JP2000063373A - 4−ヒドロキシメチル−γ−ブチロラクトンの製造方法および該製造方法に有用な中間体並びに該中間体の製造方法 - Google Patents
4−ヒドロキシメチル−γ−ブチロラクトンの製造方法および該製造方法に有用な中間体並びに該中間体の製造方法Info
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- JP2000063373A JP2000063373A JP25185598A JP25185598A JP2000063373A JP 2000063373 A JP2000063373 A JP 2000063373A JP 25185598 A JP25185598 A JP 25185598A JP 25185598 A JP25185598 A JP 25185598A JP 2000063373 A JP2000063373 A JP 2000063373A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 工業的規模で有利に4−ヒドロキシメチル−
γ−ブチロラクトンを製造できる方法を提供する。 【解決手段】 式(2) 【化1】 (式中、Rは飽和脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水
素基を表す)で示される4,5−ジアシロキシペンタナ
ールをN−オキシラジカルの存在下に次亜塩素酸塩で酸
化することによって、式(3) 【化2】 (式中、Rは前記定義のとおりである)で示される化合
物に変換し、さらに得られた化合物を加水分解する。
γ−ブチロラクトンを製造できる方法を提供する。 【解決手段】 式(2) 【化1】 (式中、Rは飽和脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水
素基を表す)で示される4,5−ジアシロキシペンタナ
ールをN−オキシラジカルの存在下に次亜塩素酸塩で酸
化することによって、式(3) 【化2】 (式中、Rは前記定義のとおりである)で示される化合
物に変換し、さらに得られた化合物を加水分解する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4−ヒドロキシメ
チル−γ−ブチロラクトンの製造方法に関する。本発明
により提供される4−ヒドロキシメチル−γ−ブチロラ
クトンは、種々の核酸類を合成するための原料として有
用である(例えば、特表平8−510747号公報;
J.Org.Chem.,53,4780頁(198
8)などを参照)。
チル−γ−ブチロラクトンの製造方法に関する。本発明
により提供される4−ヒドロキシメチル−γ−ブチロラ
クトンは、種々の核酸類を合成するための原料として有
用である(例えば、特表平8−510747号公報;
J.Org.Chem.,53,4780頁(198
8)などを参照)。
【0002】
【従来の技術】従来、4−ヒドロキシメチル−γ−ブチ
ロラクトンの製造方法としては下記の〜の方法が知
られている。 グルタミン酸を亜硝酸ナトリウムと反応させることに
よってγ−ブチロラクトン−γ−カルボン酸とし、該ラ
クトンカルボン酸をボラン・メチルスルフィド錯体〔B
H3 ・S(CH3 )2 〕で処理する方法〔J.Org.
Chem.,53, 4780頁(1988)参照〕。 セルロースの熱分解で得られるレボグルコセノンを水
素添加し、得られた化合物を過酸で処理する方法〔特開
平3−109384号公報参照〕。 1,2:5,6−ジ−O−イソプロピリデン−D−マ
ンニトールに過ヨウ素酸ナトリウムを作用させて酸化
し、さらにトリエチルホスホノアセテートを作用させて
α,β−不飽和エステル誘導体とし、該エステル誘導体
を水素添加した後、酸で処理する方法〔特開昭62−2
46567号公報参照〕。 4−ペンテンカルボン酸エステルをハロゲン化し、得
られた生成物を150〜200℃に加熱することによっ
て4−ハロゲノメチル−γ−ブチロラクトンとし、該ラ
クトンを塩基で処理することによって4,5−エポキシ
−ペンタン酸エステル誘導体とし、次いで酸で処理する
方法〔特開昭56−150078号公報参照〕。
ロラクトンの製造方法としては下記の〜の方法が知
られている。 グルタミン酸を亜硝酸ナトリウムと反応させることに
よってγ−ブチロラクトン−γ−カルボン酸とし、該ラ
クトンカルボン酸をボラン・メチルスルフィド錯体〔B
H3 ・S(CH3 )2 〕で処理する方法〔J.Org.
Chem.,53, 4780頁(1988)参照〕。 セルロースの熱分解で得られるレボグルコセノンを水
素添加し、得られた化合物を過酸で処理する方法〔特開
平3−109384号公報参照〕。 1,2:5,6−ジ−O−イソプロピリデン−D−マ
ンニトールに過ヨウ素酸ナトリウムを作用させて酸化
し、さらにトリエチルホスホノアセテートを作用させて
α,β−不飽和エステル誘導体とし、該エステル誘導体
を水素添加した後、酸で処理する方法〔特開昭62−2
46567号公報参照〕。 4−ペンテンカルボン酸エステルをハロゲン化し、得
られた生成物を150〜200℃に加熱することによっ
て4−ハロゲノメチル−γ−ブチロラクトンとし、該ラ
クトンを塩基で処理することによって4,5−エポキシ
−ペンタン酸エステル誘導体とし、次いで酸で処理する
方法〔特開昭56−150078号公報参照〕。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
に記載された方法は、原料のグルタミン酸が比較的高価
であり、しかもグルタミン酸からの収率が35%と低い
といった問題点があり、また、上記およびに記載さ
れた方法は過酸や過ヨウ素酸ナトリウムといった爆発性
の試薬を用いるため、安全面で問題がある。さらに、上
記に記載された方法は、ハロゲノメチル基をヒドロキ
シメチル基に変換する際に一たん生成したラクトン環を
開環してから再度閉環させてラクトン環を構築するとい
う手法をとっており、そのために4−ペンテンカルボン
酸エステルからの収率が低いという問題がある。以上の
ように、従来知られている4−ヒドロキシメチル−γ−
ブチロラクトンの製造方法は、いずれも工業的に実施す
るには適しているとはいい難い。しかして、本発明は、
工業的規模で有利に4−ヒドロキシメチル−γ−ブチロ
ラクトンを製造できる方法を提供することを課題とす
る。
に記載された方法は、原料のグルタミン酸が比較的高価
であり、しかもグルタミン酸からの収率が35%と低い
といった問題点があり、また、上記およびに記載さ
れた方法は過酸や過ヨウ素酸ナトリウムといった爆発性
の試薬を用いるため、安全面で問題がある。さらに、上
記に記載された方法は、ハロゲノメチル基をヒドロキ
シメチル基に変換する際に一たん生成したラクトン環を
開環してから再度閉環させてラクトン環を構築するとい
う手法をとっており、そのために4−ペンテンカルボン
酸エステルからの収率が低いという問題がある。以上の
ように、従来知られている4−ヒドロキシメチル−γ−
ブチロラクトンの製造方法は、いずれも工業的に実施す
るには適しているとはいい難い。しかして、本発明は、
工業的規模で有利に4−ヒドロキシメチル−γ−ブチロ
ラクトンを製造できる方法を提供することを課題とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記課
題は、式(2)
題は、式(2)
【0005】
【化7】
【0006】(式中、Rは飽和脂肪族炭化水素基または
芳香族炭化水素基を表す)で示される4,5−ジアシロ
キシペンタナールをN−オキシラジカルの存在下に次亜
塩素酸塩で酸化することによって、式(3)
芳香族炭化水素基を表す)で示される4,5−ジアシロ
キシペンタナールをN−オキシラジカルの存在下に次亜
塩素酸塩で酸化することによって、式(3)
【0007】
【化8】
【0008】(式中、Rは前記定義のとおりである)で
示される化合物に変換し、さらに得られた化合物を加水
分解することからなる、式(1)
示される化合物に変換し、さらに得られた化合物を加水
分解することからなる、式(1)
【0009】
【化9】
【0010】で示される4−ヒドロキシメチル−γ−ブ
チロラクトンの製造方法を提供することによって解決さ
れる。
チロラクトンの製造方法を提供することによって解決さ
れる。
【0011】
【発明の実施の形態】上記の式(2)および(3)にお
いて、Rが表す飽和脂肪族炭化水素基としては、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられ、ま
た、Rが表す芳香族炭化水素基としては、例えば、フェ
ニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基等のアラ
ルキル基などが挙げられる。Rが表す飽和脂肪族炭化水
素基または芳香族炭化水素基としては炭素数が1〜10
のものが好ましい。
いて、Rが表す飽和脂肪族炭化水素基としては、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられ、ま
た、Rが表す芳香族炭化水素基としては、例えば、フェ
ニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基等のアラ
ルキル基などが挙げられる。Rが表す飽和脂肪族炭化水
素基または芳香族炭化水素基としては炭素数が1〜10
のものが好ましい。
【0012】ここで、本発明において出発物質として使
用される、式(2)で示される化合物の具体例を示せ
ば、4,5−ジアセトキシペンタナール、4,5−ジプ
ロピオニルオキシペンタナール、4,5−ジバレリルオ
キシペンタナール、4,5−ジイソバレリルオキシペン
タナール、4,5−ジベンゾイルオキシペンタナールな
どである。なお、所望により式(2)で示される化合物
として、例えば、(R)−4,5−ジアセトキシペンタ
ナール、(S)−4,5−ジアセトキシペンタナールな
どの光学活性体を使用することもできる。
用される、式(2)で示される化合物の具体例を示せ
ば、4,5−ジアセトキシペンタナール、4,5−ジプ
ロピオニルオキシペンタナール、4,5−ジバレリルオ
キシペンタナール、4,5−ジイソバレリルオキシペン
タナール、4,5−ジベンゾイルオキシペンタナールな
どである。なお、所望により式(2)で示される化合物
として、例えば、(R)−4,5−ジアセトキシペンタ
ナール、(S)−4,5−ジアセトキシペンタナールな
どの光学活性体を使用することもできる。
【0013】式(2)で示される4,5−ジアシロキシ
ペンタナールは、例えば、工業的に入手できる3,4−
ジアシロキシ−1−ブテンをロジウム化合物および第三
級有機リン化合物の存在下に水素および一酸化炭素と反
応させる(ヒドロホルミル化する)ことによって、工業
的規模で安価に製造することが可能である。
ペンタナールは、例えば、工業的に入手できる3,4−
ジアシロキシ−1−ブテンをロジウム化合物および第三
級有機リン化合物の存在下に水素および一酸化炭素と反
応させる(ヒドロホルミル化する)ことによって、工業
的規模で安価に製造することが可能である。
【0014】本発明では、まず式(2)で示される4,
5−ジアシロキシペンタナールをN−オキシラジカルの
存在下に次亜塩素酸塩で酸化することによって式(3)
で示される化合物に変換する。
5−ジアシロキシペンタナールをN−オキシラジカルの
存在下に次亜塩素酸塩で酸化することによって式(3)
で示される化合物に変換する。
【0015】本発明において使用される次亜塩素酸塩
は、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウ
ム、次亜塩素酸カルシウム等であり、工業的に容易に入
手できる水溶液(例えば、次塩素酸ナトリウムの13%
水溶液)もしくは粉末(例えば、さらし粉)をそのま
ま、あるいは水で希釈して使用することができる。次亜
塩素酸塩の使用量は、収率よく反応を進めるという観点
から、式(2)で示される4,5−ジアシロキシペンタ
ナール1モルに対して、通常1〜1.5モル、好ましく
は1〜1.2モル、より好ましくは1〜1.05モルで
ある。
は、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウ
ム、次亜塩素酸カルシウム等であり、工業的に容易に入
手できる水溶液(例えば、次塩素酸ナトリウムの13%
水溶液)もしくは粉末(例えば、さらし粉)をそのま
ま、あるいは水で希釈して使用することができる。次亜
塩素酸塩の使用量は、収率よく反応を進めるという観点
から、式(2)で示される4,5−ジアシロキシペンタ
ナール1モルに対して、通常1〜1.5モル、好ましく
は1〜1.2モル、より好ましくは1〜1.05モルで
ある。
【0016】本発明においては、次亜塩素酸塩と組合わ
せてN−オキシラジカルを使用することが必要である。
N−オキシラジカルとしては、立体的に込み入った、い
わゆるヒンダードアミンから誘導される化合物を使用す
ることが好ましく、例えば、2,2,6,6−テトラメ
チル−1−ピペリジノオキシ(TEMPO)、4−アセ
トキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジ
ノオキシ、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラ
メチル−1−ピペリジノオキシ、4−ベンゾイルオキシ
−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジノオキ
シ、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1
−ピペリジノオキシ、4−ベンジルオキシ−2,2,
6,6−テトラメチル−1−ピペリジノオキシなどが挙
げられる。N−オキシラジカルの使用量は、式(2)で
示される4,5−ジアシロキシペンタナールに対して、
通常0.01モル%以上、好ましくは0.1〜2モル%
である。
せてN−オキシラジカルを使用することが必要である。
N−オキシラジカルとしては、立体的に込み入った、い
わゆるヒンダードアミンから誘導される化合物を使用す
ることが好ましく、例えば、2,2,6,6−テトラメ
チル−1−ピペリジノオキシ(TEMPO)、4−アセ
トキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジ
ノオキシ、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラ
メチル−1−ピペリジノオキシ、4−ベンゾイルオキシ
−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジノオキ
シ、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1
−ピペリジノオキシ、4−ベンジルオキシ−2,2,
6,6−テトラメチル−1−ピペリジノオキシなどが挙
げられる。N−オキシラジカルの使用量は、式(2)で
示される4,5−ジアシロキシペンタナールに対して、
通常0.01モル%以上、好ましくは0.1〜2モル%
である。
【0017】式(2)で示される4,5−ジアシロキシ
ペンタナールの酸化に際しては、溶媒は必須ではない
が、反応を阻害しない限り溶媒の使用は差支えない。使
用可能な溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素;塩化メチレ
ン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロ
ロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブ
チル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等のエ
ステル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル
等のエーテル類などが挙げられるが、これらの中でも塩
化メチレン等のハロゲン化炭化水素が好ましい。溶媒の
使用量は、特に限定されるものではないが、式(2)で
示される4,5−ジアシロキシペンタナールに対して、
通常0.1〜10倍重量であり、好ましくは0.5〜5
倍重量である。
ペンタナールの酸化に際しては、溶媒は必須ではない
が、反応を阻害しない限り溶媒の使用は差支えない。使
用可能な溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素;塩化メチレ
ン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロ
ロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブ
チル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等のエ
ステル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル
等のエーテル類などが挙げられるが、これらの中でも塩
化メチレン等のハロゲン化炭化水素が好ましい。溶媒の
使用量は、特に限定されるものではないが、式(2)で
示される4,5−ジアシロキシペンタナールに対して、
通常0.1〜10倍重量であり、好ましくは0.5〜5
倍重量である。
【0018】式(2)で示される4,5−ジアシロキシ
ペンタナールの酸化に際しては、反応系のpH(水素イ
オン濃度)を調節するために、反応系に塩を添加するこ
とができる。この際、反応系のpHは1〜13の範囲内
とすることが好ましく、3〜9の範囲内とすることがよ
り好ましい。
ペンタナールの酸化に際しては、反応系のpH(水素イ
オン濃度)を調節するために、反応系に塩を添加するこ
とができる。この際、反応系のpHは1〜13の範囲内
とすることが好ましく、3〜9の範囲内とすることがよ
り好ましい。
【0019】添加することのできる塩としては、例え
ば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩;炭酸水
素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素塩;リン
酸一水素ナトリウム、リン酸一水素カリウム、リン酸一
水素マグネシウム、リン酸一水素カルシウム等のリン酸
一水素塩;リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリ
ウム等のリン酸二水素塩;硫酸水素ナトリウム、硫酸水
素カリウム等の硫酸水素塩などが挙げられる。これらの
pH調節用の塩の使用量は、塩の種類によって異なる
が、例えば、リン酸二水素ナトリウムの場合は、式
(2)で示される4,5−ジアシロキシペンタナールに
対して5〜20モル%であることが好ましい。なお、こ
れらのpH調節用の塩は、通常、濃度が50重量%以内
の水溶液として使用される。
ば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩;炭酸水
素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素塩;リン
酸一水素ナトリウム、リン酸一水素カリウム、リン酸一
水素マグネシウム、リン酸一水素カルシウム等のリン酸
一水素塩;リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリ
ウム等のリン酸二水素塩;硫酸水素ナトリウム、硫酸水
素カリウム等の硫酸水素塩などが挙げられる。これらの
pH調節用の塩の使用量は、塩の種類によって異なる
が、例えば、リン酸二水素ナトリウムの場合は、式
(2)で示される4,5−ジアシロキシペンタナールに
対して5〜20モル%であることが好ましい。なお、こ
れらのpH調節用の塩は、通常、濃度が50重量%以内
の水溶液として使用される。
【0020】また、式(2)で示される4,5−ジアシ
ロキシペンタナールの酸化に際しては、反応を促進する
目的で、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化カルシウ
ム、臭化マグネシウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリ
ウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化マグネシウム等のハロ
ゲン化塩を添加することができる。これらのハロゲン化
塩の使用量は、式(2)で示される4,5−ジアシロキ
シペンタナールに対して0.001〜20モル%である
ことが好ましく、0.1〜10モル%であることがより
好ましい。
ロキシペンタナールの酸化に際しては、反応を促進する
目的で、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化カルシウ
ム、臭化マグネシウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリ
ウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化マグネシウム等のハロ
ゲン化塩を添加することができる。これらのハロゲン化
塩の使用量は、式(2)で示される4,5−ジアシロキ
シペンタナールに対して0.001〜20モル%である
ことが好ましく、0.1〜10モル%であることがより
好ましい。
【0021】式(2)で示される4,5−ジアシロキシ
ペンタナールの酸化反応は、バッチ方式、連続方式のい
ずれの方式で実施してもよいが、一般に、式(2)で示
される4,5−ジアシロキシペンタナール、N−オキシ
ラジカルおよび所望によりpH調節用の塩の水溶液、溶
媒、反応促進のためのハロゲン化塩を予め投入した攪拌
装置付きの反応容器に、次亜塩素酸塩を徐々に添加しな
がら実施される。なお、次亜塩素酸塩の添加中および反
応中は攪拌を激しく行うことが好ましい。反応温度は、
通常−10〜50℃、好ましくは10〜30℃である。
反応は次亜塩素酸塩の添加と同時に進行し、添加終了
後、通常2時間以内に終了する。なお、反応の進行はガ
スクロマトグラフィー等の常法により確認することがで
きる。
ペンタナールの酸化反応は、バッチ方式、連続方式のい
ずれの方式で実施してもよいが、一般に、式(2)で示
される4,5−ジアシロキシペンタナール、N−オキシ
ラジカルおよび所望によりpH調節用の塩の水溶液、溶
媒、反応促進のためのハロゲン化塩を予め投入した攪拌
装置付きの反応容器に、次亜塩素酸塩を徐々に添加しな
がら実施される。なお、次亜塩素酸塩の添加中および反
応中は攪拌を激しく行うことが好ましい。反応温度は、
通常−10〜50℃、好ましくは10〜30℃である。
反応は次亜塩素酸塩の添加と同時に進行し、添加終了
後、通常2時間以内に終了する。なお、反応の進行はガ
スクロマトグラフィー等の常法により確認することがで
きる。
【0022】反応終了後、生成した式(3)で示される
化合物は、反応混合物を蒸留するか、あるいは反応混合
物から有機溶媒によって抽出し、次いで該有機溶媒を常
圧又は減圧下に留去することにより単離される。その際
に用いる有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素;塩化メ
チレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、
クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、エチルエーテ
ル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテルなどのエー
テル類などが挙げられる。また、式(3)で示される化
合物は、必要により、減圧蒸留、クロマトグラフィーな
どによってさらに純度を高めることができる。
化合物は、反応混合物を蒸留するか、あるいは反応混合
物から有機溶媒によって抽出し、次いで該有機溶媒を常
圧又は減圧下に留去することにより単離される。その際
に用いる有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素;塩化メ
チレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、
クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、エチルエーテ
ル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテルなどのエー
テル類などが挙げられる。また、式(3)で示される化
合物は、必要により、減圧蒸留、クロマトグラフィーな
どによってさらに純度を高めることができる。
【0023】かくして得られる式(3)で示される化合
物は新規化合物である。ここで、式(3)で示される化
合物の具体例を示せば、4,5−ジアセトキシペンタン
酸、4,5−ジプロピオニルオキシペンタン酸、4,5
−ジバレリルオキシペンタン酸、4,5−ジイソバレリ
ルオキシペンタン酸、4,5−ジベンゾイルオキシペン
タン酸などである。また、式(3)で示される化合物と
しては、例えば、(R)−4,5−ジアセトキシペンタ
ン酸、(S)−4,5−ジアセトキシペンタン酸などの
光学活性体も包含される。
物は新規化合物である。ここで、式(3)で示される化
合物の具体例を示せば、4,5−ジアセトキシペンタン
酸、4,5−ジプロピオニルオキシペンタン酸、4,5
−ジバレリルオキシペンタン酸、4,5−ジイソバレリ
ルオキシペンタン酸、4,5−ジベンゾイルオキシペン
タン酸などである。また、式(3)で示される化合物と
しては、例えば、(R)−4,5−ジアセトキシペンタ
ン酸、(S)−4,5−ジアセトキシペンタン酸などの
光学活性体も包含される。
【0024】本発明では、上記で得られた式(3)で示
される化合物を加水分解することにより、式(1)で示
される4−ヒドロキシメチル−γ−ブチロラクトンに変
換する。ここで、加水分解に供される式(3)で示され
る化合物としては、式(2)で示される4,5−ジアシ
ロキシペンタナールの酸化反応液から蒸留等の公知の方
法によって分離取得したものを使用してもよいし、所望
により式(3)で示される化合物を含有する上記の酸化
反応液をそのまま使用することも可能である。なお、式
(3)で示される化合物として光学活性体を用いた場合
には、一般に、生成物である式(1)で示される4−ヒ
ドロキシメチル−γ−ブチロラクトンも光学活性なもの
となる。
される化合物を加水分解することにより、式(1)で示
される4−ヒドロキシメチル−γ−ブチロラクトンに変
換する。ここで、加水分解に供される式(3)で示され
る化合物としては、式(2)で示される4,5−ジアシ
ロキシペンタナールの酸化反応液から蒸留等の公知の方
法によって分離取得したものを使用してもよいし、所望
により式(3)で示される化合物を含有する上記の酸化
反応液をそのまま使用することも可能である。なお、式
(3)で示される化合物として光学活性体を用いた場合
には、一般に、生成物である式(1)で示される4−ヒ
ドロキシメチル−γ−ブチロラクトンも光学活性なもの
となる。
【0025】式(3)で示される化合物の加水分解反応
においては、通常、触媒が使用される。使用される触媒
としては、酸性物質あるいは塩基性物質が用いられる。
酸性物質の具体例としては、例えば、塩酸、硫酸、リン
酸などの無機酸;p−トルエンスルホン酸などの有機酸
などが挙げられる。酸性物質の使用量は、式(3)で示
される化合物1モルに対して、通常0.0001〜10
モル、好ましくは0.005〜1.2モルの範囲内であ
る。また、塩基性物質の具体例としては、例えば、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水
酸化物;水酸化バリウム、水酸化カルシウムなどのアル
カリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ムなどのアルカリ金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、
炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩など
が挙げられる。塩基性物質の使用量は、式(3)で示さ
れる化合物1モルに対して、通常2〜10モルであり、
好ましくは2.1〜5モルの範囲内である。なお、触媒
として塩基性物質を使用した場合には、式(1)で示さ
れる4−ヒドロキシメチル−γ−ブチロラクトンの前駆
体として4,5−ジヒドロキシペンタン酸塩が生成す
る。そこでこの化合物をさらに酸で処理することにより
式(1)で示されるラクトンに変換できる。酸処理に際
しては、上記で例示した酸性物質を使用できる。ここで
の酸の使用量は、式(3)で示される化合物1モルに対
して、通常2.1〜10モルの範囲である。
においては、通常、触媒が使用される。使用される触媒
としては、酸性物質あるいは塩基性物質が用いられる。
酸性物質の具体例としては、例えば、塩酸、硫酸、リン
酸などの無機酸;p−トルエンスルホン酸などの有機酸
などが挙げられる。酸性物質の使用量は、式(3)で示
される化合物1モルに対して、通常0.0001〜10
モル、好ましくは0.005〜1.2モルの範囲内であ
る。また、塩基性物質の具体例としては、例えば、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水
酸化物;水酸化バリウム、水酸化カルシウムなどのアル
カリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ムなどのアルカリ金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、
炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩など
が挙げられる。塩基性物質の使用量は、式(3)で示さ
れる化合物1モルに対して、通常2〜10モルであり、
好ましくは2.1〜5モルの範囲内である。なお、触媒
として塩基性物質を使用した場合には、式(1)で示さ
れる4−ヒドロキシメチル−γ−ブチロラクトンの前駆
体として4,5−ジヒドロキシペンタン酸塩が生成す
る。そこでこの化合物をさらに酸で処理することにより
式(1)で示されるラクトンに変換できる。酸処理に際
しては、上記で例示した酸性物質を使用できる。ここで
の酸の使用量は、式(3)で示される化合物1モルに対
して、通常2.1〜10モルの範囲である。
【0026】式(3)で示される化合物の加水分解に際
し、水の使用量は、式(3)で示される化合物に対し、
通常1〜20倍重量である。また、式(3)で示される
化合物の加水分解に際しては、例えば、ベンゼン、トル
エン等の炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム、四塩
化炭素、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;エチ
ルエーテル、イソプロピルエーテル等のエーテル類など
の有機溶媒を使用することも可能である。
し、水の使用量は、式(3)で示される化合物に対し、
通常1〜20倍重量である。また、式(3)で示される
化合物の加水分解に際しては、例えば、ベンゼン、トル
エン等の炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム、四塩
化炭素、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;エチ
ルエーテル、イソプロピルエーテル等のエーテル類など
の有機溶媒を使用することも可能である。
【0027】式(3)で示される化合物の加水分解は、
30℃以上で行うことが好ましく、60〜120℃の範
囲内の温度で行うことがより好ましい。
30℃以上で行うことが好ましく、60〜120℃の範
囲内の温度で行うことがより好ましい。
【0028】式(3)で示される化合物の加水分解は、
通常、常圧で行われるが、所望により減圧下あるいは加
圧下で実施してもよい。また、場合によっては、加水分
解により生成した式RCO2 Hで示されるカルボン酸
(Rは前記定義のとおりである)を水とともに反応系中
から断続的、あるいは連続的に抜き取りながら反応を実
施してもよい。
通常、常圧で行われるが、所望により減圧下あるいは加
圧下で実施してもよい。また、場合によっては、加水分
解により生成した式RCO2 Hで示されるカルボン酸
(Rは前記定義のとおりである)を水とともに反応系中
から断続的、あるいは連続的に抜き取りながら反応を実
施してもよい。
【0029】反応終了後、生成した式(1)で示される
4−ヒドロキシメチル−γ−ブチロラクトンは、通常、
中和操作を実施した後、反応混合物を蒸留するか、ある
いは反応混合物から有機溶媒によって抽出し、次いで該
有機溶媒を常圧又は減圧下に留去することにより単離さ
れる。その際に用いる有機溶媒としては、例えば、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化
水素;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジク
ロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;
エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテ
ル等のエーテル類などを使用することができる。かくし
て得られた式(1)で示される4−ヒドロキシメチル−
γ−ブチロラクトンは、必要により、減圧蒸留、クロマ
トグラフィーなどによってさらに純度を高めることがで
きる。
4−ヒドロキシメチル−γ−ブチロラクトンは、通常、
中和操作を実施した後、反応混合物を蒸留するか、ある
いは反応混合物から有機溶媒によって抽出し、次いで該
有機溶媒を常圧又は減圧下に留去することにより単離さ
れる。その際に用いる有機溶媒としては、例えば、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化
水素;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジク
ロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;
エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテ
ル等のエーテル類などを使用することができる。かくし
て得られた式(1)で示される4−ヒドロキシメチル−
γ−ブチロラクトンは、必要により、減圧蒸留、クロマ
トグラフィーなどによってさらに純度を高めることがで
きる。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。
るが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。
【0031】実施例1
(a)酸化反応:内容積2リットルの3口フラスコに、
4,5−ジアセトキシペンタナール202g(1.00
モル)、蒸留水121g、塩化メチレン606g、リン
酸二水素カリウム14g(0.10モル)、4−ベンジ
ルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリ
ジノオキシ2.62g(0.01モル)を仕込み、激し
く攪拌しながら、内温を5〜10℃に保って、滴下ロー
トから13%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液602g
(1.05モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了
後、同温度で0.5時間激しく攪拌した。得られた反応
混合液を後述の条件にてガスクロマトグラフィーで分析
したところ、原料の転化率は100%であることが分っ
た。
4,5−ジアセトキシペンタナール202g(1.00
モル)、蒸留水121g、塩化メチレン606g、リン
酸二水素カリウム14g(0.10モル)、4−ベンジ
ルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリ
ジノオキシ2.62g(0.01モル)を仕込み、激し
く攪拌しながら、内温を5〜10℃に保って、滴下ロー
トから13%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液602g
(1.05モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了
後、同温度で0.5時間激しく攪拌した。得られた反応
混合液を後述の条件にてガスクロマトグラフィーで分析
したところ、原料の転化率は100%であることが分っ
た。
【0032】得られた反応混合物を静置して水層と塩化
メチレン層の二層に分離させ、塩化メチレン層と水層を
分離した後、水層を塩化メチレン300gで抽出した。
塩化メチレン層と塩化メチレンによる抽出液を一つにし
た後、エバポレータにより塩化メチレンを留去し、粗生
成物202gを得た。この粗生成物を減圧下に蒸発させ
ることにより、4,5−ジアセトキシペンタン酸(沸
点:159〜162℃/1.0mmHg、純度:94%以
上)171gを得た。4,5−ジアセトキシペンタナー
ル基準での収率は74%であった。得られた化合物の物
性値を以下に示す。
メチレン層の二層に分離させ、塩化メチレン層と水層を
分離した後、水層を塩化メチレン300gで抽出した。
塩化メチレン層と塩化メチレンによる抽出液を一つにし
た後、エバポレータにより塩化メチレンを留去し、粗生
成物202gを得た。この粗生成物を減圧下に蒸発させ
ることにより、4,5−ジアセトキシペンタン酸(沸
点:159〜162℃/1.0mmHg、純度:94%以
上)171gを得た。4,5−ジアセトキシペンタナー
ル基準での収率は74%であった。得られた化合物の物
性値を以下に示す。
【0033】1 H−NMR (300MHz,CDCl
3 ,TMS) δ(ppm):1.91〜1.99(m,2H)、2.
07(s,6H)、2.43(t,2H,J=7.3H
z)、4.03〜4.28(m,2H)、5.08〜
5.17(m,1H)
3 ,TMS) δ(ppm):1.91〜1.99(m,2H)、2.
07(s,6H)、2.43(t,2H,J=7.3H
z)、4.03〜4.28(m,2H)、5.08〜
5.17(m,1H)
【0034】赤外吸収スペクトル (ν:cm-1)
3400〜2500(O−H)、2960(C−H)、
1743(C=O)、1714(C=O)、1373、
1229(C−O)、1049、959、607
1743(C=O)、1714(C=O)、1373、
1229(C−O)、1049、959、607
【0035】ガスクロマトグラフィー分析条件
カラム:G−300(商品名:化学品検査協会製、カラ
ム径:1.2mm、長さ:20m) カラム温度:140℃→220℃(昇温速度:5℃/
分)
ム径:1.2mm、長さ:20m) カラム温度:140℃→220℃(昇温速度:5℃/
分)
【0036】(b)加水分解反応:内容積500ミリリ
ットルの3口フラスコに、上記(a)で得られた4,5
−ジアセトキシペンタン酸116g(純度:94%、
0.5モル)と25%水酸化ナトリウム水溶液280g
を仕込み、内温を75〜80℃に保って3時間攪拌し
た。得られた反応混合液を30℃まで冷却した後、40
%硫酸水溶液490gを仕込んだ内容積1リットルの三
口フラスコ中に滴下した。滴下終了後、内温を75〜8
0℃に保って3時間攪拌した。得られた反応混合液を実
施例1の(a)と同じ条件下、ガスクロマトグラフィー
で分析した結果、4,5−ジアセトキシペンタン酸の転
化率は100%であることが分った。この反応混合液を
炭酸水素ナトリウムで中和し、塩化メチレン300gで
3回抽出した。塩化メチレンによる抽出液を一つにした
後、エバポレータにより塩化メチレンを留去し、粗生成
物46gを得た。この粗生成物を減圧下に蒸発させるこ
とにより、4−ヒドロキシメチル−γ−ブチロラクトン
(沸点:115〜121℃/0.7mmHg、純度96%以
上)34gを得た。4,5−ジアセトキシペンタン酸基
準での収率は57%であった。
ットルの3口フラスコに、上記(a)で得られた4,5
−ジアセトキシペンタン酸116g(純度:94%、
0.5モル)と25%水酸化ナトリウム水溶液280g
を仕込み、内温を75〜80℃に保って3時間攪拌し
た。得られた反応混合液を30℃まで冷却した後、40
%硫酸水溶液490gを仕込んだ内容積1リットルの三
口フラスコ中に滴下した。滴下終了後、内温を75〜8
0℃に保って3時間攪拌した。得られた反応混合液を実
施例1の(a)と同じ条件下、ガスクロマトグラフィー
で分析した結果、4,5−ジアセトキシペンタン酸の転
化率は100%であることが分った。この反応混合液を
炭酸水素ナトリウムで中和し、塩化メチレン300gで
3回抽出した。塩化メチレンによる抽出液を一つにした
後、エバポレータにより塩化メチレンを留去し、粗生成
物46gを得た。この粗生成物を減圧下に蒸発させるこ
とにより、4−ヒドロキシメチル−γ−ブチロラクトン
(沸点:115〜121℃/0.7mmHg、純度96%以
上)34gを得た。4,5−ジアセトキシペンタン酸基
準での収率は57%であった。
【0037】実施例2
(a)酸化反応:内容積2リットルの3口フラスコに、
4,5−ジアセトキシペンタナール202g、蒸留水1
21g、塩化メチレン606g、リン酸二水素カリウム
14g、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ル−1−ピペリジノオキシ2.14g(0.01モル)
を仕込み、激しく攪拌しながら、内温を5〜10℃に保
って、滴下ロートから13%の次亜塩素酸ナトリウム水
溶液602g(1.05モル)を1時間かけて滴下し
た。滴下終了後、同温度で0.5時間激しく攪拌した。
得られた反応混合液を実施例1の(a)と同じ条件下、
ガスクロマトグラフィーで分析した結果、原料の転化率
は100%であることが分った。得られた反応混合物を
静置して水層と塩化メチレン層の二層に分離させ、塩化
メチレン層と水層を分離した後、水層を塩化メチレン3
00gで抽出した。塩化メチレン層と塩化メチレンによ
る抽出液を一つにした後、エバポレータにより塩化メチ
レンを留去し、粗生成物206gを得た。この粗生成物
を減圧下に蒸発させることにより、4,5−ジアセトキ
シペンタン酸(沸点:158〜161℃/1.0mmHg、
純度:95%以上)175gを得た。4,5−ジアセト
キシペンタナール基準での収率は76%であった。
4,5−ジアセトキシペンタナール202g、蒸留水1
21g、塩化メチレン606g、リン酸二水素カリウム
14g、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ル−1−ピペリジノオキシ2.14g(0.01モル)
を仕込み、激しく攪拌しながら、内温を5〜10℃に保
って、滴下ロートから13%の次亜塩素酸ナトリウム水
溶液602g(1.05モル)を1時間かけて滴下し
た。滴下終了後、同温度で0.5時間激しく攪拌した。
得られた反応混合液を実施例1の(a)と同じ条件下、
ガスクロマトグラフィーで分析した結果、原料の転化率
は100%であることが分った。得られた反応混合物を
静置して水層と塩化メチレン層の二層に分離させ、塩化
メチレン層と水層を分離した後、水層を塩化メチレン3
00gで抽出した。塩化メチレン層と塩化メチレンによ
る抽出液を一つにした後、エバポレータにより塩化メチ
レンを留去し、粗生成物206gを得た。この粗生成物
を減圧下に蒸発させることにより、4,5−ジアセトキ
シペンタン酸(沸点:158〜161℃/1.0mmHg、
純度:95%以上)175gを得た。4,5−ジアセト
キシペンタナール基準での収率は76%であった。
【0038】(b)加水分解反応:内容積500ミリリ
ットルの3口フラスコに、上記実施例2の(a)で得ら
れた4,5−ジアセトキシペンタン酸115g(純度:
95%、0.5モル)と5%塩酸200gを仕込み、内
温を75〜80℃に保って、3時間攪拌した。得られた
反応混合液を実施例1の(a)と同じ条件下、ガスクロ
マトグラフィーで分析した結果、4,5−ジアセトキシ
ペンタン酸の転化率は100%であることが分った。こ
の反応液を炭酸水素ナトリウムで中和し、塩化メチレン
300gで3回抽出した。塩化メチレン層による抽出液
を一つにした後、エバポレータにより塩化メチレンを留
去し、粗生成物48gを得た。この粗生成物を減圧下に
蒸発させることにより、4−ヒドロキシメチル−γ−ブ
チロラクトン(沸点:115〜120℃/0.7mmHg、
純度:95%以上)37gを得た。4,5−ジアセトキ
シペンタン酸基準での収率は62%であった。
ットルの3口フラスコに、上記実施例2の(a)で得ら
れた4,5−ジアセトキシペンタン酸115g(純度:
95%、0.5モル)と5%塩酸200gを仕込み、内
温を75〜80℃に保って、3時間攪拌した。得られた
反応混合液を実施例1の(a)と同じ条件下、ガスクロ
マトグラフィーで分析した結果、4,5−ジアセトキシ
ペンタン酸の転化率は100%であることが分った。こ
の反応液を炭酸水素ナトリウムで中和し、塩化メチレン
300gで3回抽出した。塩化メチレン層による抽出液
を一つにした後、エバポレータにより塩化メチレンを留
去し、粗生成物48gを得た。この粗生成物を減圧下に
蒸発させることにより、4−ヒドロキシメチル−γ−ブ
チロラクトン(沸点:115〜120℃/0.7mmHg、
純度:95%以上)37gを得た。4,5−ジアセトキ
シペンタン酸基準での収率は62%であった。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、4,5−ジアシロキシ
ペンタナールから、4−ヒドロキシメチル−γ−ブチロ
ラクトンを工業的に有利に製造することができる。
ペンタナールから、4−ヒドロキシメチル−γ−ブチロ
ラクトンを工業的に有利に製造することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 4C037 EA10
4H006 AA01 AA02 AB84 AC46 BA51
BE36
Claims (3)
- 【請求項1】 式(2) 【化1】 (式中、Rは飽和脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水
素基を表す)で示される4,5−ジアシロキシペンタナ
ールをN−オキシラジカルの存在下に次亜塩素酸塩で酸
化することによって、式(3) 【化2】 (式中、Rは前記定義のとおりである)で示される化合
物に変換し、さらに得られた化合物を加水分解すること
からなる、式(1) 【化3】 で示される4−ヒドロキシメチル−γ−ブチロラクトン
の製造方法。 - 【請求項2】 式(3) 【化4】 (式中、Rは飽和脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水
素基を表す)で示される化合物。 - 【請求項3】 式(2) 【化5】 (式中、Rは飽和脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水
素基を表す)で示される4,5−ジアシロキシペンタナ
ールをN−オキシラジカルの存在下に次亜塩素酸塩で酸
化することからなる、式(3) 【化6】 (式中、Rは前記定義のとおりである)で示される化合
物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25185598A JP2000063373A (ja) | 1998-08-21 | 1998-08-21 | 4−ヒドロキシメチル−γ−ブチロラクトンの製造方法および該製造方法に有用な中間体並びに該中間体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25185598A JP2000063373A (ja) | 1998-08-21 | 1998-08-21 | 4−ヒドロキシメチル−γ−ブチロラクトンの製造方法および該製造方法に有用な中間体並びに該中間体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000063373A true JP2000063373A (ja) | 2000-02-29 |
Family
ID=17228933
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25185598A Withdrawn JP2000063373A (ja) | 1998-08-21 | 1998-08-21 | 4−ヒドロキシメチル−γ−ブチロラクトンの製造方法および該製造方法に有用な中間体並びに該中間体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000063373A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015520177A (ja) * | 2012-06-05 | 2015-07-16 | ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. | 4−アルカノイルオキシ−2−メチルブタン酸の製造方法 |
-
1998
- 1998-08-21 JP JP25185598A patent/JP2000063373A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015520177A (ja) * | 2012-06-05 | 2015-07-16 | ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. | 4−アルカノイルオキシ−2−メチルブタン酸の製造方法 |
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