JP2000063165A - セメント混和剤 - Google Patents

セメント混和剤

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JP2000063165A
JP2000063165A JP11205554A JP20555499A JP2000063165A JP 2000063165 A JP2000063165 A JP 2000063165A JP 11205554 A JP11205554 A JP 11205554A JP 20555499 A JP20555499 A JP 20555499A JP 2000063165 A JP2000063165 A JP 2000063165A
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Toru Uno
亨 宇野
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浩一郎 流
Hideyuki Tawara
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い減水率およびスランプ保持性に優れたセ
メント混和剤を提供する。 【解決手段】 下記一般式一般式(2)で示される第2
のポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(b)
65〜95重量%、下記一般式(3)で示されるカルボ
ン酸系単量体(c)5〜35重量%、およびこれらの単
量体と共重合可能なその他の単量体(d)0〜50重量
%(ただし、(b)、(c)および(d)の合計は10
0重量%である。)の比率で導かれた第3の共重合体
(A2)または該共重合体(A2)をさらにアルカリ性
物質で中和して得られた第3の共重合体塩(B2)の混
合物を主成分とするスランプ保持性に優れたセメント混
和剤。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、セメント混和剤お
よびセメント組成物に関する。さらに詳しくは、セメン
トペースト、モルタル、コンクリートといったいわゆる
セメント配合物において、その流動性が経時的に低下す
ることを防止するスランプ保持型セメント混和剤および
該セメント混和剤を含有してなるセメント組成物に関す
る。 【0002】 【従来の技術】1981年にコンクリート構造物の早期
劣化が社会問題化して以来、コンクリート中の単位水量
を減らしてその施工性と耐久性を向上させることが強く
求められてきたなかで、セメント配合物の品質、性能に
多大なる影響を与えるセメント分散剤に対する技術革新
が盛んに行われている。 【0003】従来の手法としては、AE剤もしくはAE
減水剤を添加した流動性(以下「スランプ」という。)
の低い生コンクリートをプラントで製造し、生コン車に
て打設現場まで運搬した後、これに流動化剤を添加して
流動化させ、スランプを所定の値まで高める流動化工法
がとられていた。しかしながら、この工法には、生コン
車で流動化剤をコンクリートに添加して攪拌混合する際
に発生する騒音および排気ガスの環境問題、得られた流
動化コンクリートの品質の責任の所在、流動化コンクリ
ートのスランプの著しい経時低下、等の諸問題があっ
た。 【0004】そこで、生コンプラントで添加できるいわ
ゆる高性能AE減水剤の開発が各混和剤メーカーで精力
的に行なわれ、現在、ナフタレン系、アミノスルホン酸
系およびポリカルボン酸系等が市販されている。この中
で、ポリカルボン酸系高性能AE減水剤は、最も高い減
水率を得ることができるという優れた特徴を有するが、
得られた生コンクリートを夏場に遠隔地へ搬送する等の
過酷な使用条件下においては、他の高性能AE減水剤と
同じく、スランプロスを十分に抑えきれない場合がある
といった課題があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、スランプ保持性に優れたセメント混和剤および
該セメント混和剤を配合してなるセメント組成物を提供
することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的は、下記(1)
〜(7)により達成される。 (1) 一般式(1) 【0007】 【化3】 【0008】(ただし、式中、R1は水素原子またはメ
チル基、R2Oはオキシエチレン基を表わし、R3は水素
原子または炭素原子数1〜22のアルキル基であり、ま
たmはオキシエチレン基の平均付加モル数であり、1〜
97の整数を表わす。)で示される第1のポリエチレン
グリコール(メタ)アクリレート(a)5〜90重量
%、一般式(2) 【0009】 【化4】 【0010】(ただし、式中、R4は水素原子またはメ
チル基、R5Oはオキシエチレン基を表わし、R6は水素
原子または炭素原子数1〜22のアルキル基であり、ま
たnはオキシエチレン基の平均付加モル数であり、4〜
100の整数を表わし、n≠mかつn−m≧3であ
る。)で示される第2のポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート(b)5〜90重量%、一般式(3) 【0011】 【化5】 【0012】(ただし、式中、R7は水素原子またはメ
チル基、M1は水素原子、一価金属原子、二価金属原
子、アンモニウム基または有機アミン基を表わす。)で
示されるカルボン酸系単量体(c)5〜90重量%、お
よびこれらの単量体と共重合可能なその他の単量体
(d)0〜50重量%(ただし、(a)、(b)、
(c)および(d)の合計は100重量%である。)の
比率で導かれた第1の共重合体(A)および/または該
共重合体(A)をさらにアルカリ性物質で中和して得ら
れた第1の共重合体塩(B)を主成分とするスランプ保
持性に優れたセメント混和剤。 (2) 一般式(1) 【0013】 【化6】 【0014】(ただし、式中、R1は水素原子またはメ
チル基、R2Oはオキシエチレン基を表わし、R3は水素
原子または炭素原子数1〜22のアルキル基であり、ま
たmはオキシエチレン基の平均付加モル数であり、1〜
97の整数を表わす。)で示される第1のポリエチレン
グリコール(メタ)アクリレート(a)5〜65重量
%、一般式(3) 【0015】 【化7】 【0016】(ただし、式中、R7は水素原子またはメ
チル基、M1は水素原子、一価金属原子、二価金属原
子、アンモニウム基または有機アミン基を表わす。)で
示されるカルボン酸系単量体(c)35〜95重量%、
およびこれらの単量体と共重合可能なその他の単量体
(d)0〜50重量%(ただし、(a)、(c)および
(d)の合計は100重量%である。)の比率で導かれ
た第2の共重合体(A1)および/または該共重合体
(A1)をさらにアルカリ性物質で中和して得られた第
2の共重合体塩(B1)、および一般式(2) 【0017】 【化8】 【0018】(ただし、式中、R4は水素原子またはメ
チル基、R5Oはオキシエチレン基を表わし、R6は水素
原子または炭素原子数1〜22のアルキル基であり、ま
たnはオキシエチレン基の平均付加モル数であり、4〜
100の整数を表わし、n≠mかつn−m≧3であ
る。)で示される第2のポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート(b)65〜95重量%、一般式
(3) 【0019】 【化9】 【0020】(ただし、式中、R7は水素原子またはメ
チル基、M1は水素原子、一価金属原子、二価金属原
子、アンモニウム基または有機アミン基を表わす。)で
示されるカルボン酸系単量体(c)5〜35重量%、お
よびこれらの単量体と共重合可能なその他の単量体
(d)0〜50重量%(ただし、(b)、(c)および
(d)の合計は100重量%である。)の比率で導かれ
た第3の共重合体(A2)および/または該共重合体
(A2)をさらにアルカリ性物質で中和して得られた第
3の共重合体塩(B2)の混合物を主成分とするスラン
プ保持性に優れたセメント混和剤。 (3) 該共重合体(塩)(A1および/またはB1)
と該共重合体(塩)(A2および/またはB2)の重量
比が1:99〜99:1である前記(2)に記載のセメ
ント混和剤。 (4) 一般式(1) 【0021】 【化10】 【0022】(ただし、式中、R1は水素原子またはメ
チル基、R2Oはオキシエチレン基を表わし、R3は水素
原子または炭素原子数1〜22のアルキル基であり、ま
たmはオキシエチレン基の平均付加モル数であり、1〜
97の整数を表わす。)で示される第1のポリエチレン
グリコール(メタ)アクリレート(a)5〜65重量
%、一般式(3) 【0023】 【化11】 【0024】(ただし、式中、R7は水素原子またはメ
チル基、M1は水素原子、一価金属原子、二価金属原
子、アンモニウム基または有機アミン基を表わす。)で
示されるカルボン酸系単量体(c)35〜95重量%、
およびこれらの単量体と共重合可能なその他の単量体
(d)(ただし、(a)、(c)および(d)の合計は
100重量%である。)の比率で導かれた第2の共重合
体(A1)および/または該共重合体(A1)をさらに
アルカリ性物質で中和して得られた第2の共重合体塩
(B1)、およびナフタレン系セメント分散剤、アミノ
スルホン酸系セメント分散剤、ポリカルボン酸系セメン
ト分散剤およびリグニン系セメント分散剤よりなる群か
ら選ばれた少なくとも1種のセメント分散剤を主成分と
するスランプ保持性に優れたセメント混和剤。 (5) 該共重合体(塩)(A1および/またはB1)
と該セメント分散剤との重量比が1:99〜99:1で
ある前記(4)に記載のセメント混和剤。 (6) 前記(1)〜(5)のいずれか1つに記載のセ
メント混和剤、セメントおよび水を少なくとも含有して
なるセメント組成物。 (7) 該セメント混和剤がセメントに対して0.01
〜1.0重量%、かつ水/セメントの重量比が0.15
〜0.7である前記(6)に記載のセメント組成物。 【0025】 【発明の実施の形態】まず、本発明による第1のセメン
ト混和剤は、後述する第1の共重合体(A)および/ま
たは該第1の共重合体(A)を更にアルカリ性物質で中
和して得られた第1の共重合体塩(B)を主成分とする
ものである。 【0026】該第1の共重合体(A)は、一般式(1)
で示される第1のポリエチレングリコール(メタ)アク
リレート(a)5〜90重量%、好ましくは5〜70重
量%、さらに好ましくは10〜65重量%、一般式
(2)で示される第2のポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート(b)5〜90重量%、好ましくは1
0〜90重量%、さらに好ましくは20〜70重量%、
一般式(3)で示されるカルボン酸系単量体(c)5〜
90重量%、好ましくは5〜40重量%、さらに好まし
くは8〜30重量%、およびこれらの単量体と共重合可
能なその他の単量体(d)0〜50重量%、好ましくは
0〜30重量%(ただし、(a)、(b)、(c)およ
び(d)の合計は100重量%である。)の比率で導か
れるものである。また、該第1の共重合体塩(B)は、
該第1の共重合体(A)を更にアルカリ性物質で中和す
ることにより得られる。 【0027】一般式(1) 【0028】 【化12】 【0029】同一般式(1)において、R1は水素原子
またはメチル基、R2Oはオキシエチレン基を表わし、
3は水素原子または炭素原子数1〜22、好ましくは
1〜15のアルキル基であり、またmはオキシエチレン
基の平均付加モル数であり、1〜97、好ましくは1〜
10の整数を表わす。 【0030】一般式(2) 【0031】 【化13】 【0032】同一般式(2)において、R4は水素原子
またはメチル基、R5Oはオキシエチレン基を表わし、
6は水素原子または炭素原子数1〜22、好ましくは
1〜15のアルキル基であり、またnはオキシエチレン
基の平均付加モル数であり、4〜100、好ましくは1
1〜100の整数を表わし、n≠mかつn−m≧3、好
ましくはn−m≧5である。 【0033】一般式(3) 【0034】 【化14】 【0035】同一般式(3)において、R7は水素原子
またはメチル基、M1は水素原子、一価金属原子、二価
金属原子、アンモニウム基または有機アミン基を表わ
す。 【0036】本発明による第2のセメント混和剤は、後
述する第2の共重合体(A1)および/または該第2の
共重合体(A1)を更にアルカリ性物質で中和して得ら
れた第2の共重合体塩(B1)と、後述する第3の共重
合体(A2)および/または該第3の共重合体(A2)
を更にアルカリ性物質で中和して得られた第3の共重合
体塩(B2)との混合物を主成分とするものである。 【0037】該第2の共重合体(A1)は、一般式
(1)で示される第1のポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート(a)5〜65重量%、好ましくは5
〜60重量%、一般式(3)で示されるカルボン酸系単
量体(c)35〜95重量%、好ましくは40〜95重
量%およびこれらの単量体と共重合可能なその他の単量
体(d)0〜50重量%、好ましくは0〜30重量%
(ただし、(a)、(c)および(d)の合計は100
重量%である。)の比率で導かれるものである。また、
該第2の共重合体塩(B1)は、該第2の共重合体(A
1)をさらにアルカリ性物質で中和することにより得ら
れる。 【0038】該第3の共重合体(A2)は、一般式
(2)で示される第2のポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート(b)65〜95重量%、好ましくは
70〜95重量%、一般式(3)で示されるカルボン酸
系単量体(c)5〜35重量%、好ましくは5〜30重
量%およびこれらの単量体と共重合可能なその他の単量
体(d)0〜50重量%、好ましくは0〜30重量%
(ただし、(b)、(c)および(d)の合計は100
重量%である。)の比率で導かれるものである。また、
該第3の共重合体塩(B2)は、該第3の共重合体(A
2)をさらにアルカリ性物質で中和することにより得ら
れる。 【0039】該第2の共重合体(A1)および/または
共重合体塩(B1)と該第3の共重合体(A2)および
/または共重合体塩(B2)との重量比は1:99〜9
9:1、好ましくは3:97〜97:3である。 【0040】本発明による第3のセメント混和剤は、前
記第2の共重合体(A1)および/または該共重合体
(A1)をさらにアルカリ性物質で中和して得られた第
2の共重合体塩(B1)と、ナフタレン系セメント分散
剤、アミノスルホン酸系セメント分散剤、ポリカルボン
酸系セメント分散剤よりなる群から選ばれた少なくとも
1種のセメント分散剤とを主成分とするものである。 【0041】該第2の共重合体(A1)および/または
共重合体塩(B1)と、該セメント分散剤との重量比は
1:99〜99:1、好ましくは3:97〜97:3で
ある。 【0042】本発明で用いられる一般式(1)で表わさ
れるポリエチレングリコール(メタ)アクリレート
(a)および(b)としては、短鎖ポリエチレングリコ
ール(メタ)アクリレートと、長鎖ポリエチレングリコ
ール(メタ)アクリレートとがある。 【0043】短鎖ポリエチレングリコール(メタ)アク
リレートとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート、メトキシ(ポリ)エチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、エトキシ(ポリ)エチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート等の(ポリ)オキシエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル類等
がある。ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート
(a)は、その側鎖の短鎖ポリエチレングリコールに疎
水性を有することが重要である。したがって、ポリエチ
レングリコール(メタ)アクリレート(a)としては、
平均付加モル数mが1〜97、好ましくは1〜10の
(アルコキシ)(ポリ)エチレングリコール(メタ)ア
クリレートが好ましい。 【0044】本発明で用いられる長鎖ポリエチレングリ
コール系単量体(b)は前記一般式で示されるものであ
り、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アク
リレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレートなどのポリオキシエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリル酸エステル類等がある。高
い減水性を得るためには、ポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート(b)の平均付加モル数4〜100の
ポリエチレングリコール鎖による立体反発と親水性でセ
メント粒子を分散させることが重要である。(アルコキ
シ)ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート
(b)のエチレングリコール鎖の平均付加モル数nは4
〜100、好ましくは11〜100である。 【0045】カルボン酸系単量体(c)は、前記一般式
(3)で示されるものである。単量体(c)の例として
は、アクリル酸、メタクリル酸ならびにこれらの酸の一
価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩および有機アミ
ン塩を挙げることができ、これらの1種または2種以上
を用いることができる。 【0046】単量体(d)は、単量体(a)、(b)お
よび(c)と共重合可能な単量体である。単量体(d)
の例としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、
メサコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸類とHO(R
8O)pR9(ただし、R8Oは炭素原子数2〜4のオキ
シエチレン基の1種または2種以上の混合物を表わし、
2種以上の場合はブロック状に付加していてもランダム
状に付加していてもよく、pはオキシエチレン基の平均
付加モル数であり1から100の整数を表わし、R9
水素または炭素原子数1〜22のアルキル基を表わ
す。)で表わされるアルコールとのモノエステルあるい
はジエステル類;(メタ)アクリルアミド、(メタ)ア
クリルアルキルアミド等の不飽和アミド類;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;ビニル
スルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、スルホエチル
(メタ)アクリレート、2−メチルプロパンスルホン酸
(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽
和スルホン酸類およびそれらの一価金属塩、二価金属
塩、アルモニウム塩、有機アミン塩類;スチレン、α−
メチルスチレン等の芳香族ビニル類;炭素原子数1〜1
8の脂肪族アルコールあるいはベンジルアルコール等の
フェニル基含有アルコールと(メタ)アクリル酸とのエ
ステル類;等が挙げられ、これらの1種または2種以上
を用いることができる。 【0047】第1の共重合体(A)は、単量体(a)、
(b)、(c)および要すれば単量体(d)を前記特定
比率で用いて導かれたものである。すなわち、単量体
(a)、(b)、(c)の配合割合は、単量体(a)が
5〜90重量%、単量体(b)が5〜90重量%、単量
体(c)が5〜90重量%の範囲であり、好ましくは単
量体(a)が5〜70重量%、単量体(b)が10〜9
0重量%、単量体(c)が5〜40重量%の範囲であ
り、さらに好ましくは単量体(a)が10〜65重量
%、単量体(b)が20〜70重量%、単量体(c)が
8〜30重量%の範囲であり、これらの単量体と共重合
可能な単量体(d)の配合割合は、50重量%以下、好
ましくは30重量%以下である。この比率の範囲を外れ
ると目的とする優れた性能のセメント分散剤は得られな
い。 【0048】共重合体(A)を得るには、重合開始剤を
用いて前記単量体成分を共重合させれば良い。共重合
は、溶媒中での重合や塊状重合等の方法により行なうこ
とができる。 【0049】溶媒中での重合は回分式でも連続式でも行
なうことができ、その際使用される溶媒としては、水;
メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルア
ルコール等の低級アルコール;ベンゼン、トルエン、キ
シレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の芳香族ある
いは脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル化合物;
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;等が
挙げられる。原料単量体および得られる共重合体(A)
の溶解性ならびに該共重合体(A)の使用時の便から
は、水および炭素原子数1〜4の低級アルコールよりな
る群から選ばれた少なくとも1種を用いることが好まし
い。その場合、炭素原子数1〜4の低級アルコールの中
でもメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール等が特に有効である。 【0050】水媒体中で重合を行なう時は、重合開始剤
としてアンモニウムまたはアルカリ金属の過硫酸塩ある
いは過酸化水素等の水溶性の重合開始剤が使用される。
この際、亜硫酸水素ナトリウム、モール塩等の促進剤を
併用することもできる。また、低級アルコール、芳香族
炭化水素、脂肪族炭化水素、エステル化合物あるいはケ
トン化合物を溶媒とする重合には、ベンゾイルパーオキ
シドやラウロイルパーオキシド等のパーオキシド;クメ
ンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド;ア
ゾビスイソブチロニトリル等の芳香族アゾ化合物等が重
合開始剤として用いられる。この際アミン化合物等の促
進剤を併用することもできる。さらに、水−低級アルコ
ール混合溶剤を用いる場合には、上記の種々の重合開始
剤あるいは重合開始剤と促進剤との組み合わせの中から
適宜選択して用いることができる。重合温度は、用いる
溶媒や重合開始剤により適宜定められるが、通常0〜1
20℃の範囲内で行なわれる。 【0051】塊状重合は、重合開始剤としてベンゾイル
パーオキシドやラウロイルパーオキシド等のパーオキシ
ド;クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキ
シド;アゾビスイソブチロニトリル等の脂肪族アゾ化合
物等を用い、50〜200℃の温度範囲内で行なわれ
る。 【0052】また、得られる共重合体(A)の分子量調
節のために、チオール系連鎖移動剤を併用することもで
きる。この際に用いられるチオール系連鎖移動剤は、一
般式HS−R10−Eg(ただし、式中R10は炭素原子
数1〜2のアルキル基を表わし、Eは−OH、−COO
2、−COOR11または−SO32基を表わし、M2
水素、一価金属、二価金属、アンモニウム基または有機
アミン基を表わし、R 11は炭素原子数1〜10のアルキ
ル基を表わし、gは1〜2の整数を表わす。)で表わさ
れ、例えば、メルカプ トエタノール、チオグリセロ
ール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン
酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオ
グリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オ
クチル等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用
いることができる。 【0053】このようにして得られた共重合体(A)
は、そのままでもセメント分散剤の主成分として用いら
れるが、必要に応じて、さらにアルカリ性物質で中和し
て得られる共重合体塩(B)をセメント分散剤の主成分
として用いても良い。このようなアルカリ性物質として
は、一価金属および二価金属の水酸化物、塩化物および
炭素塩等の無機物;アンモニア;有機アミン等が好まし
いものとして挙げられる。 【0054】第2の共重合体(A1)は、単量体
(a)、(c)および要すれば単量体(d)を前記特定
比率で用いて導かれたものである。すなわち、単量体
(a)、(c)、の配合割合は、単量体(a)が5〜6
5重量%、単量体(c)が35〜95重量%の範囲であ
り、好ましくは単量体(a)が5〜60重量%、単量体
(c)が40〜95重量%の範囲であり、これらの単量
体と共重合可能な単量体(d)の配合割合は、50重量
%以下、好ましくは30重量%以下である。この比率の
範囲を外れると目的とする優れた性能のセメント分散剤
は得られない。 【0055】第3の共重合体(A2)は、単量体
(b)、(c)および要すれば単量体(d)を前記特定
比率で用いて導かれたものである。すなわち、単量体
(b)、(c)の配合割合は、単量体(b)が65〜9
5重量%、単量体(c)が5〜35重量%の範囲であ
り、好ましくは単量体(b)が70〜95重量%、単量
体(c)が5〜30重量%の範囲であり、これらの単量
体と共重合可能な単量体(d)の配合割合は、50重量
%以下、好ましくは30重量%以下である。この比率の
範囲を外れると目的とする優れた性能のセメント分散剤
は得られない。 【0056】上記第2および第3の共重合体(A1)お
よび(A2)および第2および第3の共重合体塩(B
1)および(B2)も、第1の共重合体(A)および第
1の共重合体塩(B)と同様の方法で調整される。 【0057】また、本発明のセメント混和剤として用い
られる共重合体(A)、(A1)、(A2)および/ま
たは共重合体塩(B)、(B1)、(B2)の重量平均
分子量としては、500〜500,000、特に5,0
00〜300,000の範囲とすることが好ましい。重
量平均分子量が500未満では、セメント分散剤の減水
性能が低下するために好ましくない。一方、500,0
00を越える分子量では、セメント分散剤の減水性能、
スランプロス防止能が低下するために好ましくない。 【0058】第1の共重合体(A)および/または共重
合体塩(B)は、これらそれぞれの単独または混合物を
そのままセメント分散剤として使用することができる。
また、該共重体(A)および/または共重合体塩(B)
を主成分とし他の公知のセメント混和剤と組み合わせて
使用する際、このような公知のセメント混和剤として
は、例えば従来のセメント分散剤、空気連行剤、セメン
ト湿潤剤、膨張材、防水剤、遅延剤、急結剤、水溶性高
分子物質、増粘剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進
剤、硬化促進剤、消泡剤等を挙げることできる。 【0059】また、第2の共重合体(A1)および/ま
たは共重合体塩(B1)は、第3の共重合体(A2)お
よび/または共重合体塩(B2)と組み合わせて使用す
ることができる。 【0060】さらに、第2の共重合体(A1)および/
または共重合体塩(B1)は、ナフタレン系セメント分
散剤、アミノスルホン酸系セメント分散剤、ポリカルボ
ン酸系セメント分散剤、リグニン系セメント分散剤等の
公知のセメント分散剤と組み合わせて使用することもで
きる。 【0061】本発明のセメント混和剤は、ポルトランド
セメント、ビーライト高含有セメント、アルミナセメン
ト、各種混合セメント等の水硬セメント、あるいは、石
膏などのセメント以外の水硬材料などに用いることがで
きる。 【0062】本発明において使用されるセメント混和剤
は、従来のセメント混和剤に比較して少量の添加でも優
れた効果を発揮する。たとえば水硬セメントを用いるモ
ルタルやコンクリート等に使用する場合には、セメント
重量の0.01〜1.0%、好ましくは0.02〜0.
5%となる比率の量を練り混ぜの際に添加すればよい。
この添加により高減水率の達成、スランプロス防止性能
の向上、単位水量の低減、強度の増大、耐久性の向上な
どの各種の好ましい諸効果がもたらされる。添加量が
0.01%未満では性能的に不十分であり、逆に1.0
%を越える多量を使用しても、その効果は実質上頭打ち
となり経済性の面からも不利となる。 【0063】本発明のセメント組成物は、該セメント組
成物1m3あたりのセメント使用量、単位水量にはとり
たてて制限はないが、単位水量120〜185kg/m
3、水/セメント重量比=0.15〜0.7、好ましく
は単位水量120〜175kg/m3、水/セメント重
量比=0.2〜0.5%が推奨される。 【0064】一般に各セメント成分の水和速度を比較す
ると、C3Aが最も早く、注水後数分間での水和率は3
0%を越える。このような急激な水和によって割かれる
練り水の減少が、スランプロスの一つの要因であろう。
また、公知のセメント分散剤は、セメント成分の中でも
このように活性の高いC3Aに最も速やかに吸着するた
め、添加した分散剤の大部分はC3Aの水和反応により
生じる結晶内に埋没し、経時的にセメント分散力を失っ
てしまうこともスランプロスの要因であろうと推察され
る。したがって、C3Aの活性を抑制することができれ
ば、スランプロスを大きく低減できるであろうと期待さ
れる。本発明の共重合体は、例えば、1分子中に、短い
ポリエチレングリコールと長いポリエチレングリコール
の両者を側鎖に有するポリカルボン酸系共重合体であ
り、短いポリエチレングリコール側鎖は、その疎水性故
にC3Aの活性を抑え、長いポリエチレングリコール側
鎖はその親水性と立体反発で強力な減水効果を発揮す
る。 【0065】しかし、このような理由により本発明のセ
メント混和剤が何ら制限を受けるものではない。 【0066】以下実施例を挙げ、本発明を更に具体的に
説明する。なお、例中特に断わりのない限り%は重量%
を、また、部は重量部を表わすものとする。 【0067】実施例1 セメント混和剤(1)の製造 温度計、攪拌機、滴下漏斗、窒素導入管および還流冷却
器を備えたガラス製反応容器に水500部を仕込み、攪
拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃
まで加熱した。次に、メトキシポリエチレングリコール
モノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル
数4個)300部、メタクリル酸200部、水150
部、および連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン
酸13.5部を混合したモノマー水溶液ならびに10%
過硫酸アンモニウム水溶液40部を4時間で滴下し、滴
下終了後、さらに10%過硫酸アンモニウム水溶液10
部を1時間で滴下した。その後、1時間引き続いて80
℃に温度を維持し、重合反応を完結させ、重量平均分子
量12300の共重合体水溶液からなる本発明のセメン
ト混和剤(1)を得た。 【0068】実施例2〜3 セメント混和剤(2)および(3)の製造 以下、実施例1と同様の操作を行なって本発明のセメン
ト混和剤(2)および(3)を製造した。その内容を表
1にまとめて示す。 【0069】実施例4 セメント混和剤(4)の製造 温度計、攪拌機、滴下漏斗、窒素導入管および還流冷却
器を備えたガラス製反応容器に水500部を仕込み、攪
拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃
まで加熱した。次に、メトキシポリエチレングリコール
モノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル
数4個)400部、メタクリル酸100部、水150
部、および連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン
酸5.7部を混合したモノマー水溶液ならびに10%過
硫酸アンモニウム水溶液40部を4時間で滴下し、滴下
終了後、さらに10%過硫酸アンモニウム水溶液10部
を1時間で滴下した。その後、1時間引き続いて80℃
に温度を維持し、重合反応を完結させ、重量平均分子量
28700の重合体水溶液からなるセメント混和剤
(4)を得た。 【0070】実施例5 セメント混和剤(5)の製造 以下、実施例4と同様の操作を行なってセメント混和剤
(5)を製造した。その内容を表1にまとめて示す。 【0071】 【表1】 【0072】実施例6〜7 モルタル試験1 ポリカルボン酸系セメント分散剤(株式会社日本触媒製
アクアロックFC−600、「以下PC剤1」とい
う。)と、セメント混和剤(4)および(5)の重合体
水溶液とPC剤1を併用した場合(実施例6〜7)とで
モルタルフロー値の経時変化を比較した。 【0073】試験に使用した材料およびモルタルの配合
は、秩父小野田ハイフローセメント800g、カルシウ
ムスルホアルミネート系膨張材80g、豊浦標準砂40
0g、各種重合体を含む水220gである。 【0074】モルタルはモルタルミキサーにより機械練
りで調整し、直径55mm、高さ55mmの中空円筒に
モルタルを詰める。つぎに、円筒を垂直に持ち上げた
後、テーブルに広がったモルタルの直径を2方向につい
て測定し、この平均をフロー値とした。以後、モルタル
の全量を密閉容器内で所定時間静置後、上と同様の操作
を繰り返し、フロー値の経時変化を測定した。結果を表
2に示す。 【0075】 【表2】 【0076】実施例9〜10および比較例3〜4 モルタル試験2 本発明のセメント混和剤(1)とポリカルボン酸系セメ
ント分散剤(メトキシポリエチレングリコールモノメタ
クリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数25
個)とメタクリル酸との重量比83.4/16.4の共
重合体、重量平均分子量22000、以下「PC剤2」
という)を併用した場合(実施例9)と、本発明のセメ
ント混和剤(1)とナフタレンスルホン酸ホルムアルデ
ヒド縮合物(花王製マイティー150、以下「NSF」
という。)を併用した場合(実施例10)およびPC剤
2およびNSFをそれぞれ単独で用いた場合(比較例3
〜4)とでモルタルフロー値の経時変化を比較した。 【0077】試験に使用した材料およびモルタルの配合
は、秩父小野田普通ポルトランドセメント600g、豊
浦標準砂600g、各種重合体を含む水210gであ
る。 【0078】モルタルはモルタルミキサーにより機械練
りで調製し、直径55mm、高さ55mmの中空円筒に
モルタルを詰める。つぎに、円筒を垂直に持ち上げた
後、テーブルに広がったモルタルの直径を2方向につい
て測定し、この平均をフロー値とした。以後、モルタル
の全量を密閉容器内で所定時間静置後、上と同様の操作
を繰り返し、フロー値の経時変化を測定した。結果を表
3に示す。 【0079】 【表3】 【0080】表3から、本発明のセメント混和剤(1)
をポリカルボン酸系セメント分散剤やNSFに併用して
みると、ポリカルボン酸系セメント分散剤やNSFを単
独で使用したものよりフロー値の低減が非常に小さいこ
とが分かる。このことより、本発明のセメント混和剤
が、スランプロスの低減に優れた効果を示すことが分か
る。 【0081】実施例11 セメント混和剤(6)の製造 温度計、攪拌機、滴下漏斗、窒素導入管および還流冷却
器を備えたガラス製反応容器に水500部を仕込み、攪
拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃
まで加熱した。次に、メトキシポリエチレングリコール
モノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル
数4個)50部、メトキシポリエチレングリコールモノ
メタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数2
3個)350部、メタクリル酸100部、水150部、
および連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸
2.8部を混合したモノマー水溶液ならびに10%過硫
酸アンモニウム水溶液40部を4時間で滴下し、滴下終
了後、さらに10%過硫酸アンモニウム水溶液10部を
1時間で滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に
温度を維持し、重合反応を完結させ、重量平均分子量2
2000の重合体水溶液からなる本発明のセメント混和
剤(6)を得た。 【0082】実施例12〜17 セメント混和剤(7)〜(12)の製造 以下、実施例11と同様の操作を行なって本発明のセメ
ント混和剤(7)〜(12)を製造した。その内容を表
4にまとめて示す。 【0083】比較例5 比較セメント混和剤(1)の製造 温度計、攪拌機、滴下漏斗、窒素導入管および還流冷却
器を備えたガラス製反応容器に水500部を仕込み、攪
拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃
まで加熱した。次に、メトキシポリエチレングリコール
モノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル
数4個)10部、メトキシポリエチレングリコールモノ
メタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数2
3個)390部、メタクリル酸100部、水150部、
および連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸
2.62.を混合したモノマー水溶液ならびに10%過硫
酸アンモニウム水溶液40部を4時間で滴下し、滴下終
了後、さらに10%過硫酸アンモニウム水溶液10部を
1時間で滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に
温度を維持し、重合反応を完結させ、重量平均分子量2
3000の重合体水溶液からなる比較セメント混和剤
(1)を得た。 【0084】比較例6〜7 比較セメント混和剤(2)〜(3)の製造 以下、比較例5と同様の操作を行なって比較セメント混
和剤(2)〜(3)を製造した。その内容を表4にまと
めて示す。 【0085】 【表4】【0086】実施例18〜24および比較例8〜10 モルタル試験3 表4に示した本発明のセメント混和剤(6)〜(12)
(実施例18〜24)ならびに比較のために比較セメン
ト混和剤(1)〜(3)(比較例8〜10)をそれぞれ
添加したモルタルフロー値の経時変化を測定した。 【0087】試験に使用した材料およびモルタル配合
は、秩父小野田ハイフローセメント800g、豊浦標準
砂400g、本発明のあるいは比較セメント分散剤を含
む水200gである。 【0088】モルタルはモルタルミキサーにより機械練
りで調製し、直径55mm、高さ55mmの中空円筒に
モルタルを詰める。つぎに、円筒を垂直に持ち上げた
後、テーブルに広がったモルタルの直径を2方向につい
て測定し、この平均をフロー値とした。以後、モルタル
の全量を密閉容器内で所定時間静置後、上と同様の操作
を繰り返し、フロー値の経時変化を測定した。結果を表
5に示す。 【0089】 【表5】 【0090】実施例25〜31および比較例11〜12 コンクリート試験 セメントとして普通ポルトランドセメント(秩父小野田
セメント:比重:3.16)、細骨材として大井川水系
産陸砂(比重2.62、FM2.71)、粗骨材として
青梅産硬質砂岩砕石(比重2.64、MS20mm)を
用いた。 【0091】セメント分散剤としては、本発明のセメン
ト混和剤(6)〜(12)(実施例25〜31)および
比較セメント混和剤(1)〜(2)(比較例11〜1
2)を用いた。また、空気量は市販の消泡剤を用いて調
整を行なった。 【0092】コンクリートの配合条件は、単位セメント
量660kg/m3の単位水量165kg/m3および細
骨材率40.3%である。 【0093】上記の条件下に、コンクリートを製造し、
スランプ、空気量の測定はすべて日本工業規格(JIS
A1101、1128)に準拠して行なった。これら
の結果を表6に示す。 【0094】 【表6】 【0095】表5および表6から、本発明のセメント混
和剤添加のモルタルおよびコンクリートは、30分後、
60分後でもフロー値の低下が顕著に抑えられており、
スランプロスの低減に優れた効果を示すことが分かる。 【0096】 【発明の効果】以上述べたように、本発明によるセメン
ト混和剤は、高い減水率およびスランプ保持性に優れ、
該セメント混和剤を配合したセメント組成物は、高いフ
ロー値を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】 【提出日】平成11年8月5日(1999.8.5) 【手続補正1】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】全文 【補正方法】変更 【補正内容】 【書類名】 明細書 【発明の名称】 セメント混和剤 【特許請求の範囲】 【請求項1】 一般式(2) 【化1】 (ただし、式中、R4は水素原子またはメチル基、R5
はオキシエチレン基を表わし、R6は水素原子または炭
素原子数1〜22のアルキル基であり、またnはオキシ
エチレン基の平均付加モル数であり、4〜100の整数
を表わす。)で示される第2のポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート(b)65〜95重量%、一般式
(3) 【化2】 (ただし、式中、R7は水素原子またはメチル基、M1
水素原子、一価金属原子、二価金属原子、アンモニウム
基または有機アミン基を表わす。)で示されるカルボン
酸系単量体(c)5〜35重量%、およびこれらの単量
体と共重合可能なその他の単量体(d)0〜50重量%
(ただし、(b)、(c)および(d)の合計は100
重量%である。)の比率で導かれた第3の共重合体
)または該共重合体()をさらにアルカリ性物質
で中和して得られた第3の共重合体塩()の混合物を
主成分とするスランプ保持性に優れたセメント混和剤。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、セメント混和剤お
よびセメント組成物に関する。さらに詳しくは、セメン
トペースト、モルタル、コンクリートといったいわゆる
セメント配合物において、その流動性が経時的に低下す
ることを防止するスランプ保持型セメント混和剤および
該セメント混和剤を含有してなるセメント組成物に関す
る。 【0002】 【従来の技術】1981年にコンクリート構造物の早期
劣化が社会問題化して以来、コンクリート中の単位水量
を減らしてその施工性と耐久性を向上させることが強く
求められてきたなかで、セメント配合物の品質、性能に
多大なる影響を与えるセメント分散剤に対する技術革新
が盛んに行われている。 【0003】従来の手法としては、AE剤もしくはAE
減水剤を添加した流動性(以下「スランプ」という。)
の低い生コンクリートをプラントで製造し、生コン車に
て打設現場まで運搬した後、これに流動化剤を添加して
流動化させ、スランプを所定の値まで高める流動化工法
がとられていた。しかしながら、この工法には、生コン
車で流動化剤をコンクリートに添加して攪拌混合する際
に発生する騒音および排気ガスの環境問題、得られた流
動化コンクリートの品質の責任の所在、流動化コンクリ
ートのスランプの著しい経時低下、等の諸問題があっ
た。 【0004】そこで、生コンプラントで添加できるいわ
ゆる高性能AE減水剤の開発が各混和剤メーカーで精力
的に行なわれ、現在、ナフタレン系、アミノスルホン酸
系およびポリカルボン酸系等が市販されている。この中
で、ポリカルボン酸系高性能AE減水剤は、最も高い減
水率を得ることができるという優れた特徴を有するが、
得られた生コンクリートを夏場に遠隔地へ搬送する等の
過酷な使用条件下においては、他の高性能AE減水剤と
同じく、スランプロスを十分に抑えきれない場合がある
といった課題があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、スランプ保持性に優れたセメント混和剤を提供
することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的は、下記(1)
により達成される。 【0007】(1) 一般式(2) 【0008】 【化3】 【0009】(ただし、式中、R4は水素原子またはメ
チル基、R5Oはオキシエチレン基を表わし、R6は水素
原子または炭素原子数1〜22のアルキル基であり、ま
たnはオキシエチレン基の平均付加モル数であり、4〜
100の整数を表わす。)で示される第2のポリエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート(b)65〜95重
量%、一般式(3) 【0010】 【化4】 【0011】(ただし、式中、R7は水素原子またはメ
チル基、M1は水素原子、一価金属原子、二価金属原
子、アンモニウム基または有機アミン基を表わす。)で
示されるカルボン酸系単量体(c)5〜35重量%、お
よびこれらの単量体と共重合可能なその他の単量体
(d)0〜50重量%(ただし、(b)、(c)および
(d)の合計は100重量%である。)の比率で導かれ
た第3の共重合体()または該共重合体()をさら
にアルカリ性物質で中和して得られた第3の共重合体塩
)の混合物を主成分とするスランプ保持性に優れた
セメント混和剤。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明によるセメント混和剤は、
第3の共重合体(A)または該第3の共重合体()を
更にアルカリ性物質で中和して得られた第3の共重合体
塩()との混合物を主成分とするものである。 【0013】該第3の共重合体()は、一般式(2)
で示される第2のポリエチレングリコール(メタ)アク
リレート(b)65〜95重量%、好ましくは70〜9
5重量%、一般式(3)で示されるカルボン酸系単量体
(c)5〜35重量%、好ましくは5〜30重量%およ
びこれらの単量体と共重合可能なその他の単量体(d)
0〜50重量%、好ましくは0〜30重量%(ただし、
(b)、(c)および(d)の合計は100重量%であ
る。)の比率で導かれるものである。また、該第3の共
重合体塩()は、該第3の共重合体()をさらにア
ルカリ性物質で中和することにより得られる。 【0014】一般式(2) 【0015】 【化5】 【0016】同一般式(2)において、R4は水素原子
またはメチル基、R5Oはオキシエチレン基を表わし、
6は水素原子または炭素原子数1〜22、好ましくは
1〜15のアルキル基であり、またnはオキシエチレン
基の平均付加モル数であり、4〜100、好ましくは1
1〜100の整数を表わす。 【0017】一般式(3) 【0018】 【化6】 【0019】同一般式(3)において、R7は水素原子
またはメチル基、M1は水素原子、一価金属原子、二価
金属原子、アンモニウム基または有機アミン基を表わ
す。 【0020】本発明で用いられる長鎖ポリエチレングリ
コール系単量体(b)は前記一般式(2)で示されるも
のであり、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレートなどのポリオキシエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル類等があ
る。高い減水性を得るためには、ポリエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート(b)の平均付加モル数4〜1
00のポリエチレングリコール鎖による立体反発と親水
性でセメント粒子を分散させることが重要である。(ア
ルコキシ)ポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト(b)のエチレングリコール鎖の平均付加モル数nは
4〜100、好ましくは11〜100である。 【0021】カルボン酸系単量体(c)は、前記一般式
(3)で示されるものである。単量体(c)の例として
は、アクリル酸、メタクリル酸ならびにこれらの酸の一
価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩および有機アミ
ン塩を挙げることができ、これらの1種または2種以上
を用いることができる。 【0022】単量体(d)は、単量体(b)および
(c)と共重合可能な単量体である。単量体(d)の例
としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサ
コン酸、イタコン酸等のジカルボン酸類とHO(R
8O)pR9(ただし、R8Oは炭素原子数2〜4のオキ
シエチレン基の1種または2種以上の混合物を表わし、
2種以上の場合はブロック状に付加していてもランダム
状に付加していてもよく、pはオキシエチレン基の平均
付加モル数であり1から100の整数を表わし、R9
水素または炭素原子数1〜22のアルキル基を表わ
す。)で表わされるアルコールとのモノエステルあるい
はジエステル類;(メタ)アクリルアミド、(メタ)ア
クリルアルキルアミド等の不飽和アミド類;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;ビニル
スルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、スルホエチル
(メタ)アクリレート、2−メチルプロパンスルホン酸
(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽
和スルホン酸類およびそれらの一価金属塩、二価金属
塩、アルモニウム塩、有機アミン塩類;スチレン、α−
メチルスチレン等の芳香族ビニル類;炭素原子数1〜1
8の脂肪族アルコールあるいはベンジルアルコール等の
フェニル基含有アルコールと(メタ)アクリル酸とのエ
ステル類;等が挙げられ、これらの1種または2種以上
を用いることができる。 【0023】共重合体(A)を得るには、重合開始剤を
用いて前記単量体成分を共重合させれば良い。共重合
は、溶媒中での重合や塊状重合等の方法により行なうこ
とができる。 【0024】溶媒中での重合は回分式でも連続式でも行
なうことができ、その際使用される溶媒としては、水;
メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルア
ルコール等の低級アルコール;ベンゼン、トルエン、キ
シレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の芳香族ある
いは脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル化合物;
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;等が
挙げられる。原料単量体および得られる共重合体(A)
の溶解性ならびに該共重合体(A)の使用時の便から
は、水および炭素原子数1〜4の低級アルコールよりな
る群から選ばれた少なくとも1種を用いることが好まし
い。その場合、炭素原子数1〜4の低級アルコールの中
でもメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール等が特に有効である。 【0025】水媒体中で重合を行なう時は、重合開始剤
としてアンモニウムまたはアルカリ金属の過硫酸塩ある
いは過酸化水素等の水溶性の重合開始剤が使用される。
この際、亜硫酸水素ナトリウム、モール塩等の促進剤を
併用することもできる。また、低級アルコール、芳香族
炭化水素、脂肪族炭化水素、エステル化合物あるいはケ
トン化合物を溶媒とする重合には、ベンゾイルパーオキ
シドやラウロイルパーオキシド等のパーオキシド;クメ
ンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド;ア
ゾビスイソブチロニトリル等の芳香族アゾ化合物等が重
合開始剤として用いられる。この際アミン化合物等の促
進剤を併用することもできる。さらに、水−低級アルコ
ール混合溶剤を用いる場合には、上記の種々の重合開始
剤あるいは重合開始剤と促進剤との組み合わせの中から
適宜選択して用いることができる。重合温度は、用いる
溶媒や重合開始剤により適宜定められるが、通常0〜1
20℃の範囲内で行なわれる。 【0026】塊状重合は、重合開始剤としてベンゾイル
パーオキシドやラウロイルパーオキシド等のパーオキシ
ド;クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキ
シド;アゾビスイソブチロニトリル等の脂肪族アゾ化合
物等を用い、50〜200℃の温度範囲内で行なわれ
る。 【0027】また、得られる共重合体(A)の分子量調
節のために、チオール系連鎖移動剤を併用することもで
きる。この際に用いられるチオール系連鎖移動剤は、一
般式HS−R10−Eg(ただし、式中R10は炭素原子
数1〜2のアルキル基を表わし、Eは−OH、−COO
2、−COOR11または−SO32基を表わし、M2
水素、一価金属、二価金属、アンモニウム基または有機
アミン基を表わし、R 11は炭素原子数1〜10のアルキ
ル基を表わし、gは1〜2の整数を表わす。)で表わさ
れ、例えば、メルカプトエタノール、チオグリセロー
ル、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、
3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリ
コール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチ
ル等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いる
ことができる。 【0028】このようにして得られた共重合体(A)
は、そのままでもセメント分散剤の主成分として用いら
れるが、必要に応じて、さらにアルカリ性物質で中和し
て得られる共重合体塩(B)をセメント分散剤の主成分
として用いても良い。このようなアルカリ性物質として
は、一価金属および二価金属の水酸化物、塩化物および
炭素塩等の無機物;アンモニア;有機アミン等が好まし
いものとして挙げられる。 【0029】第3の共重合体()は、単量体(b)、
(c)および要すれば単量体(d)を前記特定比率で用
いて導かれたものである。すなわち、単量体(b)、
(c)の配合割合は、単量体(b)が65〜95重量
%、単量体(c)が5〜35重量%の範囲であり、好ま
しくは単量体(b)が70〜95重量%、単量体(c)
が5〜30重量%の範囲であり、これらの単量体と共重
合可能な単量体(d)の配合割合は、50重量%以下、
好ましくは30重量%以下である。この比率の範囲を外
れると目的とする優れた性能のセメント分散剤は得られ
ない。 【0030】また、本発明のセメント混和剤として用い
られる共重合体(A)または共重合体塩(B)の重量平
均分子量としては、500〜500,000、特に5,
000〜300,000の範囲とすることが好ましい。
重量平均分子量が500未満では、セメント分散剤の減
水性能が低下するために好ましくない。一方、500,
000を越える分子量では、セメント分散剤の減水性
能、スランプロス防止能が低下するために好ましくな
い。 【0031】本発明のセメント混和剤は、ポルトランド
セメント、ビーライト高含有セメント、アルミナセメン
ト、各種混合セメント等の水硬セメント、あるいは、石
膏などのセメント以外の水硬材料などに用いることがで
きる。 【0032】本発明において使用されるセメント混和剤
は、従来のセメント混和剤に比較して少量の添加でも優
れた効果を発揮する。たとえば水硬セメントを用いるモ
ルタルやコンクリート等に使用する場合には、セメント
重量の0.01〜1.0%、好ましくは0.02〜0.
5%となる比率の量を練り混ぜの際に添加すればよい。
この添加により高減水率の達成、スランプロス防止性能
の向上、単位水量の低減、強度の増大、耐久性の向上な
どの各種の好ましい諸効果がもたらされる。添加量が
0.01%未満では性能的に不十分であり、逆に1.0
%を越える多量を使用しても、その効果は実質上頭打ち
となり経済性の面からも不利となる。 【0033】本発明のセメント組成物は、該セメント組
成物1m3あたりのセメント使用量、単位水量にはとり
たてて制限はないが、単位水量120〜185kg/m
3、水/セメント重量比=0.15〜0.7、好ましく
は単位水量120〜175kg/m3、水/セメント重
量比=0.2〜0.5%が推奨される。 【0034】一般に各セメント成分の水和速度を比較す
ると、C3Aが最も早く、注水後数分間での水和率は3
0%を越える。このような急激な水和によって割かれる
練り水の減少が、スランプロスの一つの要因であろう。
また、公知のセメント分散剤は、セメント成分の中でも
このように活性の高いC3Aに最も速やかに吸着するた
め、添加した分散剤の大部分はC3Aの水和反応により
生じる結晶内に埋没し、経時的にセメント分散力を失っ
てしまうこともスランプロスの要因であろうと推察され
る。したがって、C3Aの活性を抑制することができれ
ば、スランプロスを大きく低減できるであろうと期待さ
れる。本発明の共重合体は、例えば、1分子中に、短い
ポリエチレングリコールと長いポリエチレングリコール
の両者を側鎖に有するポリカルボン酸系共重合体であ
り、短いポリエチレングリコール側鎖は、その疎水性故
にC3Aの活性を抑え、長いポリエチレングリコール側
鎖はその親水性と立体反発で強力な減水効果を発揮す
る。 【0035】しかし、このような理由により本発明のセ
メント混和剤が何ら制限を受けるものではない。 【0036】以下実施例を挙げ、本発明を更に具体的に
説明する。なお、例中特に断わりのない限り%は重量%
を、また、部は重量部を表わすものとする。 【0037】実施例 セメント混和剤()の製造 温度計、攪拌機、滴下漏斗、窒素導入管および還流冷却
器を備えたガラス製反応容器に水500部を仕込み、攪
拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃
まで加熱した。次に、メトキシポリエチレングリコール
モノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル
数4個)400部、メタクリル酸100部、水150
部、および連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン
酸5.7部を混合したモノマー水溶液ならびに10%過
硫酸アンモニウム水溶液40部を4時間で滴下し、滴下
終了後、さらに10%過硫酸アンモニウム水溶液10部
を1時間で滴下した。その後、1時間引き続いて80℃
に温度を維持し、重合反応を完結させ、重量平均分子量
28700の重合体水溶液からなるセメント混和剤
)を得た。 【0038】実施例 セメント混和剤()の製造 以下、実施例と同様の操作を行なってセメント混和剤
)を製造した。その内容を表1にまとめて示す。 【0039】 【表1】 【0040】実施例3〜4 モルタル試験1 ポリカルボン酸系セメント分散剤(株式会社日本触媒製
アクアロックFC−600、「以下PC剤1」とい
う。)と、セメント混和剤()および()の重合体
水溶液とを併用した場合(実施例3〜4)とでモルタル
フロー値の経時変化を比較した。 【0041】試験に使用した材料およびモルタルの配合
は、秩父小野田ハイフローセメント800g、カルシウ
ムスルホアルミネート系膨張材80g、豊浦標準砂40
0g、各種重合体を含む水220gである。 【0042】モルタルはモルタルミキサーにより機械練
りで調整し、直径55mm、高さ55mmの中空円筒に
モルタルを詰める。つぎに、円筒を垂直に持ち上げた
後、テーブルに広がったモルタルの直径を2方向につい
て測定し、この平均をフロー値とした。以後、モルタル
の全量を密閉容器内で所定時間静置後、上と同様の操作
を繰り返し、フロー値の経時変化を測定した。結果を表
2に示す。 【0043】 【表2】 【0044】比較例 モルタル試験2 リカルボン酸系セメント分散剤(メトキシポリエチレ
ングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシドの
平均付加モル数25個)とメタクリル酸との重量比8
3.4/16.4の共重合体、重量平均分子量2200
0、以下「PC剤2」という)と、ナフタレンスルホン
酸ホルムアルデヒド縮合物(花王製マイティー150、
以下「NSF」という。)それぞれ単独で用いた場合
(比較例1〜2)でモルタルフロー値の経時変化を比較
した。 【0045】試験に使用した材料およびモルタルの配合
は、秩父小野田普通ポルトランドセメント600g、豊
浦標準砂600g、各種重合体を含む水210gであ
る。 【0046】モルタルはモルタルミキサーにより機械練
りで調製し、直径55mm、高さ55mmの中空円筒に
モルタルを詰める。つぎに、円筒を垂直に持ち上げた
後、テーブルに広がったモルタルの直径を2方向につい
て測定し、この平均をフロー値とした。以後、モルタル
の全量を密閉容器内で所定時間静置後、上と同様の操作
を繰り返し、フロー値の経時変化を測定した。結果を表
3に示す。 【0047】 【表3】 【0048】比較例3 比較セメント混和剤(1)の製造 温度計、攪拌機、滴下漏斗、窒素導入管および還流冷却
器を備えたガラス製反応容器に水500部を仕込み、攪
拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃
まで加熱した。次に、メトキシポリエチレングリコール
モノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル
数4個)10部、メトキシポリエチレングリコールモノ
メタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数2
3個)390部、メタクリル酸100部、水150部、
および連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸
2.6部を混合したモノマー水溶液ならびに10%過硫
酸アンモニウム水溶液40部を4時間で滴下し、滴下終
了後、さらに10%過硫酸アンモニウム水溶液10部を
1時間で滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に
温度を維持し、重合反応を完結させ、重量平均分子量2
3000の重合体水溶液からなる比較セメント混和剤
(1)を得た。 【0049】比較例4 比較セメント混和剤(2)の製造 以下、比較例3と同様の操作を行なって比較セメント混
和剤(2)を製造した。その内容を表4に示す。 【0050】 【表4】 【0051】比較例5 モルタル試験3 表4に示した比較セメント混和剤(2)(比較例4)を
添加したモルタルフロー値の経時変化を測定した。 【0052】試験に使用した材料およびモルタル配合
は、秩父小野田ハイフローセメント800g、豊浦標準
砂400g、本発明のあるいは比較セメント分散剤を含
む水200gである。 【0053】モルタルはモルタルミキサーにより機械練
りで調製し、直径55mm、高さ55mmの中空円筒に
モルタルを詰める。つぎに、円筒を垂直に持ち上げた
後、テーブルに広がったモルタルの直径を2方向につい
て測定し、この平均をフロー値とした。以後、モルタル
の全量を密閉容器内で所定時間静置後、上と同様の操作
を繰り返し、フロー値の経時変化を測定した。結果を表
5に示す。 【0054】 【表5】 【0055】 【発明の効果】以上述べたように、本発明によるセメン
ト混和剤は、高い減水率およびスランプ保持性に優れ、
該セメント混和剤を配合したセメント組成物は、高いフ
ロー値を示す。
フロントページの続き (72)発明者 宇野 亨 神奈川県川崎市川崎区千鳥町14−1 株式 会社日本触媒内 (72)発明者 流 浩一郎 神奈川県川崎市川崎区浮島町10−12 株式 会社日本触媒内 (72)発明者 田原 秀行 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992−1 株式会社日本触媒内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 一般式(2) 【化1】 (ただし、式中、R4は水素原子またはメチル基、R5
    はオキシエチレン基を表わし、R6は水素原子または炭
    素原子数1〜22のアルキル基であり、またnはオキシ
    エチレン基の平均付加モル数であり、4〜100の整数
    を表わす。)で示される第2のポリエチレングリコール
    (メタ)アクリレート(b)65〜95重量%、 一般式(3) 【化2】 (ただし、式中、R7は水素原子またはメチル基、M1
    水素原子、一価金属原子、二価金属原子、アンモニウム
    基または有機アミン基を表わす。)で示されるカルボン
    酸系単量体(c)5〜35重量%、およびこれらの単量
    体と共重合可能なその他の単量体(d)0〜50重量%
    (ただし、(b)、(c)および(d)の合計は100
    重量%である。)の比率で導かれた第3の共重合体(A
    2)または該共重合体(A2)をさらにアルカリ性物質
    で中和して得られた第3の共重合体塩(B2)の混合物
    を主成分とするスランプ保持性に優れたセメント混和
    剤。
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