JP2000066348A - 熱現像カラー感光材料 - Google Patents

熱現像カラー感光材料

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JP2000066348A
JP2000066348A JP10253338A JP25333898A JP2000066348A JP 2000066348 A JP2000066348 A JP 2000066348A JP 10253338 A JP10253338 A JP 10253338A JP 25333898 A JP25333898 A JP 25333898A JP 2000066348 A JP2000066348 A JP 2000066348A
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photosensitive
dye
layer
compound
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JP10253338A
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English (en)
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Yoshiki Uehara
麗樹 上原
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 色の鮮やかな色素画像を形成する、色再現性
に優れた熱現像カラー感光材料を提供する。 【解決手段】 支持体上に感光性ハロゲン化銀、バイン
ダー、及び銀現像に対応して拡散性の色素を形成または
放出する色素供与性化合物を有する熱現像感光材料であ
って、該感光材料が少なくとも2つの異なる感光層を有
し、かつ、特定の還元性化合物が少なくとも全ての感光
層に含まれ、それら感光層の中でその還元性化合物を最
小に含む層の含有量(A)に対して、その他の感光層の
中でその還元性化合物を最大に含む層の含有量(B)
が、B/A≧15を満たす熱現像カラー感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱現像カラー写真
感光材料に関するものであり、さらに詳細には、非常に
短時間の現像において、優れた画像を形成することがで
き、かつ感光材料の保存安定性に優れた熱現像カラー写
真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱現像により画像状に拡散性の色素を放
出または形成させ、この拡散性の色素を色素固定要素に
転写する方法が提案されている。この方法では使用する
色素供与性化合物の種類または使用するハロゲン化銀の
種類を変えることにより、ネガの色素画像もポジの色素
画像も得ることができる。更に詳しくは米国特許第45
00626号、同4483914号、同4503137
号、同4559290号、特開昭58−149049
号、同60−133449号、同59−218443
号、同61−238056号、欧州特許公開21066
0A2号等に記載されている。
【0003】また、國米健編集、産業開発機構(株)発
行「映像情報」10月号(平成5年10月1日発行)な
どに記載されているようにコンピューターグラフィック
ス等の進歩は近年目ざましく、これらの画像情報を出力
するための種々の方式の高画質カラープリンター(カラ
ーハードコピー)が開発されている。その中で、富士写
真フイルム(株)製のフジックス ピクトログラフィー
3000若しくはピクトロスタットデジタル400のよ
うなハロゲン化銀を用いた熱現像カラー感光材料による
プリンターも発売又は発表されている。
【0004】これらの装置はネガ−ポジの変換をデジタ
ル的に行っているため、使用する感材は従来のDRR化
合物(拡散性色素放出型レドックス化合物)がそのまま
使用でき、非常にディスクリミネーションに優れたもの
である。
【0005】熱現像において、以下に述べる一般式
(I)または(II)で表される還元性化合物を用いる方
式としては、特開昭62−247358号、特開平6−
242546号、同9−15805号等に記載がある
が、いずれもカブリの低減、最高濃度の増加、あるいは
処理条件の変動に対する画像の安定性向上に関するもの
であり、色再現性の向上については全く開示がなく、ま
た、一般式(I)または(II)の分配に関する詳細な記
載は無かった。本発明者は、一般式(I)または(II)
で表される化合物をある特定の割合で感光材料中の各感
光層に分配して添加することにより、鮮やかな色再現を
実現できることを見いだした。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、色の鮮やかな色素画像を形成する、色再現性に優れ
た熱現像カラー感光材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記の
構成(1)、(2)、(3)、(4)、(5)によって
達成される。 (1)支持体上に感光性ハロゲン化銀、バインダー、及
び銀現像に対応して拡散性の色素を形成または放出する
色素供与性化合物を有する熱現像感光材料であって、該
感光材料が少なくとも2つの異なる感光層を有し、か
つ、下記一般式(I)または(II)で表される化合物が
少なくとも全ての感光層に含まれ、それら感光層の中で
一般式(I)または(II)で表される化合物を最小に含
む層の含有量(A)に対して、その他の感光層の中で一
般式(I)または(II)で表される化合物を最大に含む
層の含有量(B)が、B/A≧15を満たすことを特徴
とする熱現像カラー感光材料。
【0008】
【化2】
【0009】(式中、Ballはこれらの式で表される
化合物を非拡散性にし得るような有機バラスト基を表
す。ただし、R1 が非拡散性の場合にはBallはなく
てもよい。Yはベンゼン核あるいはナフタリン核を形成
するのに必要な炭素原子群を表す。R1 はそれぞれ置換
もしくは非置換の、アルキル基、シクロアルキル基、ア
ラルキル基、アリール基、アミノ基もしくは複素環基を
表す。R2 は水素原子、ハロゲン原子または置換もしく
は非置換の、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキ
ル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリール
オキシ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、ア
リールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファ
モイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル
基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、もしくはアリー
ルチオ基を表す。nは、0〜5の整数を表し、nが2〜
5のときR2 は同一でも異なっていてもよく、また互い
に結合して環を形成してもよい。なお、Yがナフタリン
核を形成するのに必要な原子群を表す場合、Ballお
よびR2 はそのようにして形成された環系のいずれかに
結合させることができる。) (2)支持体上に感光性ハロゲン化銀、バインダー、及
び銀現像に対応して拡散性の色素を形成または放出する
色素供与性化合物を有する熱現像感光材料であって、該
感光材料が少なくとも2つの異なる感光層を有し、か
つ、一般式(I)または(II)で表される化合物を含む
感光層と、含まない感光層があることを特徴とする熱現
像カラー感光材料。 (3)一般式(I)または(II)で表される化合物の感
光材料全層における合計含有量が、感光材料全層におけ
るハロゲン化銀の全含有量に対して5×10-4倍モル以
上であることを特徴とする(1)または(2)項に記載
の熱現像カラー感光材料。 (4)露光が走査露光であり、その光源が半導体レーザ
ーまたは発光ダイオードであることを特徴とする
(1)、(2)または(3)項に記載の熱現像カラー感
光材料。 (5)前記感光材料が700nm以上900nm以下の
赤外波長域に感光する層を少なくとも1層有することを
特徴とする請求項1、2、3または4に記載の熱現像カ
ラー感光材料。
【0010】
【発明の実施の形態】始めに、一般式(I)と(II)で
表される耐拡散性還元剤について説明する。
【0011】一般式(I)と(II)において、R1 は置
換もしくは非置換の、アルキル基、シクロアルキル基、
アラルキル基、アリール基、アミノ基、もしくは複素環
基を表す。R1 の好ましい例としては、炭素数1〜30
の置換もしくは非置換のアルキル基、例えばメチル基、
エチル基、ドデシル基等;炭素数5〜30の置換もしく
は非置換のシクロアルキル基、例えばシクロヘキシル基
等;炭素数7〜30の置換もしくは非置換のアラルキル
基、例えばベンジル基、β−フェネチル基等;炭素数6
〜30の置換もしくは非置換のアリール基、例えばフェ
ニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基等;炭素数
0〜30の置換もしくは非置換のアミノ基、例えばアミ
ノ基、メチルアミノ基、イソプロピルアミノ基、シクロ
ヘキシルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ
基、N,N−ジメチルアミノ基、N−メチル−N−エチ
ルアミノ基、N,N−ジイソプロピルアミノ基、N,N
−ジシクロヘキシルアミノ基、N,N−ジフェニルアミ
ノ基、N,N−ジベンジルアミノ基;置換もしくは非置
換の複素環基、例えばピリジル基、フリル基、チエニル
基等が挙げられる。
【0012】また、アリール基の置換基について詳述す
ると、置換基としては例えばハロゲン原子(塩素原子、
臭素原子等)、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、カルボンアミド基、アルカノイルオキシ基、ベン
ゾイルオキシ基、ウレイド基、カルバメート基、カルバ
モイルオキシ基、カーボネート基、カルボキシ基、アル
キル基(メチル基、エチル基、プロピル基等)、アシル
アミノ基、スルファモイル基、エステル基、アルキルス
ルホニル基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールス
ルホニルアミノ基などが挙げられる。
【0013】R2 は水素原子、ハロゲン原子、置換もし
くは非置換の、アルキル基、シクロアルキル基、アラル
キル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルフ
ァモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニ
ル基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、もしくはアリ
ールチオ基を表す。
【0014】R2 の好ましい例としては、水素原子;ハ
ロゲン原子、例えば臭素原子、塩素原子等;炭素数1〜
20の置換もしくは非置換のアルキル基、例えばメチル
基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等;炭素
数5〜20の置換もしくは非置換のシクロアルキル基、
例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等;炭素数
7〜20の置換もしくは非置換のアラルキル基、例えば
ベンジル基、β−フェネチル基等;炭素数6〜20の置
換もしくは非置換のアリール基、例えばフェニル基、ナ
フチル基などR1 の項で挙げたもの等;置換もしくは非
置換の複素環基、例えばピリジル基、フリル基、チエニ
ル基等;炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルコ
キシ基、例えばメトキシ基、ブトキシ基、メトキシエト
キシ基等;炭素数6〜20の置換もしくは非置換のアリ
ールオキシ基、例えばフェノキシ基等;炭素数1〜20
の置換もしくは非置換のアシル基、例えばアセチル基、
バルミトイル基等;炭素数1〜20の置換もしくは非置
換のアルキルオキシカルボニル基、例えばメトキシカル
ボニル基等;炭素数1〜20のアリールオキシカルボニ
ル基、例えばフェノキシカルボニル基等;炭素数1〜2
0の置換もしくは非置換のカルバモイル基、例えば、メ
チルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、ジイソ
プロピルカルバモイル基等;炭素数1〜20の置換もし
くは非置換のスルファモイル基、例えばジメチルスルフ
ァモイル基等;炭素数1〜20の置換もしくは非置換の
アルキルスルホニル基、例えばメチルスルホニル基等;
炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアリールスルホ
ニル基、例えばフェニルスルホニル基、p−メチルフェ
ニルスルホニル基等;炭素数2〜20の置換もしくは非
置換のアシルアミノ基、例えばアセチルアミノ基、N−
メチルアセチルアミノ基、バルミトイルアミノ基等;炭
素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキルチオ基、
例えばメチルチオ基、エチルチオ基等;炭素数6〜30
の置換もしくは非置換のアリールチオ基、例えばフェニ
ルチオ基、m−メトキシカルボニルフェニルチオ基等が
挙げられる。
【0015】nは、0〜5の整数を表し、nが2〜5の
ときにR2 は同一でも異なっていてもよく、また互いに
結合して環を形成してもよい。
【0016】このような環としては、後述のYによって
完成されるベンゼン環に縮合したビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、シクロヘキセンなどが挙げられ
る。
【0017】Ballはこれらの式で表される化合物を
非拡散性にし得るような有機バラスト基を表す。ただ
し、R1 が非拡散性の場合にはBallはなくてもよ
い。
【0018】バラスト基(Ball)の性質は、そのバ
ラストがこの化合物に対して耐拡散性を付与する限りに
おいて臨界的ではない。一般的なバラスト基は、この化
合物に直接的もしくは間接的に結合している直鎖または
分岐鎖の直鎖アルキル基、そして、ベンゼン核に間接的
に結合しているか、あるいはそれに直接的に結合してい
るベンゼン系およびナフタリン系の芳香族基などを包含
している。有効なバラスト基は、一般的に最低8個の炭
素原子を有する基である。
【0019】例えば、炭素数8〜30個を有する置換も
しくは非置換のアルキル基、炭素数8〜30個を有する
アシルアミノ基、炭素数8〜30個を有するアシル基、
炭素数8〜30個を有するアシルオキシ基、炭素数8〜
22個を有するアルコキシ基、炭素数8〜30個を有す
るアルキルチオ基、炭素数8〜30個のアルコキシカル
ボニル基を有するアルコキシ基等を挙げることができ
る。また、間接的に結合する例としては一般式(III)と
(IV)で表されるカルバモイル基またはスルファモイル
基のように、バラスト基がカルバモイル基、またはスル
ファモイル基を介して結合しているものが好ましい。
【0020】
【化3】
【0021】一般式(III)と(IV)において、R3 は水
素原子、炭素数1〜7のアルキル基(例えばメチル基、
エチル基等)、シクロアルキル基(例えばシクロヘキシ
ル基等)、またはアリール基(例えばフェニル基等)が
好ましい。
【0022】Lは2価基(例えばアルキレン基、フェニ
レン基、2価のアリールチオ基など)を表し、mは0ま
たは1を表す。
【0023】Yはベンゼン核あるいはナフタリン核を完
成するのに必要な炭素原子群を表す。なお、Yがナフタ
リン核を完成するのに必要な原子群を表す場合、Bal
lおよびR2 はその様にして形成された環系のいずれか
に結合させることができる。
【0024】以下に、一般式(I)と(II)とで表され
る化合物の具体例を示すが、本発明における化合物はこ
れに限定されるものではない。
【0025】
【化4】
【0026】
【化5】
【0027】
【化6】
【0028】
【化7】
【0029】
【化8】
【0030】
【化9】
【0031】
【化10】
【0032】
【化11】
【0033】
【化12】
【0034】
【化13】
【0035】
【化14】
【0036】
【化15】
【0037】一般式(I)または(II)の化合物は単独
で用いても2種以上併用してもよい。そして、これらの
化合物は感光層の他に、その他の親水性コロイド層、例
えば中間層、保護層等にも含有させることができる。本
発明における一般式(I)または(II)の化合物の感光
層中の含有量とは、その層中の塗布量(例えばmg/m
2 の単位で表される)のことをいう。そして、B/Aの
値の計算において、一般式(I)または(II)の化合物
が併用される場合には、A及び/またはBの値はその合
計塗布量である。また、感光層以外の層に添加された化
合物の塗布量は、AにもBにも含まれない。B/Aの値
は、好ましくは30以上であり、その上限値は特に制限
されないが、好ましくは10,000以下であり、より
好ましくは1,000以下である。これらの化合物の感
光材料全層におけるトータルの含有量は、感光材料全層
におけるハロゲン化銀のトータルの含有量(銀換算量)
に対して5×10-4〜20倍モルが好ましく、特に1×
10-3〜4倍モルが好ましい。
【0038】本発明における色素供与性化合物の具体例
としては、下記のDRR化合物(拡散性色素放出レドッ
クス化合物)を挙げることができる。
【0039】DRR化合物としてはハロゲン化銀または
有機銀塩に対して還元性であり、相手を還元すると拡散
性の色素を放出する化合物が好ましく用いられる。この
化合物は他の還元剤を用いなくてもよいので、還元剤の
酸化分解物による画像の汚染という問題がなく好まし
い。その代表例は、米国特許第3,928,312号、
同4,053,312号、同4,055,428号、同
4,336,322号、特開昭59−65839号、同
59−69839号、同53−3819号、同51−1
04343号、RD17465号、米国特許第3,72
5,062号、同3,728,113号、同3,44
3,939号、特開昭58−116537号、同57−
179840号、特開平8−62805号、米国特許第
4,500,626号等に記載されている。DRR化合
物の具体例としては前述の米国特許第4,500,62
6号の第22〜44欄に記載の化合物を挙げることができる
が、なかでも前記米国特許に記載の化合物(1)〜
(3)、(10)〜(13)、(16)〜(19)、(28)〜
(30)、(33)〜(35)、(38)〜(40)、(42)〜
(64)が好ましい。また米国特許第4,639,408
号第37〜39欄に記載の化合物も有用である。
【0040】色素供与性化合物、耐拡散性還元剤などの
疎水性添加剤は米国特許第2,322,027号記載の
方法などの公知の方法により感光材料の層中に導入する
ことができる。この場合には、特開昭59−83154
号、同59−178451号、同59−178452
号、同59−178453号、同59−178454
号、同59−178455号、同59−178457号
等に記載のような高沸点有機溶媒を、必要に応じて沸点
50℃〜160℃の低沸点有機溶媒と併用して、用いる
ことができる。高沸点有機溶媒の量は用いられる色素供
与性化合物1gに対して10g以下、好ましくは5g以
下である。また、バインダー1gに対して1cc以下、
更には0.5cc以下、特に0.3cc以下が好まし
い。
【0041】特公昭51−39853号、特開昭51−
59943号に記載されている重合物による分散法も使
用できる。水に実質的に不溶の化合物の場合には、前記
方法以外にバインダー中に微粒子にして分散させること
ができる。疎水性化合物を親水性コロイドに分散する際
には、種々の界面活性剤を用いることができる。例えば
特開昭59−157636号の第37〜38頁に界面活
性剤として挙げたものを用いることができる。
【0042】色素供与性化合物を添加する層としては特
に限定的ではないが、感光性乳剤層又はその下層に添加
することが好ましい。また、色素供与性化合物の添加量
は、0.01〜5mmol/m2が適当であり、好ましくは
0.05〜2mmol/m2、特に好ましくは0.1〜1mmol
/m2である。
【0043】イエロー、マゼンタ、シアンの3原色を用
いて色度図内の広範囲の色を得るためには、少なくとも
3層のそれぞれ異なるスペクトル領域に感光性をもつハ
ロゲン化銀乳剤層を組み合わせて用いる。例えば、特開
昭59−180550号、同64−13546号、同6
2−253159号、欧州特許公開第479,167号
などに記載の、青感層、緑感層、赤感層の組み合わせ、
緑感層、赤感層、赤外感光層の組み合わせ、赤感層、赤
外感光層(1)、赤外感光層(2)の組み合わせなどが
ある。各感光層は通常型のカラー感光材料で知られてい
る種々の配列順序をとることができる。また、これらの
各感光層は特開平1−252954号等に記載されてい
るように、必要に応じて2層以上に分割してもよい。
【0044】熱現像感光材料には、上記のハロゲン化銀
乳剤層の間及び最上層、最下層には保護層、下塗り層、
中間層、黄色フィルター層、アンチハレーション層、バ
ック層など各種の非感光層を設けることができる。具体
的には、上記特許記載の層構成、米国特許第5,05
1,335号記載のような下塗り層、特開平1−167
838号、特開昭61−20943号記載のような固体
顔料を有する中間層、特開平1−120553号、同5
−34884号、同2−64634号記載のような還元
剤やDIR化合物を有する中間層、米国特許第5,01
7,454号、同5,139,919号、特開平2−2
35044号記載のような電子伝達剤を有する中間層、
特開平4−249245号記載のような還元剤を有する
保護層またはこれらを組み合わせた層などを設けること
ができる。支持体は帯電防止機能を持ち表面抵抗率が1
12Ω・cm以下になる様設計することが好ましい。
【0045】次に、熱現像感光材料に使用するハロゲン
化銀乳剤について詳しく説明する。本発明に使用し得る
ハロゲン化銀乳剤は、塩化銀、臭化銀、沃臭化銀、塩臭
化銀、塩沃化銀、塩沃臭化銀のいずれでもよい。
【0046】本発明で使用するハロゲン化銀乳剤は、表
面潜像型乳剤であっても、内部潜像型乳剤であってもよ
い。内部潜像型乳剤は造核剤や光カブラセ剤とを組み合
わせて直接反転乳剤として使用される。また、粒子内部
と粒子表層が異なる相を持ったいわゆるコアシェル乳剤
であってもよく、またエピタキシャル接合によって組成
の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよい。ハロゲ
ン化銀乳剤は単分散でも多分散でもよく、特開平1−1
67743号、同4−223463号記載のように単分
散乳剤を混合し、階調を調節する方法が好ましく用いら
れる。粒子サイズは0.1〜2μm、特に0.2〜1.
5μmが好ましい。
【0047】ハロゲン化銀粒子の晶癖は立方体、八面
体、十四面体のような規則的な結晶を有するもの、球
状、高アスペクト比の平板状のような変則的な結晶系を
有するもの、双晶面のような結晶欠陥を有するもの、あ
るいはそれらの複合系その他のいずれでもよい。
【0048】具体的には、米国特許第4,500,62
6号第50欄、同4,628,021号、リサーチ・デ
ィスクロージャー誌(以下RDと略記する)No. 17,
029(1978年)、同No. 17,643(1978
年12月)22〜23頁、同No. 18,716(197
9年11月)648頁、同No. 307,105(198
9年11月)863〜865頁、特開昭62−2531
59号、同64−13546号、特開平2−23654
6号、同3−110555号及びグラフキデ著「写真の
物理と化学」、ポールモンテ社刊(P.Glafkides, Chemi
e et Pisique Photographique, Paul Montel, 1967)、
ダフィン著「写真乳剤化学」、フォーカルプレス社刊
(G.F.Duffin, Photographic Emulsion Chemistry, Foc
al Press,1966)、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と
塗布」、フォーカルプレス社刊(V.L.Zelikman et al.,
Making and Coating Photographic Emulsion, Focal Pr
ess,1964)等に記載されている方法を用いて調製したハ
ロゲン化銀乳剤のいずれもが使用できる。
【0049】本発明の感光性ハロゲン化銀乳剤を調製す
る過程で、過剰の塩を除去するいわゆる脱塩を行うこと
が好ましい。このための手段として、ゼラチンをゲル化
させて行うヌーデル水洗法を用いてもよく、また多価ア
ニオンより成る無機塩類(例えば硫酸ナトリウム)、ア
ニオン性界面活性剤、アニオン性ポリマー(例えばポリ
スチレンスルホン酸ナトリウム)、あるいはゼラチン誘
導体(例えば脂肪族アシル化ゼラチン、芳香族アシル化
ゼラチン、芳香族カルバモイル化ゼラチンなど)を利用
した沈降法を用いてもよい。沈降法が好ましく用いられ
る。
【0050】本発明で使用する感光性ハロゲン化銀乳剤
は、種々の目的でイリジウム、ロジウム、白金、カドミ
ウム、亜鉛、タリウム、鉛、鉄、オスミウムなどの重金
属を含有させても良い。これらの化合物は、単独で用い
ても良いしまた2種以上組み合わせて用いてもよい。添
加量は、使用する目的によるが一般的には、ハロゲン化
銀1モルあたり10-9〜10-3モル程度である。また含
有させる時には、粒子に均一に入れてもよいし、また粒
子の内部や表面に局在させてもよい。具体的には、特開
平2−236542号、同1−116637号、同5−
181246号等に記載の乳剤が好ましく用いられる。
【0051】本発明の感光性ハロゲン化銀乳剤の粒子形
成段階において、ハロゲン化銀溶剤としてロダン塩、ア
ンモニア、4置換チオエーテル化合物や特公昭47−1
1386号記載の有機チオエーテル誘導体または特開昭
53−144319号に記載されている含硫黄化合物等
を用いることができる。
【0052】その他の条件については、前記のグラフキ
デ著「写真の物理と化学」ポールモンテ社刊(P.Glafki
des, Chemie et Pisique Photographique, Paul Monte
l, 1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」、フォーカル
プレス社刊(G.F.Duffin, Photographic Emulsion Chem
istry, Focal Press, 1966)、ゼリクマンら著「写真乳
剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V.L.Zelikm
an et al.,Making and Coating Photographic Emulsio
n, Focal Press,1964)等の記載を参照すればよい。す
なわち酸性法、中性法、アンモニア法のいずれでもよ
く、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる形
式としては片側混合法、同時混合法、それらの組み合わ
せのいずれを用いてもよい。単分散乳剤を得るために
は、同時混合法が好ましく用いられる。粒子を銀イオン
過剰の下において形成させる逆混合法も用いることがで
きる。同時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生
成される液相中のpAgを一定に保つ、いわゆるコント
ロールド・ダブルジェット法も用いることができる。
【0053】また、粒子成長を早めるために、添加する
銀塩およびハロゲン塩の添加濃度、添加量、添加速度を
上昇させてもよい(特開昭55−142329号、同5
5−158124号、米国特許3650757号等)。
さらに反応液の撹拌方法は、公知のいずれの撹拌方法で
もよい。またハロゲン化銀粒子形成中の反応液の温度、
pHは、目的に応じてどのように設定してもよい。好ま
しいpH範囲は2.3〜8.5、より好ましくは2.5
〜7.5である。
【0054】感光性ハロゲン化銀乳剤は通常は化学増感
されたハロゲン化銀乳剤である。本発明の感光性ハロゲ
ン化銀乳剤の化学増感には、通常型感光材料用乳剤で公
知の硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法などのカ
ルコゲン増感法、金、白金、パラジウムなどを用いる貴
金属増感法および還元増感法などを単独又は組合わせて
用いることができる(例えば特開平3−110555
号、同5−241267号など)。これらの化学増感を
含窒素複素環化合物の存在下で行うこともできる(特開
昭62−253159号)。また後掲するカブリ防止剤
を化学増感終了後に添加することができる。具体的に
は、特開平5−45833号、特開昭62−40446
号記載の方法を用いることができる。
【0055】化学増感時のpHは好ましくは5.3〜1
0.5、より好ましくは5.5〜8.5であり、pAg
は好ましくは6.0〜10.5、より好ましくは6.8
〜9.0である。本発明において使用される感光性ハロ
ゲン化銀の塗設量は、銀換算1mg〜10g/m2の範囲で
あり、好ましくは、10mg〜10g/m2である。
【0056】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀に
青感性、緑感性、赤感性、赤外感性の感色性を持たせる
ためには、感光性ハロゲン化銀乳剤をメチン色素類その
他によって分光増感する。本発明においては、赤外感性
の感色性を少なくとも1層の感光層中のハロゲン化銀に
もたせることが好ましい。
【0057】用いられる色素には、シアニン色素、メロ
シアニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色
素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、ス
チリル色素およびヘミオキソノール色素が包含される。
具体的には、米国特許第4,617,257号、特開昭
59−180,550号、同64−13546号、特開
平5−45828号、同5−45834号などに記載の
増感色素が挙げられる。これらの増感色素は単独に用い
てもよいが、それらの組合わせを用いてもよく、増感色
素の組合わせは特に、強色増感や分光増感の波長調節の
目的でしばしば用いられる。
【0058】増感色素とともに、それ自身分光増感作用
を持たない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない化
合物であって、強色増感を示す化合物を乳剤中に含んで
もよい(例えば米国特許第3,615,641号、特開
昭63−23145号等に記載のもの)。これらの増感
色素を乳剤中に添加する時期は化学熟成時もしくはその
前後でもよいし、米国特許第4,183,756号、同
4,225,666号に従ってハロゲン化銀粒子の核形
成前後でもよい。またこれらの増感色素や強色増感剤
は、メタノールなどの有機溶媒の溶液、ゼラチンなどの
分散物あるいは界面活性剤の溶液で添加すればよい。添
加量は一般にハロゲン化銀1モル当り10-8ないし10
-2モル程度である。
【0059】このような工程で使用される添加剤および
本発明の熱現像感光材料や色素固定材料に使用できる公
知の写真用添加剤は、前記のRDNo. 17,643、同
No.18,716および同No. 307,105に記載さ
れており、その該当箇所を下記の表にまとめる。
【0060】 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1. 化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2. 感度上昇剤 648頁右欄 3. 分光増感剤、 23〜24頁 648頁右欄 866 〜 868頁 強色増感剤 〜 649頁右欄 4. 蛍光増白剤 24頁 648頁右欄 868頁 5. かぶり防止 24 〜25頁 649頁右欄 868 〜 870頁 剤、安定剤 6. 光吸収剤、 25 〜26頁 649頁右欄 873頁 フィルター 〜 650頁左欄 染料、紫外 線吸収剤 7. 色素画像 25頁 650頁左欄 872頁 安定剤 8. 硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 874〜 875頁 9. バインダー 26頁 651頁左欄 873〜 874頁 10. 可塑剤、 27頁 650頁右欄 876頁 潤滑剤 11. 塗布助剤、 26 〜27頁 650頁右欄 875〜 876頁 表面活性剤 12. スタチック 27頁 650頁右欄 876〜 877頁 防止剤 13. マット剤 878〜 879頁
【0061】熱現像感光材料や色素固定材料の構成層の
バインダーには親水性のものが好ましく用いられる。そ
の例としては前記のリサーチ・ディスクロージャーおよ
び特開昭64−13546号の(71)頁〜(75)頁に記載さ
れたものが挙げられる。具体的には、透明か半透明の親
水性バインダーが好ましく、例えばゼラチン、ゼラチン
誘導体等の蛋白質又はセルロース誘導体、澱粉、アラビ
アゴム、デキストラン、プルラン等の多糖類のような天
然化合物と、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン、アクリルアミド重合体等の合成高分子化合物が挙
げられる。また、米国特許第4,960,681号、特
開昭62−245260号等に記載の高吸水性ポリマ
ー、すなわち−COOM又は−SO3 M(Mは水素原子
又はアルカリ金属)を有するビニルモノマーの単独重合
体又はこのビニルモノマーどうし、もしくは他のビニル
モノマーとの共重合体(例えばメタクリル酸ナトリウ
ム、メタクリル酸アンモニウム、住友化学(株)製のス
ミカゲルL−5H)も使用される。これらのバインダー
は2種以上組み合わせて用いることもできる。特にゼラ
チンと上記バインダーの組み合わせが好ましい。またゼ
ラチンは、種々の目的に応じて石灰処理ゼラチン、酸処
理ゼラチン、カルシウムなどの含有量を減らしたいわゆ
る脱灰ゼラチンから選択すれば良く、組み合わせて用い
ることも好ましい。
【0062】微量の水を供給して熱現像を行うシステム
を採用する場合、上記の高吸水性ポリマーを用いること
により、水の吸収を迅速に行うことが可能となる。また
高吸水性ポリマーを色素固定層やその保護層に使用する
と、転写後に色素が色素固定要素から他のものに再転写
するのを防止することができる。本発明において、バイ
ンダーの塗布量は1m2当たり0.2〜20gであること
が好ましく、特に0.2〜10g、更には0.5〜7g
にするのが好ましい。
【0063】本発明においては、感光性ハロゲン化銀乳
剤と共に、有機金属塩を酸化剤として併用することもで
きる。このような有機金属塩の中で、有機銀塩は、特に
好ましく用いられる。上記の有機銀塩酸化剤を形成する
のに使用し得る有機化合物としては、米国特許第4,5
00,626号第52〜53欄等に記載のベンゾトリア
ゾール類、脂肪酸その他の化合物がある。また米国特許
第4,775,613号記載のアセチレン銀も有用であ
る。有機銀塩は、2種以上を併用してもよい。以上の有
機銀塩は、感光性ハロゲン化銀1モルあたり、0.01
〜10モル、好ましくは0.01〜1モルを併用するこ
とができる。感光性ハロゲン化銀乳剤の塗布量は銀換算
で0.05〜10g/m2、好ましくは0.1〜4g/m2
が適当である。
【0064】本発明は、本発明による一般式(I)また
は(II)で表される耐拡散性還元剤の他に公知の還元剤
を用いることができる。また、それ自身は還元性を持た
ないが現像過程で求核試薬や熱の作用により還元性を発
現する還元剤プレカーサーも用いることができる。本発
明に用いられる還元剤の例としては、米国特許第4,5
00,626号の第49〜50欄、同4,839,27
2号、同4,330,617号、同4,590,152
号、同5,017,454号、同5,139,919
号、特開昭60−140335号の第(17)〜(18)頁、同
57−40245号、同56−138736号、同59
−178458号、同59−53831号、同59−1
82449号、同59−182450号、同60−11
9555号、同60−128436号、同60−128
439号、同60−198540号、同60−1817
42号、同61−259253号、同62−20143
4号、同62−244044号、同62−131253
号、同62−131256号、同63−10151号、
同64−13546号の第(40)〜(57)頁、特開平1−1
20553号、同2−32338号、同2−35451
号、同2−234158号、同3−160443号、欧
州特許第220,746号の第78〜96頁等に記載の
還元剤や還元剤プレカーサーがある。
【0065】米国特許第3,039,869号に開示さ
れているもののような種々の還元剤の組合せも用いるこ
とができる。さらに中間層や保護層に混色防止、色再現
改善、白地改善、色素固定材料への銀移り防止など種々
の目的で上記還元剤を用いることができる。具体的に
は、欧州特許公開第524,649号、同357,04
0号、特開平4−249245号、同2−64633
号、同2−46450号、特開昭63−186240号
記載の還元剤が好ましく用いられる。また特公平3−6
3733号、特開平1−150135号、同2−110
557号、同2−64634号、同3−43735号、
欧州特許公開第451,833号記載のような現像抑制
剤放出還元性化合物も用いられる。また、ハイドロキノ
ンを保護層に添加した特開平5−127335号の態様
も好ましく用いることができる。
【0066】これらの還元剤の添加量は銀1モルに対し
て0.001〜20モル、特に好ましくは0.01〜1
0モルである。
【0067】本発明の熱現像感光材料には、現像の活性
化と同時に画像の安定化を図る化合物を用いることがで
きる。好ましく用いられる具体的化合物については米国
特許第4,500,626号の第51〜52欄に記載さ
れている。
【0068】色素の拡散転写により画像を形成するシス
テムにおいて、本発明の熱現像感光材料の構成層には不
要な色素や着色物を固定化または無色化し、得られる画
像の白地を改良する目的で種々の化合物を添加すること
ができる。具体的には、欧州公開特許第353,741
号、同461,416号、特開昭63−163345
号、同62−203158号記載の化合物を用いること
ができる。
【0069】本発明の熱現像感光材料の層構成には、色
分離性改良や高感化などの目的で、種々の顔料や染料を
用いることができる。具体的には前記リサーチ・ディス
クロージャー記載の化合物や、欧州公開特許第479,
167号、第502,508号、特開平1−16783
8号、同4−343355号、同2−168252号、
特開昭61−20943号、欧州公開特許第479,1
67号、同502,508号等に記載の化合物や層構成
を用いることができる。
【0070】本発明においては、色素の拡散転写により
画像を形成するため、熱現像感光材料と共に色素固定材
料が用いられる。色素固定材料は感光材料とは別々の支
持体上に別個に塗設される形態であっても、感光材料と
同一の支持体上に塗設される形態であってもよい。感光
材料と色素固定材料相互の関係、支持体との関係、白色
反射層との関係は米国特許第4,500,626号の第
57欄に記載の関係が本発明にも適用できる。
【0071】本発明に好ましく用いられる色素固定材料
は媒染剤とバインダーを含む層を少なくとも1層有す
る。媒染剤は写真分野で公知のものを用いることがで
き、その具体例としては米国特許第4,500,626
号第58〜59欄、特開昭61−88256号第(32)〜
(41)頁や特開平1−161236号第(4) 〜(7) 頁に記
載の媒染剤、米国特許第4,774,162号、同4,
619,883号、同4,594,308号等に記載の
ものを挙げることができる。また、米国特許第4,46
3,079号に記載されているような色素受容性の高分
子化合物を用いてもよい。
【0072】本発明の色素固定材料に用いられるバイン
ダーは、前記の親水性バインダーが好ましい。さらに欧
州公開特許第443,529号記載のようなカラギナン
類の併用や、特公平3−74820号記載のようなガラ
ス転移温度40℃以下のラテックス類を併用することが
好ましく用いられる。色素固定材料には必要に応じて保
護層、剥離層、下塗り層、中間層、バック層、カール防
止層などの補助層を設けることができる。特に保護層を
設けるのは有用である。
【0073】熱現像感光材料および色素固定材料の構成
層には、可塑剤、スベリ剤あるいは感光材料と色素固定
材料との剥離性改良剤として高沸点有機溶媒を用いるこ
とができる。具体的には、前記リサーチ・ディスクロー
ジャーや特開昭62−245253号などに記載された
ものがある。
【0074】更に、上記の目的のために、各種のシリコ
ーンオイル(ジメチルシリコーンオイルからジメチルシ
ロキサンに各種の有機基を導入した変性シリコーンオイ
ルまでの総てのシリコーンオイル)を使用できる。その
例としては、信越シリコーン(株)発行の「変性シリコ
ーンオイル」技術資料P6〜18Bに記載の各種変性シ
リコーンオイル、特にカルボキシ変性シリコーン(商品
名X−22−3710)などが有効である。また特開昭
62−215953号、同63−46449号に記載の
シリコーンオイルも有効である。
【0075】熱現像感光材料や色素固定材料には蛍光増
白剤を用いてもよい。特に色素固定材料に蛍光増白剤を
内蔵させるか、熱現像感光材料や転写溶剤などの外部か
ら供給させるのが好ましい。その例としては、K.Veenka
taraman 編「The Chemistryof Synthetic Dyes 」第V
巻第8章、特開昭61−143752号などに記載され
ている化合物を挙げることができる。より具体的には、
スチルベン系化合物、クマリン系化合物、ビフェニル系
化合物、ベンゾオキサゾリル系化合物、ナフタルイミド
系化合物、ピラゾリン系化合物、カルボスチリル系化合
物などが挙げられる。蛍光増白剤は退色防止剤や紫外線
吸収剤と組み合わせて用いることができる。これらの褪
色防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤の具体例は、特開
昭62−215272号(125) 〜(137) 頁、特開平1−
161236号(17)〜(43)頁に記載されている。
【0076】熱現像感光材料や色素固定材料の構成層に
用いる硬膜剤としては、前記リサーチ・ディスクロージ
ャー、米国特許第4,678,739号第41欄、同
4,791,042号、特開昭59−116655号、
同62−245261号、同61−18942号、特開
平4−218044号等に記載の硬膜剤が挙げられる。
より具体的には、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒ
ドなど)、アジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビ
ニルスルホン系硬膜剤(N,N′−エチレン−ビス(ビ
ニルスルホニルアセタミド)エタンなど)、N−メチロ
ール系硬膜剤(ジメチロール尿素など)、あるいは高分
子硬膜剤(特開昭62−234157号などに記載の化
合物)が挙げられる。これらの硬膜剤は、塗布されたゼ
ラチン1gあたり0.001〜1g、好ましくは0.0
05〜0.5gが用いられる。また添加する層は、感光
材料や色素固定材料の構成層のいずれの層でも良いし、
2層以上に分割して添加しても良い。
【0077】熱現像感光材料や色素固定材料の構成層に
は、種々のカブリ防止剤又は写真安定剤及びそのプレカ
ーサーを使用することができる。その具体例としては、
RD17643(1978年)24〜25頁に記載のア
ゾールやアザインデン類、特開昭59−168442号
記載の窒素を含むカルボン酸類及びリン酸類、あるいは
特開昭59−111636号記載のメルカプト化合物及
びその金属塩、特開昭62−87957号記載のアセチ
レン化合物類などが挙げられる。本発明においてプレカ
ーサーを用いる場合、前述の通り感光性ハロゲン化銀乳
剤層に用いることが特に好ましいが、色素固定材料に使
用することもできる。これらの化合物がプレカーサーで
ない場合、銀1モルあたり5×10-6〜1×10-1モル
が好ましく、さらに1×10-5〜1×10-2モルが好ま
しく用いられる。プレカーサーの場合の好ましい使用量
は前述の通りである。
【0078】熱現像感光材料や色素固定材料の構成層に
は、塗布助剤、剥離性改良、スベリ性改良、帯電防止、
現像促進等の目的で種々の界面活性剤を使用することが
できる。界面活性剤の具体例は前記リサーチ・ディスク
ロージャー、特開昭62−173463号、同62−1
83457号等に記載されている。熱現像感光材料や色
素固定材料の構成層には、スベリ性改良、帯電防止、剥
離性改良等の目的で有機フルオロ化合物を含ませてもよ
い。有機フルオロ化合物の代表例としては、特公昭57
−9053号第8〜17欄、特開昭61−20944
号、同62−135826号等に記載されているフッ素
系界面活性剤、又はフッ素油などのオイル状フッ素系化
合物もしくは四フッ化エチレン樹脂などの固体状フッ素
化合物樹脂などの疎水性フッ素化合物が挙げられる。
【0079】熱現像感光材料や色素固定材料には、接着
防止、スベリ性改良などの目的でマット剤を用いること
ができる。マット剤としては二酸化ケイ素、ポリオレフ
ィン又はポリメタクリレートなどの特開昭61−882
56号第(29)頁記載の化合物の他に、ベンゾグアナミン
樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ、AS樹脂ビ
ーズなどの特開昭63−274944号、同63−27
4952号記載の化合物がある。その他前記リサーチ・
ディスクロージャー記載の化合物が使用できる。これら
のマット剤は、最上層(保護層)のみならず必要に応じ
て下層に添加することもできる。
【0080】その他、熱現像感光材料および色素固定材
料の構成層には、熱溶剤、消泡剤、防菌防バイ剤、コロ
イダルシリカ等を含ませてもよい。これらの添加剤の具
体例は特開昭61−88256号第第(26)〜(32)頁、特
開平3−11338号、特公平2−51496号等に記
載されている。
【0081】本発明において熱現像感光材料及び/又は
色素固定材料には画像形成促進剤を用いることができ
る。画像形成促進剤には銀塩酸化剤と還元剤との酸化還
元反応の促進、色素供与性物質からの色素の生成または
色素の分解あるいは拡散性色素の放出等の反応の促進お
よび、熱現像感光材料層から色素固定層への色素の移動
の促進等の機能があり、物理化学的な機能からは塩基ま
たは塩基プレカーサー、求核性化合物、高沸点有機溶媒
(オイル)、熱溶剤、界面活性剤、銀または銀イオンと
相互作用を持つ化合物等に分類される。ただし、これら
の物質群は一般に複合機能を有しており、上記の促進効
果のいくつかを合せ持つのが常である。これらの詳細に
ついては米国特許4,678,739号第38〜40欄
に記載されている。
【0082】塩基プレカーサーとしては、熱により脱炭
酸する有機酸と塩基の塩、分子内求核置換反応、ロッセ
ン転位又はベックマン転位によりアミン類を放出する化
合物などがある。その具体例は米国特許第4,514,
493号、同4,657,848号等に記載されてい
る。
【0083】少量の水の存在下に熱現像と色素の転写を
同時に行うシステムにおいては、塩基及び/又は塩基プ
レカーサーは色素固定材料に含有させる方法が熱現像感
光材料の保存性を高める意味で好ましい。上記の他に、
欧州特許公開210,660号、米国特許第4,74
0,445号に記載されている難溶性金属化合物および
この難溶性金属化合物を構成する金属イオンと錯形成反
応しうる化合物(錯形成化合物という)の組合せや、特
開昭61−232451号に記載されている電解により
塩基を発生する化合物なども塩基プレカーサーとして使
用できる。特に前者の方法は効果的である。この難溶性
金属化合物と錯形成化合物は、前記特許に記載のよう
に、熱現像感光材料と色素固定要素に別々に添加するの
が有利である。
【0084】本発明において熱現像感光材料及び/又は
色素固定材料には、現像時の処理温度および処理時間の
変動に対し、常に一定の画像を得る目的で種々の現像停
止剤を用いることができる。ここでいう現像停止剤と
は、適正現像後、速やかに塩基を中和または塩基と反応
して膜中の塩基濃度を下げ現像を停止する化合物または
銀および銀塩と相互作用して現像を抑制する化合物であ
る。具体的には、加熱により酸を放出する酸プレカーサ
ー、加熱により共存する塩基と置換反応を起す親電子化
合物、または含窒素ヘテロ環化合物、メルカプト化合物
及びその前駆体等が挙げられる。更に詳しくは特開昭6
2−253159号(31)〜(32)頁に記載されている。
【0085】本発明において熱現像感光材料や色素固定
材料の支持体としては、処理温度に耐えることのできる
ものが用いられる。一般的には、日本写真学会編「写真
工学の基礎−銀塩写真編−」、(株)コロナ社刊(昭和
54年)(223) 〜(240) 頁記載の紙、合成高分子(フィ
ルム)等の写真用支持体が挙げられる。具体的には、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、ポリイミド、セルロース類(例え
ばトリアセチルセルロース)又はこれらのフィルム中へ
酸化チタンなどの顔料を含有させたもの、更にポリプロ
ピレンなどから作られるフィルム法合成紙、ポリエチレ
ン等の合成樹脂パルプと天然パルプとから作られる混抄
紙、ヤンキー紙、バライタ紙、コーティッドペーパー
(特にキャストコート紙)、金属、布類、ガラス類等が
用いられる。これらは、単独で用いることもできるし、
ポリエチレン等の合成高分子で片面又は両面をラミネー
トされた支持体として用いることもできる。このラミネ
ート層には、酸化チタン、群青、カーボンブラックなど
の顔料や染料を必要に応じて含有させておくことができ
る。
【0086】この他に、特開昭62−253159号(2
9)〜(31)頁、特開平1−161236号(14)〜(17)頁、
特開昭63−316848号、特開平2−22651
号、同3−56955号、米国特許第5,001,03
3号等に記載の支持体を用いることができる。
【0087】これらの支持体の裏面は、親水性バインダ
ーとアルミナゾルや酸化スズのような半導性金属酸化
物、カーボンブラックその他の帯電防止剤を塗布しても
よい。具体的には、特開昭63−220246号などに
記載の支持体を使用できる。また支持体の表面は親水性
バインダーとの密着性を改良する目的で種々の表面処理
や下塗りを施すことが好ましく用いられる。
【0088】熱現像感光材料に画像を露光し記録する方
法としては、例えばカメラなどを用いて風景や人物など
を直接撮影する方法、プリンターや引伸機などを用いて
リバーサルフィルムやネガフィルムを通して露光する方
法、複写機の露光装置などを用いて、原画をスリットな
どを通して走査露光する方法、画像情報を電気信号を経
由して発光ダイオード、各種レーザー(レーザーダイオ
ード、ガスレーザーなど)などを発光させ走査露光する
方法(特開平2−129625号、同5−176144
号、同5−199372号、同6−127021号
等)、画像情報をCRT、液晶ディスプレイ、エレクト
ロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ
などの画像表示装置に出力し、直接または光学系を介し
て露光する方法などがある。
【0089】熱現像感光材料へ画像を記録する光源とし
ては、上記のように、自然光、タングステンランプ、発
光ダイオード、レーザー光源、CRT光源などの米国特
許第4,500,626号第56欄、特開平2−533
78号、同2−54672号記載の光源や露光方法を用
いることがてきる。
【0090】また、非線形光学材料とレーザー光等のコ
ヒーレントな光源を組み合わせた波長変換素子を用いて
画像露光することもできる。ここで非線形光学材料と
は、レーザー光のような強い光電界をあたえたときに現
れる分極と電界との間の非線形性を発現可能な材料であ
り、ニオブ酸リチウム、リン酸二水素カリウム(KD
P)、沃素酸リウチム、BaB24 などに代表される
無機化合物や、尿素誘導体、ニトロアニリン誘導体、例
えば3−メチル−4−ニトロピリジン−N−オキシド
(POM)のようなニトロピリジン−N−オキシド誘導
体、特開昭61−53462号、同62−210432
号に記載の化合物が好ましく用いられる。波長変換素子
の形態としては、単結晶光導波路型、ファイバー型等が
知られておりそのいずれもが有用である。
【0091】また、前記の画像情報は、ビデオカメラ、
電子スチルカメラ等から得られる画像信号、日本テレビ
ジョン信号規格(NTSC)に代表されるテレビ信号、
原画をスキャナーなど多数の画素に分割して得た画像信
号、CG、CADで代表されるコンピューターを用いて
作成された画像信号を利用できる。本発明においては露
光が走査露光で、その光源が半導体レーザーまたは発光
ダイオードであることが好ましいが、本発明はこれらに
限定されるものではない。
【0092】本発明の熱現像感光材料及び/又は色素固
定材料は、加熱現像及び色素の拡散転写のための加熱手
段として導電性の発熱体層を有する形態であっても良
い。この場合の発熱要素には、特開昭61−14554
4号等に記載のものを利用できる。熱現像工程での加熱
温度は、約50℃〜250℃であるが、特に約60℃〜
180℃が有用である。色素の拡散転写工程は熱現像と
同時に行っても良いし、熱現像工程終了後に行ってもよ
い。後者の場合、転写工程での加熱温度は熱現像工程に
おける温度から室温の範囲で転写可能であるが、特に5
0℃以上で、熱現像工程の温度より約10℃低い温度ま
でが好ましい。
【0093】色素の移動は熱のみによっても生じるが、
色素移動を促進するために溶媒を用いてもよい。また、
米国特許第4,704,345号、同4,740,44
5号、特開昭61−238056号等に記載されてい
る、少量の溶媒(特に水)の存在下で加熱し現像と転写
を同時または連続して行う方法も有用である。この方式
においては、加熱温度は50℃以上で溶媒の沸点以下が
好ましく、例えば溶媒が水の場合は50℃〜100℃が
好ましい。
【0094】現像の促進及び/又は色素の拡散転写のた
めに用いる溶媒の例としては、水、無機のアルカリ金属
塩や有機の塩基を含む塩基性の水溶液(これらの塩基と
しては画像形成促進剤の項で記載したものが用いられ
る)、低沸点溶媒又は低沸点溶媒と水もしくは前記塩基
性水溶液との混合溶液が挙げられる。また界面活性剤、
かぶり防止剤、難溶性金属塩との錯形成化合物、防黴
剤、防菌剤を溶媒中に含ませてもよい。
【0095】これらの熱現像、拡散転写の工程で用いら
れる溶媒としては水が好ましく用いられるが、水として
は一般に用いられる水であれば何を用いても良い。具体
的には蒸留水、水道水、井戸水、ミネラルウォーター等
を用いることができる。また本発明の熱現像感光材料お
よび色素固定材料を用いる熱現像装置においては水を使
い切りで使用しても良いし、循環し繰り返し使用しても
よい。後者の場合材料から溶出した成分を含む水を使用
することになる。また特開昭63−144354号、同
63−144355号、同62−38460号、特開平
3−210555号等に記載の装置や水を用いても良
い。
【0096】これらの溶媒は熱現像感光材料、色素固定
材料またはその両者に付与する方法を用いることができ
る。その使用量は全塗布膜の最大膨潤体積に相当する溶
媒の重量以下でよい。この水を付与する方法としては、
例えば特開昭62−253159号(5) 頁、特開昭63
−85544号、特願平8−181045号等に記載の
方法が好ましく用いられる。また、溶媒をマイクロカプ
セルに閉じ込めたり、水和物の形で予め熱現像感光材料
もしくは色素固定要素またはその両者に内蔵させて用い
ることもできる。付与する水の温度は前記特開昭63−
85544号等に記載のように30℃〜60℃であれば
良い。特に水中での雑菌類の繁殖を防ぐ目的で45℃以
上にすることは有用である。
【0097】また色素移動を促進するために、常温で固
体であり高温では溶解する親水性熱溶剤を熱現像感光材
料および/または色素固定材料に内蔵させる方式も採用
できる。内蔵させる層は感光性ハロゲン化銀乳剤層、中
間層、保護層、色素固定層いずれでも良いが、色素固定
層および/またはその隣接層が好ましい。親水性熱溶剤
の例としては、尿素類、ピリジン類、アミド類、スルホ
ンアミド類、イミド類、アルコール類、オキシム類その
他の複素環類がある。
【0098】現像及び/又は転写工程における加熱方法
としては、加熱されたブロックやプレートに接触させた
り、熱板、ホットプレッサー、熱ローラー、熱ドラム、
ハロゲンランプヒーター、赤外および遠赤外ランプヒー
ターなどに接触させたり、高温の雰囲気中を通過させる
方法などがある。熱現像感光材料と色素固定材料を重ね
合わせる方法は特開昭62−253159号、特開昭6
1−147244号第(27)頁記載の方法が適用できる。
【0099】本発明の写真要素の処理には種々の熱現像
装置のいずれもが使用できる。例えば、特開昭59−7
5247号、同59−177547号、同59−181
353号、同60−18951号、実開昭62−259
44号、特開平6−130509号、同6−95338
号、同6−95267号等に記載されている装置などが
好ましく用いられる。また市販の装置としては富士写真
フイルム(株)製ピクトロスタット100、同ピクトロ
スタット200、同ピクトログラフィー3000、同4
000、同ピクトログラフィー2000などが使用でき
る。
【0100】上記、熱現像感光材料と色素固定要素によ
り得られた画像を、印刷用のカラープルーフとして用い
る場合、その濃度表現の方法は、連続階調制御、又は不
連続な濃度の部分を利用した面積階調制御、又は両者を
合わせた階調制御のいずれの方法でもよい。
【0101】露光光源として、LD、LEDを用いるこ
とにより、デジタル信号の出力が可能となる。これによ
り、印刷物のデザイン、色味などの画像の制御をCRT
上で行い、最終出力として、カラープルーフを出力する
という使用法(DDCP)が可能となる。即ち、DDC
Pはカラープルーフの分野において、プルーフの出力を
効率的に行うための有効な手段となる。これはカラープ
リンターが比較的簡易な構成であって廉価であり、また
カラープリンターでは、周知のように、カラー印刷機に
係る製版フィルムの作成、刷版(PS版)等の作成が不
要であり、短時間に、複数枚のプルーフがハードコピー
として作成できることによる。
【0102】露光光源として、LD、LEDを用いる場
合、イエロー、マゼンタ、シアンにそれぞれ発色する層
に、それぞれ異なる3つの分光感度、又はイエロー、マ
ゼンタ、シアン、クロに発色する4つの層にそれぞれ異
なる4つの分光感度をもたせる方法をとることができ
る。このとき望ましい色相を得ることを目的として、各
色の分光感度は、それぞれ20nm以上離れた別々の波
長にその分光感度のピークを持つことが好ましい。
【0103】上記、熱現像感光材料と色素固定要素によ
り得られる画像のサイズは、A列本判、A1〜A6、菊
判、B列本判、B1〜B6、四六判などのいずれであっ
てもよい。またサイズに対応して、熱現像感光材料と色
素固定要素のサイズは巾が100mm〜2000mmの範囲
のいずれのサイズをとることもできる。熱現像感光材料
と色素固定要素は、材料をロール状又はシート状のいず
れで供給してもよく、どちらか一方のみロール状で、一
方がシート状の組み合わせで使用することも可能であ
る。
【0104】
【実施例】次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説
明する。 実施例1 熱現像カラー感光材料の作製方法を説明する。はじめ
に、感光性ハロゲン化銀乳剤の作製方法を説明する。 感光性ハロゲン化銀(1)[第5層(680nm感光
層)乳剤] 十分に攪拌している表1に示す組成の水溶液に表2に示
す組成の(I)液と(II)液を13分間かけて同時に添
加し、又、その10分後に、表2に示す組成の(III)液
と(IV)液を33分かけて添加した。
【0105】
【表1】
【0106】
【化16】
【0107】
【表2】
【0108】また、(III)液の添加開始13分後から2
7分間かけて増感色素を0.350%含有する水溶液
150ccを添加した。
【0109】
【化17】
【0110】常法により、水洗、脱塩(沈降剤aを用い
てpHを4.1で行った)後、石灰処理オセインゼラチ
ン22gを加えて、pHを6.0、pAgを7.9に調
節した後、60℃で化学増感した。化学増感に用いた化
合物は、表3に示す通りである。得られた乳剤の収量は
630gで変動係数10.2%の単分散立方体塩臭化銀
乳剤で、平均粒子サイズは0.20μmであった。
【0111】
【化18】
【0112】
【表3】
【0113】
【化19】
【0114】感光性ハロゲン化銀乳剤(2)[第3層
(750nm感光層)用乳剤] 十分に攪拌している表4に示す組成の水溶液に表5に示
す組成の(I)液と(II)液を18分間かけて同時に添
加し、また、その10分後に、表5に示す組成の(III)
液と(IV)液を24分間かけて添加した。
【0115】
【表4】
【0116】
【表5】
【0117】常法により、水洗、脱塩(沈降剤bを用い
てpHを3.9で行った)後、脱カルシウム処理した石
灰処理オセインゼラチン(カルシウム含有率150pp
m以下)22gを加えて、40℃で再分散し、4−ヒド
ロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザイン
デンを0.39g加えてpHを5.9、pAgを7.8
に調節した。その後、70℃で化学増感した。化学増感
に用いた化合物は、表6に示す通りである。また、化学
増感の最後に増感色素をメタノール溶液として(表7
に示す組成の溶液)添加した。さらに、化学増感後40
℃に降温して後に述べる安定剤のゼラチン分散物20
0gを添加し、十分攪拌した後、収納した。得られた乳
剤の収量は938gで変動係数12.6%の単分散立方
体塩臭化銀乳剤で、平均粒子サイズは0.25μmであ
った。
【0118】
【表6】
【0119】
【表7】
【0120】
【化20】
【0121】感光性ハロゲン化銀乳剤(3)[第1層
(810nm感光層)用乳剤] 十分に攪拌している表8に示す組成の水溶液に表9に示
す組成の(I)液と(II)液を18分間かけて同時に添
加し、また、その10分後に、表9に示す組成の(III)
液と(IV)液を24分間かけて添加した。
【0122】
【表8】
【0123】
【表9】
【0124】常法により、水洗、脱塩(沈降剤aを用い
てpHを3.8で行った)後、石灰処理オセインゼラチ
ン22gを加えて、pHを7.4、pAgを7.8に調
節した。その後、60℃で化学増感した。化学増感に用
いた化合物は、表10に示す通りである。得られた乳剤
の収量は683gで変動係数9.7%の単分散立方体塩
臭化銀乳剤で、平均粒子サイズは0.32μmであっ
た。
【0125】
【表10】
【0126】次に、第1層(810nm感光層)に添加
する微粒子塩化銀粒子の調製法について述べる。十分に
攪拌している表11に示す組成の水溶液に表12に示す
組成の(I)液と(II)液を4分間かけて同時に添加
し、また、その3分後に、表12に示す組成の(III)液
と(IV)液を8分間かけて添加した。
【0127】
【表11】
【0128】
【表12】
【0129】常法により、水洗、脱塩(沈降剤aを用い
てpHを3.9で行った)後、石灰処理ゼラチン132
gを加えて、35℃で再分散し、4−ヒドロキシ−6−
メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン4gを加
えてpHを5.7に調節した。得られた塩化銀微粒子乳
剤の収量は3200gで、平均粒子サイズは0.10μ
mであった。
【0130】次に、コロイド銀のゼラチン分散物の調製
法について述べる。十分に攪拌している表13に示す組
成の水溶液に、表14に示す組成の液を24分間かけて
添加した。その後沈降剤aを用いて水洗した後、石灰処
理オセインゼラチンを43g加えて、pHを6.3に調
節した。平均粒子サイズは0.02μmで、収量は51
2gであった。(銀2%、ゼラチン6.8%を含有する
分散物)
【0131】
【表13】
【0132】
【表14】
【0133】次に、疎水性添加剤のゼラチン分散物の調
製法について述べる。イエロー色素供与性化合物、マゼ
ンタ色素供与性化合物、シアン色素供与性化合物のゼラ
チン分散物をそれぞれ表15の処方どおり調製した。即
ち、各油相成分を、約70℃に加熱溶解させ均一な溶液
とし、この溶液に約60℃に加温した水相成分を加え攪
拌混合した後、ホモジナイザーで10分間、10000
rpmにて分散した。これに加水し、攪拌して均一な分
散物を得た。さらにシアン色素供与性化合物のゼラチン
分散物を限外ろ過モジュール(旭化成限外ろ過モジュー
ル;ACV−3050)を用いて、水による希釈と濃縮
を繰り返して表24の酢酸エチルの量の17.6分の1
になるように酢酸エチル量を減量した。
【0134】
【表15】
【0135】カブリ防止剤のゼラチン分散物を、表1
6の処方どおり調製した。即ち、油相成分を約60℃に
加熱溶解させこの溶液に約60℃に加温した水相成分を
加え、攪拌混合した後、ホモジナイザーで10分間、1
0000rpmにて分散し、均一な分散物を得た。
【0136】
【表16】
【0137】還元剤のゼラチン分散物を、表17の処
方どおり調製した。即ち、油相成分を、約60℃に加熱
溶解させこの溶液に約60℃に加温した水相成分を加
え、攪拌混合した後、ホモジナイザーで10分間、10
000rpmにて分散し、均一な分散物を得た。さらに
得られた分散物から減圧脱有機溶剤装置を用いて酢酸エ
チルを除去した。
【0138】
【表17】
【0139】ポリマーラテックスaの分散物を、表18
の処方どおり調製した。即ち、表28の量のポリマーラ
テックス(a)、界面活性剤、水の混合液を攪拌しな
がらアニオン性界面活性剤を10分間かけて添加し、
均一な分散物を得た。さらに得られた分散物を限外ろ過
モジュール(旭化成限外ろ過モジュール;ACV−30
50)を用いて、水による希釈と濃縮を繰り返して分散
物中の塩濃度が9分の1になるように調製した。
【0140】
【表18】
【0141】安定剤のゼラチン分散物を、表19の処
方どおり調製した。即ち、油相成分を室温で溶解させ、
この溶液に約40℃に加温した水相成分を加え、攪拌混
合した後、ホモジナイザーで10分間、10000rp
mにて分散した。これに加水、攪拌して均一な分散物を
得た。
【0142】
【表19】
【0143】水酸化亜鉛のゼラチン分散物を、表20の
処方どおり調製した。即ち、各成分を混合溶解した後、
ミルで平均粒径0.75mmのガラスビーズを用いて3
0分間分散した。さらにガラスビーズを分離除去し、均
一な分散物を得た。(水酸化亜鉛は平均粒子サイズが
0.25μmのものを使用した。)
【0144】
【表20】
【0145】次に、保護層に添加するマット剤のゼラチ
ン分散物の調製法について述べる。塩化メチレンにPM
MAを溶解した液を少量の界面活性剤とともにゼラチン
中に添加し、高速攪拌分散した。続いて減圧脱溶剤装置
を用いて塩化メチレンを除去し、平均粒子サイズが4.
3μmの均一な分散物を得た。
【0146】
【化21】
【0147】
【化22】
【0148】
【化23】
【0149】
【化24】
【0150】
【化25】
【0151】以上のものを用いて表21、22に示す熱
現像カラー感光材料101を作製した。
【0152】
【表21】
【0153】
【表22】
【0154】次に、表15のイエロー、マゼンタ、シア
ンの色素供与性化合物含有油層中の本発明の化合物I−
(50)の添加量を適当に変更し、化合物I−(50)
の塗布量を表23のように変更する以外は感光材料10
1と同様にして感光材料102〜115を作成した。こ
れらの感光材料及び富士写真フイルム株式会社製のフジ
ックスピクトログラフィー3000用ペーパーPGSG
を用いて、以下の処理を行った。
【0155】
【表23】
【0156】まず、表24に示した条件で、特開平6−
127021号の図2に記載の露光装置を用いて、グレ
ーとY、M、Cの単色を出力するように露光を行った。
具体的には、グレーの露光については、Y、M、Cの露
光量をバランスのとれたグレー(濃度はX−riteで
測定したビジュアルデンシティーが1になるように)と
なるように調節して行った。また、単色の露光について
は、例えばYについては、グレーを出力したときと同じ
露光量でYのみ露光して行った(M、Cも同様)。露光
後、フジックスピクトログラフィー3000を使用し
て、83℃、35秒熱現像で現像処理した。得られた処
理済みの試料のM単色を目視で評価し、表25にまとめ
た。色の鮮やかさの判定は相対評価で行い、「×」は従
来並み、「○」は従来よりも鮮やかさが増している、
「◎」は鮮やかさがいっそう増していることを意味して
いる。表25の結果より本発明の感光材料においては、
M単色の鮮やかさが優れていることが分かった。なお、
Y、Cの単色についても、本発明の化合物を、本発明の
規定を満たすように分配することで同様の効果があるこ
とが分かった。
【0157】
【表24】
【0158】
【表25】
【0159】
【発明の効果】本発明の熱現像カラー感光材料は、色の
鮮やかな色素画像を形成し、色再現性に優れる、という
作用効果を奏する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に感光性ハロゲン化銀、バイン
    ダー、及び銀現像に対応して拡散性の色素を形成または
    放出する色素供与性化合物を有する熱現像感光材料であ
    って、該感光材料が少なくとも2つの異なる感光層を有
    し、かつ、下記一般式(I)または(II)で表される化
    合物が少なくとも全ての感光層に含まれ、それら感光層
    の中で一般式(I)または(II)で表される化合物を最
    小に含む層の含有量(A)に対して、その他の感光層の
    中で一般式(I)または(II)で表される化合物を最大
    に含む層の含有量(B)が、B/A≧15を満たすこと
    を特徴とする熱現像カラー感光材料。 【化1】 (式中、Ballはこれらの式で表される化合物を非拡
    散性にし得るような有機バラスト基を表す。ただし、R
    1 が非拡散性の場合にはBallはなくてもよい。Yは
    ベンゼン核あるいはナフタリン核を形成するのに必要な
    炭素原子群を表す。R1 はそれぞれ置換もしくは非置換
    の、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、ア
    リール基、アミノ基もしくは複素環基を表す。R2 は水
    素原子、ハロゲン原子または置換もしくは非置換の、ア
    ルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール
    基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシ
    ル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカ
    ルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アル
    キルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシルアミ
    ノ基、アルキルチオ基、もしくはアリールチオ基を表
    す。nは、0〜5の整数を表し、nが2〜5のときR2
    は同一でも異なっていてもよく、また互いに結合して環
    を形成してもよい。なお、Yがナフタリン核を形成する
    のに必要な原子群を表す場合、BallおよびR2 はそ
    のようにして形成された環系のいずれかに結合させるこ
    とができる。)
  2. 【請求項2】 支持体上に感光性ハロゲン化銀、バイン
    ダー、及び銀現像に対応して拡散性の色素を形成または
    放出する色素供与性化合物を有する熱現像感光材料であ
    って、該感光材料が少なくとも2つの異なる感光層を有
    し、かつ、一般式(I)または(II)で表される化合物
    を含む感光層と、含まない感光層があることを特徴とす
    る熱現像カラー感光材料。
  3. 【請求項3】 一般式(I)または(II)で表される化
    合物の感光材料全層における合計含有量が、感光材料全
    層におけるハロゲン化銀の全含有量に対して5×10-4
    倍モル以上であることを特徴とする請求項1または2に
    記載の熱現像カラー感光材料。
  4. 【請求項4】 露光が走査露光であり、その光源が半導
    体レーザーまたは発光ダイオードであることを特徴とす
    る請求項1、2または3に記載の熱現像カラー感光材
    料。
  5. 【請求項5】 前記感光材料が700nm以上900n
    m以下の赤外波長域に感光する層を少なくとも1層有す
    ることを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の
    熱現像カラー感光材料。
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