JP2000065665A - マイクロマシンセンサおよび該センサの製造方法 - Google Patents

マイクロマシンセンサおよび該センサの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイクロマシンセンサにおいて、簡単に製造
可能であり、その上に半導体回路を簡単に取り付けるこ
とができ、さらに製造時に製品品質を損なうこなく完成
させることができるようにする。 【解決手段】 チップ上に集積された電子回路が設けら
れており、中空室12と膜13と対向電極14と換気用
開口部7を有している。この換気用開口部7により、中
空室内が周囲と連通している。換気用開口部7はウェハ
の上面方向に配向されており、対向電極はチップ面全体
にわたる平坦な層5の一部分である。この平坦の層の上
に半導体電子回路11が周知の半導体技術によって取り
付けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チップ上に集積さ
れた電子回路が設けられており、中空室と膜と対向電極
と換気用開口部を有しており、該換気用開口部により前
記中空室の容積体が周囲と連通するように構成されてい
る、半導体基板上のマイクロマシンセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】圧力センサやマイクロフォンなど特定の
用途のために、たとえば圧力差や圧力変動あるいは音響
振動を測定できるような著しく小型化されたセンサが望
まれている。
【0003】アメリカ合衆国特許 5,146,435 には、音
響関連で適用するためのマイクロマシンセンサについて
記載されている。そこで述べられているセンサは、可動
の膜とシリコンウェハから成る支持構造体とによって構
成されている。この場合、ウェブ状ウェハの上方に対向
電極が配置されており、この電極はウェハ平面を越えて
突出していて、膜と対向電極との間に中空室を形成して
いる。対向電極はその上面に換気用開口部を有してお
り、これは中空室の空気を入れ換える目的で周囲と連通
している。また、可動膜の下方では、音響信号が膜に達
するようシリコンウェハが除去されている。マイクロマ
シンセンサないしはマイクロメカニカルセンサの動作の
基本原理は中空室の容積変化に基づくものであり、その
ような変化によって膜と対向電極から成るコンデンサの
容量変化が生じる。容量を測定するために、ウェハの上
面に電気的な接点が設けられている。この場合、ウェハ
上には測定エレクトロニクスは設けられていない。
【0004】ドイツ連邦共和国特許出願 196 48 424.3
には、圧力測定と音響測定に利用可能なマイクロマシン
センサについて記載されている。このセンサはSOI
(Silicon Oxide Isolator)基板上に形成されていて、
多結晶シリコンから成る膜を有しており、この膜はスペ
ーサ層を介して基板台座上に配置されている。スペーサ
層と多結晶膜によって中空室が形成されており、その
際、膜の反対側において基板の領域に対向電極が設けら
れている。したがって対向電極は膜の下方に配置されて
いる。また、膜はチップ表面の方向に配置されている。
さらに、空気を入れ換えるために換気用開口部が設けら
れていて、これは基板下面の方向に配向されている。多
結晶膜は残りの平面とともに、平坦ではないチップ面を
成している。
【0005】マイクロマシンセンサのための既述の構造
の欠点は、センサを簡単に製造できないことである。基
板面に対し間隔をあけて膜の面が配置されることから、
製造中の半製品のセンサのトポロジーは、その上に簡単
に半導体回路を取り付けるには不適当である。それゆえ
僅かな回数のプロセスステップで回路を完成させるのは
不可能である。
【0006】さらに既存の装置構成の欠点は、膜が多結
晶シリコンから成ることである。多結晶シリコンは機械
的強度の点で満足のいく特性をもっておらず、そのこと
でたとえば製造時にどうしても問題が生じてしまう。し
たがって、脆いセンサ面の損傷を避けるために、半製品
のセンサエレメントを非常に慎重に取り扱わなければな
らない。さらに、表面方向に配向された膜を有する公知
のマイクロマシンセンサであると、その製造時に欠点が
生じることになる。つまりたとえば組み立てあるいはウ
ェハの鋸引きにあたり、製品品質が損なわれてしまうお
それがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の課
題は、これまで述べてきた公知のセンサの欠点をもたな
いマイクロマシンセンサを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によればこの課題
は、換気用開口部はウェハ表面の方向に配向されてお
り、対向電極はチップ面全体にわたる層平面の構成部分
であり、該層平面上に半導体電子回路がそれ自体周知の
半導体技術によって取り付けられることにより解決され
る。従属請求項2,3ならびに5〜11には有利な実施
形態が示されている。さらに請求項4には、マイクロマ
シンセンサの製造方法が記載されている。次に、図面を
参照しながら実施例に基づき本発明について詳しく説明
する。
【0009】
【実施例】図1によるマイクロマシンセンサの製造は以
下のようにして行われる。すなわち、まずはじめにSO
I基板上に有利にはシリコン酸化物から成る犠牲層を被
着し、ついでエピタキシャル層4を成長させる。層4の
厚さは層3の厚さよりもかなり厚く、その結果、このス
テップのあとには平坦な面5が生じることになる。場合
によっては、滑らかさを向上させるためこの面を研磨す
る必要がある。一般にエピタキシャル層4はウェハ2の
領域において単結晶で成長し、犠牲層の材料の領域には
多結晶シリコンが生じる。エピタキシャル層4の品質を
高めるため、たとえば多結晶シリコンから成るシード層
を犠牲層3に被着させるのが有利である。これに続いて
通常、犠牲層12まで延びるダクトが生じるよう、溝7
がエピタキシャル層4にエッチングされる。有利にはこ
れらのダクトはシリコン酸化物で充填される。その次
に、1つの実施形態による構造として、慣用のやり方で
電子回路を薄膜技術によって取り付けることができる。
この場合、たとえばそれ自体周知のCMOS,Bi−C
MOSまたはバイポーラプロセスを用いることができ
る。その後、基板の背面を無電解でたとえばKOHまた
はTMAHによりエッチングして、開口部8を形成す
る。背面をエッチングした後またはする前の別のエッチ
ングステップにおいて、ダクトおよび犠牲層における酸
化物が除去される。これにより、ダクト7を介して周囲
と連通している中空室12が生じる。したがってダクト
7は、有利には対向電極14を貫通することになる。背
面のエッチングにより生じる膜13は、たとえば音波の
作用で励起されて振動する程度に薄く構成されている。
膜の厚さは0.2μm〜1μmであるとよい。膜13が
支持部分の側方領域でいっそう薄くなるように構成する
ことも可能であり、そのようにすれば音響振幅がかなり
小さくてもすでに膜を振動させることができるようにな
る。また、膜の全長は100μm〜2000μmの範囲
にあるとよい。背面のエッチングは好適には無電解で実
施され、たとえばKOHエッチングにより実施される。
【0010】図2に示されているマイクロマシンセンサ
を製造するためには、上述の方法とは異なる製造過程を
辿ることになる。図1によるマイクロマシンセンサの製
造方法によれば背面をエッチングする際、エッチングプ
ロセスはシリコン酸化物層9によりストップされる。S
OIウェハを用いた場合、この層は使用されるウェハ材
料により自ずと得られる。図2によるセンサの製造は、
SOI基板を使用せずに行われる。まずはじめに基板に
対し、層3および4を成長させる前に適切なドーピング
を施し、この場合、たとえばp形ウェハであればn形ド
ーピングとすることができる。ドーピング領域10は有
利には空間的に局限されている。そしてこのドーピング
領域は、背面における開口部8のエッチングにあたりエ
ッチストップとして用いられる。有利には、背面のエッ
チングのために2つの方法が適用される: a)領域10を、適切な材料たとえばホウ素によって高
濃度でドーピングし、たとえば1019cm-3よりも高い
ドーピング濃度でドーピングする。ウェハとしてn形ウ
ェハまたはp形ウェハを用いる。開口部のエッチング
は、EDP(toxic),KOHによってたとえば高
濃縮状態で行うか、またはTMAHによって行う。
【0011】b)領域10を、低濃度のp形またはn形
のドーピングにより、たとえば1015cm-3よりも低い
ドーピング濃度で形成する。ウェハとして高濃度でp形
またはn形ドーピングされたウェハを用い、これはたと
えば1018cm-3よりも高い濃度をもつ。開口部のエッ
チングは、電気化学的にHFまたはKOHにより行う。
【0012】なお、犠牲層3の除去はウェットエッチン
グで行うとよい。
【0013】本発明は、圧力センサたとえば相対圧力セ
ンサおよびマイクロフォンを製造するための本発明によ
るセンサの使用法にも関する。マイクロフォンに組み込
まれるセンサの場合、膜をチップ面下側の方向に配置す
ると有利である。
【0014】本発明による装置構成の重要な利点は、膜
を単結晶材料によって構成できることである。これによ
り、多結晶材料から成る膜に比べて機械的安定性が高ま
る。さらに、従来技術により公知のマイクロマシンセン
サの製造方法とは異なり、本発明による製造方法はきわ
めて簡単に実施可能である。実例として、たとえばドイ
ツ連邦共和国特許出願 196 48 424.3 に記載されている
ような中間層の形成を省くことができる。
【0015】しかも本発明による方法によれば、平坦な
チップ面の利点が得られる。たとえば、センサ構造の製
造後または製造中にセンサチップ上に回路を作る際、平
坦なチップ面であることからプロセスステップが簡単に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】SOI基板上に製造された本発明によるマイク
ロマシンセンサを示す図である。
【図2】慣用のシリコン基板上に製造された本発明によ
るマイクロマシンセンサを示す図である。
【符号の説明】
2 基板 3 犠牲層 4 エピタキシャル層 5 平坦な層 7 ダクト 8 センサ開口部 9 シリコン酸化物層 11 電子回路 14 対向電極 15 ウェハ表面
フロントページの続き (72)発明者 トーマス ベーヴァー ドイツ連邦共和国 ミュンヘン グスタフ −ハイネマン−リング 33 (72)発明者 ハンス−イェルク ティメ ドイツ連邦共和国 オットブルン プッツ ブルナー シュトラーセ 90

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チップ上に集積された電子回路(11)
    が設けられており、中空室(12)と膜(13)と対向
    電極(14)と換気用開口部(7)を有しており、該換
    気用開口部(7)により前記中空室の容積体が周囲と連
    通するように構成されている、半導体基板(2)上のマ
    イクロマシンセンサ(1)において、 換気用開口部はウェハ表面(15)の方向に配向されて
    おり、対向電極はチップ面全体にわたる層平面(5)の
    構成部分であり、該層平面上に半導体電子回路(11)
    がそれ自体周知の半導体技術によって取り付けられるこ
    とを特徴とする、マイクロマシンセンサ。
  2. 【請求項2】 前記膜は単結晶材料から成る、請求項1
    記載のセンサ。
  3. 【請求項3】 前記対向電極は導電性で形成されている
    か、または該対向電極に導電層が設けられている、請求
    項1記載のセンサ。
  4. 【請求項4】 マイクロマシンセンサの製造方法におい
    て、 a)半導体基板(2)の上の基板表面領域に犠牲層
    (3)を形成するステップと、 b)半導体材料をエピタキシャル成長させて、犠牲層の
    領域の上に広がる平坦な層(5)を形成し、該層(5)
    を犠牲層の領域では多結晶で成長させるステップと、 c)必要に応じて該層(5)を滑らかにするステップ
    と、 d)開口部(7)をエッチングにより形成し、該開口部
    を適切な材料で充填するステップと、 e)該開口部(7)内の材料と犠牲層を除去し、ウェハ
    背面をエッチングして膜を露出させ、センサ開口部を形
    成するステップ、を有することを特徴とする、マイクロ
    マシンセンサの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記基板を酸化物中間層(SOI)をも
    つウェハとし、該酸化物中間層を背面のエッチングにあ
    たりエッチストップとしてはたらかせる、請求項4記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 背面のエッチングにおけるエッチストッ
    プをウェハの適切なドーピングにより形成する、請求項
    4記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記ステップa)の後で、犠牲層の上に
    シード層を被着させ、該シード層を、前記ステップb)
    で形成される平坦な層の成長にあたり成長条件を向上さ
    せるために用いる、請求項4〜6のいずれか1項記載の
    方法。
  8. 【請求項8】 前記背面のエッチングを、エッチストッ
    プに使用される層に依存して無電解でまたは電気化学的
    にウェットエッチングする、請求項4〜7のいずれか1
    項記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記犠牲層と前記開口部(7)内に存在
    する充填材料はシリコン酸化物である、請求項4〜8の
    いずれか1項記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記ステップd)の後、前記ステップ
    e)を行う前に、それ自体周知の電子半導体回路製造プ
    ロセスを実行する、請求項4〜9のいずれか1項記載の
    方法。
  11. 【請求項11】 マイクロフォンまたは圧力センサとし
    て用いる、請求項1記載のマイクロマシンセンサの用
    途。
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