JP2000066247A - 電気泳動表示装置 - Google Patents

電気泳動表示装置

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JP2000066247A
JP2000066247A JP10229558A JP22955898A JP2000066247A JP 2000066247 A JP2000066247 A JP 2000066247A JP 10229558 A JP10229558 A JP 10229558A JP 22955898 A JP22955898 A JP 22955898A JP 2000066247 A JP2000066247 A JP 2000066247A
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electrophoretic
particles
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electrophoretic particles
dispersion medium
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JP10229558A
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Masataka Matsude
雅隆 松手
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 泳動粒子の比重を下げて分散媒との比重差に
伴う課題を解決するとともに、コントラスト比を向上し
て表示性能を高めた電気泳動表示装置の提供が望まれて
いる。 【解決手段】 透明基板11とこれに対向して配置され
た対向基板12との間の間隙に、分散媒13とこれに分
散する電気泳動粒子14とが封入されており、透明基板
11と対向基板12との間の電圧印加の有無による電気
泳動粒子14の電気泳動作用により、表示動作をなす電
気泳動表示装置10である。電気泳動粒子14は誘電体
粒子14aからなる。分散媒13は、二色性色素13b
を含有したネマチック液晶13aから形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分散媒中に分散し
た電気泳動粒子の電気泳動現象を利用した、電気泳動表
示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電気泳動現象は、ある特定の粒子が媒質
(分散媒)に懸濁されると電気的に帯電し、この状態で
電界がかけられると、この帯電した粒子が分散媒中を通
って反対電荷を有する電極側に移動(泳動)する現象で
ある。
【0003】このような現象を利用した電気泳動表示装
置(Electrophoretic image display ,EPID)とし
て、従来、例えば図5に示す構造のものが知られてい
る。図5に示した電気泳動表示装置1は、透明基板2と
これに対向する対向基板3との間の間隙に、液体分散媒
4中に電気泳動粒子(以下、泳動粒子と略称する)5、
すなわちコロイド粒子を懸濁させた状態のものを封入し
て構成されたもので、透明基板2の内面に透明電極6が
設けられ、対向基板3の内面に対向電極7が設けられた
ものである。
【0004】このような構成の電気泳動表示装置1の動
作原理を図6(a)〜(d)によって説明する。電気泳
動表示装置1で使用される電気泳動粒子(以下、泳動粒
子)5は、本質的に正か負に帯電させてある。図6は負
に帯電させた泳動粒子5を用いた例で、初期を図6
(a)の状態として、透明基板2側を+、対向基板3側
を−に直流(DC)電圧を印加すると、負に帯電した泳
動粒子5は+である透明基板2側に泳動し、図6(b)
の状態になる。仮に、図6(a)の状態から透明基板2
側を−、対向基板3側を+にして電圧を印加しても、泳
動粒子5は初期の図6(a)の状態のまま動かない。図
6(b)の状態になってしまえば電圧をオフにしても、
その状態図6(c)が保たれ(分散媒4と泳動粒子5と
の比重差が小さい場合、より安定にこの状態を保つこと
ができる)、図6(c)の状態から透明基板2側を−、
対向基板3側を+にしてDC電圧を印加すると、泳動粒
子5は+極の方へ移動し図6(d)の状態になる。この
とき、透明基板2側を+、対向基板3側を−にDC電圧
を印加しても移動は起こらない。
【0005】したがって、図6(a)〜(d) に示し
た位置から観察すると、状態(a)では分散媒4の色
(黒色)が見え、状態(c)では電気泳動粒子5(白
色)を見ることになる。これによって、所望する画像表
示が行えるようになっている。
【0006】しかし、上述の電気泳動表示装置では泳動
粒子の凝集、分散媒との比重差による泳動粒子の沈降や
付着現象による表示ムラを生じるという問題があった。
このような問題を解決するために表面改質(例えば、特
開昭62−183439号公報、特開昭62−2808
26号公報、特開平2−284128号公報など)や小
区画割(例えば、特開平2−284127号公報)ある
いはマイクロカプセル化(特開昭64−86116号公
報、p75;SID’97Int.Symp.Dige
st)が行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のような電気泳動
表示装置は本来、電気泳動粒子の高い反射率による明る
い白表示と着色分散媒による暗い着色表示により、高い
コントラストを特徴とする表示装置であるが、実際の表
示装置では予想されるよりもかなり暗い白表示となって
いる。明るさを低下させている原因の一つは着色分散媒
が、基板側の電極もしくは保護膜がある場合、保護膜と
電気泳動粒子の間隙、電気泳動粒子同士の間隙に残留し
着色することによるものと考えられる。この明るさ低下
に関する課題についてはほとんど議論されていないので
ある。
【0008】本発明は、白表示のときに起こり明るさを
低下させる原因となる電極と電気泳動粒子間の吸収を抑
えることを目的とし、明るくコントラストがあって見や
すい電気泳動表示装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の電気泳動表示装
置では、透明基板とこれに対向して配置された対向基板
との間の間隙に、分散媒とこれに分散する電気泳動粒子
とが封入されてなり、前記透明基板と対向基板との間の
電圧印加の有無による前記電気泳動粒子の電気泳動作用
により、表示動作をなす電気泳動表示装置において、前
記電気泳動粒子が誘電体粒子からなり、前記分散媒が、
二色性色素を含有したネマチック液晶から形成されてな
ることを前記課題の解決手段とした。
【0010】透明基板側の電極上にポリイミドからなる
垂直配向膜をスピンコート方によりコートし、焼成した
後、ラビング処理を施した。これにより透明基板側を垂
直配向性にする。対向基板側の電極はアルミニウム、銀
などの反射特性のよい金属電極を用いる。この金属電極
上にポリイミドからなる配向膜を透明基板側と同様に作
製する。こちらの配向膜は裏側になるため、垂直配向、
水平配向のどちらであっても構わない。
【0011】分散媒をネマチック液晶、着色用の色素に
二色性色素を用いる。前記のように透明基板側は垂直配
向にしてあるため、液晶も垂直配向となり、二色性色素
も液晶と同じ垂直配向になる。二色性色素の吸収軸もほ
ぼ同じ方向になるため基板に垂直に入射する光に対して
は吸収がなく、基板と電気泳動粒子との間隙で起きてい
た吸収が無くなり、着色の無い明るい表示が可能にな
る。
【0012】マイクロカプセルに内包するタイプにおい
ても界面での配向が垂直になるように材料を選択すれ
ば、上記構造のときと同じ効果が得られ着色の抑えられ
た明るい表示が可能になる。
【0013】この電気泳動表示装置によれば、分散媒が
二色性色素を含有したネマチック液晶から形成されてい
るので、例えばこのネマチック液晶がp型(ポジ型)で
ある場合に、外部から電圧の印加されないときには二色
性色素もネマチック液晶に同調してランダムに配向し、
光の吸収が大きくなり、電圧が印加されると電界方向に
液晶分子が配向して二色性色素も電界方向に配向し、光
の吸収が小さくなる。したがって、電圧印加による電気
泳動粒子の泳動に基づく入射光の反射の有無に加え、分
散媒による光の吸収の有無が組み合わされることから、
従来に比べ表示のコントラスト比が向上する。
【0014】前記電気泳動粒子および分散媒について
は、多数のマイクロカプセルのそれぞれに内包しておく
のが好ましく、このようにマイクロカプセルに内包して
おくことにより、電気泳動粒子の大きな移動が抑えられ
る。また、このように電気泳動粒子および分散媒をマイ
クロカプセルに内包する場合、マイクロカプセルの粒径
としては1μm以上100μm以下とするのが好まし
い。100μmを越えると、マイクロカプセル自体の大
きさが視認可能になって見たときに違和感が生じるな
ど、表示品質が低下するからであり、1μm未満では、
内包し得る電気泳動粒子の数が少なくなって入射光の反
射効率が低下するからである。
【0015】また、電気泳動粒子の粒径としては10μ
m以下とするのが好ましく、10μmを越えると、マイ
クロカプセルに入る数が少なくなり、特に前述した電気
泳動粒子間の界面での反射効果が十分得られなくなる。
【0016】透明電極(ITOなど)を備える透明基板
の透明電極上にポリイミドからなる垂直配向膜を配置す
る。これにより透明基板側を垂直配向性にする。対向基
板側の電極はアルミニウム、銀などの反射特性の良い金
属電極を配する。この金属電極上にもポリイミドからな
る配向膜を透明基板側と同様に形成させる。こちらの配
向膜は水平配向となるように水平配向性の配向膜を使用
する。これらの基板を、間隙を有して平行に配置させ
る。この間隙には、分散媒と泳動粒子からなる分散液を
封入してある。
【0017】ここで使用する分散液は分散媒にネマチッ
ク液晶、着色用の色素に二色性色素を用いる。前述のよ
うに透明基板側は垂直配向にしてあるため、液晶も垂直
配向となり二色性色素も液晶と同じ垂直配向になる。二
色性色素の吸収軸もほぼ同じ方向となるため基板に垂直
に入射する光に対しては吸収が無く、基板と電気泳動粒
子との間隙で起きていた吸収は少なくなり、着色の無い
明るい表示が可能となる。使用する液晶はp型であって
もn型であっても界面は配向膜に依存して配向すること
になる。したがって、p型とn型では特性は異なるもの
の表示の差としては表れない。
【0018】ただし、液晶は5V程度の交流電圧によっ
て駆動できるため泳動粒子に影響を及ぼさないことか
ら、表示の際p型の液晶を使用していれば5V程度の交
流電圧によって分散媒の着色が抑えられ対向電極まで到
達した光を金属電極で反射させて外部に出すことがで
き、明るい表示が可能になる。また、液晶は粘度に異方
性があるので泳動粒子の泳動速度を速くするためにはp
型の方が有利である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電気泳動表示装置
を実施形態例によって詳しく説明する。図1は本発明の
電気泳動表示装置の一実施形態例を示す図であり、図1
中符号10は電気泳動表示装置である。この電気泳動表
示装置10は、ガラス板からなる透明(透光性)の透明
基板11と、同じくガラス板からなる透明の対向基板1
2とが所定の間隙を介して対向させられ、この間隙に、
分散媒13と電気泳動粒子14…とを内包した多数のマ
イクロカプセル15…を配し、これらを封入して構成さ
れたものである。
【0020】透明基板11の内面には、ITOからなる
ストライプ状の透明電極16…が並列した状態に形成さ
れており、一方、対向基板12の内面には、アミニウム
(ITOでもよい)からなるストライプ状の対向電極1
7…が並列した状態に形成されている。これら透明電極
16…と対向電極17…とは、互いに直交した状態に配
置されており、これによってマトリクス駆動が可能にな
っている。透明基板11の外面には拡散フィルム18が
貼設されている。この拡散フィルム18は、反射型液晶
ディスプレイなどにも用いられているIDS(〔商品
名〕;大日本印刷社製)等からなるもので、光がこれを
透過した際に散乱を起こさせ、これによって白表示をよ
り鮮明にするためものである。
【0021】マイクロカプセル15…に内包された分散
媒13としては、二色性色素を含有したネマチック液
晶、すなわちGH液晶(ゲスト・ホスト液晶)が用いら
れている。このGH液晶は、本例においては図2
(a)、(b)に示すようにホスト液晶であるネマチッ
ク液晶13a中に二色性色素13bがゲストとして添加
され、分散させられたものである。
【0022】ここで使用するネマチック液晶13aは、
p型、n型のどちらでも構わないが、前述のようにp型
の方が機能的である。(p型は電圧を印加したとき液晶
分子が電界方向に向くタイプ、n型は液晶分子が電界と
垂直に向くタイプ)二色性色素13bは、図2(c)に
示すように棒状の分子からなるもので、分子軸に平行な
成分と垂直な成分との吸収度が異なる化合物であり、ジ
アゾ化合物、トリアゾ化合物、アントラキノン化合物系
のp型の二色性色素が用いられる。この二色性色素13
bは、ネマチック液晶13a中ではこれと同じ方向に配
列し、電界によって該ネマチック液晶13aが傾くとそ
の傾きに応じて吸光度が変化するものである。なお、こ
の二色性色素13bでは、その分子軸に平行な成分と垂
直な成分の吸光度が各々A1 、A2 とされ、その比(A
1 /A2 )が光の吸収特性を表す二色性比Rとなってい
る。
【0023】また、n型の二色性色素でも構わないが、
n型は光の吸収特性を表す二色性比がp型の約半分程度
であるため、ここではp型の方が好ましい。(p型の二
色性色素は分子軸と吸収軸がほぼ平行に一致しているタ
イプ、n型は分子軸と吸収軸がほぼ垂直になっているタ
イプ)
【0024】このような分散媒13では、電圧が印加さ
れて電界がかけられると図2(a)に示すようにネマチ
ック液晶13aが電界の方向に配列し、これに伴って二
色性色素13bも同時に同方向へ配列する。一方、電圧
が印加されず電界が閾値以下であると、図2(b)に示
すようにネマチック液晶13aがランダムに配向した状
態となり、これにより二色性色素13bもランダムに配
向した状態となる。
【0025】電気泳動粒子14としては、TiO2 が遮
光性などで優れているが、凝集や比重を下げるための処
理をしたものが好ましい。また、比重を液晶と略揃える
ために樹脂性の泳動粒子を用いるのもよい。なお、本例
では、この電気泳動粒子14として、図3に示すように
樹脂誘電体粒子14aに金属膜14bが被覆されてなる
もので、被覆後の比重が1.3〜1.4に形成されたも
のが用いられている。
【0026】このような電気泳動粒子14において樹脂
誘電体粒子14aとしては、比重が小さく、粒径も均一
であるものが望ましく、例えば電子写真プロセスでの現
像液(トナー)として用いられる、重合法によって形成
された球形トナーが好適に用いられる。この重合法によ
って作製されたトナーは、粒径が数μmでかつこの粒径
が揃っており好ましい。また、このようなトナーの他に
も、液晶ディスプレイにおいてスペーサとして用いられ
る樹脂球もその粒径が非常に均一であり、樹脂誘電体粒
子14aとして用いるのに好適である。
【0027】金属膜14bは、アルミニウム(Al)や
銀(Ag)など、可視光に対する反射率の大きい金属か
らなっている。その膜厚については、20nm未満では
粒子表面を十分に被覆することができず、100nmを
越えると電気泳動粒子全体の比重が大きくなることか
ら、20nm以上100nm以下とするのが好ましく、
特に、その比重が分散媒13の比重に等しくなるよう
に、膜厚を調整するのが望ましい。
【0028】このような金属膜14bの前記樹脂誘電体
粒子14aへの被覆については、無電解メッキ法やスパ
ッタ法、CVD法等の公知の方法が採用可能である。ま
た、マイクロオーダーの微小粒子表面に金属膜を付けた
コモン剤と称されるものが液晶ディスプレイで使用され
ており、このようなものを電気泳動粒子14として使用
することもできる。なお、本例においては、電気泳動粒
子14として、粒径3μmのシリコーン樹脂(トスパー
ル〔商品名〕;東芝シリコーン社製)に無電解メッキに
よって銀(Ag)を被覆したものを用いた。
【0029】これら分散媒13と電気泳動粒子14と
は、電気泳動粒子14…が分散媒13中に分散した状態
で前述したように多数のマイクロカプセル15…のそれ
ぞれに内包されている。マイクロカプセル15…は、透
明基板11の透明電極16…と対向基板12の対向電極
17…との間の間隙に最密充填で1層に敷き詰められて
おり、間隙内を移動しないように透明接着層19によっ
て両基板11、12間に固定されている。
【0030】ここで、このようなマイクロカプセル15
は、従来公知の技術で作製された粒径約50μmのもの
で、特に化学的製法によって形成されたことによりバリ
ア性等の種々の機能を備えたものである。このマイクロ
カプセル15は支持体によって固定されたものであり、
支持体には、塩化ビニル−酢酸ビニル系、アクリル系、
エステル系、ウレタン系、シリコーン系樹脂などが用い
られる。本例におけるマイクロカプセル15の作製法を
具体的に説明すると、まず、メタクリル酸、メタクリル
酸メチル、n−プロピルメタクリル酸、n−ブチルメタ
クリル酸を原料とし、前記の分散媒13、電気泳動粒子
14…とともに水中に分散乳化させる。すると、水中に
滴化したメタクリル酸、メタクリル酸メチル等の原料中
に、分散媒13、電気泳動粒子14…が取り込まれた状
態となる。そして、このような状態のもとで、公知のi
n situ重合法によってメタクリル酸、メタクリル
酸メチル等の原料を重合することにより、分散媒13、
電気泳動粒子14…を内包した状態でマイクロカプセル
15…が作製されるのである。
【0031】また、このようにして得られたマイクロカ
プセル15…を対向基板12上に1層で敷き詰めるに
は、図4に示すように対向基板12の内面の対向電極
(図4中では図示略)上に予め硬化前(あるいは半硬化
状態)の接着剤20を塗布しておき、その状態でこの上
にドクターブレード21とこれの前面側に配置した調整
板22とを配置する。ドクターブレード21について
は、その底面21aと前記接着剤20の表面との間の隙
間がマイクロカプセル15のほぼ粒径分となるように配
置し、調整板22については、ドクターブレード21の
前面との間にマイクロカプセル15が入るような一定間
隔をおいて配置するとともに、その底面と前記接着剤2
0の表面との間の隙間がマイクロカプセル15の粒径よ
り狭くなるように配置する。
【0032】このようにして配置したドクターブレード
21と調整板22との間にマイクロカプセル15…を充
填供給し、さらにその状態でドクターブレード21およ
び調整板22を図3中矢印方向に移動させることによ
り、マイクロカプセル15…を対向基板12上に1層で
敷き詰めていく。このとき、予め接着剤20を塗布して
おいたことにより、この上に敷き詰められたマイクロカ
プセル15…はその移動が規制され、したがって敷き詰
められた状態が保持されるようになっている。
【0033】そして、このようにしてマイクロカプセル
15…を対向基板12上に1層で敷き詰めたら、これら
マイクロカプセル15…を挟んで透明基板11を載せる
とともに、該透明基板11と対向基板12との間に透明
接着剤を充填し硬化させ、透明接着層19を形成する。
ここで、この透明接着層19を形成する接着剤として
は、透明であれば特に限定されることなく、メタクリル
酸系のものなど種々のものが使用可能であり、特に、製
造上マイクロカプセル15…への悪影響が少ないことか
ら紫外線照射硬化型のものが好ましい。また、マイクロ
カプセル15…を敷き詰めた状態に保持する接着剤20
については、バインダーなどとしても機能するものでも
よく、例えば塩化ビニルや酢酸ビニル、ポリウレタンな
どが用いられる。
【0034】このような構成の電気泳動表示装置1にあ
っては、単純マトリックスによって駆動することができ
る。すなわち、白表示をなすべく、例えば透明電極1
6、対向電極17間に電圧を印加して電気泳動粒子14
…を図1中左側に示すように透明基板11側に片寄らせ
ると、外部より入射し、拡散フィルム18、透明基板1
1、透明電極16を透過してマイクロカプセル15に至
った入射光が、図1中矢印で示すように電気泳動粒子1
4の金属膜14bによって反射し、再び拡散フィルム1
8、透明基板11、透明電極16を透過した反射光が外
部に出射する。
【0035】このとき、電気泳動粒子14はその粒径が
約3μmと小さいため、その表面で反射した際散乱が起
こって出射光(反射光)は白色光となる。したがって、
電気泳動表示装置1は白色表示をなすのである。またこ
のとき、電圧が印加されたことによって二色性色素13
bはネマチック液晶13aの配列に伴って電界方向、す
なわち透明基板11の面と垂直な方向に配列する。する
と、分散媒13中の二色性色素13bは、その分子軸に
垂直方向振動する光に対しては吸収がないので、マイク
ロカプセル15の膜と電気泳動粒子14との間や電気泳
動粒子14、14間を通過した光はそこに存在する分散
媒13によって吸収されず、最終的にいずれかの電気泳
動粒子14によって反射されて出射するようになる。し
たがって、この電気泳動表示装置1では、電気泳動粒子
14…による入射光の反射・散乱の効率が、ゲストホス
ト液晶からなる分散媒を用いない従来のものに比べて高
くなり、これにより白色表示の際の輝度が高いものとな
っている。
【0036】また、電気泳動粒子14…による反射が、
実質的にはその金属膜14bによってなされるため、従
来のように単に樹脂誘電体粒子14aで反射するのに比
較して反射率が大幅に高くなり、したがって得られる表
示のコントラスト比が大幅に高くなり、これによりその
表示性能が向上する。
【0037】一方、暗色(分散媒13を構成するGH液
晶における、二色性色素13bによる色)表示にする
と、このとき、電圧が印加されず電界が閾値以下である
ことから、ネマチック液晶13aはランダムに配向した
状態となり、これに伴って二色性色素13bもランダム
に傾いた状態、すなわちばらばらの状態となってその配
列が乱れたものとなる。そして、このように二色性色素
13bは配列が乱れることから、分子軸に水平となる入
射光の成分が増え、これによって入射光の吸収が起こ
る。(ただし、界面は配向を保持している。) したがって、外部より入射し、拡散フィルム18、透明
基板11、透明電極16を透過してマイクロカプセル1
5に至った入射光は、分散媒13中の二色性色素13b
に吸収され、該二色性色素13bによって着色された暗
色表示をなすようになる。
【0038】このように本例の電気泳動表示装置10に
よれば、電気泳動粒子14が誘電体粒子からなっている
ので、従来のTiO2 などに比べその比重が軽くなって
分散媒13との間の比重差が小さくなり、したがって従
来のごとく表示装置10を立てたときに電気泳動粒子1
4が沈降してしまうなどの比重差に起因する不都合が解
消される。
【0039】また、分散媒13が二色性色素13bを含
有したp型ネマチック液晶13aから形成されているの
で、外部から電圧の印加されないときには二色性色素1
3bもネマチック液晶13aに同調してランダムに配向
し、光の吸収が大きくなり、一方、電圧が印加されると
電界方向に液晶分子が配向して二色性色素13bも電界
方向に配向し、光の吸収が小さくなる。したがって、電
圧印加による電気泳動粒子14の泳動に基づく入射光の
反射の有無に加え、例えば電圧を印加した際マイクロカ
プセル15の膜と電気泳動粒子14との間に存在する分
散媒13で吸収がほとんど起きずよって白表示の輝度が
高くなることなど、分散媒13による光の吸収の有無が
組み合わさることから、従来に比べ表示のコントラスト
比が大幅に向上し、表示性能が高いものとなる。
【0040】また、電気泳動粒子14…による反射が、
実質的にはその金属膜14bによってなされるため、従
来のように単に樹脂誘電体粒子14aで反射するのに比
較して反射率が大幅に高くなり、したがって得られる表
示のコントラスト比が大幅に高くなり、これによりその
表示性能が向上する。また、電気泳動粒子14は分散媒
13の比重とほぼ一致しているため、比重差による重力
の影響を受けずにファンデルワールス力によってその位
置を維持する。したがって、電気泳動表示装置10はメ
モリー性があり、書き込まれた情報をそのまま保持し得
るものとなる。
【0041】また、分散媒13と電気泳動粒子14…と
からなる分散溶液層をマイクロカプセル化したことによ
り、表示の安定性を増すことができ、しかもマイクロカ
プセル15…のサイズを揃えていることによって高い表
示画質を得ることができる。また、光の入射側となる透
明基板11側に拡散フィルム18を設けたので、電気泳
動粒子14表面の金属膜14bによる金属的なギラツキ
感をやわらげて高品位の表示を行うことができる。
【0042】なお、前記例では透明基板11、対向基板
12の内面にそれぞれ透明電極16、対向電極17を設
けたが、本発明はこれに限定されることなく、透明基板
11、対向基板12の外側などから該基板11、12間
に電界をかけられるようにすれば、前記透明電極16、
対向電極17を必ずしも設ける必要はない。また、前記
例では透明基板11、対向基板12としてガラス板を用
いたが、本発明はこれに限定されることなく、柔軟なプ
ラスチックフィルムを用いることもでき、その場合に透
明接着層19を構成する接着剤としては、柔軟性を損な
わないように硬化後のガラス転移温度が0℃以下のもの
を使用する。また、透明基板として柔軟なプラスチック
フィルムを用いる場合、このフィルムとして、その内面
に透明電極を形成した拡散フィルム18をそのまま用い
てもよい。
【0043】また、透明基板11については、入射光の
表面反射によって写り込みなどが起きることから、これ
を防止するため、ARコートやAGコートを施しておい
てもよく、このようなコーティングを行うことにより、
写り込みを抑えてより高い画質を得ることができる。ま
た、対向基板12、対向電極17については、透明基板
11側からの入射光がこれらを透過することはないた
め、非透明の材料によって形成してもよい。また、前記
例では電気泳動粒子として樹脂誘電体粒子14aに金属
膜14bを被覆したものを用いたが、金属膜14bを被
覆することなく、樹脂誘電体粒子14aをそのまま用い
てもよい。また、前記例ではネマチック液晶13aとし
てp型(ポジ型)のものを用いたが、n型(ネガ型)の
ものを用いてもよい。
【0044】また、以下に本発明の他の実施形態例を示
す。 (他の実施形態例1)前記実施形態例に基づいて作製し
た例を示す。透明基板にはITO電極をストライプ状に
装備したガラス基板を用いた。この基板の電極側に垂直
配向性のポリイミド溶液(日本合成ゴム社製)をスピン
コートによりコートし、熱硬化成膜させたのちラビング
処理を施した。一方の対向基板には、ストライプ状のア
ルミニウム電極を装備したガラス基板を使用した。この
対向基板のアルミニウム電極側には水平配向性のポリイ
ミド溶液(日本合成ゴム社製)をスピンコートによりコ
ートし、熱硬化成膜後、ラビング処理を施した。対向基
板には透明基板を張り合わせるために紫外線硬化樹脂を
基板の周囲に塗布した。また、間隙を一定にするために
樹脂中に100μmのガラスビーズを該紫外線硬化樹脂
に混合した。分散媒としてはp型のネマチック液晶(メ
ルクジャパン社製)を使用して、4種のアゾ系二色性色
素(日本感光色素研究所社製)を3wt%混合して黒色
とした。この分散媒に、ルチル型酸化チタン(Ti
2 )(石原産業社製)と界面活性剤を加えてローラー
ミルで撹拌して分散液を調整した。該対向基板に分散媒
を展開して透明基板を張り合わせ周囲の紫外線硬化樹脂
部分に紫外線を照射して封止を行い、表示装置を完成さ
せた。
【0045】(他の実施形態例2)前記実施形態例に基
づいて作製した例を示す。透明基板にはITO電極をス
トライプ状に装備したガラス基板を用いた。対向基板に
は、ストライプ状のアルミニウム電極を装備したガラス
基板を使用した。分散媒としてはp型のネマチック液晶
(メルクジャパン社製)を使用して、4種のアゾ系二色
性色素(日本感光色素研究所社製)を3wt%混合して
黒色とした。この分散媒に、ルチル型酸化チタン(Ti
2 )(石原産業社製)と界面活性剤を加えてローラー
ミルで撹拌して分散液を調整した。この分散液はコアセ
ルベーション法によりアラビアゴム−ゼラチン系樹脂で
マイクロカプセルに取り込んだ。平均径が50μmとな
るように分級を行い、予め接着剤を施した対向基板上に
ドクターブレードを用いて配列せしめた。その上にイソ
シアネート硬化剤を混合した水酸基を有する塩化ビニル
−酢酸ビニル系樹脂を塗布し透明基板を張り合わせた
後、熱硬化した。さらに基板が剥がれないよう紫外線硬
化樹脂により縁を硬化させた。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明の電気泳動表
示装置は、分散媒が二色性色素を含有したネマチック液
晶から形成されており、したがって電圧印加による電気
泳動粒子の泳動に基づく入射光の反射の有無に加え、分
散媒による光の吸収の有無が組み合わされることから、
従来に比べ表示のコントラスト比が大幅に向上し、表示
性能が高いものとなる。
【0047】また、本発明の電気泳動表示装置はきわめ
て簡単な構造であり、軽量、薄型、低消費電力であるこ
とから、携帯端末等のディスプレイとしても使用でき、
さらには電子本や電子ノートにも適用可能である。ま
た、通信機能などを装備させれば携帯可能な情報端末と
しての使用も可能である。また、透明基板や対向基板と
して柔軟性のあるプラスチック板を用いれば、この電気
泳動表示装置を現状の紙に近いフレキシブルな表示シー
トに作製することができ、その場合にこれを書換えの可
能な紙のようなプリントメディアとして使用することが
できる。さらに、薄いシート状に作製することができる
ため、一枚毎の使用形態とすることなく、複数枚を重ね
本のようにしてまとめて使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における電気泳動表示装置の一実施形態
例の、概略構成を示す側断面図である。
【図2】(a)、(b)、(c)は、分散媒を構成する
ゲストホスト液晶を説明するための図であり、(a)は
電界がかけられたことにより配列した状態を示す図、
(b)は電界が閾値以下であってランダムに傾いた状態
を示す図、(c)は二色性色素の説明図である。
【図3】電気泳動粒子の構成を示す拡大断面図である。
【図4】マイクロカプセルの敷き詰め方法を説明するた
めの図である。
【図5】従来の電気泳動表示装置の一例の、概略構成を
示す側断面図である。
【図6】(a)〜(d)は電気泳動表示装置の動作原理
説明図である。
【符号の説明】
10…電気泳動表示装置、11…透明基板、12…対向
基板、13…分散媒、13a…ネマチック液晶、13b
…二色性色素、14…電気泳動粒子、14a…樹脂誘電
体粒子、15…マイクロカプセル、18…拡散フィルム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板とこれに対向して配置された対
    向基板との間の間隙に、分散媒とこれに分散する電気泳
    動粒子とが封入されてなり、前記透明基板と対向基板と
    の間の電圧印加の有無による前記電気泳動粒子の電気泳
    動作用により、表示動作をなす電気泳動表示装置におい
    て、 前記電気泳動粒子は誘電体粒子からなり、 前記分散媒は、二色性色素を含有したネマチック液晶か
    ら形成されてなることを特徴とする電気泳動表示装置。
  2. 【請求項2】 前記電気泳動粒子と分散媒とは多数のマ
    イクロカプセルのそれぞれに内包されてなり、該マイク
    ロカプセルの粒径が1〜100μmであることを特徴と
    する請求項1記載の電気泳動表示装置。
  3. 【請求項3】 前記電気泳動粒子の粒径が10μm以下
    であることを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装
    置。
  4. 【請求項4】 前記透明基板の入射光側に拡散フィルム
    が備えられ、あるいは前記透明基板が拡散フィルムから
    なることを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装
    置。
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