JP2000063390A - アセトキシシランの製法 - Google Patents

アセトキシシランの製法

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JP2000063390A
JP2000063390A JP11227742A JP22774299A JP2000063390A JP 2000063390 A JP2000063390 A JP 2000063390A JP 11227742 A JP11227742 A JP 11227742A JP 22774299 A JP22774299 A JP 22774299A JP 2000063390 A JP2000063390 A JP 2000063390A
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ホルン ミヒャエル
Albert-Johannes Dr Frings
フリングス アルベルト−ヨハネス
Peter Dr Jenkner
イェンクナー ペーター
Jaroslaw Monkiewicz
モンキーヴィッツ ヤロスラフ
Burkhard Dr Standke
シュタントケ ブルクハルト
Bertram Trautvetter
トラウトフェッター ベルトラム
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F7/00Compounds containing elements of Groups 4 or 14 of the Periodic Table
    • C07F7/02Silicon compounds
    • C07F7/08Compounds having one or more C—Si linkages
    • C07F7/18Compounds having one or more C—Si linkages as well as one or more C—O—Si linkages
    • C07F7/1896Compounds having one or more Si-O-acyl linkages

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アセトキシシランの製法 【解決手段】 本発明は、クロロシランを酢酸及び無水
酢酸と触媒の存在で反応させ、その際、反応段階1でク
ロロシランを酢酸と反応させ、生じた塩化水素分を排出
し、そうして得られた反応混合物を反応段階2で無水酢
酸と反応させ、生じる生成物混合物を後処理することに
よる、アセトキシシランの製法に関し、これは塩化アセ
チルを反応媒質として使用することを特徴とする。更に
本発明は、殊にジ−t―ブトキシジアセトキシシランの
製造にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロロシランを酢
酸及び無水酢酸と触媒の存在で反応させることによりア
セトキシシランを製造するにあたり、反応段階1でクロ
ロシランを酢酸と反応させ、生じた塩化水素分を排出
し、こうして得られた反応段階1からの反応混合物を反
応段階2で無水酢酸と反応させ、生じる生成物混合物を
後処理することによる、アセトキシシランの製法に関す
る。本発明は、ジ−t−ブトキシジアセトキシシランの
製造にも関する。
【0002】
【従来の技術】アセトキシシランは、化学工業で多方面
に使用されてきた。それらは、水の排除下で貯蔵可能で
あり、湿気が流入する場合には室温でも硬化可能である
プラスチック材料の製造の際の、例えば架橋性ケイ素化
合物として好適である。その例は、メチルトリアセトキ
シシラン、エチルトリアセトキシシラン及びプロピルト
リアセトキシシランのような化合物である。
【0003】オルガノアルコキシシランを、相応するク
ロロシランと無水酢酸ナトリウムとの、無水酢酸又は酢
酸との反応により製造できることは公知である。その
際、第3級塩基の存在で作業する場合に収量を高めるこ
ともできる。更に、テトラアセトキシシランを四塩化ケ
イ素及び酢酸から低沸点の有機溶剤、例えばエーテル中
で得ることもできる[W. Noll, Chemie und Technologi
e der Silicone, VCH Weinheim, 78 及び 79 頁 (196
0); Inorganic Syntheses Vol. IV, 45 〜 47頁 (195
3)]。
【0004】米国特許第2566347号明細書の刊行
物から、どのようにカルボノイルオキシシランが制御さ
れた条件下でハロゲンシラン及び有機カルボン酸から液
体有機溶剤、例えばペンタン、臭化エチル、イソプロピ
ルエーテル、ベンゼン並びに四塩化炭素中で製造されう
るかを読み取ることができる。テトラアセトキシシラン
を、相応する量のアルコールとの反応により、例えばジ
アルコキシジアセトキシシランに変えることができる。
【0005】フランス特許第1003073号明細書
は、オルガノクロロシランとモノカルボン酸無水物との
反応によるカルボノイルオキシシラン及びカルボン酸塩
化物の不連続的及び同時的製造を開示している。
【0006】ヨーロッパ特許(EP−A2)第0845
469号明細書は、オルガノクロロシランとカルボン酸
及びカルボン酸無水物との、2反応段階での、触媒作用
による反応によるオルガノカルボノイルオキシシランの
製法を教示している。溶剤の不在では副反応、例えば生
じた生成物の熱分解又はHClと酢酸との反応が増加し
て生じ得、このことは著しい収量減少をもたらすことを
確認することができる。
【0007】記載の方法の1実施態様は、溶剤としてヘ
キサンの使用下で行われる。
【0008】これによると第1反応段階で、アルキルク
ロロシラン及びヘキサンからの装入混合物に沸騰するほ
ど高温で酢酸を計量添加することが想定される。その
際、塩化水素が排出される。
【0009】第2段階では、得られた反応混合物を過剰
の無水酢酸に入れ、その際に塩化アセチル及びヘキサン
を蒸留により分離する。過剰の無水物の除去後に粗製ア
セトキシシランが残る。
【0010】得られた塩化アセチル/ヘキサン混合物
を、当量の水を用いて加水分解して酢酸/ヘキサン混合
物にして、引き続いて蒸留により分離し、後続して合成
に再び供給することができる。
【0011】更に溶剤又は希釈剤として、ヨーロッパ特
許(EP−A2)第0845469号明細書はペンタ
ン、ベンゼン、トルエン及びトリクロロエチレンを開示
している。
【0012】しかし、この自体有利な方法に関しては、
注釈をつけなければならない:遊離水を系内に持ち込ま
ないために、塩化アセチル/ヘキサン加水分解では非常
に厳密に作業されなければならない。この工程は、工業
的規模では経費がかかりかつ往々にして不正確である滴
定に匹敵する。系内の水はシランとの接触でシロキサン
を生じ、それにより生成物の質及び収量が下げられるか
らである。
【0013】水との反応後に、得られた酢酸/ヘキサン
混合物を蒸留して相互に分別しなければならない。この
蒸留は同様に経費がかかり、特に酢酸の高い融点の故に
複雑な、通常では障害の生じ易い凝縮系を必要とする。
【0014】第1反応段階及び塩化アセチル/ヘキサン
後処理では、塩化水素がヘキサン含有溶液から生成され
る。このことは、著しい量のヘキサンが排気処理系内に
達し得、そこでそれは、例えば不活性ガスにより排出さ
れ、そうして大気中に達し得るという問題と結びついて
いる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の根底を
なす課題は、前記の問題を実質的に回避することを可能
にする、アセトキシシランの製法を提供することであっ
た。
【0016】
【課題を解決するための手段】記載の課題は、本発明に
より請求項の記載に従って解決される。
【0017】意想外に、ヨーロッパ特許(EP−A2)
第0845469号明細書が開示している方法を基礎と
して、その際に多官能性反応媒質として簡単かつ経済的
な方法で塩化アセチルを使用する場合に、上記の問題を
有利な方法で回避することができることを見出した。
【0018】従って反応媒質として使用される塩化アセ
チルは、本発明では同時に種々の機能を有利に満たし得
る:塩化アセチルは、その加水分解生成物の形で非常に
良好な水溶性溶剤である。その場合、反応の排気は主に
水溶性成分から成り、簡単かつ有利な方法で給水(wass
ergespeist)気体洗浄器内で凝縮(niederschlagen)さ
せられ得る(溶剤としての機能)。
【0019】その低い沸点の故に、それは反応温度を殊
に反応段階1で制限し、従って生成されたアセトキシシ
ラン又はその可能性のある、なお塩素含有の前駆物質の
熱分解を防止する(温度制限物質(Temperaturbegrenze
r)としての機能)。
【0020】更に塩化アセチルは、エステル化反応の際
に塩化水素用の共沸剤(Schleppmittel)として作用し
得る。それにより、反応混合物中の塩化水素濃度は好適
に低いままであり、このことはHCl及び酢酸の、塩化
アセチル及び水への副反応を防止する(共沸剤としての
機能)。
【0021】塩化アセチルは、塩化水素を特に高温では
難溶する。それにより反応混合物中のHCl濃度を同様
に低く保つことができる(希釈剤としての機能)。
【0022】反応段階2では、塩化アセチル/ヘキサン
混合物の代わりに塩化アセチルだけが生じる。塩化アセ
チルと水との部分的反応により、続いて目的生成物又は
その前駆物質の加水分解をもたらすことになる水の過剰
を確実に回避することができる(水捕獲剤としての機
能)。
【0023】加水分解後に存在する塩化アセチル/酢酸
混合物に、有利に次バッチの反応段階1でクロロシラン
を直接に計量添加することができる(出発物質源として
の機能)。
【0024】塩化アセチルと酢酸との、無水酢酸への更
なる反応は、一般的にその際に占める条件下では著しく
遅く、従って顧慮せずにおくことができる。
【0025】従って本発明の対象は、クロロシランを酢
酸及び無水酢酸と触媒の存在で反応させ、その際に反応
段階1でクロロシランを酢酸と反応させ、生じた塩化水
素分を排出し、そうして得られた反応混合物を反応段階
2で無水酢酸と反応させ、生じる生成物混合物を後処理
することによる、アセトキシシランの製法であり、これ
は、塩化アセチルを反応媒質として使用することを特徴
とする。
【0026】本発明による方法では、反応段階1で一般
式RnSiCl(4-n)(I)[式中、Rは炭素原子1〜6
個を有する線状、分枝した若しくは環状のアルキル基又
はフェニル基又はベンジル基を表し、nは0、1、2又
は3である]のクロロシラン少なくとも1種を使用する
のが有利である。
【0027】好適に反応段階1で、異なる2種の又は2
種を超える一般式(I)のクロロシランを使用すること
もでき、その際、クロロシラン成分を個別成分として順
次に又はそれらの混合物の形で使用することができる。
【0028】本発明による方法でクロロシラン数種を個
別成分として使用する場合には、クロロシランの添加の
順序を各クロロシランの増加する反応性に従って実施す
るのが有利である。
【0029】本発明による方法では、クロロシランとし
て特に有利に一般式(I)のもの、殊に(しかし専らと
いうわけではなく)テトラクロロシラン、ビニルトリク
ロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロ
ロシラン、プロピルトリクロロシラン又はフェニルトリ
クロロシラン、ジメチルジクロロシラン及び2−クロロ
エチルメチルジクロロシランを使用する。
【0030】通常、本発明による方法では反応を触媒の
存在で実施する。従って本発明による方法では、有利に
有機酸アミド、特に有利にN,N−ジメチルホルムアミ
ドを触媒として使用する。
【0031】触媒の含有率を、好適に反応段階1で、ク
ロロシランの使用量に対して0.001〜0.2重量
%、殊に0.002〜0.005重量%に調整する。
【0032】更に本発明による方法の実施では、反応段
階1で酢酸及び塩化アセチルからの混合物を装入し、ク
ロロシラン成分を計量添加するのが有利である。
【0033】有利に反応段階1での反応を、その都度存
在する反応混合物の沸騰温度で、かつ好適には900〜
1100ミリバールの絶対圧で実施する。
【0034】本発明による方法の反応段階1で酢酸を、
クロロシランに結合している塩素の平均して50モル%
を反応させるために必要である量で使用するのも有利で
ある。通常、その際生じる塩化水素分は気相を介して排
出される。その際、塩化アセチルは好適かつ経済的に共
沸剤として作用する。
【0035】本発明による方法の反応段階2では、有利
に無水酢酸を装入し、次いで、既に上記の反応後に生じ
た反応段階1からの反応混合物を計量添加し、その際生
じる塩化アセチルを留去し、引き続いて場合により過剰
の無水酢酸を留去することもできる。
【0036】本発明による方法の反応段階1及び2を、
通常40〜120℃の範囲の温度で行い、その際反応段
階1を50〜65℃で、そして反応段階2を50〜10
0℃で行うのが有利である。
【0037】更に、本発明による方法の全ての反応を、
好適に不活性ガス下及び殊に空気の湿気の排除下で実施
する。
【0038】反応段階2での反応を、その都度存在する
反応混合物の沸騰温度で実施するのも有利である。
【0039】本発明による方法の反応段階2で、反応を
1バール〜1ミリバールの範囲の絶対圧で実施するのが
有利であり、その際に大気圧で始め、進行している反応
時に圧力を下げるのが好適である。
【0040】更に、反応段階2で無水酢酸を少なくと
も、反応段階1からの反応混合物のアセトキシクロロシ
ランに結合している塩素を塩化アセチルに変えるために
必要である量で使用するのが有利である。
【0041】殊にその際、クロロシランの使用量に対し
て300重量%まで、特に有利に0.1〜100重量
%、非常に特に有利に50〜100重量%の過剰を有す
る無水酢酸を使用する。
【0042】反応段階2での反応で得られる生成物混合
物を蒸留により後処理するのが好適であり、頂部を介し
て塩化アセチル及び場合により過剰の無水酢酸が排出さ
れ、所望の生成物が残留する。そうして得られた生成物
は、使用クロロシランに対して一般的に定量的に生じ
る。それは、通常オリゴマーシロキサン約2%及び加水
分解されうる塩化物10重量ppm未満を含有する。必
要な場合には、それを自体公知の方法で蒸留により後精
製することができる。
【0043】次いで、反応段階2で得られ、蒸留により
分離された塩化アセチル留分に水を加え、反応させて塩
化アセチル及び酢酸からの混合物にするのが好適であ
り、その際水量を、酢酸が、クロロシランに結合してい
る塩素の平均して50モル%を反応段階1で反応させる
ためにそれが必要である量で生成されるように選択する
のが有利である。
【0044】そうして得られた塩化アセチル及び酢酸か
らの混合物を再び反応段階1で使用するのが有利であ
る。塩化アセチルの損失を、有利に水量の僅かな変動に
より調整することができる。通常、ここで本方法のサイ
クルが完成する。
【0045】そうして本発明による方法により下記の化
合物を製造するのが有利である:テトラアセトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキ
シシラン、メチルトリアセトキシシラン、プロピルトリ
アセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、フェ
ニルトリアセトキシシラン又はこれらの、例えばメチル
トリアセトキシシラン及びエチルトリアセトキシシラン
からの混合物。
【0046】本発明による方法を、一般的に下記の通り
実施することができる:トリクロロシラン1当量(1e
q)を酢酸1.5当量と第1段階で、更に1.5当量足
す過剰の無水酢酸と第2段階で反応。その際、反応媒質
として使用される塩化アセチルに付加的に更に塩化アセ
チル1.5当量が遊離し、これは水1.5当量と一緒に
再び酢酸1.5当量を次のバッチにもたらし得る。通
常、そうしてアセトキシシラン1当量を得る。例えば、
【0047】
【化1】
【0048】による。
【0049】実際には、塩化水素を介して塩化アセチル
の損失がその分圧に応じて生じ得る。このことを、好適
に1.5当量よりやや少ない水を用いて加水分解し、そ
れにより同じく1.5当量よりやや少ない酢酸が得ら
れ、これは更なる過程で高められた無水酢酸消費及びひ
いてはより高い塩化アセチル生成量をもたらすことによ
り調整することができる。それにより損失は有利な方法
で再び調整されていることになる。
【0050】本発明による方法により、上記の反応条件
下で固体で、反応媒質に難溶性のテトラアセトキシシラ
ンを製造することもできる。しかしその場合、方法段階
の実施のためには、固体の使用に好適な装置を、殊に必
要な濾過を実施することができるように使用するべきで
ある。
【0051】本発明による方法を、意想外な、簡単かつ
経済的な、従って有利な方法でアルコキシアセトキシシ
ランの製造と組み合わせることもできる。
【0052】例えば、ジ−t―ブトキシジアセトキシシ
ランをテトラアセトキシシランから製造しようとする場
合には、好適に本発明により得られたテトラアセトキシ
シランを、直ぐに固体の単離に引き続いて、このために
予定されている量のアルコール、即ちt―ブタノールと
自体公知の方法で反応させ、その際遊離する量の酢酸を
留去することができる。
【0053】本発明による方法では、反応段階2に引き
続いてテトラアセトキシシランとt―ブタノールとの反
応から得られた酢酸を少なくとも部分的に、簡単で経済
的かつひいては有利な方法で反応段階1で使用するのが
好適である。
【0054】反応段階1でSi結合塩素のもはや75%
を酢酸と反応させ、その結果、有利な方法で塩化水素の
他に実質的に更なる副生成物を生じないのが有利であ
る:
【0055】
【化2】
【0056】反応媒質として塩化アセチルを用い、その
際それが好適に同時に溶剤、希釈剤、共沸剤、水捕獲
剤、温度制限物質及び出発物質源として機能する、本発
明によるこの方法は、それによりアセトキシシランの本
製法の特に経済的かつ環境に対応した実施を可能にす
る。
【0057】本発明を下記の例により詳述する。
【0058】
【実施例】例1 プロピルトリアセトキシシランの製造 装置A:攪拌機、滴下漏斗、水冷器、ドライアイス冷却
器(イソプロパノール中のドライアイス、約−40℃に
調節されている)を有する、二重壁の、オイルで加熱さ
れる1リットル多口フラスコ。この装置を窒素で充填す
ることができる。
【0059】装置B:攪拌機、滴下漏斗、50cm充填
塔、還流分離器(Ruecklaufteiler)及び蒸留受け器を
有する塔頂、水冷器、ドライアイス冷却器(イソプロパ
ノール中のドライアイス、約−40℃に調節されてい
る)を有する、二重壁の、オイルで加熱される1リット
ル多口フラスコ。この装置を窒素で充填することができ
る一方で、他方ではそれは、予め接続され、ドライアイ
スで冷却される冷却トラップを有する真空ユニットを有
する。
【0060】1シリーズの第1バッチ:装置Bに無水酢
酸471g(4.62モル)を装入し、攪拌下に90℃
に加熱する(加熱浴120℃)。そこに、4時間以内に
プロピルトリクロロシラン210g(1.19モル)を
計量添加する。この両物質の反応から遊離する塩化アセ
チルを、既に計量添加の間に常圧で留去する(採取:還
流 2:1)。計量添加の終了後に反応が弱まる場合に
は、加熱温度を約100℃に戻し、装置の圧力を下げ
る。塩化アセチルを更に受け器内に蒸留する(採取:還
流 2:1)。約250ミリバールから採取を止め、反
応混合物を更に還流で約2時間沸騰させる。塔頂温度
は、差し当たり冷却水温度の僅か下まで低下する。この
段階で塩化アセチル残留物は沸騰し水冷器及び冷凍器を
通り、冷却トラップに集まる。記載の時間の終了頃には
塔頂温度及び塔底温度は一定レベルまで上昇する。ここ
で、約50ミリバールで過剰の無水酢酸を留去すること
を始める。この段階の終了時に装置圧力を<3ミリバー
ルに下げる。
【0061】下記の留分を得る: 生成物:低沸点物 <1%及び高沸点物 <1%を有す
るプロピルトリアセトキシシラン290g、 塩化アセチル:無水酢酸 <2%を有する、蒸留受け器
及び冷却トラップからの241ml=265g、 無水酢酸:塩化アセチル <1%を有する145g。
【0062】装置Aにこの塩化アセチル265g(3.
38モル)を装入する。加熱温度を60℃に調節してあ
る。4時間以内に水34.9g(1.94モル)を計量
添加する。遊離HClを排出する。添加の後に更に30
分間後加熱する。塩化アセチル/酢酸混合物225gを
計り取る(酢酸51%)。
【0063】1シリーズの第2及び更なるバッチ: 第1反応段階:前記のバッチの終了時に装置Aで得られ
た、酢酸約16g(1.93モル)を含有する塩化アセ
チル/酢酸混合物に、ジメチルホルムアミド3滴を加
え、装置Aで塩化アセチルの沸点まで加熱する。4時間
以内にプロピルトリクロロシラン240g(1.35モ
ル)を計量添加する。その際遊離するHClを排出す
る。添加の後に塔底温度が一定になるまで、更に約4時
間十分に沸騰させる。反応混合物の、ガスクロマトグラ
フィーによる検査は、プロピルトリクロロシランと酢酸
との間の可能性のある全ての反応生成物の存在を示す。
酢酸は<0.5%、そしてオリゴマーは<1%含有され
ている。
【0064】第2反応段階:その間に装置Bに、前記の
バッチから回収された無水酢酸を装入しておいた(約1
45g)。新たな無水酢酸212gを加える。両方一緒
に(無水酢酸 合計3.5モル)、第1バッチの際の冒
頭での記載の通りに加熱する。塔底温度90℃で、第1
段階からの上記の反応混合物の計量添加を始める。計量
添加条件及び蒸留時間は、第1バッチに関して冒頭で実
施された通りの記載に一致する。
【0065】下記の留分を得る: 生成物:低沸点物 <1%及び高沸点物 <2%を有す
るプロピルトリアセトキシシラン332g、 塩化アセチル:無水酢酸 <2%を有する、蒸留受け器
及び冷却トラップからの241ml=265g、 無水酢酸:塩化アセチル <1%を有する145g。
【0066】引き続いて、その際に得られた塩化アセチ
ルの部分的加水分解を、本シリーズの第1バッチに関し
て既に上に記載した通り行い、それをもって1サイクル
が完成する。
【0067】例2 エチルトリアセトキシシラン及びメチルトリアセトキシ
シランからの2:1混合物の製造 装置Aで、前記バッチからの塩化アセチル240ml
を、水34.2g(1.90モル)を用いて部分的加水
分解しておいた。
【0068】第1反応段階:得られた塩化アセチル/酢
酸混合物にジメチルホルムアミド3滴を加え、差し当た
りエチルトリクロロシラン139.7g(0.854モ
ル)を、例1に記載の通りに計量添加し、生じる塩化水
素を排出する。計量添加の終了後に約1時間加熱する。
その間に、滴下漏斗に改めてメチルトリクロロシラン6
8.0g(0.455モル)を入れ、これを加熱段階に
引き続いて反応混合物に計量添加する。反応混合物を更
にその温度一定まで加熱し、次いでそれを装置Bの滴下
漏斗に移す。
【0069】第2反応段階:ここで無水酢酸345g
(3.38モル)が装入してある。例1に記載の通り、
本方法のこの段階で段階1からの反応混合物を計量添加
する。全ての塩化アセチル及び過剰無水酢酸を留去し、
生成物としてこの蒸留の残留物を得る。
【0070】下記の留分を得る: 生成物:低沸点物 <1%、高沸点物 <1%及び加水
分解されうる塩化物 <10ppmを有するアセトキシ
シラン混合物(エチルトリアセトキシシラン67%、メ
チルトリアセトキシシラン33%)298g、 塩化アセチル:無水酢酸 <2%を有する、蒸留受け器
及び冷却トラップからの241ml=265g、 無水酢酸:塩化アセチル <1%を有する138g。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アルベルト−ヨハネス フリングス ドイツ連邦共和国 ラインフェルデン デ ューラーシュトラーセ 50 (72)発明者 ペーター イェンクナー ドイツ連邦共和国 ラインフェルデン フ リードリッヒ−エーベルト−シュトラーセ 8/22 (72)発明者 ヤロスラフ モンキーヴィッツ ドイツ連邦共和国 ラインフェルデン ブ ルステルシュトラーセ 2 アー (72)発明者 ブルクハルト シュタントケ ドイツ連邦共和国 レルラッハ クリショ ナシュトラーセ 25 (72)発明者 ベルトラム トラウトフェッター ドイツ連邦共和国 ラインフェルデン ア ムゼルシュタイク 5

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロロシランを酢酸及び無水酢酸と触媒
    の存在で反応させることによりアセトキシシランを製造
    するにあたり、反応段階1でクロロシランを酢酸と反応
    させ、生じた塩化水素分を排出し、こうして得られた反
    応段階1からの反応混合物を反応段階2で無水酢酸と反
    応させ、生じる生成物混合物を後処理することによる、
    アセトキシシランの製法において、塩化アセチルを反応
    媒質として使用することを特徴とする、アセトキシシラ
    ンの製法。
  2. 【請求項2】 反応段階1でクロロシランを酢酸及び塩
    化アセチルからの混合物に添加する、請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 少なくとも一方の反応段階での反応を、
    存在する反応混合物の沸騰温度で実施する、請求項1又
    は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 反応段階1での反応を900〜1100
    ミリバールの絶対圧で実施する、請求項1からの3のい
    ずれか1項記載の方法。
  5. 【請求項5】 反応段階1で酢酸を、クロロシラン中で
    結合している塩素の平均して50モル%を反応させるた
    めに必要な量で使用する、請求項1から4のいずれか1
    項記載の方法。
  6. 【請求項6】 反応段階2で、無水酢酸を装入し、反応
    段階1からの反応混合物を添加し、生じる塩化アセチル
    及び場合により引き続いて過剰の無水酢酸を留去する、
    請求項1から5のいずれか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 反応段階2での反応を1バール〜1ミリ
    バールの範囲内の絶対圧で実施する、請求項1から6の
    少なくともいずれか1項記載の方法。
  8. 【請求項8】 反応段階2で無水酢酸を少なくとも、反
    応段階1からの反応混合物のアセトキシクロロシラン中
    で結合している塩素を塩化アセチルに変えるために必要
    な量で使用する、請求項1から7のいずれか1項記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 クロロシランの使用量に対して300重
    量%までの過剰量で無水酢酸を使用する、請求項8記載
    の方法。
  10. 【請求項10】 反応段階2での分離により得られた塩
    化アセチルに、目的に合わせて水を添加し、反応させて
    塩化アセチル及び酢酸からの混合物にし、そうして得ら
    れた塩化アセチル及び酢酸からの混合物を反応段階1で
    使用する、請求項1から9のいずれか1項記載の方法。
  11. 【請求項11】 触媒として有機酸アミドを使用する、
    請求項1から10のいずれか1項記載の方法。
  12. 【請求項12】 ジ−t―ブトキシジアセトキシシラン
    の製法において、反応段階1で酢酸を、クロロシラン中
    で結合している塩素の平均して75%を反応させるため
    に必要な量で使用することを特徴とする、請求項1から
    4又は請求項6から11による、ジ−t―ブトキシジア
    セトキシシランの製法。
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