JP2000056914A - 座標抽出装置および方法 - Google Patents

座標抽出装置および方法

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JP2000056914A
JP2000056914A JP22085698A JP22085698A JP2000056914A JP 2000056914 A JP2000056914 A JP 2000056914A JP 22085698 A JP22085698 A JP 22085698A JP 22085698 A JP22085698 A JP 22085698A JP 2000056914 A JP2000056914 A JP 2000056914A
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JP22085698A
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Tetsuya Yamamoto
哲哉 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タッチパネルの押下状態を容易かつ確実に検
出する。 【解決手段】 座標抽出装置31は、感圧式のタッチパ
ネル35と共に用いられる。座標抽出装置31の制御部
41は、タッチパネル内の押圧点PPの座標検出処理の
前後の時点それぞれに、タッチパネル35内の4つの電
極のうち、タッチパネル35に加えられる圧力に応じて
変化する接触抵抗RC51に起因する電圧降下の影響を
受けるいずれか1つの電極の電位を、検出電位VP3と
して、A/D変換器43に検出させる。座標検出処理の
前後の時点の前記検出電位VP3がどちらも予め定める
閾電位以上である場合だけ、該座標検出処理で得られた
2次元座標を出力する。これによって座標抽出装置31
は、出力される座標の精度を、容易に向上させることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、感圧式のタッチパ
ネルの座標抽出装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、感圧式のタッチパネルを用いた座
標入力装置は、1次元または2次元の座標を入力可能な
入力装置として、様々な情報処理装置に用いられてい
る。これは、前記感圧式のタッチパネルを用いた座標入
力装置は、入力するべき座標の点を、人の指およびペン
のどちらでも指示することができるので、他の方式のタ
ッチパネルを用いた座標入力装置と比較して、操作性が
良いためである。感圧式タッチパネルの中で、抵抗膜対
向配置方式の感圧式タッチパネル(以後、「抵抗膜式タ
ッチパネル」と称する)が、前記座標入力装置の入力部
として広く採用されている。これは、抵抗膜式のタッチ
パネルは、構造が非常に単純なので、他の構造の感圧式
タッチパネルよりも製造コストが安く、かつ、タッチパ
ネルの大きさの制約が少ないからである。
【0003】図20は、従来技術の2次元座標検出用の
抵抗膜式タッチパネル1の構造を示す斜視図である。な
お前記斜視図には、抵抗膜式タッチパネル1の基本的な
等価回路図が、重ねて記載されている。本明細書では、
タッチパネルの構造を示す斜視図において、該タッチパ
ネルに重ねて破線で描かれた電気回路は、該タッチパネ
ルの基本的な等価回路図を示すものとする。
【0004】抵抗膜式タッチパネル1は、2枚の矩形の
抵抗膜3,4と2対の電極5〜8とを含む。2枚の抵抗
膜3,4は、微小な空隙を明けて平行に対向して配置さ
れる。2対の電極5〜8のうちの一対である一方および
他方X電極5,6は、2枚の抵抗膜のうちの一方である
X抵抗膜3の4辺のうち、相互に平行な2辺に、それぞ
れ接続される。2対の電極5〜8のうちの残余の一対で
ある一方および他方Y電極7,8は、2枚の抵抗膜3,
4のうちの他方であるY抵抗膜4の4辺のうち、2枚の
抵抗膜3,4が上述のように配置された状態で2つのX
電極5,6が接続されたX抵抗膜3の2辺とねじれの位
置にある2辺に、それぞれ接続される。
【0005】抵抗膜式タッチパネル1の基本的な等価回
路は,第1および第2X抵抗成分RX1,RX2と第1
および第2Y抵抗成分RY1,RY2と、押圧点PPに
おける2枚の抵抗膜3,4間の接触抵抗RC1とを含
む。第1および第2X抵抗成分RX1,RX2は、X抵
抗膜3内の、押圧点PPと一方および他方X電極5,6
との間の部分の抵抗である。第1および第2Y抵抗成分
RY1,RY2は、Y抵抗膜4内の、押圧点PPと一方
および他方Y電極7,8との間の部分の抵抗である。押
圧点PPは、抵抗膜式タッチパネル1内の1点である。
第1および第2X抵抗成分RX1,RX2が直列に接続
される。第1および第2Y抵抗成分RY1,RY2が直
列に接続される。第1および第2X抵抗成分RX1,R
X2間の接続点J1は、接触抵抗RC1を介して、第1
および第2Y抵抗成分RY1,RY2の接続点J2に接
続される。
【0006】抵抗膜式タッチパネル1において、押圧点
PPが押圧された場合、該点の2次元座標(X,Y)の
X座標を検出する手法は、以下のとおりである。押圧点
PPが押圧された場合、一方およびY抵抗膜3,4が押
圧点PPで接触する。前記X座標の検出のために、一方
X電極5が接地され、他方X電極6が予め定める基準電
位に保たれる。この状態で、一方Y電極7の電位が検出
される。前記電位は、押圧点PPの電位が、接触抵抗R
C1と第1Y抵抗成分RY1とを介して現れたものであ
る。電位検出後、検出された電位と前記基準電位との比
が求められ、2つのX電極5,6間の距離と前記比とを
用いて、前記X座標が求められる。以上がX座標の検出
手法の説明である。
【0007】前記点の2次元座標のY座標を検出する手
法は、X座標の検出手法と比較して、2つのX電極5,
6と2つのY電極7,8とが入換えられ、かつ、X抵抗
膜3とY抵抗膜4とが入換えられている点が異なり、他
は等しい。ゆえに抵抗膜式タッチパネル1を用いた座標
入力装置は、前記基準電位および接地電位を供給する基
準電源、一方X電極5および一方Y電極7の電位を検出
する電位検出部、ならびに検出された電位に基づきXお
よびY座標を求める座標算出部を含む。
【0008】以上説明したように、感圧式のタッチパネ
ル1を用いた座標入力装置は、原理的には、XおよびY
座標を算出するために、該タッチパネル1が押圧された
時点の押圧点PPの電位を検出する。このためたとえば
X座標は、前記電位検出部の入力インピーダンスが、接
触抵抗RC1と第1Y抵抗成分RY1との合成抵抗より
も充分に大きい場合だけ、正しく求められる。前記入力
インピーダンスが前記合成抵抗よりも大きくなるのは、
前記タッチパネルが予め定める基準圧力以上の圧力で押
下された状態である完全押下状態だけである。タッチパ
ネル1が前記基準圧力未満の圧力でしかに押下されてい
ない状態、およびタッチパネル1が全く押下されていな
い状態である非押下状態では、X座標を正しく求めるこ
とは困難であり、求められたX座標が異常な値を取る。
Y座標は、X座標と同じように、前記電位検出部の入力
インピーダンスが、接触抵抗RC1と第1X抵抗成分R
X1との合成抵抗よりも充分に大きい場合だけ、正しく
求められる。このため前記感圧式のタッチパネル1を備
える座標入力装置は、検出された全ての2次元座標のう
ちから、正しく求められた2次元座標だけを抽出する必
要がある。
【0009】検出された全ての座標か正確な座標を抽出
するための手法は2通りある。第1の抽出手法は、検出
された2次元座標そのものを用いて該2次元座標が正常
であるか否か直接判断し、2次元座標が異常であると判
断された場合、該2次元座標を切捨てる手法である。第
2の抽出手法は、タッチパネル1の現在の押下状態を認
識し、タッチパネル1が前記基準圧力以上の圧力で押下
されたと認識される間に得られる座標だけを有効座標と
して出力する手法である。前記2次元座標の正常または
異常を直接判断するためには、たとえば最新の2次元座
標と過去に得られた少なくとも1つの2次元座標とが比
較され、最新の2次元座標が過去の2次元座標と極端に
値が異なる場合、2次元座標が異常であると判断され
る。このように前記2次元座標を直接判断する場合、判
断のための処理が複雑になる。ゆえに、前記2次元座標
の抽出処理は、第2の抽出手法を用いるほうが容易にな
る。
【0010】一般的な感圧式タッチパネルの押下状態
は、たとえば該タッチパネルを押圧する圧力の変化に基
づいて認識することができる。特に抵抗膜式タッチパネ
ル1は、比較的容易に押下圧力の変化を検出することが
できる。これは、抵抗膜式タッチパネル1は、押下圧力
の変化に伴って2枚の抵抗膜間の接触抵抗RC1が変化
するので、接触抵抗RC1の変化を押下圧力の変化と見
なすことができるためである。従来の一般的な座標抽出
装置は、抵抗膜式タッチパネル1の接触抵抗RC1を測
定するために、概略的には、2つのX電極5,6のうち
のいずれか一方だけを予め定める基準電位に保ち、か
つ、2つのY電極7,8のうちのいずれか一方だけを予
め定める抵抗値の調整抵抗を介して接地した状態で、前
記いずれか一方のY電極の電位を検出する。検出された
電位は、接触抵抗RC1に起因する電圧降下の影響を受
け、さらに前記いずれか一方のX電極と押圧点PPとの
間にあるいずれか一方のX抵抗成分に起因する電圧降下
の影響を受ける。前記いずれか一方のX抵抗成分の抵抗
値は、押圧点PPのX座標に応じて変化する。ゆえに前
記座標抽出装置は、前記検出された電位に基づき接触抵
抗RC1を推定する場合、押圧点PPの2次元座標を考
慮しなければならないので、接触抵抗RC1を容易に推
定することは困難である。抵抗膜式タッチパネル1の接
触抵抗の変化を検出するための従来技術は、特開平6−
324787号公報と、特開平9−81301号公報と
に開示される。
【0011】図21は、特開平6−324787号公報
に開示される座標検出装置内の押下圧力の検出に関する
構成と、前記抵抗膜式タッチパネルとの接続状態とを示
す模式図である。図22は、図21の接続状態における
抵抗膜式タッチパネルの等価回路である。図21の抵抗
膜式タッチパネル1の基本構成および基本的な等価回路
は図20に示すものと等しいので、図22,23の抵抗
膜式タッチパネル1内の図20と等しい部分には図20
と同じ参照符を付し、詳細な説明は省略する。
【0012】前記接続状態において、2つのX電極5,
6が共に基準電位VCCが供給された基準ラインに接続
され、他方Y電極7が、調整抵抗RP1を介して接地さ
れる。この結果前記接続状態の等価回路において、第1
および第2X抵抗成分RX1,RX2が並列接続され、
該第1X抵抗成分RX1の一方端子が前記基準ラインに
接続され、該第1X抵抗成分RX1の他方端子が、接触
抵抗RC1と第1Y抵抗成分RY1と調整抵抗RP1と
をこの順で介して、接地される。
【0013】上述の接続状態において、前記座標検出装
置は、一方Y電極7の電位VP1、すなわち調整抵抗R
P1の両端部間の電圧を検出し、該電位VP1をA/D
コンバータでデジタル信号に変換して取込む。調整抵抗
RP1および2枚の抵抗膜3,4の具体的な抵抗値は、
基準抵抗RR1と2つのX抵抗成分RX1,RX2と第
1抵抗Y成分RY1とが、前記完全押下状態における接
触抵抗RC1よりも充分小さく、かつ、前記非押下状態
における接触抵抗RC1よりも充分大きくなるように、
設定されている。この結果検出される電位VP1は、前
記非押下状態で接地電位とほぼ等しく、接触抵抗RC1
の抵抗値の変化に伴って変化し、完全押下状態で基準電
位VCCとほぼ等しくなる。
【0014】ゆえに前記座標検出装置は、前記正常な2
次元座標だけを抽出するために、前記一方Y電極の電位
VP1を常に検出し、該電位VP1の変化に基づき接触
抵抗RC1の変化を推定し、該接触抵抗RC1の変化を
押下圧力の変化と見なす。前記座標検出装置は、前記押
下圧力の変化に基づきタッチパネルの押下状態を検出
し、押下状態が予め定める適正な状態である場合だけ、
2次元座標の検出を行い、検出された座標を出力する。
【0015】図22の等価回路図から分かるように、一
方Y電極7の電位VP1は、2つのX抵抗成分RX1,
RX2が並列に接続されて構成されるX並列合成抵抗R
XAに起因する電圧降下の影響を受ける。X並列合成抵
抗RXAは式1で定義される。なお本明細書では、等価
回路の特性に関する数式において、抵抗および抵抗成分
の抵抗値を、該抵抗および抵抗成分の参照符を用いて示
す。2つのX抵抗成分RX1,RX2の抵抗値の和はX
抵抗膜3の全抵抗値RXBと等しく、2つのX抵抗成分
RX1,RX2は式2〜式5に示す関係を満たす。
【0016】 RXA = RX1×RX2÷(RX1+RX2) …(1) RX1+RX2 = RXB …(2) 0 ≦ RX1 ≦ RXB …(3) 0 ≦ RX2 ≦ RXB …(4) RXA ≦ RXB÷4 …(5) 式5で示すように、式5で示すように、一方Y電極7の
電位VP1に対しX並列合成抵抗RXAに起因する電圧
降下の影響は、最大でいずれか一方のX抵抗成分に起因
する電圧降下の影響の4分の1でである。このように本
公報の座標検出装置は、2つのX電極RX1,RX2を
基準ラインに接続することによって、X抵抗膜3の影響
に起因する接触抵抗RC1の検出精度の低下を防止して
いる。以上が、特開平6−324787号公報の座標検
出装置の説明である。
【0017】図23は、特開平9−81301号公報に
開示される抵抗感圧型タブレットのペンオン検出方法を
用いた座標検出装置内の押下圧力の検出に関する構成、
および該構成と前記抵抗膜式タッチパネルとの第1の接
続状態を示す模式図である。図24は、図23の第1の
接続状態における抵抗膜式タッチパネルの等価回路図で
ある。図25は、前記座標検出装置内の押下圧力の検出
に関する構成、および該構成と前記抵抗膜式タッチパネ
ルとの第2の接続状態とを示す模式図である。図26
は、図25の第2の接続状態における抵抗膜式タッチパ
ネルの等価回路図である。図23〜図25を併せて説明
する。図23〜図26の抵抗感圧型タブレットの基本構
成および基本的な等価回路は図20に示すものと等しい
ので、抵抗感圧式タッチパネル内の図20〜23と等し
い部分には、図20〜23と同じ参照符を付しし、詳細
な説明は省略する。
【0018】前記第1接続状態において、他方X電極6
が前記基準ラインに接続され、一方Y端部端子7が、調
整抵抗RP1を介して接地される。この結果前記第1接
続状態における等価回路において、第2X抵抗成分RX
2の一方端子が前記基準ラインに接続され、該第2X抵
抗成分RX1の他方端子が、接触抵抗RC1と第1Y抵
抗成分RY1と調整抵抗RP1とをこの順で介して、接
地される。前記第2接続状態において、他方X電極6
が、調整抵抗RP1を介して前記基準ラインに接続さ
れ、一方Y端部端子7が接地される。この結果前記第2
接続状態における等価回路において、第2X抵抗成分R
X2の一方端子が調整抵抗RP1を介して前記基準ライ
ンに接続され、該第2X抵抗成分RX1の他方端子が、
接触抵抗RC1と第1Y抵抗成分RY1とをこの順で介
して、接地される。
【0019】上述の第1および第2接続状態において、
前記座標検出装置は、一方X電極5の電位VA1、他方
Y電極8の電位VA2、ならびに調整抵抗RP1と接続
されたいずれかの電極、すなわち他方X電極6および一
方Y電極7の電位VA3とを、A/Dコンバータでデジ
タル信号にそれぞれ変換して取込む。前記座標検出装置
は、これら3つの電位VA1〜VA3を用い、調整抵抗
RP1の両端子間の電圧VB、および、一方X電極5と
他方Y電極8との間の電圧VP2とを求め、両電圧V
B,VP2を比較する。前記電圧VB,VP2の比較結
果に基づき、接触抵抗RC1が求められる。
【0020】前記2つの電極5,8間の電圧VBは、前
記第1および第2の接続状態の等価回路における接触抵
抗RC1に起因する電圧降下を正確に反映し、前記調整
抵抗RP1の両端子間の電圧VP2は、該等価回路にお
ける調整抵抗RP1に起因する電圧降下に相当する。こ
のため前記2つの電圧VB,VP2を比較することによ
って、抵抗膜3,4の抵抗成分に起因する電圧降下の影
響が除かれ、接触抵抗RC1の抵抗値が正確に検出され
る。また調整抵抗RP1をファクターとして用いること
によって、押下圧力が充分であるか否かの判定の閾値と
して接触抵抗RC1と比較するべき値を用いることが容
易になっている。
【0021】ゆえに前記座標検出装置は、前記正常な2
次元座標だけを抽出するために、前記3つの電位VA1
〜VA3を常に検出し、該3つの電位VA1〜VA3の
変化に基づき接触抵抗RC1の変化を推定し、該接触抵
抗RC1の変化を押下圧力の変化と見なす。前記座標検
出装置は、前記押下圧力の変化に基づきタッチパネルの
押下状態を検出し、押下状態が予め定める適性な状態で
ある場合だけ、2次元座標の検出を行い、検出された座
標を出力する。以上が、特開平9−81301号公報の
座標検出装置の説明である。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】前述の抵抗膜式タッチ
パネル1において、2次元座標の検出精度を向上させる
には、タッチパネル1の押下圧力の変化を確実に測定す
る必要がある。このためには、2枚の抵抗膜3,4自身
がもつ抵抗成分RX1,RX2,RY1,RY2が押下
圧力の測定に与える影響を可能な限り排除し、接触抵抗
RC1に起因する電圧降下を精密に抽出する必要があ
る。
【0023】図22の等価回路図から分かるように、特
開平6−324787号公報の座標検出装置において、
第1Y抵抗成分RY1に起因する電圧降下は、一方Y電
極の電位VP1に直接影響する。ゆえに前記電圧降下
は、接触抵抗RC1の検出精度を低下させる原因になっ
ている。前記電圧効果の前記電位VP1への影響は、具
体的には以下の通りである。前記第1Y抵抗成分RY1
に起因する電圧降下は、非押下状態、すなわち接触抵抗
RC1が無限大(RC1≒∞)である状態では前記電位
VP1に影響せず、完全押下状態、すなわち接触抵抗R
C1が調整抵抗RP1よりも充分に小さい状態(RC1
<<RP1)、およびタッチパネル1が不完全に押圧さ
れる状態では前記電位VP1に影響する。これは、第1
Y抵抗成分RY1は、押圧点PPの位置に応じて、0以
上かつY抵抗膜4の全抵抗値RYA以下の範囲で変化す
るため、前記押圧点PPの位置の変化に応じて電圧降下
が変化し、該変化が前記電圧VP1に影響するのであ
る。ゆえに前記座標検出装置は、予め定められた固定の
閾値と測定された電位VP1との比較結果に基づき現在
の押下状態が適正であるか否かを判断することが、困難
である。これによって前記座標検出装置は、押下状態を
容易かつ正確に認識することが困難である。
【0024】特開平9−81301号公報の検出方法を
用いた座標検出装置は、図23〜図26から分かるよう
に、押下状態を正確に認識するために、接触抵抗RC1
だけに起因する電圧降下を算出している。前記座標検出
装置は、前記電圧降下の算出のために、タッチパネル1
内の3つの電極5,7,8の電位をそれぞれ測定し、測
定された3点の電位VA1〜VA3同士の差を算出する
必要がある。ゆえに前記座標検出装置は、押下状態認識
のための動作が極めて複雑になるので、該装置全体の処
理が複雑になり、該装置の製造コストが増加する。これ
によって前記座標検出装置において、抵抗膜式タッチパ
ネル1を用いる利点、すなわち製造コストが安く動作が
簡単である利点が削がれる。
【0025】また上記2つの公報の座標検出装置は、座
標の検出動作の前の時点だけに、押下状態の認識のため
の動作を行っている。このため座標の検出動作が完了し
た時点の押下状態が、検出動作前の時点の押下状態から
どのように変化しているかが判明されていない。検出さ
れた2次元座標の精度は、検出動作が行われる間に、完
全押下状態から不完全な押下状態または非押下状態に変
化する場合、低下する。ゆえにこれらの座標検出装置
は、前記座標の検出動作が行われる間、検出された2次
元座標が充分な精度を持つ程度の押下状態に保たれてい
ることを保証することは困難である。この結果これらの
座標検出装置から出力された座標が前記充分な精度を持
つ確率が、低下することがある。
【0026】本発明の目的は、感圧式のタッチパネルか
ら検出された全ての座標のうちから検出精度の高い座標
を抽出する座標抽出装置および方法において、座標の検
出動作がおこなわれている間の押下状態の認識と、前記
座標の抽出とを、容易かつ高い確度で行うことができる
座標抽出装置および方法を提供することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、1点を押
圧可能な感圧式のタッチパネル内の押圧された点の座標
を検出して出力する座標抽出装置において、前記座標の
検出前の第1時点に、前記タッチパネルに加えられる第
1圧力を測定する第1圧力測定手段と、前記タッチパネ
ル内の押圧された点の座標を検出する座標検出手段と、
前記座標の検出後の第2時点に、前記タッチパネルに加
えられる第2圧力を測定する第2圧力測定手段と、前記
第1および第2圧力に基づき、前記第1時点から前記第
2時点までの検出期間内に前記タッチパネルに予め定め
る基準圧力以上の圧力が加えられているか否かを判断す
る押下状態判断手段と、前記検出期間内に前記基準圧力
以上の圧力がタッチパネルに加えられていると判断され
た場合だけ、該検出期間内に検出された座標を出力する
座標出力手段とを含むことを特徴とする座標抽出装置で
ある。
【0028】第1の発明に従えば、前記座標抽出装置
は、座標検出手段が検出した全ての座標のうち、タッチ
パネルが前記基準圧力以上の圧力で押圧された状態、す
なわち充分な押下状態の間に検出された座標を、抽出す
る。このために前記第1および第2圧力測定手段は、座
標検出の前後の時点にタッチパネルに加えられる圧力を
それぞれ測定し、前記押下状態判断手段は、前記座標検
出が行われる期間内、すなわち前記検出期間内のタッチ
パネルの押下状態を、前記第1および第2圧力に基づい
て判断する。
【0029】第1時点の押下圧力検出から第2時点の押
下圧力検出までの期間、すなわち前記検出期間が極めて
短い場合、前記タッチパネルに加えられる圧力が前記基
準圧力未満の状態から基準圧力以上の状態に変化するの
に要する時間が短くても、前記第1および第2時点の押
下状態がどちらも前記充分な押下状態であるならば、前
記検出期間の間、前記充分な押下状態が常に保たれると
推測することができる。これによって前記座標出力手段
は、前記検出期間内のタッチパネルの押下状態を容易に
認識することができるので、検出精度の高い座標だけを
出力することができる。したがって、前記座標抽出装置
は、前記検出期間内の押下状態の認識と、前記検出精度
の高い座標の抽出とを、容易かつ高い確度で行うことが
できる。
【0030】第2の発明の座標抽出装置は、前記押下状
態判断手段は、前記第1および第2圧力と前記基準圧力
とをそれぞれ比較し、前記第1および第2圧力が共に前
記基準圧力以上である場合だけ、前記検出期間内に前記
タッチパネルに前記基準圧力以上の圧力が加えられてい
ると判断することを特徴とする。
【0031】第2の発明に従えば、前記座標抽出装置
は、第1の発明の座標抽出装置において、前記押下状態
判断手段が、前記第1および第2圧力と前記基準圧力と
の大小関係に基づいて、前記検出期間内のタッチパネル
の押下状態を判断する構成になっている。これによって
前記押下状態判断手段は、前記検出期間内のタッチパネ
ルの押下状態を、極めて容易な手段で判断することがで
きる。
【0032】また第2の発明の座標抽出装置において、
該装置と共に用いられるタッチパネルの特性および仕様
に応じて設定する必要があるのは前記基準圧力だけであ
る。これによって第2の発明の座標抽出装置は、前記基
準圧力をタッチパネルに応じて設定するだけで、座標抽
出装置全体の特性を変更することなく、様々な特性およ
び仕様のタッチパネルと共に用いることができる。した
がって前記座標抽出装置は、共に用いられるタッチパネ
ルの特性および仕様を変更する場合に該座標抽出装置全
体の特性を変更する必要がないため、用途に応じた特性
および仕様のタッチパネルと共に容易に利用することが
できる。
【0033】第3の発明の座標抽出装置は、前記第1圧
力と前記基準圧力とを比較し、前記第1圧力が前記基準
圧力未満である場合、前記第1圧力測定手段に前記圧力
の測定を再び行わせ、前記第1圧力が前記基準圧力以上
である場合、前記座標検出手段に座標の検出を行わせる
検出制御手段をさらに含むことを特徴とする。
【0034】第3の発明に従えば、前記座標抽出装置
は、第1の発明の座標抽出装置に加えて、前記第1圧力
測定手段および前記座標検出手段の制御のための検出制
御手段をさらに含む構成になっている。前記第1圧力が
前記基準圧力未満である場合、前記検出期間内の押下状
態が前記座標を正確に検出することが困難な押下状態、
すなわち不充分な押下状態になると予想される。前記検
出制御手段は、不充分な押下状態が保たれる間、前記座
標検出手段を休止させる。前記第3の発明の座標抽出装
置は、不充分な押下状態の間に行われる筈の座標検出処
理を省略することができるので、該座標検出処理に伴う
電力消費を抑えることができる。したがって前記座標抽
出装置は、第1時点の押下状態に拘わらず座標検出を常
に行う座標抽出装置よりも、消費電力を低減することが
できる。
【0035】第4の発明の座標抽出装置は、前記タッチ
パネルは、予め定める間隔を明けて対向する第1および
第2抵抗膜と、前記第1および第2抵抗膜の両端部にそ
れぞれ接続される4つの電極とを含み、前記第1抵抗膜
の両端部を通る直線に平行な第1座標軸と前記第2抵抗
膜の両端部を通る直線に平行な第2座標軸とが交差し、
前記第1および第2圧力測定手段は、前記第1および第
2時点における前記2枚の抵抗膜間の接触抵抗をそれぞ
れ測定し、前記接触抵抗に基づいて前記圧力を推定する
ことを特徴とする。
【0036】第4の発明に従えば、前記座標抽出装置
は、前記第1の発明の座標抽出装置において、前記タッ
チパネルが上述の構成であり、前記第1および第2圧力
測定手段が前記押下圧力を直接測定する代わりに前記接
触抵抗を測定する構成になっている。すなわち前記第4
の発明の座標抽出装置は、いわゆる抵抗膜対向方式の感
圧式タッチパネルと共に用いられる。前記抵抗膜対向方
式の感圧式タッチパネルは、一般的に、該タッチパネル
への押下圧力の変化に伴い、2枚の抵抗膜間の接触抵抗
が変化する。これによって前記座標抽出装置は、前記タ
ッチパネルの電気的な特性を測定する回路だけを用い、
前記第1および第2時点の押下状態を容易に推測するこ
とができる。
【0037】第5の発明の座標抽出装置は、一方および
他方端子が予め定める第1および第2検出基準電位にそ
れぞれ保たれる基準電源をさらに含み、前記第1および
第2圧力測定手段は、予め定める抵抗値の基準抵抗を含
み、前記第1抵抗膜の両端部の電極が前記基準電源の一
方端子にそれぞれ接続され、かつ、前記第2抵抗膜の両
端部の電極が短絡されて該電極の接続点が前記基準抵抗
を介して前記基準電源の他方端子に接続された状態で、
前記第2抵抗膜の両端部の電極のうちのいずれか一方の
電位を測定し、測定された電位に基づいて前記接触抵抗
を推定することを特徴とする。
【0038】第5の発明に従えば、前記座標抽出装置
は、前記第4の発明の座標抽出装置において、前記第1
および第2圧力測定手段が上述のように動作する構成に
なっている。前記タッチパネル内の4つの前記電極と前
記基準電源とが上述のように接続されることによって、
前記接触抵抗に起因する電圧降下に対する、前記2枚の
抵抗膜の抵抗成分に起因する影響が、従来技術の座標検
出装置における該電圧降下の測定時の前記影響よりも、
極力小さくなる。前記接触抵抗に起因する電圧降下は、
前記第2抵抗膜の両端部の電極のうちのいずれか一方の
電位と前記第2基準電位との電位差に相当する。したが
って前記第5の発明の座標抽出装置は、前記接触抵抗に
起因する電圧降下を精密に測定することができるので、
該電圧降下に基づき押下状態を容易かつ正確に推測する
ことができる。
【0039】第6の発明の座標抽出装置は、一方および
他方端子が予め定める第1および第2検出基準電位にそ
れぞれ保たれる基準電源をさらに含み、前記第1および
第2圧力測定手段は、予め定める抵抗値の第1および第
2基準抵抗を含み、前記第1抵抗膜の両端部の電極が前
記基準電源の一方端子にそれぞれ接続され、かつ前記第
2抵抗膜の両端部の電極が前記第1および第2基準抵抗
を介して前記基準電源の他方端子にそれぞれ接続された
状態で、前記第2抵抗膜の両端部の電極のうちのいずれ
か一方の電位を測定し、測定された電位に基づいて前記
接触抵抗を推定することを特徴とする。
【0040】第6の発明に従えば、前記座標抽出装置
は、前記第4の発明の座標抽出装置において、前記第1
および第2圧力測定手段が上述のように動作する構成に
なっている。前記電極タッチパネル内の4つの前記電極
と前記基準電源とが上述のように接続されることによっ
て、前記接触抵抗に起因する電圧降下に対する前記2枚
の抵抗膜の抵抗成分に起因する影響と、該電圧降下に対
する押圧された点の位置に起因する影響とが、従来技術
の座標検出装置における該電圧降下の測定時の前記影響
よりも、極力小さくなる。したがって前記第6の発明の
座標抽出装置は、前記接触抵抗に起因する電圧降下をさ
らに精密に測定することができるので、該電圧降下に基
づき押下状態を容易かつ正確に推測することができる。
【0041】第7の発明は、1点を押圧可能な感圧式の
タッチパネル内の押圧された1点の座標を検出して出力
する座標抽出方法において、前記座標の検出前の第1時
点に、前記タッチパネルに加えられる第1圧力を測定す
る処理と、前記タッチパネル内の押圧された点の座標を
検出する処理と、前記座標の検出後の第2時点に、前記
タッチパネルに加えられる第2圧力を測定する処理と、
前記第1および第2圧力に基づき、前記第1時点から前
記第2時点までの検出期間内に前記タッチパネルに予め
定める基準圧力以上の圧力が加えられているか否かを判
断し、前記検出期間内に前記基準圧力以上の圧力がタッ
チパネルに加えられていると判断された場合だけ、該検
出期間内に検出された座標を出力する処理とを含むこと
を特徴とする座標抽出方法である。
【0042】第7の発明に従えば、前記座標抽出方法
は、座標検出の前後の時点に測定されたタッチパネルへ
の圧力に基づき、検出された全ての座標のうち、タッチ
パネルの押下状態が前記充分な押下状態である間に検出
された座標を抽出させる。これによって、前記座標抽出
方法は、前記第1の発明の座標抽出装置で説明した理由
と同じ理由に基づき、前記検出期間内の押下状態の認識
と、前記検出精度の高い座標の抽出とを、容易かつ高い
確度で行うことができる。
【0043】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施の形
態である座標抽出装置31を含む座標入力装置2の概略
的な電気的構成を示すブロック図である。座標入力装置
32は、たとえば情報処理装置33の入力部として用い
られる。情報処理装置33は、座標入力装置32と、座
標入力装置32から入力された座標の処理および該座標
入力装置32の制御を行うための情報機器34とを含
む。
【0044】座標入力装置32は、座標抽出装置31の
他に、感圧式のタッチパネル35を含む。タッチパネル
35は、本実施の形態では抵抗膜対向方式の感圧式タッ
チパネルであると仮定する。座標抽出装置31は、制御
部41,外部回路42,アナログ/デジタル(以後「A
/D」と略称する)変換器43、選択器44、記憶装置
45、および基準電源46を含む。なお図面では、A/
D変換器を「A/Dコンバータ」と記載し、選択器44
を「セレクタ」と記載する。
【0045】制御部41は、座標抽出装置31全体を制
御するためのものであり、概略的には、タッチパネル3
5内の操作者に指示された点の座標の検出処理と、タッ
チパネル35に加えられる圧力の測定処理と、前記座標
の出力の制御処理とを行い、さらに上記3つの処理のた
めに、外部回路42、A/D変換器43、選択器44、
および記憶装置45をそれぞれ制御する。外部回路42
は、基準電源46およびA/D変換器43とタッチパネ
ル35の後述の4つの電極端子との間に介在される。外
部回路42は、基準電源46とタッチパネル35との接
続状態を変更するための接続切換え部であり、制御部4
1からの制御信号によって指示される組合わせで、前記
4つの電極端子と基準電源46の2つの電源端子とを接
続する。
【0046】A/D変換器43は、タッチパネル35の
4つの電極端子のうちの2つの電位を、外部回路42を
介して測定し、測定した電位をデジタル信号に変換し
て、該デジタル信号を選択器44を介して記憶装置45
に記憶させる。選択器44は、A/D変換器43から出
力されるデジタル信号の出力先を変更するための出力切
換え部であり、制御部41からの制御信号に応答して動
作する。制御部41は、記憶装置45に記憶されたデジ
タル信号に基づいて、上述した各種の処理を行う。また
制御部41は、前記情報機器34との間で、予め定める
インタフェイスに基づいて、データおよび制御信号を送
受する。
【0047】図2は、前記座標入力装置32の具体的な
電気的構成を示す図である。なお図2内のタッチパネル
を示す斜視図には、該タッチパネルの基本的な等価回路
図が、重ねて記載されている。本明細書では、タッチパ
ネルの構造を示す斜視図において、該タッチパネルに重
ねて破線で描かれた電気回路は、該タッチパネルの基本
的な等価回路図を示すものとする。
【0048】タッチパネル1は、2枚の矩形の抵抗膜5
1,52と、4つの電極53〜56と、4つの電極端子
57〜60とを含む。2枚の抵抗膜51,52は、図3
に示すように、微小な空隙を明けて平行に、対向して配
置される。2対の電極53〜56のうちの一対である一
方および他方X電極53,54は、2枚の抵抗膜51,
52のうちの一方であるX抵抗膜51の4辺のうち、相
互に平行な2辺に、それぞれ接続される。2対の電極5
3〜56のうちの残余の一対である一方および他方Y電
極55,56は、2枚の抵抗膜51,52のうちの他方
であるY抵抗膜52の4辺のうち、2枚の抵抗膜51,
52が上述のように配置された状態で2つのX電極5
3,54が接続されたX抵抗膜51の2辺とねじれの位
置にある2辺に、それぞれ接続される。4つの電極端子
57〜60は、4つの電極53〜56にそれぞれ接続さ
れる。
【0049】タッチパネル35に設定される2次元座標
系のうち、X座標軸61はX電極53,54を結ぶ仮想
線分と平行であり、Y座標軸62はY電極55,56を
結ぶ仮想線分と平行である。本実施の形態では、前記2
本の仮想線分が直交すると仮定する。XおよびY抵抗膜
51,52は、可撓性のある導電性材料の薄膜で実現さ
れる。各抵抗膜51,52内の抵抗率はそれぞれ均一で
あり、各抵抗膜51,52内の任意の2つの部位の抵抗
率は、それぞれ相互に等しい。4つの電極53〜56と
XおよびY抵抗膜51,52との配置関係が上述したよ
うになっているならば、XおよびY抵抗膜51,52は
矩形でなくてもよい。
【0050】操作者は、座標入力装置52によって情報
機器34へ座標を入力しようとする場合、図4に示すよ
うに、2枚の抵抗膜51,52のうちのいずれか一方の
抵抗膜内の1点を、操作者自身の指または棒状の部材6
4によって、押圧する。これによって前記いずれか一方
の抵抗膜は前記1点を中心にして変形する、前記1点に
加えられる圧力が予め定める基準圧力以上である場合、
前記いずれか一方の抵抗膜は2枚の抵抗膜のうちのいず
れか他方の抵抗膜と、前記1点で接触する。
【0051】以後の説明では、前記タッチパネル内の押
圧された点を押圧点PPと称し、2枚の抵抗膜51,5
2に圧力が加えられていない状態を非押下状態と称し、
いずれか一方の抵抗膜が予め定める基準圧力以上の圧力
で押下された状態を完全押下状態と称し、いずれか一方
の抵抗膜が予め定める基準圧力未満の圧力で押下された
状態を不完全押下状態と称する。また非押下状態におい
て、タッチパネル内の任意の点を押圧点PPと称するこ
とがある。2枚の抵抗膜51,52間の間隔WDは、非
押下状態において2枚の抵抗膜51,52が相互に接触
せず、完全押下状態において2枚の抵抗膜51,52が
押下点PPで充分に接触する程度の距離に設定される。
【0052】タッチパネル35の基本的な等価回路は,
第1および第2X抵抗成分RX51,RX52と、第1
および第2Y抵抗成分RY51,RY52と、2枚の抵
抗膜51,52間の接触抵抗RC51とを含む。第1お
よび第2X抵抗成分RX51,RX52は、X抵抗膜5
1内の、押圧点PPと一方および他方X電極53,54
との間の部分の抵抗である。第1および第2Y抵抗成分
RY51,RY52は、Y抵抗膜52内の、押圧点PP
と一方および他方Y電極55,56との間の部分の抵抗
である。すなわち各XおよびY抵抗成分RX51,RX
52;RY51,RY52は、XおよびY抵抗膜51,
52の全抵抗RXC,RYCの押圧点PPにおける分圧
抵抗である。接触抵抗RC51は、2枚の抵抗膜51,
52間に電流が流れることを想定する場合に、2枚の抵
抗膜51,52間に介在されると仮定される抵抗に相当
する。
【0053】第1および第2X抵抗成分RX51,RX
52は直列に接続される。第1および第2Y抵抗成分R
Y51,RY52は直列に接続される。第1および第2
X抵抗成分RX51,RX52間の接続点J51は、接
触抵抗RC51を介して、第1および第2Y抵抗成分R
Y51,RY52間の接続点J52に接続される。各抵
抗成分RX51,RX52,RY51,RY52の接続
点J51,J52と反対側の端子が、各電極53〜56
に相当する。前記2つの接続点J51,52の位置は、
押圧点PPと等しい。
【0054】制御部41は、第1〜第8制御信号を出力
するための第1〜第8制御端子PO1〜PO8と、後述
する検出電位VP3を示すデジタル信号を入力するため
の第1入力端子PI1とを含む。A/D変換器43は、
2チャネルのアナログ入力端子TA0,TA1と、チャ
ネルおよび動作制御端子TSADC,TCSと、1チャ
ネルのデジタル出力端子TDとを含む。選択器44は、
1つの入力端子TMIと、出力先制御端子TSMと、3
つの出力端子TMO0〜TMO2とを含む。記憶装置4
5は、3つの記憶部66〜68を含む。基準電源46
は、予め定める基準電位VCCを保つ供給電源端子69
と、予め定める接地電位(0V)を保つ接地電源端子7
0とを含む。任意の回路素子の端子が供給電源端子69
に接続された場合、該端子の電位は基準電位VCCに保
たれる。任意の回路素子の端子が、接地電源端子70に
接続された場合、該端子は接地される。外部回路42
は、第1〜第6トランジスタQ1〜Q6と、スイッチン
グ素子SW1と、第1〜第3NOT回路INV1〜IN
V3と、基準抵抗RP51とを含む。
【0055】制御部41の第1,第3および第4制御端
子PO1,PO3,PO4は、第1,第3および第4ト
ランジスタQ1,Q3,Q4のベース端子にそれぞれ接
続され、第2,第5および第6制御端子PO2,PO
5,PO6は、第1〜第3NOT回路INV1〜INV
3を介して、第2,第5および第6トランジスタQ2,
Q5,Q6のベース端子にそれぞれ接続される。制御部
41の第4および第7制御端子PO4,PO7は、A/
D変換器43のチャネルおよび動作制御端子TSAD
C,TCDにそれぞれ接続され、第8制御端子PO8お
よび第1入力端子PI1は選択器44の出力先制御端子
TSMおよび第3出力端子TMO2にそれぞれ接続され
る。
【0056】一方X電極53は、第1電極端子57を介
して、第2トランジスタQ2のコレクタ端子と、第3ト
ランジスタQ3のエミッタ端子と、A/D変換器43の
第1チャネルのアナログ入力端子TA0とに、接続され
る。他方X電極54は、第2電極端子58を介して、第
1トランジスタQ1のエミッタ端子に接続される。一方
Y電極55は、第3電極端子59を介して、第5および
第6トランジスタQ5,Q6のコレクタ端子と、A/D
変換器43の第2チャネルのアナログ入力端子TA1
と、スイッチング素子SW1の一方個別接点とに、接続
される。他方Y電極56は、第4電極端子60を介し
て、第4トランジスタQ4のエミッタ端子と、スイッチ
ング素子SW1の他方個別接点とに接続される。
【0057】スイッチング素子SW1の制御端子は、第
2NOT回路INV2を介して、制御部の第6制御端子
に接続される。基準電源46の供給電源端子69は、第
1、第3および第4トランジスタQ1,Q3,Q4のコ
レクタ端子に接続される。第2および第5トランジスタ
Q2,Q5のエミッタ端子は直接接地され、第6トラン
ジスタQ6のエミッタ端子は、第1基準抵抗RP51を
介して接地される。AD変換器43のデジタル出力端子
TDは、選択器44の入力端子TMIに接続される。選
択器44の第1および第2出力端子TMO0,TMO1
は、記憶装置45内のXおよびY座標データ格納用の記
憶部66,67に接続される。
【0058】第1〜第6トランジスタQ1〜Q6は、ス
イッチング素子として働き、ベース端子に与えられる制
御信号がハイレベルである間、エミッタおよびコレクタ
端子間に電流が通過可能なオン状態となり、該制御信号
がローレベルである間、前記端子間の電流を遮断するオ
フ状態となる。ゆえに第1〜第6トランジスタQ1〜Q
6は、制御部41からの制御信号によって、以下のよう
に個別に制御される。第1,第3および第4制御端子P
O1,PO3,PO4からの制御信号がそれぞれハイレ
ベルである場合、第1,第3および第4トランジスタQ
1,Q3,Q4はそれぞれオン状態となり、この結果他
方および一方X電極54,53ならびに他方Y電極56
の電位が基準電位VCCにそれぞれ保たれる。第2およ
び第5制御端子PO2,PO5からの制御信号がローレ
ベルである場合、第2および第5トランジスタQ2,Q
5はオン状態となり、この結果一方Xおよび一方Y端部
端子53,55がそれぞれ接地される。第6制御端子P
O6からの制御信号がローレベルである場合、第6トラ
ンジスタQ6はオン状態となり、この結果一方Y端部端
子55が、基準抵抗RP51を介して接地される。
【0059】スイッチング素子SW1は、アナログスイ
ッチであり、制御端子に与えられる制御信号がハイレベ
ルである場合だけ、第1および第2個別接点間に電流が
通過可能なオン状態になる。ゆえにスイッチング素子S
W1は、制御部41の第6制御端子PO6からの制御信
号がローレベルである場合にオン状態になり、この結果
一方および他方Y電極55,56が短絡される。
【0060】制御部41は、第2および第3トランジス
タQ2,Q3が同時にオン状態とならないように、か
つ、第5および第6トランジスタQ4,Q5ならびにス
イッチング素子SW1が同時にオン状態にならないよう
に、制御している。さらに制御部41は、第4トランジ
スタとスイッチング素子SW1とが同時にオン状態にな
らないように、制御している。外部回路42は、第1〜
第6トランジスタQ1〜Q6の代わりに、第1〜第6制
御端子PO1〜PO6からの制御信号に応答して2つの
個別接点間を導通/遮断するスイッチング素子をそれぞ
れ用いてもよい。
【0061】A/D変換器43は、チャネル制御端子T
SADCに入力される制御信号に応答し、2つのアナロ
グ入力端子TA0,TA1のうちのいずれか一方を選択
する。A/D変換器43は、動作制御端子TCSに入力
される制御信号に応答し、動作するか休止するかを選択
する。A/D変換器43の2つのアナログ入力端子TA
0,TA1の入力インピーダンスは、第1および第2X
抵抗成分RX51,RX52ならびに第1および第2Y
抵抗成分RY51,RY52よりも充分に大きい。ゆえ
に、前記入力インピーダンスは、電位が測定されるタッ
チパネル内の部位、すなわち測定部位の電位に、影響を
及ぼさない。選択器44は、出力先制御端子TSMに与
えられる制御信号に応答し、3つの出力端子TMO0〜
TMO2のうちからいずれか1つの出力端子を選び、入
力端子TMIから入力されたデータを、選ばれたいずれ
か1つの出力端子から出力する。
【0062】以後の説明では、A/D変換器43は、チ
ャネル制御端子TSADCに入力される制御信号がロー
レベルである場合、第1チャネルのアナログ入力端子T
A0を選び、該制御信号がハイレベルである場合、第2
チャネルのアナログ入力TA1を選び、動作制御端子T
CSに入力される制御信号がハイレベルである場合に動
作し、該制御信号がローレベルである場合に休止すると
仮定する。また以後の説明では、選択器44は、出力先
制御端子TSMに与えられる制御信号が、「0」,
「1」,「2」である場合、それぞれ出力端子TMO0
〜TMO2を選ぶと仮定する。
【0063】図5は、座標抽出装置31の動作を概略的
に説明するためのフローチャートである。座標抽出装置
31は、座標抽出装置31内部の構成部品41〜45を
動作させるための電力が供給された時点で、ステップA
1からステップA2に進む。座標抽出装置31は、ステ
ップA2で、座標検出および押下圧力測定を行わない待
機状態になる。制御部41は、前記待機状態を、ステッ
プA2に移行した時点から予め定める待機時間だけ保
つ。前記時点から前記待機時間経過後、ステップA2か
らステップA3に進む。
【0064】制御部41は、ステップA3で、外部回路
42によって基準電源46とタッチパネル35との接続
状態を押下圧力検出のための予め定める状態にさせ、か
つ、A/D変換器43を押下圧力検出部として動作させ
て、押下圧力判断処理を行う。この結果A/D変換器4
3は、座標検出前の時点である第1時点においてタッチ
パネル35に加えられる第1押下圧力を示す指標とし
て、第1時点のタッチパネルの接触抵抗RC51を検出
する。制御部41は、検出された第1時点の接触抵抗R
C51に基づいて、前記第1時点におけるタッチパネル
35の押下状態を認識する。
【0065】押下状態認識後、制御部41は、ステップ
A4で検出制御部として動作し、第1時点の押下状態
が、座標を正確に検出するのに充分な押下状態、すなわ
ち前記完全押下状態であるか否かを判断する。第1時点
の押下状態が座標を正確に検出するのに不充分な押下状
態である場合、すなわち前記非押下状態または不完全押
下状態である場合、ステップA4からステップA2に戻
り、制御部41は座標抽出装置31全体を待機状態にす
る。第1時点の押下状態が完全押下状態である場合、ス
テップA4からステップA5に進む。
【0066】制御部41は、ステップA5,A6で、外
部回路42によって基準電源46とタッチパネル35と
の接続状態をXおよびY座標検出のための予め定める状
態にさせ、かつ、A/D変換器43を座標検出部として
動作させ、座標検出動作を行う。すなわちA/D変換器
43は、ステップA5で、ステップA5の時点のタッチ
パネル35内の押圧点PPのX座標を示すデジタル信号
であるX座標データを求め、、記憶装置45のX座標格
納用の記憶部66に記憶させ、ステップA6で、ステッ
プA6の時点のタッチパネル35内の押圧点PPのY座
標を示すデジタル信号であるY座標データを求め、記憶
装置45のY座標格納用の記憶部67に記憶させる。こ
の結果ステップA5,A6間内におけるタッチパネル3
5内の押圧点PPの2次元座標を示す座標データが、得
られる。
【0067】2次元座標検出後、制御部41は、ステッ
プA7で外部回路42によって基準電源46とタッチパ
ネル35との接続状態を前記押下圧力検出のための状態
にさせ、A/D変換器43を外部回路42を押下圧力検
出部として再び動作させ、押下圧力判断処理を行う。こ
の結果外部回路42は、座標検出後の時点である第2時
点においてタッチパネル35に加えられる第2押下圧力
を示す指標として、第2時点のタッチパネルの接触抵抗
RC51を検出する。制御部41は、検出された第2時
点の接触抵抗RC51に基づいて前記第2時点における
タッチパネル35の押下状態を認識する。
【0068】押下状態認識後、制御部41は、ステップ
A8〜A10で、ステップA5,A6で検出された2次
元座標の送出を制御する出力制御部として動作する。こ
のために制御部41は、ステップA8で、第2時点の押
下状態が前記充分な押下状態であるか否かを判断する。
第2時点の押下状態が前記不充分な押下状態である場
合、ステップA8からステップA9に進み、第2時点の
押下状態が前記充分な押下状態である場合、ステップA
8からステップA10に進む。制御部41は、ステップ
A9で前記2次元座標の送出を禁止し、ステップA10
で前記2次元座標の送出を許可する。すなわち制御部4
1は、検出された全ての2次元座標のうち、座標検出の
前後の時点、すなわち第1および第2時点の押下状態が
どちらも前記充分な押下状態である場合に得られた座標
だけを出力し、第1および第2時点のうちの少なくとも
一方の時点の押下状態が不十分な押下状態である場合に
得られた座標は出力しない。
【0069】記憶装置45は、前記送出が許可された場
合だけ、情報機器34からの制御信号または制御部41
からの制御信号に応答して、記憶装置45内のXおよび
Y座標データ格納用の記憶部66,67内に記憶される
XおよびY座標を、単一の2次元座標として、情報機器
34に与える。記憶装置45は、前記送出が禁止された
場合、前記制御信号に応答しない。また制御部41は、
ステップA9で、前記2次元座標を廃棄してもよい。こ
の結果記憶装置45は、第2時点の押下状態が前記不充
分な押下状態である場合、前記制御信号に応答しても、
送出するべき2次元座標がないので、結果的に2次元座
標を送出しないことになる。ステップA9,A10の処
理終了後、ステップA2に戻る。以後、座標抽出装置へ
の電力供給が停止するまで、ステップA2〜A10の処
理が選択的に繰返される。前記電力供給が停止した時点
で、前記フローチャートの動作が中途終了される。以上
が座標抽出装置31の動作の説明である。
【0070】図5のステップA3〜A7の処理に要する
時間は、押下座標の移動速度に対して、極めて短い時間
しか必要としない。ゆえに前記時間は、数kHzあるい
はさらに高速なサイクルで変換を行うA/D変換器43
が4サイクル分の変換を行う時間に設定されれば充分で
ある。このため、たとえば操作者が指または棒状部材で
タッチパネル35を押下したまま、該指または棒状部材
を移動させた場合、押下点PPの座標が変化する前に、
ステップA3〜A7の処理が完了する。前記待機時間
は、ステップA3〜A7が実行される間隔をあけ、座標
抽出装置の電力消費を押さえるために設けられており、
タッチパネル35のサイズ、A/D変換器43の解像
度、押下座標の移動速度を考慮して設定する。たとえ
ば、タッチパネル35の押下検出有効範囲を10.24
cm角の範囲、A/D変換器43の解像度を8bit、
タッチパネル押下状態での指または棒状部材の移動速度
を5cm/sと仮定した場合、座標が1移動するのに8
msの時間がかかることになる。この場合、X,Y各軸
の座標は、0〜255の値を取る。これは、8ms以内
の間隔毎にステップA3〜A7が実行されれば、最大精
度で座標の変化を捉えられることを示しており、たとえ
ば、前記待期期間を8msと設定することで、最大精度
で座標の変化を捉え、かつ最小限の電力消費で動作させ
ることが可能になる。
【0071】図6は、接触抵抗RC51と押下状態との
関係を示すための接触抵抗RC51の時間変化を示すグ
ラフである。図6を用いて、図5で示す座標抽出装置3
1の動作の効果を説明する。図6の説明は、以下のよう
に仮定して行う。図5のフローチャートのうちのステッ
プA4の処理が省略されており、第1時点の押下圧力に
拘わらず、常に座標検出が行われる。座標抽出装置31
は、第1〜第4検出期間WT1〜WT4それぞれにおい
て、座標検出処理および座標検出前後の押下圧力検出処
理を行う。タッチパネル35は、第1検出期間WT1内
には全く押圧されず、第2検出期間WT2の始端時刻T
3経過後に押下され始め、第2検出期間WT2の終端時
刻T4から第3検出期間WT3を経て第4検出期間WT
4の始端時刻T7に至る間、押下され続け、前記始端時
刻T7経過後に押下が終了し、第4検出期間WT4の終
端時刻T8に、全く押下されていない状態に戻る。前記
各検出期間WT1〜WT4の長さは、タッチパネル35
の押下状態が非押下状態から完全押下状態に移行しさら
に非押下状態に戻るのに要する時間よりも短いと仮定す
る。接触抵抗RC51は、非押下状態で最大、たとえば
無限大であり、完全押下状態で最小であり、押下圧力が
大きくなるほど小さくなる。
【0072】第1検出期間WT1において、座標検出処
理の開始前および終了後の時刻T1,T2における接触
抵抗は、XおよびY抵抗膜51,52の抵抗値と比較し
て、極めて大きい。ゆえに第1検出期間WT1内におけ
る接触抵抗RC51は極めて大きいと推測される。すな
わち、第1検出期間WT1の始端および終端時刻T1,
T2における押下状態が前記不充分な押下状態であるの
で、前記検出期間内の押下状態も不充分な押下状態に保
たれると推測される。ゆえに第1検出期間WT1内に検
出された2次元座標は異常であると予測される。これ
は、タッチパネル35内の押圧点の座標の検出は、A/
D変換器43の入力インピーダンスが接触抵抗RC51
および他方Y抵抗成分RY52の合成抵抗の抵抗値より
も充分大きい場合だけ、正確に検出可能であり、前記入
力インピーダンスが前記合成抵抗の抵抗値よりも充分に
大きくなるのは、タッチパネル35が完全押下状態にな
っている場合だけであるからである。これらのことに基
づき、制御部41は、第1検出期間WT1内に検出され
た2次元座標の出力を禁止する。
【0073】第2検出期間WT2において、始端時刻T
3の接触抵抗RC51がXおよびY抵抗膜51,52の
抵抗値よりも充分に大きく、終端時刻T4の接触抵抗R
C51は前記基準抵抗よりも充分小さい。この場合、座
標検出処理が開始されるまでに接触抵抗RC51が充分
小さくなっているとは限らないので、検出された2次元
座標が必ず正しいとは限らない。これに基づき、制御部
41は、第2検出期間WT2内に検出された2次元座標
の出力を禁止する。
【0074】第3検出期間WT3において、座標検出処
理の開始前および終了後の時刻T5,T6における接触
抵抗RC51は、XおよびY抵抗膜51,52の抵抗値
よりも極めて小さい。ゆえに第3検出期間WT3内にお
ける接触抵抗RC51は、前記基準抵抗よりも極めて小
さいと推測されるので、第3検出期間WT3内に検出さ
れた2次元座標は正常であると予想される。これに基づ
き制御部41は、第3検出期間WT3内に検出された2
次元座標の出力を許容する。
【0075】第4検出期間WT4において、始端時刻T
7における接触抵抗RC51は前記基準抵抗よりも充分
小さく、終端時刻T8の接触抵抗RC51はXおよびY
抵抗膜の抵抗値51,52よりも充分大きい。この場
合、座標検出が行われる間の接触抵抗が充分小さいまま
保たれるとは限らないので、検出された2次元座標が必
ず正しいとは限らない。これに基づき、制御部41は、
第4検出期間WT4内に検出された2次元座標の出力を
禁止する。
【0076】以上のように制御部41は、座標検出前後
の時点の接触抵抗RC51が共に充分に小さい場合だ
け、2次元座標の出力を許容する。これによって制御部
41は、座標抽出装置31から情報機器34へ、正常で
あると予想される2次元座標だけを与えることができ
る。したがって座標抽出装置31から出力される座標の
精度が向上する。
【0077】また上述したように、検出される2次元座
標は座標検出前後の時点の接触抵抗RC51が抵抗膜5
1,52の抵抗値よりも充分に小さい場合だけ正常に検
出可能なので、座標検出前の時点の接触抵抗が抵抗膜5
1,52の抵抗値よりも充分大きい場合、該時点後の座
標検出で検出された2次元座標が異常である可能性が充
分大きいことが容易に予想される。このため制御部41
は、図5のステップA4で示すように、座標検出前の第
1時点における接触抵抗RC51が充分大きい場合、該
第1時点後に座標検出を行わない。この結果座標抽出装
置31は、タッチパネル35が充分に押圧されていない
間、前記予め定める時間おきに第1時点の押下圧力検出
処理だけを行い、座標検出処理および第2時点の押下圧
力検出処理を省略する。この結果座標抽出装置31は、
ステップA4の処理を行わない場合よりも、電力消費量
を削減することができる。座標入力装置32の実際の使
用状況において、タッチパネル35が押下されている期
間よりも押下されていない期間のほうかはるかに長い。
ゆえに上述のような手順で電力消費量を削減する場合、
省電力効果が極めて大きくなり、タッチパネル35の寿
命も充分に延ばすことができる。
【0078】さらに座標抽出装置31は、ステップA2
の待機状態においてタッチパネル35に電圧を印加しな
いようにしてもよい。この場合座標抽出装置31は、待
機状態中もタッチパネル35に電圧を印加する場合より
も、タッチパネル35に電圧を印加する期間を短縮する
ことができるため、前記場合よりも電力消費量を削減す
ることができる。またステップA4の処理とステップA
2の待機状態における電圧印加の停止とを併用すれば、
座標抽出装置31の電力消費量を出来る限り削減するこ
とができる。以上が座標抽出装置31の動作の効果の説
明である。
【0079】図7は、図5のフローチャートのステップ
A5において、座標抽出装置31がタッチパネル35内
の押圧点PPのX座標を検出する場合の、タッチパネル
35と座標抽出装置31内の構成部品との接続状態を示
す斜視図である。図8は、図7の接続状態におけるタッ
チパネル35の等価回路図である。図7と図8とを併せ
て、押圧点PPのX座標の検出手法を以下に詳細に説明
する。
【0080】制御部41は、ステップA5の処理を行う
場合、第1,第5,および第6制御端子PO1,PO
5,PO6から出力される制御信号をハイレベルに保
ち、第2〜第4制御端子PO2〜PO4から出力される
制御信号をローレベルに保つ。この結果第1および第2
トランジスタQ1,Q2がオン状態になり、第3〜第6
トランジスタQ3〜Q6およびスイッチング素子SW1
がオフ状態になり、A/D変換器43は第1チャネルの
アナログ入力端子TA0からのアナログ信号を入力する
状態になる。したがって一方X電極53が接地され、他
方X電極54が供給電源端子69に接続される。すなわ
ち前記接続状態の等価回路は、第1および第2X抵抗成
分RX51,RX52が供給電源端子69と接地電源端
子70との間に直列に接続されて介在され、第1および
第2X抵抗成分RX51,RX52間の接続点J51と
A/D変換器43の第1チャネルのアナログ入力端子T
A0との間に、接触抵抗RC521および第1Y抵抗成
分RY51が直列に介在されて、構成される。
【0081】外部回路42が基準電源46とタッチパネ
ル35とを上述のように接続した状態で、制御部41
は、第7制御端子PO7からの制御信号をハイレベルに
保ち、第8制御端子PO8からの制御信号を「0」に保
つ。この結果A/D変換器43は、第1チャネルのアナ
ログ入力端子TA0に与えられたアナログ信号、すなわ
ち電位が一方Y電極55の電位と等しいアナログ電気信
号をデジタル信号に変換して出力し、選択器44は、A
/D変換器43から出力されるデジタル信号を、押圧点
PPの2次元座標のX座標の算出に用いるべきX座標デ
ータとして、第1出力端子TMO0からX座標データ格
納用の記憶部66に与えて記憶させる。情報機器41か
ら押圧点PPの2次元座標が要求された場合、記憶装置
45は、前記X座標データを制御部41に与える。制御
部41は、X座標データが示す電位と前記基準電位VC
Cと2つのX電極5,6間の距離とを用いて、押圧点P
PのX座標を求め、情報機器34に与える。
【0082】X座標データが示す電位、すなわち一方Y
電極55の電位に基づいて、X座標が算出できるのは、
以下の理由からである。押圧点PPが押圧された場合、
XおよびY抵抗膜51,52が押圧点PPで接触する。
この状態における一方Y電極55の電位は、押圧点PP
の電位、すなわち一方X電極RX51の両端子間の電圧
VXが、接触抵抗RC1と第1Y抵抗成分RY1とを介
して現れたものである。各抵抗膜51,52の内部の抵
抗率が均一である場合、一方および他方X電極53,5
4間の全抵抗RXCと一方X電極53と押圧点PPとの
間の抵抗成分RX51との比は、一方および端部X電極
53,54間の距離WX11と一方X電極53から押圧
点PPまでの距離WX12との比と等しい。前記2つの
X電極53,54間の全抵抗RXCは、第1および第2
抵抗成分RX51,RX52の直列合成抵抗であり、式
6に示すように、第1および第2X抵抗成分RX51,
RX52の和と等しい。
【0083】 RXC = RX51+RX52 …(6) ゆえに第1X抵抗成分RX51の両端子間の電圧VXと
一方および他方X電極53,54間の電圧、すなわち一
方Y電極55の電位と基準電位VCCとの比が、前記2
つの距離WX11,WX12の比と等しい。ゆえに制御
部41は、一方Y電極55の電位が分かれば、該電位と
基準電位VCCとの比を算出し、該比と前記2つのX電
極55間の距離WX11に基づき、前記押圧点のX座標
を求めることができるのである。以上がステップA5の
X座標の検出処理の説明である。
【0084】図9は、図5のフローチャートのステップ
A6において、座標抽出装置31がタッチパネル35内
の押圧点PPのY座標を検出する場合の、タッチパネル
35と座標抽出装置31内の構成部品との接続状態を示
す斜視図である。図10は、図9の接続状態におけるタ
ッチパネル35の等価回路図である。図9と図10とを
併せて、押圧点PPのY座標の検出手法を以下に詳細に
説明する。
【0085】制御部41は、ステップA6の処理を行う
場合、第2〜第4および第6制御端子PO2〜PO4,
PO6から出力される制御信号をハイレベルに保ち、第
1および第5制御端子PO1,PO5から出力される制
御信号をローレベルに保つ。この結果第4および第5ト
ランジスタQ4,Q5がオン状態になり、第1〜第3お
よび第6トランジスタQ1〜Q3,Q6およびスイッチ
ング素子SW1がオフ状態になり、A/D変換器43は
第2チャネルのアナログ入力端子TA1からのアナログ
信号を入力する状態になる。したがって一方Y電極55
が接地され、他方Y電極56が供給電源端子69に接続
される。すなわち前記接続状態の等価回路は、第1およ
び第2Y抵抗成分RY51,RY52が供給電源端子6
9と接地電源端子70との間に直列に接続されて介在さ
れ、第1および第2Y抵抗成分RY51,RY52間の
接続点J52とA/D変換器43の第2チャネルのアナ
ログ入力端子TA1との間に、接触抵抗RC51および
第1X抵抗成分RX51が直列に介在されて構成され
る。
【0086】外部回路42が基準電源46とタッチパネ
ル35とを上述のように接続した状態で、制御部41
は、第7制御端子PO7からの制御信号をハイレベルに
保ち、第8制御端子PO8からの制御信号を「1」に保
つ。この結果A/D変換器43は、第2チャネルのアナ
ログ入力端子TA1に与えられたアナログ信号、すなわ
ち電位が一方X電極53の電位と等しいアナログ信号
を、デジタル信号に変換して出力する。一方X電極53
の電位は、押圧点PPの電位、すなわち一方Y電極RX
51の両端子間の電圧VYが、接触抵抗RC51と第1
X抵抗成分RX51とを介して現れたものである。選択
器44は、A/D変換器43から出力されるデジタル信
号を、押圧点PPの2次元座標のY座標の算出に用いら
れるY座標データとして、第2出力端子TMO1からY
座標データ格納用の記憶部67に与えて記憶させる。情
報機器34から押圧点PPの2次元座標が要求された場
合、記憶装置45は、前記Y座標データを制御部41に
与える。制御部41は、Y座標データが示す電位と基準
電位VCCと2つのY電極55,56間の距離とを用い
て、押圧点PPのY座標を求め、情報機器34に与え
る。
【0087】Y座標データが示す電位、すなわち一方X
電極53の電位に基づいて、Y座標が算出できるのは、
以下の理由からである。押圧点PPが押圧された場合、
XおよびY抵抗膜51,52が押圧点PPで接触する。
各抵抗膜51,52の内部の抵抗率が均一である場合、
一方および他方Y電極55,56間の全抵抗RYCと一
方Y電極55および押圧点PP間の抵抗成分RY51と
の比は、一方および端部Y電極55,56間の距離WY
11と一方Y電極55から押圧点PPまでの間の距離W
Y12との比と等しく、かつ、前記距離の比は、第1Y
抵抗成分RY51の両端子間の電圧VYと一方および他
方Y電極55,56間の電圧との比、すなわち一方X電
極53の電位と基準電位VCCとの比と等しい。前記2
つのY電極55,56間の全抵抗RYCは、第1および
第2Y抵抗成分RY51,RY52の直列合成抵抗であ
り、式7に示すように、第1および第2Y抵抗成分の和
と等しい。ゆえに制御部41は、一方X電極53の電位
が分かれば、該電位と基準電位VCCとの比を算出し、
該比と前記2つのY電極55,56間の距離WY11に
基づき、前記押圧点のY座標を求めることができるので
ある。以上が、ステップA6のY座標の検出処理の説明
である。
【0088】 RYC = RY51+RY52 …(7) 図11は、図5のフローチャートのステップA3,A7
において、座標抽出装置31がタッチパネル35の押下
圧力判定処理を行う場合のタッチパネル35と座標抽出
装置31内の構成部品との接続状態を示す斜視図であ
る。図12は図11の接続状態におけるタッチパネル3
5の等価回路図である。図11と図12とを併せて、タ
ッチパネル35の押下状態の判断手法を以下に詳細に説
明する。
【0089】ステップA3,A7の処理を行う場合、制
御部41は、第1〜第3および第5制御端子PO1〜P
O3,PO5から出力される制御信号をハイレベルに保
ち、第4および第6制御端子PO4,PO6から出力さ
れる制御信号をローレベルに保つ。この結果第1,第
3,および第6トランジスタQ1,Q3,Q6ならびに
スイッチング素子SW1がオン状態になり、第2,第4
および第5トランジスタQ2,Q4,Q5がオフ状態に
なり、A/D変換器43は第1チャネルのアナログ入力
端子TA0からのアナログ信号を入力する状態になる。
スイッチング素子SW1がオン状態になるので、一方お
よび他方Y電極55,56が短絡される。
【0090】したがってタッチパネル35の4つの電極
53〜56のうち、一方および他方Y電極55,56の
接続点J53が基準抵抗RP51を介して接地され、一
方および他方X電極53,54が供給電源端子69にそ
れぞれ接続され、前記接続点J53がA/D変換器43
の第2チャネルのアナログ入力端子TA1に接続され
る。すなわち前記接続状態の等価回路は、X並列合成抵
抗RXDと接触抵抗RC51とY並列合成抵抗RYDと
基準抵抗RP51とが、この順で供給電源端子69と接
地電源端子70との間に介在されて構成される。X並列
合成抵抗RXDは、第1および第2X抵抗成分RX5
1,RX52が並列接続されて構成される。Y並列合成
抵抗RYDは、第1および第2Y抵抗成分RY51,R
Y52が並列接続されて構成される。
【0091】外部回路42が基準電源46とタッチパネ
ル35とを上述のように接続した状態で、制御部41
は、第7制御端子PO7からの制御信号をハイレベルに
保ち、第8制御端子PO8からの制御信号を「2」に保
つ。この結果A/D変換器43は、第1チャネルのアナ
ログ入力端子TA1に与えられたアナログ信号、すなわ
ち第1Y電極55の電位である検出電位VP3の電気信
号をデジタル信号に変換して、制御部41の入力端子P
I1に与える。検出電位VP3は、一方および他方Y電
極55,56の接続点J53の電位でもあり、基準抵抗
RP51の両端子間の電圧VP3に相当する。制御部4
1は、入力端子PI1に与えられたデジタル信号が示す
検出電位VP3と、予め定める比較用の基準電位である
閾電位とを比較する。前記閾電位を示すデジタル信号
は、押下圧力基準値格納用の記憶部68内に記憶され
る。制御部41は、検出電位VP3が閾電位以上である
場合、現時点の押下状態は2次元座標を正確に検出する
のに充分な押下状態であると判断し、検出電位VP3が
閾電位未満である場合、現時点の押下状態は2次元座標
を正確に検出するのに不充分な押下状態であると判断す
る。
【0092】X並列合成抵抗RXDの抵抗値は、式8に
示すように、第1および第2X抵抗成分RX51,RX
52の抵抗値の逆数の和の逆数であり、Y並列合成抵抗
RYDの抵抗値は、式9に示すように、第1および第2
Y抵抗成分RY51,RY52の抵抗値の逆数の和の逆
数である。第1および第2X抵抗成分RX51は、X抵
抗膜51の分圧抵抗なので、式10で示すように、一方
X抵抗成分RX51は、それぞれ0以上でかつX抵抗膜
51の両電極間の全抵抗RXC以下であり、かつ、2つ
のX抵抗成分RX51,RX52の和が前記全抵抗RX
Cになる。他方X抵抗成分RX52に関しても同じこと
がいえる。また式11に示すように、各Y抵抗成分RY
51,RY52は、各X抵抗成分と同じ理由に基づき、
0以上でY抵抗膜52の両電極55,56間の全抵抗R
YC以下であり、かつ、2つのY抵抗成分の和は前記全
抵抗RYCになる。各抵抗成分RX51,RX52,R
Y51,RY52と接触抵抗RC51と基準抵抗RP5
1とが図12に示すように接続されているので、検出電
圧VP3は、式12に示すように定義される。
【0093】
【数1】
【0094】検出電位VP3に基づき現時点の押下状態
を判断することができるのは、以下の理由からである。
基準抵抗RP51が常に予め定める抵抗値を保つと仮定
すると、検出電圧VP3は、前述の式8〜式11に基づ
き、接触抵抗RC51と押圧点PPのXおよびY座標に
応じて変化することが分かる。接触抵抗RC51は、タ
ッチパネル35の押下状態が前記充分な押下状態である
場合に、XおよびY抵抗膜51,52の抵抗値RXC,
RYCよりも極めて大きくなり、前記不充分な押下状態
である場合に該抵抗値RXC,RYCよりも極めて小さ
くなる。ゆえにタッチパネル35の押下状態が前記充分
な押下状態である場合の検出電圧VP3は、前記不充分
な押下状態である場合の検出電圧VP3よりも大きくな
ることが分かる。このように検出電圧VP3は、押下状
態の変化に応じて、押下圧力が大きくなるほど小さくな
るので、検出電圧VP3の変化に基づき、現時点の押下
状態を推定することができるのである。
【0095】前記閾電位は、前記不充分な押下状態にお
いて一方Y電極55に現れる電圧以上であり、かつ、前
記充分な押下状態において一方Y電極55に現れる電圧
以下になるように、タッチパネル35の特性および仕様
に応じて設定される。前記タッチパネルの特性は、たと
えば前記抵抗膜51,52の導電率であり、前記タッチ
パネルの仕様は、たとえばタッチパネルの大きさであ
る。前記閾電位を示す信号は、記憶装置45に記憶され
ており、制御部41は必要なときに前記信号を読出し、
前記閾電位を取得する。前記閾電位は、たとえば、座標
抽出装置31と共に用いられるタッチパネル35の特性
および仕様に合わせて情報機器34が設定し、前記記憶
装置の記憶部68に、記憶させてもよい。これによって
座標抽出装置31は、前記閾電位だけを共に用いるタッ
チパネルの特性および仕様に応じて設定するだけで、座
標抽出装置31自体の回路構成および特性を変更するこ
となく、様々なタッチパネルの押下状態を容易かつ精度
よく推定することができる。
【0096】図13は、従来技術の座標抽出装置がタッ
チパネル1の押下圧力判定処理を行う場合のタッチパネ
ルと前記座標抽出装置内の構成部品との接続状態を示す
斜視図である。図14は図13の接続状態におけるタッ
チパネルの等価回路図である。図13と図14とを併せ
て、従来技術の一般的なタッチパネルの押下状態の判断
手法と、本実施の携帯のタッチパネル35の押下状態の
判断手法との差異を説明する。なお図13では、タッチ
パネルは本実施の形態で説明したものと同じと仮定し、
同一の部分には同一の参照符を付し、説明は省略する。
【0097】従来技術の座標抽出装置は、押下圧力の判
定のために、他方X電極54を基準電源端子に接続し、
一方Y電極55を基準抵抗RP1を介して接地し、一方
Y電極55の電位を、検出電位VP4として計測する。
一方Y電極53および他方Y電極56にそれぞれ接続さ
れる電極端子は、どちらも開放されたままである。ゆえ
に前記接続状態の等価回路は、基準電源端子と接地電源
端子との間に、他方X抵抗成分RX52、接触抵抗RC
51、一方Y抵抗成分RY51、および基準抵抗RP5
1が、この順で直列に介在されて構成される。このよう
な接続状態のタッチパネル35において、一方Y電極5
5に現れる検出電位VP4は、以下の式13で示され
る。
【0098】
【数2】
【0099】式12に示す本実施の形態の座標抽出装置
が計測する検出電圧VP3と、式13に示す従来の座標
抽出装置が計測する検出電圧VP4とを比較する。第2
Xおよび第1Y抵抗成分RX52,RY51は、以下の
式14,15に示すように、それぞれ0以上かつXおよ
びY直列合成抵抗RXC,RYC以下であり、Xおよび
Y並列合成抵抗RXD,RYDは、以下の式16,17
に示すように、それぞれ0以上XおよびY直列合成抵抗
RXC,RYCの4分の1以下である。2つの検出電圧
VP4,VP3は、基準抵抗RP51が常に一定である
場合、前述したように、接触抵抗RC51と押圧点PP
の位置とに応じて定められる。
【0100】
【数3】
【0101】第2X抵抗成分RX52および第1Y抵抗
成分RY51、ならびにXおよびY並列合成抵抗RX
D,RYDは、押圧点PPの位置に応じて変化する。こ
の際、図11と図13とで押圧点の位置の変化量が等し
いと仮定すると、XおよびY並列合成抵抗RXD,RY
Dは、第2Xおよび第1Y抵抗成分RX52,RY51
よりも、押圧点の位置変化に応じた変化量が少ない。こ
れらのことから本実施形態の座標抽出装置の検出電位V
P3は、前記従来の座標抽出装置の検出電位VP4より
も、接触抵抗RC51の計測時の押圧点の位置に起因す
る影響を受けにくく、接触抵抗RC51の変化、すなわ
ち押下圧力の変化に忠実に追従することが分かる。以上
の結果本実施の形態の座標抽出装置31は、現時点の押
下状態の判定時に押圧点PPの位置の影響を受けにくい
ので、従来技術の座標抽出装置よりも押下状態を確実に
推測することができる。
【0102】図15は、本発明の第2の実施の形態であ
る座標抽出装置81を含む座標入力装置82の具体的な
電気的構成を示す図である。第2の実施の形態の座標抽
出装置81は、第1の実施の形態の座標抽出装置31と
比較して、外部回路の構造および押下圧力測定処理の詳
細が異なり、他の構造および処理は等しい。ゆえに以下
の説明において、第2の実施の形態の座標抽出装置81
のうち、第1の実施の形態の座標抽出装置31と同じ部
品には同じ参照符を付し、該座標抽出装置31と同じ構
造の部分および同じ処理に関する説明は省略する。
【0103】第2の実施の形態の座標入力装置82は、
第2の実施の形態の座標抽出装置81の他に、タッチパ
ネル35を含む。座標入力装置82は、情報機器34の
入力部として用いられる。座標抽出装置81は、制御部
41とA/D変換器43と選択器44と記憶装置45と
外部回路84とを含む。第2の実施の形態の外部回路8
4は、第1〜第7トランジスタQ1〜Q7と第1および
第2基準抵抗RP61,RP62とを含む。第1〜第6
トランジスタQ1〜Q6と、タッチパネル35および制
御部41との接続関係は、第1の実施の形態の外部回路
42と等しい。
【0104】第6トランジスタQ6のエミッタ端子は、
第1の実施の形態の基準抵抗RP51に代わって、第1
基準抵抗RP61を介して接地される。第7トランジス
タQ7のベース端子は、第2NOT回路INV2を介し
て制御部41の第6制御端子PO6に接続される。第7
トランジスタQ7のコレクタ端子は、基準電源46の供
給電源端子69に接続され、第7トランジスタQ7のエ
ミッタ端子は、第2基準抵抗RP62を介して接地され
る。第1および第2基準抵抗RP61,RP62の抵抗
値は、予め定められて固定であり、相互に等しい。
【0105】第6および第7トランジスタQ6,Q7
は、制御部41の第6制御端子PO6から出力される制
御信号によってそれぞれ制御され、該制御信号がローレ
ベルである場合にどちらもオン状態になる。この結果一
方および他方Y電極55,56は、前記場合に、第1お
よび第2基準抵抗RP61,RP62をそれぞれ介し
て、接地する。制御部41は、第2および第3トランジ
スタQ2,Q3が同時にオン状態になること、第4およ
び第7トランジスタQ4,Q7が同時にオン状態になる
こと、第5および第6トランジスタQ5,Q6が同時に
オン状態になることがそれぞれないように、外部回路8
4を制御する。
【0106】第2の実施の形態の座標抽出装置81の座
標抽出のための概略的な処理は、図5,6で説明した処
理と等しい。XおよびY座標の検出のための具体的な処
理は、図7〜10で説明した処理とそれぞれ等しい。X
およびY座標の検出処理が行われる間、座標抽出装置8
1の制御部41は、第6制御端子PO6から出力される
制御信号をハイレベルに保つので、第6および第7トラ
ンジスタQ6,Q7が常にオフ状態に保たれる。このた
め前記検出処理のための接続状態における第2の実施の
形態の座標抽出装置81の等価回路は、第1の実施の形
態の座標抽出装置31の等価回路と等しくなっている。
【0107】図16は、第2の実施の形態の座標抽出装
置81がタッチパネル35の押下圧力判定処理を行う場
合のタッチパネル35と座標抽出装置81内の構成部品
との接続状態を示す斜視図である。図17は図16の接
続状態におけるタッチパネル35の等価回路図である。
図16と図17とを併せて、タッチパネル35の押下状
態の判断手法を以下に詳細に説明する。
【0108】制御部41は、第1〜第3および第5制御
端子PO1〜PO3,PO5から出力される制御信号を
ハイレベルに保ち、第4および第6制御端子PO4,P
O6から出力される制御信号をローレベルに保つ。この
結果外部回路42において、第1,第3,第6および第
7トランジスタQ1,Q3,Q6,Q7がオン状態にな
り、第2,第4および第5トランジスタQ2,Q4,Q
5がオフ状態になり、A/D変換器43は第1チャネル
のアナログ入力端子TA0からのアナログ信号を入力す
る状態になる。
【0109】したがってタッチパネル35の4つの電極
53〜56のうち、一方および他方Y電極55,56が
第1および第2基準抵抗RP61,RP62をそれぞれ
介して接地され、一方および他方X電極53,54が供
給電源端子69にそれぞれ接続され、一方Y電極55が
A/D変換器43の第1チャネルのアナログ入力端子T
A0に接続される。すなわち前記接続状態の等価回路
は、X並列合成抵抗RXDと接触抵抗RC51と第1Y
抵抗成分RY51と第1基準抵抗RP61とが、この順
で供給電源端子69と接地電源端子70との間に介在さ
れ、さらに第2Y抵抗成分と第2基準抵抗RP62と
が、この順で接触抵抗RC51と接地電源端子70との
間に介在される構成になっている。
【0110】外部回路84が基準電源46の2つの端子
とタッチパネル35の4つの端子とを上述のように接続
した状態で、制御部41は、第7制御端子PO7からの
制御信号をハイレベルに保ち、第8制御端子PO8から
の制御信号を「2」に保つ。この結果A/D変換器43
は、第1チャネルのアナログ入力端子TA0に与えられ
たアナログ信号、すなわち一方Y電極55の検出電位V
P5をデジタル信号に変換する。検出電位VP5取得後
の選択器44および制御部41の動作は、第1の実施の
形態における検出電位VP3取得後の選択器44および
制御部41の動作と比較して、第1の実施の形態の検出
電位VP3を第2の実施の形態の検出電位VP5に置換
えた点が異なり、他は等しい。この結果制御部41は、
第1Y抵抗成分RY51の電位VP5に基づき、現時点
のタッチパネル35の押下状態を推定することができ
る。
【0111】一方Y電極55の電位に基づき現時点の押
下状態を判断することができるのは、以下の理由からで
ある。各抵抗成分RX51,RX52,RY51,RY
52と接触抵抗RC51と基準抵抗RP61とが上述の
ように接続されているので、検出電位VP5は、式18
に示すように定義される。第1および第2基準抵抗RP
61,RP62が常に予め定める抵抗値を保つと仮定す
ると、検出電位VP5は、式18から分かるように、接
触抵抗RC51と押圧点PPのXおよびY座標に応じて
変化することが分かる。このため、第1の実施の形態の
電圧VP5に関して説明した理由と同じ理由に基づき、
タッチパネル35の押下状態が充分である場合の検出電
圧VP5は、押下状態が不充分である場合の検出電圧V
P5よりも大きく、該検出電圧VP5は押下状態の変化
に応じて変化するので、検出電圧VP5の変化に基づき
現時点の押下状態を推定することができる。
【0112】
【数4】
【0113】図18は、第2の実施の形態の座標抽出装
置81の押下圧力測定時における押圧点PPのY座標の
変化と検出電位VP5との関係を示すグラフである。図
19は、図13,14で説明した従来技術の座標抽出装
置81の押下圧力測定時における押圧点PPのY座標の
変化と検出電位VP4との関係を示すグラフである。図
18,19を用いて、従来技術の一般的な押下状態の判
断手法と、第2の実施の形態のタッチパネル35の押下
状態の判断手法との差異を説明する。
【0114】図18および図19のグラフは、以下の手
順で得られた。従来技術および第2の実施の形態の座標
抽出装置81とタッチパネル35とは、図16,17お
よび図13,14で説明した通りにそれぞれ接続され、
かつ、接触抵抗RC51および第1Y抵抗成分RY51
以外のパラメータを以下のように設定して固定した。具
体的には、基準電位VCCが5V、XおよびY抵抗膜の
全抵抗RXC,RYCがそれぞれ1kΩ、従来技術の基
準抵抗RP51が1kΩ、第2の実施の形態の第1およ
び第2基準抵抗RP61,62がそれぞれ2kΩ、第1
X抵抗成分が500Ωに設定された。パラメータ設定
後、接触抵抗RC51および第1Y抵抗成分RY51を
それぞれ変更しつつ、従来技術および第2の実施の形態
の座標抽出装置において押下状態推定の基準となる検出
電位VP4,VP5を、それぞれ計測した。具体的に
は、第1Y抵抗成分RY51は0以上1kΩ以下の範囲
で、0Ωから100Ωずつ増加され、接触抵抗RC51
は、1Ω,10Ω,100Ω,1kΩ,10kΩ,10
0kΩ,1MΩにそれぞれ変化させた。この結果得られ
た検出電位VP4,VP5をプロットし、第1Y抵抗成
分RY51が等しいもの同士を接続したものが、図1
8,19の曲線である。
【0115】図19に記載される全ての曲線は、接触抵
抗RC51が小さいほど、相互に離れている。このこと
から従来技術の座標抽出装置において、検出電位VP4
は、接触抵抗RC51の変化に応じて変化するだけでな
く、第1Y抵抗成分RY51の変化に応じても変化する
ことが分かる。特に接触抵抗RC51が小さいほど、す
なわちタッチパネル35の押下圧力が大きいほど、第1
Y抵抗成分RY51、すなわち押圧点PPのY座標の影
響が大きい。すなわち従来技術の座標抽出装置におい
て、検出電位VP4は押圧点PPの位置に起因する影響
を大きくうける。
【0116】図18に記載される全ての曲線は、接触抵
抗RC51に拘わらず、常に相互に一致している。この
ことから第2の実施の形態の座標抽出装置において、検
出電位VP5は、接触抵抗RC51の変化だけに応じて
変化し、第1Y抵抗成分RY51の変化に応じてほとん
ど変化しないことが分かる。すなわち第2の実施の形態
の座標抽出装置において、検出電位VP5は接触抵抗R
C51だけに追従し、第1Y抵抗成分RY51の影響、
すなわち押圧点PPの座標の影響を殆ど受けないことが
分かる。本実験において第1抵抗成分RY51を固定し
第1Y抵抗成分RX51を変化させた場合も、第1X抵
抗成分RX51の変化に応じて検出電位VP5はほとん
ど変化しないと予想される。
【0117】以上のことから、一方Y電極の検出電位V
P4,VP5を押下圧力の判定基準に用いる場合、第2
の実施の形態の座標抽出装置81は従来技術の座標抽出
装置よりも、検出電位VP5への押圧点PPの影響が少
ないことが分かる。すなわち第2の実施の形態の座標抽
出装置の検出電位VP5は、従来技術の座標抽出装置の
検出電位VP4よりも、接触抵抗RC51の変化、すな
わち押下圧力の変化に、より忠実に追従することが分か
る。
【0118】第1および第2の実施の形態の座標抽出装
置31,81は、本発明の座標抽出装置の例示であり、
主要な動作が等しければ、他の様々な形で実施すること
ができる。特に座標抽出装置31,81内部の構成部品
の詳細な動作は、同じ出力が得られれば、これに限らず
他の動作によって実現されてもよい。たとえば押下状態
判定処理において2つのX電極53,54と2つのY電
極55,54とを入換えてもよい。また押下状態判断処
理において、第1Y電極55の代わりに、第2Y電極5
6の電位を測定し、該電位に基づき押下状態を推定して
もよい。さらにタッチパネル35は、抵抗膜対向方式に
限らず、感圧式のものであればどのようなものでもよ
い。たとえばタッチパネル35は、電磁誘導方式でかつ
感圧式のタッチパネルで実現される。
【0119】
【発明の効果】以上のように第1の発明によれば、前記
座標抽出装置は、感圧式のタッチパネルと共に用いら
れ、タッチパネル内の押圧点の座標を検出する。さらに
前記座標抽出装置は、座標検出の前後の時点にタッチパ
ネルにそれぞれ加えられる圧力に基づいて座標検出時の
タッチパネルの押下状態を判断し、タッチパネルから検
出された全ての座標のうちから該判断の結果に応じて選
んだ座標だけを出力する。これによって前記座標抽出装
置は、前記検出期間内の押下状態の認識と、検出精度の
高い座標の抽出とを、容易かつ高い確度で行うことがで
きる。
【0120】また第2の発明によれば、前記座標抽出装
置は、座標検出の前後にタッチパネルに加えられる圧力
と予め定める基準圧力との大小関係に基づいて、タッチ
パネルの押下状態を判断する。これによって座標抽出装
置は、前記検出期間内のタッチパネルの押下状態を、極
めて容易に判断することができる。さらにまた第3の発
明によれば、前記座標抽出装置は、座標検出前の圧力が
前記基準圧力未満である場合、座標検出を行わない。こ
れによって座標抽出装置は、座標検出処理に伴う電力消
費を抑えることができる。
【0121】また第4の発明によれば、前記タッチパネ
ルがいわゆる抵抗膜対向方式の感圧式タッチパネルであ
る場合、前記前記座標抽出装置は、押下圧力を直接測定
する代わりにタッチパネルの接触抵抗を測定する。これ
によって前記座標抽出装置は、前記タッチパネルの電気
的な特性を測定する回路だけを用い、座標検出の前後の
時点のタッチパネルの押下状態を容易に推測することが
できる。
【0122】さらにまた第5の発明によれば、前記座標
抽出装置は、抵抗膜対向方式の感圧式タッチパネルにお
いて、2枚の抵抗膜のうちの一方の抵抗膜の両端の電極
の電位を予め定める基準電位を保ち、かつ、2枚の抵抗
膜のうちの他方の抵抗膜の両端の電極を短絡し、該他方
の抵抗膜の両端の電極の接続点を、予め定める基準抵抗
を介して短絡する。タッチパネルが上述の状態になって
いる間に前記座標抽出装置は、他方の抵抗膜のいずれか
一方端の電極の電位を検出し、該電位に基づいて、接触
抵抗を求める。これによって座標抽出装置は、タッチパ
ネルの押下状態を容易かつ正確に推測することができ
る。
【0123】さらにまた第6の発明によれば、前記座標
抽出装置は、抵抗膜対向方式の感圧式タッチパネルにお
いて、2枚の抵抗膜のうちの一方の抵抗膜の両端の電極
の電位を予め定める基準電位を保ち、かつ、2枚の抵抗
膜のうちの他方の抵抗膜の両端の電極を、それぞれ基準
電極を介して接地する。タッチパネルが上述の状態にな
っている間に前記座標抽出装置は、他方の抵抗膜のいず
れか一方端の電極の電位を検出し、該電位に基づいて、
接触抵抗を求める。これによって座標抽出装置は、タッ
チパネルの押下状態を、容易かつさらに正確に推測する
ことができる。
【0124】また第7の発明によれば、座標抽出方法
は、座標検出の前後の時点に測定されたタッチパネルへ
の圧力に基づき、検出された全ての座標のうち、タッチ
パネルの押下状態が前記充分な押下状態である間に検出
された座標を抽出させる。これによって前記座標抽出方
法は、前記第1の発明の座標抽出装置で説明した理由と
同じ理由に基づき、前記検出期間内の押下状態の認識
と、前記検出精度の高い座標の抽出とを、容易かつ高い
確度で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である座標抽出装置
31を含む座標入力装置32を入力部とする情報処理装
置33の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態の座標抽出装置31の具体的
な電気的構成を示す図である。
【図3】第1の実施の形態の座標抽出装置31と共に用
いられるタッチパネル35の断面図である。
【図4】タッチパネル35内の1点を押圧した状態を説
明するためのタッチパネル35の拡大断面図である。
【図5】第1の実施の形態の座標抽出装置31の概略的
な動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態の座標抽出装置31の処理と
接触抵抗RC51との関係を示すグラフである。
【図7】押圧点PPのX座標の検出のための、タッチパ
ネル35と第1の実施の形態の座標抽出装置31の構成
部品との接続状態を示す模式図である。
【図8】図7の接続状態におけるタッチパネル35の等
価回路図である。
【図9】押圧点PPのY座標の検出のための、タッチパ
ネル35と第1の実施の形態の座標抽出装置31の構成
部品との接続状態を示す模式図である。
【図10】図9の接続状態におけるタッチパネル35の
等価回路図である。
【図11】押下状態判定のためのタッチパネル35と第
1の実施の形態の座標抽出装置31の構成部品との接続
状態を示す模式図である。
【図12】図11の接続状態におけるタッチパネル35
の等価回路図である。
【図13】押下状態判定のためのタッチパネル35と座
標抽出装置31の構成部品との従来技術の接続状態を示
す模式図である。
【図14】図13の接続状態におけるタッチパネル35
の等価回路図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態である座標抽出装
置81を含む座標入力装置82を入力部とする情報処理
装置33の概略的な電気的構成を示すブロック図であ
る。
【図16】押下状態判定のためのタッチパネル35と第
2の実施の形態の座標抽出装置81の構成部品との接続
状態を示す模式図である。
【図17】図16の接続状態におけるタッチパネル35
の等価回路図である。
【図18】第2の実施の形態の座標抽出装置81の押下
圧力測定時における押圧点PPのY座標の変化と検出電
位VP5との関係を示すグラフである。
【図19】従来技術の座標抽出装置の押下圧力測定時に
おける押圧点PPのY座標の変化と検出電位VP4との
関係を示すグラフである。
【図20】従来技術の一般的なタッチパネル1の構成を
示す斜視図である。
【図21】押下状態判定のためのタッチパネル1と特開
平6−324787号公報の座標検出装置の構成部品と
の接続状態を示す模式図である。
【図22】図21の接続状態におけるタッチパネル1の
等価回路図である。
【図23】押下状態判定のためのタッチパネル1と特開
平9−81301号公報の座標検出装置の構成部品との
第1の接続状態を示す模式図である。
【図24】図23の接続状態におけるタッチパネル1の
等価回路図である。
【図25】押下状態判定のためのタッチパネル1と特開
平9−81301号公報の座標検出装置の構成部品との
第2の接続状態を示す模式図である。
【図26】図25の接続状態におけるタッチパネル1の
等価回路図である。
【符号の説明】
31 座標抽出装置 35 タッチパネル 41 制御部 42 外部回路 43 A/D変換器 46 基準電源 51,52 抵抗膜 53,54,55,56 電極

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1点を押圧可能な感圧式のタッチパネル
    内の押圧された点の座標を検出して出力する座標抽出装
    置において、 前記座標の検出前の第1時点に、前記タッチパネルに加
    えられる第1圧力を測定する第1圧力測定手段と、 前記タッチパネル内の押圧された点の座標を検出する座
    標検出手段と、 前記座標の検出後の第2時点に、前記タッチパネルに加
    えられる第2圧力を測定する第2圧力測定手段と、 前記第1および第2圧力に基づき、前記第1時点から前
    記第2時点までの検出期間内に前記タッチパネルに予め
    定める基準圧力以上の圧力が加えられているか否かを判
    断する押下状態判断手段と、 前記検出期間内に前記基準圧力以上の圧力がタッチパネ
    ルに加えられていると判断された場合だけ、該検出期間
    内に検出された座標を出力する座標出力手段とを含むこ
    とを特徴とする座標抽出装置。
  2. 【請求項2】 前記押下状態判断手段は、前記第1およ
    び第2圧力と前記基準圧力とをそれぞれ比較し、前記第
    1および第2圧力が共に前記基準圧力以上である場合だ
    け、前記検出期間内に前記タッチパネルに前記基準圧力
    以上の圧力が加えられていると判断することを特徴とす
    る請求項1記載の座標抽出装置。
  3. 【請求項3】 前記第1圧力と前記基準圧力とを比較
    し、前記第1圧力が前記基準圧力未満である場合、前記
    第1圧力測定手段に前記圧力の測定を再び行わせ、前記
    第1圧力が前記基準圧力以上である場合、前記座標検出
    手段に座標の検出を行わせる検出制御手段をさらに含む
    ことを特徴とする請求項1記載の座標抽出装置。
  4. 【請求項4】 前記タッチパネルは、予め定める間隔を
    明けて対向する第1および第2抵抗膜と、前記第1およ
    び第2抵抗膜の両端部にそれぞれ接続される4つの電極
    とを含み、前記第1抵抗膜の両端部を通る直線に平行な
    第1座標軸と前記第2抵抗膜の両端部を通る直線に平行
    な第2座標軸とが交差し、 前記第1および第2圧力測定手段は、前記第1および第
    2時点における前記2枚の抵抗膜間の接触抵抗をそれぞ
    れ測定し、前記接触抵抗に基づいて前記圧力を推定する
    ことを特徴とする請求項1記載の座標抽出装置。
  5. 【請求項5】 一方および他方端子が予め定める第1お
    よび第2検出基準電位にそれぞれ保たれる基準電源をさ
    らに含み、 前記第1および第2圧力測定手段は、予め定める抵抗値
    の基準抵抗を含み、前記第1抵抗膜の両端部の電極が前
    記基準電源の一方端子にそれぞれ接続され、かつ、前記
    第2抵抗膜の両端部の電極が短絡されて該電極の接続点
    が前記基準抵抗を介して前記基準電源の他方端子に接続
    された状態で、前記第2抵抗膜の両端部の電極のうちの
    いずれか一方の電位を測定し、測定された電位に基づい
    て前記接触抵抗を推定することを特徴とする請求項4記
    載の座標抽出装置。
  6. 【請求項6】 一方および他方端子が予め定める第1お
    よび第2検出基準電位にそれぞれ保たれる基準電源をさ
    らに含み、 前記第1および第2圧力測定手段は、予め定める抵抗値
    の第1および第2基準抵抗を含み、前記第1抵抗膜の両
    端部の電極が前記基準電源の一方端子にそれぞれ接続さ
    れ、かつ前記第2抵抗膜の両端部の電極が前記第1およ
    び第2基準抵抗を介して前記基準電源の他方端子にそれ
    ぞれ接続された状態で、前記第2抵抗膜の両端部の電極
    のうちのいずれか一方の電位を測定し、測定された電位
    に基づいて前記接触抵抗を推定することを特徴とする請
    求項4記載の座標抽出装置。
  7. 【請求項7】 1点を押圧可能な感圧式のタッチパネル
    内の押圧された1点の座標を検出して出力する座標抽出
    方法において、 前記座標の検出前の第1時点に、前記タッチパネルに加
    えられる第1圧力を測定する処理と、 前記タッチパネル内の押圧された点の座標を検出する処
    理と、 前記座標の検出後の第2時点に、前記タッチパネルに加
    えられる第2圧力を測定する処理と、 前記第1および第2圧力に基づき、前記第1時点から前
    記第2時点までの検出期間内に前記タッチパネルに予め
    定める基準圧力以上の圧力が加えられているか否かを判
    断し、前記検出期間内に前記基準圧力以上の圧力がタッ
    チパネルに加えられていると判断された場合だけ、該検
    出期間内に検出された座標を出力する処理とを含むこと
    を特徴とする座標抽出方法。
JP22085698A 1998-08-04 1998-08-04 座標抽出装置および方法 Pending JP2000056914A (ja)

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