、良好な帯電操作を長期に亘って安定
的に行うことができるものである。
【0037】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して、本発明を
より具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定さ
れるものではない。
【0038】[実施例1]金属性シャフトの外周に、厚
さ3000μmの弾性層Aを形成し、該弾性層A上に厚
さ300μmの塗膜層Aを形成し、更に該塗膜層Aの上
に厚さ5μm塗膜層B(表面層)を形成して、帯電ロー
ラを作成した。上記弾性層A、塗膜層A及び塗膜層B
(表面層)は、下記の通りである。得られた帯電ローラ
の表面粗さはJIS10点平均粗さRzで0.61μ
m、ローラ表面の水に対する接触角は102度であっ
た。
【0039】弾性層A ポリエステル系ポリオール、イソシアネートにカーボン
を添加して調製した密度0.55g/cm3のポリウレ
タンフォームである。塗膜層A 水系ポリウレタン樹脂にカーボンを添加した塗料を塗布
することにより形成し、体積抵抗率を7.9×107Ω
cmに調整した塗膜である。塗膜層B(表面層) 水分散型ポリテトラフルオロエチレン樹脂、水系アクリ
ル樹脂、水系ポリエステル樹脂を、各々重量比で30:
15:55にブレンドした混合樹脂に、カーボンを添加
した塗料を塗布することにより成形し、体積抵抗率を
2.3×107Ωcmに調整した塗膜である。ここで、
ポリテトラフルオロエチレンに対するアクリル樹脂の重
量比率は、0.5となっている。なお、上記カーボンと
しては、酸素含有量が10%、pHが7.33のものを
用いた。
【0040】得られた帯電ローラをプリンターに装着し
て25℃,50RHの環境下で画像出ししたところ、良
好な画像が得られ、更に連続8000枚の画像出しを行
っても画像の劣化は見られなかった。
【0041】また、この帯電ローラをプリンターに装着
し、該帯電ローラが感光体に圧接した状態で15℃,1
0%の環境下に4日間放置した後、その環境下で画像出
しを行ったところ、なんら異常なく良好な画像が得られ
た。
【0042】[実施例2]塗膜層Bを下記塗膜層C(表
面層)に変更したこと以外は実施例1と同様にして帯電
ローラを作成した。得られた帯電ローラの表面粗さはJ
IS10点平均粗さRzで0.88μm、ローラ表面の
水に対する接触角は98度であった。
【0043】塗膜層C(表面層) 水分散型ポリテトラフルオロエチレン樹脂、水系アクリ
ル樹脂、水系エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を、各
々重量比で20:20:60にブレンドした混合樹脂
に、カーボンを添加した塗料を塗布することにより成形
し、体積抵抗率を2.3×107Ωcmに調整した塗膜
である。ここで、ポリテトラフルオロエチレンに対する
アクリル樹脂の重量比率は、1.0となっている。な
お、上記カーボンとしては、酸素含有量が10%、pH
が7.33のものを用いた。
【0044】得られた帯電ローラをプリンターに装着し
て実施例1と同様に画像出しを行ったところ、良好な画
像が得られ、更に連続8000枚の画像出しを行っても
画像の劣化は見られなかった。また、実施例1と同様
に、4日間放置した後に画像出しを行ったところ、なん
ら異常なく良好な画像が得られた。
【0045】[比較例1]塗膜層Bを下記塗膜層Dに代
えたこと以外は、実施例1と同様にして帯電ローラを作
成した。得られた帯電ローラの表面粗さはJIS10点
平均粗さRzで0.91μm、ローラ表面の水に対する
接触角は99度であった。
【0046】塗膜層D(表面層) 水分散型ポリテトラフルオロエチレン樹脂、水系アクリ
ル樹脂、水系ポリエステル樹脂を、各々重量比で30:
1:69にブレンドした混合樹脂に、カーボンを添加し
た塗料を塗布することにより成形し、体積抵抗率を3.
8×107Ωcmに調整した塗膜である。ここで、ポリ
テトラフルオロエチレンに対するアクリル樹脂の重量比
率は、0.03となっている。なお、上記カーボンとし
ては、酸素含有量が10%、pHが7.33のものを用
いた。
【0047】得られた帯電ローラをプリンターに装着し
て実施例1と同様に画像出しを行ったところ、良好な画
像が得られ、更に連続8000枚の画像出しを行っても
画像の劣化は見られなかった。しかしながら、実施例1
と同様に、4日間放置した後に画像出しを行ったとこ
ろ、感光ドラムのローラとの圧接位置に相当する部分に
ライン状の画像不良が発生した。
【0048】[比較例2]塗膜層Bを下記塗膜層Eに代
えたこと以外は、実施例1と同様にして帯電ローラを作
成した。得られた帯電ローラの表面粗さはJIS10点
平均粗さRzで0.77μm、ローラ表面の水に対する
接触角は75度であった。
【0049】塗膜層E(表面層) 水系アクリル樹脂、水系ポリエステル樹脂を、各々重量
比で20:80にブレンドした混合樹脂に、カーボンを
添加した塗料を塗布することにより成形し、体積抵抗率
を1.6×107Ωcmに調整した塗膜である。このよ
うに、この塗膜層はフッ素樹脂を添加していないもので
ある。なお、上記カーボンとしては、酸素含有量が10
%、pHが7.33のものを用いた。
【0050】得られた帯電ローラをプリンターに装着し
て実施例1と同様に画像出しを行ったところ、良好な画
像が得られたが、更に連続画像出しを行ったところ51
00枚印刷したあたりから、点状の画像不良が発生し始
め、ローラを観察するとその表面にトナーが多数付着し
ていた。また、実施例1と同様にして行った4日間放置
後の画像出しでは、特に異常は生じなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明帯電部材の一例を示す断面図である。
【図2】本発明帯電装置の一例を示す概略図である。
【図3】ポリスチレンに対する帯電列の正負を判別する
ための摩擦帯電テスト法の一例を示す概略斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 帯電部材 2 シャフト 3 弾性層 4 表面層 5 被帯電体 6 電圧印加手段 10 円盤状回転板 11 試験サンプル 12 ポリエチレンサンプル 13 帯電電位計

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被帯電体に当接させて、この被帯電体と
    の間に電圧を印加することにより、被帯電体を帯電させ
    る帯電部材において、少なくとも上記被帯電体と接触す
    る部材表面が、フッ素樹脂と、帯電列がポリスチレンよ
    りも正である樹脂とを含有し、かつ上記帯電列がポリス
    チレンよりも正である樹脂の上記フッ素樹脂に対する配
    合重量比が0.05〜3である表面層で形成されている
    ことを特徴とする帯電部材。
  2. 【請求項2】 上記フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロ
    エチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアル
    キルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン
    −ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビ
    ニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチ
    レン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロ
    ロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリフル
    オライド及びポリビニルフルオライドから選ばれる1種
    又は2種以上のフッ素樹脂である請求項1記載の帯電部
    材。
  3. 【請求項3】 上記帯電列がポリスチレンよりも正であ
    る樹脂が、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミ
    ド樹脂、シリコーン樹脂及びセルロースから選ばれた1
    種又は2種以上である請求項1又は2記載の帯電部材。
  4. 【請求項4】 上記表面層が、フッ素樹脂としてポリテ
    トラフルオロエチレンを含有すると共に、帯電列がポリ
    スチレンよりも正である樹脂としてアクリル樹脂を含有
    し、かつポリテトラフルオロエチレンに対するアクリル
    樹脂の配合重量比が0.05〜2.5である請求項1記
    載の帯電部材。
  5. 【請求項5】 上記表面層が、水系樹脂を主材として形
    成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の帯電
    部材。
  6. 【請求項6】 上記表面層が、酸素含有率5%以上で、
    かつpH5以上のカーボンを含有している請求項1〜5
    のいずれか1項に記載の帯電部材。
  7. 【請求項7】 表面のJIS10点平均粗さRzが、4
    μm以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の帯
    電部材。
  8. 【請求項8】 部材表面の水に対する接触角が90度以
    上である請求項1〜7のいずれか1項に記載の帯電部
    材。
  9. 【請求項9】 被帯電体に当接し、該被帯電体を帯電さ
    せる帯電部材と、被帯電体と帯電部材との間に電圧を印
    加する電圧印加手段とを具備してなる帯電装置におい
    て、上記帯電部材として請求項1〜8のいずれか1項に
    記載の帯電部材を用いたことを特徴とする帯電装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002169355A (ja) * 2000-11-30 2002-06-14 Canon Chemicals Inc 帯電ロール及び電子写真装置
JP2003066696A (ja) * 2001-08-29 2003-03-05 Ricoh Co Ltd 接触帯電器及びそれを用いた画像形成装置並びにプロセスカートリッジ
JP2006194731A (ja) * 2005-01-13 2006-07-27 Tdk Corp 帯電位測定装置および帯電位測定方法

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