JP2000056344A - 光導波路素子およびその製造方法 - Google Patents
光導波路素子およびその製造方法Info
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Abstract
同時に解決できる光導波路素子構造を提供することを目
的とする。 【解決手段】抵抗率0.05Ω・cm、吸収係数174
のNb0.5%ドープSrTiO3単結晶導電性の下部
電極基板2上へ、膜厚500nmのエピタキシャルPL
ZTバッファ層4を成長させ、次に膜厚1000nmの
エピタキシャルPZT薄膜光導波路1を成長させ、さら
に膜厚500nmのエピタキシャルPLZTクラッド層
3を成長させ、最後にPtプリズム型電極7を形成する
ことによってEO偏向素子が作製される。レーザ光源9
から633nmの波長のレーザー・ビームをレンズ10
でコリメートした後、プリズム5を介してPZT薄膜光
導波路へ導入し、下部NbドープSrTiO3基板電極
2とPt上部プリズム電極7間に電圧を印加することに
より、導入されたレーザー・ビーム6が偏向される。
Description
光導波路内に入射されたレーザ・ビームを電気光学効果
によって偏向、スイッチング、あるいは変調するための
電極が備えられた光導波路素子及びその製造方法に関す
る。本発明は特に、レーザ・プリンター、デジタル複写
機、ファクシミリ用の光偏向素子、光通信や光コンピュ
ーター用の光スイッチおよび光変調素子、光ディスク用
のピックアップなどを含むオプト・エレクトロニクス全
般に適用可能な光導波路素子に関する。
複写機、ファクシミリなどに用いられるレーザ・ビーム
光偏向装置として、気体レーザや半導体レーザからのビ
ームをを偏向するポリゴンミラーと呼ばれる回転多面鏡
と、その回転多面鏡により反射されたレーザ・ビームを
感光体などの結像面上において、等速度直線運動の状態
に集光するfθレンズとで構成されたものが代表的に用
いられている。このようなポリゴンミラーを用いる光偏
向装置はポリゴンミラーをモーターによって高速回転さ
せるために耐久性に問題があるとともに騒音が発生し、
また光走査速度がモーターの回転数によって制限される
問題がある。
としては、音響光学効果を利用した光偏向素子があり、
なかでも光導波路型素子が期待されている。この光導波
路素子はポリゴンミラーを用いたレーザ・ビーム光走査
装置の欠点を解決するレーザ・ビーム光走査素子とし
て、プリンターなどへの応用が検討されている。この光
導波路型の光偏向素子は、LiNbO3やZnOなどよ
りなる光導波路と、この光導波路内にレーザ光ビームを
カップリング(入射)させる手段を有し、さらに光導波
路中の光ビームを音響光学効果により偏向するための表
面弾性波を励起するくし形の電極と偏向された光ビーム
を光導波路中よりアウトプットするための手段が備えら
れたものであり、このほかに必要に応じて薄膜レンズな
どが素子へ付加される。しかしながら、音響光学効果を
利用した光偏向素子は一般に偏向速度限界によるレーザ
偏向速度の上限の問題があり、レーザ・プリンター、デ
ジタル複写機、ファクシミリなどの画像形成装置への応
用には限界が存在する。
調速度の速い電気光学効果を有する酸化物強誘電体材料
を用いた、例えば「A.Yariv,Optical Electronics,4th
ed.(New York,Rinehart and Winston,1991)336〜3
39頁」等に解説されたプリズム型光偏向素子が知られ
ている。このような素子としてはセラミックや単結晶を
用いたバルク素子があるが、寸法が大きく、また、駆動
電圧がかなり高いために実用的な偏向角度を得ることが
できなかった。また、Ti拡散型光導波路やプロトン交
換型光導波路を作製したLiNbO3単結晶ウエハーを
用いてカスケード型にプリズムを配したプリズム型ドメ
イン反転光偏向素子またはプリズム型電極光偏向素子が
「Q.Chen,et al.,J.Lightwave Tech.vol.12(1994)14
01頁」(文献1)や特開平1−248141号公報な
どに示されている。しかし、LiNbO3単結晶ウエハ
の厚さである0.5mm程度の電極間隔が必要となるた
めに依然として駆動電圧が高く、上記の文献1では±6
00Vの駆動電圧でもわずか0.2度程度の偏向角度し
か得られておらず、実用的な偏向角度を得ることはでき
ないという問題がある。
らは導電性基板上に設けられた電気光学効果を有する酸
化物光導波路と、この光導波路内に光ビームを入射させ
る光源を有し、光導波路上には光導波路よりも小さい屈
折率を有する酸化物電極、あるいは光導波路よりも小さ
い屈折率を有するクラッド層を介して電極が設けられ、
さらに光導波路中の光ビームを電気光学効果によって偏
向するための電極が備えられた薄膜光導波路を用いて駆
動電圧の問題を解決したプリズム型光偏向素子を発明
し、これを特開平9−5797号公報に開示した。
磁界分布は基板への染みだしが起こる。実用的な抵抗率
を有する基板の吸収係数は大きく、多くの場合には染み
だし成分は導電性基板中のキャリアによって強く吸収さ
れるため、薄膜光導波路中の伝搬損失は光導波路自体の
散乱による損失に加えて、吸収により数十dB/cmと
なり、実用的には不十分であるという問題があった。ま
た、上部電極に酸化物を用いた場合には透明性が十分で
ないためにやはり伝搬損失が増加したり、金属と比べて
微細加工が容易でない場合があるなどの問題があった。
電極配置を有する素子において、光導波路上の金属電極
と光導波路間にはSiO2によるクラッド層が挿入さ
れ、金属電極への電磁界の染みだしを防ぎ、伝搬光の吸
収を回避する方法がとられている。そこで、それと同様
にクラッド層を導入し、金属電極を用いると金属電極へ
の電磁界の染みだしを防ぎ、伝搬光の吸収を回避するこ
とが可能となるが、電気光学効果を有する酸化物光導波
路材料の比誘電率は数十から数千におよび、SiO2の
比誘電率3.9と比べると極めて大きく、さらに、上記
の導電性基板上薄膜光導波路構造においては等価回路と
して直列コンデンサを形成するため、薄膜光導波路にか
かる実効電圧は印加電圧に対して数%以下にしかなら
ず、結局駆動電圧の大幅な増加を招くこととなってしま
う問題があった。また、化合物半導体であるi−GaA
s導波路において、i−GaAs導波路とn−AlGa
As下部クラッド層との間にi−AlGaAsクラッド
層が挿入され、n−AlGaAs下部クラッド層への電
磁界の染みだしを防ぐことにより、n−AlGaAs下
部クラッド層のフリー・キャリアによる吸収を回避する
方法が文献(K. Hamamoto, et al., Electron. Lett. Vo
l. 28 (1992) 441)に示されている。しかし、化合物半
導体とは全く異なる材料であり、エピタキシャル成長が
容易ではなく、比誘電率は数十から数千におよぶ電気光
学効果を有する酸化物光導波路において同様の構造を設
ける方法は知られていなかった。一方、シリコン基板上
にスピネル層を形成し、その上にPLZTバッファ層
と、さらにその上にバッファ層よりも屈折率の大きいP
LZT光導波路層を設けた構造により低電圧で駆動する
素子を提供する方法が特公平6−70693号公報に示
されている。しかし、スピネル層の比誘電率はPLZT
薄膜の2000近くに達する比誘電率と比較して8程度
と小さいため、スピネル層を10nm程度の極薄膜にし
なければ駆動電圧は大幅に増加してしまう問題と、この
ような極薄膜スピネル層の上にPLZT薄膜を成長させ
るとPLZT薄膜の結晶性の低下やPbのSi基板への
拡散などが起こる問題、そしてシリコンの屈折率が3.
45と大きいため、屈折率が2.6前後であるPLZT
によって光導波路層とそれより低い屈折率を有するバッ
ファ層の構造を設けても、屈折率が1.75であるスピ
ネル層を10nmより1桁以上厚くしなければ光はシリ
コン基板にリークし、実際にはPLZT光導波路層にお
ける光減衰が極めて大きくなってしまう問題とがあっ
た。
誘電率のエピタキシャルまたは単一配向性のバッファ層
を設け、その上にエピタキシャルまたは単一配向性の電
気光学効果を有する酸化物薄膜光導波路を設け、さらに
その上にクラッド層を設け、さらにその上に電極を設け
た構造を発明してこれを特許出願し(特願平9−303
436号)、低駆動電圧特性と低光伝播損失特性とを両
立することを可能にしたが、基板、バッファ層、光導波
路、クラッド層の各材料の組み合わせによってそれらの
特性が大きく影響し、適切な組み合わせを見出すことが
必要であった。
低駆動電圧特性と低伝搬損失特性を同時に解決できる構
造を提供することにある。また、本発明の目的は、光導
波路素子を各種の偏向素子、スイッチング素子、あるい
は変調素子へ利用可能とすることである。
元素を0.01重量%から5.0重量%ドープした導電
性または半導電性の下部電極となるSrTiO3単結晶
基板と、単結晶基板表面に設けられたエピタキシャルま
たは単一配向性の酸化物バッファ層と、バッファ層上に
設けられたエピタキシャルまたは単一配向性の電気光学
効果を有する酸化物薄膜光導波路と、薄膜光導波路上に
設けられた酸化物クラッド層と、クラッド層上に設けら
れた導電性薄膜または半導電性薄膜の上部電極とを備え
たことを特徴とする光導波路素子によって達成できる。
また、本発明の光導波路素子は上部電極と下部電極との
間に電圧を印加することにより、光導波路に入射する光
ビームを変調、スイッチング、または偏向することがで
きる。つまり本発明の光導波路素子は、不純物元素を
0.01重量%から5.0重量%ドープすることによっ
て導電性または半導電性としたSrTiO3単結晶基
板、あるいは不純物元素を0.05重量%から5.0重
量%ドープすることによって導電性または半導電性とし
たエピタキシャルまたは単一配向性のSrTiO3薄膜
を表面に有する単結晶基板上へ作製されたエピタキシャ
ルまたは単一配向性の高誘電率バッファ層と、さらにそ
の上に作製されたエピタキシャルまたは単一配向性の電
気光学効果を有する光導波路と、この光導波路上にはク
ラッド層と、さらにこのクラッド層上には金属薄膜の上
部電極が設置され、上部電極と下部電極との間に電圧を
印加することにより異なる屈折率をもつ部分を発生させ
てレーザー・ビームを電圧に応じて偏向、スイッチン
グ、または変調する。ここで、単一配向性とは薄膜のX
線回折パターンにおいて基板面に平行な特定の結晶面の
強度が他の結晶面の強度に対して1%以下である場合を
指し、エピタキシャルとは単一配向性の薄膜がさらに基
板の面内方向にも単一配向性を有している場合を指す。
基板としてドープしたSrTiO3単結晶半導体基板、
あるいはエピタキシャルまたは単一配向性のドープした
SrTiO3半導体薄膜の不純物ドーパントとして用い
ることが可能な元素は、SrTiO3のSrサイトある
いはTiサイトを置換することが可能なイオン半径を有
し、かつSrあるいはTiと原子価が異なる元素であれ
ば良いが、望ましくはSrサイトに対しては酸素イオン
に対して12配位をとることが可能なSc、Lu、Y
b、Tm、Er、Ho、Y、Dy、Tb、Bi、Gd、
Na、Eu、Sm、Zn、Nd、Pr、Ce、La、I
n、K、Tl、Rb、Csなど、Tiサイトに対しては
酸素イオンに対して6配位をとることが可能なAl、A
s、V、Ni、Ga、Sb、Co、Fe、Ta、Rh、
Nb、Cr、Mn、Bi、Ru、In、Sc、Sn、P
u、Np、Lu、Yb、U、Tm、Er、Pa、Ho、
Y、Dy、Tb、Tl、Gd、Eu、Sm、Pm、A
m、Nd、Pr、Ce、La、Th、Acなどが挙げら
れ、さらに望ましくは周期率表のIII族の元素である
Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、E
u、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、L
u、Ac、Al、Ga、In、またはV族の元素である
V、Nb、Ta、Pa、As、Sb、Biより選ばれ、
さらに望ましくはLaまたはNbを用いることができ
る。
抵抗率としては104Ω・cm以下、望ましくは102
Ω・cm以下がRC時定数、および電圧降下の点から有
効である。このため、不純物ドーパントの量としては
0.01重量%から5.0重量%ドープ、望ましくは
0.1重量%から1.0重量%ドープが有効である。
0.01重量%よりも少なくドープしたSrTiO3単
結晶基板は抵抗率を104Ω・cm以下にすることが難
しく、5.0重量%よりも多くドープしたSrTiO 3
単結晶基板を用いることは、結晶性の低下やドーパント
の均一性などの点で困難となる。SrTiO3半導体の
屈折率は、波長0.633umで2.40程度、波長
1.3umで2.31程度と、3.45程度の大きな屈
折率を有するシリコン基板などと異なって通常のバッフ
ァ層や光導波路材料よりも屈折率が低いため、基板への
光のリークを阻止するためのバッファ層の膜厚を低減し
易く、低電圧駆動化するために望ましい。
0.01重量%から5.0重量%ドープしたエピタキシ
ャルまたは単一配向性のSrTiO3半導体薄膜の基板
として用いることが可能な材料は、SrTiO3、Ba
TiO3、BaZrO3、LaAlO3、ZrO2、Y
2O38%−ZrO2、MgO、MgAl2O4などの
酸化物、Si、Ge、ダイアモンドなどの単体半導体、
AlAs、AlSb、AlP、GaAs、GaSb、I
nP、InAs、InSb、AlGaP、AlLnP、
AlGaAs、AlInAs、AlAsSb、GaIn
As、GaInSb、GaAsSb、InAsSbなど
のIII−V系の化合物半導体、ZnS、ZnSe、Z
nTe、CaSe、Cdte、HgSe、HgTe、C
dSなどのII−VI系の化合物半導体などを用いるこ
とができるが、SrTiO3を用いることが上部に配置
する酸化物薄膜光導波路の膜質にとって有利なことが多
い。
きい屈折率を有し、また、薄膜光導波路材料よりも小さ
い屈折率を有し、かつバッファ層の比誘電率と前記光導
波路の比誘電率の比が0.002以上、望ましくはバッ
ファ層の比誘電率と前記光導波路の比誘電率の比が0.
006以上であり、かつバッファ層の比誘電率が8以上
である材料が選ばれる。また、バッファ層材料は導電性
基板材料と光導波路材料とのエピタキシ関係を保持でき
ることが必要である。このエピタキシ関係を保持できる
条件としては、バッファ層材料が導電性基板材料と光導
波路材料の結晶構造に類似で、格子常数の差が10%以
下であることが望ましいが、必ずしもこの関係に従わな
くともエピタキシ関係を保持できれば良い。具体的に
は、ABO 3型のペロブスカイト型酸化物では、正方
晶、三方晶、斜方晶または擬立方晶系として例えばSr
TiO3、BaTiO3、(Sr1−xBax)TiO
3(0<x<1.0)、PbTiO3、Pb1−xLa
x(ZryTi1−y)1−x /4O3(0<x<0.
3、0<y<1.0、xおよびyの値によりPZT、P
LT、PLZT)、Pb(Mg1/3Nb2/3)
O3、KNbO3など、六方晶系として例えばLiNb
O3、LiTaO3などに代表される強誘電体、タング
ステンブロンズ型酸化物ではSrxBa1−xNb2O
6、PbxBa1−xNb2O6など、またこのほか
に、Bi4Ti3O12、Pb2KNb5O15、K3
Li2Nb5O15、ZnOさらに以上の置換誘導体よ
り選ばれる。しかし、ドープしたSrTiO3単結晶半
導体基板またはドープしたSrTiO3半導体薄膜に対
して同様のペロブスカイト構造を有し、これらに対する
格子常数の差が小さく、これらの屈折率2.399より
も屈折率が大きいPb1−xLax(ZryT
i1−y)1−x/4O3を用いることが最も望まし
い。バッファ層の膜厚と前記光導波路の膜厚の比は0.
1以上、望ましくは0.5以上であり、かつバッファ層
の膜厚が10nm以上であることが有効である。
され、具体的にはABO3型のペロブスカイト型では正
方晶、三方晶、斜方晶または擬立方晶系として例えばB
aTiO3、PbTiO3、Pb1−xLax(Zry
Ti1−y)1−x/4O3、Pb(Mg1/3Nb
2/3)O3、KNbO3など、六方晶系として例えば
LiNbO3、LiTaO3などに代表される強誘電
体、タングステンブロンズ型ではSrxBa1−xNb
2O6、PbxBa1−xNb2O6など、またこのほ
かに、Bi4Ti3O12、Pb2KNb5O15、K
3Li2Nb5O1 5、さらに以上の置換誘導体などよ
り選ばれる。しかし、バッファ層を介すもののドープし
たSrTiO3単結晶半導体基板またはドープしたSr
TiO3半導体薄膜に対して同様のペロブスカイト構造
を有し、これらに対する格子常数の差が小さく、これら
の屈折率2.399よりも屈折率が大きく、かつ高い電
気光学係数を有するPb1−xLax(ZryTi
1−y)1−x/4O3を用いることが最も望ましい。
薄膜光導波路の膜厚は通常0.1μmから10μmの間
に設定されるが、これは目的によって適当に選択するこ
とができる。
いることができる。すなわち、薄膜光導波路材料よりも
小さい屈折率を有し、かつクラッド層の比誘電率と前記
光導波路の比誘電率の比が0.002以上、望ましくは
クラッド層の比誘電率と前記光導波路の比誘電率の比が
0.006以上であり、かつクラッド層の比誘電率が8
以上である材料が選ばれる。クラッド層材料については
光導波路に対してエピタキシ関係を保持できることは必
ずしも必要ではなく多結晶薄膜でも良いが、均一な界面
を得る必要がある場合には光導波路材料とのエピタキシ
関係を保持できることが必要である。このエピタキシ関
係を保持できる条件としては、クラッド層材料が薄膜光
導波路材料の結晶構造に類似で、格子常数の差が10%
以下であることが望ましいが、必ずしもこの関係に従わ
なくともエピタキシ関係を保持できれば良い。具体的に
は、ABO3型のペロブスカイト型酸化物では、正方
晶、三方晶、斜方晶または擬立方晶系として例えばSr
TiO3、BaTiO3、(Sr1−xBax)TiO
3、PbTiO3、Pb1−xLax(ZryTi1
−y)1−x/4O3、Pb(Mg1/3Nb2/3)
O3、KNbO3など、六方晶系として例えばLiNb
O3、LiTaO3などに代表される強誘電体、タング
ステンブロンズ型酸化物ではSrxBa1−xNb2O
6、PbxBa1 −xNb2O6など、またこのほか
に、Bi4Ti3O12、Pb2KNb5O 15、K3
Li2Nb5O15、ZnOさらに以上の置換誘導体よ
り選ばれる。しかし、バッファ層および薄膜光導波路を
介すもののドープしたSrTiO3単結晶半導体基板または
ドープしたSrTiO3半導体薄膜に対して同様のペロ
ブスカイト構造を有し、これらに対する格子常数の差が
小さいPb1−xLax(Zr yTi1−y)
1−x/4O3を用いることが最も望ましい。クラッド
層の膜厚と前記光導波路の膜厚の比は0.1以上、望ま
しくは0.5以上であり、かつクラッド層の膜厚が10
nm以上であることが有効である。
の材料の組み合わせとしては上記の条件を満たす各種の
ものが可能であるが、ドープしたSrTiO3単結晶半
導体基板またはドープしたSrTiO3半導体薄膜に対
して同様のペロブスカイト構造を有し、これらに対する
格子常数の差が小さく、これらの屈折率2.399より
も屈折率が大きく、かつ高い電気光学係数を有し、組
成、すなわちPb、La、Zr、Tiの比を変化させる
だけでそれぞれの層として利用可能なPb1−xLax
(ZryTi1−y)1−x/4O3を用いることが最
も有効である。
u、Pd、Ag、In、Sn、Ta、W、Ir、Pt、
Auなどの各種金属電極や合金、AlドープZnO、I
n2O 3、RuO2、BaPbO3、SrRuO3、Y
Ba2Cu3O7−x、SrVO3、LaNiO3、L
a0.5Sr0.5CoO3、ZnGa2O4、CdG
a2O4、CdGa2O4、Mg2TiO4、MgTi
2O4などの酸化物を用いることが可能であるが、クラ
ッド層を用いるため微細加工が容易な金属を用いること
が望ましい。動作時間に伴って疲労やDCドリフトなど
が生じる場合には酸化物を用いることが有効である。
バッファ層は電子ビーム蒸着、フラッシュ蒸着、イオン
・プレーティング、Rf−マグネトロン・スパッタリン
グ、イオン・ビーム・スパッタリング、レーザー・アブ
レーション、MBE、CVD、プラズマCVD、MOC
VDなどより選ばれる気相成長法およびゾルゲル法、M
OD法などのウエット・プロセスにより作製された薄膜
の固相成長法によって作製される。このうちゾルゲル法
やMOD法などのウエット・プロセスにより金属アルコ
キシドや有機金属塩などの金属有機化合物の溶液を基板
に塗布し、さらに焼成することによって前記バッファ層
と前記薄膜光導波路を固相エピタキシャル成長すること
が最も有効である。これらの固相エピタキシャル成長
は、各種気相成長法と比較して設備コストが低く、基板
面内での均一性が良いだけでなく、バッファ層と光導波
路層の構造制御にとって重要な屈折率の制御が、バッフ
ァ層および光導波路層に必用な屈折率を有する薄膜組成
に応じて金属有機化合物前駆体の組成を配合するだけで
容易に、再現性良く実現でき、さらに光伝搬損失も低い
バッファ層と光導波路層の成長が可能である。ゾルゲル
法やMOD法などを用いた固相エピタキシャル成長にお
いて、有機金属化合物は各種の金属と、有機化合物、望
ましくは常圧での沸点が80℃以上である有機化合物と
の反応生成物である金属アルコキシドまたは金属塩より
選ばれるがこれに限られるわけではない。金属アルコキ
シド化合物の有機配位子としては、R1O−またはR2
OR3O−より選ばれる(式中、R1およびR2は脂肪
族炭化水素基を表し、R3はエーテル結合を有してもよ
い2価の脂肪族炭化水素基を表す)。これらの原料は所
定の組成にて望ましくは常圧での沸点が80℃以上であ
るアルコール類、ジケトン類、ケトン酸類、アルキルエ
ステル類、オキシ酸類、オキシケトン類、及び酢酸など
より選ばれた溶媒と反応され、または溶媒中に溶解され
たのち、基板への塗布をされる。これら有機金属化合物
は加水分解をした後に塗布をすることも可能であるが、
エピタキシャル強誘電体薄膜を得るためには加水分解を
しないことが望ましい。さらに、これらの反応工程は、
乾燥した窒素やアルゴン雰囲気中にて行うことが得られ
る薄膜の品質の点より望ましい。金属アルコキシド化合
物はR1OHまたはR2OR3OHで表される有機溶媒
中で蒸留や還流によって合成することができ、R1およ
びR2の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜4のア
ルキル基が好ましく、R3は、炭素数2〜4のアルキレ
ン基、炭素数2〜4のアルキレン基がエーテル結合によ
って結合している全炭素数4〜8の2価の基が好まし
い。沸点が80℃以上である溶媒としては具体的には、
金属アルコキシドのアルコール交換反応が容易な例えば
(CH3)2CHOH(沸点82.3℃)、CH3(C
2H5)CHOH(沸点99.5℃)、(CH3)2C
HCH2OH(沸点108℃)、C4H9OH(沸点1
17.7℃)、(CH3)2CHC2H4OH(沸点1
30.5℃)、CH3OCH2CH2OH(沸点12
4.5℃)、C2H5OCH2CH2OH(沸点135
℃)、C4H9OCH2CH2OH(沸点171℃)な
どのアルコール類が最も望ましが、これらに限定される
ものではなくC2H5OH(沸点78.3℃)なども使
用可能である。この溶液を単結晶基板上にスピンコート
法、ディッピング法、スプレー法、スクリーン印刷法、
インクジェット法より選ばれた方法にて塗布する。これ
らの塗布の工程は、乾燥した窒素やアルゴン雰囲気中に
て行うことが得られる薄膜の品質の点より望ましい。こ
の後、必要に応じて、前処理として酸素を含む雰囲気
中、望ましくは酸素中にて、0.1〜1000℃/秒の
昇温速度、望ましくは1〜100℃/秒の昇温速度で基
板を加熱し、100℃〜500℃、望ましくは200℃
〜400℃の結晶化の起こらない温度範囲で塗布層を熱
分解することによりアモルファス状の薄膜を形成する。
さらに、酸素を含む雰囲気中、望ましくは酸素中にて、
10〜500℃/秒の昇温速度、望ましくは20〜10
0℃/秒の昇温速度で高速加熱し、650℃〜1200
℃、望ましくは700℃〜900℃の温度範囲で強誘電
体薄膜を基板表面より固相エピタキシャル成長させる。
このエピタキシャル結晶化においては、上記の温度にて
1秒間から24時間、望ましくは10秒間から12時間
の加熱を行う。これらの酸素雰囲気としては少なくとも
一定時間乾燥した酸素雰囲気を用いることが得られる薄
膜の品質の点より望ましいが、必要に応じて加湿するこ
とも可能である。これらのエピタキシャル結晶化工程に
おいて、一層の膜厚が10nmから1000nm、望ま
しくは膜厚50 nmから200nmの強誘電体薄膜層
を単結晶基板上に固相エピタキシャル成長することを一
回以上行う。それぞれのエピタキシャル成長の後には
0.01〜100C/秒の冷却速度で冷却を行なう。
電極となる導電性または半導電性の基板あるいは薄膜と
上部電極間に電圧を印加することにより異なる屈折率を
もつ部分を発生させてレーザー・ビームを電圧に応じて
偏向、スイッチング、または変調する。そのような素子
はさらに具体的には、プリズム型偏向素子、マッハツェ
ンダ干渉スイッチ、方向性結合スイッチ、全反射型スイ
ッチ、ブラッグ反射型スイッチ、デジタル型スイッチ、
位相変調素子、モード変換素子、波長フィルター素子な
どEO効果を用いるすべての光導波路素子が対象とな
り、本発明よって低駆動電圧特性と低伝搬損失特性を同
時に満足できる光導波路素子が提供される。
ついて図1乃至図13を用いて詳細に説明する。図1は
抵抗率0.05Ω・cm、吸収係数α=174を有す
る、NbドープSrTiO3導電性基板(n2=2.4
0)12上に600nmの厚さのPZT(52/48)
薄膜光導波路(n1=2.56)11が設けられ、その
上に媒質13が設けられた構造における、波長633n
mでのTE0モードの強度分布の模式図を示す。計算値
は全光強度の3.6%が基板へ染みだすことを示した。
この際、基板12の光吸収により光導波路11中の光伝
搬にともない基板12へ染みだした成分が吸収され、伝
搬損失となる。このとき光導波路表面や光導波路中の粒
界などによる散乱、および光導波路自身の吸収による損
失に加えて、基板吸収によって生じる伝搬損失が生じ
る。この伝搬損失は光導波路の膜厚に依存し、光導波路
膜厚が厚いほうが電界の光導波路中での閉じ込めが強く
なり、基板へ染みだす割合が少なくなるために伝搬損失
は図2に示すように小さくなる。
を図3および表1に示すように吸収の少ないノンドープ
SrTiO3バッファ層14で置き換えればNbドープ
SrTiO3導電性基板12による吸収はなくなり、伝
搬損失の低減が可能となる。
11と導電性基板12の隔離層として機能するために
は、一般に、バッファ層材料の屈折率が薄膜光導波路材
料の屈折率よりも小さいことが必要である。また、光導
波路表面や光導波路中の粒界などによる散乱に起因する
光伝播損失を実用レベルに低減するためには、バッファ
層材料は導電性基板材料と光導波路材料とのエピタキシ
関係を保持できることが必要である。このエピタキシ関
係を保持できる条件としては、バッファ層材料が導電性
基板材料と光導波路材料の結晶構造に類似で、格子常数
の差が10%以下であることが望ましいが、必ずしもこ
の関係に従わなくともエピタキシ関係を保持できる場合
がある。また、光導波路材料は高い電気光学係数を有す
ることが望ましく、導電性基板材料は低い抵抗率を有す
ることが望ましい。
よび光導波路材料と導電性基板材料の組み合わせとして
は、バッファ層材料および光導波路材料としてPb
1−xLax(ZryTi1−y)1−x/4O3、基
板としては不純物元素をドープすることによって導電性
または半導電性としたSrTiO3単結晶基板が最も適
切であることが数多くの材料の鋭意検討によってわかっ
た。SrTiO3は電気光学効果を有する酸化物材料で
あるぺロブスカイト構造を有し、不純物のドープによっ
て半導体化し、さらに良好な単結晶を作製することが可
能な材料である。Pb1−xLax(ZryT
i1−y)1−x/4O3は不純物をドープしたSrT
iO3単結晶半導体基板またはドープしたSrTiO3
半導体薄膜に対して同様のペロブスカイト構造を有し、
これらに対する格子常数の差が小さく、これらの屈折率
2.399よりも屈折率が大きく、かつ高い電気光学係
数を有する材料である。不純物ドープSrTiO3導電
性基板と例えばPZT(52/48)の格子常数の差は
3%と極めて小さい。
厚と基板吸収による伝搬損失の関係を図4に示す。バッ
ファ層膜厚ゼロすなわちバッファ層がない場合伝搬損失
は62.9dB/cmにもなるが、膜厚300nmの膜
厚のバッファ層を挿入すると伝搬損失はわずか0.6d
B/cmにまで低減できる。また、図5には各波長にお
けるPZT(52/48)薄膜光導波路/ノンドープS
rTiO3バッファ層/NbドープSrTiO3基板構
造における、基板吸収による伝搬損失が1dB/cmと
なる光導波路膜厚とバッファ層膜厚の関係を示す。一般
に、波長が長いほうが屈折率の波長分散による低下と実
効屈折率の低下とにより電界の光導波路中での閉じ込め
が弱くなり、基板への染みだしが多くなるが、この図5
の例の様にバッファ層の膜厚を適切に選択することによ
って伝搬損失を小さくすることができる。バッファ層と
光導波路の膜厚比は伝搬損失を1dB/cm以下に低減
するために少なくとも0.1以上が必要である。また、
TE0のシングルモードでの動作を前提とする際には
0.5以上とすることが適切である。バッファ層と光導
波路の膜厚比の上限としては、光導波路のTE0モード
のカットオフ膜厚において最大となり、一般に10程度
となる。
導電性基板(n2=2.40)12上に600nmの厚
さのPZT(52/48)薄膜光導波路(n1=2.5
6)11が設けられ、さらにその上に上部Al電極17
が設けられた構造における、波長633nmにおけるT
E0モードの強度分布の模式図を示す。この際、薄膜光
導波路中の光の振動数がAl電極のプラズマ振動数を越
えると、光伝搬にともないAl電極中へ染みだした成分
がAl中のキャリアによって強く吸収され、伝搬損失と
なる。このとき光導波路表面や光導波路中の粒界などに
よる散乱、および光導波路自身の吸収による損失に加え
て、金属電極吸収によって生じる伝搬損失は光導波路の
膜厚に依存し、光導波路膜厚が厚いほうが電界の光導波
路中での閉じ込めが強くなり、基板へ染みだす割合が少
なくなるために伝搬損失は図7に示すように小さくな
る。
および表2のように吸収の小さいSrTiO3クラッド
層13で置き換えれば上部Al電極17による吸収はな
くなり、伝搬損失の低減が可能となる。クラッド層13
がこのように薄膜光導波路11と金属電極17の隔離層
として機能するためには、一般に、クラッド層材料の屈
折率が薄膜光導波路材料の屈折率よりも小さいことが必
要である。
ッファ層が存在すると、上下電極間に印加した電圧は薄
膜光導波路とバッファ層のそれぞれの容量に従って分配
され、薄膜光導波路に印加できる実効電圧は低下する。
図9は等価回路であり、薄膜光導波路11の容量Cwと
バッファ層14の容量Cbからなる直列回路で表され、
容量の関係は次のようになる。
バッファ層の比誘電率をεb、膜厚をdb、ε0を真空
の誘電率で8.854×10−14(F/cm)、Sを
電極面積とすると次式のようになる。
導波路の比誘電率をε w、膜厚をdw、バッファ層の比
誘電率をεb、膜厚をdbとすると次式のようになる。 Vw=Cb/(Cw+Cb)×V0=εbdw/(εwdb+εbdw)×V0 ・・・[4]
s=300)に600nmの厚さのPZT薄膜光導波路
(εw=900)が設けられた場合に、基板と同じ屈折
率と比誘電率を有する300nmの厚さのSrTiO3
バッファ層(εb=300)を設けた場合には、 Vw=εbdw/(εwdb+εbdw)×V0=30
0×600/(900×300+300×600)×V
0=0.40×V0 と印加電圧の40%を実効電圧として光導波路に印加可
能となる。
る。 Vw/V0=(εb/εw)/{(db/dw)+(εb/εw)}=1/{( db/dw)/(εb/εw)+1} 1/(Vw/V0)=(db/dw)/(εb/εw)+1 εb/εw=(db/dw)/{1/(Vw/V0)−1} ・・・[5]
V0の値について図10および図11に示す。本発明に
おいてはdb/dwは0.1以上であるので、Vw/V
0が0.02以上の値、すなわち実効電圧が印加電圧の
2%以上となるεb/εwとして0.002以上の領
域、望ましくはVw/V0が0.1以上の値、すなわち
実効電圧が印加電圧の10%以上となるεb/εwとし
て0.006以上の領域となる。εb/εwの上限とし
ては、バッファ層と薄膜光導波路に用いることができる
材料の組合せで決まり、10程度となる。バッファ層の
比誘電率は、光導波路の比誘電率として4000近くの
材料があるため、εb/εwとして0.002以上を確
保できる8以上の値を有することが望ましい。バッファ
層と薄膜光導波路に用いることができる材料の組合せ
は、実効電圧が印加電圧の1%以下となる条件では、導
電性基板上に電気光学効果を有するエピタキシャル光導
波路を設け、駆動電圧を大幅に低減する目的に対し有効
ではなくなる。すなわち、実効電圧が印加電圧の2%以
下となる条件ではバッファ層を有する膜厚1.0μmの
光導波路素子へ印加する電圧は、バッファ層がなく、拡
散光導波路を有する厚さ50.0μmのウエハー素子へ
印加する電圧と等しくなり、このような厚さ50.0μ
mまでのウエハーは研磨などによって加工可能であるた
め、導電性基板上に電気光学効果を有するエピタキシャ
ル光導波路を設けるメリットがなくなる。以上の原理は
クラッド層についても全く同様である。
極で挟まれた構造での偏向速度、スイッチング速度、あ
るいは変調速度を次式のRC時定数で決まる周波数応答
の3dbポイントfで基板の抵抗率の許容範囲を検討す
る。なお、実際には駆動系のインピーダンスが加わり、
RC時定数はさらに大きくなる。
率、dsは基板の厚さ、Cは光導波路の静電容量、εr
は比誘電率、dwは光導波路の厚さである。基板の厚さ
は50μm程度が薄さの限界であるためdsを50μ
m、光導波路の厚さは一般に1μm程度であるためdw
を1μmとした場合の抵抗率と周波数応答の関係を図1
2に示す。強誘電体材料の比誘電率は数10から数10
00であるが、このような強誘電体材料からなる光導波
路素子でも1kHz以上の応答を示すためには基板の抵
抗率は104Ω・cm以下が必要になる。光導波路素子
の応答が1kHz以下である場合は機械的素子の応答速
度のレベルであり、本来高速である電気光学効果を用い
た素子の意義がなくなる。以上の原理もクラッド層があ
る場合についても全く同様である。
のための電圧を薄膜光導波路素子が基板と上部電極で挟
まれた構造へ印加した場合、多くの場合、薄膜光導波路
には10−7A/cm2以上のリーク電流が流れる。こ
のため基板抵抗が大きいと基板での電圧降下が著しくな
り薄膜光導波路にかかる電圧が低下する。基板での電圧
降下ΔVは次式の関係で検討する。 ΔV=IR=j・S×ρ・ds/S=j×ρ・ds ・・・[7]
密度、Rは基板の抵抗、ρは基板の抵抗率、dsは基板
の厚さ、Sは電極面積である。基板の厚さは500μm
程度以下であるためdsを500μmとした場合の抵抗
率と電圧降下の関係を図13に示す。導電性基板上薄膜
光導波路素子構造においては低電圧駆動が可能であるた
め、駆動電圧は少なくとも100V以下、多くの場合1
0V以下となる。このような駆動電圧に対して基板での
電圧降下ΔVが無視できる領域となる1%以下、すなわ
ち駆動電圧が10Vの場合にリーク電流密度が10−4
A/cm2程度でも電圧降下が0.1V以下とするため
には基板の抵抗率は104Ω・cm以下が必要となるこ
とがわかる。しかし、これらのリーク電流密度は定常状
態における電流密度であり、光導波路の充放電の瞬間に
おける電流密度はもっと大きいため、望ましくは抵抗率
は102Ω・cm以下が必要となる。
物元素をドープすることによって導電性または半導電性
としたSrTiO3材料は、不純物元素を0.01重量
%から5.0重量%ドープしたSrTiO3である。
0.01重量%よりも少なくドープしたSrTiO3は
抵抗率を104Ω・cm以下にすることが難しく、5.
0重量%よりも多くドープしたSrTiO3は、結晶性
の低下やドーパントの均一性などの点で使用が困難とな
る。
光導波路素子を図14および図15を用いて説明する。
図14は本実施の形態による光導波路素子の上面図であ
り、図15はその側面図である。本実施の形態において
は表3に示すように抵抗率が0.05Ω・cm、吸収係
数174のNb0.5%ドープSrTiO3(100)
単結晶導電性の下部電極基板2上へ、膜厚500nmの
エピタキシャルPLZT(9/65/35)バッファ層
4を成長させ、次に膜厚1000nmのエピタキシャル
PZT(52/48)薄膜光導波路1を成長させ、さら
に膜厚500nmのエピタキシャルPLZT(9/65
/35)クラッド層3を成長させ、最後にPtプリズム
型電極7を形成することによってEO偏向素子を作製し
た。PLZT光導波路層はゾルゲル法を用いた固相エピ
タキシャル成長によって作製した。まず、無水酢酸鉛P
b(CH3COO)2、ランタン・イソプロポキシドL
a(O−i−C3H7)3、ジルコニウム・イソプロポ
キシドZr(O−i−C3H7)4、およびチタン・イ
ソプロポキシドTi(O−i−C3H7)4を出発原料
として、2−メトキシエタノールに溶解し、6時間の蒸
留を行ったのち18時間の還流を行い、最終的にPb濃
度で0.6MのPLZT用前駆体溶液を得た。さらに、
この前駆体溶液をNbドープSrTiO3基板へスピン
コーティングを行った。以上の操作はすべてN2雰囲気
中にて行った。次に、加湿O2雰囲気中で20℃/se
cにて昇温して350℃にて保持の後、750℃に保持
し、最後に電気炉の電源を切り冷却した。これにより膜
厚100nmの第一層目のPLZT薄膜を固相エピタキ
シャル成長した。これをさらに4回繰り返すことにより
総膜厚500nmのエピタキシャルPLZTバッファ層
が得られた。PZT光導波路層は同様にして作製したP
ZT用前駆体溶液をPLZTバッファ層表面へスピンコ
ーティングを行い、加湿O2雰囲気中で20℃/sec
にて昇温して350℃にて保持の後、650℃に保持
し、最後に電気炉の電源を切り冷却した。これにより膜
厚100nmの第一層目のPZT薄膜を固相エピタキシ
ャル成長した。これをさらに9回繰り返すことにより総
膜厚1000 nmのエピタキシャルPZT薄膜光導波
路が得られた。PLZTクラッド層はPLZT用前駆体
溶液をPZT光導波路層表面へスピンコーティングを行
い、加湿O2雰囲気中で20℃/secにて昇温して3
50℃にて保持の後、750℃に保持し、最後に電気炉
の電源を切り冷却した。これにより膜厚100nmの第
一層目のPLZT薄膜を固相エピタキシャル成長した。
これをさらに4回繰り返すことにより総膜厚500nm
のエピタキシャルPLZTクラッド層が得られた。
00)// PZT(100)//PLZT(100)
//Nb−SrTiO3(100)、面内方位PLZT
[001]//PZT[001]//PLZT[00
1]//Nb−SrTiO3[001]の構造が得られ
た。PLZTクラッド層上にはスパッタリング法によっ
て成膜した膜厚100nmのPt薄膜による底辺100
μm、高さ1000μmのプリズム形上部電極をリフト
・オフ法によって形成し、プリズム型EO偏向素子を作
製した。また、NbドープSrTiO3基板へのオーミ
ック・コンタクトはInによって得た。
に電場を加えると、その部分の屈折率の低下が起こる。
本実施の形態においては、上面三角形の電極が図14よ
び図15のプリズム電極7の位置に配置され、距離dの
下部電極であるNbドープSrTiO3基板2と上部電
極であるITO電極7との間に電圧Vが印加されると、 Δn=−1/2・r・n3・(V/d) ・・・[8] の屈折率変化が生じ、プリズムの長さをL、幅をWとすると θ=−Δn×L/W=1/2・r・n3・(V/d)・(L/W) ・・・ [9] の偏向が生じる。なお、二次の電気光学効果であるKe
rr効果を有する強誘電体を用いたプリズム型光偏向素
子において次のようになる。 θ=1/2・r・n3・(V/d)2・(L/W) ・・・[10]
プリズム・カップリングによって633nmのレーザ光
を本実施例のPZT薄膜光導波路に導入し、光伝搬方向
のTE0モードの散乱光強度分布を光ファイバーによっ
て測定した。散乱光強度の対数と光伝搬距離の関係の傾
きより、光伝搬損失を求めたところ、3.8dB/cm
と良好な値を示した。また、NbドープSrTiO3基
板上へそれぞれ直接成長したPLZTバッファ層の比誘
電率測定値1900、PZT薄膜光導波路の比誘電率測
定値900、およびPLZTクラッド層の比誘電率測定
値1900より、式[4]より求められるPZT薄膜光
導波路の実効電圧は68%となった。また、Nbドープ
SrTiO3基板上へ直接成長したPZT薄膜光導波路
において電気光学係数、および屈折率を測定した結果、
PZT薄膜光導波路の電気光学係数および屈折率はr=
50 pm/V、およびn=2.56であった。
レーザ光源9からの633nmの波長のレーザー・ビー
ムをレンズ10で幅100μmにコリメートした後、プ
リズム5を介してPZT薄膜光導波路へ導入し、下部N
bドープSrTiO3基板電極2とPt上部プリズム電
極7間に電圧を印加することにより、導入されたレーザ
ー・ビーム6が偏向された。偏向されたレーザー・ビー
ム8は端面から出射され、投影面上でのレーザ・スポッ
ト位置の変位より偏向角度を求めると、5V印加、すな
わち実効電圧3.4Vで0.83度の偏向が確認され
た。先に求めた=50pm/V、およびn=2.56
と、設計値となるd=1000nm、W=100μm、
L=1000μmより実効電圧3.4Vでの偏向角度を
逆に求めると実測とほぼ同じ0.82度となった。
1MHzを示した。本実施の形態のNbドープSrTi
O3基板上へ成長したPLZTバッファ層の比誘電率測
定値1900、PZT薄膜光導波路の比誘電率測定値9
00、PLZTクラッド層の比誘電率測定値1900、
および式[1’]より合成容量を求め、さらに式
[6’]よりRC時定数に測定系の抵抗50Ωを考慮す
ることによって決まる周波数応答と求めると10.7M
Hzと、実測値にほぼ一致した。また、リーク電流密度
は8×10−8A/cm2であり、式[7]より求めら
れる基板での電圧降下ΔVは2×10−10Vと無視で
きるレベルであった。
説明する。本比較例においては抵抗率が5×104Ω・
cm、厚さが500μmのNb0.005%ドープSr
TiO3(100)単結晶導電性の下部電極基板上へ、
第1の実施の形態と同様にして膜厚500nmのエピタ
キシャルPLZT(9/65/35)バッファ層を成長
させ、次に膜厚1000nmのエピタキシャルPZT
(52/48)薄膜光導波路を成長させ、さらに膜厚5
00nmのエピタキシャルPLZT(9/65/35)
クラッド層を成長させ、最後に第1の実施の形態と同様
のプリズム型電極を形成することによってEO偏向素子
を作製した。
を求めたところ、本比較例のPZT光導波路の光伝搬損
失は3.5dB/cmと、実用レベルに入る特性を示し
た。次に、第1の実施の形態と同様にして本比較例のプ
リズム型EO偏向素子へ633nmの波長のレーザー・
ビームをPZT薄膜光導波路へプリズムを介して導入
し、下部NbドープSrTiO3基板電極とPt上部プ
リズム電極の間に電圧を印加することにより、レーザー
・ビームを偏向した。端面から出射された投影面上での
レーザ・スポット位置の変位より偏向角度を求めると、
5V印加で0.77度の偏向が確認された。
122Hzと非常に遅い値を示した。本比較例のNbド
ープSrTiO3基板上へ成長したPLZTバッファ層
の比誘電率測定値1900、PZT薄膜光導波路の比誘
電率測定値900、およびPLZTクラッド層の比誘電
率測定値1900より合成容量を求め、さらにRC時定
数に測定系の抵抗50Ωを考慮することによって決まる
周波数応答と求めると118Hzと、実測値にほぼ一致
した。また、リーク電流密度7×10−8A/cm2よ
り求められる基板での電圧降下ΔVは2×10−4Vと
第1の実施の形態に比較してかなり大きかった。
導波路素子について説明する。本実施の形態においては
表4に示すように抵抗率が0.05Ω・cm、吸収係数
174のNb0.5%ドープSrTiO3(100)単
結晶導電性の下部電極基板上へ、膜厚300nmのエピ
タキシャルSrTiO3バッファ層を成長させ、次に膜
厚900nmのエピタキシャルPZT(52/48)薄
膜光導波路を成長させ、次に膜厚300nmのSrTi
O3クラッド層を成長させ、さらにAlプリズム型電極
を形成することによってEO偏向素子を作製した。
はRfスパッタリングにより成長させた。膜厚300n
mのSrTiO3バッファ層を成長の後、第1の実施の
形態と同様にゾルゲル法を用いた固相エピタキシャル成
長によって総膜厚900 nmのエピタキシャルPZT
薄膜を得た。結晶学的関係は単一配向のPZT(10
0)//SrTiO3(100)//Nb−SrTiO
3(100)、面内方位PZT[001]//SrTi
O3[001]//Nb−SrTiO3[001]の構
造が得られた。このPZT薄膜光導波路上に、さらに膜
厚約300nmのSrTiO3クラッド層を得た。Sr
TiO3クラッド層上にはスパッタリング法によって成
膜した膜厚100nmのAl薄膜による底辺100μ
m、高さ1000μmのプリズム形上部電極をリフト・
オフ法によって形成し、EO偏向素子を作製した。
mのレーザ光を本実施の形態のPZT薄膜光導波路に導
入し、TE0モードの伝搬損失を測定した所、4.0d
B/cmと良好な値を示した。一方、本実施の形態のS
rTiO3バッファ層のみをNbドープSrTiO3基
板上へ成長した状態で膜厚300nmのSrTiO3バ
ッファ層の比誘電率を測定したところ、予想の300よ
りも若干低い250を示した。また、SrTiO3クラ
ッド層のみをNbドープSrTiO3基板上へ直接成膜
した状態で膜厚300nmのSrTiO3クラッド層の
比誘電率を測定したところやはり250を示した。一
方、第1の実施の形態と同様にNbドープSrTiO3
基板上へ直接成長したPZT薄膜光導波路において比誘
電率を測定した結果、900であった。従って、PZT
薄膜光導波路の実効電圧の見積もりは33%となった。
プリズム型EO偏向素子へ633nmの波長のレーザー
・ビームをプリズムを介してPZT薄膜光導波路へ導入
し、下部NbドープSrTiO3基板電極と上部Alプリ
ズム電極間に電圧を印加することによりレーザー・ビー
ムが偏向された。偏向されたレーザー・ビームは端面か
ら出射され、投影面上でのレーザ・スポット位置の変位
より偏向角度を求めると、50V印加、すなわち実効電
圧16.5Vで4.40度の偏向が確認された。先に求
めたr=50pm/V、およびn=2.56と、設計値
となるd=900nm、W=100μm、L=1000
μmより実効電圧16.5Vでの偏向角度を逆に求める
と実測と同じ4.40度となった。
0MHzを示した。本実施の形態のNbドープSrTi
O3基板上へ成長したSrTiO3バッファ層の比誘電
率測定値250、PZT薄膜光導波路の比誘電率測定値
900、SrTiO3クラッド層の比誘電率測定値25
0より合成容量を求め、さらにRC時定数に測定系の抵
抗50Ωを考慮することによって決まる周波数応答と求
めると22.2MHzと、実測値にほぼ一致した。ま
た、リーク電流密度1×10−7A/cm2より求めら
れる基板での電圧降下ΔVは2×10−10Vと無視で
きるレベルであった。
説明する。本比較例においては第2の実施の形態と同様
に抵抗率が0.05Ω・cm、吸収係数174のNb
0.5%ドープSrTiO3 (100)単結晶導電性
の下部電極基板上へ、膜厚12nmのエピタキシャルS
rTiO3バッファ層を成長させ、次に膜厚900nm
のエピタキシャルPZT(52/48)薄膜光導波路、
次に膜厚12nmのSrTiO3バッファ層を成長さ
せ、さらに第2の実施の形態と同様のAlプリズム型電
極を形成することによってEO偏向素子を作製した。
はRfスパッタリングにより成長させた。膜厚12nm
のSrTiO3バッファ層を成長の後、PZT(52/
48)光導波路層も第1の実施の形態と同様にゾルゲル
法を用いた固相エピタキシャル成長によって総膜厚90
0nmのエピタキシャルPZT薄膜を得た。結晶学的関
係は単一配向のPZT(100)//SrTiO3(1
00)//Nb−SrTiO3(100)、面内方位P
ZT[001]//SrTiO3[001]//Nb−
SrTiO3[001]の構造が得られた。この後、さ
らに膜厚12nmのSrTiO3バッファ層をRfスパ
ッタリングにより成長させを成長させた。
mのレーザ光を本比較例のPZT薄膜光導波路に導入
し、TE0モードの伝搬損失を測定した所、42dB/
cmとバッファ層の挿入効果はほとんど見られず、シュ
ミレーションから予想されるように、バッファ層を挿入
してもバッファ層と光導波路の膜厚比が0.05以下の
領域では実用レベルの伝搬損失は得られないことがわか
った。
ッタリング法によって成膜した膜厚100nmのAl薄
膜による底辺100μm、高さ1000μmのプリズム
形上部電極をリフト・オフ法によって形成した。しか
し、プリズム・カップリングによって633nmのレー
ザ光を本比較例のPZT薄膜光導波路に導入し、TE0
モードの伝搬損失を測定した所、NbドープSrTiO
3基板による損失に加えてAl電極による大きな損失が
加わり、伝搬損失は求めることができなかった。
説明する。本比較例においては第1の実施の形態と同様
に抵抗率が5×104Ω・cm、Nb0.005%ドー
プSrTiO3(100)単結晶透明導電性の下部電極
基板上へ、膜厚900nmのエピタキシャルPZT(5
2/48)薄膜光導波路を成長させ、その上に屈折率が
1.46、比誘電率が3.9である膜厚300nmのS
iO2クラッド層を成長させ、さらに第2の実施の形態
と同様のプリズム型Al上部電極を形成することによっ
てEO偏向素子を作製した。
実施の形態と同様にしてゾルゲル法を用いた固相エピタ
キシャル成長によって、総膜厚900nmのエピタキシ
ャルPZT薄膜を作製した。その後、SiO2クラッド
層はゾルゲル法を用いて形成した。この場合、プリズム
・カップリングによって633nmのレーザ光を本比較
例のPZT薄膜光導波路に導入し、TE0モードの伝搬
損失測定を行った所、Al上部電極による吸収の影響が
低減され、3.9dB/cmと良好な伝搬損失を示し
た。しかし、PZT薄膜光導波路の実効電圧は、PZT
(52/48)薄膜光導波路の膜厚900nm、比誘電
率900、およびSiO2クラッド層の膜厚300n
m、比誘電率3.9よりわずか1.3%となり、100
Vを印加しても実効電圧は1.3Vにしかならないこと
がわかった。
導波路素子について説明する。本実施の形態においては
第1の実施の形態とほぼ同様に表5に示すように抵抗率
が30Ω・cmのNb0.05%ドープSrTiO
3(100)単結晶導電性の下部電極基板上へ、膜厚3
00nmのエピタキシャルSrTiO3バッファ層を成
長させ、次に膜厚900nmのエピタキシャルPLZT
(9/65/35)薄膜光導波路を成長させ、次に膜厚
300nmのSrTiO3クラッド層を成長させ、さら
に第1の実施の形態と同様のプリズム型Pt電極を形成
することによってEO偏向素子を作製した。
はRfスパッタリングにより作製した。膜厚300nm
のSrTiO3バッファ層を成長の後、第1の実施の形
態と同様にゾルゲル法を用いた固相エピタキシャル成長
によって総膜厚900nmのエピタキシャルPLZT薄
膜を得た。結晶学的関係は単一配向のPLZT(10
0)//SrTiO3(100)//Nb−SrTiO
3(100)、面内方位PLZT[001]//SrT
iO3[001]//Nb−SrTiO3[001]の
構造が得られた。この後、さらに膜厚300nmのSr
TiO3バッファ層を成長させ、SrTiO3バッファ
層上にはPt薄膜によるプリズム形電極を形成した。
mのレーザ光を本実施の形態のPLZT薄膜光導波路に
導入し、TE0モードの伝搬損失を測定した所、2.5
dB/cmと良好な値を示した。Rfスパッタリング条
件を変更することにより、SrTiO3バッファ層およ
びクラッド層の比誘電率測定値は300となり、PLZ
T薄膜光導波路の比誘電率測定値1900とより求めら
れるPLZT薄膜光導波路の実効電圧は20%となっ
た。また、PLZT薄膜光導波路の電気光学係数、およ
び屈折率を測定した結果、二次の係数R=3×10
−16m2/V2、およびn=2.49であった。
プリズム型EO偏向素子へ633nmの波長のレーザー
・ビームをプリズムを介してPLZT薄膜光導波路へ導
入し、下部NbドープSrTiO3基板電極とPt上部
プリズム電極間に電圧を印加することにより導入された
レーザー・ビームが偏向された。偏向されたレーザー・
ビームは端面から出射され、投影面上でのレーザ・スポ
ット位置の変位より偏向角度を求めると、5V印加、す
なわち実効電圧1.0Vで1.70度の偏向が確認され
た。先に求めたR=3×10−16m2/V2、および
n=2.49と、設計値となるd=900nm、W=1
00μm、L=1000μmより実効電圧1.0Vでの
偏向角度を逆に求めると実測とほぼ同じ1.64度とな
った。
kHzを示した。本実施の形態のNbドープSrTiO
3基板上へ成長したSrTiO3バッファ層の比誘電率
測定値300と、PLZT薄膜光導波路の比誘電率測定
値1900より合成容量を求め、さらにRC時定数に測
定系の抵抗50Ωを考慮することによって決まる周波数
応答と求めると292kHzと、実測値にほぼ一致し
た。また、リーク電流密度7×10−8A/cm2より
求められる基板での電圧降下ΔVは1×10−7Vと無
視できるレベルであった。
導波路素子について説明する。本実施の形態においては
第1の実施の形態とほぼ同様に表6に示すように抵抗率
が0.002Ω・cmのLa1.0%ドープSrTiO
3(100)単結晶導電性の下部電極基板上へ、膜厚5
00nmのエピタキシャルPLZT(9/65/35)
バッファ層を成長させ、次に膜厚1000nmのエピタ
キシャルPZT(52/48)薄膜光導波路を成長さ
せ、次に膜厚500nmのエピタキシャルPZT(85
/15)クラッド層を成長させ、さらにプリズム型IT
O電極を形成することによってEO偏向素子を作製し
た。
PZT(52/48)薄膜光導波路、およびPZT(8
5/15)クラッド層は、第1の実施の形態と同様にゾ
ルゲル法を用いた固相エピタキシャル成長によってPL
ZT(9/65/35)バッファ層の積層の後、PZT
(52/48)薄膜光導波路を積層し、さらにPZT
(85/15)クラッド層を積層することによって得
た。結晶学的関係は単一配向のPZT(100)//P
ZT(100)//PLZT(100)//Nb−Sr
TiO3(100)、面内方位PZT[001]//P
ZT[001]//PLZT[001]//Nb−Sr
TiO3[001]の構造が得られた。PZT薄膜光導
波路上には膜厚100nmのITO薄膜による底辺10
0μm、高さ1000μmのプリズム形上部電極を形成
し、プリズム型EO偏向素子を作製した。プリズム・カ
ップリングによって633nmのレーザ光を本実施形態
のPZT薄膜光導波路に導入し、TE0モードの伝搬損
失を測定した所、5.0dB/cmと良好な値を示し
た。また、偏向角度および偏向速度とも先の実施の形態
と同様に良好な特性を示した。
導波路素子について説明する。第4の実施の形態と同様
に表6に示すように抵抗率が0.002Ω・cmのLa
1.0%ドープSrTiO3(100)単結晶導電性の
下部電極基板上へ、膜厚500nmのエピタキシャルP
LZT(9/65/35)バッファ層を成長させ、次に
膜厚1000nmのエピタキシャルPZT(52/4
8)薄膜光導波路を成長させ、次に膜厚500nmのエ
ピタキシャルPZT(85/15)クラッド層を成長さ
せ、その後、薄膜光導波路のパターンニングによるチャ
ンネルの形成と電極の設置によってマッハツェンダ干渉
スイッチを作製することができ、低伝搬損失で低駆動電
圧である良好な光導波路特性およびスイッチング特性を
有する光導波路構造を得ることができる。
導波路素子について説明する。第4の実施の形態と同様
に表6に示すように抵抗率が0.002Ω・cmのLa
1.0%ドープSrTiO3(100)単結晶導電性の
下部電極基板上へ、膜厚500nmのエピタキシャルP
LZT(9/65/35)バッファ層を成長させ、次に
膜厚1000nmのエピタキシャルPZT(52/4
8)薄膜光導波路を成長させ、次に膜厚500nmのエ
ピタキシャルPZT(85/15)クラッド層を成長さ
せ、その後、薄膜光導波路のパターンニングによるチャ
ンネルの形成と電極の設置によって方向性結合スイッチ
を作製することができ、低伝搬損失で低駆動電圧である
良好な光導波路特性およびスイッチング特性を有する光
導波路構造を得ることができる。
不純物元素をドープすることによって導電性または半導
電性としたSrTiO3単結晶基板上にバッファ層を配
し、その上に薄膜光導波路を設け、さらにクラッド層を
設けた構造の他の実施の形態を表7から表12に示す
が、このような構造はこれらに限られるものではない。
導波路素子について説明する。表13に示すようにMg
O単結晶基板上へ、膜厚200nmのエピタキシャルN
b0.5%ドープSrTiO3(100)導電層を成長
させ、次に膜厚300nmのSrTiO3バッファ層を
成長させ、次に膜厚1000nmのエピタキシャルPZ
T(52/48)薄膜光導波路を成長させ、次に膜厚3
00nmのSrTiO 3クラッド層を成長させ、さらに
薄膜光導波路のパターンニングによるチャンネルの形成
とX交差部への電極の設置によって全反射型スイッチを
作製することができる。
層の各層はターゲット表面をUVレーザー・パルスによ
り瞬間的に加熱し蒸着を行うエキシマ・レーザー・デポ
ジション法によって成長させることができる。結晶学的
関係は単一配向のSrTiO 3(100)//PZT
(100)//SrTiO3(100)//Nb−Sr
TiO3(100)//MgO(100)を有し、低伝
搬損失で低駆動電圧である良好な光導波路特性およびス
イッチング特性を有する光導波路構造を得ることができ
る。
をドープすることによって導電性または半導電性とした
SrTiO3導電層とバッファ層を配し、その上に薄膜
光導波路を設けた構造の他の実施の形態を表14に示す
が、このような構造はこれらに限られるものではない。
向素子、マッハツェンダ干渉スイッチ、方向性結合スイ
ッチ、および全反射型スイッチを示したが、本発明の思
想は言うまでもなくブラッグ反射型スイッチ、デジタル
型スイッチ、位相変調素子、モード変換素子、波長フィ
ルター素子などEO効果を用いるすべての光導波路素子
において同様に適応可能であり、これらの薄膜光導波路
素子においても同じく低駆動電圧特性と低伝搬損失特性
を同時に解決できる構造が提供される。
圧特性と低伝搬損失特性を同時に解決できる電気光学効
果を有する薄膜光導波路素子が実現できる。本発明の光
導波路素子は各種の偏向素子、スイッチング素子、ある
いは変調素子などを含む電気光学効果を利用する光導波
路素子全般へ利用可能となる。
図である。
T光導波路の伝搬損失と膜厚の関係を示す図である。
を示す図である。
600nmのPZT光導波路の伝搬損失とSrTiO3
バッファ層の膜厚の関係を示す図である。
吸収伝搬損失が1dB/cmとなるPZT光導波路の膜
厚とSrTiO3バッファ層の膜厚の関係を示す図であ
る。
分布の原理図である。
損失と膜厚の関係を示す図である。
の原理図である。
図である。
の範囲のバッファ層膜厚/光導波路膜厚対バッファ層誘
電率/光導波路誘電率の関係を示す図である。
範囲のバッファ層膜厚/光導波路膜厚対バッファ層誘電
率/光導波路誘電率の関係を示す図である。
の関係を示す図である。
る。
プリズム型偏向素子の上面図である。
プリズム型偏向素子の側面図である。
Claims (16)
- 【請求項1】不純物元素を0.01重量%から5.0重
量%ドープした導電性または半導電性の下部電極となる
SrTiO3単結晶基板と、 前記単結晶基板表面に設けられたエピタキシャルまたは
単一配向性の酸化物バッファ層と、 前記バッファ層上に設けられたエピタキシャルまたは単
一配向性の電気光学効果を有する酸化物薄膜光導波路
と、 前記薄膜光導波路上に設けられた酸化物クラッド層と、 前記クラッド層上に設けられた導電性薄膜または半導電
性薄膜の上部電極とを備えたことを特徴とする光導波路
素子。 - 【請求項2】請求項1記載の光導波路素子において、 前記単結晶半導体基板は、表面に不純物元素を0.01
重量%から5.0重量%ドープしたエピタキシャルまた
は単一配向性のSrTiO3半導体薄膜を有しているこ
とを特徴とする光導波路素子。 - 【請求項3】請求項1または2に記載の光導波路素子に
おいて、 前記不純物元素は、III族またはV族の元素であるこ
とを特徴とする光導波路素子。 - 【請求項4】請求項3記載の光導波路素子において、 前記不純物元素は、Nbであることを特徴とする光導波
路素子。 - 【請求項5】請求項3記載の光導波路素子において、 前記不純物元素は、Laであることを特徴とする光導波
路素子。 - 【請求項6】請求項1乃至5のいずれかに記載の光導波
路素子において、 前記単結晶半導体基板の抵抗率は、104Ω・cm以下
であることを特徴とする光導波路素子。 - 【請求項7】請求項1乃至6のいずれかに記載の光導波
路素子において、 前記バッファ層は、前記光導波路よりも小さい屈折率を
有する酸化物であることを特徴とする光導波路素子。 - 【請求項8】請求項1乃至7のいずれかに記載の光導波
路素子において、 前記バッファ層は、Pb1−xLax(ZryTi
1−y)1−x/4O3(0<x<0.3、0<y<
1.0)であることを特徴とする光導波路素子。 - 【請求項9】請求項1乃至8のいずれかに記載の光導波
路素子において、 前記薄膜光導波路は、酸化物強誘電体であることを特徴
とする光導波路素子。 - 【請求項10】請求項1乃至9のいずれかに記載の光導
波路素子において、 前記強誘電体薄膜光導波路は、Pb1−xLax(Zr
yTi1−y)1−x /4O3(0<x<0.3、0<
y<1.0)であることを特徴とする光導波路素子。 - 【請求項11】請求項1乃至10のいずれかに記載の光
導波路素子において、 前記クラッド層は、前記光導波路よりも小さい屈折率を
有する酸化物であることを特徴とする光導波路素子。 - 【請求項12】請求項1乃至11のいずれかに記載の光
導波路素子において、 前記クラッド層は、Pb1−xLax(ZryTi
1−y)1−x/4O3(0<x<0.3、0<y<
1.0)であることを特徴とする光導波路素子。 - 【請求項13】請求項1乃至12のいずれかに記載の光
導波路素子において、 前記上部電極は、金属であることを特徴とする光導波路
素子。 - 【請求項14】請求項1乃至13のいずれかに記載の光
導波路素子において、 前記上部電極と前記下部電極との間に電圧を印加するこ
とにより、前記光導波路に入射する光ビームを変調、ス
イッチング、または偏向することを特徴とする光導波路
素子。 - 【請求項15】請求項14記載の光導波路素子におい
て、 前記上部電極と前記下部電極との間に電圧を印加するこ
とにより、前記光導波路に入射する光ビームをプリズム
型偏向、マッハツェンダ干渉スイッチング、方向性結合
スイッチング、全反射型スイッチング、ブラッグ反射型
スイッチング、デジタル型スイッチング、位相変調、モ
ード変換、または波長フィルタリングすることを特徴と
する光導波路素子。 - 【請求項16】酸化物バッファ層と、酸化物薄膜光導波
路と、酸化物クラッド層とがこの順に積層された光導波
路素子の製造方法において、 前記酸化物バッファ層、前記酸化物薄膜光導波路、及び
前記クラッド層は、金属有機化合物を塗布した後、焼成
による固相エピタキシャル成長で形成することを特徴と
する光導波路素子の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11029725A JP2000056344A (ja) | 1998-06-05 | 1999-02-08 | 光導波路素子およびその製造方法 |
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JP10-157610 | 1998-06-05 | ||
JP15761098 | 1998-06-05 | ||
JP11029725A JP2000056344A (ja) | 1998-06-05 | 1999-02-08 | 光導波路素子およびその製造方法 |
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JP11029725A Pending JP2000056344A (ja) | 1998-06-05 | 1999-02-08 | 光導波路素子およびその製造方法 |
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-
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- 1999-02-08 JP JP11029725A patent/JP2000056344A/ja active Pending
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