JP4355273B2 - 静電容量型センサ及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、静電容量の変化量を検知して動作する静電容量型センサ及びその製造方法に関する。
従来、シリコンを主材料として半導体微細加工技術により製造される静電容量型センサが知られている。この静電容量型センサには、静電容量の変化量を検知して動作する静電容量型マイクロホン、静電容量型圧力センサ、静電容量型加速度センサ等がある。これらのセンサは、音波や圧力、加速度等を受けて変形する可動電極板と、この可動電極板に対向配置されたバックプレートとを備えている。なお、可動電極板には、ダイアフラム(diaphragm:振動膜)、カンチレバー(cantilever:片持ち梁)又はバネにより支持された可動板等があり、以下の説明ではダイアフラムを例に挙げる。
具体的には、図4に示すように、従来の静電容量型センサ1は、シリコン基板2を母材として形成された、音波によって振動するダイアフラム3と、このダイアフラム3に対向配置されたバックプレート4とを備えている。ダイアフラム3及びバックプレート4は、絶縁層5をはさんでコンデンサを形成している。また、バックプレート4には、ダイアフラム3の振動のダンピングを制御するためのアコースティックホール4aが形成されている。従来の静電容量型センサ1は、音波を受けてダイアフラム3が振動することにより生じるコンデンサの静電容量の変化に基づいて、音を電気信号に変換するようになっている。
次に、従来の静電容量型センサ1の製造方法について図5を参照して説明する。なお、通常は材料のシリコン基板から複数の静電容量型センサが一括して製造されるが、ここでは説明を簡略化するためシリコン基板から1個の静電容量型センサを製造する例を挙げて説明する。
はじめに、不純物濃度が1018cm−3以下のシリコン基板2の一方の面に固体拡散法やイオン注入法等により1019cm−3以上の高濃度ボロンドープ層11を形成する。高濃度ボロンドープ層11の厚さは、数μm以下であり、後にダイアフラムとなる(図5(a))。
次に、高濃度ボロンドープ層11の上に、火炎加水分解反応により犠牲層となるSi-B-Oガラス層12を堆積し、その上に不純物濃度が1018cm−3以下の別のシリコン基板13を重ねて高温下で貼り合わせる(図5(b))。この方法は、SODIC(Soot Deposited Integrated Circuit)法として公知の技術である。
次いで、シリコン基板13を10μm〜数十μm程度の厚さに研磨した後、貼り合わせた基板両面に熱酸化法やCVD(化学気相成長)法等でエッチングマスクとなるシリコン酸化膜14及び15を形成し、公知のフォトリソグラフィ法とエッチング法を用いて開口部14a及び15aを形成する(図5(c))。
引き続き、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)水溶液やEDP(エチレンジアミンピロカテコール)水溶液、水酸化カリウム水溶液等のシリコン異方性エッチング液を用いて開口部14a及び15aからシリコン基板2及び13をそれぞれエッチングする。シリコンの異方性エッチング液は、Si-B-Oガラス層12をエッチングしないため、シリコン基板13のエッチングはSi-B-Oガラス層12で停止する。これにより、バックプレート4及びアコースティックホール4aが形成される。
一方、シリコンの異方性エッチング液が高濃度ボロンドープ層11をエッチングする速度は、高濃度にボロンをドープしていないシリコンをエッチングする速度より十分遅いため、シリコン基板2のエッチングは高濃度ボロンドープ層11で停止する。この技術はボロンエッチストップ法として知られている(例えば、非特許文献1参照。)。これにより、ダイアフラム3が形成される(図5(d))。
次に、フッ酸を主体とする水溶液等のエッチング液を用いてアコースティックホール4aから犠牲層であるSi-B-Oガラス層12をエッチングして除去する。エッチング時間を制御することにより、バックプレートの支持部としての絶縁層5を残してエッチングを終了する。これにより、ダイアフラム3及びバックプレート4が空間的に分離される。また、この工程で同時にエッチングマスクであるシリコン酸化膜14及び15もエッチングされて除去される(図5(e))。
さらに、例えば真空蒸着法により、バックプレート4及びダイアフラム3に、例えばアルミニウム膜で形成された電極膜6及び7をそれぞれ形成する(図5(f))。
以上の工程で製造された従来の静電容量型センサ1は、引っ張り強度が極めて高く、弾性係数が大きい単結晶シリコンをダイアフラム3に用いているため、高い信頼性、広いダイナミックレンジ、広い周波数帯域等の優れた特徴を持っている。
また、静電容量型センサには、寄生容量が大きくなると検知感度が低下するという問題があり、寄生容量を小さくして感度の向上を図る提案がなされている(例えば、特許文献1参照。)。図6(a)に示すように、ダイアフラム3とバックプレート4との間の容量Cに対して、絶縁層5の容量Cpが寄生容量となる。静電容量型センサの検知感度を向上させるには、Cの値に対するCpの値を小さくすることが効果的であり、特許文献1においては、図6(b)に示すような構造が提案されている。すなわち、特許文献1に示された従来の静電容量型センサは、シリコン基板2に段差Hを形成し、検出部の容量Cを確保したまま絶縁層5の寄生容量Cpを小さくすることによって、マイクロホンの感度の向上を図っている。
また、ダイアフラム3にスリットを設けることによって、検知感度の向上を図ることもできる(例えば、非特許文献2参照。)。また、ダイアフラム3で隔てられる空間の静圧を等しくする目的でダイアフラム3に気孔を設けることもある(例えば、非特許文献3参照。)。
特開2002−27595号公報(第4−5頁、第5図) E.Steinsland他著「Boron Etch−stop in TMAH solutions」(Sensors and Actuators A、54巻、1996年発行、P728) Miao他著「Design consideration in micromachined silicon microphone」(Microelectronics Journal、33巻、2002年発行、P21) Rombach他著「The first low voltage,low noise differential silicon microphone,technology development and measurement results」(Sensors and Actuators A、95巻、2002年発行、P196)
しかしながら、図4に示された従来の静電容量型センサ1は、ボロンが高濃度にドープされたシリコンでダイアフラム3を形成しているので、ダイアフラム3の内部に非常に強い引っ張り応力が生じ、検知感度が低下するという問題があった。
また、特許文献1に示された従来の静電容量型センサでは、寄生容量を小さくするための段差をシリコン基板に形成する工程を追加する必要があるので工数が増加し、また、この工程は難度が比較的高いので製造歩留が低下して製造コストが高くなるという問題があった。
また、ダイアフラムに気孔やスリットを形成する場合は、例えばダイアフラム上にレジストパターンを形成し、ドライエッチング法を用いて穿孔するという特別な工程を必要とするので、製造コストが高くなるという問題があり、さらに、ダイアフラムはシリコン基板の凹部に作られているので、レジストを塗布するために例えばスプレーコータのような特殊な設備を必要とするという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、低コストで検知感度の向上を図ることができる静電容量型センサ及びその製造方法を提供するものである。
本発明の静電容量型センサは、基板と、前記基板上に形成された第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に形成された可動電極板と、前記可動電極板から所定の間隔をおいて対向配置された固定電極板と、前記基板上に設けられ前記固定電極板を支持する支持部とを備え、前記支持部は、前記第1絶縁層と、前記可動電極板と同一の厚さで前記第1絶縁層上に形成された第3絶縁層と、該第3絶縁層上に形成され前記所定の間隔を設定する第2絶縁層とを含む構成を有している。
この構成により、本発明の静電容量型センサは、固定電極板が、第1絶縁層、第2絶縁層及び第3絶縁層で構成された支持部によって支持されるので、第2絶縁層のみで支持部が構成される従来の静電容量型センサに比べ、寄生容量を小さくすることができ、寄生容量を小さくするための従来の特別な工程を追加することなく、低コストで検知感度の向上を図ることができる。
また、本発明の静電容量型センサは、前記可動電極板、前記第1絶縁層及び前記基板が、それぞれ、SOI基板のシリコン活性層、絶縁層及びシリコン支持基板によって形成される構成を有している。
この構成により、本発明の静電容量型センサは、汎用のSOI基板を材料として用いることができるので、シリコン活性層や絶縁層等を別途形成する工程が不要となり、低コスト化を図ることができる。
さらに、本発明の静電容量型センサは、前記シリコン活性層の不純物濃度が、1018cm−3以下である構成を有している。
この構成により、本発明の静電容量型センサは、可動電極板を形成するSOI基板のシリコン活性層が、不純物濃度1018cm-3以下の低濃度のシリコンであるので、可動電極板の内部応力を従来のものよりも小さくすることができ、検知感度の向上を図ることができる。
さらに、本発明の静電容量型センサは、前記可動電極板が、ダイアフラム、カンチレバー及びバネにより支持された可動板のうちの少なくとも一つである構成を有している。
この構成により、本発明の静電容量型センサは、可動電極板が、ダイアフラム、カンチレバー及びバネにより支持された可動板のうちの少なくとも一つである場合でも、固定電極板が、第1絶縁層、第2絶縁層及び第3絶縁層で構成された支持部によって支持されるので、第2絶縁層のみで支持部が構成される従来の静電容量型センサに比べ、寄生容量を小さくすることができ、寄生容量を小さくするための従来の特別な工程を追加することなく、低コストで検知感度の向上を図ることができる。
本発明のマイクロホン装置は、静電容量型センサを備え、入力された音波の強度に応じて前記可動電極板を振動させ、前記可動電極板と前記固定電極板との間の静電容量の変化に基づいて前記音波を電気信号に変換する構成を有している。
この構成により、本発明のマイクロホン装置は、寄生容量を小さくするための従来の特別な工程を追加することなく、低コストで検知感度の向上が図られた静電容量型センサを用いるので、低コストで入力感度の向上を図ることができる。
また、本発明の静電容量型センサの製造方法は、第1基板上に絶縁層と半導体層とが順次積層された積層基板の前記半導体層に第1開口部を有する第1絶縁膜を形成する工程と、前記第1開口部内の前記半導体層を除去し前記半導体層の研磨寸法を設定するための研磨ストッパ層を前記絶縁層上に形成する工程と、前記半導体層の厚さが前記研磨ストッパ層の厚さと一致するまで前記半導体層を研磨して可動電極板を形成する工程と、前記可動電極板上に犠牲層を形成する工程と、前記犠牲層上に第2基板を貼り合わせる工程と、前記第1基板上に第2開口部を有する第2絶縁膜を形成する工程と、前記第2基板上に第3開口部を有する第3絶縁膜を形成する工程と、前記第2開口部内の第1基板にエッチング処理を施し、前記第2開口部内の第1基板上に位置する絶縁層でエッチングを停止させることにより第1基板を除去する工程と、前記第3開口部内の第2基板にエッチング処理を施し、前記第3開口部内の第2基板の下に位置する犠牲層でエッチングを停止させることにより第2基板を除去して固定電極板を形成する工程と、前記固定電極板を支持する支持部を前記第1基板上に形成する工程であって、前記支持部を形成する範囲とは異なる範囲に存在する前記犠牲層、前記第2絶縁膜、前記第3絶縁膜及び前記第1基板上の絶縁層を同時に除去する工程とを含む構成を有している。
この構成により、本発明の静電容量型センサの製造方法は、第1基板上の絶縁層、犠牲層及び研磨ストッパ層で構成された支持部を形成する工程を含むので、犠牲層のみで支持部が構成される従来の静電容量型センサに比べ、寄生容量を小さくすることができ、寄生容量を小さくするための従来の特別な工程を追加することなく、低コストで検知感度の向上を図ることができる。
また、この構成により、本発明の静電容量型センサの製造方法は、支持部を形成する工程において、支持部を構成する範囲の外部に存在する犠牲層、第2絶縁膜、第1基板上の絶縁層及び第3絶縁膜を同時に除去するので、犠牲層、第2絶縁膜、第3絶縁膜及び第1基板上の絶縁層をそれぞれ別個に除去するものよりも工数を削減することができ、低コストで検知感度の向上を図ることができる。
さらに、本発明の静電容量型センサの製造方法は、前記支持部を形成する工程において、気孔及びスリットのいずれかを前記可動電極板に形成する構成を有している。
この構成により、本発明の静電容量型センサの製造方法は、支持部を形成する工程において、気孔及びスリットのいずれかを可動電極板に形成するので、気孔及びスリットのいずれかを別個に形成するものよりも工数を削減することができ、低コストで検知感度の向上を図ることができる。
さらに、本発明の静電容量型センサの製造方法は、前記支持部を形成する工程において、スクライブラインを前記第1基板上に形成する構成を有している。
この構成により、本発明の静電容量型センサの製造方法は、支持部を形成する工程において、スクライブラインを第1基板上に形成するので、スクライブラインを別個に形成するものよりも工数を削減することができ、低コスト化が図れる。
ことができる。
本発明は、低コストで検知感度の向上を図ることができるという静電容量型センサ及びその製造方法を提供することができるものである。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の静電容量型センサをシリコンマイク素子に適用する例を挙げて説明する。
まず、本実施の形態のシリコンマイク素子の構成について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、本実施の形態のシリコンマイク素子20は、例えばシリコン半導体で構成されるシリコン支持基板21と、シリコン支持基板21上に形成された酸化シリコン層22と、酸化シリコン層22上に形成された可動電極板23と、可動電極板23から所定の間隔をおいて対向配置されたバックプレート25と、可動電極板23に設けられた第1電極26と、バックプレート25に設けられた第2電極27とを備えている。
可動電極板23は、犠牲層24を介してバックプレート25と対向配置され、音波の強さに応じて振動するダイアフラム23aを備えている。可動電極板23は、例えばシリコン半導体で構成され、犠牲層24は、例えばSi-B-Oガラス層で構成されている。
バックプレート25は、例えばシリコン半導体で構成され、酸化シリコン層22、研磨ストッパ36及び犠牲層24とに支えられてシリコン支持基板21上に設けられている。
なお、酸化シリコン層22、研磨ストッパ36及び犠牲層24は、本発明の支持部を構成し、以下「支持部」という。また、酸化シリコン層22、犠牲層24及び研磨ストッパ36は、それぞれ、本発明の第1絶縁層、第2絶縁層及び第3絶縁層を構成している。また、バックプレート25は、本発明の固定電極板を構成している。
次に、本実施の形態のシリコンマイク素子20の製造方法について、図2及び図3を参照して説明する。なお、材料として、シリコン活性層、酸化シリコン層及びシリコン支持基板からなるSOI(Silicon On Insulator)基板を使用する例を挙げて説明する。
まず、熱酸化法やCVD法によって、SOI基板30のシリコン活性層33上にシリコン酸化膜34を形成し、公知のフォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いて、開口部34aを形成する(図2(a))。開口部34aは、バックプレート25の支持部や、後述の気孔、スリット、スクライブライン等が形成される箇所に形成する。
ここで、SOI基板30は、シリコン支持基板21と、酸化シリコン層22と、シリコン活性層33とから構成され、本発明の積層基板を構成している。シリコン支持基板21は、厚さが例えば300μm程度で、不純物濃度が1018cm-3以下の低濃度シリコンで形成されている。また、酸化シリコン層22は、厚さが例えば1μm程度の酸化シリコンで形成されている。また、シリコン活性層33は、厚さが5〜10μm程度で、不純物濃度が1018cm-3以下の低濃度シリコンで形成されている。
次いで、公知のエッチング法によって、開口部34aからシリコン活性層33をエッチングする。エッチングは、酸化シリコン層22で停止する。続いて、例えばCVD法によって、シリコン酸化膜35をシリコン活性層33側に堆積する(図2(b))。シリコン酸化膜35は、後述するように可動電極板23の厚さを設定するための研磨ストッパとなるので、可動電極板23の所望の厚さ、例えば1〜5μm程度となるようシリコン酸化膜35を堆積する。CVD法では、堆積時間を管理することにより、容易かつ正確にシリコン酸化膜35を所望の厚さで形成することができる。
引き続き、公知のフォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いて、開口部34aの底部を残してシリコン酸化膜34及び35をエッチングして除去する。開口部34aに残ったシリコン酸化膜35は、シリコン活性層33を研磨して可動電極板23を形成する際の研磨ストッパ36となる(図2(c))。
次いで、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により、シリコン活性層33の表面から研磨を行う。研磨ストッパ36を構成するシリコン酸化膜は、シリコン活性層33のシリコンに比べて研磨される速度が遅いので、シリコン活性層33の厚さが研磨ストッパ36の厚さと一致した時点で研磨を停止することができる。その結果、可動電極板23及びダイアフラム23aが、所望の厚さで正確に形成されることになる(図2(d))。なお、シリコン活性層33の厚さと研磨ストッパ36の厚さとの一致は、完全な一致に限定されるものではない。
続いて、シリコン活性層33上に、火炎加水分解反応等により、犠牲層24となるSi-B-Oガラス層37等を堆積し、さらに、SODIC法等により、不純物濃度が1018cm-3以下のシリコン基板38を重ねて高温下で貼り合わせる(図2(e))。
次いで、シリコン基板38を10μm〜数十μmの厚さに研磨した後、基板両面に熱酸化法やCVD法等でエッチングマスクとなるシリコン酸化膜39及び40を形成し、公知のフォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いて、開口部39a及び40aを形成する(図3(f))。
さらに、公知のエッチング法を用いて、開口部40a及び39aからシリコン基板38及びシリコン支持基板21をそれぞれエッチングする。シリコン基板38はSi-B-Oガラス層37でエッチングが停止し、シリコン基板38にアコースティックホールが形成される。また、シリコン支持基板21は酸化シリコン層22でエッチングが停止する(図3(g))。
次いで、公知のエッチング法を用いて、シリコン基板38側及びシリコン支持基板21側から、Si-B-Oガラス層37、研磨ストッパ36、酸化シリコン層22、シリコン酸化膜39及び40をエッチングする。これらは全てシリコンの酸化物なので、一度のエッチング工程でエッチングすることができる。その際、エッチング時間を管理することにより、ダイアフラム23aの支持部及びシリコン基板38の支持部を残してエッチングを終了する。この結果、ダイアフラム23a及びバックプレート25が空間的に分離して形成され、同時に、気孔23b及びスクライブライン41が形成される(図3(h))。
そして、例えば真空蒸着法により、電極26及び27が、ぞれぞれ、可動電極板23及びバックプレート25に形成される。電極26及び27は、例えばアルミニウム膜で形成される。その後、例えばダイシングブレードでスクライブライン41を切断して、シリコンマイク素子20を得る(図3(i))。
以上のように、本実施の形態のシリコンマイク素子20によれば、シリコン活性層33、酸化シリコン層22及びシリコン支持基板21からなるSOI基板30を使用し、研磨ストッパ36を併用する研磨法により、ダイアフラム23aの厚さを精度よく設定することができる構成としたので、従来のシリコンマイク素子の製造に用いられていたボロンエッチストップ法が不要となり、しかも、ダイアフラム23aを形成するSOI基板30のシリコン活性層33は、不純物濃度が1018cm-3以下の低濃度のシリコンであるため、ダイアフラム23aの内部応力を従来のものよりも小さくすることができ、低コストで検知感度の向上を図ることができる。
また、本実施の形態のシリコンマイク素子20によれば、支持部以外の研磨ストッパ36やシリコン酸化膜39及び40等をエッチングする工程(図3(h)参照)で同時に気孔23b及びスクライブライン41を形成するようにしたので、気孔23b及びスクライブライン41を形成するための従来の特別な工程を追加することなく、従来のものよりも製造コストを低減することができる。
さらに、本実施の形態のシリコンマイク素子20によれば、従来のシリコンマイク素子に比べ、バックプレート25の支持部に研磨ストッパ36及び酸化シリコン層22を付加する構成としたので、寄生容量を小さくするための従来の特別な工程を追加することなく、寄生容量を小さくして検知感度を従来のものよりも高くすることができる。
例えば、図1において、犠牲層24の厚さを5μm、ダイアフラム23aの厚さ(研磨ストッパ36の厚さに同じ)を4μm、酸化シリコン層22の厚さを1μmとすると、従来のもののバックプレート25の支持部の高さは犠牲層24の厚さの5μmであるが、本実施の形態のシリコンマイク素子20では、バックプレート25の支持部の高さは10μmとなり、従来のものよりも寄生容量を半分にすることができる。
なお、本実施の形態のシリコンマイク素子20をマイクロホン装置に適用すれば、従来のものよりも低コストで入力感度の優れたマイクロホン装置を得ることができる。
また、前述の実施の形態において、ダイアフラムを有するシリコンマイク素子を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ダイアフラムやカンチレバー又はバネにより支持された可動板等を有し、静電容量の変化量を検知して動作する圧力センサや加速度センサ等においても同様の効果を得ることができる。
また、前述の実施の形態において、シリコン活性層、酸化シリコン層及びシリコン支持基板からなるSOI基板を用いる例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばサファイア支持基板とシリコン活性層とで構成されたSOI基板を用いても同様の効果を得ることができる。
本実施の形態のシリコンマイク素子の構成図 (a)本実施の形態のシリコンマイク素子の製造方法の工程のうち、SOI基板のシリコン活性層上にシリコン酸化膜及び開口部を形成した後のシリコンマイクの断面図 (b)本実施の形態のシリコンマイク素子の製造方法の工程のうち、シリコン酸化膜を堆積した後のシリコンマイクの断面図 (c)本実施の形態のシリコンマイク素子の製造方法の工程のうち、研磨ストッパを形成した後のシリコンマイクの断面図 (d)本実施の形態のシリコンマイク素子の製造方法の工程のうち、シリコン活性層を研磨した後のシリコンマイクの断面図 (e)本実施の形態のシリコンマイク素子の製造方法の工程のうち、犠牲層を堆積し、さらにシリコン基板を重ねて貼り合わせた後のシリコンマイクの断面図 (f)本実施の形態のシリコンマイク素子の製造方法の工程のうち、シリコン酸化膜及び開口部を基板両面に形成した後のシリコンマイクの断面図 (g)本実施の形態のシリコンマイク素子の製造方法の工程のうち、バックプレートを形成した後のシリコンマイクの断面図 (h)本実施の形態のシリコンマイク素子の製造方法の工程のうち、支持部以外の研磨ストッパやシリコン酸化膜等を除去した後のシリコンマイクの断面図 (i)本実施の形態のシリコンマイク素子の製造方法の工程のうち、スクライブラインを切断して基板からシリコンマイク素子を分割した後のシリコンマイクの断面図 従来のシリコンマイク素子の構成図 従来のシリコンマイク素子の製造工程の説明図 (a)従来のシリコンマイク素子における寄生容量の説明図 (b)従来のシリコンマイク素子における寄生容量の低減構造を示す図
符号の説明
20 シリコンマイク素子
21 シリコン支持基板(第1基板)
22 酸化シリコン層(第1絶縁層)
23 可動電極板
23a ダイアフラム
23b 気孔
24 犠牲層(第2絶縁層)
25 バックプレート
26、27 電極
30 SOI基板(積層基板)
33 シリコン活性層
34 シリコン酸化膜(第1絶縁膜)
34a 開口部(第1開口部)
35 シリコン酸化膜
36 研磨ストッパ(第3絶縁層)
37 Si-B-Oガラス層
38 シリコン基板(第2基板)
39 シリコン酸化膜(第2絶縁膜)
39a 開口部(第2開口部)
40 シリコン酸化膜(第3絶縁膜)
40a 開口部(第3開口部)
41 スクライブライン

Claims (8)

  1. 基板と、前記基板上に形成された第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に形成された可動電極板と、前記可動電極板から所定の間隔をおいて対向配置された固定電極板と、前記基板上に設けられ前記固定電極板を支持する支持部とを備え、
    前記支持部は、前記第1絶縁層と、前記可動電極板と同一の厚さで前記第1絶縁層上に形成された第3絶縁層と、該第3絶縁層上に形成され前記所定の間隔を設定する第2絶縁層とを含むことを特徴とする静電容量型センサ。
  2. 前記可動電極板、前記第1絶縁層及び前記基板は、それぞれ、SOI基板のシリコン活性層、絶縁層及びシリコン支持基板によって形成されることを特徴とする請求項1に記載の静電容量型センサ。
  3. 前記シリコン活性層の不純物濃度は、1018cm−3以下であることを特徴とする請求項2に記載の静電容量型センサ。
  4. 前記可動電極板は、ダイアフラム、カンチレバー及びバネにより支持された可動板のうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の静電容量型センサ。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の静電容量型センサを備え、入力された音波の強度に応じて前記可動電極板を振動させ、前記可動電極板と前記固定電極板との間の静電容量の変化に基づいて前記音波を電気信号に変換することを特徴とするマイクロホン装置。
  6. 第1基板上に絶縁層と半導体層とが順次積層された積層基板の前記半導体層に第1開口部を有する第1絶縁膜を形成する工程と、前記第1開口部内の前記半導体層を除去し前記半導体層の研磨寸法を設定するための研磨ストッパ層を前記絶縁層上に形成する工程と、前記半導体層の厚さが前記研磨ストッパ層の厚さと一致するまで前記半導体層を研磨して可動電極板を形成する工程と、前記可動電極板上に犠牲層を形成する工程と、前記犠牲層上に第2基板を貼り合わせる工程と、前記第1基板上に第2開口部を有する第2絶縁膜を形成する工程と、前記第2基板上に第3開口部を有する第3絶縁膜を形成する工程と、前記第2開口部内の第1基板にエッチング処理を施し、前記第2開口部内の第1基板上に位置する絶縁層でエッチングを停止させることにより第1基板を除去する工程と、前記第3開口部内の第2基板にエッチング処理を施し、前記第3開口部内の第2基板の下に位置する犠牲層でエッチングを停止させることにより第2基板を除去して固定電極板を形成する工程と、前記固定電極板を支持する支持部を前記第1基板上に形成する工程であって、前記支持部を形成する範囲とは異なる範囲に存在する前記犠牲層、前記第2絶縁膜、前記第3絶縁膜及び前記第1基板上の絶縁層を同時に除去する工程とを含む静電容量型センサの製造方法。
  7. 前記支持部を形成する工程において、気孔及びスリットのいずれかを前記可動電極板に形成することを特徴とする請求項6に記載の静電容量型センサの製造方法。
  8. 前記支持部を形成する工程において、スクライブラインを前記第1基板上に形成することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の静電容量型センサの製造方法。
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