JP2000063825A - 耐熱・耐候性に優れた高輝度・長残光性アルミン酸塩蓄光体 - Google Patents

耐熱・耐候性に優れた高輝度・長残光性アルミン酸塩蓄光体

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JP2000063825A
JP2000063825A JP10247815A JP24781598A JP2000063825A JP 2000063825 A JP2000063825 A JP 2000063825A JP 10247815 A JP10247815 A JP 10247815A JP 24781598 A JP24781598 A JP 24781598A JP 2000063825 A JP2000063825 A JP 2000063825A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光色を制御できて、飛躍的に高輝度、長残
光性で、耐熱、耐候性に優れたアルミン酸塩蓄光体を提
供する。 【解決手段】 化学組成式が、A2 (Al1-z3/4z
1/4z611(但し、Aは、マグネシウム、カルシウ
ム、ストロンチウム及びバリウムから選択されたアルカ
リ土類金属元素、Dはケイ素またはゲルマニウム、□は
格子欠損を表し、zは0 ≦z<0.05の範囲を満足する数
値)で表わされる単斜晶系もしくは斜方晶系で指数づけ
られるアルミン酸塩を含高輝度・長残光性アルミン酸塩
蓄光体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高輝度・長残光性
を特徴とする耐熱・耐候性に優れた新規なアルミン酸塩
蓄光体に関するものである。更に詳しくは、本発明は、
耐候性に優れ、屋内や屋外、更には水中などの暗所にお
いて、電子線などの高速度粒子エネルギー、X線、紫外
線又は可視光、あるいはそれらの複数による励起によっ
て、高輝度かつ長寿命の残光性を有し、特に輝度と残光
性が飛躍的に向上したアルミン酸塩蓄光体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】蛍光体とは、粒子エネルギー、X線、光
など、何らかの外部刺激によって励起され発光するもの
を指すが、励起を停止した後も引き続き発光を持続する
ことができる残光性(長寿命)の発光体を、ここでは
「蓄光体」と呼ぶ。こうした蓄光体においては、省エネ
ルギーや新エネルギーなどの観点から興味が持たれ、ま
た表示の多様化や高機能化に伴って、多色化や高輝度化
することが期待されている。
【0003】無機蓄光体として、これまでに硫化物とス
トロンチウムアルミン酸塩などの酸化物の発光体が報告
されている。硫化物系蛍光体には、例えば、青色発光の
(Ca,Sr)S:Bi3+蛍光体、黄緑色発光のZn
S:Cu3+蛍光体、赤色発光の(Zn,Cd)S:Cu
蛍光体などが知られている。
【0004】Biを賦活した(Ca,Sr)S蛍光体
は、化学的安定性に乏しいことから、合成における再現
性が低く、輝度及び残光特性も十分でないため実用化に
は至っていない。また、Cuを賦活した(Zn,Cd)
S蛍光体は、毒性物質であるCdを含んでおり、かつ輝
度及び残光特性も十分でないことから、現在ではほとん
ど使用されていない。一方、Cuを賦活したZnS蛍光
体は、空気中(特に高湿度)で紫外線により容易に分解
し、黒化するなどの問題点はあるが、安価である利点を
活かして、現在時計の文字盤や避難誘導標識などとして
屋内で使用されている。
【0005】一方、酸化物系蛍光体には、例えば、ユウ
ロピウムで賦活された化学組成式AAl24 (ここ
で、Aはマグネシウム、カルシウム、ストロンチウムま
たはバリウムからなる)で表わされるカリカスミ石類縁
構造からなるアルミン酸塩があり、これは、Journal of
Electrochemical Society,118巻、6 号、930 頁(1971
年)に詳しく報告されている。
【0006】発光スクリーン用蛍光体の開発を目的とし
て、特開昭58-213080 号では、化学組成式A1-m Eum
Alq1.5q+1(式中のAはストロンチウムもしくは最
大25モル%のカルシウムで置換したストロンチウム、m
及びqは、0.00≦m ≦0.1 および2 ≦q≦5 の範囲の数
値)に相当する組成のアルミン酸塩蛍光体が報告されて
おり、これは斜方晶系(単位格子:a=24.75 Å,b=4.88
Å,c=8.47 Å)からなる結晶である。この蛍光体は、発
光輝度の改善を目的として開発されたものであり、蛍光
寿命のデータから判断すると、実用上の残光性は不十分
である。
【0007】米国特許第5,376,303 号(1994年12月27
日)及び日本特許第2,543,825 号(1996年10月16日)に
は、残光性をもつ酸化物発光体が報告されている。前者
は、一般式AO・a(Al1-bb23 :cLn
(そのうち、a,b,cは、それぞれ、0.5 ≦a≦10.
0、0 <b≦0.5 、0 <c≦0.2 であり、AOは、Mg
o,CaO,SrO及びZnOの群から選ばれる酸化
物、LnはEuのほかにPr,Nd,Dy,Tmの群か
ら選ばれた少なくとも一種類の希土類金属元素)で表せ
るEu2+で賦活されたアルカリ土類アルミン酸塩を開示
している。また、後者には、AAl24 (Aはマグネ
シウム、カルシウム、ストロンチウムまたはバリウム)
で表わされ、Euにより主賦活されたアルカリ土類アル
ミン酸塩が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、SrO
−Al23 系において生成する単斜晶系ならびに斜方
晶系のアルミン酸塩に関して、アルカリ土類金属元素、
希土類金属元素、ガリウム、あるいはケイ素やゲルマニ
ウムなどを一部組み合わせ、固溶置換することによっ
て、発光色が制御された飛躍的に高輝度、長残光性で、
耐熱、耐候性に優れたアルミン酸塩蓄光体が得られるこ
とを見出し、その結果に基づいて、以下に詳述する新し
いアルミン酸塩蓄光体を提供するものである。
【0009】即ち、前記米国特許第5,376,303 号及び日
本の特許第2,543,825 号の明細書では、SrO−Al2
3 系において斜方晶系からなるアルカリ土類アルミン
酸塩発光体の存在が報告されている。一方、本発明者ら
は、同じSrO−Al23系において、Sr:Al=
1:3(モル比)の組成比から、単斜晶系で指数づけら
れるSr2 Al611を合成できることを初めて知見
し、別途出願においてその技術を開示している。これ
は、395nm 付近に最大発光ピークをもつ自己賦活型青紫
色発行体である。
【0010】このような状況の下で、本発明者らは、更
なる輝度ならびに発光寿命の向上、ならびに最大発光波
長位置の制御を図るため、上記発光体に対して一種類以
上の希土類元素の賦活、アルミニウムと原子価数の異な
る元素の固溶置換などを指針として、新たな発光体の合
成を行った。別途出願でも開示しているように、上記単
斜晶相の合成に際して、反応性や結晶性、さらには粒子
形状や大きさを改善するために、酸化硼素ないしは硼酸
を加えると、単斜晶系であるSr2 Al611は斜方晶
系へと変化する。加えて、得られた斜方晶相は、490nm
に最大発光波長を有する青緑色発光を呈した。さらに
は、単斜晶相であるSr2 Al611に、Eu2+を賦活
すると、結晶相は容易に斜方晶系へと変化させることが
できた。結果的には、これは、反応系内に硼酸が存在す
るか否かに関わらない。また、Eu2+の添加量に依存し
て、斜方晶相の発光色は、490nm の青緑色から515nm の
黄緑色へと変化することがわかった。
【0011】次いで、上記斜方晶相、Sr2 Al611
に格子欠陥を導入することを目的として、アルミニウム
3価サイトをケイ素やゲルマニウムの4価イオンで置換
した結果、電荷の収支のためにカチオンサイトに欠陥が
生じ、斜方晶相としてのアルミン酸塩が得られることを
知見した。ケイ素またはゲルマニウムイオンの置換によ
り非化学量論組成となるにもかかわらず、斜方晶系とし
ての結晶構造は安定化した。また、輝度を改善するた
め、上記斜方晶相にEu2+と同時に例えばDy3+やY3+
などを共賦活することによって、長残光性も達成でき
た。
【0012】加えて、Al23 /SrOのモル比pの
値が、p<1.5 の場合において、アルミニウムを一部ケ
イ素で置換すると、発光色が黄緑色から青緑色に変化す
ることを見出した。さらに、p>1.5 の場合において
は、アルミニウムをゲルマニウムで置換すると、発光色
が青緑色から黄緑色に変化することがわかった。これ
は、硼酸などのフラックスを加えなくても、単斜晶系の
アルミン酸塩で高輝度長残光性を特徴とする黄緑色蓄光
体となることを表している。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる知見に
基づくもので、本発明によれば、化学組成式が、 A2 (Al1-z3/4z1/4z611 ・・・(1) (A1-m Eum2 (Al1-z3/4z1/4z611 ・・・(2) (A1-n-mn Eum2 (Al1-y-z Gay3/4z1/4z611・・(3) (A1-n-m-k E'nEum Lnk2 (Al1-y-z Gay3/4z1/4z611 ・・・(4) (但し、Aは、マグネシウム、カルシウム、ストロンチ
ウム及びバリウムから選択された一種類以上のアルカリ
土類金属元素、Dはケイ素またはゲルマニウム、Eはマ
ンガン、亜鉛から選択された一種類以上の2価金属元
素、E' はマンガン、亜鉛、ビスマスから選択された一
種類以上の金属元素、□は格子欠損、LnはEu以外の
ランタニド元素を表わし、m,n,k,y,zは、それ
ぞれ、下記の範囲の数値からなる。 0 ≦m≦0.1 0 ≦n≦0.2 0 <k≦0.1 0 <y≦0.3 0 <z<0.05 ) で表わされる単斜晶系もしくは斜方晶系で指数づけられ
るアルミン酸塩を含んだ高輝度・長残光性アルミン酸塩
蓄光体が提供される。
【0014】また、本発明によれば、化学組成式が、 (A1-n-m-k E'nEum Lnk )O・p( (Al1-y-z Gay3/4z1/4z)23 ) ・・・(5) (但し、kは、0 ≦k≦0.1 の範囲の数値)で表わされ
る単斜晶系のアルミン酸塩において、pの値を 1.1<p
<1.5 とすることにより、単斜晶系の青もしくは青緑色
アルミン酸塩を含んだ高輝度・長残光性アルミン酸塩蓄
光体が、更に、pの値を 1.5<p≦2.0 とすることによ
り、単斜晶系の黄緑色アルミン酸塩を含んだ高輝度・長
残光性アルミン酸塩蓄光体が提供される。
【0015】本発明におけるアルミン酸塩は、前述した
ところからわかるように、その組成や構造が作製条件に
極めて敏感ではあるが、以下に開示する実施例から分か
るように、作製条件を正確に制御することにより、所定
の輝度、長残光性、発光色をもった蓄光体を実現するこ
とが可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に係る高輝度・長残光性ア
ルミン酸塩蓄光体は、基本的には、母体構成成分とし
て、一般的化学組成式が、前記式(4) または式(5) によ
って表される構成を有するものである。そして、当該式
(4) において、例えば、A=Sr、n=m=l=z=y
=0としたときには、 Sr2 Al611 の化学組成式で表わされる結晶となり、これは単斜晶系
に帰属する。更に、単斜晶相に硼酸を添加して再焼成す
ることにより斜方晶相へと変化し、残光輝度の向上なら
びに発光波長のシフトが認められる。例えば、最大発光
波長が、395nm から490nm の蓄光体へと変化する。
【0017】また、式(4) において、A=Sr、n=k
=y=z=0のときには、 (Sr1-m Eum2 Al611 の化学組成式で表わす蓄光体となる。これに硼酸を0.1
〜0.5 wt%添加して焼成すると、斜方晶相と単斜晶相の
割合がほぼ50%からなる混合物が得られる。さらに、硼
酸量を1 wt%にして焼成すると、斜方晶相が80%程度を
占め、硼酸の添加量が増加するに伴って斜方晶相の割合
も増加し、約3 wt%で斜方晶相の単一相となる。一方、
硼酸を添加することなく焼成する場合には、ユウロピウ
ムの添加量に依存して、単斜晶相から斜方晶相への変化
が認められる。ユウロピウムの添加量mが、m<0.03で
は単一相の単斜晶が、また、mが0.03≦m≦0.05では、
斜方晶相が徐々に混在するようになり、m>0.05で斜方
晶の単一相となる。一方、発光色は、単斜晶相では、最
大発光波長が515nm 付近の黄緑色であるが、斜方晶相で
は最大発光波長が490nm 付近の青緑色となる。従って、
単斜晶相と斜方晶相との混合割合を調整することによっ
て、蓄光体の発光色を490nm から515nm へと自在に変化
させることが可能になる。
【0018】式(4) において、A=Sr、D=Si,n
=m=k=y=0のときには、 Sr2 (Al1-z Si3/4z611 の化学組成式で表わされる蓄光体となる。この場合に、
3価のアルミニウムサイトに4価のケイ素が置き換わる
ことによって、電荷収支のために格子欠陥が生ずる。z
≦0.005 では、最大発光波長が513nm 付近にある黄緑色
発光性の単斜晶相としての蓄光体となるが、硼酸を微量
フラックスとして用いた場合、最大発光波長が490nm 付
近にある青緑色発光性の斜方晶相による蓄光体が得られ
る。一方、z>0.005 の場合、反応系に硼酸を添加する
しないにかかわらず、最大発光波長が495nm 付近の青緑
色発光を示す。更に、ケイ素含有量の増加と共に、最大
発光波長は、短波長側にシフトする。
【0019】フラックスとして硼酸を用いた場合には、
斜方晶系からなる蓄光体が得られるが、硼酸とケイ素と
の相対含有量や[硼酸+ケイ素]と希土類元素との相対
含有量、希土類元素の種類及び相対含有量などの諸因子
の変化に応じて、結晶相の構造(結晶系)と発光色が微
妙に変化することが明らかになっている。単一の斜方晶
相が得られる組成範囲は、実施例などからわかるよう
に、特定の狭い範囲に限定される。本発明に係るアルミ
ン酸塩蓄光体では、斜方晶相の割合が80%を越えると、
発光色は主として490nm を中心とする青緑色であり、単
斜晶相の割合が増加すると、460 〜515nm の範囲内で変
化した蓄光体を得ることができる。
【0020】また、硼酸の添加量が、出発原料の総量に
対して3 wt%以上である場合には、より安定な発光色
(青緑色)が得やすい傾向にある。しかし、例えば、18
wt%と言うように、硼酸の添加量を増やしても、上記の
ケイ素を添加した場合のように最大発光波長を490nm か
ら460nm へと変化させることはできない。一方、硼酸の
添加量を3 wt%未満とした場合には、単斜晶相と斜方晶
相との混合相によって、励起後の時間の経過に伴って発
光色が変化する。例えば、励起直後の発光色は513nm 付
近の黄緑色であり、30秒を経過すると490nm 付近の青緑
色に発光する。
【0021】(Sr,Eu)(Al1-z Si3/4z2
4 については、反応系に硼酸を過剰添加した場合(例え
ば、18wt%)においても、得られる結晶は単斜晶系であ
り、斜方晶系にはならない。また、zが0.0005以下のよ
うな、わずかなケイ素量の固溶によっても、発光色は52
0nm 付近の黄緑発光色から490nm の青緑発光色に変化す
る。本発明の式(4) の組成においては、出発原料に対し
て0.1 wt%の硼酸を添加しても、結晶相が単斜晶相から
斜方晶相へと変化することを考えると、大きな相違であ
る。つまり、単斜晶相においても発光色を513nm 付近の
黄緑色から490nmの青緑発光色に変化させることが可能
で、ケイ素添加量zは、少なくともz≧0.005 を必要と
する。本発明を完成させるに当たって行った実験結果に
よれば、反応系での硼酸の有無は生成する結晶の結晶構
造(結晶系の違いとして表現)に敏感であったことに対
して、ケイ素の固溶置換は、得られた蓄光体の最大発光
波長を大きく短波長側にシフトするのに有効であること
がわかった。
【0022】前述したようにアルミニウムサイトをケイ
素で固溶置換すると、格子欠陥が生ずるが、ゲルマニウ
ムについても同様で、これはユウロピウムを賦活した場
合に観測される長残光性を改善している。また、アルミ
ニウムサイトを一部ガリウムで固溶置換すると、発光輝
度の更なる向上を得ることができた。上記式(4) 及び式
(5) 中のガリウムの含有量を決める前記yの値(モル
値)は、0 <y≦0.3 であり、好ましくは、0.01≦y≦
0.15の範囲がより適している。
【0023】化学組成式(4) 及び(5) の構成成分として
のA元素を、マンガン、亜鉛またはビスマスからなる
E' 元素で固溶置換すると、発光輝度は向上する。更に
詳しくは、E' 元素の置換量(モル値)は、0 ≦n≦0.
2 、好ましくは、0.001 <n≦0.05の範囲とするのが、
発光輝度の向上には適しており、n>0.2 ではむしろ低
下する。また、ビスマスは通常3価であることから、上
記のように2価のサイトを占めると、電荷の収支のため
に格子欠陥を形成し、かつ残光性が改善する傾向を示し
た。一方で、発光中心となる2価のマンガンを置換した
場合には、置換量の増加と共に発光色は青緑色から黄緑
色に変化した。特に、硼酸を添加しなかった場合におい
ては、黄緑色の発光輝度は増大した。
【0024】本発明のアルミン酸塩蓄光体に含まれるE
2+の組成を決めるところの前記mの値は、0 ≦m≦0.
1 、好ましくは、0.001 ≦m≦0.06の範囲が適してい
る。mの値が 0.0001 未満の場合、自己賦活型蓄光体と
はいえ、発光中心となるイオン量が少ないことから、所
定の発光強度が得られない。一方、mが0.1 を超える値
をとると、発光中心イオン間の相互作用による「濃度消
光」が起こる。同時に、目的とする組成の相以外の化合
物が副生成したり、原料としてのユウロピウム酸化物が
未反応物として残存するため、蓄光体の輝度は大きく低
下する。
【0025】発光中心となるEu2+の量は、輝度以外
に、結晶形態や発光色にも微妙な影響を与える。特に、
Eu2+とDy3+などの共賦活剤の相対含有率及び硼酸の
含有量は、結晶形態と発光色に影響する。共賦活剤は、
期待する発光色に応じて共賦活剤の種類、組合せを選択
する必要がある。例えば、Dy3+とY3+、Nd3+とY3+
などの適当なランタニド元素Lnとほかの希土類元素の
組み合わせを用いると、高輝度かつ長残光性の蓄光体と
なる。また、Dy3+とY3+の組合せは、青緑色から黄緑
色に発光する蓄光体に、更に、Nd3+とY3+の組合せ
は、青色から青緑色に発光する蓄光体として好ましい。
一方、共賦活剤の添加量は、0 <k≦0.1 、好ましくは
0.001≦k≦0.03の範囲がより好ましい。特に3種類相
当の希土類元素を共用すると、高輝度・長残光性に対す
る効果は大きくなる。
【0026】上記式(4) 及び式(5) 中のケイ素の含有量
を決める前記zの値(モル値)は、0 ≦z<0.05の範囲
にあることが必要であり、固溶量の増加に伴って、電荷
収支のために□で表わす欠損がカチオンサイトに生ず
る。輝度向上のためには、上記zの値は好ましくは 0.0
01≦z≦0.03の範囲がよく、この範囲を超えると輝度が
低下する。また、残光性にも影響する。zの値は、z<
0.05のとき、(A1-n-m-k E'nEum Lnk2 (Al
1-y-zGay3/4z1/4z611の単一相が得られ
る。z≧0.05のときには、上記化合物のほか、立方晶系
の6SrO・9Al23 ・2SiO2 などが副生成
し、これらが混合した蓄光体となる。さらに、ケイ素の
量が多くなると、蓄光体の発光の挙動が明らかに変化
し、最大発光波長がさらに紫外域側にシフトすると共に
残光輝度も低下する。
【0027】式(4) 及び式(5) のうち、青色ないし青緑
色蓄光体を得るための焼成反応に用いたフラックスとし
て、最も好ましいのは硼酸であるが、硼酸を加えた場
合、最大発光波長が490nm 付近に固定されてしまうの
で、他の発光色を期待するには硼酸の使用を避けるのが
好ましい。前に述べたように、硼酸を加えるか否かで得
られるアルミン酸塩の結晶構造が異なる。過剰の硼酸
(例えば、18wt%以上)を用いると、得られたものにガ
ラス質が共存し、発光輝度も残光強度も極端に悪くな
る。しかし、3 〜8 wt%の適量の硼酸を加えた場合に
は、発光輝度も残光強度も改善される。したがって、上
記発光輝度と残光強度の悪化は、シリカと硼酸とが反応
し、ガラス質をアルミン酸結晶粒界に形成することによ
って生じるものと考えられる。
【0028】また、式(5) において 1.1<p≦1.5 の場
合には、たとえアルカリ土類金属がストロンチウムのみ
であっても、ケイ素の固溶置換により、発光色は青緑色
から黄緑色まで変化させることができた。さらにまた、
ゲルマニウムの固溶置換においては、1.5 <p≦2.0 の
場合に、発光色を青緑色から黄緑色まで変化させること
ができる。これらは、いずれも硼酸を加えない限り、単
斜晶系のアルミン酸塩蓄光体である。
【0029】本発明の高輝度・長残光性アルミン酸塩蓄
光体は、電子線、プラズマ、200 〜450nm の範囲の紫外
線または可視光、あるいはそれらを組み合わせて励起を
行った後、室温もしくは室温以上において熱ルミネッセ
ンス(蛍光)特性を示す蓄光体である。本発明で得られ
た蓄光体は、その特徴として、結晶系が単斜晶系と斜方
晶系に帰属される二つの結晶構造からなるアルカリ土類
アルミン酸塩で、さらに発光中心となるランタニド元素
を賦活することによって、高輝度かつ長残光性を備える
ことが可能であることが実証されている。結晶構造の違
いは、アルカリ土類元素やランタニド元素の種類、ある
いはそれらの組み合わせ、ケイ素やゲルマニウムの添加
量などによって変化するものである。
【0030】本発明に係る高輝度・長残光性アルミン酸
塩蓄光体の製造には、基本的には、主原料として、前記
化学組成式(4) または(5) におけるA元素を含む化合
物、E’元素を含む化合物、Al元素を含む化合物、G
a元素を含む化合物、D元素を含む化合物(Siの化合
物ないしケイ素、Geの化合物)、賦活剤のEu元素を
含む化合物及びLn希土類元素を含む化合物等を用い
る。具体的には、上記化合物を、上記の各元素を含む酸
化物、もしくは焼成により容易に酸化物となり得る炭酸
塩、硝酸塩、塩化物などの塩の形で用い、化学組成式
(4) または(5) で表わされる組成範囲になるように秤量
して、それらを湿式または乾式で十分に混合し、原料粉
末とする。
【0031】次に、この混合粉末を1000 kg/cm2 までの
圧力で加圧して成型したものを、アルミ坩堝などの耐熱
反応容器内に配置し、水素含有不活性ガスの還元性雰囲
気中で、1000〜1500℃、2 〜10時間で、1回以上焼成
し、上記蓄光体を粉末状生成物として得る。焼成を2回
以上反復して行うときには、1回目の焼成は空気中でも
良いが、最終焼成工程は必ず還元雰囲気中で行う必要が
ある。反応を促進したり、結晶形態の制御、粒径の制御
のために、酸化硼素や硼酸以外のフラックスを加えるこ
とは望ましいが、必ずしも必要ではない。また、目的と
する発光特性に応じて、フラックスの種類や量及びプロ
セスにおいてそれらを添加する手順、更には、固溶置換
を目的とした添加元素の種類や量を選択することによ
り、目的とする結晶構造や発光波長及び発光強度、発光
寿命をもつ蓄光体を合成することができる。得られた蓄
光体は、30μm 以下に粉砕し、この粉末をポリエステル
樹脂等と均一に混合して、各種成型体として成型使用す
るのが望ましい。
【0032】後述する発光強度の経時変化は、得られた
蓄光体の粉末をポリエステル樹脂等と均一に混合し、蓄
光体:ポリエステル樹脂が重量比で1:2の比率になる
ようにして、この混合物をシート状に成型、乾燥し、光
遮断24時間後に、暗室において15W卓上白色蛍光灯を用
いて100mm の距離で30分間試料を照射した後、その発光
強度の変化を測定した。
【0033】また、耐熱試験は次のように行った。すな
わち、アルミン酸蓄光体を30μm 以下に粉砕した粉末を
10g だけ秤量し、これをアルミナ坩堝に入れて、電気炉
により、大気中、750 ℃で、2 時間加熱した。こうして
得られた試料について、加熱前後の輝度測定の結果から
輝度の維持率を求めた。
【0034】更に、耐水性については次のようにして検
討した。すなわち、200 ml の蒸留水を入れた容量300
ml ビーカーに、30μm 以下に粉砕した蓄光体粉末を正
確に10g に秤量し加え、マグネットスタラーにより2 時
間撹拌した後、40℃、80℃に100 時間保持した。そし
て、処理前後の輝度測定の結果から、輝度の維持率を求
めた。
【0035】
【実施例】以下に実施例を示し、更に詳しく本発明を説
明する。なお、以下においては、便宜のため、前記式
(4) は、 (A1-n-m-k E'nEum Lnk2 (Al1-y-z Gay
3/4z611 と記し、また、式(5) は、 (A1-n-m-k E'nEum Lnk )O・p( (Al1-y-z
Gay3/4z)23 ) と記す。
【0036】[実施例1]Sr2 (Al1-z Si3/4z
611の化学組成式において、ケイ素の添加量をz=0.
01とし、実施例1−1では硼酸を添加せず、実施例1−
2では硼酸(H3BO3 )を3 wt%添加の条件で、表1
に示す出発原料配合比(量)になるように、原料SrC
3 、Al23 、SiO2 を正確に秤量し、適量の蒸
留水を加えて、ボールミルにて20時間湿式混合を行っ
た。次いで、100 ℃で乾燥した混合粉末を金型成型器に
より1000 kg/cm2 の荷重で、直径40mmφの円板状に成型
し、これをアルミナ坩堝に入れ、電気炉を用いて3 %水
素含有アルゴンガス中、1400℃で2 時間焼成した。冷却
後回収した試料は、さらにアルミナ乳鉢を用いて細かく
粉砕し、金型成型器により円板に成型後、始めと同条件
で再焼成を行った。
【0037】得られた試料については、粉末X線回折法
と励起・発光スペクトルの測定を行った。その結果、硼
酸を添加しなかった実施例1−1では単斜晶相であるこ
とがわかった。また、硼酸を3 wt%添加した実施例1−
2では斜方晶相であることを確認した。図1の(a) に、
単斜晶系Sr2 (Al0.99Si0.0075611の励起ス
ペクトルを、同図(b) に、246nm の紫外線により励起し
た試料の発光スペクトルを示す。この図から、実施例1
−1の試料は最大発光波長が395nm 付近にある自己賦活
型蓄光体であることがわかる。一方、実施例1−2の斜
方晶系Sr2 (Al0.99Si0.0075611では最大発
光波長が400nm 付近にあった。
【0038】
【表1】
【0039】[実施例2]
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】表2において、実施例2−1〜実施例2−
6として示す出発原料配合比(量)で、(Sr0.995
0.0052 (Al1-z Si3/4z611のケイ素の量
zを、z=0 、0.005 、0.02、0.05、0.1 、0.20と変化
させて、さらに硼酸を5wt %添加して各試料を作製し
た。図2の(a) にz=0.02の場合の、同図(b) にz=0.
05の場合の粉末X線回折図形を示す。硼酸を5wt %添加
した本実施例では、z≦0.2 では単一相の斜方晶系(S
0.995 Eu0.0052 (Al1-z Si3/4z611
得られた。一方、z≧0.05では、立方晶系に帰属する6
SrO・9Al23 ・2SiO2 が副生成し、z≧0.1
で単一相となった。表3に、これら試料の最大励起波
長、246nm の紫外線照射により励起した試料の最大発光
波長をまとめている。ケイ素の添加量の増加に伴い、最
大発光波長が、403 〜407nm にあるものと、465 〜488n
m と幅広くシフトするものがあることがわかった。
【0042】実施例1と同様の方法で、後述する比較例
1として、硼酸を添加せずに、z=0.005 、0.05、0.20
の試料を合成した。z=0.005 では、単斜晶系(Sr
0.995Eu0.0052 (Al0.995 Si0.0038611
であり、z=0.05では、単斜晶と立方晶のとの混合相、
z=0.2 では、立方晶相となることがわかった。ここ
で、立方晶相は、6SrO・9Al23 ・2SiO2
である。また、最大発光波長は、それぞれの添加量で51
3nm 、508nm と465nm にあり、ケイ素の添加量に応じ
て、513nm から465nm までシフトした。ケイ素添加によ
るブルーシフトは、結晶相が単斜晶系でも斜方晶系でも
見られたため、立方晶相の生成と深く関わっていること
がわかる。しかも、硼酸添加無しの場合の方が、シフト
幅が広い。
【0043】[実施例3](Sr0.999 Eu0.0012
(Al0.98Ge0.015611を、表2に実施例3とし
て示す原料の混合割合で、実施例1と同じ方法により合
成した。なお、硼酸を3 wt%添加した。粉末X線回折図
形より、得られた試料が斜方晶系の相であると同定され
た。図3の(a) 及び(b) に、この試料の励起スペクト
ル、ならびに260nm の紫外線により励起した発光スペク
トルを示す。ゲルマニウム元素の置換により、発光波長
が硼酸を加えた系であるにもかかわらず、最大発光波長
が513nm 付近にある。つまり、ゲルマニウム元素の添加
は(Sr,Eu)2 Al611の発光波長を490nm より
長波長側にシフトする効果があった。
【0044】[実施例4]表2に実施例4−1及び実施
例4−2として示すように、硼酸を5wt %添加した場合
について、化学式(Sr0.982 Eu0.005 Dy0.008
0.0052 (Al1-z Si3/4z611で表され、ケイ
素の割合を(a) z=0 と(b) z=0.02とした試料を実施
例1と同様の方法を用いて合成した。
【0045】図4(a) 及び(b) に、CuKα線による粉
末X線回折図形を、また、表4にX線回折データ(格子
面間隔距離)を示す。(a) 及び(b) の試料はともに斜方
晶系で指数づけられる。(Sr0.982 Eu0.005 Dy
0.0080.0052 Al611では、格子定数がa=24.
795 Å,b=4.894Å,c=8.510Åと求まった。一方、
(Sr0.982 Eu0.005 Dy0.0080.0052 (Al
0.98Si0.015611では、格子定数がa=24.816
Å,b=4.894Å,c=8.519Åと求まった。a軸およびb
軸が伸びていることから、アルミニウムより大きなイオ
ン半径をもつケイ素が固溶したものと考えられる。図5
(a) に、試料の励起スペクトルを、図5(b) に240nm の
紫外線により励起した試料の発光スペクトルを示す。図
より、最大発光強度のピークが、487nm 付近である青緑
色蓄光体であることがわかる。ケイ素を含まない(Sr
0.982 Eu0.005 Dy0.0080.0052 Al611
試料についても、490nm 付近に最大発光強度をもつこと
が確認できた。
【0046】また、本実施例で得られた試料について、
48時間暗室で放置した後、100mm の距離から試料に15W
卓上白色蛍光灯を30分間照射し、487nm の発光強度の
時間変化(残光特性)を測定した。表5に、後述の比較
例2として合成したSr0.98 2 Eu0.005 Dy0.008
0.005 Al1.98Si0.0154 の発光輝度を100 %とし
て得られる相対輝度を表す。1〜3時間後の残光輝度
が、比較例の試料の約3倍の輝度を保っている。
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】[実施例5]
【表6】
【0050】表6の出発原料配合比(量)に示すよう
に、実施例5−1では、z=0.03で、 (Sr0.982 Eu0.005 Dy0.0080.0052 (Al
0.97Si0.0225611 の化学式、実施例5−2では、z=0.04で、 (Sr0.982 Eu0.005 Dy0.0080.0052 (Al
0.95Ga0.01Si0.03611の化学式、及び、実施例
5−3では、z=0.05で、 (Sr0.982 Eu0.005 Dy0.0080.0052 (Al
0.95Si0.038611 の化学式、になるように調整された原料に、H3 BO3
を8wt %加えて、実施例1と同様の方法で合成を行っ
た。
【0051】粉末X線回折図形より、実施例5−1の試
料は、斜方晶系(Sr0.982 Eu0. 005 Dy0.008
0.0052 (Al0.97Si0.0225611であることが
わかった。実施例5−2の試料では、斜方晶系の他に、
少量の立方晶系6Sr・9Al23 ・2SiO2 が混
在し、実施例5−3では、立方晶相が多くなった。化学
組成(Sr,Eu,Dy,Y)2 (Al1-y-z Gay
3/4z611においては、ケイ素の固溶体が得られる
組成領域が非常に狭くなり、固溶限界も低くなることが
わかった。
【0052】485nm 付近の発光強度について、経時変化
(残光特性)を測定した結果、上記試料において、ケイ
素添加量が多くなると立方晶相との混合試料となるため
に、発光強度は減少する傾向が見られた。長残光蓄光体
であるには、ケイ素添加量は、0.001 ≦z<0.05の範囲
が適しており、さらに好ましくは0.001 ≦z≦0.03の範
囲にあることがわかった。
【0053】[実施例6]
【表7】
【0054】表7の出発原料配合比(量)で、式(4) の
p=1.6に相当する、(Sr0.982 Eu0.005 Dy0.008
0.005 )O・1.6(Al1。99Ge0。00753)を、硼酸を加
えずに、3%水素含有アルゴンガス中、1500℃で2時
間、2回の焼成を繰り返すことにより合成した。得られ
た生成物は、単斜晶系に帰属する相であり、最大発光強
度を与えるピークは、513.5nm となる黄緑蓄光体であっ
た。
【0055】[実施例7]耐熱テスト: 本発明で得られた(Sr0.982 Eu0.005 Dy0.008
0.0052 Al611の粉末及び(Sr0.982 Eu
0.005 Dy0.0080.0052 (Al0.98Si0.01 5
611の粉末(30μm 以下)をアルミナ坩堝に入れ、電
気炉を用いて、空気中、750 ℃で、2時間加熱した。比
較のために、後述する比較例3の試料Sr0.982 Eu
0.005 Dy0.0080. 005 Al24 を、本実施例の条
件で同様に処理した。本実施例の試料は、熱処理後も外
観的には特に色変化などは見られなかったが、比較例の
試料については、処理後、肉眼で白くなっている様子が
確認された。
【0056】表8に、486nm の発光強度の時間変化(残
光特性)の結果をまとめている。同表では、それぞれの
試料について、熱処理前の輝度を100 %として、相対残
光輝度を維持率の形で表している。このテスト結果によ
れば、熱処理後、ケイ素を含まない試料では、極端に残
光輝度が低下するのに対し、(Sr0.982 Eu0.005
0.0080.0052 (Al0。98Si0。015611
は、180 分後においてもほぼ同じ輝度を呈している。つ
まり、この新規蓄光体は、特にケイ素を添加することに
よって耐熱性に優れることがわかる。
【0057】[実施例8]耐水テスト: ボールミルにて30μm 以下の粉末に粉砕した(Sr
0.982 Eu0.005 Dy0.00 80.0052 (Al0。98
0。015611を10g に秤量し、200 ml の蒸留水を
入れた300 ml ビーカーに加えて、スラリーを調製し
た。次いで、マグネットスタラーにより2 時間撹拌した
後、40℃、80℃で100 時間保持した。 この処理前の輝
度を100 として、処理後の輝度を相対的に表9に示す。
本発明で得られた蓄光体は、80℃の処理条件にも関わら
ず、輝度は全く変化しなかった。
【0058】
【表8】
【0059】
【表9】
【0060】
【表10】
【0061】[比較例1]表10の出発原料配合比
(量)に示すような(Sr0.995 Eu0.0052 (Al
1-z Si3/4z611の組成で、z=0.005 、0.05、0.
2 の場合を、比較例1として、実施例1と同様の方法で
合成した。試料の粉末X線回折図形と励起・発光スペク
トルの測定結果は、[実施例2]の項でに述べている。
【0062】[比較例2]比較例2として、表10に示
すように、硼酸を5wt %添加した系のSr0.982Eu
0.005 Dy0.0080.005 Al1.98Si0.0154 につ
いて、実施例1と同様の方法により合成した。得られた
相は単斜晶系に帰属できるもので、490nm 付近に最大発
光強度を有する耐熱性・耐水性に優れた蓄光体である
(特願平9-238966号参考)。[実施例4]の項におい
て、その残光特性を実施例4の試料との比較において示
している。
【0063】[比較例3]比較例3として、表10に示
すように、硼酸を5wt %添加した系のSr0.982Eu
0.005 Dy0.0080.005 Al24 についても、実施
例1と同様の方法で合成した。得られたものは単斜晶系
からなり、粉末X線回折図形より既に公知のスタッフド
トリジマイト型構造の単一相であることがわかった。こ
れは、360nmの紫外線により励起した場合、520nm 付近
に最大発光強度を与えるピークの黄緑色発光体である。
その耐熱性については、本発明の発光体と比較して[実
施例7]の項に記載している。
【0064】
【発明の効果】以上に詳述した本発明の高輝度・長残光
性アルミン酸塩蓄光体によれば、自己賦活型の発光体で
あるのみならず、固溶体元素の選択、量の制御により、
多色性に富むことに加え、ランタニド元素などの賦活に
よって高い発光輝度と残光特性(残光輝度と残光時間)
を備え、しかも、耐熱性、耐候性を有し、高温・多湿か
らなる過酷な自然環境条件ばかりでなく、水中や海中、
温水に置かれても十分性能を保持できる蓄光体を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は、本発明の実施例1−1の発光体の励起
スペクトル(モニター:395nm)を示し、(b) は同実施
例の発光体の発光スペクトル(モニター:246nm )を示
すグラフである。
【図2】(a) は、本発明の実施例2−3(z=0.02)の
発光体の粉末X線回折図形を示す線図、(b) は、本発明
の実施例2−4(z=0.05)の発光体の粉末X線回折図
形を示す線図である。
【図3】(a) は、本発明の実施例3の発光体の励起スペ
クトル(モニター:513nm )を示し、(b) は、同実施例
の発光体の発光スペクトル(モニター:260nm )を示す
グラフである。
【図4】(a) は、本発明の実施例4のz=0 の場合、
(b) は同z=0.01の場合の粉末X線回折図形を示す線図
である。
【図5】(a) は、本発明の実施例4の蓄光体の励起スペ
クトル(モニター:487nm )を示し、(b) は、同実施例
の蓄光体の発光スペクトル(モニター:240nm )を示す
グラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年9月25日(1998.9.2
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】また、本発明によれば、化学組成式が、 (A1-n-m-k E'nEum Lnk )O・p( (Al1-y-z Gay3/4z1/4z)23 ) ・・・(5) (但し、kは、0 ≦k≦0.1 の範囲の数値)で表わされ
る単斜晶系のアルミン酸塩において、pの値を 1.1<p
<1.5 とすることにより、単斜晶系の青もしくは青緑色
アルミン酸塩を含んだ高輝度・長残光性アルミン酸塩蓄
光体が、更に、pの値を 1.5<p≦1.75とすることによ
り、単斜晶系の黄緑色アルミン酸塩を含んだ高輝度・長
残光性アルミン酸塩蓄光体が提供される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】また、式(5) において 1.1<p1.5 の場
合には、たとえアルカリ土類金属がストロンチウムのみ
であっても、ケイ素の固溶置換により、発光色は青緑色
から黄緑色まで変化させることができた。さらにまた、
ゲルマニウムの固溶置換においては、1.5 <p≦1.75
場合に、発光色を青緑色から黄緑色まで変化させること
ができる。これらは、いずれも硼酸を加えない限り、単
斜晶系のアルミン酸塩蓄光体である。
【手続補正書】
【提出日】平成10年11月6日(1998.11.
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】追加
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる知見に
基づくもので、本発明によれば、化学組成式が、 A2 (Al1-z3/4z1/4z611 ・・・(1) (A1-m Eum2 (Al1-z3/4z1/4z611 ・・・(2) (A1-n-mn Eum2 (Al1-y-z Gay3/4z1/4z611・・(3) (A1-n-m-k E'nEum Lnk2 (Al1-y-z Gay3/4z1/4z611 ・・・(4) (A 1-n-m-k E' n Eu m Ln' k 2 (Al 1-y-z Ga y 3/4z 1/4z ) 6 11 ・・・(4') (但し、Aは、マグネシウム、カルシウム、ストロンチ
ウム及びバリウムから選択された一種類以上のアルカリ
土類金属元素、Dはケイ素またはゲルマニウム、Eはマ
ンガン、亜鉛から選択された一種類以上の2価金属元
素、E' はマンガン、亜鉛、ビスマスから選択された一
種類以上の金属元素、□は格子欠損、LnはEu以外の
ランタニド元素、Ln' はランタニド元素とほかの希土
類元素との組み合わせを表わし、m,n,k,y,z
は、それぞれ、下記の範囲の数値からなる。 0 ≦m≦0.1 0 ≦n≦0.2 0 <k≦0.1 0 <y≦0.3 0 <z<0.05 ) で表わされる単斜晶系もしくは斜方晶系で指数づけられ
るアルミン酸塩を含んだ高輝度・長残光性アルミン酸塩
蓄光体が提供される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】また、本発明によれば、化学組成式が、 (A1-n-m-k E'nEum Lnk )O・p((Al1-y-z Gay3/4z1/4z23 ) ・・・(5) (A 1-n-m-k E' n Eu m Ln' k )O・p( (Al 1-y-z Ga y 3/4z 1/4z ) 2 3 ・・・(5') (但し、kは、0 ≦k≦0.1 の範囲の数値)で表わされ
る単斜晶系のアルミン酸塩において、pの値を 1.1<p
<1.5 とすることにより、単斜晶系の青もしくは青緑色
アルミン酸塩を含んだ高輝度・長残光性アルミン酸塩蓄
光体が、更に、pの値を 1.5<p≦1.75とすることによ
り、単斜晶系の黄緑色アルミン酸塩を含んだ高輝度・長
残光性アルミン酸塩蓄光体が提供される。さらに、これ
らの化学組成式(4')と(5')とにおけるLn' のランタニ
ド元素は、ジスプロシウムまたはネオジムとし、ほかの
希土類元素をイットリウムとするのが有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H001 XA08 XA12 XA13 XA14 XA20 XA31 XA32 XA38 XA56 YA25 YA30 YA57 YA58 YA59 YA60 YA61 YA62 YA63 YA64 YA65 YA66 YA67 YA68 YA69 YA70 YA71 YA83

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化学組成式が、 A2 (Al1-z3/4z1/4z611 (但し、式中のAは、マグネシウム、カルシウム、スト
    ロンチウム及びバリウムから選択された一種類以上のア
    ルカリ土類金属元素、Dはケイ素またはゲルマニウム、
    □は格子欠損を表し、zは下記の範囲を満足する数値か
    らなる。 0 ≦z<0.05 ) で表わされる単斜晶系もしくは斜方晶系で指数づけられ
    るアルミン酸塩を含む耐熱・耐候性に優れたアルミン酸
    塩蓄光体。
  2. 【請求項2】化学組成式が、 (A1-m Eum2 (Al1-z3/4z1/4z611 (但し、式中のAは、マグネシウム、カルシウム、スト
    ロンチウム及びバリウムから選択された一種類以上のア
    ルカリ土類金属元素、Dはケイ素またはゲルマニウム、
    □は格子欠損を表し、m,zはそれぞれ下記の範囲を満
    足する数値からなる。 0 <m≦0.1 0 <z<0.05 ) で表わされ、単斜晶系もしくは斜方晶系で指数づけられ
    るアルミン酸塩を含む耐熱・耐候性に優れた高輝度アル
    ミン酸塩蓄光体。
  3. 【請求項3】化学組成式が、 (A1-n-mn Eum2 (Al1-y-z Gay3/4z
    1/4z611 (但し、式中のAはマグネシウム、カルシウム、ストロ
    ンチウム及びバリウムから選択された一種類以上のアル
    カリ土類金属元素、Eはマンガン、亜鉛から選択された
    一種類以上の2価金属元素、Dはケイ素またはゲルマニ
    ウム、□は組成欠損を表し、m,n,y,zはそれぞれ
    下記の範囲を満足する数値からなる。 0 ≦m≦0.1 0 ≦n≦0.2 0 <y≦0.3 0 <z<0.05 ) で表わされる単斜晶系もしくは斜方晶系で指数づけられ
    るアルミン酸塩を含む耐熱・耐候性に優れた高輝度アル
    ミン酸塩蓄光体。
  4. 【請求項4】化学組成式が、 (A1-n-m-k E'nEum Lnk2 (Al1-y-z Gay
    3/4z1/4z611 (但し、式中のAは、マグネシウム、カルシウム、スト
    ロンチウム及びバリウムから選択された一種類以上のア
    ルカリ土類金属元素、E' はマンガン、亜鉛、ビスマス
    から選択された一種類以上の金属元素、Dはケイ素また
    はゲルマニウム、LnはEu以外のランタニド元素を表
    わし、m,n,k,y,zは、それぞれ下記の範囲を満
    足する数値からなる。 0 ≦m≦0.1 0 ≦n≦0.2 0 <k≦0.1 0 <y≦0.3 0 <z<0.05 ) で表わされる単斜晶系もしくは斜方晶系で指数づけられ
    るアルミン酸塩を含む耐熱・耐候性に優れた高輝度・長
    残光性アルミン酸塩蓄光体。
  5. 【請求項5】化学組成式が、 (A1-n-m-k E'nEum Lnk )O・p( (Al1-y-z
    Gay3/4z1/4z)23 ) (但し、式中のAは、マグネシウム、カルシウム、スト
    ロンチウム及びバリウムから選択された一種類以上のア
    ルカリ土類金属元素、E' はマンガン、亜鉛、ビスマス
    から選択された一種類以上の金属元素、Dはケイ素また
    はゲルマニウム、LnはEu以外のランタニド元素を表
    わし、m,n,k,p,y,zは、それぞれ下記の範囲
    を満足する数値からなる。 0 ≦m≦0.1 0 ≦n≦0.2 0 ≦k≦0.1 1.1<p<1.5 0 <y≦0.3 0 <z<0.05 ) で表わされる単斜晶系の青もしくは青緑色アルミン酸塩
    を含む耐熱・耐候性に優れた高輝度・長残光性アルミン
    酸塩蓄光体。
  6. 【請求項6】化学組成式が、 (A1-n-m-kn Eum Lnk )O・p( (Al1-y-z
    Gay3/4z1/4z)23 ) (但し、式中のAはマグネシウム、カルシウム、ストロ
    ンチウム及びバリウムから選択された一種類以上のアル
    カリ土類金属元素、Eはマンガン、亜鉛、ビスマスから
    選択された一種類以上の金属元素、Dはケイ素またはゲ
    ルマニウム、LnはEu以外のランタニド元素を表わ
    し、m,n,k,p,y,zは、それぞれ下記の範囲を
    満足する数値からなる。 0 ≦m≦0.1 0 ≦n≦0.2 0 ≦k≦0.1 1.5<p≦1.75 0 <y≦0.3 0 <z<0.05 ) で表わされる単斜晶系の黄緑色アルミン酸塩を含む耐熱
    ・耐候性に優れた高輝度・長残光性アルミン酸塩蓄光
    体。
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