JP2000058120A - リチウム二次電池用電解液 - Google Patents

リチウム二次電池用電解液

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JP2000058120A
JP2000058120A JP10224876A JP22487698A JP2000058120A JP 2000058120 A JP2000058120 A JP 2000058120A JP 10224876 A JP10224876 A JP 10224876A JP 22487698 A JP22487698 A JP 22487698A JP 2000058120 A JP2000058120 A JP 2000058120A
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electrolyte
lithium
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negative electrode
metal
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Kazuyuki Adachi
和之 足立
Shunji Taniguchi
俊二 谷口
Masayuki Morita
昌行 森田
Masaji Ishikawa
正司 石川
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Kyushu Electric Power Co Inc
Yamaguchi University NUC
Original Assignee
Kyushu Electric Power Co Inc
Yamaguchi University NUC
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属リチウム負極の充放電可逆性を向上させ
るための添加剤を含んだ電解液を提供する。 【解決手段】 有機含フッ素リチウム塩がカーボネート
系溶媒などの非水溶媒に溶解してなる電解液において、
ヨウ化アルミニウムなどのリチウムと合金化する金属の
陽イオンと、ヨウ化物陰イオンからなる化合物を添加剤
とし、これを電解液に対して10ppmから2000p
pmの範囲で含有することを特徴とする、金属リチウム
負極を有するリチウム二次電池用電解液。この添加剤を
用いることにより、リチウム金属の負極において、良好
な充放電可逆性を維持でき、無添加の電解液に比べ、金
属リチウムの溶解析出の可逆性が大きく向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属リチウム負極
を有するリチウム二次電池の電解液に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】金属リチウムを負極として用いたリチウ
ム二次電池は、エネルギー密度が非常に高いという優れ
た利点を有する。この種の電池は各種家庭用電気機器、
コンピユータのメモリーバックアップ用電源、またさら
には自動車などの動力用電源としても利用が検討されて
おり、広範囲な分野での利用が期待されているものであ
る。しかしながら、このような負極に金属リチウムを用
いたリチウム二次電池は、充放電サイクルにおける金属
リチウムの溶解、析出の可逆性の低さが主な障害にな
り、充分な性能を持つ電池は得られていない。すなわ
ち、充電時に負極上にリチウムがデンドライト状に析出
し、その結果リチウム電極の一部が脱離したり電池が内
部短絡を起こすことにより、電池の繰り返し寿命が低下
してしまうことが指摘されている。
【0003】この種のリチウム二次電池の電解液には有
機溶媒を用いることが不可欠であるが、要求される主な
条件としては、高いイオン伝導度を持つこと、化学的、
電気化学的に安定であること、電極反応の可逆性を損な
わないことが挙げられる。一般的には電解液として非プ
ロトン性の有機溶媒であるプロピレンカーボネート、エ
チレンカーボネートなどを主に含む有機溶媒系にリチウ
ム塩を溶解させたものがよく用いられる。しかしなが
ら、これらの電解液をそのまま用いても前述のリチウム
金属の充放電サイクル特性を向上させるのには充分とは
いえず、金属リチウム負極の充放電反応の可逆性を損な
わないことを特徴とする電解液系を開発することは、電
池の特性を向上させるための重要な課題と現在考えられ
ている。
【0004】一方、このような困難な状況を打破するた
めに、金属リチウムをそのまま負極として用いるのでな
く、リチウムを炭素質材料にドープさせたり、他の金属
と合金化させたものを負極として用いるリチウム二次電
池の開発が現在盛んに行なわれている。これらの電池
は、負極のサイクル寿命をかなり改善しており、実用的
な二次電池も開発されるに至っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の電池は負極に金属リチウムそのものを用いていないと
いう宿命として、負極の重量あたりの理論容量が金属リ
チウムそのものからなる負極に比べ、かなり低いという
欠点がある。このような状況から依然として負極に金属
リチウムを用いた二次電池の開発が進められており、リ
チウム負極の充放電可逆性を高めることができる電解液
の開発が望まれている。
【0006】このような背景から、本発明が解決しよう
とする課題は、金属リチウム負極の充放電可逆性を向上
させるための添加剤を含んだ電解液を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、電解液溶媒
にリチウムと合金化する金属の陽イオンと、ヨウ化物陰
イオンからなる化合物を添加剤として含有させることに
より、金属リチウム負極の充放電サイクル特性が向上す
ることを見いだした。このリチウム二次電池用電解液
は、有機含フッ素リチウム塩が非水溶媒に溶解してなる
電解液において、添加剤としてこれら金属ヨウ化物を電
解液に対して10ppmから2000ppmの範囲で含
有することを特徴とするものである。
【0008】上記の電解液に使用する有機溶媒としては
特に限定されるものではないが、例えばプロピレンカー
ボネートなどの高誘電率溶媒を単独で用いるか、あるい
はプロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなど
の高誘電率溶媒に1,2−ジメトキシエタン、ジエチル
カーボネート、またはジメチルカーボネートなどの低粘
度溶媒を体積百分率で10%から90%混合したものが
使用できる。
【0009】一方、リチウム塩としては有機含フッ素リ
チウム塩を用いる。具体的には、 LiN(SO2x2x+1)(SO2y2y+1) [x,yは自然数], LiN(SO2xmn)(SO2yHm'Fn') [x,y,m,n,m',n'は自然数、ただしm+n=2x
+1,m"+n"=2y+1], LiN(SO2OCx2x+1)(SO2OCy2y+1) [x,yは自然数], LiN(SO2OCxmn)(SO2OCym'n') [x,y,m,n,m',n'は自然数、ただしm+n=2x
+1,m'+n'=2y+1], LiC(SO2x2x+1)(SO2y2y+1)(SO2
z2z+1) [x,y,zは自然数], LiC(SO2xmn)(SO2ym'n')(SO
2zm"n") [x,y,z,m,n,m',n',m",n"は自然数、ただしm
+n=2x+1,m'+n'=2y+1,m"+n"=2z+
1] などであり、これらのうち、いずれかを0.5モル濃度
から1.5モル濃度の範囲で電解液に溶解させて用いる
ことができる。ここで用いるリチウム塩は1.0モル濃
度が最も好ましい。
【0010】さらに添加剤として、金属の陽イオンと、
ヨウ化物陰イオンからなる化合物を、電解液に対して1
0ppmから2000ppmの範囲で溶解させたものを
リチウム二次電池用電解液とする。用いる添加剤は例え
ばヨウ化アルミニウム、ヨウ化スズ、ヨウ化マグネシウ
ム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化ガリウム、ヨウ化インジウムな
どが好ましく、これを電解液に対して100から500
ppmとするのが最も好ましい。
【0011】本発明による添加剤を含有させた有機電解
液を用い、リチウム金属負極の電気化学的な析出、溶解
試験、すなわち充放電試験を行った結果、添加剤を用い
ない電解液中での試験結果と比べると、充放電の可逆性
が大きく改善された。これは充電時に添加物の金属陽イ
オンが還元され、これが金属リチウムと合金化して析出
形態が添加剤が無い場合に比べ改善される、すなわちデ
ンドライトが形成されにくくなるためと考えられる。さ
らに添加剤の陰イオンとしてヨウ化物イオンを用いてい
るが、このヨウ化物イオンは電極上に特異吸着して電極
表面を保護することにより、金属リチウムと電解液との
副反応を抑制する効果がある。
【0012】
【発明の実施の形態】電解液溶媒には市販の電池グレー
ドのエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネ
ート(DMC)の体積比1:1混合溶媒を用いた。電解
質塩には、LiN(SO2252を1モル濃度で用い
た。電気化学測定には三極式ビーカー型セルを用いた。
すなわち、試験極基板には、直径13ミリのニツケル
(Ni)板をテフロン樹脂製のホルダーに装着して用い
た。対極にはNiメッシュにリチウム(Li)箔を圧着
したものを、また、参照極にはNi線の先にLi片を巻
きつけたものを用い、電解液容量は50cm3とした。
【0013】試験極のNi基板上でのLiのクーロン効
率の測定は電流密度2mA/cm2の定電流で行なっ
た。ここでいうクーロン効率とは、個々の充放電サイク
ルにおいて、Ni基板上のLiの析出に要した電気量に
対する、Liの溶解に要した電気量の百分率と定義す
る。従って、この値が100%により近ければ、充放電
の可逆性が優れているとみなすことができる。さらにこ
こでの測定条件として、充電すなわちLiの析出に要す
る電気量については、0.2クーロンの一定とし、放電
すなわちLiの溶解は、参照極のLiに対し試験極が
1.5Vに達するまで行なうこととした。これらの測定
は乾燥Ar中、室温(18〜25℃)で行なった。
【0014】この系では、すなわち添加物を用いない場
合では、充放電の繰り返しによるクーロン効率は図1に
示すように、初回の充放電サイクルでは約80%であ
り、その後安定したサイクル内では85%をやや上回る
効率が示された。
【0015】
【実施例】電解液溶媒には比較例で述べたものと同じ電
池グレードのエチレンカーボネート(EC)とジメチル
カーボネート(DMC)の体積比1:1混合溶媒を用い
た。電解質塩には、やはり比較例と同じく、LiN(S
2252を1モル濃度で用いた。さらに電解液の添
加剤としてヨウ化アルミニウム(AlI3)を100p
pmまたは500ppm電解液に溶解させた。電気化学
測定には三極式ビーカー型セルを用いた。試験極基板に
は、直径13mmのNi板をテフロン樹脂製のホルダー
に装着して用いた。対極にはNiメッシュにLi箔を圧
着したものを、また、参照極にはNi線の先にLi片を
巻きつけたものを用い、電解液容量は50cm3とし
た。
【0016】Ni基板上でのLiのクーロン効率の測定
は電流密度2mA/cm2の定電流で行なった。この試
験における充放電条件は比較例と同じである。その結
果、充放電におけるクーロン効率は初回の充放電サイク
ルでは約95%であったが2回目以降安定したサイクル
間では95%を上回る非常に高い効率が得られ、優れた
充放電可逆性を示した(図1)。
【0017】
【発明の効果】以上のように、リチウム金属の負極に対
して、カーボネート系溶媒などの非プロトン溶媒中に有
機含フッ素リチウム塩を溶解させた電解液に、リチウム
と合金化する金属の陽イオンと、ヨウ化物陰イオンから
なる化合物を添加剤として用いることにより、良好な充
放電可逆性を維持することができる。これにより、無添
加の電解液に比べ、金属リチウムの溶解析出の可逆性が
大きく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ECとDMCの混合溶媒に1モル濃度のLi
N(SO2252を含む電解液中における金属リチウ
ムの十放電効率を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 俊二 福岡県福岡市南区塩原二丁目1番47号 九 州電力株式会社総合研究所内 (72)発明者 森田 昌行 山口県宇部市東小羽山町4−8−43 (72)発明者 石川 正司 山口県宇部市上野中町1−34−404 Fターム(参考) 5H029 AJ02 AJ03 AJ05 AK00 AL12 AM02 AM06 AM07 HJ01

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機含フッ素リチウム塩が非水溶媒に溶
    解してなる電解液において、金属の陽イオンとヨウ化物
    陰イオンからなる化合物を添加剤とし、この添加剤を電
    解液に対して10ppmから2000ppmの範囲で含
    有することを特徴とする、金属リチウム負極を有するリ
    チウム二次電池用電解液。
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