JP2000063838A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JP2000063838A
JP2000063838A JP10231922A JP23192298A JP2000063838A JP 2000063838 A JP2000063838 A JP 2000063838A JP 10231922 A JP10231922 A JP 10231922A JP 23192298 A JP23192298 A JP 23192298A JP 2000063838 A JP2000063838 A JP 2000063838A
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Takeshi Nozaki
剛 野崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 双安定性に優れ、色純度、反射率等の特性が
良好でコントラストが高く、かつ、駆動電圧を低く設定
できる反射型の液晶表示素子を得る。 【解決手段】 ITO電極13,14を形成した基板1
1,12の間に、コレステリック相を示す液晶組成物2
1と柱状構造物20とを挟持した反射型の液晶表示素
子。液晶組成物21は、分子内にフッ素を含有する液晶
性ピリミジン化合物と、分子内にフッ素を含有する液晶
性トラン化合物と、カイラル材とを含み、さらに液晶性
フィニルシクロヘキサン化合物、液晶性シアノビフェニ
ル化合物又は液晶性アルケニル化合物を含んでいてもよ
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子、詳
しくは、室温でコレステリック相を示す液晶を使用した
双安定/反射型の液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術と課題】近年、ネマティック液晶にカイラ
ル材を添加することにより、室温においてコレステリッ
ク相を示すようにしたカイラルネマティック液晶を用い
た反射型の液晶表示素子が種々研究されている。この素
子では高低のパルス電圧の印加によりプレーナ状態とフ
ォーカルコニック状態に切り換えて表示を行う。プレー
ナ及びフォーカルコニックの各状態はパルス電圧印加後
も維持され(これを双安定性又はメモリー性と呼ぶ)、
電圧無印加状態で表示が保たれる。
【0003】しかしながら、今日までカイラルネマティ
ック液晶を使用した反射型の液晶表示素子では、反射率
が低く、プレーナ状態とフォーカルコニック状態とで十
分なコントラストを得ることができておらず、色純度
(刺激純度)等の特性を十分に満足したものは存在して
いなかった。また、この種の液晶表示素子では駆動電圧
を低く設定できることも重要である。
【0004】そこで、本発明の目的は、双安定性に優
れ、色純度、反射率等の特性が良好でコントラストが高
く、かつ、駆動電圧を低く設定できる反射型の液晶表示
素子を提供することにある。
【0005】
【発明の構成、作用及び効果】以上の目的を達成するた
め、本発明は、少なくとも一方が透明な一対の基板間
に、コレステリック相を示す液晶組成物とスペース保持
部材を挟持した液晶表示素子において、前記液晶組成物
として、分子内にフッ素を含有する液晶性ピリミジン化
合物と、分子内にフッ素を含有する液晶性トラン化合物
と、カイラル材とを含むカイラルネマティック液晶組成
物を用いるようにした。液晶組成物には、さらに液晶性
フェニルシクロヘキサン化合物、液晶性シアノビフェニ
ル化合物又は液晶性アルケニル化合物が含まれていても
よい。
【0006】本発明においては、ネマティック液晶成分
として、分子内にフッ素を有する液晶性ピリミジン化合
物と、分子内にフッ素を含有する液晶性トラン化合物と
を含むため、色純度や反射率等の特性が向上してコント
ラストが高くなり、駆動電圧が低下する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る液晶表示素子
の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0008】(第1実施形態の構成と表示動作)図1に
本発明の第1実施形態である液晶表示素子の断面構造を
示す。(A)は高電圧パルスを印加したときのプレーナ
状態(RGB着色状態)を示し、(B)は低電圧パルス
を印加したときのフォーカルコニック状態(透明/黒色
表示状態)を示す。なお、この液晶表示素子はメモリー
性を有しており、プレーナ状態及びフォーカルコニック
状態はパルス電圧印加後も維持される。
【0009】図1において、11,12は透明基板で、
それぞれの表面には透明電極13,14がマトリクス状
に形成されている。電極13上には絶縁性薄膜15がコ
ーティングされていることが好ましい。また、基板12
の裏面には、表示の必要性に応じて、可視光吸収層16
が設けられる。20はスペース保持部材としての柱状構
造物、21は室温でコレステリック相を示す液晶組成物
であり、これらの材料やその組合わせについては以下に
説明を行い、さらに以下の実験例によって具体的に説明
する。24はシール材であり、液晶組成物21を基板1
1,12間に封止するためのものである。25はパルス
電源であり、前記電極13,14にパルス状の所定電圧
を印加する。
【0010】以上の構成からなる液晶表示素子において
は、電源25から電極13,14にパルス電圧を印加す
ることで表示が行われる。即ち、液晶組成物がコレステ
リック相を示すものを用いている場合、比較的高いパル
ス電圧を印加することで、液晶がプレーナ状態となり、
コレステリックピッチと屈折率に基づいて決まる波長の
光を選択的に反射する。比較的低いパルス電圧を印加す
ることで、液晶がフォーカルコニック状態となり、透明
状態となる。なお、図1に示したように、可視光吸収層
16を設けると、フォーカルコニック状態では黒色を表
示することになる。
【0011】本液晶表示素子ではマトリクス状の電極1
3,14が交差する領域が表示画素となる。本明細書で
は、液晶によって光変調が行われる領域を表示領域と称
し、その周辺は光変調が行われない表示領域外となる。
【0012】(基板)基板11,12は少なくとも一方
が透明であることが必要である。透明な基板としては、
ガラス以外に、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホ
ン、ポリエチレンテレフタレート等のフレキシブル基板
等が使用可能である。
【0013】(電極)電極13,14としては、ITO
(Indium Tin Oxide)に代表される透明導電性膜、ア
ルミニウム、シリコン等の金属電極、あるいはアモルフ
ァスシリコン、BSO(Bismuth Silicon Oxide)等
の光導電性膜が使用可能である。電極13,14をマト
リクス状に形成するには、例えば、基板11,12上に
ITO膜をスパッタリング法等で形成した後、フォトリ
ソグラフィ法でパターニングすればよい。
【0014】(絶縁膜、配向膜)絶縁性薄膜15は酸化
シリコン等の無機膜あるいはポリイミド樹脂、エポキシ
樹脂等の有機膜であり、電極13,14間の短絡を防止
したり、ガスバリア層として液晶の信頼性を向上させる
機能を有する。また、電極13,14上には、ポリイミ
ド樹脂に代表される配向膜を必要に応じて配してもよ
い。さらに、柱状構造物20に用いる高分子体と同じ材
料を絶縁膜や配向膜として使用してもよい。
【0015】(スペーサ)図1には図示されないが、基
板11,12間にスペーサを挿入してもよい。このスペ
ーサは樹脂製又は無機酸化物製の球体であり、基板1
1,12間のギャップを均一に保持する。また、柱状構
造物20に代えて、球状スペーサのみをスペース保持部
材として使用してもよい。
【0016】(液晶組成物)液晶組成物は、分子内にフ
ッ素を含有する液晶性ピリミジン化合物と、分子内にフ
ッ素を含有する液晶性トラン化合物とを含み、さらにカ
イラル材を5〜45wt%添加したものである。色素を
添加してもよい。液晶成分としては、さらに液晶性フェ
ニルシクロヘキサン化合物、液晶性シアノビフェニル化
合物又は液晶性アルケニル化合物を加えることも可能で
ある。この液晶組成物は所望の選択反射波長となるよう
に調整される。
【0017】選択反射波長の調整は、カイラル材の添加
量を変化させればよい。一般的には、カイラル材の添加
量を増加させると、選択反射波長が短波長側にシフトす
る。また、選択反射波長とは、前記電極13,14にパ
ルス電圧を印加して液晶がプレーナ状態となったときの
反射光スペクトルの可視光領域におけるピーク波長をい
う。
【0018】ここで、使用可能な分子内にフッ素を含有
する液晶性ピリミジン化合物の一般構造式(A)及び具
体的構造式(A1)〜(A38)を以下に示す。
【0019】
【化1】
【0020】
【化2】
【0021】
【化3】
【0022】
【化4】
【0023】
【化5】
【0024】次に、使用可能な分子内にフッ素を含有す
る液晶性トラン化合物の一般構造式(B)及び具体的構
造式(B1)〜(B45)を以下に示す。
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】
【化9】
【0029】
【化10】
【0030】
【化11】
【0031】
【化12】
【0032】添加されるカイラル材としては、エステル
化合物、ピリミジン化合物、アゾキシ化合物、トラン化
合物等従来知られている各種のカイラル材が使用可能で
ある。特に、以下の化学構造式(F1)〜(F6)に示す
化合物を使用することが好ましい。添加量は、液晶成分
に対して5〜45wt%がよい。5wt%以下では所望
の選択反射波長を実現できない場合を生じ、45wt%
以上では室温でコレステリック相を示さなくなったり固
化したりする場合がある。
【0033】
【化13】
【0034】添加される色素としては、アゾ化合物、キ
ノン化合物、アントラキノン化合物等あるいは2色性色
素等、従来知られている各種の色素が使用可能である。
添加量は、液晶成分とカイラル材の合計量に対して3w
t%以下が好ましい。
【0035】(柱状構造物)柱状構造物20に関して
は、まず、構造面について説明する。柱状構造物20
は、例えば、格子配列等の所定のパターンに一定の間隔
で配列された、円柱状体、四角柱状体、楕円柱状体であ
る。所定間隔で配置されたストライプ状のものでもよ
い。この柱状構造物20はランダムな配列ではなく、等
間隔な配列、間隔が徐々に変化する配列、所定の配置パ
ターンが一定の周期で繰り返される配列等、基板11,
12の間隙を適切に保持でき、かつ、画像表示を妨げな
いように考慮された配列であることが好ましい。柱状構
造物20は表示領域に占める面積割合が1〜40%であ
れば、十分な強度を保持しながら表示素子としての実用
上十分な特性が得られる。
【0036】次に、材料について説明する。柱状構造物
20は重合性単量体(モノマー)に重合開始剤を添加し
てなる重合性組成物を用いて形成される。重合性組成物
としては、例えば、光硬化性モノマー又はオリゴマーと
光重合開始剤とを混合した混合液などからなる市販の光
硬化性樹脂材料を用いることができる。光硬化性樹脂材
料に光照射して重合させ柱状構造物を形成すると、柱状
構造物を所定の形状、間隔で配置するのが容易になる。
柱状構造物を構成する材料として特に好適なものはアク
リル酸エステル化合物を主成分とするものである。アク
リル酸エステルは、2以上のアリル基を有するアクリレ
ート化合物又はメタクリレート化合物であって、アリル
基間の主鎖上には芳香環等の構造が含まれていてもよ
く、その他、主鎖上にはCO、CO2、CH2、O等の2
価の基が含まれていてもよい。また、アクリレート化合
物はエポキシアクリレート化合物、ウレタンアクリレー
ト化合物等も含む。
【0037】次に、柱状構造物20の製作方法について
説明する。まず、ITO電極を形成した基板と所定のパ
ターンが形成されたマスクとの間に、紫外線硬化性化合
物(柱状構造物組成物)を挟持するか、基板の電極面上
に紫外線硬化性化合物を塗布してマスクを被せ、これに
紫外線を照射する。次に、マスクを剥し、所定の溶剤で
未露光部分の化合物を洗浄し、乾燥、硬化させる。
【0038】予め液晶材料と光硬化性樹脂材料とを混合
したものをガラス基板間に挟持したうえで、ガラス基板
にフォトマスクを載せて光照射を行って重合相分離を行
い、柱状構造物を形成することも可能である。液晶表示
素子とするには、柱状構造物を挟持した基板間に液晶組
成物を真空注入法等によって注入すればよい。
【0039】(第2実施形態の構成)図2に本発明の第
2実施形態である液晶表示素子の断面構造(高電圧パル
ス印加時、プレーナ状態)を示す。この液晶表示素子
は、図1に示した前記第1実施形態と基本的に同じもの
であり、表示領域内に柱状構造物を設けないようにした
ものである。図2において、図1と同じ部材には同じ符
号が付されている。
【0040】(第3実施形態の構成)図3に本発明の第
3実施形態である液晶表示素子の断面構造(高電圧パル
ス印加時、プレーナ状態)を示す。この液晶表示素子
は、図2に示した前記第2実施形態のものに、基板1
1,12の間隙の中間部まで延びた小柱状構造物20’
を形成したものである。図3において、図2と同じ部材
には同じ符号が付されている。
【0041】(第4実施形態の構成)本第4実施形態
は、図1に示した液晶表示素子において、柱状構造物2
0をスクリーン印刷法で形成したものである。スクリー
ン印刷法は、所定のパターンが形成されたスクリーンを
基板の電極面上に被せ、該スクリーン上に印刷材料(柱
状構造物組成物)を載せる。そして、スキージを所定の
圧力、角度、速度で移動させる。これにて材料がスクリ
ーンのパターンを介して基板上に転写される。次に、転
写された材料を加熱硬化、乾燥させる。
【0042】スクリーン印刷法で柱状構造物を形成する
場合、樹脂材料は光硬化性樹脂に限られず、エポキシ樹
脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂も使
用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹
脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポ
リメタクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステル
樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレ
ン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニールエー
テル樹脂、ポリビニールケトン樹脂、ポリエーテル樹
脂、ポリビニールピロリドン樹脂、飽和ポリエステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリエーテル樹脂等
が挙げられる。樹脂材料は、樹脂を適当な溶剤に溶解す
るなどしてペースト状にして用いることが望ましい。
【0043】樹脂材料を基板上に配置した後、スペーサ
を少なくとも一方の基板上に散布し、一対の基板を複数
の帯状電極の形成面を対向させて重ね合わせ空セルを形
成する。重ね合わせた一対の基板を両側から加圧しなが
ら加熱することにより樹脂材料を軟化させた後、冷却す
ることにより再びこれを固化させることができる。
【0044】(実験例1)前記化学構造式(A8),
(A12),(A18),(A22),(A23),(A24)及
び以下に示す化学構造式(A51),(A52),(A53
で示される液晶性ピリミジン化合物を49wt%と、前
記化学構造式(B3),(B26)及び以下に示す化学構
造式(B51),(B52)で示される液晶性トラン化合物
を30wt%含むネマティック液晶混合物に、前記化学
構造式(F3)で示されるカイラル材を16.5wt%
及び前記化学構造式(F2)で示されるカイラル材を
8.5wt%混合し、選択反射波長が550nmを示す
カイラルネマティック液晶組成物を調製した。この液晶
組成物は、屈折率異方性Δnが0.230、誘電率異方
性Δεが12.6、等方相への相転移温度TNIが89.
7℃である。
【0045】
【化14】
【0046】
【化15】
【0047】電極を形成したガラス基板間にスペーサを
挟んで間隙を7μmに調整し、前記液晶組成物を挟持し
た。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に黒色
の光吸収層を設け、図2に示す構成の液晶表示素子を作
製した。
【0048】このような液晶表示素子にあっては、電極
間に60Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォ
ーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は1.7
4を示した。さらに、100Vのパルス電圧を5mse
c印加すると、プレーナ状態(緑色状態)を示し、Y値
は22.26を示した。コントラストは12.8、色純
度は68.2%、反射率は39.8%であった。
【0049】なお、Y値(視感反射率)、色純度(刺激
純度)の測定は、白色光源を有する分光側色計CM−3
700d(ミノルタ社製)を用いて行った。以下の実験
例、比較例でも同様である。
【0050】(実験例2)前記化学構造式(A8),
(A18),(A22),(A23),(A24),(A51),
(A52),(A53)で示される液晶性ピリミジン化合物
を49wt%と、前記化学構造式(B3),(B26),
(B51),(B52)及び以下に示す化学構造式(B53
で示される液晶性トラン化合物を35wt%含むネマテ
ィック液晶混合物に、前記化学構造式(F6)で示され
るカイラル材を18.8wt%及び前記化学構造式(F
2)で示されるカイラル材を7.1wt%混合し、選択
反射波長が480nmを示すカイラルネマティック液晶
組成物を調製した。この液晶組成物は、屈折率異方性Δ
nが0.215、誘電率異方性Δεが10.8、等方相
への相転移温度TNIが86.5℃である。
【0051】
【化16】
【0052】電極を形成したガラス基板間にスペーサを
挟んで間隙を7μmに調整し、前記液晶組成物を挟持し
た。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に黒色
の光吸収層を設け、図2に示す構成の液晶表示素子を作
製した。
【0053】このような液晶表示素子にあっては、電極
間に70Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォ
ーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は1.6
1を示した。さらに、100Vのパルス電圧を5mse
c印加すると、プレーナ状態(青色状態)を示し、Y値
は8.68を示した。コントラストは5.39、色純度
は71.0%、反射率は40.2%であった。
【0054】(実験例3)前記化学構造式(A7),
(A14),(A17),(A26),(A27),(A28),
(A38),(A52),(A53)で示される液晶性ピリミ
ジン化合物を49wt%と、前記化学構造式(B3),
(B10),(B26),(B31),(B51),(B52)で
示される液晶性トラン化合物を35wt%含むネマティ
ック液晶混合物に、前記化学構造式(F4)で示される
カイラル材を17.66wt%及び前記化学構造式(F
2)で示されるカイラル材を6.92wt%混合し、さ
らに2色性色素SI−426(三井東圧社製)を0.5
wt%混合し、選択反射波長が695nmを示すカイラ
ルネマティック液晶組成物を調製した。この液晶組成物
は、屈折率異方性Δnが0.208、誘電率異方性Δε
が11.4、等方相への相転移温度TNIが84.3℃で
ある。
【0055】電極を形成したガラス基板間にスペーサを
挟んで間隙を7μmに調整し、前記液晶組成物を挟持し
た。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に黒色
の光吸収層を設け、図2に示す構成の液晶表示素子を作
製した。
【0056】このような液晶表示素子にあっては、電極
間に60Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォ
ーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は0.9
3を示した。さらに、90Vのパルス電圧を5msec
印加すると、プレーナ状態(赤色状態)を示し、Y値は
4.35を示した。コントラストは4.67、色純度は
75.0%、反射率は34.6%であった。
【0057】(実験例4)前記化学構造式(A22),
(A23),(A24)で示される液晶性ピリミジン化合物
を27wt%と、前記化学構造式(B3),(B4),
(B16),(B31)で示される液晶性トラン化合物を3
5wt%と、さらに以下に示す化学構造式(E 1),
(E2),(E3)で示される液晶性アルケニル化合物を
27wt%含むネマティック液晶混合物に、前記化学構
造式(F4)で示されるカイラル材を17.20wt%
及び前記化学構造式(F2)で示されるカイラル材を
7.83wt%混合し、さらに2色性色素SI−426
(三井東圧社製)を0.5wt%混合し、選択反射波長
が690nmを示すカイラルネマティック液晶組成物を
調製した。この液晶組成物は、屈折率異方性Δnが0.
222、誘電率異方性Δεが10.2、等方相への相転
移温度TNIが81.8℃である。
【0058】
【化17】
【0059】電極を形成したガラス基板間にスペーサを
挟んで間隙を7μmに調整し、前記液晶組成物を挟持し
た。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に黒色
の光吸収層を設け、図2に示す構成の液晶表示素子を作
製した。
【0060】このような液晶表示素子にあっては、電極
間に60Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォ
ーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は0.6
2を示した。さらに、90Vのパルス電圧を5msec
印加すると、プレーナ状態(赤色状態)を示し、Y値は
3.49を示した。コントラストは5.63、色純度は
68.0%、反射率は35.6%であった。
【0061】(実験例5)前記化学構造式(A8),
(A12),(A18),(A26),(A27),(A28),
(A52)及び以下に示す化学構造式(A54)で示される
液晶性ピリミジン化合物を49wt%と、前記化学構造
式(B3),(B10),(B26),(B31),
(B51),(B52)で示される液晶性トラン化合物を3
5wt%と、さらに以下の化学構造式(D1),
(D2),(D3)で示される液晶性シアノビフェニル化
合物を5wt%含むネマティック液晶混合物に、前記化
学構造式(F4)で示されるカイラル材を17.53w
t%及び前記化学構造式(F2)で示されるカイラル材
を7.87wt%混合し、選択反射波長が690nmを
示すカイラルネマティック液晶組成物を調製した。この
液晶組成物は、屈折率異方性Δnが0.198、誘電率
異方性Δεが13.0、等方相への相転移温度TNIが8
7.5℃である。
【0062】
【化18】
【0063】
【化19】
【0064】電極を形成したガラス基板間にスペーサを
挟んで間隙を7μmに調整し、前記液晶組成物を挟持し
た。そして、光を入射させる側とは反対側の基板に光吸
収層を設けて図2に示す構成とし、さらに、光の入射側
の基板にカラーフィルタを設け、液晶表示素子を作製し
た。
【0065】このような液晶表示素子にあっては、電極
間に50Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォ
ーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は0.7
5を示した。さらに、100Vのパルス電圧を5mse
c印加すると、プレーナ状態(赤色状態)を示し、Y値
は3.48を示した。コントラストは4.64、色純度
は79.0%、反射率は34.8%であった。
【0066】(実験例6)前記化学構造式(A8),
(A12),(A16),(A18),(A30),(A38),
(A52),(A54)で示される液晶性ピリミジン化合物
を27wt%と、前記化学構造式(B13),(B16),
(B18),(B21),(B31),(B51)及び以下の化
学構造式(B54),(B55),(B56)で示される液晶
性トラン化合物を44.6wt%と、さらに以下の化学
構造式(C1),(C2)で示される液晶性フェニルシク
ロヘキサン化合物を24wt%含むネマティック液晶混
合物に、前記化学構造式(F4)で示されるカイラル材
を13.5wt%及び前記化学構造式(F1)で示され
るカイラル材を11.9wt%混合し、選択反射波長が
690nmを示すカイラルネマティック液晶組成物を調
製した。この液晶組成物は、屈折率異方性Δnが0.2
17、誘電率異方性Δεが7.7、等方相への相転移温
度TNIが121.7℃である。
【0067】
【化20】
【0068】
【化21】
【0069】電極を形成したガラス基板間にスペーサを
挟んで間隙を7μmに調整し、前記液晶組成物を挟持し
た。そして、光を入射させる側とは反対側の基板に光吸
収層を設けて図2に示す構成とし、さらに、光の入射側
の基板にカラーフィルタを設け、液晶表示素子を作製し
た。
【0070】このような液晶表示素子にあっては、電極
間に60Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォ
ーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は0.6
7を示した。さらに、100Vのパルス電圧を5mse
c印加すると、プレーナ状態(赤色状態)を示し、Y値
は3.5を示した。コントラストは5.22、色純度は
74.0%、反射率は35.8%であった。
【0071】(比較例1)前記化学構造式(B24),
(B26),(B28),(B54)及び以下の化学構造式
(B57),(B58),(B59),(B60),(B61)で
示される液晶性トラン化合物を39wt%と、前記化学
構造式(C1)及び以下の化学構造式(C3),(C4
で示される液晶性フェニルシクロヘキサン化合物を50
wt%含み、液晶性ピリミジン化合物を含まないネマテ
ィック液晶混合物に、前記化学構造式(F3)で示され
るカイラル材を18wt%及び前記化学構造式(F2
で示されるカイラル材を3.97wt%混合し、選択反
射波長が550nmを示すカイラルネマティック液晶組
成物を調製した。この液晶組成物は、屈折率異方性Δn
が0.202、誘電率異方性Δεが7.2、等方相への
相転移温度TNIが95℃である。
【0072】
【化22】
【0073】
【化23】
【0074】電極を形成したガラス基板間にスペーサを
挟んで間隙を7μmに調整し、前記液晶組成物を挟持し
た。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に黒色
の光吸収層を設け、図2に示す構成の液晶表示素子を作
製した。
【0075】このような液晶表示素子にあっては、電極
間に80Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォ
ーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は2.8
4を示した。さらに、130Vのパルス電圧を5mse
c印加すると、プレーナ状態(緑色状態)を示し、Y値
は21.9を示した。コントラストは7.77、色純度
は56.6%、反射率は34.2%であった。
【0076】(比較例2)前記化学構造式(A22),
(A23)及び以下の化学構造式(A55),(A56)で示
される液晶性ピリミジン化合物を48wt%と、前記化
学構造式(D1),(D2),(D3)で示される液晶性
シアノビフェニル化合物を34wt%含み、液晶性トラ
ン化合物及び液晶性フェニルシクロヘキサン化合物を含
まないネマティック液晶混合物に、前記化学構造式(F
4)で示されるカイラル材を21.1wt%及び前記化
学構造式(F2)で示されるカイラル材を2.3wt%
混合し、さらに2色性色素SI−426(三井東圧社
製)を0.5wt%混合し、選択反射波長が680nm
を示すカイラルネマティック液晶組成物を調製した。こ
の液晶組成物は、屈折率異方性Δnが0.201、誘電
率異方性Δεが20.9、等方相への相転移温度TNI
78.4℃である。
【0077】
【化24】
【0078】電極を形成したガラス基板間にスペーサを
挟んで間隙を7μmに調整し、前記液晶組成物を挟持し
た。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に黒色
の光吸収層を設け、図2に示す構成の液晶表示素子を作
製した。
【0079】このような液晶表示素子にあっては、電極
間に60Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォ
ーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は2.2
を示した。さらに、110Vのパルス電圧を5msec
印加すると、プレーナ状態(赤色状態)を示し、Y値は
4.54を示した。コントラストは2.06、色純度は
56.0%、反射率は31.5%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶表示素子の第1実施形態を示
す断面図、(A)はプレーナ状態を示し、(B)はフォ
ーカルコニック状態を示す。
【図2】本発明に係る液晶表示素子の第2実施形態を示
す断面図。
【図3】本発明に係る液晶表示素子の第3実施形態を示
す断面図。
【符号の説明】 11,12…基板 13.14…電極 20,20’…柱状構造物 21…液晶組成物 25…電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植田 秀昭 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 Fターム(参考) 2H088 EA02 GA02 GA03 GA17 JA14 4H027 BA02 BD02 BD04 BD17 BD20 BD24 CB01 CB04 CC08 CD04 CD07 CD08 CE04 CJ01 CM01 CM02 CM04 CN01 CN03 CN04 CT08 CU04 DE04 DF01 DF04 DM07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透明な一対の基板内
    に、コレステリック相を示す液晶組成物とスペース保持
    部材を挟持した液晶表示素子において、 前記液晶組成物は、分子内にフッ素を含有する液晶性ピ
    リミジン化合物と、分子内にフッ素を含有する液晶性ト
    ラン化合物と、カイラル材とを含むカイラルネマティッ
    ク液晶組成物である、 ことを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 前記液晶組成物は、さらに、液晶性フェ
    ニルシクロヘキサン化合物を含むことを特徴とする請求
    項1記載の液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 前記液晶組成物は、さらに、液晶性シア
    ノビフェニル化合物を含むことを特徴とする請求項1の
    液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 前記液晶組成物は、さらに、液晶性アル
    ケニル化合物を含むことを特徴とする請求項1記載の液
    晶表示素子。
  5. 【請求項5】 前記液晶組成物は複数種類のカイラル材
    を含むことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3
    又は請求項4記載の液晶表示素子。
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