JP2000066248A - 電気泳動表示装置 - Google Patents

電気泳動表示装置

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JP2000066248A
JP2000066248A JP10231242A JP23124298A JP2000066248A JP 2000066248 A JP2000066248 A JP 2000066248A JP 10231242 A JP10231242 A JP 10231242A JP 23124298 A JP23124298 A JP 23124298A JP 2000066248 A JP2000066248 A JP 2000066248A
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electrophoretic
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electrophoretic particles
particles
dispersion medium
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JP10231242A
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Masataka Matsude
雅隆 松手
Soichi Kuwabara
宗市 桑原
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Sony Corp
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  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 泳動粒子の比重を下げて分散媒との比重差に
伴う課題を解決するとともに、反射率とコントラスト比
を向上した電気泳動表示装置の提供が望まれている。 【解決手段】 透明基板11とこれに対向して配置され
た対向基板12との間の間隙に、色素によって着色され
た分散媒13とこれに分散する電気泳動粒子14とが封
入されてなり、透明基板11と対向基板12との間の電
圧印加の有無による電気泳動粒子14の電気泳動作用に
より、表示動作をなす電気泳動表示装置10である。電
気泳動粒子14は、高分子樹脂材料と低分子樹脂材料と
が見掛け上複合化されてなる複合化材料によって形成さ
れたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分散媒中に分散し
た電気泳動粒子の電気泳動現象を利用した、電気泳動表
示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電気泳動現象は、ある特定の粒子が媒質
(分散媒)に懸濁されると電気的に帯電し、この状態で
電界がかけられると、この帯電した粒子が分散媒中を通
って反対電荷を有する電極側に移動(泳動)する現象で
ある。
【0003】このような現象を利用した電気泳動表示装
置(Electrophoretic image display ,EPID)とし
て、従来、例えば図3に示す構造のものが知られてい
る。図3に示した電気泳動表示装置1は、透明基板2と
これに対向する対向基板3との間の間隙に、液体分散媒
4中に電気泳動粒子(以下、泳動粒子と略称する)5、
すなわちコロイド粒子を懸濁させた状態のものを封入し
て構成されたもので、透明基板2の内面に透明電極6が
設けられ、対向基板3の内面に対向電極7が設けられた
ものである。
【0004】このような構成の電気泳動表示装置1の動
作原理を図4(a)〜(d)によって説明する。電気泳
動表示装置1で使用される泳動粒子5は、本質的に正か
負に帯電させてある。図4では負に帯電させた泳動粒子
5を用いた例で、初期を図4(a)状態として、透明基
板2側を+、対向基板3側を−に直流(DC)電圧を印
加すると負に帯電した泳動粒子5は+である透明基板2
側に泳動し図4(b)の状態になる。仮に図4(a)の
状態から透明基板2側を−、対向基板3側を+にして電
圧を印加しても泳動粒子5は初期図4(a)の状態のま
ま動かない。図4(b)の状態になってしまえば電圧を
オフにしても、その状態図4(c)が保たれ(分散媒4
と泳動粒子5の比重差が小さい場合、より安定にこの状
態を保つことができる)、図4(c)の状態から透明基
板2側を−、対向基板3側を+にしてDC電圧を印加す
ると泳動粒子5は+極の方へ移動し図4(d)の状態に
なる。このとき、透明基板2側を+、対向基板3側を−
にDC電圧を印加しても移動は起こらない。
【0005】したがって、図示の位置から観察すると図
4(a)の状態では分散媒の色(黒色)が見え、図4
(c)の状態では電気泳動粒子(白色)5を見ることに
なる。これによって所望する画像表示が行えるようにな
っている。しかし、上述の電気泳動表示装置では泳動粒
子の凝集、分散媒との比重差による泳動粒子の沈降や付
着現象による表示ムラを生じるという問題があった。こ
のような問題を解決するために表面改質(例えば特開昭
62−183439号公報、特開昭62−280826
号公報、特開平2−284128号公報など)や小区画
分割(例えば、特開平2−284127号公報)あるい
はマイクロカプセル化(特開昭64−86116号公
報、p75;SID’97Int.Symp.Dige
st)が行われている。
【0006】このような表示装置1では、特に白の表示
を行うため、通常流動粒子(泳動粒子5)として白色顔
料を用いている。白色顔料としては、ルチル構造のTi
2が隠蔽性および白呈色性に優れていることなどか
ら、最も一般的に用いられる。しかし、このTiO
2 は、その比重が3.8〜4.2と、分散媒4となる有
機媒体に比べ4倍程度の比重があって分散媒4との比重
差が大きいことから、表示装置1を立てた状態、すなわ
ち透明基板2、対向基板3を立てた状態にすると、その
一部が重力により基板2、3の面方向に沿って沈降して
しまう。そして、このようにTiO2 が沈降すると、こ
のTiO2 が本来の画素と異なる画素の側に移ってしま
って元に戻らなくなってしまい、表示の安定性が損なわ
れてしまう。
【0007】また、このような表示装置1においては、
泳動粒子5が凝集を起こすことなどから画素間に仕切り
が必要となり、仕切りがないと画素間で粒子の偏りが生
じ、まともな表示ができなくなる。そのため、仕切りを
設けるべく画素をセル構造(特開昭49−32038号
公報)にしたり、泳動粒子と分散媒とをマイクロカプセ
ルに内包する(JP2551783)ことによって大き
な場所の移動を抑制している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、マイク
ロカプセルに内包することによって大きな場所の移動を
抑制しても、マイクロカプセル内では依然沈降が起こる
ことから、根本的には分散粒子である泳動粒子5と分散
媒4との比重を一致させることが必要であり、そのため
には分散媒4の比重を上げるか、あるいは泳動粒子5の
比重を下げなければならない。
【0009】分散媒4の比重を上げる一つの方法として
は、従来、塩化物溶媒を使用することがなされていた。
ところが、現在では環境問題によって塩化物の使用が避
けられるようになってきており、今後の使用も望めない
のが実状である。また、ハロゲン化による重溶媒化も考
えられるが、その場合にもこれによって得られる分散媒
4の比重はせいぜい2程度である。したがって、泳動粒
子5と分散媒4との比重を一致させるためには、分散媒
4の比重を上げるよりも、泳動粒子5の比重を下げる方
がより現実的と考えられる。
【0010】泳動粒子5の比重を下げる方法、すなわち
その軽量化についての文献としては、特開平1−114
829やB.Comiskey,J.D.Albert,J.Jacobson;p75,SID'9
7Int.Symp.Digestが知られているが、前者では詳しい記
述がなく、また、後者では十分に比重が下がっておら
ず、しかも溶媒(分散媒)に塩化物である塩化メチレン
を用いている。このように、泳動粒子5と分散媒4との
比重を一致させることはいまだに課題となっている。
【0011】また、泳動粒子5として樹脂製の散乱粒子
を用い、これによりその比重を分散媒とほぼ同等にする
ことも考えられる。ところが、樹脂製散乱粒子は、例え
ば乳白色のものでも通常は多少の透光性を有しているこ
とから、この樹脂製散乱粒子単独では光の散乱を十分に
行うことができず、得られる表示はくすんだ白色となっ
てしまう。本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、泳動粒子の比重を下げて分散
媒との比重差に伴う課題を解決するとともに、反射率と
コントラスト比を向上した電気泳動表示装置を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の電気泳動表示装
置では、透明基板とこれに対向して配置された対向基板
との間の間隙に、色素によって着色された分散媒とこれ
に分散する電気泳動粒子とが封入されてなり、前記透明
基板と対向基板との間の電圧印加の有無による前記電気
泳動粒子の電気泳動作用により、表示動作をなす電気泳
動表示装置において、前記電気泳動粒子が、高分子樹脂
材料と低分子樹脂材料とが見掛け上複合化されてなる複
合化材料によって形成されたものであることを前記課題
の解決手段とした。
【0013】この電気泳動表示装置によれば、電気泳動
粒子が、高分子樹脂材料と低分子樹脂材料とが見掛け上
複合化されてなる複合化材料によって形成されたもので
あるので、従来のTiO2 などに比べその比重が軽くな
って分散媒との間の比重差が小さくなる。また、電気泳
動粒子は高分子樹脂材料と低分子樹脂材料とが見掛け上
複合化されてなる複合化材料によって形成されており、
したがって高分子樹脂材料中に低分子樹脂材料が入り込
んだ状態となることによって内部に空気層を形成したも
のとなっていることから、この空気層と樹脂材料との間
の屈折率差によってその界面での反射効率が高まり、結
果として電気泳動粒子による入射光の反射・散乱の効率
が高まる。
【0014】前記電気泳動粒子および分散媒について
は、多数のマイクロカプセルのそれぞれに内包しておく
のが好ましく、このようにマイクロカプセルに内包して
おくことにより、電気泳動粒子の大きな移動が抑えられ
る。また、このように電気泳動粒子および分散媒をマイ
クロカプセルに内包する場合、マイクロカプセルの粒径
としては1μm以上100μm以下とするのが好まし
い。100μmを越えると、マイクロカプセル自体の大
きさが視認可能になって見たときに違和感が生じるな
ど、表示品質が低下するからであり、1μm未満では、
内包し得る電気泳動粒子の数が少なくなって入射光の反
射効率が低下するからである。
【0015】また、電気泳動粒子の粒径としては10μ
m以下とするのが好ましく、10μmを越えると、マイ
クロカプセルに入る数が少なくなり、特に前述した電気
泳動粒子間の界面での反射効果が十分得られなくなる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電気泳動表示装置
を実施形態例によって詳しく説明する。図1は本発明の
電気泳動表示装置の一実施形態例を示す図であり、図1
中符号10は電気泳動表示装置である。この電気泳動表
示装置10は、ガラス板からなる透明(透光性)の透明
基板11と、同じくガラス板からなる透明の対向基板1
2とが所定の間隙を介して対向させられ、この間隙に、
分散媒13と電気泳動粒子14…とを内包した多数のマ
イクロカプセル15…を配し、これらを封入して構成さ
れたものである。
【0017】透明基板11の内面には、ITOからなる
ストライプ状の透明電極16…が並列した状態に形成さ
れており、一方、対向基板12の内面にも、ITOから
なるストライプ状の対向電極17…が並列した状態に形
成されている。これら透明電極16…と対向電極17…
とは、互いに直交した状態に配置されており、これによ
ってマトリクス駆動が可能になっている。透明基板11
の外面には散乱性フィルム18が貼設されている。この
散乱性フィルム18は、反射型液晶ディスプレイなどに
も用いられているIDS−21(〔商品名〕;大日本印
刷社製)等からなるもので、異方性を有したものであ
り、光がこれを透過した際に散乱を起こさせ、これによ
って白表示をより鮮明にするためものである。
【0018】マイクロカプセル15…に内包された分散
媒13としては、アルキルナフタリンやジアリルエタ
ン、アルキルビフェニル、トリアリルジメタンなどの比
重が0.9〜1.2程度の不揮発性油や、低粘性のシリ
コーンオイル、植物性、動物性オイルなどが使用可能で
あり、着色剤によって適宜な色に着色されて用いられ
る。なお、このような分散媒13としては、フッ素化し
て比重を大きくしたもの(WO9533085)を用い
てもよい。また、着色については、異なる色の着色剤を
3〜4種類混ぜ、黒色に着色するのが好ましい。本実施
形態例においては、アゾ系色素(日本感光色素研究所社
製)で青色に着色した、比重が約1のシリコーンオイル
(東レダウコーニングシリコーン社製)が用いられてい
る。
【0019】電気泳動粒子14は、高分子樹脂材料と低
分子樹脂材料とが見掛け上複合化されてなる複合化材料
によって形成されたもので、正か負に帯電したものであ
り、本例においては、高分子樹脂材料として二級の水酸
基を含む塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が用いられ、
低分子樹樹脂材料として高級脂肪酸であるベヘン酸が用
いられている。
【0020】このような複合化材料からなる電気泳動粒
子14を得るには、例えば、まず二級の水酸基を含む塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体とベヘン酸および硬化用
のイソシアネート硬化剤とをメチルエチルケトン、シク
ロヘキサン、トルエンの混合溶媒中に溶解する。イソシ
アネート硬化剤は、ここで複合化されて得られた電気泳
動粒子14が後述するマイクロカプセル形成時において
溶解しないよう、架橋し硬化させるために添加されたも
のである。次いで、この溶液を噴霧法によって微粒子化
し、さらにこれら微粒子を60℃で2時間加熱して乾燥
する。その後、減圧下において80℃で4時間加熱して
硬化を行い、さらに、得られた粒子をふるいによって粒
子径2〜3μmの粒子に分級する。そして、この分級後
の粒子を90℃に加熱し、さらに急冷する。
【0021】すると、硬化時において高分子樹脂材料中
に低分子樹脂材料が入り込んだ状態となり、さらに冷却
によって入り込んだ低分子材料が収縮して高分子樹脂材
料の内部に空隙が形成され、これが空気層となることか
ら、この空気層と樹脂材料との間の屈折率差によってそ
の界面で散乱が起こり、得られた電気泳動粒子14は白
濁する。そして、このように白濁することによって電気
泳動粒子14はその反射効率が高まり、従来の電気泳動
粒子に比べ入射光の反射・散乱の効率を高めるものとな
る。
【0022】これら分散媒13と電気泳動粒子14と
は、電気泳動粒子14…が分散媒13中に分散した状態
で前述したように多数のマイクロカプセル15…のそれ
ぞれに内包されている。マイクロカプセル15…は、透
明基板11の透明電極16…と対向基板12の対向電極
17…との間の間隙に最密充填で1層に敷き詰められて
おり、間隙内を移動しないように透明接着層19によっ
て両基板11、12間に固定されている。
【0023】ここで、このようなマイクロカプセル15
は、従来公知の技術で作製された粒径約50μmのもの
で、特に化学的製法によって形成されたことによりバリ
ア性等の種々の機能を備えたものである。本例における
マイクロカプセル15の作製法を具体的に説明すると、
前記泳動粒子14をアルキルナフタレンに分散させた分
散液をコアセルベーション法によりアラビアゴム−ゼラ
チン系樹脂でマイクロカプセル化を行った。
【0024】また、このようにして得られたマイクロカ
プセル15…を対向基板12上に1層で敷き詰めるに
は、図2に示すように対向基板12の内面の対向電極
(図2中では図示略)上に予め硬化前(あるいは半硬化
状態)の接着剤20を塗布しておき、その状態でこの上
にドクターブレード21とこれの前面側に配置した調整
板22とを配置する。ドクターブレード21について
は、その底面21aと前記接着剤20の表面との間の隙
間がマイクロカプセル15のほぼ粒径分となるように配
置し、調整板22については、ドクターブレード21の
前面との間にマイクロカプセル15が入るような一定間
隔をおいて配置するとともに、その底面と前記接着剤2
0の表面との間の隙間がマイクロカプセル15の粒径よ
り狭くなるように配置する。
【0025】このようにして配置したドクターブレード
21と調整板22との間にマイクロカプセル15…を充
填供給し、さらにその状態でドクターブレード21およ
び調整板22を図2中矢印方向に移動させることによ
り、マイクロカプセル15…を対向基板12上に1層で
敷き詰めていく。このとき、予め接着剤20を塗布して
おいたことにより、この上に敷き詰められたマイクロカ
プセル15…はその移動が規制され、したがって敷き詰
められた状態が保持されるようになっている。
【0026】そして、このようにしてマイクロカプセル
15…を対向基板12上に1層で敷き詰めたら、これら
マイクロカプセル15…を挟んで透明基板11を載せる
とともに、該透明基板11と対向基板12との間に透明
接着剤を充填し硬化させ、透明接着層19を形成する。
ここで、この透明接着層19を形成する接着剤として
は、透明であれば特に限定されることなく、メタクリル
酸系のものなど種々のものが使用可能であり、特に、製
造上マイクロカプセル15…への悪影響が少ないことか
ら紫外線照射硬化型のものが好ましい。また、マイクロ
カプセル15…を敷き詰めた状態に保持する接着剤20
については、バインダーなどとしても機能するものでも
よく、例えば塩化ビニルや酢酸ビニル、ポリウレタンな
どが用いられる。
【0027】このような構成の電気泳動表示装置1にあ
っては、白表示をなすべく、例えば透明電極16、対向
電極17間に電圧を印加して電気泳動粒子14…を図1
中左側に示すように透明基板11側に片寄らせると、外
部より入射し、散乱性フィルム18、透明基板11、透
明電極16を透過してマイクロカプセル15に至った入
射光が、図1中矢印で示すように電気泳動粒子14…に
よって反射し、再び散乱性フィルム18、透明基板1
1、透明電極16を透過した反射光が外部に出射し、白
表示をなす。このとき、電気泳動粒子14は空気層を有
していることにより白濁していることから、その反射効
率が高まっており、したがって電気泳動表示装置1は、
電気泳動粒子14による入射光の反射・散乱の効率が従
来の電気泳動粒子を用いた場合に比べ高まっている。
【0028】一方、暗色(分散媒13中の着色剤による
色)表示をなすべく、図1中右側に示すように電気泳動
粒子14…を対向基板12側に片寄らせると、透明基板
11側には着色された分散媒13のみが存在するように
なる。したがって、外部より入射し、散乱性フィルム1
8、透明基板11、透明電極16を透過してマイクロカ
プセル15に至った入射光は、分散媒13中の着色色素
に吸収され、該色素によって着色された暗色表示をな
す。
【0029】このように本例の電気泳動表示装置10に
よれば、電気泳動粒子14が、高分子樹脂材料と低分子
樹脂材料とが見掛け上複合化されてなる複合化材料によ
って形成されたものであるので、従来のTiO2 などに
比べその比重が軽くなって分散媒13との間の比重差が
小さくなり、したがって従来のごとく表示装置10を立
てたときに電気泳動粒子14が沈降してしまうなどの比
重差に起因する不都合が解消される。
【0030】また、電気泳動粒子14は白濁しているこ
とによってその反射効率が高まっているので、この電気
泳動表示装置10は、電気泳動粒子14による入射光の
反射・散乱の効率が従来の電気泳動粒子を用いた場合に
比べ高まったものとなっており、したがってコントラス
ト比が高まってその表示性能が向上する。
【0031】また、電気泳動粒子14は分散媒13との
比重差が小さいため、比重差による重力の影響を受けず
にファンデルワールス力によってその位置を維持する。
したがって、電気泳動表示装置10はメモリー性があ
り、書き込まれた情報をそのまま保持し得るものとな
る。また、分散媒13と電気泳動粒子14とからなる分
散溶液層をマイクロカプセル化したことにより、表示の
安定性を増すことができ、しかもマイクロカプセル15
…のサイズを揃えていることによって高い表示画質を得
ることができる。
【0032】なお、前記例では透明基板11、対向基板
12の内面にそれぞれ透明電極16、対向電極17を設
けたが、本発明はこれに限定されることなく、透明基板
11、対向基板12の外側などから該基板11、12間
に電界をかけられるようにすれば、前記透明電極16、
対向電極17を必ずしも設ける必要はない。また、前記
例では透明基板11、対向基板12としてガラス板を用
いたが、本発明はこれに限定されることなく、柔軟なプ
ラスチックフィルムを用いることもでき、その場合に透
明接着層19を構成する接着剤としては、柔軟性を損な
わないように硬化後のガラス転移温度が0℃以下のもの
を使用する。また、透明基板として柔軟なプラスチック
フィルムを用いる場合、このフィルムとして、その内面
に透明電極を形成した散乱性フィルム18をそのまま用
いてもよい。
【0033】また、透明基板11については、入射光の
表面反射によって写り込みなどが起こることから、これ
を防止するため、ARコートやAGコートを施しておい
てもよく、このようなコーティングを行うことにより、
写り込みを抑えてより高い画質を得ることができる。ま
た、対向基板12、対向電極17については、透明基板
11側からの入射光がこれらを透過することはないた
め、非透明の材料によって形成してもよい。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明の電気泳動表
示装置は、電気泳動粒子が、高分子樹脂材料と低分子樹
脂材料とが見掛け上複合化されてなる複合化材料によっ
て形成されたものであるので、従来のTiO2 などに比
べその比重が軽くなって分散媒との間の比重差が小さく
なり、したがって従来のごとく表示装置を立てたときに
電気泳動粒子が沈降してしまうなどの比重差に起因する
不都合を解消することができる。
【0035】また、電気泳動粒子が、内部に空気層を形
成したことにより白濁してその反射効率が高まっている
ので、電気泳動粒子による入射光の反射・散乱の効率が
従来の電気泳動粒子を用いた場合に比べ高まったものと
なっており、したがってコントラスト比が高まってその
表示性能が向上する。
【0036】また、本発明の電気泳動表示装置はきわめ
て簡単な構造であり、軽量、薄型、低消費電力であるこ
とから、携帯端末等のディスプレイとしても使用でき、
さらには電子本や電子ノートにも適用可能である。ま
た、通信機能などを装備させれば携帯可能な情報端末と
しての使用も可能である。また、透明基板や対向基板と
して柔軟性のあるプラスチック板を用いれば、この電気
泳動表示装置を現状の紙に近いフレキシブルな表示シー
トに作製することができ、その場合にこれを書換えの可
能な紙のようなプリントメディアとして使用することが
できる。さらに、薄いシート状に作製することができる
ため、一枚毎の使用形態とすることなく、複数枚を重ね
本のようにしてまとめて使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における電気泳動表示装置の一実施形態
例の、概略構成を示す側断面図である。
【図2】マイクロカプセルの敷き詰め方法を説明するた
めの図である。
【図3】従来の電気泳動表示装置の一例の、概略構成を
示す側断面図である。
【図4】(a)〜(d)は、電気泳動表示装置の動作原
理説明図である。
【符号の説明】 10…電気泳動表示装置、11…透明基板、12…対向
基板、13…分散媒、14…電気泳動粒子、15…マイ
クロカプセル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板とこれに対向して配置された対
    向基板との間の間隙に、色素によって着色された分散媒
    とこれに分散する電気泳動粒子とが封入されてなり、前
    記透明基板と対向基板との間の電圧印加の有無による前
    記電気泳動粒子の電気泳動作用により、表示動作をなす
    電気泳動表示装置において、 前記電気泳動粒子は、高分子樹脂材料と低分子樹脂材料
    とが見掛け上複合化されてなる複合化材料によって形成
    されたものであることを特徴とする電気泳動表示装置。
  2. 【請求項2】 前記高分子樹脂材料が塩化ビニル−酢酸
    ビニル共重合体であることを特徴とする請求項1記載の
    電気泳動表示装置。
  3. 【請求項3】 前記低分子樹脂材料が高級脂肪酸からな
    ることを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。
  4. 【請求項4】 前記電気泳動粒子と分散媒とは多数のマ
    イクロカプセルのそれぞれに内包されてなり、該マイク
    ロカプセルの粒径が1〜100μmであることを特徴と
    する請求項1記載の電気泳動表示装置。
  5. 【請求項5】 前記電気泳動粒子の粒径が10μm以下
    であることを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装
    置。
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