JP2001164253A - 液晶組成物および液晶表示素子 - Google Patents

液晶組成物および液晶表示素子

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JP2001164253A
JP2001164253A JP2000298853A JP2000298853A JP2001164253A JP 2001164253 A JP2001164253 A JP 2001164253A JP 2000298853 A JP2000298853 A JP 2000298853A JP 2000298853 A JP2000298853 A JP 2000298853A JP 2001164253 A JP2001164253 A JP 2001164253A
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Japan
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crystal composition
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weight
compound
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JP2000298853A
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English (en)
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Masako Iwamatsu
雅子 岩松
Nobuyuki Kobayashi
信幸 小林
Hideaki Ueda
秀昭 植田
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 双安定性に優れ、色純度、反射率等の特性が
良好でコントラストが高く、温度補償範囲が広く且つ駆
動電圧の低い反射型の液晶表示素子を提供する。 【解決手段】 少なくとも一方が透明である一対の基板
とその基板間に、室温でコレステリック相を示す液晶組
成物からなる調光層を挟持してなる液晶表示素子におい
て、液晶組成物を、主成分としてF原子を2つ以上含む
液晶性エステル化合物と、液晶性トラン化合物を含有す
るネマチック液晶と、少なくとも一種のカイラル材を含
むカイラルネマテック液晶とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室温でコレステリ
ック相を示す液晶組成物に関する。また、本発明は、少
なくとも一方が透明である一対の基板間に、室温でコレ
ステリック相を示す液晶組成物を挟持してなる液晶表示
素子に関する。さらに、詳しくは、室温でコレステリッ
ク相を示す液晶組成物による、プレーナ状態とフォーカ
ルコニック状態との2つの準安定状態のスィッチング
(双安定スィッチング)を利用した反射型の液晶表示素
子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ネマチック液晶にカイラル材を添
加することにより、室温においてコレステリック相を示
すようにしたカイラルネマチック液晶を用いた反射型の
液晶表示素子が種々研究されている。
【0003】しかしながら、今日までカイラルネマチッ
ク液晶を使用した反射型の液晶表示素子では、プレーナ
状態での反射率、プレーナ状態とフォーカルコニック状
態とのコントラスト、色純度(刺激純度)等の表示特性
を保ったまま、低電圧で駆動することができていなかっ
た。また、この種の液晶表示素子では、動作可能な温度
範囲(温度補償範囲)を拡大することも重要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、低駆
動電圧化に適した液晶組成物を提供することにある。ま
た、本発明の課題は、駆動電圧の低い反射型の液晶表示
素子を提供することにある。
【0005】本発明の他の課題は、反射率、コントラス
ト、色純度などの表示特性に優れた液晶表示素子及びこ
れに適した液晶組成物を提供することにある。
【0006】本発明のさらに他の課題は、温度補償範囲
の広い液晶表示素子及びこれに適した液晶組成物を提供
することにある。
【0007】本発明者らは、上記課題を達成するため、
前記液晶組成物の組成について種々検討した結果、低駆
動電圧を実現するために誘電率異方性の大きな液晶性エ
ステル化合物、特に末端基にCN基を有していたり、分
子骨格中にF原子を有した極性の大きな成分をもつ液晶
性エステル化合物を含む液晶を用いることが効果的であ
ることを見出した。ただし、液晶性エステル化合物は概
して粘性が大きく応答性の点で不利である。特にカイラ
ル材を10%以上含有する液晶組成物ではさらに粘度が
高くなるという問題がある。また、液晶性エステル化合
物は概して屈折率異方性が小さく、十分なコントラスト
を得ることができない。そこで本発明者らは、このよう
な問題を解決するために、粘度が低くかつ高い屈折率異
方性を持つ液晶性トラン化合物を添加するとよいことを
見出した。液晶性トラン化合物は転移温度も高く温度補
償範囲の拡大にも寄与する。また、液晶性フェニルシク
ロヘキサン化合物は、安定性と著しい低粘性を併せ持
ち、これを添加することで液晶組成物全体の信頼性を改
善できることを見出した。特に、末端にシアノ基を有す
るものは温度補償範囲の拡大にも大きく寄与することが
確認された。以上のような検討によって本発明に至っ
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶組成物は、
(a)F原子を2つ以上含む液晶性エステル化合物と、
液晶性トラン化合物とを含有するネマチック液晶と、
(b)少なくとも一種のカイラル材とを含み、室温でコ
レステリック相を示すことを特徴とする。
【0009】この液晶組成物は、カイラル材をフォーカ
ルコニック構造およびプレーナ構造を形成するのに有効
な量だけネマチック液晶に添加して調製する。
【0010】カイラル材は、ネマチック液晶およびカイ
ラル材の合計の重量に対して10重量%〜45重量%含
むようにするとよい。
【0011】ネマチック液晶は、さらに少なくとも一種
類の液晶性3環化合物を含有していてもよい。液晶性3
環化合物を含むことにより、温度補償範囲の拡大に有利
である。液晶性3環化合物は、末端にシアノ基を有した
ものを使用してもよい。また、分子骨格中に少なくとも
1つF原子を含んだものを使用してもよい。
【0012】液晶性エステル化合物と液晶性トラン化合
物との総含有量は、ネマチック液晶に対して60重量%
以上となるようにしてもよい。
【0013】液晶性エステル化合物はネマチック液晶に
対して少なくとも25重量%含有するようにしてもよ
い。前記液晶性エステル化合物は末端にシアノ基を有す
るものを使用してもよい。
【0014】液晶性トラン化合物はネマチック液晶に対
して少なくとも15重量%含有するようにしてもよい。
液晶性トラン化合物は、分子骨格中に少なくとも1つの
F原子を含むものを用いてもよい。
【0015】液晶組成物の誘電率異方性は、9〜40、
より好ましくは15〜40としてもよい。液晶組成物の
屈折率異方性は、0.10〜0.25、より好ましくは
0.14〜0.22としてもよい。液晶組成物に色素が
含有されていてもよい。液晶組成物の等方相転移温度
(TNI)は78℃以上であることが好ましい。
【0016】調光層に紫外線吸収材が含まれていてもよ
い。
【0017】また、本発明の液晶表示素子は、上記いず
れかの液晶組成物を含む調光層を少なくとも一方が透光
性である一対の基板間に挟持してなる。
【0018】一対の基板上にはそれぞれ電極が設けられ
ていてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る液晶表示素子
の実施形態について、添付図面を参照して説明する。 (第一の実施形態の構成と表示動作)図1に本発明の第
一実施形態である液晶表示素子10Aの断面構造を示
す。(A)は高電圧パルスを印加した時のプレーナ状態
(選択反射による着色状態)を示し、(B)は低電圧パ
ルスを印加した時のフォーカルコニック状態(透明/黒
色表示状態)を示す。なお、この液晶表示素子はメモリ
性を有しており、プレーナ状態およびフォーカルコニッ
ク状態はパルス電圧印加後も維持される。
【0020】図1において、11、12は透明基板で、
それぞれの表面には透明電極13、14がマトリクス状
に形成されている。電極13上には絶縁性薄膜15がコ
ーティングされていることが好ましい。また、基板12
の表面には表示の必要性に応じて、可視光吸収層16が
設けられる。
【0021】20は柱状構造物、21は室温でコレステ
リック相を示す液晶組成物であり、これらの材料やその
組み合せについては以下の実験例において具体的に説明
する。24は、液晶組成物21を基板11、12間に封
じ込めるためのシール材である。25は、パルス電源で
あり、前記電極13、14間にパルス状の所定電圧を印
加する。
【0022】以上の構成からなる液晶表示素子において
は、電源25から電極13、14にパルス電圧を印加す
ることで表示が行われる。すなわち、液晶組成物として
コレステリック相を示すものを用いている場合、比較的
高いパルス電圧を印加するとで、液晶がプレーナ状態と
なり、コレステリックピッチと屈折率に基づいて決まる
波長の光を選択的に反射する。比較的低いパルス電圧を
印加することで、液晶がフォーカルコニック状態となり
透明状態となる。なお、図1に示したように、可視光吸
収層16を設けると、フォーカルコニック状態では黒色
を表示することになる。
【0023】本液晶表示素子では、マトリックス状の電
極13、14が交差する領域が表示画素となる。本明細
書では、液晶によって光変調が行われる領域を表示領域
と称し、その周辺は光変調が行われない表示領域外とな
る。
【0024】(基板)基板11、12は少なくとも一方
が透明であることが必要である。透明な基板としては、
ガラス以外に、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホ
ン、ポリエチレンテレフタレート等のフレキシブル基板
等が使用可能である。
【0025】(電極)電極13、14としては、ITO
(Indium Tin Oxide)に代表される透明電性膜、アル
ミニウム、シリコン等の金属電極、あるいはアモルファ
スシリコン、BSO(Bismuth Silicon Oxide)等の
光導電性膜が使用可能である。電極13、14をマトリ
ックス状に形成するには、例えば、基板11、12上に
ITO膜をスパッタリング法等で形成した後、フォトリ
ソグラフィ法でパターニングすればよい。さらに、スイ
ッチング素子として複数のTFTを用いてもよい。 (絶縁膜、配向膜)絶縁性薄膜15は酸化シリコン等の
無機膜あるいはポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等の有機
膜であり、電極13、14の短絡を防止したり、ガスバ
リア層として液晶の信頼性を向上させる機能を有する。
また、電極13、14上にはポリイミド樹脂に代表され
る配向膜を必要に応じて配してもよい。さらに、柱状構
造物20に用いる高分子体と同じ材料を絶縁膜や配向膜
として使用してもよい。 (スペーサ)図1には図示されないが、基板11、12
間にスペーサを挿入してもよい。このスペーサは樹脂製
又は無機酸化物製の球体であり、基板11、12間のギ
ャップを均一に保持する。
【0026】(液晶組成物)液晶組成物は、F原子を少
なくと2つ以上含む液晶性エステル化合物と、液晶性ト
ラン化合物を含み、さらに、カイラル材を含有した、室
温でコレステリック相を示すカイラルネマチック液晶か
らなる。液晶組成物に、色素または/かつ紫外線吸収剤
を添加してもよい。さらに、液晶性3環化合物を含んで
いてもよい。
【0027】フッ素を2つ以上含有する液晶性エステル
化合物は、さらにCN基を有していることが好ましく、
含有量は25重量%以上であることが好ましい。液晶性
トラン化合物は5重量%以上含有されていることが好ま
しい。さらに、液晶性エステル化合物および液晶性トラ
ン化合物が合わせて60重量%含有されていることが好
ましい。
【0028】液晶組成物は所望の選択反射波長となるよ
うに調製される。選択反射波長の調整は、例えば、カイ
ラル材の添加量を変化させればよい。一般的には、カイ
ラル材の添加量を増加させると、選択反射波長が短波長
側にシフトする。また、選択反射波長とは、前記電極1
3、14にパルス電圧を印加して液晶がプレーナ状態に
なった時の反射光スペクトルの可視光領域におけるピー
ク波長をいう。
【0029】ここで、使用可能な液晶性エステル化合物
の一般式(A)、(A’)および具体例(A1)〜(A
76)、(A’1)〜(A’30)を以下に示す。
【0030】
【化1】
【0031】ただし、R1は、炭素数1〜10のアルキ
ル基、アルコキシル基、または、アルケニル基を表す。
R2は、炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシル
基、もしくは、アルケニル基、シアノ基、または、F原
子を表す。A、Bは互いに独立して、1、4フェニレン
基または1、4シクロヘキシレン基を表す。l,m,n
は、それぞれ独立して、0〜4の整数であり且つl+m
+n≧2(R2がF原子以外の場合)、l+m+n≧1
(R2がF原子の場合)の整数を表す。
【0032】
【化2】
【0033】
【化3】
【0034】
【化4】
【0035】
【化5】
【0036】
【化6】
【0037】
【化7】
【0038】
【化8】
【0039】
【化9】
【0040】
【化10】
【0041】
【化11】
【0042】
【化12】
【0043】液晶性エステル化合物は、末端にシアノ基
を有するものを用いることが望ましい。また、液晶組成
物の構成材料となるネマチック液晶混合物中に、液晶性
エステル化合物が25重量%以上含有されていることが
望ましく、より好ましくは30重量%以上、さらに好ま
しくは40重量%以上とする。液晶性エステル化合物の
含有量の上限は70重量%、より好ましくは60重量%
とする。
【0044】次に、使用可能な液晶性トラン化合物の一
般式(B)および具体例(B1)〜(B75)を以下に示
す。
【0045】
【化13】
【0046】ただし、R3は、炭素数1〜8のアルキル
基または、アルコキシル基またはアルケニル基を表す。
R4は、炭素数1〜8のアルキル基または、アルコキシ
ル基またはアルケニル基またはF原子を表す。B、D
は、フェニレン基またはシクロヘキシル基または、単結
合を表す。
【0047】
【化14】
【0048】
【化15】
【0049】
【化16】
【0050】
【化17】
【0051】
【化18】
【0052】
【化19】
【0053】
【化20】
【0054】液晶性トラン化合物は、末端にフッ素原子
を有するものも含まれることが望ましい。また、液晶組
成物の構成材料となるネマチック液晶中に、液晶性トラ
ン化合物が15重量%以上含有されていることが望まし
く、さらに好ましくは20重量%以上とする。液晶性ト
ラン化合物の含有量の上限は60重量%、より好ましく
は、50重量%とする。
【0055】また、液晶性エステル化合物と液晶性トラ
ン化合物の総含量がネマチック液晶混合物の組成の60
重量%以上であることが好ましい。
【0056】さらに、動作可能な温度範囲(温度補償範
囲)の拡大のために液晶性3環化合物を含有することが
望ましい。液晶性3環化合物は、さらにCN基やF原子
などを有すると、液晶組成物の誘電率異方性の増大に寄
与することができる。
【0057】次に、使用可能な液晶性3環化合物の具体
例(C1)〜(C20)を以下に示す。
【0058】
【化21】
【0059】
【化22】
【0060】ネマチック液晶には、その他の液晶性化合
物が含まれていてもよい。例えば、液晶性フェニルシク
ロヘキシル化合物や極性基をもたない液晶性多環化合物
を含有していてもよい。
【0061】カイラル材料は、例えばビフェニル化合
物、ターフェニル化合物、エステル化合物、ピリミジン
化合物、アゾキシ化合物などでネマチック液晶分子に層
状のヘリカル構造(液晶分子の螺旋構造に沿って液晶分
子が360°回転した分子構造)を有するものが使用で
きる。化合物の末端基に光学活性基を有する市販のカイ
ラル材料S811,1CE2,CB15、R1011
(いずれもメルク社製)等を用いることができる。ま
た、コレステリックノナノレートに代表されるコレステ
リック環を有するコレステリック液晶も使用できる。以
下にその具体例(D1)〜(D6)を示す。カイラル材
の添加量は、ネマチック液晶およびカイラル材の合計の
重量を基準として、約10重量%〜約45重量%がよ
い。10重量%未満では、所望の選択反射波長を実現で
きない場合を生じ、また、45重量%を超えると、室温
でコレステリック相を示さなくなったり、固化したりす
る場合がある。
【0062】
【化23】
【0063】色素としては、アゾ化合物、キノン化合
物、アントラキノン化合物等、あるいは、2色性色素
等、従来知られている各種の色素が使用可能である。添
加量は、ネマチック液晶とカイラル材の合計の重量に対
し、5重量%以下、好ましくは3重量%以下である。
【0064】紫外線吸収剤は、液晶組成物の紫外線劣
化、例えば経時に伴なう退色や応答性の変化等を防止す
るものである。ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾ
ール化合物、サリシレート化合物等の材料が使用可能で
ある。添加量は、ネマチック液晶とカイラル材の合計の
重量に対し、5重量%以下、好ましくは3重量%以下で
ある。
【0065】液晶組成物は、室温でコレステリック相を
示し、その屈折率異方性が0.10〜0.25であるこ
とが好ましく、より好ましくは0.14〜0.22であ
る。液晶組成物の屈折率異方性が小さすぎると散乱成分
が少なくなり、プレーナ状態での着色が弱くなりかつ、
十分な反射率も得られなくなるおそれがある。また、逆
に屈折率異方性が大きすぎると、散乱成分が多くなりす
ぎてフォーカルコニック状態での透明/黒表示状態が悪
くなり(透明がでない)表示性能が低下するおそれがあ
る。したがって、透明状態、着色状態ともに良好な表示
品質を確保し、十分なコントラストを得るために屈折率
異方性が上記範囲にあることが望ましい。
【0066】また、液晶組成物の誘電率異方性は少なく
とも9以上であることが望ましく、15以上あればなお
よい。上限値は40、望ましくは30以下である。誘電
率異方性が大きすぎると長期信頼性に問題が生じるおそ
れがある。また、誘電率異方性が9未満であると駆動電
圧が高くなりすぎるおそれがある。 (柱状構造物)柱状構造物20に関しては、まず構造面
について説明する。柱状構造物20は、例えば、格子配
列等の所定のパターンに一定の間隔で配列された、円柱
状体、四角柱状体、楕円柱状体である。所定間隔で配置
されたストライプ状のものでもよい。この柱状構造物2
0はランダムな配列ではなく、等間隔な配列、間隔が徐
々に変化する配列、所定の配置パターンが、一定の周期
で繰り返される配列等、基板11、12の間隙を適切に
保持でき、かつ、画像表示を妨げないように考慮された
配列であることが好ましい。
【0067】次に形成方法であるが、柱状構造物は従来
公知の各種の方法により形成すればよい。例えば、光硬
化性樹脂材料を基板に塗布した後、所望のパターンの開
口が形成されたマスクを介して所定波長の光を照射する
ことにより、光硬化性樹脂材料を重合させ、不要部分を
取り除く方法や、樹脂材料をスクリーン印刷法で、転
写、硬化、乾燥する方法、液晶組成物と光硬化性樹脂材
料との混合物を一方の基板に塗布した後、他方の基板を
重ねて、所望のパターンの開口が形成されたマスクを介
して所定波長の光を照射することにより光硬化性樹脂材
料を重合させ上記混合物から相分離することにより、樹
脂構造物を形成する方法などが挙げられる。
【0068】液晶表示素子とするには、柱状構造物を挟
持した基板間に液晶組成物を真空注入法等によって注入
すればよい。 (第2実施形態の構成)図2に本発明の第2の実施形態
である液晶表示素子10Bの断面構造を示す。(A)は
高電圧パルスを印加した時のプレーナ状態(着色状態)
を示し、(B)は低電圧パルスを印加したときのフォー
カルコニック状態(透明/黒色表示状態)を示す。これ
ら2種類の状態は前記第1実施形態と同様に電圧電圧印
加後も維持される。
【0069】この液晶表示素子は、カイラルネマティッ
ク液晶組成物21と3次元的な網目状の樹脂ネットワー
ク23からなる複合膜22を形成した樹脂ネットワーク
型である。複合膜22は、液晶組成物と光重合開始剤を
添加した樹脂材料とを所定の割合でよく混合した後、紫
外線を照射して樹脂材料を重合させて製作する。液晶組
成物21は前記第1実施形態で説明したカイラルネマテ
ィック液晶組成物21と同じ材料を使用することができ
る。他の部材は前記第1実施形態と同様であり、図1と
同じ符号が付されている。 (第3の実施形態の構成)図3に本発明の第3実施形態
である液晶表示素子10Cの断面構造(高電圧パルス印
加時、プレーナ状態)を示す。この液晶表示素子は、図
1に示した前記第1実施形態と基本的に同じものであ
り、表示領域内に柱状構造物を設けないようにしたもの
である。図3において、図1と同じ部材には同じ符号が
付されている。 (第4の実施形態の構成)図4に本発明の第4実施形態
である液晶表示素子10Dの断面構造(高電圧パルス印
加時、プレーナ状態)を示す。この液晶表示素子は、図
3に示した前記第3実施形態のものに、基板11、12
の間隙の中間部まで延びた小柱状構造物20’を形成し
たものである。図4において、図1、図3と同じ部材に
は同じ符号が付されている。 (第5の実施形態の構成)本第5実施形態は、図1に示
した液晶表示素子において、柱状構造物をスクリーン印
刷法で形成したものである。スクリーン印刷法は、所定
のパターンが形成されたスクリーンを基板の電極面上に
被せ、該スクリーン上に印刷材料(柱状構造物組成物)
を載せる。そしてスキージを所定の圧力、速度で移動さ
せる。これによって、材料がスクリーンのパターンを介
して基板上に転写される。次に、転写された材料を加熱
硬化、乾燥させる。
【0070】スクリーン印刷法では柱状構造物を形成す
る場合、樹脂材料は光硬化性樹脂に限られず、エポキシ
樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂も
使用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹
脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポ
リメタクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステル
樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレ
ン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニールエー
テル樹脂、ポリビニールケトン樹脂、ポリエーテル樹
脂、ポリビニールプロリドン樹脂、飽和ポリエステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリエーテル樹脂等
が挙げられる。樹脂材料は、樹脂を適当な溶剤に溶解す
るなどして、ペースト状にして用いることが望ましい。
【0071】樹脂材料を基板上に配置した後、スペーサ
を少なくとも一方の基板上に散布し、一対の基板を複数
の帯状電極の形成面を対向させて重ね合わせ空セルを形
成する。重ね合わせた一対の基板を両側から加圧しなが
ら加熱することにより、樹脂材料を軟化させた後、冷却
することにより再びこれを固化させることができる。
【0072】複数の液晶層を積層してもよい。例えば、
青色・緑色・赤色をそれぞれ表示する3つの液晶層を積
層し、最背面に光吸収層を設けることにより、フルカラ
ー表示を行うことができる。この場合、各液晶層は上下
基板ともに上記いずれかの形態に準じた素子構成をとる
ことができる。隣り合う2つの液晶層間の基板は1枚だ
けであってもよい。
【0073】以下、具体的な実験例について説明する。 (実験例1)前記構造式(A7)、(A10)、(A1
3)、(A’7)、(A’10)で示される液晶性エス
テル化合物を45重量%と、前記構造式(B3)、(B
9)、(B12)、(B54)、(B65)で示される
液晶性トラン化合物を18重量%含有するネマチック液
晶混合物に、前記構造式(D3)で示されるカイラル材
16.5重量%を混合し、選択反射波長が550nmを
示すカイラルネマチック液晶組成物を調製した。この液
晶組成物は、屈折率異方性Δnが0.154、誘電率異
方性Δεが18.8、等方相への相転移点TNIが78.
5℃である。
【0074】電極を形成したガラス基板間にスペーサを
挟んで間隙を7μmに調整し、前記液晶組成物を挟持し
た。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に黒色
の光吸収層を設け、図3に示す構成の液晶表示素子を作
製した。
【0075】このような液晶表示素子にあっては、電極
間に30Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォ
ーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は2.0
1を示した。さらに、50Vのパルス電圧を5msec
印加すると、プレーナ状態(緑色着色状態)を示し、Y
値は18.2を示した。コントラストは、9.05、プ
レーナ状態での色純度は60.5%、プレーナ状態での
反射率は31.6%であった。
【0076】なお、Y値(視感反射率)および色純度
(刺激純度)の測定は、白色光源を有する分光光測色計
CM3700d(ミノルタ社製)を用いて行った。以下
の実験例および比較例でも同様である。 (実験例2)前記構造式(A7)、(A10)、(A1
3)、(A’7)、(A’10)で示される液晶性エス
テル化合物を42重量%と、前記構造式(B3)、(B
9)、(B12)、(B54)、(B55)、(B6
3)、(B65)で示される液晶性トラン化合物を28
重量%含有するネマチック液晶混合物に、前記構造式
(D3)で示されるカイラル材13.7重量%を混合
し、選択反射波長が680nmを示すカイラルネマチッ
ク液晶組成物を調製した。この液晶組成物は、Δnが
0.188、Δεが20.8、TNIが84.5℃であ
る。
【0077】電極を形成したガラス基板間にスペーサを
挟んで間隙を9μmに調整し、前記液晶組成物を挟持し
た。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に黒色
の光吸収層を設け、図3に示す構成の液晶表示素子を作
製した。
【0078】このような液晶表示素子にあっては、電極
間に35Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォ
ーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は1.3
5を示した。さらに、55Vのパルス電圧を5msec
印加すると、プレーナ状態(赤色着色状態)を示し、Y
値は6.25を示した。コントラストは4.63、プレ
ーナ状態での色純度は60.5%、プレーナ状態での反
射率は32.5%であった。 (実験例3)前記構造式(A7)、(A10)、(A’
7)で示される液晶性エステル化合物を40重量%と、
前記構造式(B12)、(B54)、(B55)、(B
63)、(B64)、(B65)で示される液晶性トラ
ン化合物を32重量%含有するネマチック液晶混合物
に、前記構造式(D6)で示されるカイラル材21.4
重量%を混合し、選択反射波長が490nmを示すカイ
ラルネマチック液晶組成物を調製した。この液晶組成物
は、Δnが0.205、Δεが17.5、TNIが78.
9である。
【0079】電極を形成したガラス基板間にスペーサを
挟んで間隙を5μmに調整し、前記液晶組成物を挟持し
た。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に黒色
の光吸収層を設け、図3に示す構成の液晶表示素子を作
製した。
【0080】このような液晶表示素子にあっては、電極
間に20Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォ
ーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は1.8
5を示したさらに、40Vのパルス電圧を5msec印
加すると、プレーナ状態(青色着色状態)を示し、Y値
は7.97を示した。コントラストは4.30、プレー
ナ状態での色純度は65.1%、プレーナ状態での反射
率は31.3%であった。 (実験例4)前記構造式(A7)、(A10)、(A’
7)で示される液晶性エステル化合物を40重量%と、
前記構造式(B12)、(B54)、(B55)、(B
63)、(B64)、(B65)で示される液晶性トラ
ン化合物を32重量%含有するネマチック液晶混合物
に、前記構造式(D1)で示されるカイラル材19.4
重量%を混合し、さらに2色性色素SI−426(三井
化学社製)を0.5重量%混合し、選択反射波長が69
0nmを示すカイラルネマチック液晶組成物を調製し
た。この液晶組成物は、Δnが0.215、Δεが1
5.4、TNIが79.5℃である。
【0081】前記液晶組成物と重合開始剤を5%混合し
た紫外線硬化型モノマーR684(日本化薬社製)を、
3:7で混合し、電極を形成し9μmのスペーサを噴霧
したガラス基板間に挟持し間隙を保持しながら紫外線照
射した。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に
黒色の光吸収層を設け、図2に示す構成の液晶表示素子
を作製した。
【0082】このような液晶表示素子にあっては、電極
間に45Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォ
ーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は1.2
5を示した。さらに、75Vのパルス電圧を5msec
印加すると、プレーナ状態(赤色着色状態)を示し、Y
値は6.22を示した。コントラストは4.98、プレ
ーナ状態での色純度は76.2%、プレーナ状態での反
射率は33.6%であった。 (実験例5)前記構造式(A7)、(A10)、(A1
3)、(A’7)、(A’10)で示される液晶性エス
テル化合物を42重量%と、前記構造式(B3)、(B
9)、(B12)、(B54)、(B55)、(B6
3)、(B65)で示される液晶性トラン化合物を28
重量%含有するネマチック液晶混合物に、前記構造式
(D6)で示されるカイラル材20.5重量%を混合
し、さらに色素Kayaset yellow GN(日本化薬社製)を
0.3%添加し、選択反射波長が550nmを示すカイ
ラルネマチック液晶組成物を調製した。この液晶組成物
は、Δnが0.172、Δεが12.9、TNIが83.
2℃である。
【0083】前記液晶組成物と重合開始剤を5%混合し
た紫外線硬化型モノマーR684(日本化薬製)を、
3:7で混合し、電極を形成し7μmのスペーサを噴霧
したガラス基板間に挟持し間隙を保持しながら紫外線照
射した。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に
黒色の光吸収層を設け、図2に示す構成の液晶表示素子
を作製した。
【0084】このような液晶表示素子にあっては、電極
間に40Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォ
ーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は2.0
5を示した。さらに、65Vのパルス電圧を5msec
印加すると、プレーナ状態(緑色着色状態)を示し、Y
値は20.8を示した。コントラストは10.0、プレ
ーナ状態での色純度は76.6.%、プレーナ状態での
反射率は32.5%であった。 (実験例6)前記構造式(A25)、(A27)、
(A’2)、(A’3)、(A’5)で示される液晶性
エステル化合物を38重量%と、前記構造式(B3)、
(B9)、(B12)、(B55)、(B63)、(B
65)で示される液晶性トラン化合物を26重量%含有
するネマチック液晶混合物に、前記構造式(D6)で示
されるカイラル材25.4重量%を混合し、さらに紫外
線吸収剤MBT−175(日本化薬製)を0.5重量%
添加し、選択反射波長が475nmを示すカイラルネマ
チック液晶組成物を調製した。この液晶組成物は、Δn
が0.145、Δεが19.8、TNIが81.1℃であ
る。
【0085】電極を形成したガラス基板間にスペーサを
挟んで間隙を5μmに調整し、前記液晶組成物を挟持し
た。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に黒色
の光吸収層を設け、図3に示す構成の液晶表示素子を作
製した。
【0086】このような液晶表示素子にあっては、電極
間に25Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォ
ーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は1.3
5を示した。さらに、40Vのパルス電圧を5msec
印加すると、プレーナ状態(青色着色状態)を示し、Y
値は7.04を示した。コントラストは5.21、プレ
ーナ状態での色純度は68.2%、プレーナ状態での反
射率は30.2%であった。 (実験例7)前記構造式(A7)、(A10)、(A1
3)、(A’7)、(A’10)で示される液晶性エス
テル化合物を42重量%と、前記構造式(B3)、(B
9)、(B12)、(B54)、(B55)、(B6
3)、(B65)で示される液晶性トラン化合物を28
重量%含有するネマチック液晶混合物、及び前記構造式
(C2)、(C3)、(C4)で示される液晶性3環化
合物を7重量%含有するネマチック液晶混合物に、前記
構造式(D3)で示されるカイラル材17.5重量%を
混合し、選択反射波長が550nmを示すカイラルネマ
チック液晶組成物を調製した。この液晶組成物は、Δn
が0.208、Δεが22.6、TNIが82.1℃であ
る。
【0087】電極を形成したガラス基板間にスペーサを
挟んで間隙を7μmに調整し、前記液晶組成物を挟持し
た。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に黒色
の光吸収層を設け、図3に示す構成の液晶表示素子を作
製した。このような液晶表示素子にあっては、電極間に
20Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォーカ
ルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は2.28を
示した。さらに、40Vのパルス電圧を5msec印加
すると、プレーナ状態(緑色着色状態)を示し、Y値は
22.1を示した。コントラストは9.69、プレーナ
状態での色純度は62.3%、プレーナ状態での反射率
は33.2%であった。 (実験例8)前記構造式(A7)、(A10)、(A’
10)で示される液晶性エステル化合物を25重量%
と、前記構造式(B3)、(B9)、(B12)、(B
42),(B43),(B54)、(B65)で示され
る液晶性トラン化合物を48重量%含有するネマチック
液晶混合物に、前記構造式(D3)で示されるカイラル
材19.5重量%を混合し、選択反射波長が550nm
を示すカイラルネマチック液晶組成物を調製した。この
液晶組成物はΔnが0.189、Δεが9.8、TNI
82.5℃である。
【0088】電極を形成したガラス基板間にスペーサを
挟んで間隙を7μmに調整し、前記液晶組成物を挟持し
た。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に黒色
の光吸収層を設け、図3に示す構成の液晶表示素子を作
製した。
【0089】このような液晶表示素子にあっては、電極
間に50Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォ
ーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は2.4
4を示した。さらに、80Vのパルス電圧を5msec
印加すると、プレーナ状態(緑色着色状態)を示し、Y
値は21.2を示した。コントラストは8.69、プレ
ーナ状態での色純度は45.5%、プレーナ状態での反
射率は30.6%であった。 (実験例9)前記構造式(A7)、(A8)、(A1
0)、(A13)、(A25)、(A28)で示される
液晶性エステル化合物を45重量%と、前記構造式(B
3)、(B9)、(B12)、(B54)、(B5
5)、(B63)、(B65)で示される液晶性トラン
化合物を25重量%含有するネマチック液晶混合物に、
前記構造式(D3)で示されるカイラル材料41.5重
量%を混合し、選択反射波長が475nmを示すカイラ
ルネマチック液晶組成物を調製した。
【0090】この液晶組成物は、Δnが0.178、Δ
εが14.3、TNIが78.3℃である。
【0091】電極を形成したポリエーテルスルホン基板
間にスペーサを挟んで間隙を5μmに調整し、前記液晶
組成物を挟持した。さらに、光を入射させる側とは反対
側の基板に黒色の光吸収層を設け、図3に示す構成の液
晶表示素子を作製した。
【0092】このような液晶表示素子にあっては、電極
間に20Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォ
ーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は1.2
7を示した。さらに、40Vのパルス電圧を5msec
印加すると、プレーナ状態(青色着色状態)を示し、Y
値は7.95を示した。コントラストは6.26、プレ
ーナ状態での色純度は67.9%、プレーナ状態での反
射率は30.5%であった。 (実験例10)前記構造式(A7)、(A8)、(A1
0)、(A13)、(A25)、(A28)、(A6
1)、(A63)、(A69)、(A71)、(A7
3)、(A’5)で示される液晶性エステル化合物を4
5重量%と、前記構造式(B3)、(B9)、(B1
2)、(B42)、(B54)、(B65)で示される
液晶性トラン化合物を20重量%含有するネマチック液
晶混合物に、前記構造式(D2)で示されるカイラル材
料7.3重量%と前記構造式(D3)で示されるカイラ
ル材料5.5重量%を混合し、選択反射波長が680n
mを示すカイラルネマチック液晶組成物を調製した。
【0093】この液晶組成物は、Δnが0.165、Δ
εが28.6、TNIが81.4℃である。
【0094】電極を形成したポリエーテルスルホン基板
間にスペーサを挟んで間隙を5μmに調整し、前記液晶
組成物を挟持した。さらに、光を入射させる側とは反対
側の基板に黒色の光吸収層を設け、図3に示す構成の液
晶表示素子を作製した。
【0095】このような液晶表示素子にあっては、電極
間に20Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォ
ーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は1.2
8を示した。さらに、40Vのパルス電圧を5msec
印加すると、プレーナ状態(赤色着色状態)を示し、Y
値は6.92を示した。コントラストは5.41、プレ
ーナ状態での色純度は62.5%、プレーナ状態での反
射率は32.5%であった。 (比較例1)前記構造式(B12)、(B13)、(B
14)、(B15)、(B18)で示される液晶性トラ
ン化合物を45重量%含有し、前記構造式(C18)、
(C19)、及び下記構造式(C1’)、(C2’)、
(C3’)で示される液晶性3環化合物を25重量%含
有し、液晶性エステル化合物を含有しないネマチック液
晶混合物に、前記構造式(D1)で示されるカイラル材
15.6重量%を混合し、さらに2色性色素SI−42
6(三井化学製)を0.5重量%混合し、選択反射波長
が690nmを示すカイラルネマチック液晶組成物を調
製した。この液晶組成物はΔnが0.174、Δεが
5.8、TNIが75.1℃である。
【0096】
【化24】
【0097】電極を形成したガラス基板間にスペーサを
挟んで間隙を9μmに調整し、前記液晶組成物を挟持し
た。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に黒色
の光吸収層を設け、図3に示す構成の液晶表示素子を作
製した。
【0098】このような液晶表示素子にあっては、電極
間に60Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォ
ーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は1.9
5を示した。さらに、110Vのパルス電圧を5mse
c印加すると、プレーナ状態(赤色着色状態)を示し、
Y値は5.86を示した。コントラストは3.01、プ
レーナ状態での色純度は67.4%、プレーナ状態での
反射率は34.0%であった。 (比較例2)前記構造式(B12)、(B13)、(B
14)、(B15)、(B18)で示される液晶性トラ
ン化合物を45重量%含有し、前記構造式(C18)、
(C19)および、前記構造式(C’1)、(C’
2)、(C’3)で示される液晶性3環化合物を25重
量%含有し、液晶性エステル化合物を含有しないネマチ
ック液晶混合物に、前記構造式(D6)で示されるカイ
ラル材19.5重量%を混合し、選択反射波長が550
nmを示すカイラルネマチック液晶組成物を調製した。
この液晶組成物はΔnが0.168、Δεが7.4、T
NIが73.6℃である。
【0099】電極を形成したガラス基板間にスペーサを
挟んで間隙を7μmに調整し、前記液晶組成物を挟持し
た。さらに、光を入射させる側とは反対側の基板に黒色
の光吸収層を設け、図3に示す構成の液晶表示素子を作
製した。
【0100】このような液晶表示素子にあっては、電極
間に70Vのパルス電圧を5msec印加すると、フォ
ーカルコニック状態(透明状態)を示し、Y値は3.7
8を示した。さらに、120Vのパルス電圧を5mse
c印加すると、プレーナ状態(緑色着色状態)を示し、
Y値は22.6を示した。コントラストは5.98、プ
レーナ状態での色純度は63.4%、プレーナ状態での
反射率は33.0%であった。 (比較例3)前記構造式(A5)、(A11)、(A1
3)、(A’7)、(A’10)、および以下の構造式
(A’’1)、(A’’2)、(A’’3)、(A’’
4)で示される液晶性エステル化合物を75重量%含有
し、液晶性トラン化合物を含有しないネマチック液晶混
合物に、前記構造式(D6)で示されるカイラル材2
0.8重量%を混合し、選択反射波長が550nmのカ
イラルネマチック液晶組成物を調製したところ、室温で
コレステリック相を示さなかった(スメクチック相が現
れた)。
【0101】
【化25】
【0102】(温度補償範囲)実験例1〜10及び比較
実験例1、2で作製した各素子について、種々の温度下
における表示特性(コントラスト、色純度、反射率)の
変化を調べたところ、実験例1〜10の素子はいずれも
−30℃〜70℃の温度範囲でほぼ特性が維持されるこ
とが確認できた。これに対して、比較実験例1、2の素
子では、70℃弱の温度から表示特性の劣化が観測され
た。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液晶組成
物は、F原子を2つ以上含む液晶性エステル化合物と、
液晶性トラン化合物を含有するネマチック液晶と、少な
くとも一種のカイラル材を含み、室温でコレステリック
相を示すものとしたので、液晶表示素子に用いた際に低
駆動電圧化を図ることができる。また、液晶表示素子に
用いた際に、双安定性に優れ、色純度、反射率等の特性
が良好でコントラストが高く、しかも、温度補償範囲の
広い素子を得ることができる。
【0104】ネマチック液晶が少なくとも一種類の液晶
性3環化合物を含有することで、温度補償範囲を拡大す
ることができる。
【0105】液晶性エステル化合物と液晶性トラン化合
物との総含有量を、ネマチック液晶に対して60重量%
以上とすることにより、十分な効果を付与することがで
きる。
【0106】ネマチック液晶およびカイラル材の合計の
重量に対して10重量%〜45重量%のカイラル材を含
むことにより、所望の反射を選択反射でき、かつ良好な
双安定性を付与することができる。
【0107】ネマチック液晶は、液晶性エステル化合物
を少なくとも25重量%含有することにより、十分な効
果を付与することができる。
【0108】液晶性エステル化合物として、末端にシア
ノ基を有するものを使用することにより、さらに効果を
高めることができる。
【0109】ネマチック液晶は、液晶性トラン化合物を
少なくとも15重量%含有することにより、十分な効果
を付与することができる。
【0110】液晶性トラン化合物は、分子骨格中に少な
くとも1つのF原子を含むことにより、さらに効果を高
めることができる。
【0111】液晶性3環化合物は、末端にシアノ基を有
していたり、分子骨格中に少なくとも1つF原子を含む
ことにより、液晶組成物の誘電率異方性の増大に寄与す
ることができる。
【0112】液晶組成物の誘電率異方性を9〜40、よ
り好適には、15〜40とすることにより、駆動電圧を
低く保つとともに長期信頼性が保証される。
【0113】液晶組成物の屈折率異方性を0.10〜
0.25、より好適には0.14〜0.22とすること
により、表示品質及びコントラストを良好に保つことが
できる。
【0114】液晶組成物に色素を含むことにより、色純
度を改善することができる。
【0115】紫外線吸収材が含まれていることにより、
液晶組成物の劣化を防止することができる。
【0116】一方、本発明の液晶表示素子は、少なくと
も一方が透明である一対の基板とその基板間に上記液晶
組成物を挟持したので、駆動電圧の低い反射型の液晶表
示素子とすることができる。また、双安定性に優れ、色
純度、反射率等の特性が良好でコントラストが高く、し
かも、温度補償範囲の広い素子とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施形態である液晶表示素子の
断面構造を示す図である。
【図2】 本発明の第2の実施形態である液晶表示素子
の断面構造を示す図である。
【図3】 本発明の第3実施形態である液晶表示素子の
断面構造(プレーナ状態)を示す図である。
【図4】 本発明の第4実施形態である液晶表示素子の
断面構造(プレーナ状態)を示す図である。
【符号の説明】
11、12 透明基板 13、14 透明電極 15 絶縁性薄膜 16 可視光吸収層 20 柱状構造物 21 液晶組成物 24 シール材 25 パルス電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/13 500 G02F 1/13 500 1/139 1/137 505

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)F原子を2つ以上含む液晶性エス
    テル化合物と、液晶性トラン化合物とを含有するネマチ
    ック液晶と、(b)少なくとも一種のカイラル材とを含
    み、室温でコレステリック相を示すことを特徴とする液
    晶組成物。
  2. 【請求項2】 前記ネマチック液晶は、さらに、少なく
    とも一種類の液晶性3環化合物を含有する請求項1の液
    晶組成物。
  3. 【請求項3】 前記液晶性エステル化合物と前記液晶性
    トラン化合物との総含有量が、前記ネマチック液晶に対
    して60重量%以上である請求項1又は2の液晶組成
    物。
  4. 【請求項4】 前記ネマチック液晶および前記カイラル
    材の合計の重量に対して10重量%〜45重量%のカイ
    ラル材を含む請求項1〜3のいずれかに記載の液晶組成
    物。
  5. 【請求項5】 前記ネマチック液晶は、前記液晶性エス
    テル化合物を少なくとも25重量%含有する請求項1〜
    4のいずれかに記載の液晶組成物。
  6. 【請求項6】 前記液晶性エステル化合物は、末端にシ
    アノ基を有する請求項1〜5のいずれかに記載の液晶組
    成物。
  7. 【請求項7】 前記ネマチック液晶は、液晶性トラン化
    合物を少なくとも15重量%含有する請求項1〜6のい
    ずれかに記載の液晶組成物。
  8. 【請求項8】 前記液晶性トラン化合物は、分子骨格中
    に少なくとも1つのF原子を含む請求項1〜7のいずれ
    かに記載の液晶組成物。
  9. 【請求項9】 前記液晶性3環化合物は、末端にシアノ
    基を有する請求項2の液晶組成物。
  10. 【請求項10】 前記液晶性3環化合物は、分子骨格中
    に少なくとも1つF原子を含む請求項2の液晶組成物。
  11. 【請求項11】 誘電率異方性が9〜40である請求項
    1〜10のいずれかに記載の液晶組成物。
  12. 【請求項12】 誘電率異方性が15〜40である請求
    項1〜10のいずれかに記載の液晶組成物。
  13. 【請求項13】 屈折率異方性が0.10〜0.25で
    ある請求項1の液晶組成物。
  14. 【請求項14】 前記液晶組成物の屈折率異方性が0.
    14〜0.22である請求項1〜12のいずれかに記載
    の液晶組成物。
  15. 【請求項15】 等方相転移温度が78℃以上である請
    求項1〜14のいずれかに記載の液晶組成物。
  16. 【請求項16】 さらに色素を含む請求項1〜15のい
    ずれかに記載の液晶組成物。
  17. 【請求項17】 さらに紫外線吸収材が含まれている請
    求項1〜16のいずれかに記載の液晶組成物。
  18. 【請求項18】 請求項1〜17のいずれかに記載の液
    晶組成物を、少なくとも一方が透光性の一対の基板間に
    挟持してなる液晶表示素子。
  19. 【請求項19】 前記一対の基板上にそれぞれ電極が設
    けられている請求項18の液晶表示素子。
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