JP2000064115A - 溶融紡糸方法および溶融紡糸用横吹き紡糸筒 - Google Patents

溶融紡糸方法および溶融紡糸用横吹き紡糸筒

Info

Publication number
JP2000064115A
JP2000064115A JP10233263A JP23326398A JP2000064115A JP 2000064115 A JP2000064115 A JP 2000064115A JP 10233263 A JP10233263 A JP 10233263A JP 23326398 A JP23326398 A JP 23326398A JP 2000064115 A JP2000064115 A JP 2000064115A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
spinning
spun
blowing
melt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10233263A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaaki Hyoba
隆明 標葉
Tatsuyuki Takechi
竜幸 武智
Yuichiro Asakawa
勇一郎 浅川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nabtesco Corp
Original Assignee
Teijin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Seiki Co Ltd filed Critical Teijin Seiki Co Ltd
Priority to JP10233263A priority Critical patent/JP2000064115A/ja
Publication of JP2000064115A publication Critical patent/JP2000064115A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Artificial Filaments (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 紡出糸条の冷却効果を高めデニール斑の
少ない紡出糸条を得ることができる溶融紡糸用横吹き紡
糸筒を提供する。 【解決手段】 紡糸口金1から紡出される紡出糸条5に
向って冷却気体6を吹出す冷却気体吹出面3および吹出
面に対向して設けられた上下2段の気体整流装置4、1
0からなり、上部気体整流装置10の紡出糸条側の端面
が下部気体整流装置4の紡出糸条側の端面よりも紡出糸
条5の近傍に位置するとともに、上部気体整流装置10
が5〜30メッシュの金網からなる溶融紡糸用横吹き紡
糸筒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶融紡糸方法および溶融
紡糸用横吹き紡糸筒に関する。より詳しくは、本発明は
ポリエステル、ポリアミドのような熱可塑性合成繊維の
マルチフィラメントを溶融紡糸する方法および溶融紡糸
用横吹き紡糸筒に関する。本発明は特に好ましくはポリ
エチレンテレフタレートからなるポリエステル合成繊維
のマルチフィラメントの溶融紡糸装置における糸条冷却
方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば実公昭47−34255号
公報の従来例に記載されているように、紡糸口金の下端
に冷却室を設けるとともに冷却室の下端に筒状の糸道ダ
クトを設け、冷却室内を横方向に吹抜ける冷却風によっ
て口金より紡出された糸条を冷却するようにした紡糸筒
があり、この紡糸筒では糸道ダクトの先端が巻取り室内
に開口しているので巻取り室内から糸道ダクト内に上昇
気流が流入し、走行糸条の糸揺れを誘発するという欠点
があった。
【0003】また実公昭44−10088号公報には、
一側面に冷却風吹出面を、これと対向した面に冷却風排
出面を有し、上下に紡出糸条が通過する開口を有した箱
型の溶融紡出糸条冷却装置において、冷却風排出面を排
出風が下方向へ流動するように傾斜し、間隔をもって配
列された多数の平板をもって形成し、平板の垂直方向に
対する傾斜角度を30°〜50°としたことを特徴とす
る溶融紡出糸条冷却装置が開示されている。
【0004】また特公昭44−14409号公報には、
糸状物の走行域を包囲した箱体の一側面より冷却気体を
供給するように構成するとともに一側面に対向した面に
複数個の流れ区域形成板を挿入して各々その一端は箱体
内に延び他端は箱体外に臨むようにし、且つ各流れ区域
形成板の上側は各解放された窓を形成しておき糸状物の
走行域に糸状物を通過させることを特徴とする糸状物の
冷却方法が開示されている。
【0005】これら実公昭44−10088号公報また
は特公昭44−14409号公報に開示された装置によ
れば、冷却風吹出面から吹出された冷却風は紡糸筒を横
切って反対側の面から排出される構造となっている。
【0006】更に実公昭47−34255号公報には、
糸道ダクトの下端に逆漏斗状にした笠を数段重ねて設け
るとともに笠の外側に環状室を設け、且つ環状室に吸引
パイプを連通せしめたことを特徴とする紡糸筒が開示さ
れており、この装置においては吸引パイプから環状室を
吸引することにより紡糸筒内の空気を上から下に吸引す
るようにしている。
【0007】上述したような紡出筒の一側面から紡出糸
条にほぼ直交して冷却気体を吹付け、冷却気体吹出面に
対向する反対側の面から気体を排出させる所謂横吹き紡
糸筒は、冷却気体吹出面に対向する反対側の面が解放さ
れていて作業性がよいため、衣料用マルチフィラメント
の溶融紡糸によく用いられている。しかしながら、この
ような横吹き紡糸筒を用いて溶融紡糸を行う場合、引取
り速度が高速になると、冷却気体の乱れによって紡出糸
条に糸揺れや単糸切れが多発して断糸に発展し、安定し
た紡糸が行えず、更には繊度斑、物性斑が生じ良好な品
質の糸条が得られないという問題が生じた。
【0008】このような問題点を解決するために、特公
昭60−35443号公報または特公昭60−3544
4号公報においては、2500m/分以上の高速の引取
り速度で溶融紡糸する際に、横吹き紡糸筒の冷却気体吹
出面および吹出面に対向した面に気体整流装置を設け、
吹出面から吹出糸条に向って冷却気体を吹出させるとと
もに、吹出面に対向した面からも外気を整流して紡糸筒
内へ吸引導入させる紡出糸条を冷却する溶融紡糸方法が
開示されている。これらの整流装置の整流板にはハニカ
ム形状、スリット形状等が使用されることが多い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の装置
においては、整流板をハニカム形状、スリット形状とし
た場合に、吹出面から対向する吸引により導入される空
気による整流効果は十分に高められない。本発明者は種
々検討したところ、このハニカム形状、スリット形状を
した整流板から吸入される空気は紡出糸条の紡出走行に
伴い紡出糸条の周囲に発生する随伴流により吸引されて
いるものである。そして、ハニカム形状板、スリット形
状板の気体整流装置から流入される空気は、大多数が冷
却すべきマルチフィラメントに到達する以前に、この随
伴流に引きずり込まれ、冷却すべきマルチフィラメント
まで充分に到達していないようである。このため紡糸口
金から紡出された糸条は、通常口金の下400〜500
mmに存在する糸の固化点までに十分冷却されず、このた
め糸品質が十分高められないことを見出だした。
【0010】その対策として本発明者はハニカム形状の
気体整流装置を一様に更に紡出糸条に近付けて、すなわ
ち、その紡出糸条側の端面を、より紡出糸条側に接近さ
せて設置させることを検討した。
【0011】しかしながら、紡糸口金から紡出された糸
条は冷却気体吹出面から吹出される気体による力を受け
て気体整流装置側に緩く湾曲して走行しているために、
上述のように気体整流装置を過度に紡出糸条に極く接近
させた場合には、走行糸条が気体整流装置に接触してし
まい円滑な溶融紡糸が行えない。
【0012】特に、紡糸口金側から下側のオイリングガ
イド、引取りガイドまたはローラまでの間で紡出糸条は
円弧状に走行するため、特に紡糸口金とオイリングガイ
ド等との上下方向のほぼ中心部位置が気体整流装置側へ
に膨らみ、その部分が気体整流装置に接触することにな
る。
【0013】
【発明の目的】本発明は、紡出糸条の冷却効果を高めデ
ニール斑の少ない紡出糸条を得ることができる溶融紡糸
方法およびその方法を実施するための溶融紡糸用横吹き
紡糸筒を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明においては、請求
項1に記載のように、紡出糸条に向って冷却気体を吹出
す冷却気体吹出面および該吹出面に対向して設けられ外
気を整流して導入する気体整流装置を具備した溶融紡糸
用横吹き紡糸筒を用いて紡糸口金からマルチフィラメン
トを溶融紡糸する際に、前記気体整流装置の上部気体整
流部の紡出マルチフィラメント側端部を該紡出マルチフ
ィラメント側へ突出させて整流した外気をマルチフィラ
メントへ向けて導入することを特徴とする溶融紡糸方法
により、上述の目的を達成する。
【0015】上述した問題の対策として、本発明では気
体整流装置のうち、紡糸口金に近い部分(すなわち、上
部気体整流装置)のみの紡出糸条側端面を紡出糸条側に
突出させている。このようにした場合には、紡出糸条の
気体吹出面からの吹出流による湾曲の影響が比較的少な
い部分において気体整流装置が突出しているために、紡
出糸条が気体整流装置に接触することはなくなる。この
状態で上部気体整流装置から導入された冷却風は、紡出
糸条に随伴する気流の影響を受けずに紡出糸条に到達
し、紡出したマルチフィラメントを十分に冷却する。
【0016】なお、気体整流装置から十分空気が吸引流
入するように、気体整流装置としてハニカム形状、スリ
ット形状を使用した場合に、得られる糸条の糸質、特に
糸の繊度斑が問題となることがある。この場合には、本
発明においては、請求項2に記載のように、紡出糸条に
向って冷却気体を吹出す冷却気体吹出面および該吹出面
に対向して設けられ外気を整流して導入する気体整流装
置を具備した溶融紡糸用横吹き紡糸筒を用いて紡糸口金
からマルチフィラメントを溶融紡糸する際に、前記気体
整流装置の上部気体整流部からの紡出マルチフィラメン
ト側端部を該紡出マルチフィラメント側へ突出させると
ともに該上部気体整流部から該気体整流装置の他の部分
よりも一層整流して外気をマルチフィラメントへ向けて
導入することを特徴とする溶融紡糸方法とすることが好
ましい。
【0017】本発明においては、請求項1に記載の発明
と同様に、気体整流装置の上部気体整流部の紡糸マルチ
フィラメント側端部を突出させており、これにより上部
気体整流部から吸引される気体は随伴気流の影響を受け
ることなくマルチフィラメントへ到達する。更に、本発
明においては、上部気体整流部の整流効果を高めるよう
にしているために、上部気体整流装置から導入された気
体により紡出糸条が揺れることがなく、これにより紡出
糸条は十分に冷却するとともにデニール斑(繊度斑)を
生じることなく固化することができる。
【0018】本発明を実施する装置として、請求項3に
記載のように、紡糸口金から紡出される紡出糸条に向っ
て冷却気体を吹出す冷却気体吹出面および該吹出面に対
向して設けられ外気を整流して導入する気体整流装置を
具備した溶融紡糸用横吹き紡糸筒において、前記気体整
流装置が上下部から構成され、該上部気体整流装置の紡
出糸条側端面が下部気体整流装置の紡出糸条側端面より
も紡出糸条の近傍に位置していることを特徴とする溶融
紡糸用横吹き紡糸筒とすることができる。
【0019】更に、本発明は、請求項4、すなわち紡糸
口金から紡出される紡出糸条に向って冷却気体を吹出す
冷却気体吹出面および該吹出面に対向して設けられ外気
を整流して導入する気体整流装置を具備した溶融紡糸用
横吹き紡糸筒において、前記気体整流装置が上下に構成
され、上部気体整流装置の紡出糸条側端面が下部気体整
流装置の紡出糸条側端面よりも紡出糸条の近傍に位置す
るとともに、上部気体整流装置の開口度を下部気体整流
装置の開口度よりも密にしたことを特徴とする溶融紡糸
用横吹き紡糸筒とすることが好ましい。
【0020】これらの本発明の装置において、上部気体
整流装置の下端が紡糸口金から500mm以内に、特に好
ましくは400〜500mmに位置するようにして、紡出
糸条が固化点に到達する前に充分に冷却されるようにす
ることが好ましい。
【0021】また上部気体整流装置は5〜30メッシ
ュ、特に好ましくは12〜25メッシュの金網として、
上部気体整流装置から充分に整流された冷却空気が導入
されるようにすることが好ましい。また、本発明の上部
気体整流装置は、その高さは150〜200mmであるこ
とが好ましい。
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図示した添付図面
を参照して本発明を詳細に説明する。図1は本発明に係
る溶融紡糸用横吹き紡糸筒の断面図であり、図2は図1
の正面図、図3は本実施例に用いる上側気体整流装置の
斜視図である。
【0023】図1および図2において符号1は紡糸口金
を示し、この紡糸口金1から多数のマルチフィラメント
5が紡出されて、オイリングガイド8により集束されて
いる。紡出口金1の下方に本発明に係る横吹き紡糸筒が
設けられている。この横吹き紡糸筒は冷却装置(図示せ
ず)により冷却され、送風装置(図示せず)により送込
まれた冷却空気9を受入れる空気室2と、その空気室2
の前面に設けられ、紡出糸条5に向って冷却気体6を吹
出す冷却気体吹出面3を有している。冷却気体吹出面3
は、例えばハニカム形状、スリット形状をした整流板か
らなっており、その整流板の前面には防塵用の金網が1
枚設けられている。冷却気体吹出面3に対向して気体整
流装置4、10が設けられている。
【0024】本発明に係る横吹き紡糸筒においては、こ
の気体整流装置4、10が上部、下部の2段に分けられ
ており、下部気体整流装置4は従来から用いられている
気体整流装置と同様に整流板を設け、その前面に金網が
設けられたものであり、整流板としてはハニカム形状、
スリット形状が使用されている。
【0025】この下部気体整流装置4の上方に上部気体
整流装置10が設けられている。この上部気体整流装置
10は、その紡出糸条5側の端面が、図1に示すように
紡出糸条5に十分接近させられている。この接近させる
距離aは紡出糸条5の走行を阻害しない限りできるだけ
近付けることが好ましく、この実施例においては10〜
20mmの距離まで近付けている。
【0026】上部気体整流装置10の高さL1 は150
〜200mm程度とすることが好ましく、これにより上部
気体整流装置10の下端面と紡糸口金面との距離L0
400〜500mmとなり、紡出糸条5は固化点に到達す
る前に充分に冷却される。
【0027】更に、この上部気体整流装置10はハニカ
ムのみを使用した下部気体整流装置10とは異なり、厚
さ方向(図2の紙面に垂直な方向)に多数枚重ねた金網
板により構成されており、金網板は5〜30メッシュと
することが好ましく、より望ましくは12〜25メッシ
ュの開口度として、上部気体整流装置10から充分に整
流された冷却空気11が導入されるようにする。
【0028】上述のように構成した本発明の横吹き紡出
筒を用いて、紡糸口金1から紡出された糸条5はオイリ
ングガイド8を経て下部に引き取られ、冷却気体吹出面
3からの冷却空気6により冷却される。この際に、例え
ば、特公昭60−35443号公報または特公昭60−
35444号公報などに記載されているような紡糸方法
を実施することによって、更に、または、実公昭47−
34255号公報に開示されているような吸引装置を紡
糸筒の下部に設けることによって、紡出糸条5に随伴す
る気流によって気体整流装置4、10から整流空気7、
11が導入され、整流空気7、11が冷却空気6ととも
に紡出糸条5を冷却する。
【0029】この際に本発明においては紡糸口金1の近
傍においては、上部気体整流装置10が十分に紡出糸条
5に近付いて設置されており、上部気体整流装置10に
より整流された冷却空気が、随伴気流によって妨げられ
ることなく、紡出糸条5に向けて流入する。しかも、本
実施例では上部気体整流装置10により十分に整流され
た空気が紡出糸条5の近傍において紡出糸条5に向けて
導入されるために、紡出糸条5に糸揺れを生じることが
ない。
【0030】このように本発明では紡糸口金1から紡出
された糸条5が固化されるまでにおいて、紡出糸条5の
近傍へ十分に整流された空気11を取入れる構造であっ
て、紡出糸条5の冷却性を十分に高め、且つデニール斑
などを生じることなく十分に紡出糸条5を冷却すること
ができる。
【0031】また本発明は非常に簡単な装置を取付ける
だけであるので、既存の設備を改造することが容易に行
え、その設置のためのコストは極めて低減することがで
きる。
【0032】
【具体的実施例】図1および図2に示すように、横吹き
紡糸筒の気体整流装置の上部に、図3に示すように、高
さL1 が200mmの整流装置に金網板を厚さ方向に積層
して用いた。金網板はSWG#26、16メッシュ平織
を使用した。この金網板を用いた気体整流装置(上部気
体整流装置10)の紡出糸条5側の端面は紡出糸条5か
ら10〜20mmまで近付けて設置した。
【0033】この横吹き紡糸筒を用いてポリエチレンテ
レフタレートを溶融温度290℃、紡出速度1700m
/分で溶融紡糸し、75デニール/144フィラメント
の糸条5を得た。この時の結果を表1に示す。
【0034】
【表1】 表1は冷却気体吹出面3から吹出す冷却空気6の風速を
パラメーターとして、風速を20〜35cm/秒の範囲で
5cm/秒ごとに変化させて得られた結果を示している。
なお表中のデニール斑の測定値は、Zellweger
Uster(株)のUSTER TESTER 3を
用い、測定速度400m/分、測定レンジNorma
l、測定長400mの条件で測定した。また、強度、伸
度はZellweger Uster(株)のUSTE
R TENSORAPED 3 を用い、試料長200
mmで測定した。表中、「実施例」は、図1および図2に
示すように、上部気体整流装置(高さL1 が200mmで
16メッシュの金網板を用いたもの)を紡出糸条5に接
近して設けたものであり、「比較例」は気体整流装置の
全面を一様としハニカム(なお、その前面に防塵用金網
を設けている)としたものである。
【0035】これらの結果によれば、冷却気体吹出面か
ら吹出す冷却空気の風速に拘らず、本発明に係る横吹き
紡糸筒(上部気体整流装置に金網板を用い、紡出糸条5
に接近して配置して整流効果を高めたもの)によれば、
気体整流装置全面をハニカムとした場合に比べてデニー
ル斑が何れも減少している。一方、強度および伸度にお
いては若干の変化はあるが極端な差は認められない。
【0036】なお、冷却気体吹出面から吹出す冷却空気
の風速を35cm/秒まで高めた場合には、本発明でも比
較例でもデニール斑が増加している。これは吹出す冷却
空気の風速を過度に高めることにより、冷却空気により
糸の揺れが生じ、このためにデニール斑が生じるものと
考えられる。
【0037】従って、冷却空気の風速を高めて紡出糸条
5を冷却しようとしたときにデニール斑が大きくなって
しまい、対応できない場合には、本発明によれば、十分
に整流した空気を冷却気体吹出面の反対側から導入する
ことにより、吹出す冷却空気と導入した冷却空気との共
働作用によって紡出糸条5を固化点までで十分に冷却す
ることができるため極めて良好なデニール斑の少ない糸
条5を得ることができることが分かった。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、紡糸口金から紡出され
た糸条が固化点に到達するまでに、紡出糸条に随伴する
気流により妨げられることなく、整流された空気を紡出
糸条の近傍まで導入することができ、これにより紡出糸
条の揺れを低減させ、デニール斑のない良好な紡出糸条
を得ることができる。
【0039】更に、本発明では、導入される空気を十分
に整流することにより、上述の効果を一層高められる。
【0040】また本発明によれば、従来の横吹き紡糸筒
の一部を改造することによって極めて良好な装置とする
ことができ、この改造も極めて安価に行うことができ
る。また新たに横吹き紡糸筒を設置する場合も、本発明
によれば、その価額は殆ど高められることなく極めて高
性能な紡糸筒を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る横吹き紡糸筒の断面図である。
【図2】本発明の正面図である。
【図3】本発明に用いる上部気体整流装置の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 紡糸口金 2 空気室 3 冷却気体吹出面 4 下部気体整流装置 5 糸条 6 吹出冷却空気 7 流入冷却空気 8 オイリングノズル 9 冷却空気 10 上部気体整流装置(金網整流板を用いた気体整流
装置) 11 金網整流板を通る流入冷却空気
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅川 勇一郎 愛媛県松山市北吉田町77番地 帝人製機株 式会社松山工場内 Fターム(参考) 4L035 BB54 4L045 AA05 BA03 CA25 DA08 DA23 DA60 DC02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紡出糸条に向って冷却気体を吹出す冷却
    気体吹出面および該吹出面に対向して設けられ外気を整
    流して導入する気体整流装置を具備した溶融紡糸用横吹
    き紡糸筒を用いて紡糸口金からマルチフィラメントを溶
    融紡糸する際に、前記気体整流装置の上部気体整流部の
    紡出マルチフィラメント側端部を該紡出マルチフィラメ
    ント側へ突出させて整流した外気をマルチフィラメント
    へ向けて導入することを特徴とする溶融紡糸方法。
  2. 【請求項2】 紡出糸条に向って冷却気体を吹出す冷却
    気体吹出面および該吹出面に対向して設けられ外気を整
    流して導入する気体整流装置を具備した溶融紡糸用横吹
    き紡糸筒を用いて紡糸口金からマルチフィラメントを溶
    融紡糸する際に、前記気体整流装置の上部気体整流部の
    紡出マルチフィラメント側端部を該紡出マルチフィラメ
    ント側へ突出させるとともに該上部気体整流部から該気
    体整流装置の他の部分よりも一層整流して外気をマルチ
    フィラメントへ向けて導入することを特徴とする溶融紡
    糸方法。
  3. 【請求項3】 紡糸口金から紡出される紡出糸条に向っ
    て冷却気体を吹出す冷却気体吹出面および該吹出面に対
    向して設けられ外気を整流して導入する気体整流装置を
    具備した溶融紡糸用横吹き紡糸筒において、前記気体整
    流装置が上下部から構成され、該上部気体整流装置の紡
    出糸条側端面が下部気体整流装置の紡出糸条側端面より
    も紡出糸条の近傍に位置していることを特徴とする溶融
    紡糸用横吹き紡糸筒。
  4. 【請求項4】 紡糸口金から紡出される紡出糸条に向っ
    て冷却気体を吹出す冷却気体吹出面および該吹出面に対
    向して設けられ外気を整流して導入する気体整流装置を
    具備した溶融紡糸用横吹き紡糸筒において、前記気体整
    流装置が上下部から構成され、上部気体整流装置の紡出
    糸条側端面が下部気体整流装置の紡出糸条側端面よりも
    紡出糸条の近傍に位置するとともに、上部気体整流装置
    の開口度を下部気体整流装置の開口度よりも密にしたこ
    とを特徴とする溶融紡糸用横吹き紡糸筒。
  5. 【請求項5】 前記上部気体整流装置が5〜30メッシ
    ュの金網からなることを特徴とする請求項4に記載の横
    吹き紡糸筒。
  6. 【請求項6】 前記上部気体整流装置が12〜25メッ
    シュの金網からなることを特徴とする請求項4に記載の
    横吹き紡糸筒。
  7. 【請求項7】 前記上部気体整流装置の下端が前記紡糸
    口金から500mm以内にあることを特徴とする請求項3
    〜6の何れか1項に記載の横吹き紡糸筒。
  8. 【請求項8】 前記上部気体整流装置の下端が前記紡糸
    口金から400〜500mmにあることを特徴とする請求
    項3〜6の何れか1項に記載の横吹き紡糸筒。
  9. 【請求項9】 前記上部気体整流装置の高さが150〜
    200mmであることを特徴とする請求項3〜8の何れか
    1項に記載の横吹き紡糸筒。
JP10233263A 1998-08-19 1998-08-19 溶融紡糸方法および溶融紡糸用横吹き紡糸筒 Pending JP2000064115A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10233263A JP2000064115A (ja) 1998-08-19 1998-08-19 溶融紡糸方法および溶融紡糸用横吹き紡糸筒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10233263A JP2000064115A (ja) 1998-08-19 1998-08-19 溶融紡糸方法および溶融紡糸用横吹き紡糸筒

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000064115A true JP2000064115A (ja) 2000-02-29

Family

ID=16952350

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10233263A Pending JP2000064115A (ja) 1998-08-19 1998-08-19 溶融紡糸方法および溶融紡糸用横吹き紡糸筒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000064115A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002084007A1 (fr) * 2001-04-06 2002-10-24 Mitsui Chemicals, Inc. Procede et dispositif servant a produire du textile non tisse
US7384583B2 (en) 2001-04-06 2008-06-10 Mitsui Chemicals, Inc. Production method for making nonwoven fabric
KR20140072747A (ko) * 2012-12-05 2014-06-13 도레이케미칼 주식회사 메타아리미드 제조용 건식방사장치
CN106544741A (zh) * 2015-09-18 2017-03-29 中国石油化工股份有限公司 一种提高超高分子量聚乙烯纤维性能的方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002084007A1 (fr) * 2001-04-06 2002-10-24 Mitsui Chemicals, Inc. Procede et dispositif servant a produire du textile non tisse
CN1304673C (zh) * 2001-04-06 2007-03-14 三井化学株式会社 制造无纺织物的方法和装置
US7384583B2 (en) 2001-04-06 2008-06-10 Mitsui Chemicals, Inc. Production method for making nonwoven fabric
US7780904B2 (en) 2001-04-06 2010-08-24 Mitsui Chemicals, Inc. Method and apparatus for manufacturing nonwoven fabric
US8057205B2 (en) 2001-04-06 2011-11-15 Mitsui Chemicals, Inc. Apparatus for manufacturing nonwoven fabric
KR20140072747A (ko) * 2012-12-05 2014-06-13 도레이케미칼 주식회사 메타아리미드 제조용 건식방사장치
KR101967477B1 (ko) 2012-12-05 2019-04-09 도레이케미칼 주식회사 메타아라미드 제조용 건식방사장치
CN106544741A (zh) * 2015-09-18 2017-03-29 中国石油化工股份有限公司 一种提高超高分子量聚乙烯纤维性能的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2014159649A (ja) 糸条冷却装置
JP2010106393A (ja) マルチフィラメント糸の製造装置および製造方法
JP2010077553A (ja) フィラメント糸の製造装置および方法
JP2007063679A (ja) 糸条冷却装置
JP2000064115A (ja) 溶融紡糸方法および溶融紡糸用横吹き紡糸筒
JP2007284857A (ja) ポリエステルの溶融紡糸方法および溶融紡糸装置
RU2459892C2 (ru) Способ формования волокон
JP2010070887A (ja) 紡糸用冷却装置および溶融紡糸方法
JP2002038328A (ja) 溶融紡糸装置
WO2021193109A1 (ja) 不織布の製造方法
JP2010077570A (ja) 溶融紡糸方法および溶融紡糸装置
JP5332253B2 (ja) フィラメント糸の製造装置および製造方法
JP3554659B2 (ja) 極細マルチフィラメント糸条用紡糸装置
JP3252520B2 (ja) 溶融紡糸装置
JP4148001B2 (ja) 極細マルチフィラメント糸の製造方法および溶融紡糸装置
JP2006104600A (ja) 合成繊維マルチフィラメント糸の製造方法および製造装置
JP2008007874A (ja) ポリエステル繊維の溶融紡糸装置
JPH07109614A (ja) 極細マルチフィラメント糸の溶融紡糸方法及びその装置
KR100305668B1 (ko) 멀티필라멘트 사의 냉각장치
JP2004204431A (ja) 極細繊維の製造方法
JPH03500908A (ja) 巻き取り速度の高い溶融紡糸用装置とその装置により製造されたフィラメント
JP2006225792A (ja) 合成繊維の溶融紡糸装置およびそれを用いた合成繊維溶融紡糸方法
JPH02229210A (ja) ポリエステル繊維の高速紡糸方法
JP3880143B2 (ja) 溶融紡糸繊維の冷却方法
JPS5837959Y2 (ja) 溶融紡糸筒

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20041013