JP2000054194A - ヨウ素もしくはヨウ素化合物含浸金属材料基材の酸化皮膜構造及びその形成方法及び該皮膜構造を有する応用物品。 - Google Patents

ヨウ素もしくはヨウ素化合物含浸金属材料基材の酸化皮膜構造及びその形成方法及び該皮膜構造を有する応用物品。

Info

Publication number
JP2000054194A
JP2000054194A JP10229494A JP22949498A JP2000054194A JP 2000054194 A JP2000054194 A JP 2000054194A JP 10229494 A JP10229494 A JP 10229494A JP 22949498 A JP22949498 A JP 22949498A JP 2000054194 A JP2000054194 A JP 2000054194A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iodine
impregnated
base material
oxide film
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10229494A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2932437B1 (ja
Inventor
Seiju Maejima
正受 前嶋
Koichi Saruwatari
光一 猿渡
Toshio Niwa
利夫 丹羽
Masanori Hirata
昌範 平田
Matsufumi Takatani
松文 高谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP22949498A priority Critical patent/JP2932437B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2932437B1 publication Critical patent/JP2932437B1/ja
Publication of JP2000054194A publication Critical patent/JP2000054194A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 殺菌性、抗菌性、耐摩耗性などに優れた金属
及び合金を基体とする皮膜構造及びその形成方法、応用
物品を提供する。 【解決手段】 Al、Mg,Cu,Fe,Zn─等の各
種金属該金属を主体とする合金からなる群から選択され
た金属材料を基材とし、これに酸化皮膜を設け、該皮膜
の微細孔、微細凹凸にヨウ素もしくはヨウ素化合物を含
浸した皮膜構造、その形成方法、応用物品を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属やその合金に特
別のヨード系化合物を含浸した皮膜を有するもので、耐
摩耗性物品や、抗菌性もしくは殺菌性に優れ、さらに環
境触媒性をも有し、病院または公共部門、航空宇宙部
門、畜舎、禽舎等に於て有用な物品及び通常の着色塗料
では得られないカラーを有する着色金属体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来アルミニウムまたはその合金におい
て、表面を陽極酸化した後、この微細孔に、例えばポリ
四フッ化エチレン樹脂を導入したり、硫化モリブデンを
電着し、潤滑性を持たせたものが知られている。しか
し、このようなものは専らピストン等機械的な耐摩耗性
専用材料であり、他の耐菌性,殺菌性もしくは光環境触
媒等の作用を有するものは知られていない。また、アル
ミニウムまたはその合金以外の金属もしくはその合金に
ついては全く開示されていない。更に、耐摩耗性に関し
ては、硫化モリブデンを電着したものより優れたもの
は、今日まで知られていない。
【0003】別の観点から見ると、まず環境対応問題と
して抗菌材料では、有機系抗菌剤としては第4アンモニ
ウム塩(DDAC,オスバン)が、無機系抗菌剤として
銀ゼオライト、酸化チタン薄膜等が挙げられる。この他
にも各種のセラミックス、例えばアパタイト系セラミッ
クス(リンカイ石系)に銀イオンを含有させた微粒子等
様々なものが知られ、これらが有機系塗料、無機系塗
料、あるいはそれらを混合した塗料等の形で対象物に被
覆されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれらの抗菌剤
は粒子が小さくても、その粒子の大きさが0.1μm以
上もあり、アルミニウム陽極酸化皮膜の微細孔のように
その径が0.01μmクラスの孔には如何なる含浸法を
もってしても奥深くまで含浸することは全く不可能であ
った。一方これらの抗菌剤をバインダーとともにアルミ
ニウム陽極酸化皮膜の上に薄く被覆して抗菌性試験を行
うと一定の期間は抗菌性を示すが表面に薄く被覆してい
る分だけの効果にとどまり、特に洗浄作業や摺動作業あ
るいは反復する摩擦を伴うような場所や病院や公共施設
で用いられる器物での抗菌資材としては十分ではない。
【0005】また、省エネルギー効果に貢献する耐摩耗
性、潤滑性陽極酸化皮膜の従来技術を見ると、過去に四
フッ化エチレン樹脂をアルミナの皮膜に塗布、焼き付け
た「タフラム」(三菱マテリアル(株)製商品名)や皮
膜の微細孔にチオモリブデン酸アンモニウムの水溶液か
らモリブデン硫化物を電解析出させた「フジマイト」
((株)フジクラ製商品名)等が自動車、精密工業部品
等に使用されているが、前者は膜厚精度、少量生産時の
納期等で、後者は処理薬剤の総生産量の限定等で必ずし
も工業的に十分に貢献しているとは言い難い。
【0006】本発明は前記従来の技術の有する難点を解
決するとともに、従来は考えられなかった新規金属基材
を提供するものであり、具体的にはアルミニウムの如き
陽極酸化皮膜のほか、エッチングその他の粗面化技術で
生成された表面であって、酸化されているものを、従来
使用されていなかったポリビニルピロリドンヨードの如
きヨウ素化合物を含浸させることによって、抗菌性、耐
摩耗性、環境触媒、好ましいヨウ素系の着色の含浸表面
を有する金属基材等に利用できるものを容易に提供する
ことを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意上記課
題を解決するために検討した結果、下記の請求項に記載
の発明を生み出した。
【0008】請求項1:Mg,Ti,Zr,Hf,V,
Ta,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Ru,Os,R
h,Ni,Cu,Zn,Al,Pb,該金属のいずれか
を主体とする合金からなる群から選択された金属材料を
基材とするものであって、該基材の酸化皮膜の微細孔も
しくは微細凹凸にヨウ素もしくはヨウ素化合物が含浸さ
れていることを特徴とするヨウ素もしくはヨウ素化合物
含浸金属材料基材の酸化皮膜構造。
【0009】請求項2:Al,Mg,Ti,Cu,F
e,Zn,Zr,該金属のいずれかを主体とする合金か
らなる群から選択された金属材料を基材とするものであ
って、該基材の表面に、陽極酸化皮膜もしくは薬品処理
酸化による酸化皮膜が形成され、該皮膜の微細孔もしく
は微細凹凸にヨウ素もしくはヨウ素化合物が含浸されて
いることを特徴とする請求項1に記載のヨウ素もしくは
ヨウ素化合物含浸金属材料基材の酸化皮膜構造。
【0010】請求項3:Mn,Fe,Ru,Os,R
h,Ni,Cu,Pb,該金属のいずれかを主体とする
合金からなる群から選択された金属材料を基材とするも
のであって、該基材の表面にカチオンの酸化で高原子価
酸化物を析出させた酸化皮膜が形成され、該皮膜の微細
孔もしくは微細凹凸にヨウ素もしくはヨウ素化合物が含
浸されていることを特徴とする請求項1に記載のヨウ素
もしくはヨウ素化合物含浸金属材料基材の酸化皮膜構
造。
【0011】請求項4:Ti,Zr,Hf,V,Cr,
Mo,W,Ta,該金属のいずれかを主体とする合金か
らなる群から選択された金属材料を基材とするものであ
って、該基材の表面にアニオン還元で低原子価酸化物を
析出させてなる酸化皮膜が形成され、該皮膜の微細孔も
しくは微細凹凸にヨウ素もしくはヨウ素化合物が含浸さ
れていることを特徴とする請求項1に記載のヨウ素もし
くはヨウ素化合物含浸金属材料基材の酸化皮膜構造。
【0012】請求項5:金属材料からなる基材の表面が
予め物理的、化学的もしくは電気化学的手段で粗面化さ
れており、これに酸化皮膜が形成されたものであること
を特徴とする請求項1,2,3もしくは4のいずれかに
記載のヨウ素もしくはヨウ素化合物含浸金属材料基材の
酸化皮膜構造。
【0013】請求項6:ヨウ素化合物が鎖式飽和炭化水
素、鎖式不飽和炭化水素、環式化合物、芳香族化合物
(複素環化合物を含む)の群から選択された有機化合物
にヨウ素(I)の特性基が化合してなる有機化合物であ
ることを特徴とする請求項1,2,3,4もしくは5の
いずれかに記載のヨウ素もしくはヨウ素化合物含浸金属
材料基材の酸化皮膜構造。
【0014】請求項7:ヨウ素化合物が金属にヨウ素
(I)の特性基が化合してなる無機化合物であることを
特徴とする請求項1,2,3,4もしくは5のいずれか
に記載のヨウ素もしくはヨウ素化合物含浸金属材料基材
の酸化皮膜構造。
【0015】請求項8:ヨウ素もしくはヨウ素化合物の
含浸が電気泳動電着でなされていることを特徴とする請
求項1,2,3,4もしくは5のいずれかに記載のヨウ
素もしくはヨウ素化合物含浸金属材料基材の酸化皮膜構
造。
【0016】請求項9:ヨウ素化合物が複素環化合物に
化合した化合物であって、ポリビニルピロリドンヨー
ド、ポリビニルフタルイミドヨード、ポリビニルブチラ
ールヨード、ポリビニルホルマールヨードの群から選択
されたものであることを特徴とする請求項6に記載のヨ
ウ素もしくはヨウ素化合物含浸金属材料基材の酸化皮膜
構造。
【0017】請求項10:Mg,Ti,Zr,Hf,
V,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Ru,Os,
Rh,Ni,Cu,Zn,Al,Pb,該金属のいずれ
かを主体とする合金からなる群から選択された金属材料
を基材とし、該基材に酸化手段により酸化皮膜を設け、
該酸化皮膜に形成されている微細孔もしくは微細凹凸に
ヨウ素もしくはヨウ素化合物を含浸させることを特徴と
するヨウ素もしくはヨウ素化合物含浸金属材料基材の酸
化皮膜の形成方法。
【0018】請求項11:Al,Mg,Ti,Cu,F
e,Zn,Zr,該金属のいずれかを主体とする合金か
らなる群から選択された金属材料を基材とし、該基材の
表面に、陽極酸化皮膜もしくは薬品処理酸化により酸化
皮膜を設け、該酸化皮膜に形成されている微細孔もしく
は微細凹凸にヨウ素もしくはヨウ素化合物を含浸させる
ことを特徴とする請求項10に記載のヨウ素もしくはヨ
ウ素化合物含浸金属材料基材の酸化皮膜の形成方法。
【0019】請求項12:Mn,Fe,Ru,Os,R
h,Ni,Cu,Pb,該金属のいずれかを主体とする
合金からなる群から選択された金属材料を基材とし、該
基材の表面にカチオンの酸化で高原子価酸化物を析出さ
せた酸化皮膜を設け、該皮膜の微細孔もしくは微細凹凸
にヨウ素もしくはヨウ素化合物を含浸させることを特徴
とする請求項10に記載のヨウ素もしくはヨウ素化合物
含浸金属材料基材の酸化皮膜の形成方法。
【0020】請求項13:Ti,Zr,Hf,V,C
r,Mo,W,Ta,該金属のいずれかを主体とする合
金からなる群から選択された金属材料を基材とし、該基
材の表面にアニオン還元で低原子価酸化物を析出させた
酸化皮膜を設け、該皮膜の微細孔もしくは微細凹凸にヨ
ウ素もしくはヨウ素化合物を含浸させることを特徴とす
る請求項10に記載のヨウ素もしくはヨウ素化合物含浸
金属材料基材の酸化皮膜の形成方法。
【0021】請求項14:金属材料からなる基材の表面
を予め物理的、化学的もしくは電気化学的手段で粗面化
し、これに酸化皮膜を設けることを特徴とする請求項1
0,11,12もしくは13の何れかに記載のヨウ素も
しくはヨウ素化合物含浸金属材料基材の酸化皮膜の形成
方法。
【0022】請求項15:ヨウ素化合物が鎖式飽和炭化
水素、鎖式不飽和炭化水素、環式化合物、芳香族化合物
(複素環化合物を含む)の群から選択された有機化合物
にヨウ素(I)の特性基が化合してなる有機化合物であ
ることを特徴とする請求項10,11,12もしくは1
3のいずれかに記載のヨウ素化合物含浸金属材料基材の
酸化皮膜の形成方法。
【0023】請求項16:ヨウ素化合物が金属にヨウ素
(I)の特性基が化合してなる無機化合物であることを
特徴とする請求項10,11,12もしくは13のいず
れかに記載のヨウ素化合物含浸金属材料基材の酸化皮膜
の形成方法。
【0024】請求項17:請求項1,2,3,4,5,
6,8もしくは9のいずれかに記載の皮膜構造を有し、
該皮膜が少なくも耐摩耗性、抗菌性、殺菌性、光環境触
媒、着色性(カラーリング)のいずれかを目的とするも
のであることを特徴とするヨウ素もしくはヨウ素化合物
含浸金属材料基材の酸化皮膜構造を有する応用物品。
【0025】上記請求項1〜9のヨウ素化合物含浸金属
材料基材の酸化皮膜構造は、従来全く知られていないも
ので、その製造方法は請求項10〜16に記載の方法で
あり、その製品の特徴は、請求項17に記載のように、
抗菌性、耐摩耗性、環境触媒、好ましいヨウ素系の着色
の含浸表面を有する金属基材を提供することができる。
【0026】すなわちその概要は、Mg,Ti,Zr,
Hf,V,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Ru,
Os,Rh,Ni,Cu,Zn,Al,Pbの各金属及
び該各金属を主体とする合金からなる群から選択された
金属材料は、酸化物であって、皮膜に微細孔もしくは微
細凹凸を有するものに、ヨウ素又はヨウ素化合物を含浸
させることによって、前記の如き有用な金属基材を生み
出したものである。その中でも、金属の種類によって、
陽極酸化処理や薬品酸化処理が適当なものがあり、カチ
オン酸化や、アニオン還元が有用なものがあり、エッチ
ングその他の物理的手段や化学的手段、電気化学的手段
が適当なものがある。
【0027】例えば、Al,Mg,Ti,Cu,Fe,
Zn,Zrの群から選択された金属もしくは該金属を主
体とする合金からなる基体はそれぞれ特徴を有し、Al
及びその合金は軽量で、ジュラルミンのような合金は耐
摩耗性がよく、この特質を生かした製品が可能であり、
Mgは主としてAlやZr,Zn等と合金を造り、軽量
で強度も強く、電気機器、運動用品、光学分野で広く使
用され、Tiはアルミニウム等の他の金属とともに、硬
質の耐蝕性の優れたものが得られ、Cuはそれ自体殺菌
効果があるので更に環境対応資材として好適であり、F
eはSUSで代表され、厨房材料、医療機関の使用材料
等に好適であり、Znはそれ自体もしくはCuとの合金
材料等として応用分野が広い。かかる合金に対して、陽
極酸化皮膜もしくはエッチング溶解による酸化皮膜を設
け、その表面における微細孔もしくは微細凹凸にポリビ
ニルピロリドンヨードを電気泳動法により電着すること
により、絶えずポリビニルピロリドンヨードで表面が影
響され、従来にない耐摩耗性、耐菌性,殺菌性もしくは
光環境触媒の何れか一つを要求特性としてなるものを提
供することができる。特に、工業材料の中で最も軽量で
かつ安価で工業的なアルミニウム陽極酸化皮膜(以下ア
ルマイトと称する)を基板とする抗菌、殺菌、滅菌を目
的とし、紫外線触媒機能をも備えた環境対応資材と、自
動車、精密機械部品、宇宙・航空制御機器等の摩擦・摩
耗防止の為の耐摩耗性、潤滑性を目的とした省エネ対応
資材を広く提供することができ、またSUSは耐腐食性
も強く、エッチング陽極溶解で微細酸化皮膜ができるの
で、これを基板とする環境対応資材、耐摩耗性物品等極
めて有用なものを比較的廉価に提供することができる。
【0028】本発明で用いられる金属は、元素の周期率
表をみれば明らかなように、2族〜13族にかけて3周
期から6周期のもので、特に、遷移元素に属するものが
多い。従って、幾つかの近似的性質を利用した共通の処
理方法が考えられる。これらを考えて、請求項2〜4、
9〜11の発明が生まれたものである。例えば、Al,
Mg,Ti,Cu,Fe,Zn,Zrの群から選択され
た金属もしくは該金属を主体とする合金からなる基体で
あり、一般に陽極酸化法もしくはエッチング型陽極溶解
で、酸化皮膜に微細孔もしくは微細凹凸を有するものが
得られる。中でもアルミニウム及びアルミニウム合金は
陽極酸化できる典型で、γ−アルミナが形成される。ア
ルミニウム及びアルミニウム合金以外の金属あるいは合
金でも、Mg,Ti,Cu等は陽極酸化により微細孔を
設けることができるが、FeやSUSでは電解エッチン
グによる酸化皮膜が形成し易い。MgはMgOやMgA
2 4 (HAE浴)、MgCr2 4 、MgFP
4 、(DOW17法)、TiはTiO2 (アナターゼ
型、りん酸−硫酸系電解液)で容易に微細凹凸を生成さ
せることができる。このようにAlもしくはその合金、
Mgもしくはその合金,Tiもしくはその合金では陽極
酸化が容易である。更にアルミナセラミックであるAl
2 3 皮膜に微細凹凸を設けることができるが、この微
細凹凸にも前記電着法で含浸することができる。
【0029】ヨウ素化合物として、KI,ZnI2 ,S
nI2 ,CdI2,FeI2,NiI2,CrI3 等は潤滑
性を付与し得る無機化合物であり、有機化合物としては
下記のものがある。すなわち、鎖状飽和炭化水素および
その誘導体のヨウ素化合物としてモノ結合体には、ヨー
化メチル,ヨー化エチル,ヨー化プロピル,ヨー化イソ
プロピル,ヨー化ブチル,ヨー化イソブチル,ヨー化ア
ミル,ヨー化ヘキシル,ヨー化ヘプチル,ヨー化オクチ
ル,ヨー化セチル,ヨー化オクタデシル,ジ結合体に
は、ヨー化メチレン,ヨー化エチレン,ヨー化エチリデ
ン,ヨー化トリメチレン,ヨー化テトラメチレン,ヨー
化ペンタメチレン,ヨー化ヘキサメチレン,ヨー化イソ
プロペニル、ヨー化アセトアミド,ヨー化アセチル,ヨ
ー化琥珀酸,ヨー化テトラエチル系化合物,ヨー化テト
ラメチル系化合物が挙げられる。また、鎖状不飽和炭化
水素のヨウ素化合物としては、ヨー化ビニル,ヨー化ア
リル,ヨー化クロチル、ヨー化プロパルギル,ヨー化フ
ェニルアセチレン、芳香族炭化水素およびその誘導体の
ヨウ素化合物としては、ヨー化ベンゼン,ヨー化ベンジ
ル,ヨー化ベンゾイル,ヨー化フェナシル,ヨー化キシ
リレン,ヨー化フタレイン,ヨー化ヒドロキノンが挙げ
られる。更に、複素化合物としてはヨー化トリメチルス
ルホニウム,ヨー化トリフェニルスルホニウム,ヨー化
メチルトリフェニルアルソニウムが挙げられる。また、
複素化合物ポリマーとしては、ポリビニルピロリドンヨ
ード,ポリビニルフタルイミドヨード,ポリビニルブチ
ラールヨード,ポリビニルホルマールヨードが挙げられ
る。なお、環式化合物については例示してないが、勿論
応用できる。その他ヨー化ヒドロキシルアンモニウム,
ヨー化ピラセト,ヨー化デカトニウム等も挙げられる。
【0030】ポリビニルピロリドンヨードについて説明
すれば、ヨウ素単独ではクラーク数第64位ではある
が、海草や海産動物中にあるいは海水中又は地下水中に
広く存在するヨウ素を工業的に取り出し、ポリビニルピ
ロリドンと反応させて、乾燥粉体化した赤褐色の微粉末
がポリビニルピロリドンヨードであり、特に潤滑性や耐
菌性、耐摩耗性、環境触媒機能等に優れているものであ
る。
【0031】次にこの粉末を脱イオン水に建浴していく
が冷水でも10重量%濃度にまで溶解する。通常は0.
5重量%前後で十分であるが、殺菌や潤滑等の目的を果
たす為には0.05重量%から5重量%が最適濃度であ
る。これらの建浴液の濃度とpHの関係を調べて見ると
pHは3.5±0.5の範囲にあり、このpHの範囲は
アルマイト処理として最も工業的に行われる硫酸電解皮
膜に対して非常に優れた吸着能を示す範囲であり、本発
明で用いられるポリビニルピロリドンヨードと前記A
l,Mg,Ti,Cu,Fe,Znの群から選択された
金属もしくは該金属を主体とする合金との緊密な関係は
このpH領域と陽極酸化皮膜の微細孔やエッチング陽極
溶解による酸化皮膜の微細凹凸の吸着能が良くマッチし
ていることから生まれる。特にアルマイトは最もこのマ
ッチング性が好ましい。
【0032】ポリビニルピロリドンヨードの水溶液にお
いて溶解成分は、マイナス極性(陰極極性)のみ示し、
プラス極性(陽極極性)は示さない。従って、基体とな
るAl,Mg,Ti,Cu,Fe,Znの群から選択さ
れた金属もしくは該金属を主体とする合金に於ける陽極
酸化皮膜、エッチング陽極溶解による酸化皮膜である微
細孔もしくは微細凹凸に電気泳動電着により十分付着さ
せることができる。特に例えばアルマイト皮膜の如き場
合、微細孔に電気泳動電着する場合も、その建浴液中で
アルマイト皮膜をプラス極にし、一方でアルミ、ステン
レス、白金等をマイナス極として通電するため、アルマ
イト皮膜の整流作用による逆電剥離現象等のトラブルの
心配は全く無く、工業生産性に優れている。
【0033】ポリビニルピロリドンヨードは古典的なハ
ロゲン系の抗菌剤よりもより安全性が高く、取り扱いも
容易である。また、古典的なハロゲン系の固体潤滑剤と
しては、例えばCdI2 、NiI2 、BiI3 等が知ら
れているが、これらは金属陽極酸化皮膜例えばアルマイ
ト皮膜の微細孔にはこれらの水溶液中で交流電解によっ
て含浸する量が少ないが、ポリビニルピロリドンヨード
は電気泳動法によりアルマイト等の陽極酸化による微細
孔或いはSUS等のエッチング陽極溶解による酸化皮膜
の微細凹凸に対して多量に含浸され、含浸性がよいこと
は大きな特徴である。
【0034】またこのポリビニルピロリドンヨードは、
主に海草中から抽出されるヨードとの有機結合体である
から、日本の近海では豊富な資源であり、他の石油系の
ものより低コストであり、抗菌性が強く、メチシリン耐
性菌、O157大腸菌等に有効であり、しかも抗性剤で
はないので、反復使用により病原菌に耐性ができるとい
う問題が発生することもない。更に、廃棄物処理等で
も、塩素系のもののように、ダイオキシン等の発生源と
なるようなことは絶対に無く安全である。
【0035】
【発明の実施の形態】請求項1の皮膜構造及び10の皮
膜の形成方法に関連したものとして詳しくは、請求項2
〜4、11〜13について、纏めて説明する。
【0036】図1は金属としてアルミニウム合金を用い
た場合の本発明の一実施例の拡大断面図で、アルミニウ
ム基体1の上に活性層2があり、その上のアルマイト皮
膜3の微細孔4にはその中に電気泳動電着によって含浸
されたポリビニルピロリドンヨード5が存在している状
態を示している。電気泳動電着は定電圧法、定電流法、
定電力法のいずれでも良いが工業的には定電圧法が好ま
しい。基体となるアルマイト皮膜は公知の如何なる皮膜
でも良く、目的、用途によりアルミの材質、基材の形状
を自由に選択する。従って、展伸材、鋳造材、押出材、
焼結材、蒸着材等如何なる材料も使用できる。その他M
g,Ti,Cu,Znの金属や合金はアルミニウム同様
に陽極酸化皮膜を形成することができ、その微細孔にポ
リビニルピロリドンヨードを電気泳動電着して含浸する
ことができる。
【0037】また、FeやSUSの如きFe合金は、エ
ッチング溶解により微細凹凸のある酸化皮膜が形成され
るが、例えば、図2に示すように、ステンレス基体11
ではエッチングにより電解酸化皮膜12を形成すると、
連続微細凹凸13ができ、その深さは5〜10μmであ
る。これにポリビニルピロリドンヨード14を電気泳動
電着でくまなく含浸することができる。
【0038】陽極酸化皮膜の場合の典型的な例としてア
ルマイト皮膜について説明すると、アルマイト皮膜の作
成も多孔質型皮膜(ポーラス皮膜)、障壁層型皮膜(バ
リアー皮膜)の何れでも良く、前者の皮膜に対しては微
細孔の内部からポリビニルピロリドンヨードが電着され
ていくが、後者の皮膜の場合は微細孔が存在しない為表
面の凹凸等に強固に電着される。一般的にはポリビニル
ピロリドンヨードの適当な量が外表面に浸出するために
は、基材に微細孔もしくは微細凹凸を設けてこれに電気
泳動法で電着することが最適である。
【0039】アルマイト処理の電解液も公知の種類の電
解液であればいずれでも良いが、電着時の皮膜の最多吸
着量とポリビニルピロリドンヨードのpHとの関係を考
えるとアルマイトは硫酸系電解液(硫酸単独、シュウ酸
添加、その他有機酸添加等)による作成がより好まし
い。アルマイト処理条件、例えば、浴温、電流密度等も
本発明で用いられるポリビニルピロリドンヨードの電着
により得られる殺菌性等の環境対応機能、あるいは紫外
線触媒機能を活用した殺菌機能、あるいは潤滑性を利用
した耐摩耗性等のこれらの各種機能の一つまたは複数を
同時に保持することを利用する物品等に応用できるが、
その使用目的に合わせてアルマイト皮膜の厚さ、硬さを
自由に選択出来る。例えば前者の機能を目的とする場合
は余り硬質皮膜でなくても微細孔を大きくするような多
孔の拡大処理(ポアーワイドニング)等を行って対処す
る。一方後者の場合は一般的な硬質アルマイト処理条件
による場合が多い。
【0040】実施例1 以下アルマイトを基材とする場合の実施例について説明
する。ポリビニルピロリドンヨードを種々の濃度と、電
着電圧を変えてアルマイトに電着した場合のヨウ素の付
着状態をヨウ素の臭いと色調の変化で調べた結果を一覧
表にしたものである。すなわち、ポリビニルピロリドン
ヨード粉末(日宝化学(株)製 商品名:ポピドンヨー
ド)を重量%で0.03、0.05、0.1、0.3、
0.5、0.7、1.0、1.5、2.0、3.0、
4.0、5.0、6.0及び7.0重量%の14水準の
水溶液を建浴し、別途に硫酸電解液にて陽極酸化処理し
たアルマイト皮膜をプラス極とし、この各濃度の浴の中
で50、100、200及び300Vで1、3及び5分
間の電着を行った。なお、電着時のマイナス極は白金め
っき板を用い、常温で電着した。
【0041】別途作成したアルマイト板の製造条件は2
5重量%の硫酸浴で、10±1℃、電流密度3A/dm
2 の直流電解で、30分間の電解により30μmの厚さ
を生成させた。ポリビニルピロリドンヨードを電気泳動
電着によりアルマイト微細孔に含浸後は十分に水洗し6
0℃の乾燥炉で30分間乾燥を行い常温にて保管した。
アルミ板はA1100材で1×50×100mmのサイ
ズとし、実質処理面積は50×60mmとした。好まし
いポリビニルピロリドンヨードの濃度は、0.03重量
%〜5.0重量%の範囲で、電気泳動電着により電圧と
時間の組合わせで、ヨウ素の臭気があり、うぐいす色か
ら赤褐色になるが濃淡の生じない範囲が実用品として好
ましい。
【0042】比較例1,2 発明の一つの目的である環境対応目的の為の試験には同
様のアルマイト板にアパタイト系の抗菌セラコート(新
東Vセラックス(株) C41)を固形分25%の割合
でメチルエチルケトンに分散させ、この分散浴中で前も
って最適な定電圧泳動電着条件を確認後、300V、5
分間の電着を行い、比較試料1とした。同様に光反応型
抗菌剤で知られる酸化チタン(佐賀県窯業技術センター
製、TOsol)分散液を同様のアルマイトに塗布後2
50℃、2時間焼き付け、比較試料2とした。
【0043】比較例3,4 次にもう一つの発明の目的である省エネ対応の比較の
為、同様のアルマイト板に四フッ化エチレン樹脂を含浸
させ(三菱マテリアル(株)、商品名タフラム)、比較
試料3とした。同様にテトラチオモリブデン酸アンモニ
ウム0.5重量%の水溶液でアルマイトをプラス極とし
て50mA/dm2 の電流密度で6分間電解してモリブ
デン硫化物をアルマイト微細孔に含浸させた試料を比較
試料4とした。
【0044】続いて評価項目は本発明にかかる試料につ
いては全数嗅覚によるヨウ素の存在を示す嗅覚測定と、
色調の変化を視覚により観察した。表1に結果を示す。
表1によれば、ヨウ素の臭いのするものを選択すれば、
ヨウ素複合体含浸の効果が大きいことが理解できるの
で、用途に応じて処理条件を選定すればよい。
【0045】
【表1】
【0046】次に抗菌、殺菌効果の判定としてMRSA
(メチシリン耐性葡萄状球菌)を用い、滴下法により抗
菌性試験を行った。MRSAは、イソビーン・カゼイン
・ダイジェスト(SCD)寒天培地に接触させ、35℃
24時間前培養後、減菌生理食塩液で希釈して、生菌数
が約106 /mlとしたものを菌液とし、この1mlを
シャーレに分け、各試験片が菌液上に完全に接触するよ
うに密着させ、30℃で6時間及び24時間放置し、生
存菌数を測定した。試験片のサイズは40×40mmで
ある。これによれば、本発明の試料は他の試料とは異な
り、6時間で菌数が減少し、24時間では殆ど死滅した
ことが判る。その結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】また、大腸菌に対してハロー試験法により
SCD液体培地に接種し、35℃、24時間前培地し、
リン酸緩衝液で100倍に希釈したものを供試菌液と
し、SCD寒天培地に菌液0.2mlを接種し、培地中
央に試験片(50×50mm)を密着させ、35℃、2
4時間放置後、発育阻止性を観察した。その結果を表3
に示す。これによれば、本発明による試料は大腸菌の発
育阻止に効果的であったが、他の比較例のものは阻止す
ることが不可能かあるいは生成できたとしても精々50
%以下であり、本発明の試料が優れていることが判る。
【0049】
【表3】
【0050】上記試験でポリビニルピロリドンヨードが
十分に含浸したと判断された0.5%濃度で、300
V、3分間電着した本発明のアルマイト試料と、ポリビ
ニルピロリドンヨードを含浸しなかった比較用のアルマ
イト試料と、比較試料1及び2の4試料について細菌
(菌種 S.faecalis)の殺菌性能試験を行った。結果を
表4に示す。これによれば本発明による試料の殺菌力が
強いことが判る。
【0051】
【表4】
【0052】光触媒性試験すなわち、光反応に敏感な抗
菌性の比較試験を行った。試験は、紫外線(40Wブラ
ックライト 松下電器製)照射のもとで、前記した各試
料の表面を赤インキで染色し、時間経過によりこの染色
が消えるか否かと言う判定で酸化チタンの有するような
光触媒機能性が存在するか否かの試験を行った。結果を
表5に示す。これによれば本発明による試料は30時間
程度で赤インクが消滅するので光触媒機能による耐汚染
性がよいことが判る。
【0053】
【表5】
【0054】次に前記した各試料に対して、耐摩耗、潤
滑性をアルマイトに付与した場合の摩擦係数を測定し
た。すなわち、表面性測定器(新東科学(株) ヘイド
ン型表面性測定器)を用い、10mm直径の鋼球を相手
に1kgfの垂直荷重を鋼球にかけ、50mm/分の速
度で水平に摺動させ、この時の摩擦力を電気的にロード
セルで検出し、チャートに記録させ、後に垂直荷重1k
gfで割り算して動摩擦係数として評価判定した。表6
に動摩擦係数の一覧表を示す。これによれば本発明によ
る試料は他の試料に比べて、摩擦係数が小さく、ポリビ
ニルピロリドンヨードが含浸濃度に関係なく優れている
ことが判る。
【0055】
【表6】
【0056】次に表6の結果から最も工業的でかつ動摩
擦係数が低い0.5%電着液濃度で、250V、3分間
の電着条件でA5056材(アルミニウム材)から切削
研削した10mm直径、長さ150mmの軸を作り、こ
れに実施例と同一のアルマイト処理条件で生成した30
μmの皮膜にポリビニルピロリドンヨードを十分に含浸
させた試料と、四フッ化エチレン樹脂を含浸させたタフ
ラムとモリブデン硫化物を含浸させたフジマイトの3試
料について含油樹脂(ポリアセタール)軸受け(オイレ
ス工業(株) オイレス#80)を相手に耐摩耗試験を
行い、実用価値の確認を行った。なお軸と軸受けの寸法
差(クリアランス)は50μm以内で、軸の回転速度は
1200rpmとした。結果を表7に示す。これによれ
ば本発明による試料は耐摩耗、潤滑性がすぐれているこ
とが判る。
【0057】
【表7】
【0058】実施例2 Znの陽極酸化処理材に適用した場合について説明す
る。SPPCC鋼板に10μmの電気亜鉛めっきを均一
に生成させ、続いて硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウムか
らなる電解液中、100A/dm2 の電流密度で、30
秒間の陽極酸化を行い、表面にZn(OH)2 及びZn
Oの2層からなる黒色の皮膜を生成した。この皮膜に対
してポリビニルピロリドンヨードの0.5%水溶液中
で、100Vの定電圧により、1分間の電気泳動電着を
行い、その後、実施例1の表2と同様に、泳動電着の有
無によって滴下法による抗菌性試験結果に差異があっ
た。本発明によればこのように亜鉛めっき鋼板等、用途
の多大な建築材料に対して抗菌、殺菌効果を付与するこ
とが出来る。
【0059】実施例3 SUSの電解エッチング材に適用した場合について説明
する。SUS304I板材に対してリン酸、硫酸、クロ
ム酸の三成分の電解液中、電流密度10A/dm2
て、10分間の陽極電解を行い、表面を数μmと0.1
μmレベルのマクロとミクロな凹凸を形成させた。この
板材を使い、0.3%のポリビニルピロリドンヨード水
溶液中、100Vの定電圧電解により、これらのマクロ
およびミクロの表面にポリビニルピロリドンヨードを緻
密に積層させた。この後、実施例1の表2と同様に泳動
電着の有無によって滴下法による抗菌性の試験の結果に
明確な差異があった。このようにSUS材は耐食性があ
り、衛生的であることから、医療機器、厨房機器等に多
用されているが、これらに抗菌性、殺菌性と言った付加
価値を十分に付与することができる。
【0060】次に、各種基材と酸化物の形成方法を変
え、しかも含浸するヨード化合物の種類を変えたもの
と、全くヨード化合物を含浸しなかったものとを比較試
験したがその試料の作製から試験までを順次説明する。
比較試験のうち、耐摩耗性試験は、10mmの鋼球に
1kgかけて摺動し、その時の摩擦力を測定し、動摩擦
係数とした。抗菌性 かび抵抗性試験はJIS Z
2911のかび抵抗性試験方法に基づいて評価した。か
びはケトムグロボスム(FERM S−11)を4週間
培養し、その時の試験片に菌糸の発育が認められるか否
かを3段階で評価した。この評価は表8に示す基準に従
った。また、光環境触媒機能は、40W紫外線ランプ
による表面塗布赤インクの消滅時間を示すものである。
これらの総合比較試験結果は表9に示すとおりである。
【0061】○実施例試料1−1 JIS A 5052に規定された展伸用アルミニウム合金を基材
とし、陰極に炭素電極を用いて濃度20%の硫酸水溶液
を電流密度3Amp,浴温15℃で電解して陽極酸化皮
膜30μmを設けた。この皮膜にはポリビニルピロリド
ンヨード溶液を電気泳動法で電着し微細孔の内部まで該
ポリビニルピロリドンヨードが含浸されたものを得た。 ○実施例試料1−2 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨードメタン
を用いた他は実施例試料1−1と同様にして微細孔の内
部まで該ヨードメタンが含浸されたものを得た。 ○実施例試料1−3 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨー化ニッケ
ルを用いた他は実施例試料1−1と同様にして微細孔の
内部まで該ヨウ化ニッケルが含浸されたものを得た。 ○比較例試料1 実施例試料1−1に記載した陽極酸化皮膜の微細孔に何
も含浸せず、封孔処理も行わなかったものを作製し、比
較例試料1とした。
【0062】○実施例試料2−1 CU 99.3%以上の展伸用銅合金を基材とし、陰極に炭素電
極を用いてNaOH 150g/l (NH4)6Mo724 10g/l ,浴温85
℃,電流密度1.5A/dm2で、約5分間陽極酸化し5μmの
酸化皮膜を設けた。この皮膜にはポリビニルピロリドン
ヨード溶液を電気泳動法で電着し微細孔の内部まで該ポ
リビニルピロリドンヨードが含浸されたものを得た。 ○実施例試料2−2 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨードメタン
を用いた他は実施例試料2−1と同様にして微細孔の内
部まで該ヨードメタンが含浸されたものを得た。 ○実施例試料2−3 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨー化ニッケ
ルを用いた他は実施例試料2−1と同様にして微細孔の
内部まで該ヨー化ニッケルが含浸されたものを得た。 ○比較例試料2 実施例試料2−1に記載した陽極酸化皮膜の微細孔に何
も含浸せず、封孔処理も行わなかったものを作製し、比
較例試料2とした。
【0063】○実施例試料3−1 Tiを基材とし、H3PO4 0.3Mol , H2SO4 1.5Mol , NiSO4
0.3Molからなる水溶液中、240Vで電解して陽極酸化して
8μmの黄土色の酸化皮膜を得た。この皮膜にはポリビ
ニルピロリドンヨード溶液を電気泳動法で電着し、微細
孔内部までポリビニルピロリドンヨードが含浸されたも
のを得た。 ○実施例試料3−2 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨードメタン
を用いた他は実施例試料3−1と同様にして微細孔の内
部まで該ヨードメタンが含浸されたものを得た。 ○実施例試料3−3 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨー化ニッケ
ルを用いた他は実施例試料3−1と同様にして微細孔の
内部まで該ヨー化ニッケルが含浸されたものを得た。 ○比較例試料3 実施例試料3−1に記載した陽極酸化皮膜の微細孔に何
も含浸せず、封孔処理も行わなかったものを作製し、比
較例試料3とした。
【0064】○実施例試料4−1 Zr を基材とし、乳酸200ml , クエン酸4g ,グリセリン
40ml ,H2O 70ml,E エタノール 120mlの水溶液中,陽極
酸化を行いZrO2を生成せしめた。酸化皮膜の厚さは3μ
mである。この皮膜にはポリビニルピロリドンヨード溶
液を電気泳動法で電着し皮膜の微細凹凸に、該ポリビニ
ルピロリドンヨードが含浸されたものを得た。 ○実施例試料4−2 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨードメタン
を用いた他は実施例4−1と同様にして皮膜の微細凹凸
に、該ヨードメタンが含浸されたものを得た。 ○実施例試料4−3 ポリビニルピロリドン溶液に代えてヨー化ニッケルを用
いた他は実施例試料4−1と同様にして皮膜の微細凹凸
に、該ヨー化ニッケルが含浸されたものを得た。 ○比較例試料4 実施例試料4−1に記載した陽極酸化皮膜の微細凹凸に
何も含浸せず、封孔処理も行わなかったものを作製し、
比較例試料4とした。
【0065】○実施例試料5−1 Ta を基材とし、アンモニウムタータレートと水との中
で定電圧電解を行い、厚さ2μmのTa2O5 皮膜を得た。
この皮膜にはポリビニルピロリドンヨード溶液を電気泳
動法で電着し、皮膜の微細凹凸に該ポリビニルピロリド
ンヨードが含浸されたものを得た。 ○実施例試料5−2 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨードメタン
を用いた他は実施例試料5−1と同様にして皮膜の微細
凹凸に、該ヨードメタンが含浸されたものを得た。 ○実施例試料5−3 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨー化ニッケ
ルを用いた他は実施例試料5−1と同様にして皮膜の微
細凹凸に、該ヨー化ニッケルが含浸されたものを得た。 ○比較例試料5 実施例試料5−1に記載した陽極酸化皮膜の微細凹凸に
何も含浸せず、封孔処理も行わなかったものを作製し、
比較例試料5とした。
【0066】○実施例試料6−1 Mg を基材とし、HAE 浴( KOH 165g/l,KF 35g/l,Na3PO
4 35g/l,Al(OH)3 35g/l, KMnO4 20g/l )の浴中で室温
で交流電解を行い、厚さ15μmの酸化皮膜を形成し
た。これにポリビニルピロリドンヨード溶液を電気泳動
法で電着し微細孔の内部まで該ポリビニルピロリドンヨ
ードが含浸されたものを得た。 ○実施例試料6−2 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨードメタン
を用いた他は実施例試料6−1と同様にして微細孔の内
部まで該ヨードメタンが含浸されたものを得た。 ○実施例試料6−3 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨー化ニッケ
ルを用いた他は実施例試料6−1と同様にして微細孔の
内部まで該ヨー化ニッケルが含浸されたものを得た。 ○比較例試料6 実施例試料6−1に記載した陽極酸化皮膜の微細孔に何
も含浸せず、封孔処理も行わなかったものを作製し、比
較例試料6とした。
【0067】○実施例試料7−1 Zn を基材とし、Na2CrO4 の水溶液中で70℃で交流電
解を行い、厚さ20μmの酸化皮膜を形成した。これに
ポリビニルピロリドンヨード溶液を電気泳動法で電着し
微細孔の内部まで該ポリビニルピロリドンヨードが含浸
されたものを得た。 ○実施例試料7−2 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨードメタン
を用いた他は実施例試料7−1と同様にして微細孔の内
部まで該ヨードメタンが含浸されたものを得た。 ○実施例試料7−3 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨー化ニッケ
ルを用いた他は実施例試料7−1と同様にして微細孔の
内部まで該ヨー化ニッケルが含浸されたものを得た。 ○比較例試料7 実施例試料7−1に記載した陽極酸化皮膜の微細孔に何
も含浸せず、封孔処理も行わなかったものを作製し、比
較例試料7とした。
【0068】○実施例試料8−1 Mg 合金AZ91を基材とし、K2Cr2O4 15% HNO3 15%水溶液
中で3分間処理して60℃で乾燥し、黄褐色の酸化皮膜を
得た。皮膜厚さ2μmである。これにポリビニルピロリ
ドンヨード溶液を電気泳動法で電着し皮膜の微細凹凸に
該ポリビニルピロリドンヨードが含浸されたものを得
た。 ○実施例試料8−2 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨードメタン
を用いた他は実施例試料8−1と同様にして皮膜の微細
凹凸に、該ヨードメタンが含浸されたものを得た。 ○実施例試料8−3 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨー化ニッケ
ルを用いた他は実施例試料8−1と同様にして皮膜の微
細凹凸に、該ヨー化ニッケルが含浸されたものを得た。 ○比較例試料8 実施例試料8−1に記載した陽極酸化皮膜の微細凹凸に
何も含浸せず、封孔処理も行わなかったものを作製し、
比較例試料8とした。
【0069】○実施例試料9−1 炭素鋼を基材とし、苛性ソーダ45% , 亜硝酸ソーダ5
%,りん酸ソーダ 10 %の水溶液中で135 〜140 ℃で30
分間処理してアルカリ黒色酸化皮膜8μmを生成した。
これにポリビニルピロリドンヨード溶液を電気泳動法で
電着し微細孔の内部まで該ポリビニルピロリドンヨード
が含浸されたものを得た。 ○実施例試料9−2 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨードメタン
を用いた他は実施例試料9−1と同様にして微細孔の内
部まで該ヨードメタンが含浸されたものを得た。 ○実施例試料9−3 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨー化ニッケ
ルを用いた他は実施例試料9−1と同様にして微細孔の
内部まで該ヨー化ニッケルが含浸されたものを得た。 ○比較例試料9 実施例試料9−1に記載した陽極酸化皮膜の微細孔に何
も含浸せず、封孔処理も行わなかったものを作製し、比
較例試料9とした。
【0070】○実施例試料10−1 鉄鋼を基材とし、CrO3 50g/l, H2SO4 0.5g/l浴中、電流
密度5A/dm2 で電解し、クロム酸クロム皮膜を形成し
た。これにポリビニルピロリドンヨード溶液を電気泳動
法で電着し皮膜の微細凹凸に該ポリビニルピロリドンヨ
ードが含浸されたものを得た。 ○実施例試料10−2 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨードメタン
を用いた他は実施例試料10−1と同様にして皮膜の微
細凹凸に、該ヨードメタンが含浸されたものを得た。 ○実施例試料10−3 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨー化ニッケ
ルを用いた他は実施例10−1と同様にして皮膜の微細
凹凸に、該ヨー化ニッケルが含浸されたものを得た。 ○比較例試料10 実施例試料10−1に記載した陽極酸化皮膜の微細凹凸
に何も含浸せず、封孔処理も行わなかったものを作製
し、比較例試料10とした。
【0071】○実施例11−1 SUS304を基材とし、苛性ソーダ60重量部, 硝酸
カリ 40重量部,水500重量部を加えて140℃で
処理してアルカリ黒色酸化皮膜厚さ8μmを設けた。こ
れにポリビニルピロリドンヨード溶液を電気泳動法で電
着し微細孔の内部まで該ポリビニルピロリドンヨードが
含浸されたものを得た。 ○実施例試料11−2 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨードメタン
を用いた他は実施例11−1と同様にして微細孔の内部
まで該ヨードメタンが含浸されたものを得た。 ○実施例試料11−3 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨー化ニッケ
ルを用いた他は実施例試料11−1と同様にして微細孔
の内部まで該ヨー化ニッケルが含浸されたものを得た。 ○比較例試料11 実施例試料11−1に記載した陽極酸化皮膜の微細孔に
何も含浸せず、封孔処理も行わなかったものを作製し、
比較例試料11とした。
【0072】○実施例試料12−1 SUS304を基材とし、交流電解法で、CrO3 300g/l,
H2SO4 450g/l浴中、電流密度0.5A/dm2 で電解し、
クロム酸クロム皮膜を得、これにポリビニルピロリドン
ヨードが含浸されたものを得た。 ○実施例試料12−2 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨードメタン
を用いた他は実施例試料11−1と同様にして微細孔の
内部まで該ヨードメタンが含浸されたものを得た。 ○実施例試料12−3 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨー化ニッケ
ルを用いた他は実施例試料11−1と同様にして微細孔
の内部まで該ヨー化ニッケルが含浸されたものを得た。 ○比較例試料12 実施例試料12−1に記載した陽極酸化皮膜の微細孔に
何も含浸せず、封孔処理も行わなかったものを作製し、
比較例試料12とした。
【0073】○実施例試料13−1 アルミニウムを熱水処理(ベーマイト処理法)で、トリ
エタノールアミン0.3%を含む脱イオン水中、 95 ±5 ℃
で10分間処理したのち、ベーマイト( Al2O3・H2O ) 皮
膜を得、この皮膜にはポリビニルピロリドンヨード溶液
を電気泳動法で電着し、皮膜の微細凹凸にポリビニルピ
ロリドンヨードが含浸されたものを得た。 ○実施例試料13−2 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨードメタン
を用いた他は実施例試料13−1と同様にして皮膜の微
細凹凸に該ヨードメタンンが含浸されたものを得た。 ○実施例試料13−3 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨー化ニッケ
ルを用いた他は実施例試料13−1と同様にして皮膜の
微細凹凸に該ヨー化ニッケルが含浸されたものを得た。 ○比較例試料13 実施例試料13−1に記載した陽極酸化皮膜の微細凹凸
に何も含浸せず、封孔処理も行わなかったものを作製
し、比較例試料13とした。
【0074】○実施例試料14−1 亜鉛を基材とし、苛性ソーダ液に浸漬し、続いて硫酸銅
40g/l , 塩素酸カリウム 40g/lからなる液に浸漬し
て、表面が黒くなるまで処理した。この皮膜にはポリビ
ニルピロリドンヨード溶液を電気泳動法で電着し、微細
孔の内部までポリビニルピロリドンヨードが含浸された
ものを得た。 ○実施例試料14−2 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨードメタン
を用いた他は実施例試料14−1と同様にして微細孔の
内部まで該ヨードメタンが含浸されたものを得た。 ○実施例試料14−3 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨー化ニッケ
ルを用いた他は実施例試料14−1と同様にして微細孔
の内部まで該ヨー化ニッケルが含浸されたものを得た。 ○比較例試料14 実施例試料14−1に記載した陽極酸化皮膜の微細孔に
何も含浸せず、封孔処理も行わなかったものを作製し、
比較例試料14とした。
【0075】○実施例試料15−1 銅を基材とし、次亜塩素酸ソーダ5g/l ,苛性ソーダ100g
/l からなる液に浸漬して該液を10分間沸騰させ、黒く
なるまで処理した。沸騰後水洗し、更に熱水洗した。こ
の皮膜にはポリビニルピロリドンヨード溶液を電気泳動
法で電着し、皮膜の微細凹凸にポリビニルピロリドンヨ
ードが含浸されたものを得た。 ○実施例試料15−2 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨードメタン
を用いた他は実施例試料15−1と同様にして、皮膜の
微細凹凸に該ヨードメタンが含浸されたものを得た。 ○実施例試料15−3 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨー化ニッケ
ルを用いた他は実施例試料15−1と同様にして、皮膜
の微細凹凸に該ヨー化ニッケルが含浸されたものを得
た。 ○比較例試料15 実施例試料15−1に記載した陽極酸化皮膜の微細凹凸
に何も含浸せず、封孔処理も行わなかったものを作製
し、比較例試料15とした。
【0076】○実施例試料16−1 鉛を陽極とし、0.5Mの酢酸鉛水溶液中で、50A/dm2
電流密度で電解すると陽極上に酸化鉛PbO2が電解析出し
た。析出膜の厚さは10μmを示した。この皮膜にはポ
リビニルピロリドンヨード溶液を電気泳動法で電着し、
皮膜の微細凹凸内部までポリビニルピロリドンヨードが
含浸されたものを得た。 ○実施例試料16−2 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨードメタン
を用いた他は実施例試料16−1と同様にして、皮膜の
微細凹凸内部まで該ヨードメタンが含浸されたものを得
た。 ○実施例試料16−3 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨー化ニッケ
ルを用いた他は実施例試料16−1と同様にして、皮膜
の微細凹凸内部まで該ヨー化ニッケルが含浸されたもの
を得た。 ○比較例試料16 実施例試料16−1に記載した水溶性金属イオンのアノ
ード酸化による高原子価金属酸化物の析出皮膜の微細凹
凸に何も含浸させなかったものを作製し、比較例試料1
6とした。
【0077】○実施例試料17−1 Mnを陽極とし、0.5Mの硫酸マンガンの水溶液中で、1
A/dm2の電流密度で電解すると陰極上に酸化マンガンMn
O2が電解析出した。析出膜の厚さは10μmを示した。
この皮膜にはポリビニルピロリドンヨード溶液を電気泳
動法で電着し、皮膜の微細凹凸の内部まで該ポリビニル
ピロリドンヨードが含浸されたものを得た。 ○実施例試料17−2 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨードメタン
を用いた他は実施例試料17−1と同様にして、皮膜の
微細凹凸内部まで該ヨードメタンが含浸されたものを得
た。 ○実施例試料17−3 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨー化ニッケ
ルを用いた他は実施例試料17−1と同様にして、皮膜
の微細凹凸内部まで該ヨー化ニッケルが含浸されたもの
を得た。 ○比較例試料17 実施例試料17−1に記載した水溶性金属イオンのアノ
ード酸化による高原子価金属酸化物の析出皮膜の微細凹
凸に何も含浸させなかったものを作製し、比較例試料1
7とした。
【0078】○実施例試料18−1 Moを陰極とし、0.5MのLi2MoO4 水溶液を硫酸でpHを
1.5に調整し、浴温10℃で、0.3A/dm2の電流密
度で電解すると、陽極上に5μmの青色の皮膜のMoO
2 が電解析出した。この皮膜にはポリビニルピロリドン
ヨード溶液を電気泳動法で電着し、皮膜の微細凹凸の内
部まで該ポリビニルピロリドンヨードが含浸されたもの
を得た。 ○実施例試料18−2 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨードメタン
を用いた他は実施例試料18−1と同様にして、皮膜の
微細凹凸の内部まで該ヨードメタンが含浸されたものを
得た。 ○実施例試料18−3 ポリビニルピロリドンヨード溶液に代えてヨー化ニッケ
ルを用いた他は実施例試料18−1と同様にして、皮膜
の微細凹凸内部まで該ヨー化ニッケルが含浸されたもの
を得た。 ○比較例試料18 実施例試料18−1に記載した水溶性金属イオンのカソ
ード還元による低原子価金属酸化物の析出皮膜の微細凹
凸に何も含浸させなかったものを作製し、比較例試料1
8とした。
【0079】○実施例試料19−1 Yを陽極とし、0.5Mの Y(NO3)3・6H2O水溶液中で、0.
5A/dm2の電流密度で電解すると、陰極上に5μm厚さ
の青色のY2 3 の電解析出膜を得た。この皮膜にはポ
リビニルピロリドンヨード溶液を電気泳動法で電着し、
皮膜の微細凹凸の内部まで該ポリビニルピロリドンヨー
ドが含浸されたものを得た。 ○実施例試料19−2 ポリビニルピロリドンヨードに代えてヨードメタンを用
いた他は実施例試料19−1と同様にして、皮膜の微細
凹凸の内部まで該ヨードメタンが含浸されたものを得
た。 ○実施例試料19−3 ポリビニルピロリドンヨードに代えてヨー化ニッケルを
用いた他は実施例試料19−1と同様にして、皮膜の微
細凹凸内部まで該ヨー化ニッケルが含浸されたものを得
た。 ○比較例試料19 実施例試料19−1に記載した水溶性金属イオンのカソ
ード還元による低原子価金属酸化物の析出皮膜の微細凹
凸に何も含浸させなかったものを作製し、比較例試料1
9とした。
【0080】
【表8】
【0081】
【表9】
【0082】上記の表に示すように、本発明の請求項2
の陽極酸化皮膜、請求項3の薬品処理法による酸化皮
膜、請求項4の薬品処理法による酸化皮膜のいずれも耐
摩耗性、抗菌性、光環境触媒、色調等に効果を示し、摩
擦を回避するものや、病院、集会所等の設備、備品への
応用や、光環境触媒効果により、住居、職場等の環境を
よくして人間を健康に導くような利用法や、色調変化物
品を作製することにより、例えば壁面に美観の優れたも
のを作り、また、美術品や工芸品への新しい素材を提供
することができる。
【0083】なお、特に、耐摩耗性ではポリビニルピロ
リドンヨードを用いたものについては、(社)潤滑性油
境界潤滑油中央技術研究所において、曽田4球式耐荷重
試験200rpm ステップ法により、0.4重量%
ポリビニルピロリドンヨード(脱イオン水に溶解)と、
脱イオン水との比較試験をしたところ、前者は耐荷重
能が1.0kgf 、後者は耐荷重能が0.5kgf であるこ
とから脱イオン水自体も液体潤滑剤といえるとしても、
ポリビニルピロリドンヨードがさらに潤滑性を示すもの
であることが立証されている。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば従来には全く無かった殺
菌性、抗菌性材料を提供するものであり、また、紫外線
触媒効果も大きいので、耐環境性物品として好適であ
り、耐摩耗性も優れているので、摩擦の大きい材料例え
ばピストン等にも好適である。また、殺菌、抗菌性材料
としては、公衆設備、病院等の医療用設備や機器、保健
所、食堂、厨房用品、スーパー等の食品売場用材料に好
適である。なお、また、本発明により得られた製品は、
一般の菌やメチシリン耐性菌、O157型大腸菌等によ
る感染を予防することができる。また、耐摩耗性材料で
はピストン、ロッカーアーム等のエンジン用部品、病院
における機器設備品、遊戯場の各種備品、一般公衆の出
入する場所の器具、装置等あらゆる耐摩耗性を要求され
るものに応用することができるので、例えば病院や、公
共環境建築資材、乗物用資材、航空宇宙用基材、クリー
ンルーム用資材として広く活用することができる。更に
新建造物用壁体や、公告宣伝用図画、美術工芸用素材等
を提供するとができる。特に本発明では基材の表面の微
細孔や微細凹凸表面に電気泳動法で含浸できるので、低
コストで応用物品を製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の断面図
【図2】本発明の他の一実施例の断面図
【符号の説明】
1 アルミニウム基体 2 活性層 3 アルマイト皮膜 4 微細孔 5 ポリビニルピロリドンヨード 11 ステンレス基体 12 電解酸化皮膜 13 微細凹凸 14 ポリビニルピロリドンヨード
【表1】
【表1】
【表6】
【表6】
【表9】
【表9】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 猿渡 光一 東京都江東区木場一丁目5番1号株式会社 フジクラ内 (72)発明者 丹羽 利夫 東京都江東区木場一丁目5番1号株式会社 フジクラ内 (72)発明者 平田 昌範 東京都江東区木場一丁目5番1号株式会社 フジクラ内 (72)発明者 高谷 松文 千葉県佐倉市王子台3丁目22番13号

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mg,Ti,Zr,Hf,V,Ta,C
    r,Mo,W,Mn,Fe,Ru,Os,Rh,Ni,
    Cu,Zn,Al,Pb,該金属のいずれかを主体とす
    る合金からなる群から選択された金属材料を基材とする
    ものであって、該基材の酸化皮膜の微細孔もしくは微細
    凹凸にヨウ素もしくはヨウ素化合物が含浸されているこ
    とを特徴とするヨウ素もしくはヨウ素化合物含浸金属材
    料基材の酸化皮膜構造。
  2. 【請求項2】 Al,Mg,Ti,Cu,Fe,Zn,
    Zr,該金属のいずれかを主体とする合金からなる群か
    ら選択された金属材料を基材とするものであって、該基
    材の表面に、陽極酸化皮膜もしくは薬品処理酸化による
    酸化皮膜が形成され、該皮膜の微細孔もしくは微細凹凸
    にヨウ素もしくはヨウ素化合物が含浸されていることを
    特徴とする請求項1に記載のヨウ素もしくはヨウ素化合
    物含浸金属材料基材の酸化皮膜構造。
  3. 【請求項3】 Mn,Fe,Ru,Os,Rh,Ni,
    Cu,Pb,該金属のいずれかを主体とする合金からな
    る群から選択された金属材料を基材とするものであっ
    て、該基材の表面にカチオンの酸化で高原子価酸化物を
    析出させた酸化皮膜が形成され、該皮膜の微細孔もしく
    は微細凹凸にヨウ素もしくはヨウ素化合物が含浸されて
    いることを特徴とする請求項1に記載のヨウ素もしくは
    ヨウ素化合物含浸金属材料基材の酸化皮膜構造。
  4. 【請求項4】 Ti,Zr,Hf,V,Cr,Mo,
    W,Ta,該金属のいずれかを主体とする合金からなる
    群から選択された金属材料を基材とするものであって、
    該基材の表面にアニオン還元で低原子価酸化物を析出さ
    せてなる酸化皮膜が形成され、該皮膜の微細孔もしくは
    微細凹凸にヨウ素もしくはヨウ素化合物が含浸されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載のヨウ素もしくはヨ
    ウ素化合物含浸金属材料基材の酸化皮膜構造。
  5. 【請求項5】 金属材料からなる基材の表面が予め物理
    的、化学的もしくは電気化学的手段で粗面化されてお
    り、これに酸化皮膜が形成されたものであることを特徴
    とする請求項1,2,3もしくは4のいずれかに記載の
    ヨウ素もしくはヨウ素化合物含浸金属材料基材の酸化皮
    膜構造。
  6. 【請求項6】 ヨウ素化合物が鎖式飽和炭化水素、鎖式
    不飽和炭化水素、環式化合物、芳香族化合物(複素環化
    合物を含む)の群から選択された有機化合物にヨウ素
    (I)の特性基が化合してなる有機化合物であることを
    特徴とする請求項1,2,3,4もしくは5のいずれか
    に記載のヨウ素もしくはヨウ素化合物含浸金属材料基材
    の酸化皮膜構造。
  7. 【請求項7】 ヨウ素化合物が金属にヨウ素(I)の特
    性基が化合してなる無機化合物であることを特徴とする
    請求項1,2,3,4もしくは5のいずれかに記載のヨ
    ウ素もしくはヨウ素化合物含浸金属材料基材の酸化皮膜
    構造。
  8. 【請求項8】 ヨウ素もしくはヨウ素化合物の含浸が電
    気泳動電着でなされていることを特徴とする請求項1,
    2,3,4もしくは5のいずれかに記載のヨウ素もしく
    はヨウ素化合物含浸金属材料基材の酸化皮膜構造。
  9. 【請求項9】 ヨウ素化合物が複素環化合物に化合した
    化合物であって、ポリビニルピロリドンヨード、ポリビ
    ニルフタルイミドヨード、ポリビニルブチラールヨー
    ド、ポリビニルホルマールヨードの群から選択されたも
    のであることを特徴とする請求項6に記載のヨウ素もし
    くはヨウ素化合物含浸金属材料基材の酸化皮膜構造。
  10. 【請求項10】 Mg,Ti,Zr,Hf,V,Ta,
    Cr,Mo,W,Mn,Fe,Ru,Os,Rh,N
    i,Cu,Zn,Al,Pb,該金属のいずれかを主体
    とする合金からなる群から選択された金属材料を基材と
    し、該基材に酸化手段により酸化皮膜を設け、該酸化皮
    膜に形成されている微細孔もしくは微細凹凸にヨウ素も
    しくはヨウ素化合物を含浸させることを特徴とするヨウ
    素もしくはヨウ素化合物含浸金属材料基材の酸化皮膜の
    形成方法。
  11. 【請求項11】 Al,Mg,Ti,Cu,Fe,Z
    n,Zr,該金属のいずれかを主体とする合金からなる
    群から選択された金属材料を基材とし、該基材の表面
    に、陽極酸化皮膜もしくは薬品処理酸化により酸化皮膜
    を設け、該酸化皮膜に形成されている微細孔もしくは微
    細凹凸にヨウ素もしくはヨウ素化合物を含浸させること
    を特徴とする請求項10に記載のヨウ素もしくはヨウ素
    化合物含浸金属材料基材の酸化皮膜の形成方法。
  12. 【請求項12】 Mn,Fe,Ru,Os,Rh,N
    i,Cu,Pb,該金属のいずれかを主体とする合金か
    らなる群から選択された金属材料を基材とし、該基材の
    表面にカチオンの酸化で高原子価酸化物を析出させた酸
    化皮膜を設け、該皮膜の微細孔もしくは微細凹凸にヨウ
    素もしくはヨウ素化合物を含浸させることを特徴とする
    請求項10に記載のヨウ素もしくはヨウ素化合物含浸金
    属材料基材の酸化皮膜の形成方法。
  13. 【請求項13】 Ti,Zr,Hf,V,Cr,Mo,
    W,Ta,該金属のいずれかを主体とする合金からなる
    群から選択された金属材料を基材とし、該基材の表面に
    アニオン還元で低原子価酸化物を析出させた酸化皮膜を
    設け、該皮膜の微細孔もしくは微細凹凸にヨウ素もしく
    はヨウ素化合物を含浸させることを特徴とする請求項1
    0に記載のヨウ素もしくはヨウ素化合物含浸金属材料基
    材の酸化皮膜の形成方法。
  14. 【請求項14】 金属材料からる基材の表面を予め物理
    的、化学的もしくは電気化学的手段で粗面化し、これに
    酸化皮膜を設けることを特徴とする請求項10,11,
    12もしくは13の何れかに記載のヨウ素もしくはヨウ
    素化合物含浸金属材料基材の酸化皮膜の形成方法。
  15. 【請求項15】 ヨウ素化合物が鎖式飽和炭化水素、鎖
    式不飽和炭化水素、環式化合物、芳香族化合物(複素環
    化合物を含む)の群から選択された有機化合物にヨウ素
    (I)の特性基が化合してなる有機化合物であることを
    特徴とする請求項10,11,12もしくは13のいず
    れかに記載のヨウ素化合物含浸金属材料基材の酸化皮膜
    の形成方法。
  16. 【請求項16】 ヨウ素化合物が金属にヨウ素(I)の
    特性基が化合してなる無機化合物であることを特徴とす
    る請求項10,11,12もしくは13のいずれかに記
    載のヨウ素化合物含浸金属材料基材の酸化皮膜の形成方
    法。
  17. 【請求項17】請求項1,2,3,4,5,6,8もし
    くは9のいずれかに記載の皮膜構造を有し、該皮膜が少
    なくも耐摩耗性、抗菌性、殺菌性、光環境触媒、着色性
    (カラーリング)のいずれかを目的とするものであるこ
    とを特徴とするヨウ素もしくはヨウ素化合物含浸金属材
    料基材の酸化皮膜構造を有する応用物品。
JP22949498A 1998-07-31 1998-07-31 ヨウ素もしくはヨウ素化合物含浸金属材料基材の酸化皮膜構造及びその形成方法及び該皮膜構造を有する応用物品。 Expired - Lifetime JP2932437B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22949498A JP2932437B1 (ja) 1998-07-31 1998-07-31 ヨウ素もしくはヨウ素化合物含浸金属材料基材の酸化皮膜構造及びその形成方法及び該皮膜構造を有する応用物品。

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22949498A JP2932437B1 (ja) 1998-07-31 1998-07-31 ヨウ素もしくはヨウ素化合物含浸金属材料基材の酸化皮膜構造及びその形成方法及び該皮膜構造を有する応用物品。

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2932437B1 JP2932437B1 (ja) 1999-08-09
JP2000054194A true JP2000054194A (ja) 2000-02-22

Family

ID=16893055

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22949498A Expired - Lifetime JP2932437B1 (ja) 1998-07-31 1998-07-31 ヨウ素もしくはヨウ素化合物含浸金属材料基材の酸化皮膜構造及びその形成方法及び該皮膜構造を有する応用物品。

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2932437B1 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012197482A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Lixil Corp 機能性アルミ材及びその電解処理方法
JP2012197481A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Lixil Corp 機能性アルミ材及びその表面処理方法
JP2016053195A (ja) * 2014-09-03 2016-04-14 オオタ株式会社 成形品及びその製造方法
CN108315795A (zh) * 2018-03-06 2018-07-24 福建省南平铝业股份有限公司 一种抗菌铝材的制作方法
CN111719172A (zh) * 2020-07-01 2020-09-29 浙江科惠医疗器械股份有限公司 一种钛合金表面载碘抗菌涂层制备方法和应用

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103781945B (zh) * 2011-09-07 2016-10-26 株式会社Nbc纱纲技术 抗病毒铝部件及其制造方法
CN104349743A (zh) 2012-05-30 2015-02-11 京瓷医疗株式会社 牙植入体
WO2018179358A1 (ja) 2017-03-31 2018-10-04 株式会社プロステック 抗菌性生体インプラントの製造方法
EP3586882B1 (en) 2017-03-31 2023-02-22 Prostec Co., Ltd. Antibacterial biological implant
US11576997B2 (en) 2018-03-05 2023-02-14 Chubu University Educational Foundation Iodine-loaded bone repair material and method for producing the same
CN111588904B (zh) * 2020-06-19 2021-06-04 浙江大学 含聚己内酯/聚维酮碘表层的载碘钛合金医用部件及其制作方法
JP7452826B1 (ja) 2023-10-23 2024-03-19 春日井アルマイト工業有限会社 表面処理皮膜を有するアルミニウムの製造方法、表面処理皮膜を有するアルミニウム及び表面処理皮膜を有するアルミニウムで少なくとも一部を構成した容器

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012197482A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Lixil Corp 機能性アルミ材及びその電解処理方法
JP2012197481A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Lixil Corp 機能性アルミ材及びその表面処理方法
JP2016053195A (ja) * 2014-09-03 2016-04-14 オオタ株式会社 成形品及びその製造方法
CN108315795A (zh) * 2018-03-06 2018-07-24 福建省南平铝业股份有限公司 一种抗菌铝材的制作方法
CN108315795B (zh) * 2018-03-06 2019-08-23 福建省南平铝业股份有限公司 一种抗菌铝材的制作方法
CN111719172A (zh) * 2020-07-01 2020-09-29 浙江科惠医疗器械股份有限公司 一种钛合金表面载碘抗菌涂层制备方法和应用
CN111719172B (zh) * 2020-07-01 2021-08-20 浙江科惠医疗器械股份有限公司 一种钛合金表面载碘抗菌涂层制备方法和应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP2932437B1 (ja) 1999-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11168408B2 (en) Nickel-chromium nanolaminate coating having high hardness
JP2932437B1 (ja) ヨウ素もしくはヨウ素化合物含浸金属材料基材の酸化皮膜構造及びその形成方法及び該皮膜構造を有する応用物品。
JP6534391B2 (ja) 三価クロムを含有する電気めっき浴及びクロムを析出させる方法
CA2909198C (en) Anodized metal product with antimicrobial properties and method for producing the same
US6251254B1 (en) Electrode for chromium plating
CN101886285A (zh) 一种制备表面抗菌不锈钢的方法
JP2006328467A (ja) 陽極酸化皮膜付きアルミ基材及びその製造方法
WO2000001865A1 (fr) Procede pour traiter la surface d'une preforme en aluminium
MX2010011889A (es) Procedimiento para la produccion de laminas de acero revestidas con estaño, laminas de acero revestidas con estaño y fluido de tratamiento de conversion quimica.
CN201785524U (zh) 基于阳极氧化多孔氧化膜的不锈钢表面抗菌层
JP3902329B2 (ja) 耐久性、抗菌性、防藻性および抗黴性を有する表面処理金属材料
CN115961315A (zh) 在至少一个基底上电解沉积铬或铬合金层的方法
JPH11181596A (ja) 抗菌性陽極酸化処理アルミニウム
CN101831681A (zh) 一种铝合金着有色复合膜的制备方法
TWI294825B (en) Precoated metal sheet with excellent corrosion resistance and little affect on environment
JP2008202118A (ja) 陽極酸化皮膜の改質方法
JPH10158889A (ja) 抗菌性に優れた軽合金およびその製造方法
CN112522773B (zh) 一种表面抗菌不锈钢的制备方法
JPH11229186A (ja) 抗菌・耐蝕性軽合金およびその製造方法
JP2020172701A (ja) ブラックプレート又はブリキの表面を不動態化するための方法及びその方法を実施するための電解システム
JP6156299B2 (ja) 容器用鋼板およびその製造方法
CN109972183A (zh) 一种阳极氧化铝模板上沉积钴的制备方法
CN113463158B (zh) 一种铝合金的表面抗菌阳极氧化工艺
JPH10280191A (ja) 抗菌性が優れたアルミニウム又はアルミニウム合金材及びその製造方法
EP3212822B1 (en) A galvanic process and chromed material with silver nanoparticles

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080528

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090528

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100528

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100528

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110528

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110528

Year of fee payment: 12

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110528

Year of fee payment: 12

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110528

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110528

Year of fee payment: 12

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110528

Year of fee payment: 12

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110528

Year of fee payment: 12

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110528

Year of fee payment: 12

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110528

Year of fee payment: 12

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120528

Year of fee payment: 13

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130528

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140528

Year of fee payment: 15

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term