JP2000063348A - 芳香族抗真菌剤 - Google Patents
芳香族抗真菌剤Info
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 本発明は、抗真菌作用を有する新規母核の化
合物を見いだすことを課題とする。 【解決手段】 一般式(I)に表される、芳香族化合物
及び/又は生理的に許容されるその塩を作成し、抗真菌
剤として医薬組成物などに含有させる。本発明によれ
ば、抗真菌作用を有する新規母核の化合物が提供でき
る。 【化1】 一般式(I) (但し、式中R1は次に示す(1)、(2)又は(3)
に表される基を表し、R2はπ電子を少なくとも6個有
する炭化水素基を表し、R3は炭素数1〜4のアルキル
基を表し、R2とR3は結合していても良いものとす
る。) 【化2】
合物を見いだすことを課題とする。 【解決手段】 一般式(I)に表される、芳香族化合物
及び/又は生理的に許容されるその塩を作成し、抗真菌
剤として医薬組成物などに含有させる。本発明によれ
ば、抗真菌作用を有する新規母核の化合物が提供でき
る。 【化1】 一般式(I) (但し、式中R1は次に示す(1)、(2)又は(3)
に表される基を表し、R2はπ電子を少なくとも6個有
する炭化水素基を表し、R3は炭素数1〜4のアルキル
基を表し、R2とR3は結合していても良いものとす
る。) 【化2】
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗真菌剤に好適な、
新規芳香族化合物に関する。 【0002】 【従来の技術】水虫に代表される表在性真菌症は、生活
が西洋化して靴の着用時間が増加したのに相まって、未
だに確実な治療法及び治療薬が見いだされていないこと
もあり、現代に於ける克服されていない疾病の一つに数
えられている。その為、抗真菌作用について、多くの化
合物がスクリーニングをかけられた。しかしながら、i
n vitro或いは動物レベルに於いて活性が見いだ
された物質でも、実際の臨床段階においてはドロップア
ウトするものが少なくなく、満足いく結果は今のところ
得られたものは極めて少ない。即ち、新規の抗真菌作用
を有する母核の発見が待たれていた。この様な状況は、
表在性真菌に止まらず、カンジダ・アルビカンスやアス
ペルギルス・ニガー等の深在性真菌症に至っては毒性が
極めて高く、効果がわずかでしかない、アンホテリシン
Bを使わざるを得ない極めて深刻な状況にある。即ち、
新規母核を有する抗真菌剤の開発が望まれていた。 【0003】一方、後記一般式(I)に表される化合物
は、何れも文献未記載の化合物であり、従って、この様
な化合物が優れた抗真菌作用を有することは全く知られ
ていなかった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な状
況下に為されたものであり、抗真菌作用を有する新規母
核の化合物を見いだすことを課題とする。 【0005】 【課題の解決手段】この様な状況に鑑みて、本発明者ら
は抗真菌作用を有する新規母核の化合物を求めて鋭意研
究努力を重ねた結果、一般式(I)に表される化合物及
び/又は生理的に許容されるその塩にその様な作用を見
いだし、発明を完成させるに至った。以下、本発明につ
いて実施の形態を中心に詳細に説明を加える。 【0006】 【化9】一般式(I) (但し、式中R1は次に示す(1)、(2)又は(3)
に表される基を表し、R2はπ電子を少なくとも6個有
する炭化水素基を表し、R3は炭素数1〜4のアルキル
基を表し、R2とR3は結合していても良いものとす
る。) 【0007】 【化10】 【0008】 【発明の実施の形態】(1)本発明の一般式(I)に表
される化合物 本発明の一般式(I)に表される化合物は、対応する芳
香族アミンとπ電子を6個以上有する炭化水素基のハロ
ゲン化物とをアルカリ存在下縮合させることによって得
ることが出来る。又、必要に応じてオキソ基を有する化
合物を用いて、縮合の後、ウィッティヒ反応などによ
り、当該オキソ基の酸素原子をメチレン基に置換するこ
とも可能である。本発明に於いて、一般式(I)で表さ
れる化合物の内、好ましい化合物としては、例えば、ト
ランス−N−(6,6−ジメチル−2−ヘプテン−4−
イニル)−N−メチル−3−(フェニルスルホニル)ベ
ンジルアミン(化合物1)、N−(4−ターシャリー−
ブチルベンジル)−N−メチル−3−(フェニルスルホ
ニル)ベンジルアミン(化合物2)、トランス−N−
(6,6−ジメチル−2−ヘプテン−4−イニル)−N
−メチル−3−(フェニルスルフィニル)ベンジルアミ
ン(化合物3)、N−(4−ターシャリー−ブチルベン
ジル)−N−メチル−3−(フェニルスフィニル)ベン
ジルアミン(化合物4)、N−(4−ターシャリー−ブ
チルベンジル)−N−メチル−3−(フェニルチオ)ベ
ンジルアミン(化合物5)、トランス−N−(6,6−
ジメチル−2−ヘプテン−4−イニル)−N−メチル−
3−(フェニルチオ)ベンジルアミン(化合物6)等が
例示できる。これらのものは、通常の方法に従って塩へ
と導くことが出来る。即ち、水系或いは非水系溶媒中で
対応する酸を添加することにより塩とすることが出来
る。又、硫黄原子は酸化反応或いは還元反応によって、
随意にスルホニル基、スルフィニル基、チオ基と変換す
ることが出来る。本発明で好ましい塩の種類としては、
例えば、塩酸、硫酸、燐酸、硝酸などの鉱酸塩、酢酸、
シュウ酸、マレイン酸、フマル酸等の有機酸塩等が例示
でき、この中では塩酸塩が特に好ましい。これは、安定
性と経済性に優れるからである。かくして得られた一般
式(I)に表される化合物及び/又はその塩は、優れた
抗真菌作用を有するため、本発明の抗真菌剤として使用
することが出来る。かかる抗菌剤は医薬組成物に含有さ
せて真菌症の治療や予防に使用することもできるし、プ
ラスティック等に混合して抗菌資材として使用すること
もできる。好ましい形態としては医薬組成物が挙げられ
る。これは安全性と抗菌性に優れるためである。又、本
発明の抗真菌剤は安全性にも優れるため、その投与経路
は問わない。本発明の化合物の抗真菌剤としての投与量
は、患者の状態や症状により異なるが、例えば、経口投
与や注射による投与であれば、成人1日、1〜1000
0mgを1回乃至は数回に分けて投与するのが好まし
く、皮膚外用剤であれば0.1〜10重量%含有するも
のを適量塗布するのが好ましく、膣座剤であれば、0.
1〜10重量%含有する座剤を1回乃至は数回取り替え
て投与するのが好ましい。 【0009】(2)本発明の医薬組成物 本発明の医薬組成物は、上記本発明の抗真菌剤を含有す
ることを特徴とする。後記実施例に示す如く、本発明の
抗真菌剤は優れた抗真菌作用を有するため、本発明の医
薬組成物は、表在性真菌症や深在性真菌症の治療や悪化
の予防、再発防止に大変有益である。本発明の医薬組成
物としては、例えば、液剤、クリーム、軟膏などの皮膚
外用剤、錠剤、カプセル剤、散剤などの経口製剤、注射
剤、膣座剤等の剤形が好ましく例示できる。本発明の医
薬組成物には、上記抗真菌剤以外に、通常医薬組成物で
使用される任意成分を含有することが出来る。この様な
任意成分としては、例えば、経口製剤や注射剤であれ
ば、賦形剤、結合剤、被覆剤、滑沢剤、糖衣剤、崩壊
剤、増量剤、矯味矯臭剤、乳化・可溶化・分散剤、安定
剤、pH調整剤、等張剤等が例示でき、皮膚外用剤や膣
座剤であれば、ワセリンやマイクロクリスタリンワック
ス等のような炭化水素類、ホホバ油やゲイロウ等のエス
テル類、牛脂、オリーブ油等のトリグリセライド類、セ
タノール、オレイルアルコール等の高級アルコール類、
ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸、グリセリンや
1,3−ブタンジオール等の多価アルコール類、非イオ
ン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性
剤、両性界面活性剤、エタノール、カーボポール等の増
粘剤、防腐剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、粉体類
等が例示できる。これらの上記抗真菌剤と任意成分とを
常法に従って処理することにより、本発明の医薬組成物
は製造することが出来る。 【0010】 【化11】 (化合物1) 【0011】 【化12】 (化合物2) 【0012】 【化13】 (化合物3) 【0013】 【化14】 (化合物4) 【0014】 【化15】 (化合物5) 【0015】 【化16】(化合物6) 【実施例】以下に、実施例を挙げて、本発明について更
に詳細に説明を加えるが、本発明がこれら実施例にのみ
限定を受けないことは言うまでもない。 【0016】<実施例1> トランス−N−(6,6−ジメチル−2−ヘプテン−4
−イニル)−N−メチル−3−(フェニルスルホニル)
ベンジルアミン(化合物1)の合成 フェニル3−トリルスルホキシド1.28gを塩化メチ
レン20mlに溶解させ、m−クロロ過安息香酸1.4
6gを氷冷下攪拌しながら加えた。氷冷を取り、室温に
戻して17時間攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液を加えて30分間攪拌した。反応液をクロロホルム
100mlで希釈した後、水層を捨て硫酸マグネシウム
で乾燥後、溶媒を留去してフェニル3−トリスルホンを
得た。このもの1.38gを四塩化炭素20mlに溶解
させ、N−ブロモスクシンイミド1.06gと過酸化ベ
ンゾイル50mgを加え2.5時間加熱還留した。冷却
後不溶物を濾取し、残渣を四塩化炭素で洗浄した。濾液
を減圧濃縮し3−ブロモメチルフェニルフェニルスルホ
ンを得た。このもの740mgをN,N−ジメチルホル
ムアミド10mlに溶解させ、炭酸ナトリウム565m
gを加え、水冷下攪拌しながら、N−(6,6−ジメチ
ル−2−ヘプテン−4−イニル)メチルアミン1.27
gをN,N−ジメチルホルムアミド5mlに溶かした溶
液を滴下した。氷浴を取り去り、室温で20時間攪拌し
た後、N,N−ジメチルホルムアミドを減圧留去した。
残渣に水を加え、エーテル120mlで抽出後、硫酸マ
グネシウムで乾燥させた。減圧濃縮した後、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;n−ヘキ
サン:酢酸エチル=6:1)で精製し、化合物1を41
0mg(収率26.4%)得た。1H−NMR(CDC
l3、δppm、以下、NMRはこの値を示す。)は次
に示す。 1.25(s,9H)、2.16(s,3H)、3.0
1(dd,2H,J=1.62Hz、6.48Hz)、
3.52(s,2H)、5.62(dt,1H,J=1
5.93Hz、1.62Hz)、6.04(dt,1
H,J=15.93Hz、6.48Hz)、7.44
(t,1H,J=7.83Hz)、7.46〜7.59
(m,4H)、7.82(bd,1H,7.83H
z)、7.90(bs,1H)、7.95(m,2H) 【0017】(塩の作成工程)化合物1の410mgを
酢酸エチル3mlに溶解し、4N−HCl酢酸エチル
0.3mlを加え30分間攪拌した。反応液にイソプロ
ピルエーテルを加えて油状物質を分離し、上澄みを取り
除いた。イソプロピルエーテルを加え油状物質を結晶化
させ、結晶を濾取し、イソプロピルエーテルで洗浄後、
乾燥させて化合物1の塩酸塩を370mg(収率82.
4%)得た。1H−NMRは次に示すとおり。 1.26(s,9H)、2.63(d,3H,J=5.
13Hz)、3.50〜3.78(m,2H)、4.0
6(dd,1H,J=13.23Hz、6.48H
z)、4.34(dd,1H,J=13.23Hz、
5.13Hz)、5.84(d,1H,J=15.93
Hz)、6.23(dt,1H,J=15.93Hz、
7.56Hz)、7.50〜7.64(m,3H)、
7.65(t,1H,J=7.83Hz)、7.98
(m,2H)、8.06(s,1H)、8.26(d,
1H,J=7.83Hz)、13.19(bs,1H) 【0018】<実施例2> N−(4−ターシャリー−ブチルベンジル)−N−メチ
ル−3−(フェニルスルホニル)ベンジルアミン(化合
物2)の合成 N−(6,6−ジメチル−2−ヘプテン−4−イニル)
メチルアミンをN−(4−ターシャリー−ブチルベンジ
ル)アミンに変え、同様に処理し、化合物2を540m
g(収率68.8%)得た。1H−NMRは次に示す。 1.31(s,9H)、2.17(s,3H)、3.4
6(s,2H)、3.54(s,2H)、7.24
(d,2H,J=8.64Hz)、7.33(d,2
H,J=8.64Hz)、7.40〜7.62(m,5
H)、7.81(bd,1H,J=7.56Hz)、
7.92〜7.97(m,3H) 【0019】このものを実施例1の化合物1の塩の作成
工程と同様の方法で処理して、化合物2の塩酸塩を4
4.2%で得た。1H−NMRは次に示す。 1.34(s,9H)、2.56(d,3H,J=4.
59Hz)、3.97〜4.38(m,4H)、7.4
5〜7.68(m,8H)、7.95〜8.03(m,
4H)、8.32(d,1H,J=7.83Hz)、1
3.4(bs,1H) 【0020】<実施例3> トランス−N−(6,6−ジメチル−2−ヘプテン−4
−イニル)−N−メチル−3−(フェニルスルフィニ
ル)ベンジルアミン(化合物3) 実施例1の3−ブロモメチルフェニルフェニルスルホン
を3−ブロモメチルフェニルフェニルスルホキシドに変
え、同様に処理して化合物3を収率35.8%で得た。
1H−NMRは次に示す。 1.25(s,9H)、2.18(s,3H)、2.9
9(dd,2H,J=6.48Hz、1.08Hz)、
3.50(s,2H)、5.61(dt,1H,J=1
5.93Hz、1.08Hz)、6.03(dt,1
H,J=15.93Hz、6.48Hz)、7.38〜
7.58(m,6H)、7.68(m,3H) 【0021】このものを実施例1の化合物1の塩の作成
工程と同様の方法で処理して、化合物3の塩酸塩を6
5.7%で得た。1H−NMRは次に示す。 1.26(s,9H)、2.59(m,3H)、3.5
1(m,1H)、3.67(m,1H)、4.02
(m,1H)、4.27(m,1H)、5.81(m,
1H)、6.20(m,1H)、7.42〜7.75
(m,7H)、7.88(m,1H)、7.98(m,
1H)、13.2(bs,1H) 【0022】<実施例4> N−(4−ターシャリー−ブチルベンジル)−N−メチ
ル−3−(フェニルスフィニル)ベンジルアミン(化合
物4) 実施例2の3−ブロモメチルフェニルフェニルスルホン
を3−ブロモメチルフェニルフェニルスルホキシドに変
え、同様に処理して化合物4を収率92.9%で得た。
1H−NMRは次に示す。 1.31(s,9H)、2.15(s,3H)、3.4
6(s,2H)、3.52(s,2H)、7.23
(d,2H,J=8.37Hz)、7.33(d,2
H,J=8.37Hz)、7.36〜7.54(m,6
H)、7.60〜7.70(m,3H) このものを実施例1の化合物1の塩の作成工程と同様の
方法で処理して、化合物4の塩酸塩を80%で得た。1
H−NMRは次に示す。 1.34(s,9H)、2.53(m,3H)、3.9
3〜4.13(m,2H)、4.15〜4.35(m,
2H)、7.43〜7.75(m,11H)、7.88
(m,1H)、8.05(m,1H)、13.4(b
s,1H) <実施例5> N−(4−ターシャリー−ブチルベンジル)−N−メチ
ル−3−(フェニルチオ)ベンジルアミン(化合物5) 水素化リチウムアルミニウム250mgをテトラヒドロ
フラン15mlに懸濁させ、窒素ガス置換し、氷冷下攪
拌しながら化合物4の1.26gをテトラヒドロフラン
5mlに溶かして滴下した。滴下後、室温に戻して15
時間攪拌した。水素化リチウムアルミニウムを更に50
mg加え、30分攪拌を続けた。反応液をエーテルで希
釈し、飽和硫酸ナトリウム水溶液で、残存している水素
化リチウムアルミニウムを分解した。上澄みを分離し、
残渣にエーテルを加えて良く混ぜた後分離した。有機層
を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を留去し残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;n
−ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し、化合物5
を収率55.4%で得た。1H−NMRは次に示す。 1.31(s,9H)、2.16(s,3H)、3.4
6(s,4H)、7.17〜7.41(m,13H) このものを実施例1の化合物1の塩の作成工程と同様の
方法で処理して、化合物5の塩酸塩を0.28g(収率
94.5%)得た。このものの融点は166〜168℃
であった。1H−NMRは次に示す。 1.33(s,9H)、2.53(s,3H)、4.0
0(m,2H)、4.19(m,2H)、7.25〜
7.60(m,12H)、7.73(m,1H)、1
2.92(bs,1H) 【0023】<実施例6> トランス−N−(6,6−ジメチル−2−ヘプテン−4
−イニル)−N−メチル−3−(フェニルチオ)ベンジ
ルアミン(化合物6) 実施例5の化合物4を化合物3に変え、同様に処理し、
化合物6を収率68%で得た。1H−NMRは次に示
す。 1.24(s,9H)、2.16(s,3H)、3.0
1(d,2H,J=6.48Hz)、3.44(s,2
H)、5.60(d,1H,J=15.93Hz)、
6.05(dt,1H,J=15.93Hz、6.48
Hz)、7.15〜7.38(m,9H) このものを実施例1の化合物1の塩の作成工程と同様の
方法で処理して、化合物6の塩酸塩を0.26g(収率
90.5%)得た。このものの融点は174〜176.
5℃であった。1H−NMRは次に示す。 1.31(s,9H)、2.60(m,3H)、3.4
7(m,1H)、3.63(m,1H)、3.96(d
d,1H,J=5.40Hz、13.23Hz)、4.
13(dd,1H,J=13.23Hz、5.13H
z)、5.75(d,1H,J=15.93Hz)、
6.23(dt,1H,J=15.93Hz、7.56
Hz)、7.15〜7.38(m,8H)、7.66
(d,1H,J=7.56Hz)13.02(bs,1
H) 【0024】<実施例7> 抗菌性試験(発育阻止濃度の測定) トリコフィトンに対する本発明の化合物の抗真菌作用を
求めた。即ち、トリコフィトン・メンタグロファイテス
(T.mentagrophytes TIMM1189)を予めサブロー寒天培
地の斜面に27℃で2週間培養して分生子を充分つくら
せる。これにツィーン80を0.05重量/容量%含有
する滅菌生理食塩水を加え白金耳で擦りながら洗浄し分
生子を浮遊させる。これを二枚重ねのガーゼで濾過し分
生子のみを生理食塩水に浮遊する形で取り出した。分生
子の濃度を105個/mlになるように生理食塩水で調
製し試験菌菌液とした。一方、化合物を4mgとり、ジ
メチルスルホキサイド1mlを加え原液とし、これを順
次ジメチルスルホキサイドで2倍希釈し希釈薬剤液を調
製した。組織培養用96穴マイクロプレートの各ウェル
にサブロー・デキストロース培地175μl、薬剤溶液
5μl、試験菌菌液20μlを加え、良く混和した後、
27℃で1週間培養し目視にて完全に発育を阻止する最
小濃度を探し、最小発育阻止濃度とした。結果は、化合
物3の塩酸塩、化合物4の塩酸塩、化合物5の塩酸塩及
び化合物6の塩酸塩の最小発育阻止濃度は、それぞれ1
00μg/ml、100μg/ml、33μg/ml及
び33μg/mlであった。これより本発明の抗真菌剤
の抗真菌作用が優れていることがわかる。 【0025】<実施例8>下記に示す処方に従って本発
明の医薬組成物である、水虫治療用の軟膏を作成した。
即ち、処方成分をニーダーに秤込み混練りして軟膏を得
た。 ワセリン 99重量部 化合物1の塩酸塩 1重量部 【0026】<実施例9>下記に示す処方に従って本発
明の医薬組成物である、水虫治療用の軟膏を作成した。
即ち、処方成分をニーダーに秤込み混練りして軟膏を得
た。 ワセリン 99重量部 化合物2の塩酸塩 1重量部 【0027】<実施例10>下記に示す処方に従って本
発明の医薬組成物である、水虫治療用の軟膏を作成し
た。即ち、処方成分をニーダーに秤込み混練りして軟膏
を得た。 ワセリン 99重量部 化合物3の塩酸塩 1重量部 【0028】<実施例11>下記に示す処方に従って本
発明の医薬組成物である、水虫治療用の軟膏を作成し
た。即ち、処方成分をニーダーに秤込み混練りして軟膏
を得た。 ワセリン 99重量部 化合物4の塩酸塩 1重量部 【0029】<実施例12>下記に示す処方に従って本
発明の医薬組成物である、水虫治療用の軟膏を作成し
た。即ち、処方成分をニーダーに秤込み混練りして軟膏
を得た。 ワセリン 99重量部 化合物5の塩酸塩 1重量部 【0030】<実施例13>下記に示す処方に従って本
発明の医薬組成物である、水虫治療用の軟膏を作成し
た。即ち、処方成分をニーダーに秤込み混練りして軟膏
を得た。 ワセリン 99重量部 化合物6の塩酸塩 1重量部 【0031】 【発明の効果】本発明によれば、抗真菌作用を有する新
規母核の化合物が提供できる。
新規芳香族化合物に関する。 【0002】 【従来の技術】水虫に代表される表在性真菌症は、生活
が西洋化して靴の着用時間が増加したのに相まって、未
だに確実な治療法及び治療薬が見いだされていないこと
もあり、現代に於ける克服されていない疾病の一つに数
えられている。その為、抗真菌作用について、多くの化
合物がスクリーニングをかけられた。しかしながら、i
n vitro或いは動物レベルに於いて活性が見いだ
された物質でも、実際の臨床段階においてはドロップア
ウトするものが少なくなく、満足いく結果は今のところ
得られたものは極めて少ない。即ち、新規の抗真菌作用
を有する母核の発見が待たれていた。この様な状況は、
表在性真菌に止まらず、カンジダ・アルビカンスやアス
ペルギルス・ニガー等の深在性真菌症に至っては毒性が
極めて高く、効果がわずかでしかない、アンホテリシン
Bを使わざるを得ない極めて深刻な状況にある。即ち、
新規母核を有する抗真菌剤の開発が望まれていた。 【0003】一方、後記一般式(I)に表される化合物
は、何れも文献未記載の化合物であり、従って、この様
な化合物が優れた抗真菌作用を有することは全く知られ
ていなかった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な状
況下に為されたものであり、抗真菌作用を有する新規母
核の化合物を見いだすことを課題とする。 【0005】 【課題の解決手段】この様な状況に鑑みて、本発明者ら
は抗真菌作用を有する新規母核の化合物を求めて鋭意研
究努力を重ねた結果、一般式(I)に表される化合物及
び/又は生理的に許容されるその塩にその様な作用を見
いだし、発明を完成させるに至った。以下、本発明につ
いて実施の形態を中心に詳細に説明を加える。 【0006】 【化9】一般式(I) (但し、式中R1は次に示す(1)、(2)又は(3)
に表される基を表し、R2はπ電子を少なくとも6個有
する炭化水素基を表し、R3は炭素数1〜4のアルキル
基を表し、R2とR3は結合していても良いものとす
る。) 【0007】 【化10】 【0008】 【発明の実施の形態】(1)本発明の一般式(I)に表
される化合物 本発明の一般式(I)に表される化合物は、対応する芳
香族アミンとπ電子を6個以上有する炭化水素基のハロ
ゲン化物とをアルカリ存在下縮合させることによって得
ることが出来る。又、必要に応じてオキソ基を有する化
合物を用いて、縮合の後、ウィッティヒ反応などによ
り、当該オキソ基の酸素原子をメチレン基に置換するこ
とも可能である。本発明に於いて、一般式(I)で表さ
れる化合物の内、好ましい化合物としては、例えば、ト
ランス−N−(6,6−ジメチル−2−ヘプテン−4−
イニル)−N−メチル−3−(フェニルスルホニル)ベ
ンジルアミン(化合物1)、N−(4−ターシャリー−
ブチルベンジル)−N−メチル−3−(フェニルスルホ
ニル)ベンジルアミン(化合物2)、トランス−N−
(6,6−ジメチル−2−ヘプテン−4−イニル)−N
−メチル−3−(フェニルスルフィニル)ベンジルアミ
ン(化合物3)、N−(4−ターシャリー−ブチルベン
ジル)−N−メチル−3−(フェニルスフィニル)ベン
ジルアミン(化合物4)、N−(4−ターシャリー−ブ
チルベンジル)−N−メチル−3−(フェニルチオ)ベ
ンジルアミン(化合物5)、トランス−N−(6,6−
ジメチル−2−ヘプテン−4−イニル)−N−メチル−
3−(フェニルチオ)ベンジルアミン(化合物6)等が
例示できる。これらのものは、通常の方法に従って塩へ
と導くことが出来る。即ち、水系或いは非水系溶媒中で
対応する酸を添加することにより塩とすることが出来
る。又、硫黄原子は酸化反応或いは還元反応によって、
随意にスルホニル基、スルフィニル基、チオ基と変換す
ることが出来る。本発明で好ましい塩の種類としては、
例えば、塩酸、硫酸、燐酸、硝酸などの鉱酸塩、酢酸、
シュウ酸、マレイン酸、フマル酸等の有機酸塩等が例示
でき、この中では塩酸塩が特に好ましい。これは、安定
性と経済性に優れるからである。かくして得られた一般
式(I)に表される化合物及び/又はその塩は、優れた
抗真菌作用を有するため、本発明の抗真菌剤として使用
することが出来る。かかる抗菌剤は医薬組成物に含有さ
せて真菌症の治療や予防に使用することもできるし、プ
ラスティック等に混合して抗菌資材として使用すること
もできる。好ましい形態としては医薬組成物が挙げられ
る。これは安全性と抗菌性に優れるためである。又、本
発明の抗真菌剤は安全性にも優れるため、その投与経路
は問わない。本発明の化合物の抗真菌剤としての投与量
は、患者の状態や症状により異なるが、例えば、経口投
与や注射による投与であれば、成人1日、1〜1000
0mgを1回乃至は数回に分けて投与するのが好まし
く、皮膚外用剤であれば0.1〜10重量%含有するも
のを適量塗布するのが好ましく、膣座剤であれば、0.
1〜10重量%含有する座剤を1回乃至は数回取り替え
て投与するのが好ましい。 【0009】(2)本発明の医薬組成物 本発明の医薬組成物は、上記本発明の抗真菌剤を含有す
ることを特徴とする。後記実施例に示す如く、本発明の
抗真菌剤は優れた抗真菌作用を有するため、本発明の医
薬組成物は、表在性真菌症や深在性真菌症の治療や悪化
の予防、再発防止に大変有益である。本発明の医薬組成
物としては、例えば、液剤、クリーム、軟膏などの皮膚
外用剤、錠剤、カプセル剤、散剤などの経口製剤、注射
剤、膣座剤等の剤形が好ましく例示できる。本発明の医
薬組成物には、上記抗真菌剤以外に、通常医薬組成物で
使用される任意成分を含有することが出来る。この様な
任意成分としては、例えば、経口製剤や注射剤であれ
ば、賦形剤、結合剤、被覆剤、滑沢剤、糖衣剤、崩壊
剤、増量剤、矯味矯臭剤、乳化・可溶化・分散剤、安定
剤、pH調整剤、等張剤等が例示でき、皮膚外用剤や膣
座剤であれば、ワセリンやマイクロクリスタリンワック
ス等のような炭化水素類、ホホバ油やゲイロウ等のエス
テル類、牛脂、オリーブ油等のトリグリセライド類、セ
タノール、オレイルアルコール等の高級アルコール類、
ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸、グリセリンや
1,3−ブタンジオール等の多価アルコール類、非イオ
ン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性
剤、両性界面活性剤、エタノール、カーボポール等の増
粘剤、防腐剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、粉体類
等が例示できる。これらの上記抗真菌剤と任意成分とを
常法に従って処理することにより、本発明の医薬組成物
は製造することが出来る。 【0010】 【化11】 (化合物1) 【0011】 【化12】 (化合物2) 【0012】 【化13】 (化合物3) 【0013】 【化14】 (化合物4) 【0014】 【化15】 (化合物5) 【0015】 【化16】(化合物6) 【実施例】以下に、実施例を挙げて、本発明について更
に詳細に説明を加えるが、本発明がこれら実施例にのみ
限定を受けないことは言うまでもない。 【0016】<実施例1> トランス−N−(6,6−ジメチル−2−ヘプテン−4
−イニル)−N−メチル−3−(フェニルスルホニル)
ベンジルアミン(化合物1)の合成 フェニル3−トリルスルホキシド1.28gを塩化メチ
レン20mlに溶解させ、m−クロロ過安息香酸1.4
6gを氷冷下攪拌しながら加えた。氷冷を取り、室温に
戻して17時間攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液を加えて30分間攪拌した。反応液をクロロホルム
100mlで希釈した後、水層を捨て硫酸マグネシウム
で乾燥後、溶媒を留去してフェニル3−トリスルホンを
得た。このもの1.38gを四塩化炭素20mlに溶解
させ、N−ブロモスクシンイミド1.06gと過酸化ベ
ンゾイル50mgを加え2.5時間加熱還留した。冷却
後不溶物を濾取し、残渣を四塩化炭素で洗浄した。濾液
を減圧濃縮し3−ブロモメチルフェニルフェニルスルホ
ンを得た。このもの740mgをN,N−ジメチルホル
ムアミド10mlに溶解させ、炭酸ナトリウム565m
gを加え、水冷下攪拌しながら、N−(6,6−ジメチ
ル−2−ヘプテン−4−イニル)メチルアミン1.27
gをN,N−ジメチルホルムアミド5mlに溶かした溶
液を滴下した。氷浴を取り去り、室温で20時間攪拌し
た後、N,N−ジメチルホルムアミドを減圧留去した。
残渣に水を加え、エーテル120mlで抽出後、硫酸マ
グネシウムで乾燥させた。減圧濃縮した後、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;n−ヘキ
サン:酢酸エチル=6:1)で精製し、化合物1を41
0mg(収率26.4%)得た。1H−NMR(CDC
l3、δppm、以下、NMRはこの値を示す。)は次
に示す。 1.25(s,9H)、2.16(s,3H)、3.0
1(dd,2H,J=1.62Hz、6.48Hz)、
3.52(s,2H)、5.62(dt,1H,J=1
5.93Hz、1.62Hz)、6.04(dt,1
H,J=15.93Hz、6.48Hz)、7.44
(t,1H,J=7.83Hz)、7.46〜7.59
(m,4H)、7.82(bd,1H,7.83H
z)、7.90(bs,1H)、7.95(m,2H) 【0017】(塩の作成工程)化合物1の410mgを
酢酸エチル3mlに溶解し、4N−HCl酢酸エチル
0.3mlを加え30分間攪拌した。反応液にイソプロ
ピルエーテルを加えて油状物質を分離し、上澄みを取り
除いた。イソプロピルエーテルを加え油状物質を結晶化
させ、結晶を濾取し、イソプロピルエーテルで洗浄後、
乾燥させて化合物1の塩酸塩を370mg(収率82.
4%)得た。1H−NMRは次に示すとおり。 1.26(s,9H)、2.63(d,3H,J=5.
13Hz)、3.50〜3.78(m,2H)、4.0
6(dd,1H,J=13.23Hz、6.48H
z)、4.34(dd,1H,J=13.23Hz、
5.13Hz)、5.84(d,1H,J=15.93
Hz)、6.23(dt,1H,J=15.93Hz、
7.56Hz)、7.50〜7.64(m,3H)、
7.65(t,1H,J=7.83Hz)、7.98
(m,2H)、8.06(s,1H)、8.26(d,
1H,J=7.83Hz)、13.19(bs,1H) 【0018】<実施例2> N−(4−ターシャリー−ブチルベンジル)−N−メチ
ル−3−(フェニルスルホニル)ベンジルアミン(化合
物2)の合成 N−(6,6−ジメチル−2−ヘプテン−4−イニル)
メチルアミンをN−(4−ターシャリー−ブチルベンジ
ル)アミンに変え、同様に処理し、化合物2を540m
g(収率68.8%)得た。1H−NMRは次に示す。 1.31(s,9H)、2.17(s,3H)、3.4
6(s,2H)、3.54(s,2H)、7.24
(d,2H,J=8.64Hz)、7.33(d,2
H,J=8.64Hz)、7.40〜7.62(m,5
H)、7.81(bd,1H,J=7.56Hz)、
7.92〜7.97(m,3H) 【0019】このものを実施例1の化合物1の塩の作成
工程と同様の方法で処理して、化合物2の塩酸塩を4
4.2%で得た。1H−NMRは次に示す。 1.34(s,9H)、2.56(d,3H,J=4.
59Hz)、3.97〜4.38(m,4H)、7.4
5〜7.68(m,8H)、7.95〜8.03(m,
4H)、8.32(d,1H,J=7.83Hz)、1
3.4(bs,1H) 【0020】<実施例3> トランス−N−(6,6−ジメチル−2−ヘプテン−4
−イニル)−N−メチル−3−(フェニルスルフィニ
ル)ベンジルアミン(化合物3) 実施例1の3−ブロモメチルフェニルフェニルスルホン
を3−ブロモメチルフェニルフェニルスルホキシドに変
え、同様に処理して化合物3を収率35.8%で得た。
1H−NMRは次に示す。 1.25(s,9H)、2.18(s,3H)、2.9
9(dd,2H,J=6.48Hz、1.08Hz)、
3.50(s,2H)、5.61(dt,1H,J=1
5.93Hz、1.08Hz)、6.03(dt,1
H,J=15.93Hz、6.48Hz)、7.38〜
7.58(m,6H)、7.68(m,3H) 【0021】このものを実施例1の化合物1の塩の作成
工程と同様の方法で処理して、化合物3の塩酸塩を6
5.7%で得た。1H−NMRは次に示す。 1.26(s,9H)、2.59(m,3H)、3.5
1(m,1H)、3.67(m,1H)、4.02
(m,1H)、4.27(m,1H)、5.81(m,
1H)、6.20(m,1H)、7.42〜7.75
(m,7H)、7.88(m,1H)、7.98(m,
1H)、13.2(bs,1H) 【0022】<実施例4> N−(4−ターシャリー−ブチルベンジル)−N−メチ
ル−3−(フェニルスフィニル)ベンジルアミン(化合
物4) 実施例2の3−ブロモメチルフェニルフェニルスルホン
を3−ブロモメチルフェニルフェニルスルホキシドに変
え、同様に処理して化合物4を収率92.9%で得た。
1H−NMRは次に示す。 1.31(s,9H)、2.15(s,3H)、3.4
6(s,2H)、3.52(s,2H)、7.23
(d,2H,J=8.37Hz)、7.33(d,2
H,J=8.37Hz)、7.36〜7.54(m,6
H)、7.60〜7.70(m,3H) このものを実施例1の化合物1の塩の作成工程と同様の
方法で処理して、化合物4の塩酸塩を80%で得た。1
H−NMRは次に示す。 1.34(s,9H)、2.53(m,3H)、3.9
3〜4.13(m,2H)、4.15〜4.35(m,
2H)、7.43〜7.75(m,11H)、7.88
(m,1H)、8.05(m,1H)、13.4(b
s,1H) <実施例5> N−(4−ターシャリー−ブチルベンジル)−N−メチ
ル−3−(フェニルチオ)ベンジルアミン(化合物5) 水素化リチウムアルミニウム250mgをテトラヒドロ
フラン15mlに懸濁させ、窒素ガス置換し、氷冷下攪
拌しながら化合物4の1.26gをテトラヒドロフラン
5mlに溶かして滴下した。滴下後、室温に戻して15
時間攪拌した。水素化リチウムアルミニウムを更に50
mg加え、30分攪拌を続けた。反応液をエーテルで希
釈し、飽和硫酸ナトリウム水溶液で、残存している水素
化リチウムアルミニウムを分解した。上澄みを分離し、
残渣にエーテルを加えて良く混ぜた後分離した。有機層
を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を留去し残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;n
−ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し、化合物5
を収率55.4%で得た。1H−NMRは次に示す。 1.31(s,9H)、2.16(s,3H)、3.4
6(s,4H)、7.17〜7.41(m,13H) このものを実施例1の化合物1の塩の作成工程と同様の
方法で処理して、化合物5の塩酸塩を0.28g(収率
94.5%)得た。このものの融点は166〜168℃
であった。1H−NMRは次に示す。 1.33(s,9H)、2.53(s,3H)、4.0
0(m,2H)、4.19(m,2H)、7.25〜
7.60(m,12H)、7.73(m,1H)、1
2.92(bs,1H) 【0023】<実施例6> トランス−N−(6,6−ジメチル−2−ヘプテン−4
−イニル)−N−メチル−3−(フェニルチオ)ベンジ
ルアミン(化合物6) 実施例5の化合物4を化合物3に変え、同様に処理し、
化合物6を収率68%で得た。1H−NMRは次に示
す。 1.24(s,9H)、2.16(s,3H)、3.0
1(d,2H,J=6.48Hz)、3.44(s,2
H)、5.60(d,1H,J=15.93Hz)、
6.05(dt,1H,J=15.93Hz、6.48
Hz)、7.15〜7.38(m,9H) このものを実施例1の化合物1の塩の作成工程と同様の
方法で処理して、化合物6の塩酸塩を0.26g(収率
90.5%)得た。このものの融点は174〜176.
5℃であった。1H−NMRは次に示す。 1.31(s,9H)、2.60(m,3H)、3.4
7(m,1H)、3.63(m,1H)、3.96(d
d,1H,J=5.40Hz、13.23Hz)、4.
13(dd,1H,J=13.23Hz、5.13H
z)、5.75(d,1H,J=15.93Hz)、
6.23(dt,1H,J=15.93Hz、7.56
Hz)、7.15〜7.38(m,8H)、7.66
(d,1H,J=7.56Hz)13.02(bs,1
H) 【0024】<実施例7> 抗菌性試験(発育阻止濃度の測定) トリコフィトンに対する本発明の化合物の抗真菌作用を
求めた。即ち、トリコフィトン・メンタグロファイテス
(T.mentagrophytes TIMM1189)を予めサブロー寒天培
地の斜面に27℃で2週間培養して分生子を充分つくら
せる。これにツィーン80を0.05重量/容量%含有
する滅菌生理食塩水を加え白金耳で擦りながら洗浄し分
生子を浮遊させる。これを二枚重ねのガーゼで濾過し分
生子のみを生理食塩水に浮遊する形で取り出した。分生
子の濃度を105個/mlになるように生理食塩水で調
製し試験菌菌液とした。一方、化合物を4mgとり、ジ
メチルスルホキサイド1mlを加え原液とし、これを順
次ジメチルスルホキサイドで2倍希釈し希釈薬剤液を調
製した。組織培養用96穴マイクロプレートの各ウェル
にサブロー・デキストロース培地175μl、薬剤溶液
5μl、試験菌菌液20μlを加え、良く混和した後、
27℃で1週間培養し目視にて完全に発育を阻止する最
小濃度を探し、最小発育阻止濃度とした。結果は、化合
物3の塩酸塩、化合物4の塩酸塩、化合物5の塩酸塩及
び化合物6の塩酸塩の最小発育阻止濃度は、それぞれ1
00μg/ml、100μg/ml、33μg/ml及
び33μg/mlであった。これより本発明の抗真菌剤
の抗真菌作用が優れていることがわかる。 【0025】<実施例8>下記に示す処方に従って本発
明の医薬組成物である、水虫治療用の軟膏を作成した。
即ち、処方成分をニーダーに秤込み混練りして軟膏を得
た。 ワセリン 99重量部 化合物1の塩酸塩 1重量部 【0026】<実施例9>下記に示す処方に従って本発
明の医薬組成物である、水虫治療用の軟膏を作成した。
即ち、処方成分をニーダーに秤込み混練りして軟膏を得
た。 ワセリン 99重量部 化合物2の塩酸塩 1重量部 【0027】<実施例10>下記に示す処方に従って本
発明の医薬組成物である、水虫治療用の軟膏を作成し
た。即ち、処方成分をニーダーに秤込み混練りして軟膏
を得た。 ワセリン 99重量部 化合物3の塩酸塩 1重量部 【0028】<実施例11>下記に示す処方に従って本
発明の医薬組成物である、水虫治療用の軟膏を作成し
た。即ち、処方成分をニーダーに秤込み混練りして軟膏
を得た。 ワセリン 99重量部 化合物4の塩酸塩 1重量部 【0029】<実施例12>下記に示す処方に従って本
発明の医薬組成物である、水虫治療用の軟膏を作成し
た。即ち、処方成分をニーダーに秤込み混練りして軟膏
を得た。 ワセリン 99重量部 化合物5の塩酸塩 1重量部 【0030】<実施例13>下記に示す処方に従って本
発明の医薬組成物である、水虫治療用の軟膏を作成し
た。即ち、処方成分をニーダーに秤込み混練りして軟膏
を得た。 ワセリン 99重量部 化合物6の塩酸塩 1重量部 【0031】 【発明の効果】本発明によれば、抗真菌作用を有する新
規母核の化合物が提供できる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 河津 幸雄
神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ
化成工業株式会社戸塚研究所内
(72)発明者 伊藤 隆男
神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ
化成工業株式会社戸塚研究所内
(72)発明者 中島 琢自
神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ
化成工業株式会社戸塚研究所内
(72)発明者 野沢 暁
神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ
化成工業株式会社戸塚研究所内
Fターム(参考) 4C206 AA01 AA02 AA03 JA41 MA01
MA04 ZA89 ZB35
4H006 AA01 AA03 AB29 TA03 TA05
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 一般式(I)に表される、芳香族化合物
及び/又は生理的に許容されるその塩。 【化1】 一般式(I) (但し、式中R1は次に示す(1)、(2)又は(3)
に表される基を表し、R2はπ電子を少なくとも6個有
する炭化水素基を表し、R3は炭素数1〜4のアルキル
基を表し、R2とR3は結合していても良いものとす
る。) 【化2】 【請求項2】 一般式(I)に表される化合物が、ト
ランス−N−(6,6−ジメチル−2−ヘプテン−4−
イニル)−N−メチル−3−(フェニルスルホニル)ベ
ンジルアミン(化合物1)、N−(4−ターシャリー−
ブチルベンジル)−N−メチル−3−(フェニルスルホ
ニル)ベンジルアミン(化合物2)、トランス−N−
(6,6−ジメチル−2−ヘプテン−4−イニル)−N
−メチル−3−(フェニルスルフィニル)ベンジルアミ
ン(化合物3)、N−(4−ターシャリー−ブチルベン
ジル)−N−メチル−3−(フェニルスフィニル)ベン
ジルアミン(化合物4)、N−(4−ターシャリー−ブ
チルベンジル)−N−メチル−3−(フェニルチオ)ベ
ンジルアミン(化合物5)、トランス−N−(6,6−
ジメチル−2−ヘプテン−4−イニル)−N−メチル−
3−(フェニルチオ)ベンジルアミン(化合物6)の何
れかである、請求項1又は2に記載の化合物。 【化3】 (化合物1) 【化4】 (化合物2) 【化5】 (化合物3) 【化6】(化合物4) 【化7】 (化合物5) 【化8】 (化合物6) 【請求項4】 請求項1〜3の何れか一項に記載の化合
物及び/又は生理的に許容されるその塩からなる抗真菌
剤。 【請求項5】 真菌が足及び/又は爪白癬の病原菌であ
ることを特徴とする、請求項4に記載の抗真菌剤。 【請求項6】 請求項4又は5に記載の抗真菌剤を含有
する医薬組成物。
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