JP2000056251A - 動圧オイル軸受およびこれを用いた偏向走査装置 - Google Patents
動圧オイル軸受およびこれを用いた偏向走査装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 動圧オイル軸受のスラスト板等の摩耗を防
ぐ。 【解決手段】 回転多面鏡1と一体的に回転する軸2は
スリーブ3に嵌合し、軸2の下端2aはスラスト板6上
に支持される。軸2とスリーブ3の間の微小間隙と、軸
2とスラスト板6の間の閉塞空間A1 にはオイルB1 が
充填される。軸2に設けられた二組のヘリングボーン状
の動圧発生溝2b,2cのうちの下側の動圧発生溝2c
は、ヘリングボーンの頂点を挟んで上下が非対称な溝パ
ターンを有する。これによって閉塞空間A1 におけるオ
イルB1 の圧力が外気より高圧のP0となり、軸2の下
端2aをスラスト板6から浮上させる浮上力を得ること
ができる。
ぐ。 【解決手段】 回転多面鏡1と一体的に回転する軸2は
スリーブ3に嵌合し、軸2の下端2aはスラスト板6上
に支持される。軸2とスリーブ3の間の微小間隙と、軸
2とスラスト板6の間の閉塞空間A1 にはオイルB1 が
充填される。軸2に設けられた二組のヘリングボーン状
の動圧発生溝2b,2cのうちの下側の動圧発生溝2c
は、ヘリングボーンの頂点を挟んで上下が非対称な溝パ
ターンを有する。これによって閉塞空間A1 におけるオ
イルB1 の圧力が外気より高圧のP0となり、軸2の下
端2aをスラスト板6から浮上させる浮上力を得ること
ができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザビームプリ
ンタやレーザファクシミリ等の偏向走査装置やビデオド
ラムの軸受部等に用いられる動圧オイル軸受およびこれ
を用いた偏向走査装置に関するものである。
ンタやレーザファクシミリ等の偏向走査装置やビデオド
ラムの軸受部等に用いられる動圧オイル軸受およびこれ
を用いた偏向走査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザビームプリンタやレーザファクシ
ミリ等の画像形成装置に用いられる偏向走査装置は、高
速回転する回転多面鏡によってレーザビーム(レーザ
光)等の光ビームを反射させてこれを偏向走査し、得ら
れた走査光を回転ドラム上の感光体に結像させて静電潜
像を形成する。次いで、感光体の静電潜像を現像装置に
よってトナー像に顕像化し、これを記録紙等の記録媒体
に転写して定着装置へ送り、記録媒体上のトナーを加熱
定着させることで印刷(プリント)が行なわれる。
ミリ等の画像形成装置に用いられる偏向走査装置は、高
速回転する回転多面鏡によってレーザビーム(レーザ
光)等の光ビームを反射させてこれを偏向走査し、得ら
れた走査光を回転ドラム上の感光体に結像させて静電潜
像を形成する。次いで、感光体の静電潜像を現像装置に
よってトナー像に顕像化し、これを記録紙等の記録媒体
に転写して定着装置へ送り、記録媒体上のトナーを加熱
定着させることで印刷(プリント)が行なわれる。
【0003】このような偏向走査装置やビデオドラム等
においては、近年さらなる小型化・低コスト化が要求さ
れており、加えて回転多面鏡等の回転体を回転支持する
軸受部には回転変動の少ないことや低騒音等の高い軸受
性能が必要である。これらの要求に対応するために、流
体の動圧によって回転体を軸支する動圧軸受が注目され
ている。
においては、近年さらなる小型化・低コスト化が要求さ
れており、加えて回転多面鏡等の回転体を回転支持する
軸受部には回転変動の少ないことや低騒音等の高い軸受
性能が必要である。これらの要求に対応するために、流
体の動圧によって回転体を軸支する動圧軸受が注目され
ている。
【0004】動圧軸受は、互いに回転自在に嵌合するス
リーブと軸の少なくとも一方に動圧発生溝を形成し、ス
リーブと軸の間の微小間隙(軸受間隙)の流体をスリー
ブと軸の相対運動によるポンプ作用によって流動させて
軸荷重を支承するように構成されている。このような動
圧軸受を使用するモータは、例えば作動流体に気体を用
いたものでは特開平2−180311号公報等に開示さ
れており、オイル等の液体を用いたものでは特開平2−
154808号公報等に開示されている。
リーブと軸の少なくとも一方に動圧発生溝を形成し、ス
リーブと軸の間の微小間隙(軸受間隙)の流体をスリー
ブと軸の相対運動によるポンプ作用によって流動させて
軸荷重を支承するように構成されている。このような動
圧軸受を使用するモータは、例えば作動流体に気体を用
いたものでは特開平2−180311号公報等に開示さ
れており、オイル等の液体を用いたものでは特開平2−
154808号公報等に開示されている。
【0005】図4は、一従来例による偏向走査装置の主
要部を示すもので、これは、回転多面鏡101と一体的
に回転する軸102と、これを回転自在に嵌合させたス
リーブ103を有し、軸102とスリーブ103の間の
微小隙間は3〜10μm程度であり、オイルB0 が充填
されている。スリーブ103は外筒104のボス部に嵌
着され、スリーブ103の下端は固定板105と一体で
ある。固定板105は、軸102の下端をスラスト方向
に支持するスラスト板106を備えており、軸102の
上端部にはフランジ107が固着されている。回転多面
鏡101はフランジ107の上面に支持されて軸102
とともに回転するように構成されている。
要部を示すもので、これは、回転多面鏡101と一体的
に回転する軸102と、これを回転自在に嵌合させたス
リーブ103を有し、軸102とスリーブ103の間の
微小隙間は3〜10μm程度であり、オイルB0 が充填
されている。スリーブ103は外筒104のボス部に嵌
着され、スリーブ103の下端は固定板105と一体で
ある。固定板105は、軸102の下端をスラスト方向
に支持するスラスト板106を備えており、軸102の
上端部にはフランジ107が固着されている。回転多面
鏡101はフランジ107の上面に支持されて軸102
とともに回転するように構成されている。
【0006】フランジ107の外周部の下面には、ロー
タマグネット108を保持するヨーク109が固着され
ており、ロータマグネット108は、外筒104のボス
部の外周面に固定されたステータコイル110に対向す
るように配設されている。図示しない駆動回路から供給
される駆動電流によってステータコイル110が励磁さ
れると、ロータマグネット108が軸102および回転
多面鏡101とともに高速回転する。
タマグネット108を保持するヨーク109が固着され
ており、ロータマグネット108は、外筒104のボス
部の外周面に固定されたステータコイル110に対向す
るように配設されている。図示しない駆動回路から供給
される駆動電流によってステータコイル110が励磁さ
れると、ロータマグネット108が軸102および回転
多面鏡101とともに高速回転する。
【0007】スリーブ103は、軸102の回転によっ
て前記微小隙間にオイルB0 の流体膜を形成し、該流体
膜の動圧によって軸102を非接触で回転支持する動圧
軸受を構成する。軸102の外周面には、軸102の下
端から上向きに順次間隔を置いて、ヘリングボーン状の
動圧発生溝102a,102bが形成されている。
て前記微小隙間にオイルB0 の流体膜を形成し、該流体
膜の動圧によって軸102を非接触で回転支持する動圧
軸受を構成する。軸102の外周面には、軸102の下
端から上向きに順次間隔を置いて、ヘリングボーン状の
動圧発生溝102a,102bが形成されている。
【0008】軸102の回転とともにオイルが動圧発生
溝102a,102bの中央部に吸い込まれ、高圧領域
を発生させる。この高圧領域によって軸102とスリー
ブ103がラジアル方向に非接触な状態で支持される。
このように非接触で回転するため、例えば金属接触を伴
なう滑り軸受に比べて低騒音および高い回転精度などの
特性を得られるばかりでなく、組立部品点数の点からも
転がり軸受等に比べて小型化・低コスト化できるという
利点を有する。
溝102a,102bの中央部に吸い込まれ、高圧領域
を発生させる。この高圧領域によって軸102とスリー
ブ103がラジアル方向に非接触な状態で支持される。
このように非接触で回転するため、例えば金属接触を伴
なう滑り軸受に比べて低騒音および高い回転精度などの
特性を得られるばかりでなく、組立部品点数の点からも
転がり軸受等に比べて小型化・低コスト化できるという
利点を有する。
【0009】なお、軸102の下端は球面状になってお
り、スラスト板106とともにピボット軸受部を構成し
ている。回転多面鏡101とともに軸102が回転する
と、スリーブ103と軸102の間は上記のようにオイ
ルB0 の動圧によって非接触に保たれるが、スラスト方
向には、軸102の回転時、停止時を問わず、軸102
の球面状の下端がスラスト板106に接触した状態にあ
る。従ってスラスト板106は、回転多面鏡101、軸
102、ロータマグネット108等を含む回転体全体の
重さと、ロータマグネット108とステータコイル11
0の間に発生する磁気的吸引力によるスラスト荷重を常
時支えることになる。
り、スラスト板106とともにピボット軸受部を構成し
ている。回転多面鏡101とともに軸102が回転する
と、スリーブ103と軸102の間は上記のようにオイ
ルB0 の動圧によって非接触に保たれるが、スラスト方
向には、軸102の回転時、停止時を問わず、軸102
の球面状の下端がスラスト板106に接触した状態にあ
る。従ってスラスト板106は、回転多面鏡101、軸
102、ロータマグネット108等を含む回転体全体の
重さと、ロータマグネット108とステータコイル11
0の間に発生する磁気的吸引力によるスラスト荷重を常
時支えることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術によれば、以下のような不都合を生じる。すなわ
ち、近年レーザビームプリンタ等の印刷枚数を増やすた
めに偏向走査装置のモータには定格回転数の増加等が求
められており、このような性能向上に応じるために、軸
102の材料には鉄系材料、スラスト板106には比較
的安価な樹脂材料が用いられることが多い。ところが偏
向走査装置を長期間使用すると、軸102の球面状の下
端が当接するスラスト板106が削られて、回転多面鏡
101の軸方向の位置が変化したり、軸102の球面部
とスラスト板106の接触面積が増大し、その結果消費
電流が増加する等のトラブルが起こっていた。
の技術によれば、以下のような不都合を生じる。すなわ
ち、近年レーザビームプリンタ等の印刷枚数を増やすた
めに偏向走査装置のモータには定格回転数の増加等が求
められており、このような性能向上に応じるために、軸
102の材料には鉄系材料、スラスト板106には比較
的安価な樹脂材料が用いられることが多い。ところが偏
向走査装置を長期間使用すると、軸102の球面状の下
端が当接するスラスト板106が削られて、回転多面鏡
101の軸方向の位置が変化したり、軸102の球面部
とスラスト板106の接触面積が増大し、その結果消費
電流が増加する等のトラブルが起こっていた。
【0011】このようなスラスト板106の摩耗による
トラブルを防ぐために、スラスト板106に鉄系材料の
軸102との焼き付きが起こりにくいセラミック材料を
用いることが特開平3−268272号公報に開示され
ている。しかし、セラミック材料は高価であるから軸受
コストの上昇になるばかりでなく、衝撃に弱いためさら
にゴムや樹脂などの弾性部材で支持する緩衝機構が必要
になっていた。また、長期にわたって使用すれば、やは
り軸の側の摩耗も起こるため、改善が望まれていた。
トラブルを防ぐために、スラスト板106に鉄系材料の
軸102との焼き付きが起こりにくいセラミック材料を
用いることが特開平3−268272号公報に開示され
ている。しかし、セラミック材料は高価であるから軸受
コストの上昇になるばかりでなく、衝撃に弱いためさら
にゴムや樹脂などの弾性部材で支持する緩衝機構が必要
になっていた。また、長期にわたって使用すれば、やは
り軸の側の摩耗も起こるため、改善が望まれていた。
【0012】作動流体が気体の場合は、軸をスラスト方
向に支持するピボット軸受部に外気に連通する軸穴を形
成し、圧力調整ダンパ機能を持たせて回転時に非接触状
態とする方法が特開昭58−200816号公報に開示
されている。しかしこれを作動流体が液体であるオイル
の場合に適用すると、徐々にオイルは外部に排出され、
特に二組のヘリングボーン状の動圧発生溝のうちピボッ
ト軸受部の反対側で早期からオイル切れを起こし、焼き
付きを生じる。
向に支持するピボット軸受部に外気に連通する軸穴を形
成し、圧力調整ダンパ機能を持たせて回転時に非接触状
態とする方法が特開昭58−200816号公報に開示
されている。しかしこれを作動流体が液体であるオイル
の場合に適用すると、徐々にオイルは外部に排出され、
特に二組のヘリングボーン状の動圧発生溝のうちピボッ
ト軸受部の反対側で早期からオイル切れを起こし、焼き
付きを生じる。
【0013】本発明は上記従来の技術の有する未解決の
課題に鑑みてなされたものであり、スラスト板にかかる
スラスト荷重を低減し、長期間の使用によってスラスト
板等が摩耗することなく、安定した軸受性能で長寿命を
実現させることのできる動圧オイル軸受およびこれを用
いた偏向走査装置を提供することを目的とする。
課題に鑑みてなされたものであり、スラスト板にかかる
スラスト荷重を低減し、長期間の使用によってスラスト
板等が摩耗することなく、安定した軸受性能で長寿命を
実現させることのできる動圧オイル軸受およびこれを用
いた偏向走査装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の動圧オイル軸受は、相対的に回転自在に嵌
合する軸部材およびスリーブ部材と、前記軸部材または
前記スリーブ部材と一体的に結合された回転部材と、前
記軸部材の端面に対向するスラスト部材を備えており、
前記軸部材と前記スリーブ部材の間の微小間隙および前
記軸部材と前記スラスト部材の間の閉塞空間にオイルが
充填された動圧オイル軸受であって、前記軸部材および
前記スリーブ部材の少なくとも一方にヘリングボーン状
の動圧発生溝が設けられており、該動圧発生溝が、前記
閉塞空間における前記オイルを所定の増圧状態に保つた
めの非対称な溝パターンを有することを特徴とする。
めに本発明の動圧オイル軸受は、相対的に回転自在に嵌
合する軸部材およびスリーブ部材と、前記軸部材または
前記スリーブ部材と一体的に結合された回転部材と、前
記軸部材の端面に対向するスラスト部材を備えており、
前記軸部材と前記スリーブ部材の間の微小間隙および前
記軸部材と前記スラスト部材の間の閉塞空間にオイルが
充填された動圧オイル軸受であって、前記軸部材および
前記スリーブ部材の少なくとも一方にヘリングボーン状
の動圧発生溝が設けられており、該動圧発生溝が、前記
閉塞空間における前記オイルを所定の増圧状態に保つた
めの非対称な溝パターンを有することを特徴とする。
【0015】動圧発生溝が、ヘリングボーンの頂点を中
心として軸方向の幅が非対称である溝パターンを有する
とよい。
心として軸方向の幅が非対称である溝パターンを有する
とよい。
【0016】また、相対的に回転自在に嵌合する軸部材
およびスリーブ部材と、前記軸部材または前記スリーブ
部材と一体的に結合された回転部材と、前記軸部材の端
面に対向するスラスト部材を備えており、前記軸部材と
前記スリーブ部材の間の微小間隙および前記軸部材と前
記スラスト部材の間の閉塞空間にオイルが充填された動
圧オイル軸受であって、前記軸部材および前記スリーブ
部材の少なくとも一方が、前記閉塞空間における前記オ
イルを所定の増圧状態に保つために前記微小間隙の間隙
寸法を前記スラスト部材に向かって拡大するテーパー部
を有することを特徴とする動圧オイル軸受でもよい。
およびスリーブ部材と、前記軸部材または前記スリーブ
部材と一体的に結合された回転部材と、前記軸部材の端
面に対向するスラスト部材を備えており、前記軸部材と
前記スリーブ部材の間の微小間隙および前記軸部材と前
記スラスト部材の間の閉塞空間にオイルが充填された動
圧オイル軸受であって、前記軸部材および前記スリーブ
部材の少なくとも一方が、前記閉塞空間における前記オ
イルを所定の増圧状態に保つために前記微小間隙の間隙
寸法を前記スラスト部材に向かって拡大するテーパー部
を有することを特徴とする動圧オイル軸受でもよい。
【0017】
【作用】動圧発生溝の溝パターンを非対称にして、スラ
スト部材と軸部材の間の閉塞空間に近い側の動圧発生溝
の端部におけるオイルの圧力が反対側の端部より大きく
なるように構成する。これによって、前記閉塞空間のオ
イルを増圧状態に保ち、軸部材の端面をスラスト部材か
ら浮上させるための浮上力を得る。
スト部材と軸部材の間の閉塞空間に近い側の動圧発生溝
の端部におけるオイルの圧力が反対側の端部より大きく
なるように構成する。これによって、前記閉塞空間のオ
イルを増圧状態に保ち、軸部材の端面をスラスト部材か
ら浮上させるための浮上力を得る。
【0018】軸部材とスリーブ部材の少なくとも一方
に、微小間隙をスラスト部材に向かって拡大するテーパ
ー部を設けて、軸部材またはスリーブ部材の回転による
ポンプ作用が弱くなるように構成することで、スラスト
部材と軸部材の間の閉塞空間のオイルを増圧状態に保
ち、上記と同様の浮上力を得るものでもよい。
に、微小間隙をスラスト部材に向かって拡大するテーパ
ー部を設けて、軸部材またはスリーブ部材の回転による
ポンプ作用が弱くなるように構成することで、スラスト
部材と軸部材の間の閉塞空間のオイルを増圧状態に保
ち、上記と同様の浮上力を得るものでもよい。
【0019】軸部材からスラスト部材にかかるスラスト
荷重を低減することで、スラスト部材や軸部材の摩耗を
防ぎ、長期にわたって安定した軸受性能を維持する高性
能な動圧オイル軸受を実現できる。
荷重を低減することで、スラスト部材や軸部材の摩耗を
防ぎ、長期にわたって安定した軸受性能を維持する高性
能な動圧オイル軸受を実現できる。
【0020】このような動圧オイル軸受を回転多面鏡の
軸受部に用いることで、偏向走査装置の高性能化と長寿
命化等に大きく貢献できる。
軸受部に用いることで、偏向走査装置の高性能化と長寿
命化等に大きく貢献できる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
いて説明する。
【0022】図1は第1の実施の形態による動圧オイル
軸受を用いた偏向走査装置の主要部を示す。これは、反
射面1aを有する回転多面鏡1と、該回転多面鏡1と一
体的に回転する軸部材である軸2とこれを回転自在に嵌
合させるスリーブ部材であるスリーブ3を備えた軸受部
(動圧オイル軸受)を有し、スリーブ3は外筒4のボス
部に嵌着されている。スリーブ3の下端は固定板5と一
体であり、固定板5は、軸2の下端2aをスラスト方向
に支持するスラスト部材であるスラスト板6を備えてい
る。軸2の上端部には回転部材であるフランジ7が嵌着
され、回転多面鏡1はフランジ7の上面に載置され、弾
性リング8aと押さえリング8cとCリング8bからな
る弾性押圧機構8によってフランジ7と一体的に結合さ
れ、軸2とともに回転するように構成されている。
軸受を用いた偏向走査装置の主要部を示す。これは、反
射面1aを有する回転多面鏡1と、該回転多面鏡1と一
体的に回転する軸部材である軸2とこれを回転自在に嵌
合させるスリーブ部材であるスリーブ3を備えた軸受部
(動圧オイル軸受)を有し、スリーブ3は外筒4のボス
部に嵌着されている。スリーブ3の下端は固定板5と一
体であり、固定板5は、軸2の下端2aをスラスト方向
に支持するスラスト部材であるスラスト板6を備えてい
る。軸2の上端部には回転部材であるフランジ7が嵌着
され、回転多面鏡1はフランジ7の上面に載置され、弾
性リング8aと押さえリング8cとCリング8bからな
る弾性押圧機構8によってフランジ7と一体的に結合さ
れ、軸2とともに回転するように構成されている。
【0023】フランジ7の外周部の下面には、ロータマ
グネット9を保持するヨーク9aが固着されており、ロ
ータマグネット9は、外筒4のボス部の外周面に固定さ
れたステータコイル10に対向して駆動手段であるモー
タを構成する。図示しない駆動回路から供給された駆動
電流によってステータコイル10が励磁されると、ロー
タマグネット9が軸2および回転多面鏡1とともに高速
回転する。
グネット9を保持するヨーク9aが固着されており、ロ
ータマグネット9は、外筒4のボス部の外周面に固定さ
れたステータコイル10に対向して駆動手段であるモー
タを構成する。図示しない駆動回路から供給された駆動
電流によってステータコイル10が励磁されると、ロー
タマグネット9が軸2および回転多面鏡1とともに高速
回転する。
【0024】スリーブ3と軸2との間には間隙寸法3〜
10μmの微小間隙である軸受間隙が形成され、動作流
体であるオイルB1 が充填されている。軸2の回転によ
って微小間隙のオイルB1 を流動させ、その動圧によっ
て軸2を非接触でラジアル方向に支持する。軸2の外周
面(外径部)には、第1、第2のヘリングボーン状の動
圧発生溝2b,2cが形成されている。また、スラスト
板6の上面に対向する軸2の下端2aは球面状であり、
スラスト板6とともにピボット軸受部を構成している。
10μmの微小間隙である軸受間隙が形成され、動作流
体であるオイルB1 が充填されている。軸2の回転によ
って微小間隙のオイルB1 を流動させ、その動圧によっ
て軸2を非接触でラジアル方向に支持する。軸2の外周
面(外径部)には、第1、第2のヘリングボーン状の動
圧発生溝2b,2cが形成されている。また、スラスト
板6の上面に対向する軸2の下端2aは球面状であり、
スラスト板6とともにピボット軸受部を構成している。
【0025】軸2が回転すると、第1、第2のヘリング
ボーン状の動圧発生溝2b,2cに沿ってオイルB1 が
引き込まれて、図1の(b)に示すように、各動圧発生
溝2b,2cのヘリングボーンの頂点に極大値P1,P
2をもつ圧力分布を形成する。他方、ピボット軸受部を
形成する軸2の球面状の下端2aとスラスト板6の間の
空間部は、スリーブ3と固定板5によって外気とは隔離
された閉塞空間A1 を形成している。また、上側の第1
のヘリングボーン状の動圧発生溝2bは、ヘリングボー
ンの頂点を中心として軸方向の幅が同じ(a=b)であ
る溝パターンを有し、上下対称に形成されているが、下
側の第2のヘリングボーン状の動圧発生溝2cは、その
頂点を中心として軸方向の幅が下部の方が小さい(c>
d)溝パターンを有し、上下方向に非対称になってい
る。このため、圧力分布は上下で異なり、ピボット軸受
部の閉塞空間A1 のオイルは外気より高圧の圧力P0の
増圧状態に保たれる。
ボーン状の動圧発生溝2b,2cに沿ってオイルB1 が
引き込まれて、図1の(b)に示すように、各動圧発生
溝2b,2cのヘリングボーンの頂点に極大値P1,P
2をもつ圧力分布を形成する。他方、ピボット軸受部を
形成する軸2の球面状の下端2aとスラスト板6の間の
空間部は、スリーブ3と固定板5によって外気とは隔離
された閉塞空間A1 を形成している。また、上側の第1
のヘリングボーン状の動圧発生溝2bは、ヘリングボー
ンの頂点を中心として軸方向の幅が同じ(a=b)であ
る溝パターンを有し、上下対称に形成されているが、下
側の第2のヘリングボーン状の動圧発生溝2cは、その
頂点を中心として軸方向の幅が下部の方が小さい(c>
d)溝パターンを有し、上下方向に非対称になってい
る。このため、圧力分布は上下で異なり、ピボット軸受
部の閉塞空間A1 のオイルは外気より高圧の圧力P0の
増圧状態に保たれる。
【0026】このようにピボット軸受部の閉塞空間A1
のオイルが増圧されるため、回転中の軸2の下端2aに
は上向きにこれを支持するスラスト力(浮上力)Fが発
生する。このスラスト力Fは、軸2の軸径をD、円周率
をπとすると以下の式によって求められる。
のオイルが増圧されるため、回転中の軸2の下端2aに
は上向きにこれを支持するスラスト力(浮上力)Fが発
生する。このスラスト力Fは、軸2の軸径をD、円周率
をπとすると以下の式によって求められる。
【0027】
【数1】 モータが駆動されて軸2が回転すると、回転多面鏡1を
含む回転体の自重と、モータのロータマグネット9とス
テータコイル10の間に発生する磁気的吸引力が軸2を
押し下げるスラスト荷重となる。このようなスラスト荷
重がかかった状態で長期間使用すると、ピボット軸受部
を構成する軸2の球面状の下端2aとスラスト板6の間
で摩耗が進行して、回転多面鏡1の軸方向の変位や、接
触面積の増大から消費電流の増加等のトラブルを引き起
こすおそれがあるが、本実施の形態においては、下側の
第2のヘリングボーン状の動圧発生溝2cの上下パター
ン幅の比c/dを適切に設定することで、上記の回転体
の自重と、ロータマグネットとステータコイルの間の磁
気的吸引力によるスラスト荷重に対抗する上向きのスラ
スト力Fを得て、ピボット軸受部の摩耗を大幅に低減す
ることができる。
含む回転体の自重と、モータのロータマグネット9とス
テータコイル10の間に発生する磁気的吸引力が軸2を
押し下げるスラスト荷重となる。このようなスラスト荷
重がかかった状態で長期間使用すると、ピボット軸受部
を構成する軸2の球面状の下端2aとスラスト板6の間
で摩耗が進行して、回転多面鏡1の軸方向の変位や、接
触面積の増大から消費電流の増加等のトラブルを引き起
こすおそれがあるが、本実施の形態においては、下側の
第2のヘリングボーン状の動圧発生溝2cの上下パター
ン幅の比c/dを適切に設定することで、上記の回転体
の自重と、ロータマグネットとステータコイルの間の磁
気的吸引力によるスラスト荷重に対抗する上向きのスラ
スト力Fを得て、ピボット軸受部の摩耗を大幅に低減す
ることができる。
【0028】また、オイルの増圧による上向きのスラス
ト力Fの方がスラスト荷重より大きくなるように設定さ
れていれば、軸2をわずかにスラスト板6から浮上させ
た状態で使用することができる。この場合には、ピボッ
ト軸受として軸2とスラスト板6が接触しているのは起
動停止時のみであるため、軸受の耐久性を飛躍的に向上
させることができる。
ト力Fの方がスラスト荷重より大きくなるように設定さ
れていれば、軸2をわずかにスラスト板6から浮上させ
た状態で使用することができる。この場合には、ピボッ
ト軸受として軸2とスラスト板6が接触しているのは起
動停止時のみであるため、軸受の耐久性を飛躍的に向上
させることができる。
【0029】このように、スラスト板にかかるスラスト
荷重が大幅に低減されるため、スラスト板の材質が安価
な樹脂材料であっても、従来例のように摩耗によるトラ
ブルを起こすことなく、また、スラスト板がセラミック
等の耐摩耗性材料で作られていれば、より一層長寿命で
安定した軸受性能を得ることができる。
荷重が大幅に低減されるため、スラスト板の材質が安価
な樹脂材料であっても、従来例のように摩耗によるトラ
ブルを起こすことなく、また、スラスト板がセラミック
等の耐摩耗性材料で作られていれば、より一層長寿命で
安定した軸受性能を得ることができる。
【0030】図2は第2の実施の形態を示す。これは、
軸部材である軸22の外周面に形成された第1、第2の
ヘリングボーン状の動圧発生溝22b,22cはともに
上下対称の溝パターンを有し、軸22の下端22aとス
ラスト板26によるピボット軸受部の閉塞空間A2 にお
いてオイルB2 を増圧する手段としては、スリーブ23
の内径を下端に向かって増大させるテーパー部23aを
設けることで微小間隙(軸受間隙)の間隙寸法を拡大す
る。
軸部材である軸22の外周面に形成された第1、第2の
ヘリングボーン状の動圧発生溝22b,22cはともに
上下対称の溝パターンを有し、軸22の下端22aとス
ラスト板26によるピボット軸受部の閉塞空間A2 にお
いてオイルB2 を増圧する手段としては、スリーブ23
の内径を下端に向かって増大させるテーパー部23aを
設けることで微小間隙(軸受間隙)の間隙寸法を拡大す
る。
【0031】第1の実施の形態と同様に軸22が回転す
るとその外周面に形成されたヘリングボーン状の動圧発
生溝22b,22cに沿ってオイルB2 が引き込まれ、
図2の右側に示すような上下二組のヘリングボーンの頂
点に極大値P1,P2をもつ圧力分布を形成する。ピボ
ット軸受部を形成する軸22の球面状の下端22aとス
ラスト部材であるスラスト板26の間の空間部はスリー
ブ23と固定板25が固着されているため外気とは隔離
された閉塞空間A2 を形成している。また、前述のよう
に、軸22上に形成された二組のヘリングボーン状の動
圧発生溝22b,22cはヘリングボーンの頂点を中心
として軸方向に対称であるが、これに対向するスリーブ
23の内径はテーパー状に拡大し、オイルB2 を充填し
た微小間隙の間隙寸法がピボット軸受部に向かって大き
くなるように構成されている。
るとその外周面に形成されたヘリングボーン状の動圧発
生溝22b,22cに沿ってオイルB2 が引き込まれ、
図2の右側に示すような上下二組のヘリングボーンの頂
点に極大値P1,P2をもつ圧力分布を形成する。ピボ
ット軸受部を形成する軸22の球面状の下端22aとス
ラスト部材であるスラスト板26の間の空間部はスリー
ブ23と固定板25が固着されているため外気とは隔離
された閉塞空間A2 を形成している。また、前述のよう
に、軸22上に形成された二組のヘリングボーン状の動
圧発生溝22b,22cはヘリングボーンの頂点を中心
として軸方向に対称であるが、これに対向するスリーブ
23の内径はテーパー状に拡大し、オイルB2 を充填し
た微小間隙の間隙寸法がピボット軸受部に向かって大き
くなるように構成されている。
【0032】すなわち、スリーブ23のテーパー部23
aに対向する下方の動圧発生溝22cのヘリングボーン
の頂点を境に、上側では間隙寸法が小さいためオイルB
2 をポンピングする力が強く、下側では間隙寸法が大き
いため弱くなる。その結果、圧力分布は上下非対称とな
り、軸22の回転中はピボット軸受部の閉塞空間A2は
外気よりも高圧の圧力P0の増圧状態に保たれる。この
ようにして、第1の実施の形態と同様の上向きのスラス
ト力(浮上力)が発生する。
aに対向する下方の動圧発生溝22cのヘリングボーン
の頂点を境に、上側では間隙寸法が小さいためオイルB
2 をポンピングする力が強く、下側では間隙寸法が大き
いため弱くなる。その結果、圧力分布は上下非対称とな
り、軸22の回転中はピボット軸受部の閉塞空間A2は
外気よりも高圧の圧力P0の増圧状態に保たれる。この
ようにして、第1の実施の形態と同様の上向きのスラス
ト力(浮上力)が発生する。
【0033】(実施例1)軸の軸径3mmで回転数90
00rpmの動圧オイル軸受について、微小間隙である
軸受間隙を平均間隙寸法5μmに設定したとき、回転体
全体の自重と、ロータマグネット・ステータコイル間の
磁気的吸引力の和が80g程度であれば、図2の装置の
スリーブのテーパー量を2μm程度に設定することで、
軸の下端をスラスト板から浮上させることができる。こ
の程度のテーパー量は、スリーブを内径加工するとき
に、ピボット軸受部側のみをチャックして平行に加工
し、アンチャックしたときの弾性変形回復力を利用すれ
ば簡単に形成できる。あるいは、スリーブの内径を当初
平行に機械加工したのち、組立の際に固定板を圧入する
ことでスリーブを弾性変形させてテーパー部を形成して
もよい。
00rpmの動圧オイル軸受について、微小間隙である
軸受間隙を平均間隙寸法5μmに設定したとき、回転体
全体の自重と、ロータマグネット・ステータコイル間の
磁気的吸引力の和が80g程度であれば、図2の装置の
スリーブのテーパー量を2μm程度に設定することで、
軸の下端をスラスト板から浮上させることができる。こ
の程度のテーパー量は、スリーブを内径加工するとき
に、ピボット軸受部側のみをチャックして平行に加工
し、アンチャックしたときの弾性変形回復力を利用すれ
ば簡単に形成できる。あるいは、スリーブの内径を当初
平行に機械加工したのち、組立の際に固定板を圧入する
ことでスリーブを弾性変形させてテーパー部を形成して
もよい。
【0034】なお、第1、第2の実施の形態において
は、ヘリングボーン状の動圧発生溝が軸側に形成されて
いるが、スリーブ側に形成しても同様の効果が得られる
ことは言うまでもない。また、第2の実施の形態におい
てテーパー部を形成するのは軸側であってもよい。
は、ヘリングボーン状の動圧発生溝が軸側に形成されて
いるが、スリーブ側に形成しても同様の効果が得られる
ことは言うまでもない。また、第2の実施の形態におい
てテーパー部を形成するのは軸側であってもよい。
【0035】さらに、高速用の動圧オイル軸受のように
軸受部のオイルのせん断発熱を抑える必要から動圧発生
溝の溝パターンの軸方向の幅が充分にとれない場合に
は、上記2つの実施の形態を組み合わせて用いることも
できる。
軸受部のオイルのせん断発熱を抑える必要から動圧発生
溝の溝パターンの軸方向の幅が充分にとれない場合に
は、上記2つの実施の形態を組み合わせて用いることも
できる。
【0036】図3は偏向走査装置全体を示すもので、こ
れは、レーザ光等の光ビーム(光束)を発生する光源5
1と、前記レーザ光を回転多面鏡1の反射面1aに線状
に集光させるシリンドリカルレンズ51aとを有し、前
記光ビームを回転多面鏡1の回転によって偏向走査し、
結像光学系である結像レンズ系52を経て回転ドラム上
の感光体53に結像させる。結像レンズ系52は球面レ
ンズ52a、トーリックレンズ52b等を有し、感光体
53に結像する点像の走査速度等を補正するいわゆるf
θ機能を有する。
れは、レーザ光等の光ビーム(光束)を発生する光源5
1と、前記レーザ光を回転多面鏡1の反射面1aに線状
に集光させるシリンドリカルレンズ51aとを有し、前
記光ビームを回転多面鏡1の回転によって偏向走査し、
結像光学系である結像レンズ系52を経て回転ドラム上
の感光体53に結像させる。結像レンズ系52は球面レ
ンズ52a、トーリックレンズ52b等を有し、感光体
53に結像する点像の走査速度等を補正するいわゆるf
θ機能を有する。
【0037】前記モータによって回転多面鏡1が回転す
ると、その反射面1aは、回転多面鏡1の軸線まわりに
等速で回転する。前述のように光源51から発生され、
シリンドリカルレンズ51aによって集光される光ビー
ムの光路と回転多面鏡1の反射面1aの法線とがなす
角、すなわち該反射面1aに対する光ビームの入射角
は、回転多面鏡1の回転とともに経時的に変化し、同様
に反射角も変化するため、感光体53上で光ビームが集
光されてできる点像は回転ドラムの軸方向(主走査方
向)に移動(走査)する。
ると、その反射面1aは、回転多面鏡1の軸線まわりに
等速で回転する。前述のように光源51から発生され、
シリンドリカルレンズ51aによって集光される光ビー
ムの光路と回転多面鏡1の反射面1aの法線とがなす
角、すなわち該反射面1aに対する光ビームの入射角
は、回転多面鏡1の回転とともに経時的に変化し、同様
に反射角も変化するため、感光体53上で光ビームが集
光されてできる点像は回転ドラムの軸方向(主走査方
向)に移動(走査)する。
【0038】結像レンズ系52は、回転多面鏡1におい
て反射された光ビームを感光体53上で所定のスポット
形状の点像に集光するとともに、該点像の主走査方向へ
の走査速度を等速に保つように設計されたものである。
て反射された光ビームを感光体53上で所定のスポット
形状の点像に集光するとともに、該点像の主走査方向へ
の走査速度を等速に保つように設計されたものである。
【0039】感光体53に結像する点像は、回転多面鏡
1の回転による主走査と、感光体53を有する回転ドラ
ムがその軸まわりに回転することによる副走査に伴なっ
て、静電潜像を形成する。
1の回転による主走査と、感光体53を有する回転ドラ
ムがその軸まわりに回転することによる副走査に伴なっ
て、静電潜像を形成する。
【0040】感光体53の周辺には、感光体53の表面
を一様に帯電するための帯電装置、感光体53の表面に
形成される静電潜像をトナー像に顕像化するための現像
装置、前記トナー像を記録紙に転写する転写装置(いず
れも不図示)等が配置されており、光源51から発生す
る光ビームによる記録情報が記録紙等にプリントされ
る。
を一様に帯電するための帯電装置、感光体53の表面に
形成される静電潜像をトナー像に顕像化するための現像
装置、前記トナー像を記録紙に転写する転写装置(いず
れも不図示)等が配置されており、光源51から発生す
る光ビームによる記録情報が記録紙等にプリントされ
る。
【0041】検出ミラー54は、感光体53の表面にお
ける記録情報の書き込み開始位置に入射する光ビームの
光路よりも主走査方向上流側において光ビームを反射し
て、フォトダイオード等を有する受光素子55の受光面
に導入する。受光素子55はその受光面が前記光ビーム
によって照射されたときに、走査開始位置(書き出し位
置)を検出するための走査開始信号を出力する。
ける記録情報の書き込み開始位置に入射する光ビームの
光路よりも主走査方向上流側において光ビームを反射し
て、フォトダイオード等を有する受光素子55の受光面
に導入する。受光素子55はその受光面が前記光ビーム
によって照射されたときに、走査開始位置(書き出し位
置)を検出するための走査開始信号を出力する。
【0042】光源51は、ホストコンピュータからの情
報を処理する処理回路から与えられる信号に対応した光
ビームを発生する。光源51に与えられる信号は、感光
体53に書き込むべき情報に対応しており、処理回路
は、感光体53の表面において結像する点像が作る軌跡
である一走査線に対応する情報を表す信号を一単位とし
て光源51に与える。この情報信号は、受光素子55か
ら与えられる走査開始信号に同期して送信される。
報を処理する処理回路から与えられる信号に対応した光
ビームを発生する。光源51に与えられる信号は、感光
体53に書き込むべき情報に対応しており、処理回路
は、感光体53の表面において結像する点像が作る軌跡
である一走査線に対応する情報を表す信号を一単位とし
て光源51に与える。この情報信号は、受光素子55か
ら与えられる走査開始信号に同期して送信される。
【0043】なお、回転多面鏡1、結像レンズ系52等
は光学箱50に収容され、光源51等は光学箱50の側
壁に取り付けられる。光学箱50に回転多面鏡1、結像
レンズ系52等を組み付けたうえで、光学箱50の上部
開口に図示しないふたを装着する。
は光学箱50に収容され、光源51等は光学箱50の側
壁に取り付けられる。光学箱50に回転多面鏡1、結像
レンズ系52等を組み付けたうえで、光学箱50の上部
開口に図示しないふたを装着する。
【0044】
【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているの
で、次に記載するような効果を奏する。
で、次に記載するような効果を奏する。
【0045】回転中に軸とスラスト板が接触して摩耗す
るのを効果的に防ぐことができる。これによって、長期
安定性にすぐれた高性能な動圧オイル軸受を実現でき
る。
るのを効果的に防ぐことができる。これによって、長期
安定性にすぐれた高性能な動圧オイル軸受を実現でき
る。
【0046】このような動圧オイル軸受を回転多面鏡の
軸受部に用いることで、偏向走査装置の高性能化と長寿
命化に大きく貢献できる。
軸受部に用いることで、偏向走査装置の高性能化と長寿
命化に大きく貢献できる。
【図1】第1の実施の形態による偏向走査装置を示すも
ので(a)はその模式断面図、(b)は軸受部のみを示
す拡大部分断面図である。
ので(a)はその模式断面図、(b)は軸受部のみを示
す拡大部分断面図である。
【図2】第2の実施の形態による動圧オイル軸受を示す
断面図である。
断面図である。
【図3】偏向走査装置全体を説明する図である。
【図4】一従来例を示す模式断面図である。
【符号の説明】 1 回転多面鏡 2,22 軸 2b,2c,22b,22c 動圧発生溝 3,23 スリーブ 4 外筒 5,25 固定板 6,26 スラスト板 9 ロータマグネット 10 ステータコイル 23a テーパー部
Claims (4)
- 【請求項1】 相対的に回転自在に嵌合する軸部材およ
びスリーブ部材と、前記軸部材または前記スリーブ部材
と一体的に結合された回転部材と、前記軸部材の端面に
対向するスラスト部材を備えており、前記軸部材と前記
スリーブ部材の間の微小間隙および前記軸部材と前記ス
ラスト部材の間の閉塞空間にオイルが充填された動圧オ
イル軸受であって、前記軸部材および前記スリーブ部材
の少なくとも一方にヘリングボーン状の動圧発生溝が設
けられており、該動圧発生溝が、前記閉塞空間における
前記オイルを所定の増圧状態に保つための非対称な溝パ
ターンを有することを特徴とする動圧オイル軸受。 - 【請求項2】 動圧発生溝が、ヘリングボーンの頂点を
中心として軸方向の幅が非対称である溝パターンを有す
ることを特徴とする請求項1記載の動圧オイル軸受。 - 【請求項3】 相対的に回転自在に嵌合する軸部材およ
びスリーブ部材と、前記軸部材または前記スリーブ部材
と一体的に結合された回転部材と、前記軸部材の端面に
対向するスラスト部材を備えており、前記軸部材と前記
スリーブ部材の間の微小間隙および前記軸部材と前記ス
ラスト部材の間の閉塞空間にオイルが充填された動圧オ
イル軸受であって、前記軸部材および前記スリーブ部材
の少なくとも一方が、前記閉塞空間における前記オイル
を所定の増圧状態に保つために前記微小間隙の間隙寸法
を前記スラスト部材に向かって拡大するテーパー部を有
することを特徴とする動圧オイル軸受。 - 【請求項4】 請求項1ないし3いずれか1項記載の動
圧オイル軸受によって回転支持された回転多面鏡と、こ
れを回転駆動するモータと、前記回転多面鏡に向かって
光ビームを発生させる光源を有する偏向走査装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10236449A JP2000056251A (ja) | 1998-08-07 | 1998-08-07 | 動圧オイル軸受およびこれを用いた偏向走査装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10236449A JP2000056251A (ja) | 1998-08-07 | 1998-08-07 | 動圧オイル軸受およびこれを用いた偏向走査装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000056251A true JP2000056251A (ja) | 2000-02-25 |
Family
ID=17000922
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10236449A Pending JP2000056251A (ja) | 1998-08-07 | 1998-08-07 | 動圧オイル軸受およびこれを用いた偏向走査装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000056251A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008095713A (ja) * | 2006-10-06 | 2008-04-24 | Canon Precision Inc | 動圧軸受装置および偏向走査装置 |
-
1998
- 1998-08-07 JP JP10236449A patent/JP2000056251A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008095713A (ja) * | 2006-10-06 | 2008-04-24 | Canon Precision Inc | 動圧軸受装置および偏向走査装置 |
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