JP2000063418A - チ―グラ―・ナッタ触媒の製造 - Google Patents

チ―グラ―・ナッタ触媒の製造

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JP2000063418A
JP2000063418A JP11116516A JP11651699A JP2000063418A JP 2000063418 A JP2000063418 A JP 2000063418A JP 11116516 A JP11116516 A JP 11116516A JP 11651699 A JP11651699 A JP 11651699A JP 2000063418 A JP2000063418 A JP 2000063418A
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titanated
magnesium chloride
compound
catalyst
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English (en)
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Guy Debras
ギ・デブラ
Christian Lamotte
クリステイアン・ラモツト
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Fina Research SA
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F10/00Homopolymers and copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チーグラー・ナッタ触媒の製造。 【解決手段】 チーグラー・ナッタ触媒の製造方法に、
有機マグネシウム化合物とハロゲン置換化合物を反応さ
せて、x線スペクトルで2.56から3.20オングス
トロームの範囲内の格子面間隔の所に強い回折線を示す
結晶性のハロゲン化マグネシウムを生じさせ、そして上
記ハロゲン化マグネシウムをチタン化合物と混合するこ
とで上記ハロゲン化マグネシウムにチタン化を受けさ
せ、それによって、そのチタン化を受けたハロゲン化マ
グネシウムがx線スペクトルで2.56から3.30オ
ングストロームの範囲内の格子面間隔の所に現れるハロ
を示すようにすることを含める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、チーグラー・ナッタ(Zieg
ler−Natta)触媒の製造方法、特にチタン化を
受けた(titanated)塩化マグネシウムを含ん
で成る上記触媒の製造に関する。
【0002】米国特許第4636486号にはハロゲン
化マグネシウムに支持させたチーグラー・ナッタ触媒の
化学的製造方法が開示されている。最も高い活性を示す
無水の塩化マグネシウムは、それのx線回折スペクトル
が2.56から2.95オングストロームの範囲内の格
子面間隔(d)の所に現れる幅広いハロ(halo)を
示すことを特徴とする時に得られる。このことを、結晶
性が非常に高い塩化マグネシウムは2.56オングスト
ロームの格子面間隔(d)の所に強い回折線を示すこと
と対比させることができる。このように、上記先行特許
資料には、非晶質の二塩化マグネシウムを基とする重合
用触媒は向上した活性を示すことが開示されている。
【0003】上記資料に開示されている化学的方法は多
段階方法でありかつ上記触媒の活性は特に高くはない。
【0004】米国特許第4650778号にはオレフィ
ン重合用触媒の前駆体として用いるに有用なハロゲン化
金属粒子の製造が開示されており、そこでは、ハロゲン
化金属を蒸発させた後それを希釈剤の存在下で凝縮させ
ることで製造を行っている。
【0005】また、プラズマトーチ(plasma t
orch)を用いて塩化マグネシウムと塩化チタンと少
なくとも電子供与体を基とする粉末触媒を製造すること
も例えばヨーロッパ特許出願公開第0654444号お
よびヨーロッパ特許出願公開第0654485号で公知
であり、そこでは、上記化合物をプラズマトーチに導入
してそれを蒸発させた後、その蒸気を凝縮させること
で、塩化チタンで被覆された微細な塩化マグネシウム粉
末を生じさせている。上記粉末はアルファ−オレフィン
の重合で触媒として用いられる。
【0006】この後者の2つの先行明細書(これらの両
方とも本出願者の名前である)にアルファ−オレフィン
類の重合で良好な活性を示す触媒の製造が開示されてい
るが、それにも拘らず、化学的方法で製造された上記触
媒に更に高い活性を持たせることが求められている。
【0007】ヨーロッパ特許出願公開第0015099
号には、チタン化を受けた塩化マグネシウムを含んで成
るチーグラー・ナッタ触媒の多種多様な製造方法が開示
されている。このような方法は、ハロゲン化マグネシウ
ムを燐化合物と一緒にハロがx線回折スペクトルに現れ
るようになるまで粉砕した後その粉砕した生成物を液状
のハロゲン化チタンで処理してそれにチタン化合物を固
定することを包含する。
【0008】ベルギー特許出願公開第744221号に
もチーグラー・ナッタ触媒の製造が開示されており、そ
こでは、無水の塩化マグネシウムとオキシ塩化チタンを
一緒に反応させてx線回折スペクトルが2.56オング
ストロームの格子面間隔(d)の所に強い線を示す生成
物を生じさせている。
【0009】ヨーロッパ特許出願公開第0344755
号にもチーグラー・ナッタ触媒の製造が開示されてお
り、そこでは、ハロゲン化剤(halogenatin
g agent)を用いてマグネシウム化合物を二ハロ
ゲン化マグネシウムに変化させた後、その二ハロゲン化
マグネシウムをチタン化合物もしくはバナジウム化合物
と反応させている。上記二ハロゲン化マグネシウムはx
線回折スペクトルにハロを示すことが開示されている。
【0010】ヨーロッパ特許出願公開第0015099
号およびヨーロッパ特許出願公開第0344755号で
は、各々、二ハロゲン化マグネシウムをチタン化合物と
反応させるとx線回折スペクトルにハロが現れ、このこ
とは、上記二ハロゲン化マグネシウムが結晶性を示さ
ず、むしろ乱れた(disordered)相として存
在していることを示している。
【0011】本発明はチーグラー・ナッタ触媒の製造方
法を提供するものであり、この方法に、有機(orga
no)マグネシウム化合物とハロゲン置換(halog
enated)化合物を反応させて結晶性のハロゲン化
マグネシウム(これが示すx線スペクトルには2.56
から3.20オングストロームの範囲内の格子面間隔の
所に強い回折線が存在する)を生じさせそして上記ハロ
ゲン化マグネシウムをチタン化合物と混合することで上
記ハロゲン化マグネシウムにチタン化を受けさせること
を含め、それによって、そのチタン化を受けたハロゲン
化マグネシウムが、それが示すx線スペクトルにおい
て、2.56から3.30オングストロームの範囲内の
格子面間隔の所に現れるハロを示すようにする。
【0012】本発明の方法に従ってチタン化を受けさせ
る結晶性ハロゲン化マグネシウムは、この結晶性ハロゲ
ン化マグネシウムが示すx線粉末スペクトルに2.56
から3.20オングストロームの格子面間隔の所に強い
回折線が存在することで表されるように、高い結晶度を
有する。例えば、上記ハロゲン化物が塩化物である時、
その強い回折線は2.56オングストロームの格子面間
隔の所に存在する。上記ハロゲン化物が臭化物またはヨ
ウ化物である時、その強い回折線はそれぞれ2.93ま
たは3.19オングストロームの所に存在する。このよ
うに、本発明に従って結晶性のハロゲン化マグネシウム
にチタン化を受けさせるが、このチタン化段階では、上
記ハロゲン化マグネシウムの高い結晶性が壊れて、チタ
ン化を受けた化合物(これは、x線回折スペクトルにお
いて、強い回折線ではなく、ハロが現れることで示され
るように高い度合の乱れを示す)が生じる。それとは対
照的に、本明細書の上に記述した公知方法のいくつかで
は、結晶性のハロゲン化マグネシウムにチタン化を受け
させておらず、既に高いレベルの乱れを示す(従って既
にx線スペクトルにハロを示す)ハロゲン化マグネシウ
ムにチタン化を受けさせている。本発明者らは、結晶性
のハロゲン化マグネシウムにチタン化を受けさせてx線
スペクトルにハロが現れることで示されるように乱れを
持つチタン化を受けたハロゲン化マグネシウムを生じさ
せると向上した触媒活性が達成されることを見い出し
た。
【0013】上記ハロゲン化マグネシウムに好適には塩
化マグネシウムを含める。別法として、これに臭化マグ
ネシウムまたはヨウ化マグネシウムを含めてもよい。
【0014】上記有機マグネシウム化合物に有機マグネ
シウムハライド、例えばフェニルマグネシウムクロライ
ドまたはマグネシウムアルコキサイド、例えばマグネシ
ウムジ(メチル 2 ペンチルオキサイド)またはマグ
ネシウムジエトキサイドなどを含めてもよい。
【0015】上記ハロゲン置換化合物に置換もしくは未
置換ケイ素クロライド、例えばケイ素ジクロライドジエ
トキサイド((C25O)2SiCl2);ジフェニルケ
イ素ジクロライド((C652SiCl2);フェニル
ケイ素トリクロライド(C65SiCl3);トリフェ
ニルケイ素クロライド((C653SiCl);ジメ
チルケイ素ジクロライド((CH32SiCl2);ま
たは四塩化ケイ素などを含めてもよい。上記塩化マグネ
シウム生成物の典型的な化学的合成反応はフェニルマグ
ネシウムクロライドとジエトキシケイ素ジクロライドの
反応;マグネシウムジ(メチル 2 ペンチルオキサイ
ド)とジフェニルケイ素ジクロライドの反応;またはマ
グネシウムジエトキサイドとジメチルケイ素ジクロライ
ド、ジフェニルケイ素ジクロライドまたは四塩化ケイ素
の反応である。各反応の合成とも塩化マグネシウムに加
えて電子供与体が生じる。このように、マグネシウムジ
クロライドの合成では結果として電子供与体、例えばジ
フェニルジエトキシシラン、ジフェニルジ(メチル 2
ペントキシ)シラン、ジメチルジエトキシシランまた
はジエトキシジクロロシランなどがインサイチューで生
成する。これは、x線粉末スペクトルで2.56オング
ストロームの格子面間隔の所に非常に強い回折線を示す
高度に結晶性の塩化マグネシウムの生成に役立ち得る。
上記電子供与体はチーグラー・ナッタ触媒用支持体であ
る塩化マグネシウムの中に保持される。それによって、
今度は、上記ハロゲン置換化合物がケイ素を含有してい
ると支持体にケイ素が含まれることになる。
【0016】この塩化マグネシウムの合成を、典型的に
は、上記有機マグネシウム化合物と上記ハロゲン置換化
合物を20から60℃の温度の有機溶媒中で3から72
時間反応させることで実施する。塩素化合物中の塩素に
対する上記有機マグネシウム化合物中のマグネシウムの
モル比を典型的には0.5から2にする。上記有機溶媒
にテトラヒドロフラン(THF)、ヘプタン、キシレ
ン、ジクロロエタンまたは他の適切な有機溶媒を含めて
もよい。
【0017】好適には、この二塩化マグネシウムから有
機溶媒を例えば遠心分離などで分離した後、有機溶媒で
洗浄する。
【0018】次に、この合成したままの塩化マグネシウ
ム生成物を好適には液状の塩化チタンに注ぎ込むこと
で、この塩化マグネシウムにチタン化を受けさせる。そ
の結果として生じた混合物を好適には20から135℃
の温度に0.5から2時間保持する。その後、このチタ
ン化を受けた塩化マグネシウムから四塩化チタンを例え
ば濾過または遠心分離などで分離した後、有機溶媒で洗
浄してもよい。
【0019】本発明はまた本発明に従って製造した触媒
の存在下でオレフィンを重合させる方法も提供する。
【0020】以下に非制限実施例を言及することで本発
明をここに説明する。
【0021】
【実施例】実施例1 この実施例では、チタン化を受けた塩化マグネシウムを
含んで成るチーグラー・ナッタ触媒前駆体の調製を、最
初にフェニルマグネシウムクロライドとジエトキシジク
ロロシランを有機溶媒としてのテトラヒドロフラン(T
HF)中で反応させることを通して行った。上記ジエト
キシジクロロシランは、エタノールを1モルの四塩化ケ
イ素に2モル添加することで合成したものであった。最
初に、300mlのテトラヒドロフラン中で400ミリ
モルのフェニルマグネシウムクロライドと265ミリモ
ルのジエトキシケイ素ジクロライドを25℃の温度で3
時間反応させた。その後、最初にヘプタンを添加して固
体状生成物を回収した後、遠心分離を用いて分離を行っ
た。次に、この生成物を25℃の温度のヘプタンで3回
洗浄した。
【0022】その結果として得た塩化マグネシウム粉末
のx線粉末回折スペクトルを得たが、これは強い回折パ
ターンを示した。このことは、逆に、上記塩化マグネシ
ウムが高い結晶性であることを示していた。
【0023】その後、46mgの上記塩化マグネシウム
生成物を846ミリモル(93ml)の四塩化チタン
(液状形態)と一緒に135℃の温度で2時間混合し
た。このチタン化を受けた塩化マグネシウムから液体を
遠心分離で分離した。次に、この分離した固体を25℃
のヘプタンで数回洗浄した。次に、このチタン化を受け
た塩化マグネシウムのx線回折パターンを得たが、その
スペクトルは2.56から2.95オングストロームの
範囲内の格子面間隔の所に現れる幅広いハロを示した。
【0024】次に、結果として得たチタン化を受けた塩
化マグネシウムにプロピレン重合試験を受けさせた。こ
の試験で用いた反応槽の容積は4.5リットルを構成し
ており、この反応槽に、上記チタン化を受けた塩化マグ
ネシウム触媒を10から25mg導入し、それと一緒に
液状のプロピレンを2.4リットルおよび水素を1.5
リットル導入した。重合を70℃の温度で2時間実施し
た。この重合を、本発明に従って製造したチーグラー・
ナッタ触媒に加えて、アルキル金属、特にトリエチルア
ルミニウム(TEAL)を含んで成る共触媒を追加的に
存在させて実施する。この重合を、支持体である上記塩
化マグネシウムの合成を行っている間に生成して上記支
持体に保持された電子供与体に加えてさらなる電子供与
体の存在下で行う。この追加的電子供与体は追加的ケイ
素を含有しており、好適には、アルコキシシラン、例え
ばフェニルトリエトキシシラン、メチルシクロヘキシル
ジメトキシシランなど、または別法としてジエーテル、
例えば2,2 ジイソブチル 1,3 ジメトキシプロ
パン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、2 イソプ
ロピル 2 イソブチル 1,3 ジメトキシプロパン
または2,2 ジシクロペンチル 1,3 ジメトキシ
プロパンなどを含んで成る。(a)共触媒であるアルキ
ルアルミニウムおよび(b)添加したケイ素含有電子供
与体に加えて上記MgCl2合成中に生成したケイ素電
子供与体が存在していることから、結果として、触媒系
全体中のアルミニウム/ケイ素原子比は約20であっ
た。
【0025】プロピレン重合試験を3回実施し、この3
回行った実験のポリプロピレン収率は、触媒1グラム当
たりのポリプロピレンのグラムで表して、それぞれ10
402、12967および13767であった。ポリプ
ロピレン収率が12967の2回目の実験の場合のポリ
プロピレンは、ASTM D 1238で2.16kg
の荷重を用いて230℃で測定した時、23.8g/1
0分のメルトフローインデックス(MFI)を示した。
【0026】この実施例は、チーグラー・ナッタ触媒の
製造で最初高い結晶性を示す塩化マグネシウムにチタン
化を受けさせることで結果としてチタン化を受けた塩化
マグネシウムがx線回折スペクトルで幅広いハロを示す
ようにすると上記触媒がアルファ−オレフィン重合で示
す活性が高くなることを立証している。このハロは支持
体である塩化マグネシウムに乱れた相が存在することを
示している。上記四塩化チタンを用いた処理により、高
い結晶性の構造物が、x線回折スペクトルにそのような
ハロの存在を示す高活性の触媒に変換され、この変換段
階中、MgCl 2の大きな結晶サイズが非常に小さくな
る。それによって、今度は、上記触媒の活性が高くな
る。
【0027】実施例2 この実施例では、塩化マグネシウムの製造で750ミリ
モルのフェニルマグネシウムクロライドと1500ミリ
モルのジエトキシケイ素ジクロライドを25℃の温度の
105mlのTHF中で18時間反応させる以外、実施
例1を繰り返した。実施例1と同様に塩化マグネシウム
生成物の分離および洗浄を行った後に得た塩化マグネシ
ウムのx線回折スペクトルは高い強度のピークを伴って
いて、結晶性が高いことを示していた。
【0028】次に、この塩化マグネシウムにチタン化を
実施例1で用いた様式と同じ様式で受けさせた。67.
3mgの塩化マグネシウムと1288ミリモル(14
1.6ml)の四塩化チタンを20℃の温度で0.5時
間混合した。その後、このチタン化を受けさせた塩化マ
グネシウムを更に1365ミリモル(150ml)の四
塩化チタンと一緒に100℃の温度で2時間混合した。
再び、実施例1と同様な濾過および洗浄で生成物の分離
を行った。
【0029】次に、このチタン化を受けさせた塩化マグ
ネシウムにプロピレン重合試験を実施例1に示した如く
受けさせた。実験を5回実施し、それぞれのプロピレン
の収率は、各々生じたポリプロピレンの量を触媒1グラ
ム当たりのグラムで表して、35720、32781、
21398、26901および22598であった。1
番目の実験で得たポリプロピレンが示したMFIは2
2.9g/10分であった。
【0030】実施例3 この実施例では、マグネシウムジエトキサイドと四塩化
ケイ素を反応させることで塩化マグネシウムを製造した
後、その結果として得た塩化マグネシウムにチタン化を
受けさせた。この工程の第一段階において、120ml
のヘプタンに入っている545ミリモルのマグネシウム
ジエトキサイドを1047ミリモルの四塩化ケイ素に加
えた。この混合物を60℃の温度に72時間保持した。
その後、炭化水素媒体としてヘプタンを用いてMgCl
2生成物を25℃の温度で回収した。次に、固体状生成
物を遠心分離で分離した後、25℃のヘプタンで3回洗
浄した。
【0031】その結果として得た生成物にx線回折分析
を受けさせ、そのx線回折スペクトルは塩化マグネシウ
ムが高い結晶性を有することを示していた。その後、6
00ミリモルの四塩化チタン(66mlのTiCl4
に105℃の温度で2時間かけて上記塩化マグネシウム
を32mg加えることを通して、この塩化マグネシウム
にチタン化を受けさせた。このチタン化を受けさせた塩
化マグネシウムの回収を、回収用媒体として25℃の温
度のヘプタンを用いた遠心分離で行った。最後に、この
チタン化を受けさせた塩化マグネシウムを25℃のヘプ
タンで数回洗浄した。
【0032】次に、結果として得た生成物をx線回折で
分析し、そのx線回折スペクトルは2.56から2.9
5オングストロームの範囲内の格子面間隔の所に幅広い
ハロを示した。
【0033】次に、このチタン化を受けさせた塩化マグ
ネシウムを実施例1の重合試験でアルファ−オレフィン
重合用触媒として用いた。2回行った実験のポリプロピ
レン収率は、それぞれ、触媒1グラム当たり16304
グラムおよび16411グラムのポリプロピレンであ
り、1番目の実験で得たポリプロピレンが示したMFI
は29.1g/10分であった。
【0034】比較実施例1 この比較実施例では、チタン化段階の条件を変える以外
は実施例1を繰り返した。具体的には、チタン化段階に
おいて、44mgの塩化マグネシウム生成物と801ミ
リモル(88ml)の四塩化チタンと66ミリモルのフ
タル酸ジイソブチルを100℃の温度で2時間混合し
た。実施例1の分離段階と同じ分離段階を実施した後、
そのチタン化を受けた塩化マグネシウムにx線回折分析
に続いてプロピレン重合試験を受けさせた。このx線回
折分析で得たx線回折パターンは、実施例1と同様なx
線回折パターンにおいて、そのチタン化を受けた塩化マ
グネシウムはハロではなくむしろ結晶性回折パターンを
有することを示していた。プロピレン重合試験における
ポリプロピレン収率は触媒1グラム当たり1084グラ
ムのみのポリプロピレンであった。この収率は実施例1
の場合よりも有意に低く、このことは、この触媒が示す
アルファ−オレフィン重合活性は有意に低いことを示し
ている。
【0035】比較実施例2 比較実施例2では、異なるチタン化段階を用いる以外、
実施例2を繰り返した。比較実施例2のチタン化段階で
は、59mgの塩化マグネシウム生成物(実施例2に従
って製造)と1000ミリモル(110ml)の四塩化
チタンを105℃の温度で2時間混合した。実施例1と
同じ分離および洗浄段階を実施した後、そのチタン化を
受けた塩化マグネシウムにx線回折分析に続いてポリプ
ロピレン重合試験を受けさせた。このx線回折分析は、
そのチタン化を受けた塩化マグネシウムは結晶性パター
ンを有していてx線回折スペクトルにハロが現れないこ
とを示していた。プロピレン重合試験におけるポリプロ
ピレン収率は触媒1グラム当たり6692グラムのみの
ポリプロピレンであった。このことは、再び、この触媒
がアルファ−オレフィン重合で示す活性は低いことを示
している。
【0036】比較実施例3 この比較実施例では、ハロゲン置換化合物として異なる
前駆体を用いそして塩化マグネシウムの製造で異なる条
件を用いかつまたチタン化過程で異なる条件を用いる以
外、実施例3を繰り返した。比較実施例3では、150
mlのヘプタンに入っている245ミリモルのマグネシ
ウムジエトキサイドを428ミリモルのジフェニルケイ
素ジクロライドと一緒に96℃の温度で504時間混合
した。回収用媒体としてヘキサンを25℃の温度で用い
て固体状生成物を回収した後、分離を遠心分離で行い、
そして25℃の温度のヘプタンを用いて洗浄を3回行っ
た。
【0037】結果として得た塩化マグネシウムが示した
x線回折スペクトルの回折パターンは2.56から2.
95オングストロームの格子面間隔の所にハロを示し
た。このことは、上記塩化マグネシウムが実施例1から
3に存在するような高い結晶構造を持たないことを示し
ていた。
【0038】その後、上記塩化マグネシウムにチタン化
を受けさせたが、ここでは、66mgの塩化マグネシウ
ムと935ミリモル(100ml)の四塩化チタンを1
05℃の温度で2時間混合した。そのチタン化を受けた
塩化マグネシウムを25℃の温度のヘキサンを用いた濾
過で回収した。その後、このチタン化を受けた塩化マグ
ネシウムを25℃のヘプタンで数回洗浄した。次に、そ
の結果として得たチタン化を受けた塩化マグネシウムに
再びx線回折分析を受けさせたが、これのx線回折スペ
クトルは、前以てチタン化を受けさせておいた塩化マグ
ネシウムにおけるハロと同様なハロを示した。また、こ
のチタン化を受けさせた塩化マグネシウムも実施例1と
同様なプロピレン重合試験で用いた。2回行った実験の
ポリプロピレン収率は、それぞれ、触媒1グラム当たり
2586グラムおよび3125グラムのポリプロピレン
であった。このことは、アルファ−オレフィン重合の活
性が実施例1から3の触媒に比較してかなり低いことを
示している。
【0039】本発明の特徴および態様は以下のとうりで
ある。
【0040】1. チーグラー・ナッタ触媒の製造方法
であって、有機マグネシウム化合物とハロゲン置換化合
物を反応させて、x線スペクトルで2.56から3.2
0オングストロームの範囲内の格子面間隔の所に強い回
折線を示す結晶性のハロゲン化マグネシウムを生じさ
せ、そして該ハロゲン化マグネシウムをチタン化合物と
混合することで該ハロゲン化マグネシウムにチタン化を
受けさせ、それによって、そのチタン化を受けたハロゲ
ン化マグネシウムがx線スペクトルで2.56から3.
30オングストロームの範囲内の格子面間隔の所に現れ
るハロを示すようにすることを含む方法。
【0041】2. 該ハロゲン化マグネシウムに塩化マ
グネシウムを含める第1項記載の方法。
【0042】3. 該有機マグネシウム化合物に有機マ
グネシウムハライドまたはマグネシウムアルコキサイド
を含める第1項または第2項記載の方法。
【0043】4. 該有機マグネシウムハライドにフェ
ニルマグネシウムクロライドを含めそして該マグネシウ
ムアルコキサイドにマグネシウムジ(メチル 2 ペン
チルオキサイド)またはマグネシウムジエトキサイドを
含める第3項記載の方法。
【0044】5. 該ハロゲン置換化合物に置換もしく
は未置換ケイ素クロライド;ケイ素ジクロライドジエト
キサイド((C25O)2SiCl2);ジフェニルケイ
素ジクロライド((C652SiCl2);ジメチルケ
イ素ジクロライド((CH32SiCl2);または四
塩化ケイ素を含める前項いずれか記載の方法。
【0045】6. 該有機マグネシウム化合物と該ハロ
ゲン置換化合物を20から60℃の温度の有機溶媒中で
3から72時間反応させることで該ハロゲン化マグネシ
ウムを生じさせる前項いずれか記載の方法。
【0046】7. 該ハロゲン置換化合物中のハライド
に対する該有機マグネシウム化合物中のマグネシウムの
モル比を0.5から2にする第6項記載の方法。
【0047】8. 該ハロゲン化マグネシウムを塩化チ
タンに接触させることでそれにチタン化を受けさせる前
項いずれか記載の方法。
【0048】9. 該チタン化段階を20から135℃
の温度で0.5から2時間実施する第8項記載の方法。
【0049】10. オレフィンの重合方法であって、
該オレフィンを第1から9項いずれか1項に従って生じ
させたチタン化を受けたハロゲン化マグネシウム触媒に
接触させることを含む方法。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チーグラー・ナッタ触媒の製造方法であ
    って、有機マグネシウム化合物とハロゲン化化合物を反
    応させて、x線スペクトルで2.56から3.20オン
    グストロームの範囲内の格子面間隔の所に強い回折線を
    示す結晶性のハロゲン化マグネシウムを生じさせ、そし
    て該ハロゲン化マグネシウムをチタン化合物と混合する
    ことで該ハロゲン化マグネシウムにチタン化を受けさ
    せ、それによって、そのチタン化を受けたハロゲン化マ
    グネシウムがx線スペクトルで2.56から3.30オ
    ングストロームの範囲内の格子面間隔の所に現れるハロ
    を示すようにすることを含む方法。
  2. 【請求項2】 オレフィンの重合方法であって、該オレ
    フィンを請求項1に従って生じさせたチタン化を受けた
    ハロゲン化マグネシウム触媒に接触させることを含む方
    法。
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