JP2000061542A - ダイクッション - Google Patents

ダイクッション

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JP2000061542A
JP2000061542A JP10239213A JP23921398A JP2000061542A JP 2000061542 A JP2000061542 A JP 2000061542A JP 10239213 A JP10239213 A JP 10239213A JP 23921398 A JP23921398 A JP 23921398A JP 2000061542 A JP2000061542 A JP 2000061542A
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tank
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレス成形の下降終端から上昇に転じる際に
ダイクッション側に発生する瞬間的なバックプレッシャ
ーを抑えて安定した成形加工を行う。 【解決手段】 上昇タンク4及び絞り圧力調整タンク5
に加えて蓄圧用のノックアウトタンク6を設けるととも
にノックアウトタンク6内の蓄圧を一時保留するロック
手段9を設け、プレス成形時の圧力にてダイクッション
側のメインシリンダー3内に生じる圧力を前記ノックア
ウトタンク6及び上昇タンク4内に蓄圧して一時保留
し、プレス圧が消滅した後にロック手段9を開放して蓄
圧した圧力を放出し、メインピストンの上昇圧力として
作用させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絞り加工等のプレ
ス成形の際に用いるダイクッションに関する。
【0002】
【従来の技術】ダイクッションは、プレスによる絞り加
工、精密プレス加工、冷間鍛造加工、ファインブランキ
ング加工等、金型を用いた押圧成形加工における成形圧
を金型の下方にて支えることにより金型に対する衝撃を
緩和するクッションとして用いるものである。
【0003】このダイクッションの従来例としては実公
昭37−27271号公報に開示された技術が知られて
いる。この公報によれば、図5に示すように、絞り加工
等の成形圧を金型の下方から支えるダイクッション50
は、メインピストン51とメインシリンダー52とから
成り、メインピストン51には凹部53が、メインシリ
ンダー52には底部掛止部54が形成されていて、前記
凹部53と底部掛止部54との間に圧力補助スプリング
55が係着されている。
【0004】またメインシリンダー52の下部側方には
サブシリンダー56がレリーフバルブ59を介して連結
されている。このサブシリンダー56はピストン57及
びシリンダー58からなり、ピストン57に連結された
ピストンロッド59の端部にレリーフバルブ60が形成
されている。
【0005】プレス外(図の右側)には圧力タンク63
が配置され、圧力タンク63は下方の上昇タンク61と
上方のオイルエア調整タンク(絞り圧調整タンク)62
とが一体構成されており、オイルエア調整タンク62は
配管64を介して前記サブシリンダー56の後端に連結
され、上昇タンク61は配管65を介してレリーフバル
ブ60に連結されている。
【0006】このダイクッション50の作用としては、
上昇タンク61内に空気圧67を供給してオイル66を
メインシリンダー52内に送り込みメインピストン51
を上昇さる。またメインピストン51がプレス圧にて押
し下げられることによりメインシリンダー52内に生じ
た作動油68は、レリーフバルブ60を押し開いて配管
65を経て上昇タンク61内に戻され、同タンク61内
の圧力を上昇させると同時に、サブシリンダー56内の
オイル69がピストン57にて押圧され配管64を経て
オイルエア調整タンク62内に戻される。
【0007】一方、メインピストン51がプレスにて押
圧された際に圧力補助スプリング55が圧縮されること
により反発力が生じ、この反発力はメインピストン51
を上昇させる際の上昇圧力となり、さらに上昇タンク6
1内に蓄圧された圧力が上昇圧力に加わって所要の上昇
圧力が得られる構成となっている。
【0008】その他の例としては、メインシリンダー5
2内に圧力補助スプリング55が設けられていない構成
のものもあるが、この構成のものはメインピストン51
の上昇圧力が不足してプレスの成形圧力に対応できない
場合があり、この不足を補うために専用の油圧発生用ユ
ニットを設備する必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の圧力補助スプリング55を用いたダイクッション5
0は、プレスが成形における下降の終端から上昇に転じ
る瞬間に圧力補助スプリング55の反発力と上昇タンク
61内の油圧とが衝撃的なバックプレッシャーとして作
用することにより機械や型を損壊するという問題があ
り、また圧力補助スプリング55を用いないタイプのダ
イクッションにおいては圧力タンク63内の圧力を補う
ための圧力発生ユニットが必要になるという問題があっ
た。
【0010】よって本発明は前記問題点に鑑みてなされ
たものであり、プレス成形の下降終端から上昇に転じる
際に型の裏面側に生じる衝撃的なバックプレッシャーを
抑えて圧力の変動を微小にするとともに、メインピスト
ンの上昇圧を増圧するための油圧発生用ユニットを必要
としないダイクッションの提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1の本発明は、成形圧を支えるメインピストン及
びメインシリンダーと、メインピストンを上昇させる上
昇タンクと、絞り圧調整タンクと、絞り圧を増圧するサ
ブシリンダーと、前記サブシリンダーの作動により作動
油の流路を開閉するリリーフバルブとを備えたハイドロ
ニューマチック式ダイクッションにおいて、上昇タンク
及び絞り圧調整タンクに加えて蓄圧用のノックアウトタ
ンクを設け、プレス成形時に生じる前記メインシリンダ
ー内の圧力をノックアウトタンク内に蓄圧するとともに
一時保留し、一時保留した圧力を放出して前記メインピ
ストンの上昇圧力として作用させるロック手段を設けた
ことを特徴とするものである。
【0012】請求項1によれば、従来の上昇タンク及び
絞り圧調整タンクに加えてノックアウトタンクを設ける
とともに、ノックアウトタンクに蓄圧し又は放出するた
めのロック手段を設けたことにより、プレス成形時にメ
インシリンダー内に生じた圧力をロック手段によりノッ
クアウトタンク内に一時的に蓄圧するとともに保留する
ことが可能となり、またプレス成形の下降終端において
プレス圧が完全に消滅した時点にてロック手段により一
時保留した圧力を開放してメインピストン51の上昇圧
力として作用させることにより、金型に対する衝撃的な
バックプレッシャーの発生を押さえることが可能とな
り、金型や機械を損壊する恐れがなくなる。さらにノッ
クアウトタンク内の蓄圧をメインピストンの上昇圧力と
して作用させることにより、従来のようにメインピスト
ン51とメインシリンダー52との間に圧力補助スプリ
ング52を設ける必要がなくなるとともに、メインピス
トンの上昇圧力を補うための油圧発生ユニットも不要と
なる。
【0013】請求項2は、前記ノックアウトタンクは空
気を圧縮することにより蓄圧するピストンとシリンダー
とから成ることを特徴とするものである。
【0014】請求項2によれば、ノックアウトタンクが
ピストンとシリンダーにて空気を圧縮する構成であるこ
とにより、メインピストンがプレスにて押圧された際に
生じる圧力と作動油の移動量に対応した蓄圧が可能とな
る。
【0015】請求項3は、前記ロック手段は、プレスの
作動に連動して弁を開閉することにより蓄圧し、その圧
力を開放するピストンとシリンダーから成ることを特徴
とするものである。
【0016】請求項3によれば、ロック手段がピストン
とシリンダーとにより弁を開閉する構成であり、プレス
の作動に連動して自動的にかつ適切なタイミングにて弁
の開閉操作をすることにより、金型に対する衝撃的なバ
ックプレッシャーの発生を防止して安定したプレス成形
を行うことが可能となる。
【0017】請求項4は、前記ノックアウトタンクを、
前記メインピストンの上昇タンク及び前記絞り圧調整タ
ンクとともに一体構成したことを特徴とするものであ
る。
【0018】請求項4よれば、ノックアウトタンクをメ
インピストンの上昇タンク及び絞り圧調整タンクととも
に一体構成することにより装置を簡素化することがで
き、設置床面積を削減することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1から図4は本発明の実施の形
態に係るダイクッションの概略構成及び作用を説明する
断面図である。
【0020】本発明のダイクッション1は、例えばプレ
スの上下金型10a,10bの間にて絞り加工等を施工
する際に、下型10bの下方を油圧にてソフトに作動す
るメインピストン2及びメインシリンダー3から成るク
ッションにて支えることによりプレス成形時における衝
撃を緩和するものである。
【0021】前記メインピストン2及びメインシリンダ
ー3を油圧にて作動させる油圧機構はプレスの外(図の
右側)に配置され、その大略構成はメインピストンを上
昇させる上昇タンク4と、絞り圧調整タンク5と、上部
の強力ノックアウト部7の作動にて蓄圧し、圧力を放出
するノックアウトタンク6とが仕切板30,31を介し
て一体構成された圧力タンク8と、圧力タンク8の下方
に配置したロック手段として空圧にて弁を開閉するロッ
キング装置9と、ロッキング装置9と上昇タンク4底部
との間にて流路の開閉をするリリーフバルブ15と、リ
リーフバルブ15の開閉操作をして絞り圧の増圧をする
サブシリンダー11とから成っている。なお、前記上昇
タンク4と絞り圧調整タンク5には作動油及び空気が封
入され、ノックアウトタンク6には空気のみが封入され
ていている。
【0022】前記上昇タンク4の下部側方は配管Aにて
逆止弁12を介しロッキング装置9に連結され、強力ノ
ックアウト部7は配管Cを介してロッキング装置9に対
し正逆流自在に連結され、また絞り圧調整タンク5は配
管Dにて逆止弁13及び流量制御弁14を介してサブシ
リンダー11の後部に連結され、上昇タンク4の底部は
リリーフバルブ15及び逆止弁16を介してロッキング
装置9の下部に連結され、ロッキング装置9の下部は油
圧ホースBを介してメインシリンダー3の下部に連結さ
れている。
【0023】なお、図中の符号19はワーク、20,2
1,22,23はピストン、24,25は給排気弁、2
6は圧力計、27は油面計、28は注油口、30,31
は仕切り板、32は開閉弁である。
【0024】次にダイクッションの作用について説明す
る。以上の構成のダイクッションは、操作の仕方により
各種な作用を創出することが可能であるので、その各作
用例について説明する。
【0025】(作用例1)普通のダイクッションとして
の作用。即ち、ロッキング装置9が常に開放状態(OF
F)で、ノックアウトタンク6の空気圧が0(ピストン
21が最下方に下がっている状態)の場合。
【0026】(1) 初期状態として上昇タンク4及び
絞り圧力調整タンク5のそれぞれに作動油33,34が
充満しており、この状態にて給排気弁25から上昇タン
ク4に空気を圧入して作動油33を配管Aから逆止弁1
2及びロッキング装置9を経てメインシリンダー3内に
送り込みメインピストン2を上昇させる。一方、給排気
弁24から絞り圧力調整タンク5に空気を圧入して作動
油34を配管Dから逆止弁13を経てサブシリンダー1
1内に送り込み、ピストン22を左方向に移動させてリ
リーフバルブを閉止させる。なお、上昇タンク4及び絞
り圧力調整タンク5内の空気圧はプレス時の成形圧力等
の条件により異なるが5Kgf/cm2以内を限度とす
る。これによりプレス加工の準備が完了する。
【0027】(2) 次に上型10aを下降させてプレ
ス加工を開始する。これにより、図2に示すように上型
10aと下型10bとの間でワーク19のプレス加工が
行われる。この時、プレス圧にてメインピストン2が押
圧されメインシリンダー3内の作動油35に圧力が生じ
る。この作動油35は油圧ホースBを経てロッキング装
置9内に入り、さらに逆止弁16を経てリリーフバルブ
15を右方向に押し開き上昇タンク4内に流れ込む。こ
れにより上昇タンク4内の油面が上昇し同タンク4内の
圧力が上昇する。なおリリーフバルブ15を右方向に押
し開くことによりサブシリンダー11内の作動油36は
ピストン22に押圧されて流量制御弁14を経て絞り圧
力調整タンク5内に押し返される。
【0028】一方ロッキング装置9と配管A側との間は
逆止弁12により流路が遮断されており、また強力ノッ
クアウト部7においてもピストン21が最下位に下がっ
ていることによりこれ以上に下がることができないため
ピストン20のにて作動油35は行き止まりとなり、ノ
ックアウトタンク6内に蓄圧することは不可能である。
【0029】このようにしてプレスが押圧行程の終端に
至った時点にて作動油35の全体の流れが停止する。こ
れと同時に絞り圧力調整タンク5内の圧力がロッキング
装置9に作用してリリーフバルブ15が左に移動させら
れ流路が遮断される。これにより作動油35の圧力は上
昇タンク4内にのみに蓄圧され一時保留された状態にな
る。
【0030】(3) プレスの下降終端にて作動油35
の圧力が一時保留され、プレス側のエネルギー発生源が
消滅したところで上型10aを上昇させる。この時ロッ
キング装置9は開放されているので上型10aの上昇開
始と同時に上昇タンク4内に蓄圧された作動油33が配
管Aから逆止弁12及びロッキング装置9を経てメイン
シリンダー3内に入り、メインピストン2を上昇させ
る。これによりメインシリンダー3内の圧力が元の状態
に戻り、行程の繰り返しが可能な状態となる。
【0031】(作用例2)ロッキング装置付きダイクッ
ションとしての作用。即ち、ロッキング装置9が作動
し、ノックアウトタンク6の空気圧が0(ピストン21
が下がっている状態)の場合。
【0032】(1) 初期状態として上昇タンク4及び
絞り圧力調整タンク5のそれぞれに作動油33,34が
充満し、ロッキング装置9が開放されている。この状態
にて給排気弁25から上昇タンク4に空気を圧入して作
動油33を配管Aからリリーフバルブ15及びロッキン
グ装置9を経てメインシリンダー3内に送り込みメイン
ピストン2を上昇させる。
【0033】一方、給排気弁24から絞り圧力調整タン
ク5に空気を圧入して作動油34を配管Dから逆止弁1
3を経てサブシリンダー11内に送り込み、ピストン2
2を左方向に移動させてリリーフバルブを閉止させる。
この状態にてプレス本体側に設けられた制御装置の指令
によりロッキング装置9が閉止されることにより、ロッ
キング装置9と強力ノックアウト部7との間が遮断され
この間の圧力が初期圧となってプレス加工の準備が完了
する。
【0034】(2) 次に上型10aを下降させてプレ
ス加工を開始する。これにより、図3に示すように上型
10aと下型10bとの間でワーク19のプレス加工が
行われる。この時、プレス圧にてメインピストン2が押
圧されメインシリンダー3内の作動油35に圧力が生じ
る。この作動油35は油圧ホースBを経てロッキング装
置9内に入るが、ロッキング装置9は閉止していること
により作動油35はリリーフバルブ15側にのみ流れ、
逆止弁16を経てリリーフバルブ15を右方向に押し開
いて上昇タンク4内に流れ込む。これにより上昇タンク
4内の油面が上昇し同タンク4内の圧力が上昇すると同
時に、リリーフバルブ15を右方向に押し開いた時のサ
ブシリンダー11内の作動油36はピストン22に押圧
され、流量制御弁14を経て絞り圧力調整タンク5内に
押し戻される。
【0035】このようにしてプレスが押圧行程の終端に
至った時点にて再びリリーフバルブ15が絞り圧力調整
タンク5内の圧力により左方向に移動させられ流路が閉
止されることにより作動油全体の流れが停止し、作動油
35の圧力は上昇タンク4内に蓄圧され保持された状態
となる。。
【0036】(3) 押圧行程の終端にて作動油35の
圧力が一時保留され、プレス側のエネルギー発生源が消
滅したところで上型10aを上昇させ、ロッキング装置
9をプレスの作動に連動して開放することにより上昇タ
ンク4内の作動油33は配管Aから逆止弁12及びロッ
キング装置9を経てメインシリンダー3内に入り、メイ
ンピストン2を上昇させる。これによりメインシリンダ
ー3内の圧力が初期圧となり、元の状態に戻って行程の
繰り返しが可能な状態となる。
【0037】(作用例3)ロッキング装置付き強力ノッ
クアウトダイクッションとしての作用。即ちロッキング
装置9が作動し、ノックアウトタンク6内に空気圧を付
与してピストン21を作動させる場合。
【0038】(1) 初期状態としてロッキング装置9
が開放され、ノックアウトタンク6内のピストン21が
図3に示すように下降しており、上昇タンク4及び絞り
圧力調整タンク5のそれぞれは作動油33,34が充満
している。この状態にて図1に示すように、ノックアウ
トタンク6に空気を圧入してピストン21を上昇させ、
給排気口25から上昇タンク4に空気を圧入して、作動
油33を配管Aからリリーフバルブ15及びロッキング
装置9を経てメインシリンダー3内に送り込みメインピ
ストン2を上昇させる。一方、給排気口24から絞り圧
力調整タンク5に空気を圧入するして作動油34を配管
Dから逆止弁13を経てサブシリンダー11内に送り込
み、ピストン22を左方向に移動させてリリーフバルブ
を閉止する。これによりプレス加工の準備が完了する。
【0039】(2) 次に上型10aを下降してプレス
加工を開始する。これにより、上型10aと下型10b
との間でワーク19のプレス加工が行われる。この時、
プレス圧にてメインピストン2が押圧されメインシリン
ダー3内の作動油35に圧力が生じる。この作動油35
は油圧ホースBを経てロッキング装置9内に入り、逆止
弁16を経てリリーフバルブ15を右方向に押し開き、
上昇タンク4内に流れ込んで上昇タンク4内の油面を上
昇させるとともに同タンク4内の圧力を上昇させる。同
時にリリーフバルブ15を右方向に押し開いた時のサブ
シリンダー11内の作動油36はピストン22に押圧さ
れ、流量制御弁14を経て絞り圧力調整タンク5内に押
し戻される。
【0040】また、配管A方向は逆止弁にて流路が遮断
されているので、作動油35は配管Cを経て強力ノック
アウト部7に流れる。これによりピストン20が押圧さ
れピストン21が押し下げられることにより、ノックア
ウトタンク6内の空気が圧縮され蓄圧される。このよう
にしてプレス成形の下降終端に至った時点にてプレス本
体側からの連動によりロッキング装置9が閉止され、リ
リーフバルブ15は再び左方向に移動させられ流路が閉
止されることにより圧力は強力ノックアウト部7と上昇
タンク4内に保持された状態となり、作動油全体の流れ
が停止する。
【0041】(3) 押圧行程の終端にて作動油35の
圧力が一時保留され、プレス側のエネルギー発生源が消
滅したところで上型10aを上昇させ、ロッキング装置
9をプレスの作動に連動して開放することにより、図4
に示すように強力ノックアウト部7からの圧力がロッキ
ング装置9を経てメインピストン2の上昇圧力として作
用する。その後、引き続いて上昇タンク4からの圧力が
配管Aから逆止弁12及びロッキング装置9を経てメイ
ンピストン2の上昇圧力として作用し、両者の圧力にて
強力にメインピストン2を上昇させる。これによりメイ
ンピストン2が上昇し、メインシリンダー3内の圧力が
初期圧となって、行程の繰り返しが可能な状態となる。
【0042】(作用例4)強力ノックアウトダイクッシ
ョンとしての作用。即ちロッキング装置9は常に開放
し、ノックアウトタンク6内に空気圧を付与してピスト
ン21を作動させる場合。
【0043】(1) 初期状態としてロッキング装置9
を開放にし、ノックアウトタンク6内のピストン21が
図3に示すように下降しており、上昇タンク4及び絞り
圧力調整タンク5のそれぞれに作動油33,34が充満
している。この状態から図1に示すように、ノックアウ
トタンク6に空気を圧入してピストン21を上昇させ
る。上昇タンク4に対しては給排気口25から空気を圧
入して、作動油33を配管Aから逆止弁12及びロッキ
ング装置9を経てメインシリンダー3内に送り込みメイ
ンピストン2を上昇させる。一方、絞り圧力調整タンク
5に対しては給排気口25から空気を圧入して作動油3
4が配管Dから逆止弁13を経てサブシリンダー11内
に送り込み、ピストン22を左方向に移動させてリリー
フバルブを閉止させる。これによりプレス加工の準備が
完了する。
【0044】(2) 次に上型10aを下降させプレス
加工を開始する。これにより、上型10aと下型10b
との間でワーク19のプレス加工が行われる。この時、
プレス圧にてメインピストン2が押圧されメインシリン
ダー3内の作動油35に圧力が生じる。この作動油35
は油圧ホースBを経てロッキング装置9内に入り、逆止
弁16を経てリリーフバルブ15を右方向に押し開き上
昇タンク4内に流れ込んで上昇タンク4内の油面を上昇
させるとともに同タンク4内の圧力を上昇させる。同時
にリリーフバルブ15が押圧されることによりサブシリ
ンダー11内の作動油36は配管Dから流量制御弁14
を経て絞り圧力調整タンク5内に押し戻される。
【0045】また、配管A方向は逆止弁にて流路が遮断
されていることにより、作動油35は配管Cを経て強力
ノックアウト部7に流れ込み、ピストン20を押圧する
ことによりピストン21が押し下げられ、ノックアウト
タンク6内の空気が圧縮され、蓄圧される。
【0046】このようにしてプレス成形の下降終端に至
った時点にてプレス本体側からの連動によりロッキング
装置9が閉止され、リリーフバルブ15は再び左方向に
移動させられ流路が閉止されることにより圧力は強力ノ
ックアウト部7と上昇タンク4内に保持された状態とな
り、作動油全体の流れが停止する。
【0047】(3) 押圧行程の終端にて作動油35の
圧力が一時保留され、プレス側のエネルギー発生源が消
滅したところで上型10aを上昇させる。この場合はロ
ッキング装置9が常に開放されていることにより、上型
10aが上昇に転じる瞬間に強力ノックアウト部7から
の圧力がロッキング装置9を経てメインピストン2の上
昇圧力として作用し、その後、引き続いて上昇タンク4
からの圧力が配管Aから逆止弁12及びロッキング装置
9を経てメインピストン2の上昇圧力として作用する。
これによりメインピストン2が上昇し、メインシリンダ
ー3内の圧力が初期圧となり、元の状態に戻って行程の
繰り返しが可能な状態となる。
【0048】以上の各作用におけるロッキング装置の開
閉操作は、プレス本体側に設けられた図示しないカムス
イッチ及びエアーソレノイドバルブによって行われ、金
型や成形品の条件によってタイミングよくプレスの作動
に連動して開閉操作をするべく設定することが可能であ
る。
【0049】なお、前記実施の形態においては、プレス
成形の際にメインピストン2が押圧されて生じる圧力を
上昇タンク4やノックアウトタンク6内に蓄圧する例に
ついて説明したが、これに替えて自力にてエネルギーを
発生させることも可能である。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、従来の上昇タンク及び
絞り圧力調整タンクに加えてノックアウトタンクを設
け、プレス成形時における圧力を上昇タンク及びノック
アウトタンク内に蓄圧し、圧力を一時保留することが可
能なロッキング手段を設けたことにより、この蓄圧をメ
インシリンダーの上昇圧力として作用させることが可能
になる。これにより従来のダイクッションのようにメイ
ンピストンを上昇させる圧力を補うための油圧発生ユニ
ットが不要となる。
【0051】また、プレス成形の下降終端にてプレス圧
が完全に消滅した後に一時保留した圧力をメインピスト
ンに作用させることにより瞬間的なバックプレッシャー
の発生を押さえ、安定した成形作動を行うことが可能と
なり、金型や機械を損壊する恐れがなくなる。
【0052】さらに、ノックアウトタンクを、メインピ
ストンの上昇タンク及び絞り成形圧力調整タンクととも
に一体構成したことにより装置を簡素化することがで
き、設置床面積を削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るダイクッションの概
略を説明する断面図。
【図2】ダイクッションの作用説明図。
【図3】ダイクッションの作用説明図。
【図4】ダイクッションの作用説明図。
【図5】従来のダイクッションの説明図。
【符号の説明】
1……ダイクッション 2……メインピストン 3……メインシリンダー 4……上昇タンク 5……絞り圧調整タンク 6……ノックアウトタンク 7……強力ノックアウト部 8……圧力タンク 9……ロッキング装置 10……金型 11……サブシリンダー 12,13,16……逆止弁 14……流量制御弁 15……リリーフバルブ 20,21,22,23……ピストン
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年8月23日(1999.8.2
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ダイクッション
【特許請求の範囲】
【0001】
【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、絞り加工等のプレ
ス成形の際に用いるダイクッションに関する。
【0002】
【従来の技術】ダイクッションは、プレスによる絞り加
工、精密プレス加工、冷間鍛造加工、ファインブランキ
ング加工等、金型を用いた押圧成形加工における成形圧
を金型の下方にて支えることにより金型に対する衝撃を
緩和するクッションとして用いるものである。
【0003】このダイクッションの従来例としては実公
昭37−27271号公報に開示された技術が知られて
いる。この公報によれば、図5に示すように、絞り加工
等の成形圧を金型の下方から支えるダイクッション50
は、メインピストン51とメインシリンダー52とから
成り、メインピストン51には凹部53が、メインシリ
ンダー52には底部掛止部54が形成されていて、前記
凹部53と底部掛止部54との間に圧力補助スプリング
55が係着されている。
【0004】またメインシリンダー52の下部側方には
サブシリンダー56がレリーフバルブ59を介して連結
されている。このサブシリンダー56はピストン57及
びシリンダー58からなり、ピストン57に連結された
ピストンロッド59の端部にレリーフバルブ60が形成
されている。
【0005】プレス外(図の右側)には圧力タンク63
が配置され、圧力タンク63は下方の上昇タンク61と
上方のオイルエア調整タンク(絞り圧調整タンク)62
とが一体構成されており、オイルエア調整タンク62は
配管64を介して前記サブシリンダー56の後端に連結
され、上昇タンク61は配管65を介してレリーフバル
ブ60に連結されている。
【0006】このダイクッション50の作用としては、
上昇タンク61内に空気圧67を供給してオイル66を
メインシリンダー52内に送り込みメインピストン51
を上昇さる。またメインピストン51がプレス圧にて押
し下げられることによりメインシリンダー52内に生じ
た作動油68は、レリーフバルブ60を押し開いて配管
65を経て上昇タンク61内に戻され、同タンク61内
の圧力を上昇させると同時に、サブシリンダー56内の
オイル69がピストン57にて押圧され配管64を経て
オイルエア調整タンク62内に戻される。
【0007】一方、メインピストン51がプレスにて押
圧された際に圧力補助スプリング55が圧縮されること
により反発力が生じ、この反発力はメインピストン51
を上昇させる際の上昇圧力となり、さらに上昇タンク6
1内に蓄圧された圧力が上昇圧力に加わって所要の上昇
圧力が得られる構成となっている。
【0008】その他の例としては、メインシリンダー5
2内に圧力補助スプリング55が設けられていない構成
のものもあるが、この構成のものはメインピストン51
の上昇圧力が不足してプレスの成形圧力に対応できない
場合があり、この不足を補うために専用の油圧発生用ユ
ニットを設備する必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の圧力補助スプリング55を用いたダイクッション5
0は、プレスが成形における下降の終端から上昇に転じ
る瞬間に圧力補助スプリング55の反発力と上昇タンク
61内の油圧とが衝撃的なバックプレッシャーとして作
用することにより機械や型を損壊するという問題があ
り、また圧力補助スプリング55を用いないタイプのダ
イクッションにおいては圧力タンク63内の圧力を補う
ための圧力発生ユニットが必要になるという問題があっ
た。
【0010】よって本発明は前記問題点に鑑みてなされ
たものであり、プレス成形の下降終端から上昇に転じる
際に型の裏面側に生じる衝撃的なバックプレッシャーを
抑えて圧力の変動を微小にするとともに、メインピスト
ンの上昇圧を増圧するための油圧発生用ユニットを必要
としないダイクッションの提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1の本発明は、成形圧を支えるメインピストン及
びメインシリンダーと、メインピストンを上昇させる上
昇タンクと、絞り圧調整タンクと、絞り圧を増圧するサ
ブシリンダーと、前記サブシリンダーの作動により作動
油の流路を開閉するリリーフバルブとを備えたハイドロ
ニューマチック式ダイクッションにおいて、 前記上昇
タンク及び絞り圧調整タンクに蓄圧用のノックアウトタ
ンクを配設し、該ノックアウトタンクの強力ノックアウ
ト部と管路で連動するロッキング装置を前記サブシリン
ダーの流路に設けてなり、前記ノックアウトタンクに
レス成形時に生じる前記メインシリンダー内の圧力を前
記ノックアウトタンク内に蓄圧するとともに一時保留
し、一時保留した圧力を放出して前記メインピストンの
上昇圧力として作用させる強力ノックアウト部を設けた
ことを特徴とする。
【0012】請求項1によれば、従来の上昇タンク及び
絞り圧調整タンクに加えてノックアウトタンクを設ける
とともに、ノックアウトタンクに蓄圧し又は放出するた
めの強力ノックアウト手段を設けたことにより、プレス
成形時にメインシリンダー内に生じた圧力を強力ノック
アウト手段によりノックアウトタンク内に一時的に蓄圧
するとともに保留することが可能となり、またプレス成
形の下降終端においてプレス圧が完全に消滅した時点に
強力ノックアウト手段により一時保留した圧力を開放
してメインピストン51の上昇圧力として作用させるこ
とにより、金型に対する衝撃的なバックプレッシャーの
発生を押さえることが可能となり、金型や機械を損壊す
る恐れがなくなる。さらにノックアウトタンク内の蓄圧
をメインピストンの上昇圧力として作用させることによ
り、従来のようにメインピストン51とメインシリンダ
ー52との間に圧力補助スプリング52を設ける必要が
なくなるとともに、メインピストンの上昇圧力を補うた
めの油圧発生ユニットも不要となる。
【0013】請求項2は、前記ノックアウトタンクは空
気を圧縮することにより蓄圧するピストンとシリンダー
とから成ることを特徴とするものである。
【0014】請求項2によれば、ノックアウトタンクが
ピストンとシリンダーにて空気を圧縮する構成であるこ
とにより、メインピストンがプレスにて押圧された際に
生じる圧力と作動油の移動量に対応した蓄圧が可能とな
る。
【0015】請求項3は、前記強力ノックアウト手段
は、プレスの作動に連動して前記ロッキング装置の弁を
開閉することにより蓄圧し、その圧力を開放するピスト
ンとシリンダーから成ることを特徴とするものである。
【0016】請求項3によれば、強力ノックアウト手段
がピストンとシリンダーとにより前記ロッキング装置の
弁を開閉する構成であり、プレスの作動に連動して自動
的にかつ適切なタイミングにて弁の開閉操作をすること
により、金型に対する衝撃的なバックプレッシャーの発
生を防止して安定したプレス成形を行うことが可能とな
る。
【0017】請求項4は、前記ノックアウトタンクを、
前記メインピストンの上昇タンク及び前記絞り圧調整タ
ンクとともに一体構成したことを特徴とするものであ
る。
【0018】請求項4よれば、ノックアウトタンクをメ
インピストンの上昇タンク及び絞り圧調整タンクととも
に一体構成することにより装置を簡素化することがで
き、設置床面積を削減することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1から図4は本発明の実施の形
態に係るダイクッションの概略構成及び作用を説明する
断面図である。
【0020】本発明のダイクッション1は、例えばプレ
スの上下金型10a,10bの間にて絞り加工等を施工
する際に、下型10bの下方を油圧にてソフトに作動す
るメインピストン2及びメインシリンダー3から成るク
ッションにて支えることによりプレス成形時における衝
撃を緩和するものである。
【0021】前記メインピストン2及びメインシリンダ
ー3を油圧にて作動させる油圧機構はプレスの外(図の
右側)に配置され、その大略構成はメインピストンを上
昇させる上昇タンク4と、絞り圧調整タンク5と、上部
の強力ノックアウト部7の作動にて蓄圧し、圧力を放出
するノックアウトタンク6とが仕切板30,31を介し
て一体構成された圧力タンク8と、圧力タンク8の下方
に配置したロック手段として空圧にて弁を開閉するロッ
キング装置9と、ロッキング装置9と上昇タンク4底部
との間にて流路の開閉をするリリーフバルブ15と、リ
リーフバルブ15の開閉操作をして絞り圧の増圧をする
サブシリンダー11とから成っている。なお、前記上昇
タンク4と絞り圧調整タンク5には作動油及び空気が封
入され、ノックアウトタンク6には空気のみが封入され
ていている。
【0022】前記上昇タンク4の下部側方は配管Aにて
逆止弁12を介しロッキング装置9に連結され、強力ノ
ックアウト部7は配管Cを介してロッキング装置9に対
し正逆流自在に連結され、また絞り圧調整タンク5は配
管Dにて逆止弁13及び流量制御弁14を介してサブシ
リンダー11の後部に連結され、上昇タンク4の底部は
リリーフバルブ15及び逆止弁16を介してロッキング
装置9の下部に連結され、ロッキング装置9の下部は油
圧ホースBを介してメインシリンダー3の下部に連結さ
れている。
【0023】なお、図中の符号19はワーク、20,2
1,22,23はピストン、24,25は給排気弁、2
6は圧力計、27は油面計、28は注油口、30,31
は仕切り板、32は開閉弁である。
【0024】次にダイクッションの作用について説明す
る。以上の構成のダイクッションは、操作の仕方により
各種な作用を創出することが可能であるので、その各作
用例について説明する。
【0025】(作用例1)普通のダイクッションとして
の作用。即ち、ロッキング装置9が常に開放状態(OF
F)で、ノックアウトタンク6の空気圧が0(ピストン
21が最下方に下がっている状態)の場合。
【0026】(1) 初期状態として上昇タンク4及び
絞り圧力調整タンク5のそれぞれに作動油33,34が
充満しており、この状態にて給排気弁25から上昇タン
ク4に空気を圧入して作動油33を配管Aから逆止弁1
2及びロッキング装置9を経てメインシリンダー3内に
送り込みメインピストン2を上昇させる。一方、給排気
弁24から絞り圧力調整タンク5に空気を圧入して作動
油34を配管Dから逆止弁13を経てサブシリンダー1
1内に送り込み、ピストン22を左方向に移動させてリ
リーフバルブを閉止させる。なお、上昇タンク4及び絞
り圧力調整タンク5内の空気圧はプレス時の成形圧力等
の条件により異なるが5Kgf/cm2以内を限度とす
る。これによりプレス加工の準備が完了する。
【0027】(2) 次に上型10aを下降させてプレ
ス加工を開始する。これにより、図2に示すように上型
10aと下型10bとの間でワーク19のプレス加工が
行われる。この時、プレス圧にてメインピストン2が押
圧されメインシリンダー3内の作動油35に圧力が生じ
る。この作動油35は油圧ホースBを経てロッキング装
置9内に入り、さらに逆止弁16を経てリリーフバルブ
15を右方向に押し開き上昇タンク4内に流れ込む。こ
れにより上昇タンク4内の油面が上昇し同タンク4内の
圧力が上昇する。なおリリーフバルブ15を右方向に押
し開くことによりサブシリンダー11内の作動油36は
ピストン22に押圧されて流量制御弁14を経て絞り圧
力調整タンク5内に押し返される。
【0028】一方ロッキング装置9と配管A側との間は
逆止弁12により流路が遮断されており、また強力ノッ
クアウト部7においてもピストン21が最下位に下がっ
ていることによりこれ以上に下がることができないため
ピストン20のにて作動油35は行き止まりとなり、ノ
ックアウトタンク6内に蓄圧することは不可能である。
【0029】このようにしてプレスが押圧行程の終端に
至った時点にて作動油35の全体の流れが停止する。こ
れと同時に絞り圧力調整タンク5内の圧力が作用してリ
リーフバルブ15が左に移動させられ流路が遮断され
る。これにより作動油35の圧力は上昇タンク4内にの
みに蓄圧され一時保留された状態になる。
【0030】(3) プレスの下降終端にて作動油35
の圧力が一時保留され、プレス側のエネルギー発生源が
消滅したところで上型10aを上昇させる。この時ロッ
キング装置9は開放されているので上型10aの上昇開
始と同時に上昇タンク4内に蓄圧された作動油33が配
管Aから逆止弁12及びロッキング装置9を経てメイン
シリンダー3内に入り、メインピストン2を上昇させ
る。これによりメインシリンダー3内の圧力が元の状態
に戻り、行程の繰り返しが可能な状態となる。
【0031】(作用例2)ロッキング装置付きダイクッ
ションとしての作用。即ち、ロッキング装置9が作動
し、ノックアウトタンク6の空気圧が0(ピストン21
が下がっている状態)の場合。
【0032】(1) 初期状態として上昇タンク4及び
絞り圧力調整タンク5のそれぞれに作動油33,34が
充満し、ロッキング装置9が開放されている。この状態
にて給排気弁25から上昇タンク4に空気を圧入して作
動油33を配管Aからリリーフバルブ15及びロッキン
グ装置9を経てメインシリンダー3内に送り込みメイン
ピストン2を上昇させる。
【0033】一方、給排気弁24から絞り圧力調整タン
ク5に空気を圧入して作動油34を配管Dから逆止弁1
3を経てサブシリンダー11内に送り込み、ピストン2
2を左方向に移動させてリリーフバルブを閉止させる。
この状態にてプレス本体側に設けられた制御装置の指令
によりロッキング装置9が閉止されることにより、ロッ
キング装置9と強力ノックアウト部7との間が遮断され
この間の圧力が初期圧となってプレス加工の準備が完了
する。
【0034】(2) 次に上型10aを下降させてプレ
ス加工を開始する。これにより、図3に示すように上型
10aと下型10bとの間でワーク19のプレス加工が
行われる。この時、プレス圧にてメインピストン2が押
圧されメインシリンダー3内の作動油35に圧力が生じ
る。この作動油35は油圧ホースBを経てロッキング装
置9内に入るが、ロッキング装置9は閉止していること
により作動油35はリリーフバルブ15側にのみ流れ、
逆止弁16を経てリリーフバルブ15を右方向に押し開
いて上昇タンク4内に流れ込む。これにより上昇タンク
4内の油面が上昇し同タンク4内の圧力が上昇すると同
時に、リリーフバルブ15を右方向に押し開いた時のサ
ブシリンダー11内の作動油36はピストン22に押圧
され、流量制御弁14を経て絞り圧力調整タンク5内に
押し戻される。
【0035】このようにしてプレスが押圧行程の終端に
至った時点にて再びリリーフバルブ15が絞り圧力調整
タンク5内の圧力により左方向に移動させられ流路が閉
止されることにより作動油全体の流れが停止し、作動油
35の圧力は上昇タンク4内に蓄圧され保持された状態
となる。
【0036】(3) 押圧行程の終端にて作動油35の
圧力が一時保留され、プレス側のエネルギー発生源が消
滅したところで上型10aを上昇させ、ロッキング装置
9をプレスの作動に連動して開放することにより上昇タ
ンク4内の作動油33は配管Aから逆止弁12及びロッ
キング装置9を経てメインシリンダー3内に入り、メイ
ンピストン2を上昇させる。これによりメインシリンダ
ー3内の圧力が初期圧となり、元の状態に戻って行程の
繰り返しが可能な状態となる。
【0037】(作用例3)ロッキング装置付き強力ノッ
クアウトダイクッションとしての作用。即ちロッキング
装置9が作動し、ノックアウトタンク6内に空気圧を付
与してピストン21を作動させる場合。
【0038】(1) 初期状態としてロッキング装置9
が開放され、ノックアウトタンク6内のピストン21が
図3に示すように下降しており、上昇タンク4及び絞り
圧力調整タンク5のそれぞれは作動油33,34が充満
している。この状態にて図1に示すように、ノックアウ
トタンク6に空気を圧入してピストン21を上昇させ、
給排気口25から上昇タンク4に空気を圧入して、作動
油33を配管Aから逆止弁12及びロッキング装置9を
経てメインシリンダー3内に送り込みメインピストン2
を上昇させる。一方、給排気口24から絞り圧力調整タ
ンク5に空気を圧入するして作動油34を配管Dから逆
止弁13を経てサブシリンダー11内に送り込み、ピス
トン22を左方向に移動させてリリーフバルブを閉止す
る。これによりプレス加工の準備が完了する。
【0039】(2) 次に上型10aを下降してプレス
加工を開始する。これにより、上型10aと下型10b
との間でワーク19のプレス加工が行われる。この時、
プレス圧にてメインピストン2が押圧されメインシリン
ダー3内の作動油35に圧力が生じる。この作動油35
は油圧ホースBを経てロッキング装置9内に入り、逆止
弁16を経てリリーフバルブ15を右方向に押し開き、
上昇タンク4内に流れ込んで上昇タンク4内の油面を上
昇させるとともに同タンク4内の圧力を上昇させる。同
時にリリーフバルブ15を右方向に押し開いた時のサブ
シリンダー11内の作動油36はピストン22に押圧さ
れ、流量制御弁14を経て絞り圧力調整タンク5内に押
し戻される。
【0040】また、配管A方向は逆止弁にて流路が遮断
されているので、作動油35は配管Cを経て強力ノック
アウト部7に流れる。これによりピストン20が押圧さ
れピストン21が押し下げられることにより、ノックア
ウトタンク6内の空気が圧縮され蓄圧される。このよう
にしてプレス成形の下降終端に至った時点にてプレス本
体側からの連動によりロッキング装置9が閉止され、リ
リーフバルブ15は再び左方向に移動させられ流路が閉
止されることにより圧力は強力ノックアウト部7と上昇
タンク4内に保持された状態となり、作動油全体の流れ
が停止する。
【0041】(3) 押圧行程の終端にて作動油35の
圧力が一時保留され、プレス側のエネルギー発生源が消
滅したところで上型10aを上昇させ、ロッキング装置
9をプレスの作動に連動して開放することにより、図4
に示すように強力ノックアウト部7からの圧力がロッキ
ング装置9を経てメインピストン2の強力ノックアウト
上昇圧力として作用する。その後、引き続いて上昇タン
ク4からの圧力が配管Aから逆止弁12及びロッキング
装置9を経てメインピストン2の上昇圧力として作用さ
せる。これによりメインピストン2が上昇し、メインシ
リンダー3内の圧力が初期圧となって、行程の繰り返し
が可能な状態となる。
【0042】(作用例4)強力ノックアウトダイクッシ
ョンとしての作用。即ちロッキング装置9は常に開放
し、ノックアウトタンク6内に空気圧を付与してピスト
ン21を作動させる場合。
【0043】(1) 初期状態としてロッキング装置9
を開放にし、ノックアウトタンク6内のピストン21が
図3に示すように下降しており、上昇タンク4及び絞り
圧力調整タンク5のそれぞれに作動油33,34が充満
している。この状態から図1に示すように、ノックアウ
トタンク6に空気を圧入してピストン21を上昇させ
る。上昇タンク4に対しては給排気口25から空気を圧
入して、作動油33を配管Aから逆止弁12及びロッキ
ング装置9を経てメインシリンダー3内に送り込みメイ
ンピストン2を上昇させる。一方、絞り圧力調整タンク
5に対しては給排気口25から空気を圧入して作動油3
4が配管Dから逆止弁13を経てサブシリンダー11内
に送り込み、ピストン22を左方向に移動させてリリー
フバルブを閉止させる。これによりプレス加工の準備が
完了する。
【0044】(2) 次に上型10aを下降させプレス
加工を開始する。これにより、上型10aと下型10b
との間でワーク19のプレス加工が行われる。この時、
プレス圧にてメインピストン2が押圧されメインシリン
ダー3内の作動油35に圧力が生じる。この作動油35
は油圧ホースBを経てロッキング装置9内に入り、逆止
弁16を経てリリーフバルブ15を右方向に押し開き上
昇タンク4内に流れ込んで上昇タンク4内の油面を上昇
させるとともに同タンク4内の圧力を上昇させる。同時
にリリーフバルブ15が押圧されることによりサブシリ
ンダー11内の作動油36は配管Dから流量制御弁14
を経て絞り圧力調整タンク5内に押し戻される。
【0045】また、配管A方向は逆止弁にて流路が遮断
されていることにより、作動油35は配管Cを経て強力
ノックアウト部7に流れ込み、ピストン20を押圧する
ことによりピストン21が押し下げられ、ノックアウト
タンク6内の空気が圧縮され、蓄圧される。
【0046】このようにしてプレス成形の下降終端に至
った時点にて、リリーフバルブ15は再び左方向に移動
させられ流路が閉止されることにより圧力は強力ノック
アウト部7と上昇タンク4内に保持された状態となり、
作動油全体の流れが停止する。
【0047】(3) 押圧行程の終端にて作動油35の
圧力が一時保留され、プレス側のエネルギー発生源が消
滅したところで上型10aを上昇させる。この場合はロ
ッキング装置9が常に開放されていることにより、上型
10aが上昇に転じる瞬間に強力ノックアウト部7から
の圧力がロッキング装置9を経てメインピストン2の上
昇圧力として作用し、その後、引き続いて上昇タンク4
からの圧力が配管Aから逆止弁12及びロッキング装置
9を経てメインピストン2の上昇圧力として作用する。
これによりメインピストン2が上昇し、メインシリンダ
ー3内の圧力が初期圧となり、元の状態に戻って行程の
繰り返しが可能な状態となる。
【0048】以上の各作用におけるロッキング装置の開
閉操作は、プレス本体側に設けられた図示しないカムス
イッチ及びエアーソレノイドバルブによって行われ、金
型や成形品の条件によってタイミングよくプレスの作動
に連動して開閉操作をするべく設定することが可能であ
る。
【0049】なお、前記実施の形態においては、プレス
成形の際にメインピストン2が押圧されて生じる圧力を
上昇タンク4やノックアウトタンク6内に蓄圧する例に
ついて説明したが、これに替えて自力にてエネルギーを
発生させることも可能である。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、従来の上昇タンク及び
絞り圧力調整タンクに加えてノックアウトタンクを設
け、プレス成形時における圧力を上昇タンク及びノック
アウトタンク内に蓄圧し、ロッキング装置を用いて圧力
を一時保留し、ロックを開放することにより、強力なノ
ックアウトを発生させることで、下型に密着したワーク
を脱出させることができる。強力ノックアウトが作用し
たあとは上昇タンク内の圧力でメインピストンをゆっく
りと上昇させることができる。これにより、従来のダイ
クッションのようにメインピストンを上昇させる圧力を
補うための油圧発生ユニットが不要となる。
【0051】また、プレス成形の下降終端にてプレス圧
が完全に消滅した後に一時保留した圧力をメインピスト
ンに作用させることにより瞬間的なバックプレッシャー
の発生を押さえ、安定した成形作動を行うことが可能と
なり、金型や機械を損壊する恐れがなくなる。
【0052】さらに、ノックアウトタンクを、メインピ
ストンの上昇タンク及び絞り成形圧力調整タンクととも
に一体構成したことにより装置を簡素化することがで
き、設置床面積を削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るダイクッションの概
略を説明する断面図。
【図2】ダイクッションの作用説明図。
【図3】ダイクッションの作用説明図。
【図4】ダイクッションの作用説明図。
【図5】従来のダイクッションの説明図。
【符号の説明】 1……ダイクッション 2……メインピスト
ン 3……メインシリンダー 4……上昇タンク 5……絞り圧調整タンク 6……ノックアウト
タンク 7……強力ノックアウト部 8……圧力タンク 9……ロッキング装置 10……金型 11……サブシリンダー 12,13,16…
逆止弁 14……流量制御弁 15……リリーフバ
ルブ 20,21,22,23……ピストン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形圧を支えるメインピストン及びメイ
    ンシリンダーと、メインピストンを上昇させる上昇タン
    クと、絞り圧調整タンクと、絞り圧を増圧するサブシリ
    ンダーと、前記サブシリンダーの作動により作動油の流
    路を開閉するリリーフバルブとを備えたハイドロニュー
    マチック式ダイクッションにおいて、 前記上昇タンク及び絞り圧調整タンクに加えて蓄圧用の
    ノックアウトタンクを設け、プレス成形時に生じる前記
    メインシリンダー内の圧力をノックアウトタンク内に蓄
    圧するとともに一時保留し、一時保留した圧力を放出し
    て前記メインピストンの上昇圧力として作用させるロッ
    ク手段を設けたことを特徴とするダイクッション。
  2. 【請求項2】 前記ノックアウトタンクは空気を圧縮す
    ることにより蓄圧するピストンとシリンダーとから成る
    ことを特徴とする請求項1記載のダイクッション。
  3. 【請求項3】 前記ロック手段は、プレスの作動に連動
    して弁を開閉することにより蓄圧し、その圧力を開放す
    るピストンとシリンダーから成ることを特徴とする請求
    項1記載のダイクッション。
  4. 【請求項4】 前記ノックアウトタンクを、前記メイン
    ピストンの上昇タンク及び前記絞り圧調整タンクととも
    に一体構成したことを特徴とする請求項1記載のダイク
    ッション。
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