JP2000062083A - 導電性フィルム - Google Patents

導電性フィルム

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JP2000062083A
JP2000062083A JP10254597A JP25459798A JP2000062083A JP 2000062083 A JP2000062083 A JP 2000062083A JP 10254597 A JP10254597 A JP 10254597A JP 25459798 A JP25459798 A JP 25459798A JP 2000062083 A JP2000062083 A JP 2000062083A
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conductive
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Masanori Kobayashi
正典 小林
Shinya Onomichi
晋哉 尾道
Tetsuo Shimomura
哲生 下村
Yozo Yamada
陽三 山田
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面抵抗が2Ω/□以下で、かつ透光性に優
れた、ディスプレイ用途に好適な導電性フィルムを提供
する。 【解決手段】 透明高分子フィルム(A)上に、銀を主
成分として含む金属薄膜層(B)が2層以上、および金
属酸化物を主成分として含む導電性薄膜層(C)が1層
以上それぞれ積層されてなり、かつ少なくとも(B)
(C)(B)の層構成単位を含むことを特徴とする導電
性フィルムである。好適には、透明高分子フィルム
(A)上に、金属薄膜層(B)が2層以上、および導電
性薄膜層(C)が3層以上それぞれ積層されてなり、か
つ少なくとも(C)(B)(C)(B)(C)の層構成
単位を含む導電性フィルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明高分子フィル
ム上に金属薄膜層と導電性薄膜層を積層した導電性フィ
ルムに関し、より詳しくは、高導電性と高透光性の両立
が要求されるディスプレイ用途に好適な導電性フィルム
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の大型ブラウン管テレビやプラズマ
ディスプレイの電磁波シールド対策の要求等により、1
0Ω/□以下の表面抵抗を有しながら可視光の透過性に
も優れた透明導電フィルムが求められている。
【0003】一般に、酸化錫を添加した酸化インジウム
(以下ITO)に代表される酸化物半導体を高分子フィ
ルムに積層した透明導電性フィルムは、基板フィルムの
耐熱性の問題から成膜条件が制限され、その表面抵抗は
数十Ω/□程度が限界であった。そこで前述のような低
表面抵抗の要求に対しては、金、銀、銅、アルミニウム
等の抵抗率の低い金属の薄膜を10nm前後積層した導
電性フィルムが検討されてきた。
【0004】これら金属薄膜を積層した導電性フィルム
の中では、導電性に優れ、可視光の吸収がフラットで灰
色を呈する銀薄膜の導電性フィルムが好適であるが、光
線透過率が重視されるディスプレイ用途では、銀薄膜面
からの反射による透過率低下のために膜厚を厚くするこ
とができず、例えば可視光透過率を60%以上にする
と、表面抵抗が5Ω/□程度が限界であった。さらに銀
薄膜の環境安定性の低さから、合金化や保護膜積層等の
対策が検討されてきたが、合金化による導電性の低下や
保護層による光学特性の低下が指摘されてきた。
【0005】特開昭63−173395号公報に、適当
な膜厚のITO膜で銀薄膜を挟持することにより、干渉
効果で反射を抑えて光線透過率を向上させることが提案
されている。しかし、このような構成においても、60
%以上の可視光透過率と2Ω/□以下の表面抵抗を両立
するのは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決しようとするものであり、その目的は、表面抵
抗が2Ω/□以下で、かつ透光性に優れた、ディスプレ
イ用途に好適な導電性フィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる課題
を解決するため、鋭意検討した結果、本発明に達した。
即ち、本発明は以下の通りである。 (1) 透明高分子フィルム(A)上に、銀を主成分として
含む金属薄膜層(B)が2層以上、および金属酸化物を
主成分として含む導電性薄膜層(C)が1層以上それぞ
れ積層されてなり、かつ少なくとも(B)(C)(B)
の層構成単位を含むことを特徴とする導電性フィルム。 (2) 透明高分子フィルム(A)上に、銀を主成分として
含む金属薄膜層(B)が2層以上、および金属酸化物を
主成分として含む導電性薄膜層(C)が3層以上それぞ
れ積層されてなり、かつ少なくとも(C)(B)(C)
(B)(C)の層構成単位を含むことを特徴とする導電
性フィルム。 (3) 金属薄膜層(B)の膜厚が5nm〜20nmである
上記(1) または(2) に記載の導電性フィルム。 (4) 導電性薄膜層(C)の少なくとも1つが、厚さ50
μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上
に10nm以上の当該導電性薄膜層(C)のみを1層積
層したフィルムの水蒸気透過量を測定した時、0.5g
/m2 ・24hr以下となる導電性薄膜層(C)である
上記(1) または(2) に記載の導電性フィルム。 (5) 表面抵抗値が2Ω/□以下である上記(1) または
(2) に記載の導電性フィルム。 (6) 導電性薄膜層(C)が、酸化錫を主成分として含む
上記(1) 〜(5) のいずれかに記載の導電性フィルム。 (7) 導電性薄膜層(C)が、酸化亜鉛を主成分として含
む上記(1) 〜(5) のいずれかに記載の導電性フィルム。 (8) 導電性薄膜層(C)が、酸化インジウムを主成分と
して含む上記(1) 〜(5)のいずれかに記載の導電性フィ
ルム。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明の導電性フィルムは、透明高分子フィルム
(A)上に金属薄膜層(B)が2層以上および導電性薄
膜層(C)が1層以上それぞれ積層されてなるものであ
る。
【0009】本発明における透明高分子フィルム(A)
としては、透明かつ成膜プロセスに耐え得る機械強度、
耐熱性を有するものであれば特に限定されず、例えば、
ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスル
ホン系樹脂等のフィルムが挙げられる。具体的には、ポ
リエチレンテレフタレート(以下、PETともいう)、
ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン等のフィルム
が挙げられる。これらの中でも、その特性と価格のバラ
ンスより、PETフィルムが好適に使用できる。特に、
成膜時に滑剤層をインラインコート法により積層した高
透明なPETフィルムが好ましい。
【0010】透明高分子フィルム(A)の厚さは25〜
300μmが好ましく、より好ましくは50〜200μ
mである。また、透明高分子フィルム(A)は、その機
械的特性および光学特性を損なわない範囲で、着色剤、
紫外線吸収剤、安定剤、可塑剤、色素等の公知の添加剤
を含有していてもよく、あるいはそれらの添加剤を含有
するコート層を公知の方法で積層してもよい。さらに、
本発明の導電性フィルムをディスプレイやタッチパネル
の構成材料として使用する場合には、各種カラーフィル
ター、反射率低減による視認性向上のための反射防止
膜、ノングレア膜、画面傷付き防止のためのハードコー
ト膜等も公知の方法により予め積層してもよい。またこ
れらのコート層は後述する金属薄膜層(B)や導電性薄
膜層(C)の積層後に積層してもかまわない。特に、プ
ラズマディスプレイの電磁波シールドフィルターとして
用いる場合には、透明高分子フィルム(A)は、リモコ
ンや赤外線通信の誤動作の原因となる近赤外線を吸収す
る色素を含有するか、あるいはこの色素を含有するコー
ト層を積層することが好ましい。
【0011】本発明における金属薄膜層(B)は、銀を
主成分として含有する金属薄膜層である。金属薄膜層
(B)の膜厚は好ましくは5〜20nm、より好ましく
は10〜15nmである。この膜厚が5nmより薄いと
得られる導電性フィルムの表面抵抗が大きくなりすぎる
おそれがあり、逆に20nmより厚いと得られる導電性
フィルムの光線透過率が著しく低くなるおそれがある。
【0012】銀は導電性に優れ、20nm以下の銀薄膜
は可視光領域での吸収もフラットに近いため、低抵抗導
電性フィルムの導電層としては好適である。しかし、銀
薄膜は環境安定性に劣り、特に高温高湿度下では硫化腐
食やマイグレーション等の不具合を起こす。環境安定性
改善のためには、ガスバリア性薄膜を外面に積層する等
して銀薄膜層に侵入する水分を遮断することが効果的で
ある。さらにパラジウムや金、銅等との合金膜とするこ
とが好ましいが、添加金属成分が多いと電導性が低下す
るため、その添加量は5重量%以下が好ましく、より好
ましくは1重量%以下である。
【0013】本発明における金属薄膜層(B)の製法と
しては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレー
ティング法等の公知の薄膜作成法で作成される。ここ
で、スパッタリング法は、DCマグネトロンスパッタリ
ング法、RFマグネトロンスパッタリング法等であり、
例えば銀薄膜を成膜するときには銀ターゲットを用い、
アルゴンガスをスパッタガスとして用いる。
【0014】本発明における導電性薄膜層(C)とは、
金属酸化物を主成分として含有する導電性薄膜である。
主成分となる金属酸化物としては、酸化錫、酸化亜鉛、
酸化インジウム等が好適に使用できる。酸化インジウム
に酸化錫を5〜10重量%添加したITOは導電性に優
れているが、インジウムはその埋蔵量の少なさが懸念さ
れており、また比較的高価であるので、原料コストの点
から酸化錫、酸化亜鉛を主成分とすることが好ましい。
酸化アンチモンを添加した酸化錫、酸化アルミニウムを
添加した酸化亜鉛が導電性に優れ好適に使用できる。
【0015】導電性薄膜層(C)の膜厚は、全層積層さ
れた導電性フィルムの光学特性を最適化するように膜厚
が選択される。具体的には、使用する薄膜材料の屈折率
と特定波長における透過率と反射率を定義することで各
層の最適な膜厚がシミュレーション計算により得られ
る。より具体的には、導電性フィルムの、光線波長40
0〜750nm、特に550nmの光線透過率が高く
(光線反射率が低く)、かつ350nm以下と850〜
1100nmの光線透過率が低く(光線反射率が高く)
なるように各層の膜厚をシミュレーション計算により設
計される。
【0016】本発明における導電性薄膜層(C)の製法
としては、真空蒸着法、スパッタリング等の公知の薄膜
作成法で作成される。また、導電性薄膜の成膜条件を最
適化することで、膜密度の高いより緻密な薄膜構造とす
ることが可能となり、水分やガスの侵入しにくい優れた
ガスバリア性を付与することができる。このような優れ
たガスバリア性を有する導電性薄膜層(C)により保護
された金属薄膜層(B)はその耐久性が大幅に改善され
る。本発明において導電性薄膜層(C)のガスバリア性
とは、膜厚50μmの2軸延伸PET上に該導電性薄膜
層(C)を1層のみ成膜した積層フィルムの水蒸気透過
量および酸素透過量で評価され、具体的には、水蒸気透
過量が概ね0.5g/m2 ・24hr以下、酸素透過量
が概ね0.5cc/atm・m2 ・24hr以下である
ことがガスバリア性が良好であるといえる。この水蒸気
透過量および酸素透過量の測定の際の導電性薄膜層
(C)の膜厚は、10nm以上であることが必要である
が、好ましくは15nm以上、より好ましくは20nm
以上である。
【0017】このようなガスバリア性の導電性薄膜層
(C)を作製する方法としては、例えば、スパッタリン
グ法においては、(1)成膜プロセス圧を下げ、アルゴ
ンガスの取り込みによる構造欠陥を防ぐ方法、(2)成
膜時のターゲットへの印加パワーを低くする方法、
(3)膜の酸化度を化学量論的に合わすために酸素添加
量をコントロールする方法、および(4)基板を取付け
ている基板ホルダーまたはセンターロールを裏側より循
環水にて水冷し、基板温度を上がらないようにして非晶
性構造にする方法、等の方法を適宜組み合わせて作製す
る。
【0018】本発明における金属薄膜層(B)や導電性
薄膜層(C)は、真空成膜法によって成膜されるが、す
べての膜を真空蒸着法や、スパッタリング法等の一つの
プロセスに統一しうる場合には、ロール状に巻かれた透
明高分子フィルム(A)を用いて、同一チャンバー内で
ロール・ツー・ロール法により成膜することが、薄膜の
均一性やコスト面からも好ましい。
【0019】本発明の導電性フィルムにおいては、金属
薄膜層(B)が2層以上、導電性薄膜層(C)が1層以
上それぞれ積層されてなり、かつ少なくとも(B)
(C)(B)の層構成単位を含む。好ましくは、図1に
示すように、金属薄膜層(B)が2層以上、導電性薄膜
層(C)が3層以上それぞれ積層されてなり、かつ少な
くとも(C)(B)(C)(B)(C)の層構成単位を
含む。金属薄膜層(B)は透光性の満足できる膜厚の範
囲では1層だけでは、導電性フィルムの導電性が不足す
る。例えば、銀薄膜の場合、12nm厚で4Ω/□程度
であるが、図1のような層構成とし、金属薄膜層(B)
を2層にすることで光線透過率をさほど下げることなく
導電性の大幅な改善を行なえる。さらに、下地層や反射
防止層として、金属薄膜層(B)と導電性薄膜層(C)
以外の層も必要に応じて適宜積層されても構わない。
【0020】本発明の導電性フィルムにおいては、40
0〜750nm、特に550nmの光線反射率が10%
以下、特に5%以下、350nm以下と850〜110
0nmの光線透過率が20%以下、特に10%以下であ
り、また、表面抵抗値が2Ω/□以下、特に1.5Ω/
□以下という特性を有する。
【0021】本発明においては、フィルムの表面抵抗値
とは、透明高分子フィルム(A)上に金属薄膜層(B)
および導電性薄膜層(C)が積層された側の表面抵抗値
をいう。
【0022】また、本発明の導電性フィルムは、環境安
定性に優れ、特に長時間高温高湿雰囲気に曝されても実
用性のある透光性と高導電性を保持でき、環境の変化に
左右されない安定な導電性フィルムである。
【0023】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて説明する
が、実施例中の各特性の測定法は次のとおりである。
【0024】1.膜厚 エリプソメーター(株式会社溝尻光学工業所製、DV−
36S型)を用いて、透明高分子フィルム(A)の代わ
りにシリコン基坂を用い、この基板上に実施例と同様の
プロセスにより成膜した薄膜について測定した。
【0025】2.表面抵抗値 JIS K7194に準じ、抵抗率計(三菱油化株式会
社製、ロレスタAP)を用いて4探針法にて測定した。
【0026】3.全光線透過率、ヘイズ へイズメーター(日本電色工業株式会社製、NDH−1
001DP)を用いて測定した。
【0027】4.光線透過率、光線反射率 JIS K7105に準じ、積分球付分光光度計(株式
会社日立製作所製、U−3500型)を用いて測定し
た。
【0028】5.水蒸気透過量 JIS K7129に準じ、水蒸気透過度測定装置(リ
ッシー社製、L80−400型)を用いて、測定温度4
0℃、相対湿度0%RH/90%RHで測定した。
【0029】6.耐熱性 80℃の環境下に500時間放置し、その外観の変化を
目視にて観察した。
【0030】7.耐湿性 60℃95%RHの環境下に500時間放置して、その
外観の変化を目視にて観察した。
【0031】実施例1 透明高分子フィルム基板として、厚さ100μm、全光
線透過率90.9%の2軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(東洋紡績株式会社製、コスモシャインA
4100)をマルチターゲットスパッタリング装置にセ
ットし、1×10-4Pa程度まで減圧した。スパッタガ
スとしてアルゴン20sccm、酸素0.1sccmを
導入し、チャンバー内の圧力を0.2Paとした。第1
層として41nmのITOの導電性薄膜層を高周波マグ
ネトロンスパッタリング法により、投入電力1W/cm
2 で、基板を冷却しながら非常にゆっくりとした成膜速
度で積層した。第2層として12nmの銀薄膜層をDC
マグネトロンスパッタリングにより積層した。次に第3
層として88nmのITOの導電性薄膜層を第1層と同
様の方法により積層した。さらに第4層として12nm
の銀薄膜層を第2層と同様の方法により積層した。第5
層として38nmのITOを第1層と同様の方法により
積層した。この導電性フィルムの表面抵抗値は1.5Ω
/□、全光線透過率は70%、900nmにおける光線
透過率は15%、1000nmにおける光線透過率は1
0%、550nmにおける光線反射率は1.5%、ヘイ
ズは1.0%であった。耐湿性試験、耐熱性試験後もそ
の外観および光線透過率、光線反射率、表面抵抗値に変
化はなかった。また、この積層体に使用した酸化錫を同
条件にて50μmのPETフィルム上に膜厚20nmに
成膜した積層フィルムの水蒸気透過量は0.2g/m2
・24hrであり、水分遮断性も良好であった。
【0032】実施例2 ITOの代わりに酸化錫を用いて実施例1と同様の方法
により導電性フィルムを作製した。酸化錫薄膜層の膜厚
は第1層が38nm、第3層が94nm、第5層が43
nmであった。第2層および第4層の銀薄膜層の膜厚は
それぞれ12nmであった。この導電性フィルムの表面
抵抗値は1.5Ω/□、全光線透過率は70%、900
nmにおける光線透過率は15%、1000nmにおけ
る光線透過率は10%、550nmにおける光線反射率
は1.5%、ヘイズは1.0%であった。耐湿性試験、
耐熱性試験後もその外観および光線透過率、光線反射
率、表面抵抗値に変化はなかった。また、この積層体に
使用したITOを同条件にて50μmのPETフィルム
上に膜厚20nmに成膜した積層フィルムの水蒸気透過
量は0.1g/m2 ・24hrであり、水分遮断性も良
好であった。
【0033】実施例3 ITOの代わりに、酸化亜鉛(アルミナ2重量%含有)
を用いて実施例1と同様の方法により導電性フィルムを
作製した。酸化亜鉛の膜厚は第1層が38nm、第3層
が94nm、第5層が43nmであった。第2層および
第4層の銀薄膜層の膜厚はそれぞれ12nmであった。
この導電性フィルムの表面抵抗値は1.5Ω/□、全光
線透過率は70%、900nmにおける光線透過率は1
5%、1000nmにおける光線透過率は10%、55
0nmにおける光線反射率は1.5%、ヘイズは1.0
%であった。耐湿性試験、耐熱性試験後もその外観およ
び光線透過率、光線反射率、表面抵抗値に変化はなかっ
た。また、この積層体に使用した酸化亜鉛を同条件にて
50μmのPETフィルム上に膜厚20nmに成膜した
積層フィルムの水蒸気透過量は0.3g/m2 ・24h
rであり、水分遮断性も良好であった。
【0034】比較例1 厚さ100μm、全光線透過率90.9%の2軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績製、コス
モシャインA4100)に、第1層として41nmのI
TOの導電性薄膜層を高周波スパッタリングにより積層
した。第2層として12nmの銀薄膜層をDCマグネト
ロンスパッタリングにより積層した。次に第3層として
38nmのITOを第1層と同様の方法により積層し
た。この導電性フィルムの表面抵抗値は6Ω/□、全光
線透過率は75%、900nmにおける光線透過率は3
0%、1000nmにおける光線透過率は25%、55
0nmにおける光線反射率は10%、ヘイズは1.0%
であった。実施例1〜3で得られた導電性フィルムと比
べて、全光線透過率は僅かに向上しているが表面抵抗値
はかなり高く導電性が低かった。また、近赤外波長域に
おける光線透過率もかなり高かった。
【0035】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、高導電性と高透光性を両立した導電性フィルム
を提供することができる。また、本発明の導電性フィル
ムは、近赤外線カット特性、反射防止特性、環境安定性
等も良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性フィルムの構成例を示す断面図
である。
【符号の説明】
(A) 透明高分子フィルム (B) 金属薄膜層 (C) 導電性薄膜層
フロントページの続き (72)発明者 下村 哲生 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 山田 陽三 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4F100 AA17C AA17E AA25C AA25E AA28C AA28E AB01B AB01D AB24B AB24D AK01A BA04 BA05 BA07 BA10A BA10D BA13 GB41 JD04C JG01C JG01E JG04 JM02B JM02C JM02D JM02E JN01A YY00 YY00B YY00C

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明高分子フィルム(A)上に、銀を主
    成分として含む金属薄膜層(B)が2層以上、および金
    属酸化物を主成分として含む導電性薄膜層(C)が1層
    以上それぞれ積層されてなり、かつ少なくとも(B)
    (C)(B)の層構成単位を含むことを特徴とする導電
    性フィルム。
  2. 【請求項2】 透明高分子フィルム(A)上に、銀を主
    成分として含む金属薄膜層(B)が2層以上、および金
    属酸化物を主成分として含む導電性薄膜層(C)が3層
    以上それぞれ積層されてなり、かつ少なくとも(C)
    (B)(C)(B)(C)の層構成単位を含むことを特
    徴とする導電性フィルム。
  3. 【請求項3】 金属薄膜層(B)の膜厚が5nm〜20
    nmであることを特徴とする請求項1または2に記載の
    導電性フィルム。
  4. 【請求項4】 導電性薄膜層(C)の少なくとも1つ
    が、厚さ50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
    トフィルム上に10nm以上の当該導電性薄膜層(C)
    のみを1層積層したフィルムの水蒸気透過量を測定した
    時、0.5g/m2 ・24hr以下となる導電性薄膜層
    (C)であることを特徴とする請求項1または2に記載
    の導電性フィルム。
  5. 【請求項5】 表面抵抗値が2Ω/□以下であることを
    特徴とする請求項1または2に記載の導電性フィルム。
  6. 【請求項6】 導電性薄膜層(C)が、酸化錫を主成分
    として含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載の導電性フィルム。
  7. 【請求項7】 導電性薄膜層(C)が、酸化亜鉛を主成
    分として含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    に記載の導電性フィルム。
  8. 【請求項8】 導電性薄膜層(C)が、酸化インジウム
    を主成分として含むことを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれかに記載の導電性フィルム。
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