JP2000055678A - 車両用現在位置検出装置 - Google Patents
車両用現在位置検出装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ジャイロの換算ゲインがゲイン誤差を含むよ
うな場合であっても、装置構成を複雑化することなく、
ジャイロの出力から方位変化量を安定して精度よく求め
ることが可能な車両用現在位置検出装置を提供する。 【解決手段】 車速センサ4,ジャイロ6での検出値か
ら移動距離演算部11,方位変化量演算部12にて算出
される移動距離,方位変化量に基づき、相対軌跡演算部
13,絶対位置演算部14が算出する推測航法データ
(車速,絶対方位,絶対位置)と、GPS受信機8から
のGPS測位データ(速度,方位,位置)との差を観測
値とするカルマンフィルタ(誤差推定部15)を備え、
その状態量の一つとして、ジャイロ出力から角速度への
変換ゲインの誤差(ゲイン誤差)を設定する。このカル
マンフィルタにより求められるゲイン誤差の推定値によ
り、ジャイロ出力及び変換ゲインを用いて算出された方
位変化量を補正する。
うな場合であっても、装置構成を複雑化することなく、
ジャイロの出力から方位変化量を安定して精度よく求め
ることが可能な車両用現在位置検出装置を提供する。 【解決手段】 車速センサ4,ジャイロ6での検出値か
ら移動距離演算部11,方位変化量演算部12にて算出
される移動距離,方位変化量に基づき、相対軌跡演算部
13,絶対位置演算部14が算出する推測航法データ
(車速,絶対方位,絶対位置)と、GPS受信機8から
のGPS測位データ(速度,方位,位置)との差を観測
値とするカルマンフィルタ(誤差推定部15)を備え、
その状態量の一つとして、ジャイロ出力から角速度への
変換ゲインの誤差(ゲイン誤差)を設定する。このカル
マンフィルタにより求められるゲイン誤差の推定値によ
り、ジャイロ出力及び変換ゲインを用いて算出された方
位変化量を補正する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の進行方向及
び走行距離により車両の現在位置を検出する車両用現在
位置検出装置に関する。
び走行距離により車両の現在位置を検出する車両用現在
位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりこの種の装置を利用するものと
して車載用ナビゲーション装置が知られている。そし
て、車載用ナビゲーション装置では、車両の進行方向等
を検出するためのセンサの一つとして、コストや精度面
で有利なジャイロスコープ(以下、単にジャイロとい
う)が用いられている。
して車載用ナビゲーション装置が知られている。そし
て、車載用ナビゲーション装置では、車両の進行方向等
を検出するためのセンサの一つとして、コストや精度面
で有利なジャイロスコープ(以下、単にジャイロとい
う)が用いられている。
【0003】このジャイロは、図12(a)のグラフに
示すように、定められた検出軸回りの回転角速度に比例
した出力(電圧等)を発生するように構成されており、
ジャイロの出力から回転角速度への換算比率(即ちグラ
フの傾き)を表すために予め設定された比例定数(以
下、換算ゲインという)を用いて、ジャイロの出力を回
転角速度に換算し、この換算値を積算することにより車
両の方位変化量を求めることができる。
示すように、定められた検出軸回りの回転角速度に比例
した出力(電圧等)を発生するように構成されており、
ジャイロの出力から回転角速度への換算比率(即ちグラ
フの傾き)を表すために予め設定された比例定数(以
下、換算ゲインという)を用いて、ジャイロの出力を回
転角速度に換算し、この換算値を積算することにより車
両の方位変化量を求めることができる。
【0004】ところで、ジャイロは、予め定められた検
出軸を中心とする回転についての角速度を検出するた
め、この検出軸と車両の旋回軸とが一致していない場
合、予め設定された換算ゲインが実際の換算比率と異な
ってしまい、即ち、換算ゲインが誤差(以下、ゲイン誤
差という)を有することになる。このように換算ゲイン
にゲイン誤差が含まれていると、方位変化量に誤差が生
じ、現在位置検出精度が低下するため、ナビゲーション
装置は的確な案内を行うことができなくなってしまう。
出軸を中心とする回転についての角速度を検出するた
め、この検出軸と車両の旋回軸とが一致していない場
合、予め設定された換算ゲインが実際の換算比率と異な
ってしまい、即ち、換算ゲインが誤差(以下、ゲイン誤
差という)を有することになる。このように換算ゲイン
にゲイン誤差が含まれていると、方位変化量に誤差が生
じ、現在位置検出精度が低下するため、ナビゲーション
装置は的確な案内を行うことができなくなってしまう。
【0005】このようなゲイン誤差への対策として、例
えば、ナビゲーション装置において一般に使用される
振動ジャイロに代えて、ゲイン誤差の少ない光ファイバ
ージャイロを用いたり、車両の右左折時など大きな方
位変化があった場合に、ジャイロから得られた方位変化
量と、GPS受信機から得られた方位変化量とを比較す
る事により、その差をゲイン誤差に基づくものとして換
算ゲインを補正することが考えられる。
えば、ナビゲーション装置において一般に使用される
振動ジャイロに代えて、ゲイン誤差の少ない光ファイバ
ージャイロを用いたり、車両の右左折時など大きな方
位変化があった場合に、ジャイロから得られた方位変化
量と、GPS受信機から得られた方位変化量とを比較す
る事により、その差をゲイン誤差に基づくものとして換
算ゲインを補正することが考えられる。
【0006】また、ジャイロは、検出軸を重力方向に沿
って配置した場合に最も感度がよく(換算比率が大き
く)、このような状態で使用されることを前提として換
算ゲインが設定されているため、重力方向に対して検出
軸が傾斜するようにジャイロが取り付けられた場合に
も、ジャイロの換算比率が変化して換算ゲインがゲイン
誤差を含んでしまうことになる。具体的には検出軸が重
力方向に対して角度θだけ傾いている場合には、換算ゲ
インはcosθ倍となる。
って配置した場合に最も感度がよく(換算比率が大き
く)、このような状態で使用されることを前提として換
算ゲインが設定されているため、重力方向に対して検出
軸が傾斜するようにジャイロが取り付けられた場合に
も、ジャイロの換算比率が変化して換算ゲインがゲイン
誤差を含んでしまうことになる。具体的には検出軸が重
力方向に対して角度θだけ傾いている場合には、換算ゲ
インはcosθ倍となる。
【0007】このような場合の対策としては、ジャイ
ロの検出軸と車両の旋回軸とを合わせられるようなジャ
イロ取付機構を設けたり、ジャイロの検出軸の傾斜に
よる換算ゲイン低下分を、予めプログラム作成時に組み
込んでおくことが考えられる。
ロの検出軸と車両の旋回軸とを合わせられるようなジャ
イロ取付機構を設けたり、ジャイロの検出軸の傾斜に
よる換算ゲイン低下分を、予めプログラム作成時に組み
込んでおくことが考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、の場合に
は、光ファイバージャイロが高価なため、装置が高価な
ものとなってしまうだけでなく、検出軸が傾斜している
場合に、ゲイン誤差を生じてしまう点では振動ジャイロ
等と変わりがなく、またの場合には、補正が可能とな
る条件が限定されるため、安定して精度のよい検出を行
うことができないという問題があった。
は、光ファイバージャイロが高価なため、装置が高価な
ものとなってしまうだけでなく、検出軸が傾斜している
場合に、ゲイン誤差を生じてしまう点では振動ジャイロ
等と変わりがなく、またの場合には、補正が可能とな
る条件が限定されるため、安定して精度のよい検出を行
うことができないという問題があった。
【0009】更に、の場合には、複雑な取付機構が新
たに必要となるため装置が複雑化,大型化してしまうだ
けでなく、検出軸と旋回軸とを合わせるために個別に調
整が必要となるため取付時に手間を要するという問題が
あり、また、の場合には、想定される検出軸の傾斜角
度毎(例えば車両毎及び取付位置毎)に個別のプログラ
ムが必要となるだけでなく、プログラムが対応している
車両以外に装置を取り付けた場合には、ゲイン誤差を補
正することができないという問題があった。
たに必要となるため装置が複雑化,大型化してしまうだ
けでなく、検出軸と旋回軸とを合わせるために個別に調
整が必要となるため取付時に手間を要するという問題が
あり、また、の場合には、想定される検出軸の傾斜角
度毎(例えば車両毎及び取付位置毎)に個別のプログラ
ムが必要となるだけでなく、プログラムが対応している
車両以外に装置を取り付けた場合には、ゲイン誤差を補
正することができないという問題があった。
【0010】そこで、本発明では、ジャイロの換算ゲイ
ンがゲイン誤差を含むような場合であっても、装置構成
を複雑化することなく、ジャイロの出力から方位変化量
を安定して精度よく求めることが可能な車両用現在位置
検出装置を提供することを第1の目的とする。
ンがゲイン誤差を含むような場合であっても、装置構成
を複雑化することなく、ジャイロの出力から方位変化量
を安定して精度よく求めることが可能な車両用現在位置
検出装置を提供することを第1の目的とする。
【0011】また、検出軸が車両の旋回軸と一致し且つ
重力方向に沿うようにジャイロが取り付けられていたと
しても、コーナリング時の左右方向への傾斜(ロール)
や、坂道走行時の前後方向への傾斜(ピッチ)等により
車両姿勢が変動すると、重力方向に対するジャイロの検
出軸の傾きが変動するため、このような場合にも、ジャ
イロの換算比率が変化し、換算ゲインがゲイン誤差を含
むことになってしまう。
重力方向に沿うようにジャイロが取り付けられていたと
しても、コーナリング時の左右方向への傾斜(ロール)
や、坂道走行時の前後方向への傾斜(ピッチ)等により
車両姿勢が変動すると、重力方向に対するジャイロの検
出軸の傾きが変動するため、このような場合にも、ジャ
イロの換算比率が変化し、換算ゲインがゲイン誤差を含
むことになってしまう。
【0012】ここで、重力方向に対する検出軸の傾き
(以下、ジャイロ搭載傾きという)が、車両の進行方向
に向かって右側、即ち時計回り方向(以下、ジャイロ搭
載傾きの方向について述べる場合には同様)に0°,1
0°,20°,30°,40°,50°,60°となる
ように車両に対してジャイロが取り付けられた場合のそ
れぞれについて、車両の姿勢変動がない場合、右旋回に
より検出軸が左に傾くロール(−5°)が発生した場
合、左旋回により検出軸が右に傾くロール(+5°)が
発生した場合について、ジャイロのゲイン係数が変動す
る様子を計算により算出した結果を[表1]に示す。
(以下、ジャイロ搭載傾きという)が、車両の進行方向
に向かって右側、即ち時計回り方向(以下、ジャイロ搭
載傾きの方向について述べる場合には同様)に0°,1
0°,20°,30°,40°,50°,60°となる
ように車両に対してジャイロが取り付けられた場合のそ
れぞれについて、車両の姿勢変動がない場合、右旋回に
より検出軸が左に傾くロール(−5°)が発生した場
合、左旋回により検出軸が右に傾くロール(+5°)が
発生した場合について、ジャイロのゲイン係数が変動す
る様子を計算により算出した結果を[表1]に示す。
【0013】なお、ゲイン係数とは、ジャイロ搭載傾き
が0°の時の変換比率を1として、変換比率を規格化し
たものである。
が0°の時の変換比率を1として、変換比率を規格化し
たものである。
【0014】
【表1】
【0015】また、図13には、ジャイロ搭載傾きを0
°,右30°,左30°,前30°とした場合のそれぞ
れについて、ロール角が、左15°(−15°)〜右1
5°(+15°)の間で変化した時のゲイン係数の変化
を示す。表1及び図13に示すように、ロール角がゲイ
ン係数(変換比率)に与える影響の度合いは、ジャイロ
搭載傾きが大きいほど顕著となり、また車両姿勢変化の
方向によって表れる影響も逆方向となる。
°,右30°,左30°,前30°とした場合のそれぞ
れについて、ロール角が、左15°(−15°)〜右1
5°(+15°)の間で変化した時のゲイン係数の変化
を示す。表1及び図13に示すように、ロール角がゲイ
ン係数(変換比率)に与える影響の度合いは、ジャイロ
搭載傾きが大きいほど顕著となり、また車両姿勢変化の
方向によって表れる影響も逆方向となる。
【0016】即ち、ジャイロ搭載傾きと同じ方向にロー
ル傾きが生じた場合にはゲイン係数は低下(ゲイン誤差
が増大)し、反対方向にロール傾きが生じた場合にはゲ
イン係数は増大(ゲイン誤差が減少)する。このため、
右折時と左折時とで異なる補正係数を用いて換算ゲイン
を補正することにより、ロールにより発生するゲイン誤
差を補償することが考えられるが、このようにしても、
ロールによるゲイン誤差はロール角度によって様々に変
化するため、精度よく補償することはできなかった。こ
れは、ピッチにより発生するゲイン誤差の場合も同様で
ある。
ル傾きが生じた場合にはゲイン係数は低下(ゲイン誤差
が増大)し、反対方向にロール傾きが生じた場合にはゲ
イン係数は増大(ゲイン誤差が減少)する。このため、
右折時と左折時とで異なる補正係数を用いて換算ゲイン
を補正することにより、ロールにより発生するゲイン誤
差を補償することが考えられるが、このようにしても、
ロールによるゲイン誤差はロール角度によって様々に変
化するため、精度よく補償することはできなかった。こ
れは、ピッチにより発生するゲイン誤差の場合も同様で
ある。
【0017】そこで、本発明では、車両姿勢の変動によ
らず、ジャイロのゲイン誤差の補正を好適に行うことが
可能な車両用現在位置検出装置を提供することを第2の
目的とする。
らず、ジャイロのゲイン誤差の補正を好適に行うことが
可能な車両用現在位置検出装置を提供することを第2の
目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた発明である請求項1記載の車両用現在位置検
出装置においては、現在位置算出手段が、角速度センサ
の出力値に基づいて算出される方位変化量、及び速度セ
ンサの出力値に基づいて算出される移動距離から、車両
の現在位置や進行方向を算出すると共に、GPS受信機
が、GPS衛星からの衛星電波を受信し、車両の絶対的
な現在位置及び進行方向を出力する。
になされた発明である請求項1記載の車両用現在位置検
出装置においては、現在位置算出手段が、角速度センサ
の出力値に基づいて算出される方位変化量、及び速度セ
ンサの出力値に基づいて算出される移動距離から、車両
の現在位置や進行方向を算出すると共に、GPS受信機
が、GPS衛星からの衛星電波を受信し、車両の絶対的
な現在位置及び進行方向を出力する。
【0019】なお、現在位置算出手段は、角速度センサ
の出力値から回転角速度への換算比率を表す換算ゲイン
を算出パラメータとして用い、この換算ゲインに基づい
て角速度センサの出力から回転角速度を算出するように
されている。そして、カルマンフィルタからなる誤差推
定手段が、GPS受信機からの出力値と現在位置算出手
段での算出値との差を観測値とし、現在位置検出手段に
て車両の現在位置や進行方向の算出に用いる各種算出パ
ラメータの誤差を状態量として、この状態量の推定値を
求め、この推定された状態量(即ち算出パラメータの誤
差)に基づいて、補正手段が、対応する算出パラメータ
或いはこの算出パラメータを用いて算出された算出値を
補正する。
の出力値から回転角速度への換算比率を表す換算ゲイン
を算出パラメータとして用い、この換算ゲインに基づい
て角速度センサの出力から回転角速度を算出するように
されている。そして、カルマンフィルタからなる誤差推
定手段が、GPS受信機からの出力値と現在位置算出手
段での算出値との差を観測値とし、現在位置検出手段に
て車両の現在位置や進行方向の算出に用いる各種算出パ
ラメータの誤差を状態量として、この状態量の推定値を
求め、この推定された状態量(即ち算出パラメータの誤
差)に基づいて、補正手段が、対応する算出パラメータ
或いはこの算出パラメータを用いて算出された算出値を
補正する。
【0020】特に本発明では、カルマンフィルタの状態
量として、換算ゲインの誤差(ゲイン誤差)が少なくと
も含まれており、つまり、推定されたゲイン誤差により
換算ゲインが随時補正されるようにされている。従っ
て、本発明の車両用現在位置検出装置によれば、角速度
センサの経年変化や角速度センサの検出軸が重力方向に
対して傾いた状態で取り付けられる等することにより、
換算ゲインが誤差(ゲイン誤差)を含むような場合であ
っても、このゲイン誤差分を補償することができるた
め、方位変化量、ひいては車両の現在位置や進行方向を
精度よく求めることができる。
量として、換算ゲインの誤差(ゲイン誤差)が少なくと
も含まれており、つまり、推定されたゲイン誤差により
換算ゲインが随時補正されるようにされている。従っ
て、本発明の車両用現在位置検出装置によれば、角速度
センサの経年変化や角速度センサの検出軸が重力方向に
対して傾いた状態で取り付けられる等することにより、
換算ゲインが誤差(ゲイン誤差)を含むような場合であ
っても、このゲイン誤差分を補償することができるた
め、方位変化量、ひいては車両の現在位置や進行方向を
精度よく求めることができる。
【0021】しかも、ゲイン誤差の推定をカルマンフィ
ルタを用いて行っており、機械的な構成を追加する必要
がないため、装置構成を複雑にしてしまうことがなく、
また、走行状態によらず常にゲイン誤差を求めることが
できるため、安定した精度で車両の現在位置や進行方向
を求めることができ、装置の信頼性を向上させることが
できる。
ルタを用いて行っており、機械的な構成を追加する必要
がないため、装置構成を複雑にしてしまうことがなく、
また、走行状態によらず常にゲイン誤差を求めることが
できるため、安定した精度で車両の現在位置や進行方向
を求めることができ、装置の信頼性を向上させることが
できる。
【0022】またカルマンフィルタでは計算の途中で誤
差共分散が算出されるため、これを参照することによ
り、状態量として定義された各誤差がそれぞれどの程度
の大きさであるのか、また、ある誤差に対して他の誤差
がどの程度影響を与えているのか等を予測することも可
能となる。
差共分散が算出されるため、これを参照することによ
り、状態量として定義された各誤差がそれぞれどの程度
の大きさであるのか、また、ある誤差に対して他の誤差
がどの程度影響を与えているのか等を予測することも可
能となる。
【0023】次に、請求項2記載の車両用現在位置検出
装置では、姿勢検出手段が、車両姿勢の傾斜状態を検出
し、パラメータ補正手段が、姿勢検出手段での検出結果
から算出される換算ゲインの変動分を、この変動分が相
殺されるように、誤差推定手段での推定結果に基づいて
算出される換算ゲインの補正量に反映させている。
装置では、姿勢検出手段が、車両姿勢の傾斜状態を検出
し、パラメータ補正手段が、姿勢検出手段での検出結果
から算出される換算ゲインの変動分を、この変動分が相
殺されるように、誤差推定手段での推定結果に基づいて
算出される換算ゲインの補正量に反映させている。
【0024】従って、本発明によれば、カーブ走行、坂
道走行等により、車両姿勢の傾斜状態がどのように変化
したとしても、その姿勢の変化による換算ゲインの変動
分を確実に補償することができ、車両の走行状態によら
ず常に安定した検出を行うことができる。
道走行等により、車両姿勢の傾斜状態がどのように変化
したとしても、その姿勢の変化による換算ゲインの変動
分を確実に補償することができ、車両の走行状態によら
ず常に安定した検出を行うことができる。
【0025】そして、請求項3記載のように、姿勢検出
手段として、車両進行方向の加速度と重力加速度との合
成加速度に応じた信号を出力する加速度センサと、この
加速度センサの出力値と速度センサの出力値から算出さ
れる車両進行方向の加速度とから、車両の前後方向への
傾斜量を求める前後傾斜量検出手段とを備えるようにす
れば、坂道走行時等のピッチに基づくゲイン誤差が発生
しても、これを確実に補償することができる。
手段として、車両進行方向の加速度と重力加速度との合
成加速度に応じた信号を出力する加速度センサと、この
加速度センサの出力値と速度センサの出力値から算出さ
れる車両進行方向の加速度とから、車両の前後方向への
傾斜量を求める前後傾斜量検出手段とを備えるようにす
れば、坂道走行時等のピッチに基づくゲイン誤差が発生
しても、これを確実に補償することができる。
【0026】また、請求項4記載のように、姿勢検出手
段として、角速度センサの出力値と速度センサの出力値
とに基づいて算出される車両横方向の加速度から車両の
左右方向への傾斜量を求める左右傾斜量検出手段を備え
るようにすれば、右左折時等のロールに基づくゲイン誤
差が発生しても、これを確実に補償することができる。
段として、角速度センサの出力値と速度センサの出力値
とに基づいて算出される車両横方向の加速度から車両の
左右方向への傾斜量を求める左右傾斜量検出手段を備え
るようにすれば、右左折時等のロールに基づくゲイン誤
差が発生しても、これを確実に補償することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面と共
に説明する。 [第1実施例]図1は、本実施例の車載用ナビゲーショ
ン装置の概略構成図である。
に説明する。 [第1実施例]図1は、本実施例の車載用ナビゲーショ
ン装置の概略構成図である。
【0028】図1に示すように、本実施例のナビゲーシ
ョン装置2は、車速に応じた間隔でパルス信号を出力す
る車速センサ4と、車両に加わる回転運動の角速度に応
じた検出信号を出力するジャイロスコープ(以下、単に
ジャイロという)6と、GPS(Global Positioning S
ystem) 用の人工衛星からの送信電波をGPSアンテナ
を介して受信し、車両の位置,方位(進行方向),速度
等を検出するGPS受信機8と、車速センサ4,ジャイ
ロ6,GPS受信機8からの出力に基づいて車両の現在
位置や進行方向等、推測航法を行うためのデータを検出
する現在位置検出部10と、現在位置検出部10での検
出結果に基づき、表示画面(図示せず)の地図上に自車
両の位置を表示したり、設定された目的地までの経路案
内等を行うナビゲーション実行部20とを備えている。
ョン装置2は、車速に応じた間隔でパルス信号を出力す
る車速センサ4と、車両に加わる回転運動の角速度に応
じた検出信号を出力するジャイロスコープ(以下、単に
ジャイロという)6と、GPS(Global Positioning S
ystem) 用の人工衛星からの送信電波をGPSアンテナ
を介して受信し、車両の位置,方位(進行方向),速度
等を検出するGPS受信機8と、車速センサ4,ジャイ
ロ6,GPS受信機8からの出力に基づいて車両の現在
位置や進行方向等、推測航法を行うためのデータを検出
する現在位置検出部10と、現在位置検出部10での検
出結果に基づき、表示画面(図示せず)の地図上に自車
両の位置を表示したり、設定された目的地までの経路案
内等を行うナビゲーション実行部20とを備えている。
【0029】なお、現在位置検出部10とナビゲーショ
ン実行部20とは、周知のマイクロコンピュータを中心
に構成された電子制御装置(ECU)の処理として実現
されるものである。このうち、現在位置検出部10は、
車速センサ4からのパルス信号に基づいて車両の移動距
離を算出する移動距離演算部11と、ジャイロ6からの
検出信号に基づいて方位変化量を算出する方位変化量演
算部12と、算出された方位変化量と移動距離とに基づ
いて、相対軌跡及び車速を算出する相対軌跡演算部13
と、同じく方位変化量と移動距離とに基づいて、絶対方
位及び絶対位置を算出する絶対位置演算部14と、相対
軌跡演算部13及び絶対位置演算部14での算出値とG
PS受信機8での検出値との差を観測値とし、車速,方
位,位置の算出に使用する各種算出パラメータや算出結
果の誤差を状態量として、その状態量の推定値を求める
カルマンフィルタからなる誤差推定部15と、誤差推定
部15により算出された状態量(即ち誤差)の推定値に
従って、各演算部11〜14での算出パラメータや算出
値を補正する補正部16とを備えている。
ン実行部20とは、周知のマイクロコンピュータを中心
に構成された電子制御装置(ECU)の処理として実現
されるものである。このうち、現在位置検出部10は、
車速センサ4からのパルス信号に基づいて車両の移動距
離を算出する移動距離演算部11と、ジャイロ6からの
検出信号に基づいて方位変化量を算出する方位変化量演
算部12と、算出された方位変化量と移動距離とに基づ
いて、相対軌跡及び車速を算出する相対軌跡演算部13
と、同じく方位変化量と移動距離とに基づいて、絶対方
位及び絶対位置を算出する絶対位置演算部14と、相対
軌跡演算部13及び絶対位置演算部14での算出値とG
PS受信機8での検出値との差を観測値とし、車速,方
位,位置の算出に使用する各種算出パラメータや算出結
果の誤差を状態量として、その状態量の推定値を求める
カルマンフィルタからなる誤差推定部15と、誤差推定
部15により算出された状態量(即ち誤差)の推定値に
従って、各演算部11〜14での算出パラメータや算出
値を補正する補正部16とを備えている。
【0030】ここで、誤差推定部15を構成するカルマ
ンフィルタの概要について説明する。まず、カルマンフ
ィルタ15は、図2に示すような、信号生成過程及び観
測過程を前提としている。即ち、プロセス行列φで定義
される線形システム(信号生成過程)があり、そのシス
テムの状態X(t)に対して、観測行列Hで関係付けられ
た状態X(t)の一部が観測可能(観測過程)である場
合、カルマンフィルタは、この観測値Y(t)を入力とし
て、状態X(t)の最適な推定値を与えるものである。な
お、ωは信号生成過程にて発生する雑音であり、νは観
測過程にて発生する雑音である。
ンフィルタの概要について説明する。まず、カルマンフ
ィルタ15は、図2に示すような、信号生成過程及び観
測過程を前提としている。即ち、プロセス行列φで定義
される線形システム(信号生成過程)があり、そのシス
テムの状態X(t)に対して、観測行列Hで関係付けられ
た状態X(t)の一部が観測可能(観測過程)である場
合、カルマンフィルタは、この観測値Y(t)を入力とし
て、状態X(t)の最適な推定値を与えるものである。な
お、ωは信号生成過程にて発生する雑音であり、νは観
測過程にて発生する雑音である。
【0031】そして、時刻tまでの情報を用いた状態X
の最適推定値、即ち状態量X(t|t)は、次の(1)〜
(5)式により求めることができる。 X(t|t) =X(t|t-1)+K(t){Y(t)−HX(t|t-1)} (1) X(t|t-1) =φX(t-1|t-1) (2) K(t) =P(t|t-1)HT{HP(t|t-1)HT+V}-1 (3) P(t|t-1) =φP(t-1|t-1)φT+W (4) P(t-1|t-1)={I−K(t-1)H}P(t-1|t-2) (5) 但し、Kはカルマンゲイン、Pは状態量Xの共分散(以
下では誤差共分散という)、Vは観測過程で発生する雑
音νの分散、Wは信号生成過程で発生する雑音ωの分
散、A(i|j) は時刻jまでの情報に基づく時刻iでのA
の推定値であり、雑音ω,νは、いずれも平均0の白色
ガウス雑音であり互いに無相関である。また、Iは単位
行列、添字のT は転置行列,-1は逆行列を意味する。
の最適推定値、即ち状態量X(t|t)は、次の(1)〜
(5)式により求めることができる。 X(t|t) =X(t|t-1)+K(t){Y(t)−HX(t|t-1)} (1) X(t|t-1) =φX(t-1|t-1) (2) K(t) =P(t|t-1)HT{HP(t|t-1)HT+V}-1 (3) P(t|t-1) =φP(t-1|t-1)φT+W (4) P(t-1|t-1)={I−K(t-1)H}P(t-1|t-2) (5) 但し、Kはカルマンゲイン、Pは状態量Xの共分散(以
下では誤差共分散という)、Vは観測過程で発生する雑
音νの分散、Wは信号生成過程で発生する雑音ωの分
散、A(i|j) は時刻jまでの情報に基づく時刻iでのA
の推定値であり、雑音ω,νは、いずれも平均0の白色
ガウス雑音であり互いに無相関である。また、Iは単位
行列、添字のT は転置行列,-1は逆行列を意味する。
【0032】このように定義されたカルマンフィルタで
は、状態量Xを定義すると共に、誤差共分散Pに適当な
初期値を与えた後、観測値Yに基づいて上述の計算を実
行することにより、状態量の最適推定値X(t|t) が得ら
れ、観測が行われ観測値Yが得られる毎にこれを繰り返
すことにより、状態量の最適推定値X(t|t) の精度が向
上する。
は、状態量Xを定義すると共に、誤差共分散Pに適当な
初期値を与えた後、観測値Yに基づいて上述の計算を実
行することにより、状態量の最適推定値X(t|t) が得ら
れ、観測が行われ観測値Yが得られる毎にこれを繰り返
すことにより、状態量の最適推定値X(t|t) の精度が向
上する。
【0033】そして、本実施例では、状態量Xとして、
ジャイロ出力の大きさによらず、出力値の全領域にて均
等に付加されるオフセット誤差(εG),ジャイロ出力
から角速度への変換比率として設定される変換ゲインの
誤差であるゲイン誤差(εA),走行距離を算出する際
に、速度センサから出力された単位時間当たりのパルス
数に乗じられる距離係数の誤差である距離係数誤差(ε
K),絶対方位を算出する際に上述の誤差εG,εA,
εK等に基づいて付与される絶対方位誤差(εθ),絶
対位置を算出する際に同様に付与される絶対位置北方向
誤差(εY),絶対位置東方向誤差(εX)の6個の誤
差値を用い、これら誤差値εG,εA,εK,εθ,ε
Y,εXを、次の(6)〜(11)式により定義する。
ジャイロ出力の大きさによらず、出力値の全領域にて均
等に付加されるオフセット誤差(εG),ジャイロ出力
から角速度への変換比率として設定される変換ゲインの
誤差であるゲイン誤差(εA),走行距離を算出する際
に、速度センサから出力された単位時間当たりのパルス
数に乗じられる距離係数の誤差である距離係数誤差(ε
K),絶対方位を算出する際に上述の誤差εG,εA,
εK等に基づいて付与される絶対方位誤差(εθ),絶
対位置を算出する際に同様に付与される絶対位置北方向
誤差(εY),絶対位置東方向誤差(εX)の6個の誤
差値を用い、これら誤差値εG,εA,εK,εθ,ε
Y,εXを、次の(6)〜(11)式により定義する。
【0034】 εGt=εGt-1+ω0 (6) εAt=εAt-1+ω1 (7) εKt=εKt-1+ω2 (8) εθt=TT・εGt-1+DT・εAt-1+εθt-1+ω3 (9) εYt=sin(θ)・LT・(1+εKt-1) −sin(θT)・LT+εYt-1 (10) εXt=cos(θ)・LT・(1+εKt-1) −cos(θT)・LT+εXt-1 (11) (θ=θT+εθt-1+TT・εGt-1/2+DT・εAt-1/2) 但し、TT は前回(の観測)からの経過時間、DT は前
回からの方位変化量、LT は前回からの移動距離、θT
は真の絶対方位である。
回からの方位変化量、LT は前回からの移動距離、θT
は真の絶対方位である。
【0035】また、ω0 は温度ドリフト等によるオフセ
ットの変動分(オフセット雑音という)、ω1 は温度ド
リフト等によるジャイロゲインの変動分(ゲイン雑音と
いう)、ω2 は速度センサの経年変化による変動分(距
離係数雑音という)、ω3 はジャイロのクロスカップリ
ング等による変動分(絶対方位雑音という)である。
ットの変動分(オフセット雑音という)、ω1 は温度ド
リフト等によるジャイロゲインの変動分(ゲイン雑音と
いう)、ω2 は速度センサの経年変化による変動分(距
離係数雑音という)、ω3 はジャイロのクロスカップリ
ング等による変動分(絶対方位雑音という)である。
【0036】なお、(6)〜(8)式に示すように、オ
フセット誤差εG、ゲイン誤差εA、距離係数誤差εK
については、確定的な変化はなく、前回の誤差にそれぞ
れノイズω0〜ω2が付加されたものとなっている。ま
た、(9)式に示すように、絶対方位誤差εθについて
は、前回の誤差に、オフセット誤差εGに基づく方位誤
差と、ゲイン誤差εAに基づく方位誤差と、ノイズω3
が付加されたものとなっている。更に、(10)(1
1)式に示すように、絶対位置誤差εY,εXについて
は、前回の誤差に、オフセット誤差εG及び絶対方位誤
差εθに基づく方位誤差や距離係数誤差εKに基づく距
離誤差によって生じる誤差が付加されたものとなってい
る。また、θは絶対位置演算部14にて算出される絶対
方位を意味しており、真の絶対方位θT にセンサ誤差に
基づく誤差が加わったものとなっている。
フセット誤差εG、ゲイン誤差εA、距離係数誤差εK
については、確定的な変化はなく、前回の誤差にそれぞ
れノイズω0〜ω2が付加されたものとなっている。ま
た、(9)式に示すように、絶対方位誤差εθについて
は、前回の誤差に、オフセット誤差εGに基づく方位誤
差と、ゲイン誤差εAに基づく方位誤差と、ノイズω3
が付加されたものとなっている。更に、(10)(1
1)式に示すように、絶対位置誤差εY,εXについて
は、前回の誤差に、オフセット誤差εG及び絶対方位誤
差εθに基づく方位誤差や距離係数誤差εKに基づく距
離誤差によって生じる誤差が付加されたものとなってい
る。また、θは絶対位置演算部14にて算出される絶対
方位を意味しており、真の絶対方位θT にセンサ誤差に
基づく誤差が加わったものとなっている。
【0037】そして、これら誤差値εG,εA,εK,
εθ,εY,εXの時間的な変化を規定するものがプロ
セス行列φであり、上記(6)〜(11)式を各誤差値
にて偏微分し線形化することにより求められ、その結
果、信号生成過程は(12)式のように定義される。
εθ,εY,εXの時間的な変化を規定するものがプロ
セス行列φであり、上記(6)〜(11)式を各誤差値
にて偏微分し線形化することにより求められ、その結
果、信号生成過程は(12)式のように定義される。
【0038】
【数1】
【0039】また、観測値Y(t)は、相対軌跡演算部1
3及び絶対位置演算部14での算出値(以下、推測航法
データという)と、GPS受信機8での検出値(以下、
GPS測位データという)との差より求める。それぞれ
の出力には誤差が含まれるため、観測値Y(t)におい
て、推測航法データの誤差とGPS測位データの誤差と
の和が得られる。この観測値Y(t)と状態量X(t)とを
関係付けることにより、観測過程は、(13)式のよう
に定義される。
3及び絶対位置演算部14での算出値(以下、推測航法
データという)と、GPS受信機8での検出値(以下、
GPS測位データという)との差より求める。それぞれ
の出力には誤差が含まれるため、観測値Y(t)におい
て、推測航法データの誤差とGPS測位データの誤差と
の和が得られる。この観測値Y(t)と状態量X(t)とを
関係付けることにより、観測過程は、(13)式のよう
に定義される。
【0040】
【数2】
【0041】但し、観測過程で発生する雑音νは、GP
S受信機8からの検出値に含まれる雑音であり、次の
(14)式にて定義される。
S受信機8からの検出値に含まれる雑音であり、次の
(14)式にて定義される。
【0042】
【数3】
【0043】このようなカルマンフィルタを有する現在
位置検出部10では、車速センサ4からの信号に基づい
て移動距離演算部11が車両の移動距離を算出すると共
に、ジャイロ6からの信号に基づいて方位変化量演算部
12が車両の方位変化量を算出する。すると、これら算
出された移動距離及び方位変化量に基づいて、相対軌跡
演算部13及び絶対位置演算部14が、推測航法データ
として、車速,相対軌跡,絶対位置,絶対方位を算出す
る。一方、GPS受信機8は、GPS測位データとし
て、位置,方位,車速を随時出力している。
位置検出部10では、車速センサ4からの信号に基づい
て移動距離演算部11が車両の移動距離を算出すると共
に、ジャイロ6からの信号に基づいて方位変化量演算部
12が車両の方位変化量を算出する。すると、これら算
出された移動距離及び方位変化量に基づいて、相対軌跡
演算部13及び絶対位置演算部14が、推測航法データ
として、車速,相対軌跡,絶対位置,絶対方位を算出す
る。一方、GPS受信機8は、GPS測位データとし
て、位置,方位,車速を随時出力している。
【0044】そして、カルマンフィルタ(誤差推定部1
5)は、推測航法データ及びGPS測位データに基づい
て、各誤差εG,εA,εK,εθ,εY,εXの推定
値を算出し、補正部16が、この推定値に基づいて、各
演算部11〜14での算出パラメータや算出値の補正を
行う。
5)は、推測航法データ及びGPS測位データに基づい
て、各誤差εG,εA,εK,εθ,εY,εXの推定
値を算出し、補正部16が、この推定値に基づいて、各
演算部11〜14での算出パラメータや算出値の補正を
行う。
【0045】ところで、このように推定誤差に基づい
て、車速センサ4の距離係数補正、ジャイロ6のオフセ
ット補正,ゲイン補正、及び絶対方位補正、絶対位置補
正を行った場合、(2)式に示す状態量の事前推定値X
(t|t-1) は0となる。つまり、(1)式は次の(1a)
式に示すようなものとなり、上述のように状態量Xとし
て定義された6つの誤差値は、(1a)及び(3)〜
(5)式によって算出されることになる。
て、車速センサ4の距離係数補正、ジャイロ6のオフセ
ット補正,ゲイン補正、及び絶対方位補正、絶対位置補
正を行った場合、(2)式に示す状態量の事前推定値X
(t|t-1) は0となる。つまり、(1)式は次の(1a)
式に示すようなものとなり、上述のように状態量Xとし
て定義された6つの誤差値は、(1a)及び(3)〜
(5)式によって算出されることになる。
【0046】 X(t|t)=X(t|t-1)+K(t)Y(t) (1a) ここで、(3)〜(5)式にて用いられている誤差共分
散Pは、次の(15)式により定義される。
散Pは、次の(15)式により定義される。
【0047】
【数4】
【0048】なお、σGG 2,σAA 2,σKK 2,σθθ2,σ
YY 2,σXX 2は、それぞれ各誤差εG,εA,εK,ε
θ,εY,εXの大きさの見積もりを表すものであり、
また、これら以外のσij 2 はi行とj列との相互相関
値、例えばσAG 2 であれば、ゲイン誤差εAとオフセッ
ト誤差εGとの相互相関値を表すものである。
YY 2,σXX 2は、それぞれ各誤差εG,εA,εK,ε
θ,εY,εXの大きさの見積もりを表すものであり、
また、これら以外のσij 2 はi行とj列との相互相関
値、例えばσAG 2 であれば、ゲイン誤差εAとオフセッ
ト誤差εGとの相互相関値を表すものである。
【0049】この誤差共分散Pは(4)式により更新さ
れる。但し、誤差共分散の初期値P(0|0) は、対角要素
σij 2 (i=j)を、それぞれ誤差が最大となる値に設
定し、それ以外の要素σij 2 (i≠j)を、全て0に設
定しておく。また、(3)式中の行列Hは(13)式に
て定義されたものを、同じく行列Vは(14)式にて定
義されたものを、更に(4)式中の行列Wは(12)式
にて定義されたものを使用する。
れる。但し、誤差共分散の初期値P(0|0) は、対角要素
σij 2 (i=j)を、それぞれ誤差が最大となる値に設
定し、それ以外の要素σij 2 (i≠j)を、全て0に設
定しておく。また、(3)式中の行列Hは(13)式に
て定義されたものを、同じく行列Vは(14)式にて定
義されたものを、更に(4)式中の行列Wは(12)式
にて定義されたものを使用する。
【0050】次に、観測過程における観測値Y(t)とし
ては、(13)式に示すように、εKDRt −εKGPSt、
εθDRt −εθGPSt、εYDRt −εYGPSt、εXDRt −
εX GPStを用いる。ここで、添字のDRt は時刻tにおけ
る推測航法データに基づく値であることを意味し、GPSt
は時刻tにおけるGPS測位データに基づく値であるこ
とを意味する。
ては、(13)式に示すように、εKDRt −εKGPSt、
εθDRt −εθGPSt、εYDRt −εYGPSt、εXDRt −
εX GPStを用いる。ここで、添字のDRt は時刻tにおけ
る推測航法データに基づく値であることを意味し、GPSt
は時刻tにおけるGPS測位データに基づく値であるこ
とを意味する。
【0051】そして、εKDRt −εKGPStは、推測航法
データの速度とGPS測位データの速度との差から求ま
る距離係数誤差であり、具体的には、{(推測航法デー
タの速度)−(GPS測位データの速度)}/(推測航
法データの速度)により求められる。
データの速度とGPS測位データの速度との差から求ま
る距離係数誤差であり、具体的には、{(推測航法デー
タの速度)−(GPS測位データの速度)}/(推測航
法データの速度)により求められる。
【0052】また、εθDRt −εθGPStは、推測航法デ
ータの絶対方位とGPS測位データの方位との差、すな
わち推測航法データの絶対方位には真の絶対方位θT と
その誤差εθDRt が含まれており、またGPS測位デー
タの方位には真の絶対方位θ T とその誤差εθGPStが含
まれているため、それらの差を取ることによりεθDR t
−εθGPStが得られる。
ータの絶対方位とGPS測位データの方位との差、すな
わち推測航法データの絶対方位には真の絶対方位θT と
その誤差εθDRt が含まれており、またGPS測位デー
タの方位には真の絶対方位θ T とその誤差εθGPStが含
まれているため、それらの差を取ることによりεθDR t
−εθGPStが得られる。
【0053】更に、εYDRt −εYGPStは、推測航法デ
ータの絶対位置のY成分とGPS測位データの位置のY
成分の誤差の差であり、εXDRt −εXGPStは、推測航
法データの絶対位置のX成分とGPS測位データのX成
分との誤差の差である。また更に、(14)式示す、観
測過程で発生する雑音νはGPS受信機8での雑音であ
り、以下のようにして求められる。GPS受信機8にお
ける擬似距離の計測誤差(UERE)とHDOP(Hori
zontal Dilution of Presision)の関係により測位精度
が、UERE×HDOPで求められ、この測位精度を2
乗することにより、ν2t、ν3tが求められる。また、ド
ップラー周波数の計測誤差とHDOPの関係より速度精
度が、ドップラー周波数の計測誤差×HDOPで求めら
れ、この速度精度/車速にて距離係数計測誤差が求めら
れ、これを2乗することによりν1tが求められる。さら
に、車両の速度Vcと速度精度から方位精度がtan-1
(速度精度/Vc)で求められ、この方位精度を2乗す
るこによりν0tが求められる。
ータの絶対位置のY成分とGPS測位データの位置のY
成分の誤差の差であり、εXDRt −εXGPStは、推測航
法データの絶対位置のX成分とGPS測位データのX成
分との誤差の差である。また更に、(14)式示す、観
測過程で発生する雑音νはGPS受信機8での雑音であ
り、以下のようにして求められる。GPS受信機8にお
ける擬似距離の計測誤差(UERE)とHDOP(Hori
zontal Dilution of Presision)の関係により測位精度
が、UERE×HDOPで求められ、この測位精度を2
乗することにより、ν2t、ν3tが求められる。また、ド
ップラー周波数の計測誤差とHDOPの関係より速度精
度が、ドップラー周波数の計測誤差×HDOPで求めら
れ、この速度精度/車速にて距離係数計測誤差が求めら
れ、これを2乗することによりν1tが求められる。さら
に、車両の速度Vcと速度精度から方位精度がtan-1
(速度精度/Vc)で求められ、この方位精度を2乗す
るこによりν0tが求められる。
【0054】従って、観測過程におけるεKDRt −εK
GPSt、εθDRt −εθGPSt、εYDR t −εYGPSt、εX
DRt −εXGPStおよび上記雑音Vを入力とし、(3)〜
(5)および(1)式を実行することにより、信号生成
過程にて定義された6つの誤差値εG,εA,εK,ε
θ,εY,εXからなる状態量Xが求められ、これらに
より車速センサ4の距離係数補正、ジャイロ6のオフセ
ット補正,ゲイン補正、更には、絶対位置補正、絶対方
位補正が行われる。
GPSt、εθDRt −εθGPSt、εYDR t −εYGPSt、εX
DRt −εXGPStおよび上記雑音Vを入力とし、(3)〜
(5)および(1)式を実行することにより、信号生成
過程にて定義された6つの誤差値εG,εA,εK,ε
θ,εY,εXからなる状態量Xが求められ、これらに
より車速センサ4の距離係数補正、ジャイロ6のオフセ
ット補正,ゲイン補正、更には、絶対位置補正、絶対方
位補正が行われる。
【0055】なお、上述したように、現在位置検出部1
0は、マイクロコンピュータの処理として実現されるも
のであり、以下この現在位置検出部10が実行する推測
航法処理を、図3〜図7に示すフローチャートに沿って
説明する。但し、本処理は、一定周期TMで繰り返し実
行されるものとする。
0は、マイクロコンピュータの処理として実現されるも
のであり、以下この現在位置検出部10が実行する推測
航法処理を、図3〜図7に示すフローチャートに沿って
説明する。但し、本処理は、一定周期TMで繰り返し実
行されるものとする。
【0056】図3に示すように、まずS100では、移
動距離演算部11及び方位変化量演算部12に相当する
方位変化量・移動距離演算処理を実行する。この処理の
詳細を図4に沿って説明する。即ち、S110では、ジ
ャイロ6により検出されたジャイロ出力角速度にメイン
ルーチンの起動周期TMを乗じることにより方位変化量
を算出する。なお、ジャイロ出力角速度は、図12
(a)のグラフから明らかなように、ジャイロ6の出力
をサンプリングした値から、オフセット値(図12
(a)では、2.5V)を減じたものに、変換ゲイン
(グラフの傾きに相当)を乗じることにより算出された
ものである。
動距離演算部11及び方位変化量演算部12に相当する
方位変化量・移動距離演算処理を実行する。この処理の
詳細を図4に沿って説明する。即ち、S110では、ジ
ャイロ6により検出されたジャイロ出力角速度にメイン
ルーチンの起動周期TMを乗じることにより方位変化量
を算出する。なお、ジャイロ出力角速度は、図12
(a)のグラフから明らかなように、ジャイロ6の出力
をサンプリングした値から、オフセット値(図12
(a)では、2.5V)を減じたものに、変換ゲイン
(グラフの傾きに相当)を乗じることにより算出された
ものである。
【0057】続くS120では、後述するオフセット補
正量にメインルーチンの起動周期TMを乗じたものを、
S110にて求めた方位変化量から減じることにより、
方位変化量のオフセット補正を行う。即ち、図12
(b)に示すように、角速度0[deg/sec]に対
応するジャイロ6の出力電圧(ゼロ点)の変動に基づく
誤差を補正する。
正量にメインルーチンの起動周期TMを乗じたものを、
S110にて求めた方位変化量から減じることにより、
方位変化量のオフセット補正を行う。即ち、図12
(b)に示すように、角速度0[deg/sec]に対
応するジャイロ6の出力電圧(ゼロ点)の変動に基づく
誤差を補正する。
【0058】続くS130では、S120にてオフセッ
ト補正された方位変化量に、後述するゲイン補正量を乗
じることにより、方位変化量のゲイン補正を行う。即
ち、図12(c)に示すように、グラフの傾き(変換ゲ
イン)の変動に基づく誤差を補正する。
ト補正された方位変化量に、後述するゲイン補正量を乗
じることにより、方位変化量のゲイン補正を行う。即
ち、図12(c)に示すように、グラフの傾き(変換ゲ
イン)の変動に基づく誤差を補正する。
【0059】そしてS140では、本処理が前回起動さ
れてから今回起動されるまでの間に検出された車速セン
サ4からの出力パルス数に、後述する距離係数を乗じる
ことにより移動距離を算出して、方位変化量・移動距離
演算処理を終了する。図3に戻って、続くS200で
は、相対軌跡演算部13に相当する相対軌跡演算処理を
実行する。
れてから今回起動されるまでの間に検出された車速セン
サ4からの出力パルス数に、後述する距離係数を乗じる
ことにより移動距離を算出して、方位変化量・移動距離
演算処理を終了する。図3に戻って、続くS200で
は、相対軌跡演算部13に相当する相対軌跡演算処理を
実行する。
【0060】この処理の詳細を図5に沿って説明する。
即ち、S210では、先のS130にて算出された方位
変化量を、それまでに求められている相対方位に加算す
ることにより、相対方位を更新する。続くS220で
は、この更新された相対方位、及び先のS140にて算
出された移動距離に基づき、相対位置座標の更新を行
う。具体的には、南北方向をx座標軸とした相対座標r
el.xを(16)式、東西方向をy座標軸とした相対
座標rel.yを(17)式に従って更新する。但しθ
はS210にて算出された相対方位である。
即ち、S210では、先のS130にて算出された方位
変化量を、それまでに求められている相対方位に加算す
ることにより、相対方位を更新する。続くS220で
は、この更新された相対方位、及び先のS140にて算
出された移動距離に基づき、相対位置座標の更新を行
う。具体的には、南北方向をx座標軸とした相対座標r
el.xを(16)式、東西方向をy座標軸とした相対
座標rel.yを(17)式に従って更新する。但しθ
はS210にて算出された相対方位である。
【0061】 rel.x←rel.x+移動距離×cosθ (16) rel.y←rel.y+移動距離×sinθ (17) 即ち、この更新は、移動距離に対する相対方位のx,y
成分をそれまでの相対位置座標に加算することにより行
っている。この相対位置座標は相対軌跡を求めるために
行うもので、その相対軌跡と道路形状との関係により、
いわゆるマップマッチングが行われる。
成分をそれまでの相対位置座標に加算することにより行
っている。この相対位置座標は相対軌跡を求めるために
行うもので、その相対軌跡と道路形状との関係により、
いわゆるマップマッチングが行われる。
【0062】そしてS230では、S140にて算出さ
れた移動距離を、メインルーチンの起動周期TMで除す
ることにより車速を算出して、相対軌跡演算処理を終了
する。図3に戻って、続くS300では、絶対位置演算
部14に相当する絶対位置演算処理を実行する。
れた移動距離を、メインルーチンの起動周期TMで除す
ることにより車速を算出して、相対軌跡演算処理を終了
する。図3に戻って、続くS300では、絶対位置演算
部14に相当する絶対位置演算処理を実行する。
【0063】この処理の詳細を図6に沿って説明する。
即ちS310では、先のS130にて算出された方位変
化量を、それまでに求められている絶対方位に加算する
ことにより、絶対方位を更新する。続くS320では、
この更新された絶対方位、及び先のS140にて算出さ
れた移動距離に基づき、絶対位置座標の更新を行う。具
体的には、南北方向をx座標軸とした絶対座標abs.
xを(18)式、東西方向をy座標軸とした絶対座標a
bs.yを(19)式に従って更新する。但しθはS3
10にて算出された絶対方位である。
即ちS310では、先のS130にて算出された方位変
化量を、それまでに求められている絶対方位に加算する
ことにより、絶対方位を更新する。続くS320では、
この更新された絶対方位、及び先のS140にて算出さ
れた移動距離に基づき、絶対位置座標の更新を行う。具
体的には、南北方向をx座標軸とした絶対座標abs.
xを(18)式、東西方向をy座標軸とした絶対座標a
bs.yを(19)式に従って更新する。但しθはS3
10にて算出された絶対方位である。
【0064】 abs.x←abs.x+移動距離×cosθ (18) abs.y←abs.y+移動距離×sinθ (19) 即ち、この更新は、移動距離に対する絶対方位のx,y
成分をそれまでの絶対位置座標に加算することにより行
っている。このようにして更新された絶対方位と絶対位
置は後述するGPSとの複合化処理にて利用される。
成分をそれまでの絶対位置座標に加算することにより行
っている。このようにして更新された絶対方位と絶対位
置は後述するGPSとの複合化処理にて利用される。
【0065】図3に戻って、最後にS400では、誤差
推定部15及び補正部16に相当するGPSとの複合化
処理を実行する。この処理の詳細を図7に沿って説明す
る。まず、S410では、後述するGPS測位データに
基づくカルマンフィルタの処理(S430〜S490)
又は予測計算処理(S500,S510)が前回実行さ
れてからT1秒経過したか否かを判定し、否定判定され
た場合にはS420に移行する。
推定部15及び補正部16に相当するGPSとの複合化
処理を実行する。この処理の詳細を図7に沿って説明す
る。まず、S410では、後述するGPS測位データに
基づくカルマンフィルタの処理(S430〜S490)
又は予測計算処理(S500,S510)が前回実行さ
れてからT1秒経過したか否かを判定し、否定判定され
た場合にはS420に移行する。
【0066】S420では、GPS受信機8が測位を行
うことによりGPS受信機8からGPS測位データが入
力されたか否かを判断し、肯定判定された場合には、S
430に移行して、カルマンフィルタによる処理を行
い、一方、否定判定された場合はそのまま本処理を終了
する。
うことによりGPS受信機8からGPS測位データが入
力されたか否かを判断し、肯定判定された場合には、S
430に移行して、カルマンフィルタによる処理を行
い、一方、否定判定された場合はそのまま本処理を終了
する。
【0067】そして、S430では、GPS受信機8か
らのGPS測位データ(速度,位置,方位)、及び先の
推測航法処理により算出された推測航法データ(車速
(S230),絶対位置(S320),絶対方位(S3
10))に基づいて観測値Y(εKDRt −εKGPSt、ε
θDRt −εθGPSt、εYDRt −εYGPSt、εXDRt −ε
XGPSt)の計算を行う。これと共に、観測過程で発生す
る雑音νをGPS受信機8のGPS測位データ等を基に
計算する。
らのGPS測位データ(速度,位置,方位)、及び先の
推測航法処理により算出された推測航法データ(車速
(S230),絶対位置(S320),絶対方位(S3
10))に基づいて観測値Y(εKDRt −εKGPSt、ε
θDRt −εθGPSt、εYDRt −εYGPSt、εXDRt −ε
XGPSt)の計算を行う。これと共に、観測過程で発生す
る雑音νをGPS受信機8のGPS測位データ等を基に
計算する。
【0068】続くS440では、プロセス行列φの計算
を行う。これは、前回のプロセス行列の計算時点からの
移動距離L、経過時間T(これらは図示しない計測処理
により別途求められている)、及びS310にて求めた
絶対方位θにより、(12)式に示すプロセス行列φを
求める。
を行う。これは、前回のプロセス行列の計算時点からの
移動距離L、経過時間T(これらは図示しない計測処理
により別途求められている)、及びS310にて求めた
絶対方位θにより、(12)式に示すプロセス行列φを
求める。
【0069】このようにして計算した観測値Yおよびプ
ロセス行列φに基づき、以下では、上述した(3)〜
(5)式の計算を行って(1a)式に示す状態量Xを求
める。即ち、S450では(4)式により誤差共分散P
の予測計算を行い、続くS460では(3)式によりカ
ルマンゲインKの計算を行い、続くS470では(5)
式により誤差共分散Pの計算を行い、続くS480で
は、カルマンゲインKおよび観測値Yに基づき、(1
a)式により状態量Xを求める。この状態量Xは、(1
2)式の左辺に示された、オフセット誤差εG、ゲイン
誤差εA,絶対方位誤差εθ、距離係数誤差εK、絶対
位置北方向誤差εY、絶対位置東方向誤差εXを表して
いる。
ロセス行列φに基づき、以下では、上述した(3)〜
(5)式の計算を行って(1a)式に示す状態量Xを求
める。即ち、S450では(4)式により誤差共分散P
の予測計算を行い、続くS460では(3)式によりカ
ルマンゲインKの計算を行い、続くS470では(5)
式により誤差共分散Pの計算を行い、続くS480で
は、カルマンゲインKおよび観測値Yに基づき、(1
a)式により状態量Xを求める。この状態量Xは、(1
2)式の左辺に示された、オフセット誤差εG、ゲイン
誤差εA,絶対方位誤差εθ、距離係数誤差εK、絶対
位置北方向誤差εY、絶対位置東方向誤差εXを表して
いる。
【0070】そして、S490では、状態量Xとして算
出されたこれらの誤差値εG,εA,εK,εθ,ε
Y,εXに基づき、推測航法誤差の補正(ジャイロ6の
オフセット補正、同じくゲイン補正、車速センサ4の距
離係数補正、絶対方位補正、絶対位置補正)を(20)
〜(25)式に従って行う。
出されたこれらの誤差値εG,εA,εK,εθ,ε
Y,εXに基づき、推測航法誤差の補正(ジャイロ6の
オフセット補正、同じくゲイン補正、車速センサ4の距
離係数補正、絶対方位補正、絶対位置補正)を(20)
〜(25)式に従って行う。
【0071】 オフセット補正量=オフセット補正量−εG (20) ゲイン補正量 =ゲイン補正量×(1−εA) (21) 距離係数 =距離係数×(1−εK) (22) 絶対方位 =絶対方位−εθ (23) abs.y(絶対位置) =abs.y−εY (24) abs.x(絶対位置) =abs.x−εX (25) 即ち、ジャイロ6のオフセット補正及びゲイン補正によ
り、S120,S130にて用いられるオフセット補正
量及びゲイン補正量が修正され、車速センサ4の距離係
数補正により、S140にて用いられる距離係数が修正
され、絶対方位補正により、S310にて用いられる絶
対方位θが修正され、絶対位置補正によりS320にて
用いられる絶対位置が修正されるのである。
り、S120,S130にて用いられるオフセット補正
量及びゲイン補正量が修正され、車速センサ4の距離係
数補正により、S140にて用いられる距離係数が修正
され、絶対方位補正により、S310にて用いられる絶
対方位θが修正され、絶対位置補正によりS320にて
用いられる絶対位置が修正されるのである。
【0072】そして、上記S430〜S490の処理
が、GPS受信機8からのGPS測位データが有る毎に
繰り返されることにより、上記誤差が随時修正されるた
め、より正確な推測航法データが得られることになる。
なお、GPS受信機8からGPS測位データが長時間
(T1秒以上)に渡って得ることができず、先のS41
0にて肯定判定されると、S500,S510に移行し
て、プロセス行列φの計算および誤差共分散Pの予測計
算を行う。
が、GPS受信機8からのGPS測位データが有る毎に
繰り返されることにより、上記誤差が随時修正されるた
め、より正確な推測航法データが得られることになる。
なお、GPS受信機8からGPS測位データが長時間
(T1秒以上)に渡って得ることができず、先のS41
0にて肯定判定されると、S500,S510に移行し
て、プロセス行列φの計算および誤差共分散Pの予測計
算を行う。
【0073】これは、GPS受信機8からGPS測位デ
ータが得られない場合、何も補正を行わないと誤差が大
きくなってしまうため、誤差共分散Pの予測計算、即ち
誤差の見積もりだけは定期的に行っておくことにより、
その後にGPS受信機8からのGPS測位データの入力
が再開された時に行われるカルマンフィルタの処理を正
確に行えるようにするためのものである。
ータが得られない場合、何も補正を行わないと誤差が大
きくなってしまうため、誤差共分散Pの予測計算、即ち
誤差の見積もりだけは定期的に行っておくことにより、
その後にGPS受信機8からのGPS測位データの入力
が再開された時に行われるカルマンフィルタの処理を正
確に行えるようにするためのものである。
【0074】以上、説明したように、本実施例のナビゲ
ーション装置2においては、ジャイロ6のゲイン誤差を
カルマンフィルタにより推定して、ジャイロ6の出力に
基づいて算出される方位変化量をゲイン補正するように
されている。従って、本実施例のナビゲーション装置2
によれば、ジャイロ6の経年変化があったり、ジャイロ
6が傾斜した状態で車両に取り付けられる等して、予め
設定された換算ゲインが、実際の換算比率と異なってし
まった場合でも、これに基づく誤差を補償することがで
き、方位変化量、ひいては車両の現在位置や進行方向
(方位)を精度よく求めることができる。
ーション装置2においては、ジャイロ6のゲイン誤差を
カルマンフィルタにより推定して、ジャイロ6の出力に
基づいて算出される方位変化量をゲイン補正するように
されている。従って、本実施例のナビゲーション装置2
によれば、ジャイロ6の経年変化があったり、ジャイロ
6が傾斜した状態で車両に取り付けられる等して、予め
設定された換算ゲインが、実際の換算比率と異なってし
まった場合でも、これに基づく誤差を補償することがで
き、方位変化量、ひいては車両の現在位置や進行方向
(方位)を精度よく求めることができる。
【0075】なお、本実施例では、S100〜S300
が現在位置算出手段に相当し、S410〜S480,S
500,S510が誤差推定手段に相当し、S490が
補正手段に相当する。 [第2実施例]次に第2実施例について説明する。
が現在位置算出手段に相当し、S410〜S480,S
500,S510が誤差推定手段に相当し、S490が
補正手段に相当する。 [第2実施例]次に第2実施例について説明する。
【0076】本実施例は、第1実施例とは構成及び処理
内容が一部異なるだけであるため、これらの相違点を中
心に説明する。図8に示すように、本実施例の車載用ナ
ビゲーション装置2aは、第1実施例の構成に加えてジ
ャイロ6と一体に取り付けられ、ジャイロ6の回転角速
度検出軸(以下、Z軸という)に対して垂直な加速度検
出軸(以下、X軸という)方向の加速度を検出する加速
度センサ9を備えている。
内容が一部異なるだけであるため、これらの相違点を中
心に説明する。図8に示すように、本実施例の車載用ナ
ビゲーション装置2aは、第1実施例の構成に加えてジ
ャイロ6と一体に取り付けられ、ジャイロ6の回転角速
度検出軸(以下、Z軸という)に対して垂直な加速度検
出軸(以下、X軸という)方向の加速度を検出する加速
度センサ9を備えている。
【0077】また、現在位置検出部10aは、車速セン
サ4(移動距離演算部11)及び加速度センサ9の出力
に基づいて、車両姿勢の傾斜角度を演算する姿勢傾斜角
度演算部17を備えており、姿勢傾斜角度演算部17で
の演算結果を、補正部16にて求められるゲイン補正量
に反映させて、方位変化量のゲイン補正を行うように構
成されている。
サ4(移動距離演算部11)及び加速度センサ9の出力
に基づいて、車両姿勢の傾斜角度を演算する姿勢傾斜角
度演算部17を備えており、姿勢傾斜角度演算部17で
の演算結果を、補正部16にて求められるゲイン補正量
に反映させて、方位変化量のゲイン補正を行うように構
成されている。
【0078】更に、現在位置検出部10a及びナビゲー
ション実行部20の処理を実現するためのマイクロコン
ピュータを構成するROM(図示せず)には、車両横方
向に加わる加速度と車両のロール量との関係を予め求め
てなるテーブルデータが記憶されている。
ション実行部20の処理を実現するためのマイクロコン
ピュータを構成するROM(図示せず)には、車両横方
向に加わる加速度と車両のロール量との関係を予め求め
てなるテーブルデータが記憶されている。
【0079】ここで、マイクロコンピュータにて実行さ
れる処理について説明する。なお、本実施例では、第1
実施例にて説明した処理に加えて、姿勢傾斜角度演算部
17に相当する姿勢変動検出処理が実行される。この姿
勢変動検出処理を、図9に示すフローチャート及び図1
0,図11に示す説明図に沿って説明する。は、図9に
示すように、まず、S610では、ジャイロ6及び加速
度センサ9の車両前後方向(X軸方向)への搭載傾きα
x、車両横方向(X軸及びZ軸の双方に垂直なY軸方
向)への搭載傾きαyを検出する。但し、αxは仰角方
向、αyは進行方向に向かって時計回り方向を正とす
る。
れる処理について説明する。なお、本実施例では、第1
実施例にて説明した処理に加えて、姿勢傾斜角度演算部
17に相当する姿勢変動検出処理が実行される。この姿
勢変動検出処理を、図9に示すフローチャート及び図1
0,図11に示す説明図に沿って説明する。は、図9に
示すように、まず、S610では、ジャイロ6及び加速
度センサ9の車両前後方向(X軸方向)への搭載傾きα
x、車両横方向(X軸及びZ軸の双方に垂直なY軸方
向)への搭載傾きαyを検出する。但し、αxは仰角方
向、αyは進行方向に向かって時計回り方向を正とす
る。
【0080】具体的には、X軸或いはY軸のいずれか一
方のみに傾く(αx=0或いはαy=0)ことが予め判
っている場合には、その搭載傾きα(αx或いはαy)
は、車両停止中の加速度センサの出力Aastop、及び重
力加速度Gから、次の(26)式により求めることがで
きる。
方のみに傾く(αx=0或いはαy=0)ことが予め判
っている場合には、その搭載傾きα(αx或いはαy)
は、車両停止中の加速度センサの出力Aastop、及び重
力加速度Gから、次の(26)式により求めることがで
きる。
【0081】 α=sin-1(Aastop/G) (26) 即ち、停車中には、X軸方向の加速度を検出する加速度
センサ9では、重力加速度GのX軸方向成分G・sin
(α)が検出されるため、これに基づいて、搭載傾きαを
求めることができるのである。
センサ9では、重力加速度GのX軸方向成分G・sin
(α)が検出されるため、これに基づいて、搭載傾きαを
求めることができるのである。
【0082】また、搭載傾きαx,αyは、ジャイロ6
及び加速度センサ9の取付時に取付角度を測定して、そ
の測定結果を外部から入力したものを用いるようにして
もよいし、その他の方法により、自動的に測定してもよ
い。そして、S620では、加速度センサ9により、X
軸方向の加速度Aaを検出し、続くS630では、車速
センサ4での検出結果に基づいて、車両進行方向への加
速度Asを算出する。
及び加速度センサ9の取付時に取付角度を測定して、そ
の測定結果を外部から入力したものを用いるようにして
もよいし、その他の方法により、自動的に測定してもよ
い。そして、S620では、加速度センサ9により、X
軸方向の加速度Aaを検出し、続くS630では、車速
センサ4での検出結果に基づいて、車両進行方向への加
速度Asを算出する。
【0083】続くS640では、次の(27)式によ
り、登坂等による車両前後方向への車両姿勢の傾斜角度
βxを求める。 βx=sin-1[{Aa−As・cos(αx)}/G]−αx (27) 即ち、車速センサ4の出力に基づいて検出される車両の
進行方向への加速度Asは、図10(b)から明らかな
ように、次の(28)式にて表すことができ、これを変
形することにより(27)式が得られるのである。
り、登坂等による車両前後方向への車両姿勢の傾斜角度
βxを求める。 βx=sin-1[{Aa−As・cos(αx)}/G]−αx (27) 即ち、車速センサ4の出力に基づいて検出される車両の
進行方向への加速度Asは、図10(b)から明らかな
ように、次の(28)式にて表すことができ、これを変
形することにより(27)式が得られるのである。
【0084】 As={Aa−G・sin(βx+αx)}/cos(αx) (28) 次のS650では、ジャイロ6の出力に基づいて検出さ
れる回転角速度と、車速センサ4の出力に基づいて検出
される車速とから、車両横方向に加わる加速度を算出
し、続くS660では、この算出された車両横方向への
加速度を参照値として、ROMに記憶されたテーブルデ
ータを参照することにより、車両横方向への車両姿勢の
傾斜角度βyを求める。なお、傾斜角度βyは、テーブ
ルデータによらず、車両横方向への加速度をパラメータ
として予め定義された算出式を用いて求めてもよい。
れる回転角速度と、車速センサ4の出力に基づいて検出
される車速とから、車両横方向に加わる加速度を算出
し、続くS660では、この算出された車両横方向への
加速度を参照値として、ROMに記憶されたテーブルデ
ータを参照することにより、車両横方向への車両姿勢の
傾斜角度βyを求める。なお、傾斜角度βyは、テーブ
ルデータによらず、車両横方向への加速度をパラメータ
として予め定義された算出式を用いて求めてもよい。
【0085】続くS670では、先のS640,S66
0にて求められた車両姿勢の傾斜角度βx,βyに基づ
き、次の(29)式を用いて姿勢変動補正量Cβを算出
して、S620に戻り、以後、S620〜S670の処
理を繰り返し実行する。 Cβ=cos(βx)・cos(βy) (29) そして、本実施例では、先に説明したS130にて方位
変化量のゲイン補正を行う際のゲイン補正量として、本
処理により求められた姿勢変動補正量Cβを反映させた
値が使用される。
0にて求められた車両姿勢の傾斜角度βx,βyに基づ
き、次の(29)式を用いて姿勢変動補正量Cβを算出
して、S620に戻り、以後、S620〜S670の処
理を繰り返し実行する。 Cβ=cos(βx)・cos(βy) (29) そして、本実施例では、先に説明したS130にて方位
変化量のゲイン補正を行う際のゲイン補正量として、本
処理により求められた姿勢変動補正量Cβを反映させた
値が使用される。
【0086】即ち、カルマンフィルタでの演算結果に基
づいてS490にて算出されるゲイン補正量をCgとす
ると、次の(30)式にて算出される調整されたゲイン
補正量がS130にて使用される。 ゲイン補正量=1/[cos{cos-1(Cg)+cos-1(Cβ)}] (30) 以上説明したように本実施例のナビゲーション装置2a
によれば、車両前後方向及び車両横方向への車両姿勢の
傾斜角度βx,βyを検出し、この検出した値を、方位
変化量をゲイン補正する際のゲイン補正量に反映させて
いるので、カーブ走行、坂道走行等により、車両前後方
向及び車両横方向に車両姿勢がどのように変化したとし
ても、その姿勢の変化によるジャイロ6の換算ゲインの
誤差変動分を確実に補償することができ、現在位置の検
出を精度よくしかも安定して行うことができる。
づいてS490にて算出されるゲイン補正量をCgとす
ると、次の(30)式にて算出される調整されたゲイン
補正量がS130にて使用される。 ゲイン補正量=1/[cos{cos-1(Cg)+cos-1(Cβ)}] (30) 以上説明したように本実施例のナビゲーション装置2a
によれば、車両前後方向及び車両横方向への車両姿勢の
傾斜角度βx,βyを検出し、この検出した値を、方位
変化量をゲイン補正する際のゲイン補正量に反映させて
いるので、カーブ走行、坂道走行等により、車両前後方
向及び車両横方向に車両姿勢がどのように変化したとし
ても、その姿勢の変化によるジャイロ6の換算ゲインの
誤差変動分を確実に補償することができ、現在位置の検
出を精度よくしかも安定して行うことができる。
【0087】また、本実施例によれば、車両姿勢により
生じるジャイロ6の換算ゲインの誤差を、他のゲイン誤
差から分離して評価することにより、車両姿勢の変動に
よる換算ゲインの誤差を的確に補償する姿勢変動補正量
Cβを算出して、これをゲイン補正量に反映させるよう
にしたので、車両が左右どちらの方向に傾斜したとして
も、左右の傾斜方向によって別々の補正を行うことな
く、いずれの場合も同一の処理にて精度よくゲイン誤差
を補償することができ、その結果、処理負荷を軽減する
ことができる。
生じるジャイロ6の換算ゲインの誤差を、他のゲイン誤
差から分離して評価することにより、車両姿勢の変動に
よる換算ゲインの誤差を的確に補償する姿勢変動補正量
Cβを算出して、これをゲイン補正量に反映させるよう
にしたので、車両が左右どちらの方向に傾斜したとして
も、左右の傾斜方向によって別々の補正を行うことな
く、いずれの場合も同一の処理にて精度よくゲイン誤差
を補償することができ、その結果、処理負荷を軽減する
ことができる。
【0088】なお、本実施例では、姿勢変動検出処理S
610〜S670及び加速度センサ9が姿勢検出手段に
相当し、特に、S610〜S640が前後傾斜量検出手
段、S650,S660が左右傾斜量検出手段に相当す
る。
610〜S670及び加速度センサ9が姿勢検出手段に
相当し、特に、S610〜S640が前後傾斜量検出手
段、S650,S660が左右傾斜量検出手段に相当す
る。
【図1】 第1実施例の装置の概略構成を表すブロック
図である。
図である。
【図2】 カルマンフィルタの前提条件を表す説明図で
ある。
ある。
【図3】 推測航法処理を表すフローチャートである。
【図4】 方位変化量・移動距離の演算処理を表すフロ
ーチャートである。
ーチャートである。
【図5】 相対軌跡の演算処理を表すフローチャートで
ある。
ある。
【図6】 絶対方位・絶対位置の演算処理を表すフロー
チャートである。
チャートである。
【図7】 GPSとの複合化処理を表すフローチャート
である。
である。
【図8】 第2実施例の装置の概略構成を表すブロック
図である。
図である。
【図9】 姿勢変動検出処理を表すフローチャートであ
る。
る。
【図10】 車両前後方向への車両姿勢の変動状態を表
す説明図である。
す説明図である。
【図11】 車両横方向への車両姿勢の変動状態を表す
説明図である。
説明図である。
【図12】 ジャイロ出力と角速度との関係、及び誤差
の補正手順を表す説明図である。
の補正手順を表す説明図である。
【図13】 ロール角度に対してゲイン係数が変動する
様子を表すグラフである。
様子を表すグラフである。
2,2a…車載用ナビゲーション装置 4…車速セン
サ 6…ジャイロ 8…GPS受信機 9…加速度センサ 10,10
a…現在位置検出部 11…移動距離演算部 12…方位変化量演算部
13…相対軌跡演算部 14…絶対位置演算部 15…カルマンフィルタ
15…誤差推定部 16…補正部 17…姿勢傾斜角度演算部 20…
ナビゲーション実行部
サ 6…ジャイロ 8…GPS受信機 9…加速度センサ 10,10
a…現在位置検出部 11…移動距離演算部 12…方位変化量演算部
13…相対軌跡演算部 14…絶対位置演算部 15…カルマンフィルタ
15…誤差推定部 16…補正部 17…姿勢傾斜角度演算部 20…
ナビゲーション実行部
Claims (4)
- 【請求項1】 車両の回転角速度に応じた信号を出力す
る角速度センサと、 車両の走行速度に応じた信号を出力する速度センサと、 前記角速度センサの出力値に基づいて算出される方位変
化量、及び前記速度センサの出力値に基づいて算出され
る移動距離から、車両の現在位置や進行方向を算出する
現在位置算出手段と、 GPS衛星からの衛星電波を受信し、車両の絶対的な現
在位置及び進行方向を出力するGPS受信機と、 前記GPS受信機からの出力値と前記現在位置算出手段
での算出値とに基づいて、前記現在位置検出手段での算
出値や該算出値の算出に用いる算出パラメータの誤差を
推定する誤差推定手段と、 該誤差推定手段にて推定される誤差に基づいて、該誤差
に対応する前記算出値や算出パラメータを補正する補正
手段とを備えた車両用現在位置検出装置において、 前記現在位置算出手段は、前記算出パラメータの一つと
して、前記角速度センサの出力値から前記回転角速度へ
の換算比率を表す換算ゲインを用い、該換算ゲインに基
づいて前記角速度センサの出力から回転角速度を算出す
ると共に、 前記誤差推定手段は、前記GPS受信機からの出力値と
前記現在位置算出手段での算出値との差を観測値とし、
少なくとも前記算出パラメータの誤差を状態量として、
該状態量の推定値を求めるカルマンフィルタからなり、
前記状態量として前記換算ゲインの誤差を含むことを特
徴とする車両用現在位置検出装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の車両用現在位置検出装置
において、 車両姿勢の傾斜状態を検出する姿勢検出手段を設け、 前記補正手段は、前記姿勢検出手段での検出結果から算
出される前記換算ゲインの変動分を、該変動分が相殺さ
れるように、前記誤差推定手段での推定結果に基づいて
算出される前記換算ゲインの補正量に反映させることを
特徴とする車両用現在位置検出装置。 - 【請求項3】 請求項2記載の車両用現在位置検出装置
において、 前記姿勢検出手段は、 車両進行方向の加速度と重力加速度との合成加速度に応
じた信号を出力する加速度センサと、 該加速度センサの出力値と、前記速度センサの出力値か
ら算出される車両進行方向の加速度とから、車両の前後
方向への傾斜量を求める前後傾斜量検出手段と、 を備えることを特徴とする車両用現在位置検出装置。 - 【請求項4】 請求項2又は請求項3記載の車両用現在
位置検出装置において、 前記姿勢検出手段は、前記角速度センサの出力値と前記
速度センサの出力値とに基づいて算出される車両横方向
の加速度から車両の左右方向への傾斜量を求める左右傾
斜量検出手段を備えることを特徴とする車両用現在位置
検出装置。
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Effective date: 20040309 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |