JP2000057848A - ケーブル - Google Patents

ケーブル

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JP2000057848A
JP2000057848A JP10222191A JP22219198A JP2000057848A JP 2000057848 A JP2000057848 A JP 2000057848A JP 10222191 A JP10222191 A JP 10222191A JP 22219198 A JP22219198 A JP 22219198A JP 2000057848 A JP2000057848 A JP 2000057848A
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Japan
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cable
layer
ethylene
inner layer
resin composition
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JP10222191A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Yamada
仁 山田
Masami Nishiguchi
雅己 西口
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車、ロボット、電子機器用等に使用され
るケーブルで、優れた機械特性、柔軟性を有し、端末加
工作業が容易で、ケーブル外観の良好なケーブルを提供
する。 【解決手段】 絶縁導体を複数本撚り合わせた多芯撚線
の外側に被覆層を設けてなるケーブルにおいて、前記被
覆層の最外層を熱可塑性エラストマーをベース樹脂とす
る樹脂組成物で形成し、該最外層と接する内層をエチレ
ン系共重合体が50〜98重量%、エチレン−酢酸ビニ
ル含有量が20重量%以上のエチレン−酢酸ビニル/塩
化ビニルグラフト共重合体が2〜50重量%の割合で配
合した混和物をベース樹脂とする樹脂組成物で形成して
なることを特徴とするケーブル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、ロボッ
ト、電子機器用等に使用されるケーブルに関するもの
で、さらに詳しくは、優れた機械特性、柔軟性を有し、
端末加工作業が容易で、ケーブル外観の良好なケーブル
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリエ
ステル系エラストマー、SEBS:SEPSなどの熱可
塑性スチレン系エラストマー、熱可塑性ポリアミドエラ
ストマー等の熱可塑性エラストマーは優れた機械的強
度、低温での柔軟性を有することからケーブルの被覆材
料として用いられている。しかしながら、前述の様な熱
可塑性エラストマーをケーブルの被覆材料として多芯撚
線上に押出被覆すると、該熱可塑性エラストマーの通常
の押出成形温度では溶融粘度が低いためにケーブル外径
が安定せず、被覆する多芯撚線の形状がそのまま外側に
現れるような形状に押し出され、ケーブル断面を丸く仕
上げることができないという問題がある。この様な問題
を解決するために押出成形温度を下げて溶融粘度を高く
する方法が考えられるが、押出温度を下げると被覆層に
艶が無くなり、表面が粗れる等表面外観上の問題が発生
する。このため、多芯撚線上に一旦他の熱可塑性樹脂を
円形に被覆し、更にその上に熱可塑性エラストマーを押
出被覆する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
方法では丸み、外観は良好となるが、内層の熱可塑性樹
脂と外層の熱可塑性エラストマーとの接着性が悪く、完
成したケーブルの内層と外層の剥離が容易に起こりケー
ブルの皮剥ぎ時に外層だけが剥ぎ取られて内層が残る現
象が頻発し、端末加工作業性が著しく低い製品となる問
題点があった。かかる問題点を解消すべく本発明者は熱
可塑性エラストマーとの接着力が良好でケーブルとして
の絶縁特性等を損なわない内層形成用の樹脂につき鋭意
研究の結果、本発明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁導体を複
数本撚り合わせた多芯撚線の外側に被覆層を設けてなる
ケーブルにおいて、前記被覆層の最外層を熱可塑性エラ
ストマーをベース樹脂とする樹脂組成物で形成し、該最
外層と接する内層をエチレン系共重合体50〜98重量
%にエチレン−酢酸ビニル含有量が20重量%以上のエ
チレン−酢酸ビニル/塩化ビニルグラフト共重合体を2
〜50重量%を配合した混和物をベース樹脂とする樹脂
組成物で形成してなることを特徴とするものである。か
かる本発明ケーブルの内層を電離性放射線を照射して架
橋すと耐熱性、耐加熱変形性が向上する。効果的に架橋
するには、内層材料に多官能モノマーを添加して電離性
放射線を照射するとよい。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のケーブルにおいて、絶縁
導体を撚り合わせた多芯撚線上に設ける被覆層は二層以
上で、二層以上の被覆を成形するには、同時押出し或い
は内層を被覆した後に次の外層を順次押出被覆しても良
い。二層以上の多数層にする場合には最外層を熱可塑性
エラストマーをベース樹脂とする樹脂組成物で形成し、
該外層と接する内層を(a)エチレン系共重合体が50
〜98重量%に対し(b)エチレン−酢酸ビニル含有量
が20重量%以上のエチレン−酢酸ビニル/塩化ビニル
グラフト共重合体(以下EVA/VCグラフト共重合体
という)を2〜50重量%を配合した混和物をベース樹
脂とする樹脂組成物により形成する。
【0006】以下に本発明のケーブルの一実施形態を示
す。図1は本発明のケーブルの概略断面図である。1は
多芯撚線で、該多芯撚線1は導体(例えば外径0.18
mmφの錫メッキ軟銅線を20本撚り合わせて導体径1
mmφに仕上げた撚線導体)1aの上に、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル等からなる絶縁層1bを設けた絶縁
導体を複数本(図1では2本)撚り合わせた構成となっ
ている。2は多芯撚線1を被覆した被覆層で、該被覆層
2の内層2aは上記(a)及び(b)の混和物をベース
樹脂とする樹脂組成物で形成されている。なお、内層2
aを構成する前記樹脂組成物を架橋するとケーブルとし
ての耐熱性、耐加熱変形性が向上するので内層2aを架
橋することが好ましい。架橋方法としては、内層材料に
多官能モノマーを添加して電離性放射線を照射して架橋
する方法が適している。図1では被覆層2が内層2aと
外層2bとで構成されている例を示したが、内層2aは
二層以上に分けて形成してもよい。内層2aを多層とす
る場合には、少なくとも最外層2bと接する層を上記
(a)及び(b)の混和物をベース樹脂とする樹脂組成
物で形成する。内層2aに接する外層2bは熱可塑性エ
ラストマーをベースとする樹脂組成物により形成されて
いる。本発明のケーブルは多芯撚線1上に設けられる被
覆内層2aは被覆外層2bと接着性のよい特定の樹脂組
成物により形成するので内層2aと外層2bとは良く接
着し、このため熱可塑性エラストマーの持つ優れた機械
特性、低温特性を損なうことなく外観が良好で端末加工
で優れた皮むき性を有するものとなる。
【0007】本発明ケーブルの被覆内層2aに用いられ
る(a)のエチレン系共重合体は溶融時の流動性に優
れ、常温では柔軟性に優れた樹脂である。この様な樹脂
としてはエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下EV
A)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(以下E
EA)、エチレン−アクリル酸メチル(以下EMA)、
エチレン−アクリル酸(以下EAA)が挙げられ、これ
らの樹脂を単独で、または2種類以上をブレンドして用
いてもよい。これらの樹脂の内、被覆最外層2bを形成
する熱可塑性エラストマーとの接着性を考慮した場合に
はEVAが最も優れた接着性を示すが、電離性放射線照
射による架橋を行うと酢酸臭が強くEVA単体で用いる
場合には酸化マグネシウム等の酢酸トラップ剤を添加す
るか、EVAと他のエチレン系共重合体とをブレンドす
ると架橋しても酢酸臭の少ない樹脂組成物となるため、
EVAと他のエチレン系共重合体とを適量配合すると良
い。これらエチレン系共重合体のエチレン以外の共重合
体部分の含有量はケーブルの必要特性に応じて選択すれ
ば良いが、可撓性、押出性、機械的強度を考慮すると1
0〜30重量%の範囲のものが望ましい。
【0008】本発明に用いられる(b)のエチレン−酢
酸ビニル/塩化ビニルグラフト共重合体としては、例え
ば、「ZEST GR」(商品名、新第一塩ビ社製)な
どが市販されており、市販品各種グレードから適宜選択
して使用することができる。このグラフトマーは塩素を
含む樹脂のため高温使用や電離性放射線の照射を行うと
脱塩素反応により塩化水素を発生し、ケーブル表面を劣
化し、あるいは変色させ、または、導体やコネクターの
金属部分の腐食を起こすため、鉛、亜鉛、バリウム、カ
ルシウム等の化合物を安定剤として添加することが望ま
しい。本発明の内層を形成する樹脂組成物のベース樹脂
中の(a)成分の配合量は、50〜98重量%、好まし
くは70〜95重量%の範囲、従って(b)成分の配合
量は2〜50重量%、好ましくは5〜30重量%の範囲
とする。(b)成分の配合量が(a)成分に対して2重
量%よりも少ないと最外層の熱可塑性エラストマーとの
接着力が弱く、50重量%を越える場合には低温柔軟性
が低下して好ましくない。また、エチレン−酢酸ビニル
/塩化ビニルグラフト共重合体のエチレン−酢酸ビニル
含有率が20重量%以下でも低温柔軟性が低下するの
で、エチレン−酢酸ビニル含有率は20重量%以上とす
ることが好ましい。本発明の最外層を形成する熱可塑性
エラストマーとしては低温での柔軟性、機械的強度、耐
油性、耐薬品性に優れた樹脂例えば熱可塑性ポリウレタ
ンエラストマー(以下TPU)、熱可塑性ポリエステル
エラストマー(以下TPEE)、SEBS、SEPSな
どの熱可塑性スチレン系エラストマー(TPSE)、熱
可塑性ポリアミドエラストマー(以下TPAE)などが
挙げられ、市販品の各種グレードから特性に応じて適宜
選択して使用できる。
【0009】本発明ケーブルの耐熱性、耐油性、耐薬品
性を向上させるために被覆層2を架橋すると良い。架橋
方法としては従来公知の電離性放射線による架橋法や化
学架橋法が採用できるが、生産性の点から、電子線等の
電離性放射線の照射による架橋方法が好ましい。電子線
の線量は5〜30Mradが適当である。また、内、外
被覆層2を同時押出しで被覆したケーブルの耐熱性、耐
油性、耐薬品性を向上させるためには、被覆層を押出後
電離性放射線を照射しケーブル外層と内層の樹脂を架橋
する。内層の樹脂組成物は外層の肉厚によっては電離性
放射線が届き難いため低い照射線量でも架橋反応が進行
するように内層材料に多官能モノマー(トリメチロール
プロパントリメタクリレート、トリアリルシアヌレート
等)を架橋助剤として配合すると良い。配合量は架橋助
剤の種類によっても異なるが、樹脂100重量部に対し
0.5〜10重量部添加すると内層樹脂が十分に架橋
し、耐熱性、特に耐加熱変形性が著しく向上するととも
に、非架橋と比較して外層の熱可塑性エラストマーとの
接着性も向上する。
【0010】内層の架橋は化学架橋でも可能である。化
学架橋は、有機過酸化物を架橋剤として配合した樹脂組
成物を押出成形後に加熱処理により架橋を完了させる。
しかしながら化学架橋の場合、反応が進みすぎると内層
材料が硬化し過ぎてケーブルの可撓性を損なう危険性が
あるので、架橋に際しては反応の進み具合を慎重にチェ
ックし、ケーブルの可撓性を損なわない程度で架橋反応
を止める必要がある。最外層を形成する樹脂組成物も適
度に架橋されることにより、耐熱性、機械的強度等が向
上する。架橋度の指標としてはそのゲル分率が5〜50
重量%、好ましくは5〜30重量%の範囲において低温
柔軟性を損なわず耐熱性を向上させることができる。ゲ
ル分率が5%未満ではケーブルの使用環境である高温雰
囲気中でケーブルの被覆層が溶融し、ケーブルの保護層
としての機能を果たせないことがある。ゲル分率が50
重量%より多い場合には、ネットワーク構造が強固とな
るため、ケーブルの可撓性が失われ、ケーブル使用環境
である低温雰囲気中での割れを生じる危険性があるため
である。
【0011】本発明におけるケーブル被覆層の内層およ
び外層の樹脂組成物には、ケーブルにおいて一般的に使
用されている各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、金属
不活性剤、難燃剤、分散剤、着色剤、充填剤、滑剤等を
本発明の目的を損なわない範囲で適宜配合することがで
きる。酸化防止剤としては4,4’−ジオクチル・ジフ
ェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレン
ジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロ
キノリンの重合物等のアミン系酸化防止剤、ペンタエリ
スリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタ
デシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル
−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)ベンゼン等のフェノール系酸化防
止剤、ビス(2−メチル−4−(3−nアルキルチオプ
ロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)スルフ
ィド、2−メルカプトベンヅイミダゾールおよびその亜
鉛塩、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリ
ル−チオプロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤な
どがあげられる。
【0012】金属不活性剤としては、N,N’−ビス
(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニル)ヒドラジン、3−(N−サリチロ
イル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、2,2’−
オキサミドビス−(エチル3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)などが
あげられる。難燃剤としては、テトラブロモビスフェノ
ールA(TBA)、デカブロモジフェニルオキサイド
(DBDPO)、オクタブロモジフェニルエーテル(O
BDPE)、ヘキサブロモシクロドデカン(HBC
D)、ビストリブロモフェノキシエタン(BTBP
E)、トリブロモフェノール(TBP)、エチレンビス
テトラブロモフタルイミド、TBA・ポリカーボネート
オリゴマー、臭素化ポリスチレン、臭素化エポキシ、エ
チレンビスペンタブロモジフェニール、塩素化パラフィ
ン、ドデカクロロシクロオクタンなどのハロゲン系難燃
剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの無
機系難燃剤、リン酸化合物、ポリリン酸化合物、赤リン
化合物などのリン系難燃剤などがあげられる。難燃助
剤、充填剤としては、カーボン、クレー、酸化亜鉛、酸
化錫、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、三酸化アン
チモン、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、ほう酸亜鉛などがあげられる。
【0013】
【実施例】(実施例1〜14)図1に示すように、導体
1a(導体1mmφの錫メッキ軟銅撚線 構成20本/
0.18mmφ)の上に、低密度ポリエチレンを外径
1.7mmとなるように押出被覆し、これに加速電圧5
00keV、照射量20Mradの電子線を照射して架
橋ポリエチレン絶縁層1bを有する絶縁導体を作製し、
この絶縁導体を2本撚り合わせた多芯撚線1を用意し
た。上記多芯撚線1上に、40mmφ押出機(L/D=
25)を用い、ダイス温度180℃、以下フィーダー側
へC3=170℃、C2=160℃、C1=140℃を
標準の押出温度として表1〜3に示す内層2aを形成す
る樹脂組成物を外径4.2mmφとなるように押出被覆
して内層2aを形成した。次いで、該内層2aの上に表
1〜3に示す外層2bを形成する樹脂組成物を外径が
5.0mmφとなるように内層2aと同条件で押出被覆
し、実施例9、10については押出被覆後750keV
の加速電圧で電子線を照射して被覆層を架橋させ、図1
に示すような被覆層2が2層のケーブルを作製した。
【0014】(比較例1〜7)上記実施例で作製した多
芯撚線1に表4(比較例1〜5)に示す内層、外層形成
樹脂組成物を実施例と同一条件で押出被覆(比較例2の
みは押出温度を各測定点で10℃下げた温度で押出被
覆)し、被覆層が1層のケーブルを作製した。また、上
記実施例で作製した多芯撚線1に表5(比較例6、7)
に示す内層形成用樹脂組成物を実施例と同一条件で押出
被覆し、その上に表5に示す外層形成樹脂組成物を実施
例と同一条件で押出被覆して被覆層が2層のケーブルを
作製した。得られた各ケーブルについて、下記の試験方
法で各種の特性を評価し、その結果を表1〜表5に併記
した。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】
【表4】
【0019】
【表5】
【0020】1)ケーブル押出外観 ケーブル表面に艶があり平滑で良好な状態を○、艶が無
く表面が粗れていて艶の無い状態を×とした。 2)外径安定性 ケーブルの外径変化が無く、ケーブル断面が真円であり
長手方向に多芯撚線の撚り目の形に沿って変化しない状
態を○とし、ケーブルの外径変化があり、ケーブル断面
が真円でなく長手方向に多芯撚線の撚り目の形に変化し
ている状態を×とした。 3)内層と外層の剥離強度 ケーブル被覆層を半割りにした状態で図2の様に外層と
内層が180度となる治具を用い定速型引張り試験装置
で引張り速度50mm/minで剥離させその最大強度
を測定した。 4)低温巻付 −65℃に4時間以上放置したケーブルを、その雰囲気
中で12.5mmφのマンドレルに3ターン以上巻付
け、取り出し後ケーブル外観に割れがないか目で確認し
た。その後、日本自動車規格JASO D 608に定
められる1kV・1分の水中交流耐圧試験を行った。試
験数を5とし全数ケーブル外観に割れがなく耐圧試験に
合格した場合は○とし、一つでも割れがあったり耐圧試
験が不合格の場合には×とした。 5)引張強さ、伸び率 ケーブルより多芯撚線を除去した管状被覆層を長さ約1
00mmに切断し、その中心部に20mmの標線をつ
け、定速型引張り試験装置で速度500mm/minで
引張り試験を行った。破断時の力をケーブル断面積で割
った値をTSとし、破断時の伸び率をElとした。試験
数は5としその平均値を示した。
【0021】6)端末の皮剥性 内径4mmφの刃をもつワイヤーストリッパーを用い、
被覆層3cmを多芯撚線に傷をつけない様に皮剥した。
試験数は5で全数外層と内層が剥離せず1回で皮剥でき
た場合を○、外層と内層が剥離し外層だけ剥けたものが
一つでもある場合は×とした。 7)外層のゲル分率 ケーブル被覆層の外層のみを採取しTPU単体の場合は
ジメチルホルムアミド、他のエラストマーの場合はキシ
レンで110℃×24時間抽出した後乾燥し重量を測定
し、溶け残った重量をゲル分率とし溶剤抽出前の重量に
対する百分率で示した。なおTPUと他のエラストマー
の混和物の場合はキシレン110℃×24時間抽出し乾
燥した後、更にジメチルホルムアミドで抽出乾燥した。
試験数は3で表中にはその平均値を示した。 8)内層のゲル分率 ケーブル被覆層の内層のみを採取しキシレンで110℃
×24時間抽出した後乾燥し重量を測定し、溶け残った
重量をゲル分率とし溶剤抽出前の重量に対する百分率で
示した。試験数は3で表中にはその平均値を示した。 9)加熱変形率 加熱変形率測定機を用い、JISアンビルで試料長30
mmを120℃で30分予熱した後同じ雰囲気中で19
80gfで30分加圧した。加圧前と加圧後の外径変化
を百分率で示した。試験数は3で表中にはその平均値を
示した。
【0022】なお表1〜表5に示す各成分は下記のもの
を使用した。 (01)EVA:エチレン−酢酸ビニル共重合体 三井デュポンポリケミカル(株)製、商品名:エバフレ
ックス270 (02)EEA:エチレン−エチルアクリレート共重合
体 日本ユニカー(株)製、商品名:NUC6510 (03)EMA:エチレン−アクリル酸メチル共重合体 三菱油化(株)製、商品名:ユカロンEMA XG−5
00M (04)EAA:エチレン−アクリル酸共重合体 三菱油化(株)製、商品名:ユカロンEAA A200
K (05)EVA/VCグラフト共重合体1 新第一塩ビ(株)製、商品名:ZEST GR3Z(E
VA30wt%) (06)EVA/PVCグラフト共重合体2 新第一塩ビ(株)製、商品名:ZEST GR5FL
(EVA55wt%) (07)TPU:熱可塑性エーテル系ポリウレタンエラ
ストマー 日本ミラクトラン(株)製、商品名:E−385PNA
【0023】(08)TPEE:熱可塑性ポリエステル
系エラストマー 東レデュポン(株)製、商品名:ハイトレルHTC25
51 (09)TPSE:熱可塑性スチレン系エラストマー クラレ(株)製、商品名:セプトン2007 (10)TPAE:熱可塑性ポリアミドエラストマー ATOCHEM(株)製、商品名:ペバックス3533
SAOO (11)ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート) チバガイキー(株)製、商品名:イルガノックス101
0 (12)TMPT:トリメチロールプロパントリメタク
リレート 新中村化学(株)製、商品名:オグモントT−200 (13)亜鉛・カルシウム系安定剤 旭電化(株)製、商品名 FRA−101 (14)酸化マグネシウム 協和化学(株)製、商品名ミクロマグ3−150 (15)EVA/PVCグラフト共重合体3 新第一塩ビ(株)製、商品名:ZEST GR E(E
VA8wt%)
【0024】表1〜表3に示した結果より、実施例のケ
ーブルは、その被覆層が(a)エチレン系共重合体単体
もしくは数種を混和した樹脂が50〜98重量%に対し
(b)エチレン−酢酸ビニル/塩化ビニルグラフト共重
合体を2〜50重量%をベース樹脂とする樹脂組成物に
より形成された内層と、その上に熱可塑性エラストマー
で形成された外層とで形成されていることから、ケーブ
ル外径が安定するとともに断面が真円となり、更に外観
が良好なばかりでなく、内層と外層の接着性に優れてい
るため端末の皮むき性が良好である。
【0025】比較例1、2は、ポリウレタンエラストマ
ーのみを多芯撚線上に被覆したもので、比較例1を作製
した押出温度では、外径が安定せず、断面も真円ではな
かった。比較例2では比較例1より押出温度を10℃下
げたために外径は安定し断面も真円となったが外観に艶
がなく樹脂の未溶融分による突起もケーブル表面に発生
した。比較例3〜5は各熱可塑性エラストマーのみを絶
縁線上に被覆したが比較例1と同様に外径が安定せず、
断面も真円ではなかった。比較例6では内層材に配合す
るエチレン−酢酸ビニル/塩化ビニルグラフト共重合体
の量が2重量%より少ないため、外層と内層の接着力が
不十分で端末の皮むきを行うと外層のみが剥がれ内層の
皮が剥けないという不具合が生じた。比較例7ではグラ
フト共重合体の量が50重量%より多いため低温での可
撓性が劣悪となり割れが生じた。比較例8ではグラフト
重合体中のエチレン−酢酸ビニル含有率が8重量%と少
ないために低温での可撓性が悪く割れが生じ、目的とす
るケーブルは得られなかった。
【0026】
【発明の効果】以上詳述したように本発明は熱可塑性エ
ラストマーとの接着性に優れる熱可塑性樹脂を多芯撚線
上に内層として被覆し更にその上に熱可塑性エラストマ
ーを外層として被覆するため、ケーブル外径が長手方向
に安定している上に断面が真円となり、更に表面の平滑
さや艶等の外観が良好なばかりでなく、内層と外層の接
着性に優れているため皮むき性が良好であり、機械特
性、低温特性、柔軟性に優れたケーブルを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図である。
【図2】ケーブルの内層と外層の剥離と強度を測定する
測定例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 多芯撚線 1a 導体 1b 絶縁層 2 被覆層 2a 内層 2b 外層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BB061 BB071 BB081 BF031 BN082 EH076 EU186 FD010 FD070 FD090 FD130 FD146 FD170 FD200 GQ01 5G305 AA02 AB15 AB17 AB24 AB34 AB36 BA22 CA01 CA03 CA04 CA45 CA47 CA51 CA53 CB06 CB08 CD05 DA11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁導体を複数本撚り合わせた多芯撚線
    の外側に被覆層を設けてなるケーブルにおいて、前記被
    覆層の最外層を熱可塑性エラストマーをベース樹脂とす
    る樹脂組成物で形成し、該最外層と接する内層をエチレ
    ン系共重合体が50〜98重量%、エチレン−酢酸ビニ
    ル含有率が20重量%以上のエチレン−酢酸ビニル/塩
    化ビニルグラフト共重合体が2〜50重量%の割合で配
    合した混和物をベース樹脂とする樹脂組成物で形成して
    なることを特徴とするケーブル。
  2. 【請求項2】 前記内層を形成する樹脂組成物に多官能
    モノマーを添加し電離性放射線を照射することにより架
    橋してなることを特徴とする請求項1記載のケーブル。
JP10222191A 1998-08-06 1998-08-06 ケーブル Pending JP2000057848A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018003805A1 (ja) * 2016-06-29 2018-01-04 リケンテクノス株式会社 電線被覆用熱可塑性樹脂組成物、及びこれを用いた電線

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WO2018003805A1 (ja) * 2016-06-29 2018-01-04 リケンテクノス株式会社 電線被覆用熱可塑性樹脂組成物、及びこれを用いた電線

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