JPH10280191A - 抗菌性が優れたアルミニウム又はアルミニウム合金材及びその製造方法 - Google Patents
抗菌性が優れたアルミニウム又はアルミニウム合金材及びその製造方法Info
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- JPH10280191A JPH10280191A JP8308097A JP8308097A JPH10280191A JP H10280191 A JPH10280191 A JP H10280191A JP 8308097 A JP8308097 A JP 8308097A JP 8308097 A JP8308097 A JP 8308097A JP H10280191 A JPH10280191 A JP H10280191A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 低価格で、高い抗菌効果を長期にわたって維
持することができ、摩耗にも強い抗菌性が優れたアルミ
ニウム又はアルミニウム合金材及びその製造方法を提供
する。 【解決手段】 5乃至30重量%硫酸に、Agイオンの
濃度が、0.01重量%以上となるように硝酸銀及び硫
酸銀等の銀を含有する化合物を溶解することにより電解
浴を作製する。次に、多孔質アルマイト皮膜を有するア
ルミニウム又はアルミニウム合金材を電極として、5乃
至30Vの周波数が50Hz又は60Hzである交流電
圧を印加することにより、抗菌性を有するAgを多孔質
アルマイト皮膜の細孔中に析出させ埋入する。
持することができ、摩耗にも強い抗菌性が優れたアルミ
ニウム又はアルミニウム合金材及びその製造方法を提供
する。 【解決手段】 5乃至30重量%硫酸に、Agイオンの
濃度が、0.01重量%以上となるように硝酸銀及び硫
酸銀等の銀を含有する化合物を溶解することにより電解
浴を作製する。次に、多孔質アルマイト皮膜を有するア
ルミニウム又はアルミニウム合金材を電極として、5乃
至30Vの周波数が50Hz又は60Hzである交流電
圧を印加することにより、抗菌性を有するAgを多孔質
アルマイト皮膜の細孔中に析出させ埋入する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品及び医療等の
抗菌性の素材を必要とされる分野において使用されるア
ルミニウム又はアルミニウム合金材(以下、総称してア
ルミニウム材という)及びその製造方法に関し、特に、
低価格で長期間効果を維持することができる抗菌性が優
れたアルミニウム又はアルミニウム合金材及びその製造
方法に関する。
抗菌性の素材を必要とされる分野において使用されるア
ルミニウム又はアルミニウム合金材(以下、総称してア
ルミニウム材という)及びその製造方法に関し、特に、
低価格で長期間効果を維持することができる抗菌性が優
れたアルミニウム又はアルミニウム合金材及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、抗菌性を有する素材から製造され
た商品が増加している。この抗菌性を有する素材は、抗
菌性を有する物質がさまざまな方法で素材の表面又は内
部に混入されることにより抗菌性を示している。抗菌性
を有する物質としては、Ag及びCu等が挙げられ、近
年では、これらの化合物も抗菌材料として使用されてい
る。
た商品が増加している。この抗菌性を有する素材は、抗
菌性を有する物質がさまざまな方法で素材の表面又は内
部に混入されることにより抗菌性を示している。抗菌性
を有する物質としては、Ag及びCu等が挙げられ、近
年では、これらの化合物も抗菌材料として使用されてい
る。
【0003】抗菌性を有する物質を金属素材及び樹脂素
材等の表面又は内部に混入する方法としては、例えば、
ステンレス合金に対して行われているようなCuを直接
合金成分として添加する方法、樹脂に抗菌物質を練り込
む方法及び表面に抗菌物質を塗装する方法等が実施され
ている。
材等の表面又は内部に混入する方法としては、例えば、
ステンレス合金に対して行われているようなCuを直接
合金成分として添加する方法、樹脂に抗菌物質を練り込
む方法及び表面に抗菌物質を塗装する方法等が実施され
ている。
【0004】一方、アルミニウム材は表面に多孔質アル
マイト皮膜が形成されたり、表面に塗装されたりして様
々な部材として幅広く利用されている。そして、更にそ
の用途を広げるために様々な特性が付与されようとして
おり、その一つとして抗菌性が検討されている。アルミ
ニウム材が抗菌性を有すれば、医療用の部材及び内装
材、食品加工機材、食品工場の内装材並びに食品輸送機
器等に幅広く使用されることが可能となる。そして、ア
ルミニウム材に抗菌性を付与する方法としては、前述の
ように、抗菌性を有する物質を直接添加する方法及び表
面に抗菌物質を塗布する方法等が挙げられる。
マイト皮膜が形成されたり、表面に塗装されたりして様
々な部材として幅広く利用されている。そして、更にそ
の用途を広げるために様々な特性が付与されようとして
おり、その一つとして抗菌性が検討されている。アルミ
ニウム材が抗菌性を有すれば、医療用の部材及び内装
材、食品加工機材、食品工場の内装材並びに食品輸送機
器等に幅広く使用されることが可能となる。そして、ア
ルミニウム材に抗菌性を付与する方法としては、前述の
ように、抗菌性を有する物質を直接添加する方法及び表
面に抗菌物質を塗布する方法等が挙げられる。
【0005】しかし、抗菌性を有する金属を直接アルミ
ニウム材に添加しようとAgを選択すると、Agは高価
であるためコストが上がってしまう。一方、Cuを選択
する場合には、コストを下げることはできるが、抗菌性
があまり高くないだけでなく、添加された合金の強度及
び耐食性等に悪影響を及ぼすことがある。
ニウム材に添加しようとAgを選択すると、Agは高価
であるためコストが上がってしまう。一方、Cuを選択
する場合には、コストを下げることはできるが、抗菌性
があまり高くないだけでなく、添加された合金の強度及
び耐食性等に悪影響を及ぼすことがある。
【0006】一方、金属板の表面に抗菌性を有する物質
を塗装する方法は提案され、実用化されている(特開平
7−313935)。この従来技術においては、抗菌、
防カビ剤と共にメラミン樹脂硬化剤が添加された塗料を
溶融亜鉛メッキ鋼板に塗布し焼き付けることにより溶融
亜鉛メッキ鋼板に抗菌性を付与している。
を塗装する方法は提案され、実用化されている(特開平
7−313935)。この従来技術においては、抗菌、
防カビ剤と共にメラミン樹脂硬化剤が添加された塗料を
溶融亜鉛メッキ鋼板に塗布し焼き付けることにより溶融
亜鉛メッキ鋼板に抗菌性を付与している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、塗装に
よりアルミニウム材に抗菌性を付与した場合には、アル
ミニウム材を複雑な形状に加工することが困難になった
り、また、塗料が劣化して抗菌性が低下しやすいという
問題点がある。また、鋼系の材料と同様な方法で抗菌性
を付与され、同様な抗菌性を有していても、差別化が図
られず安価な鋼系の材料と比して優れることがない。更
に、建物の床等として使用された場合には、塗料が容易
に摩耗してしまい抗菌性が失われる。
よりアルミニウム材に抗菌性を付与した場合には、アル
ミニウム材を複雑な形状に加工することが困難になった
り、また、塗料が劣化して抗菌性が低下しやすいという
問題点がある。また、鋼系の材料と同様な方法で抗菌性
を付与され、同様な抗菌性を有していても、差別化が図
られず安価な鋼系の材料と比して優れることがない。更
に、建物の床等として使用された場合には、塗料が容易
に摩耗してしまい抗菌性が失われる。
【0008】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、安価で、高い抗菌効果を長期にわたって維
持することができ、摩耗にも強い抗菌性が優れたアルミ
ニウム又はアルミニウム合金材及びその製造方法を提供
することを目的とする。
のであって、安価で、高い抗菌効果を長期にわたって維
持することができ、摩耗にも強い抗菌性が優れたアルミ
ニウム又はアルミニウム合金材及びその製造方法を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る抗菌性が優
れたアルミニウム又はアルミニウム合金材は、表面に膜
厚が1乃至30μmの多孔質アルマイト皮膜が形成さ
れ、前記多孔質アルマイト皮膜の細孔中に1乃至100
mg/dm2のAgが埋入されていることを特徴とす
る。
れたアルミニウム又はアルミニウム合金材は、表面に膜
厚が1乃至30μmの多孔質アルマイト皮膜が形成さ
れ、前記多孔質アルマイト皮膜の細孔中に1乃至100
mg/dm2のAgが埋入されていることを特徴とす
る。
【0010】本発明に係る抗菌性が優れたアルミニウム
又はアルミニウム合金材の製造方法は、表面に膜厚が1
乃至30μmの多孔質アルマイト皮膜が形成されたアル
ミニウム又はアルミニウム合金材を電極として、Agイ
オンを含有する水溶液を交流電解することを特徴とす
る。
又はアルミニウム合金材の製造方法は、表面に膜厚が1
乃至30μmの多孔質アルマイト皮膜が形成されたアル
ミニウム又はアルミニウム合金材を電極として、Agイ
オンを含有する水溶液を交流電解することを特徴とす
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本願発明者等が前記課題を解決す
べく、実験研究を重ねた結果、表面に適切な膜厚を有す
る多孔質アルマイト皮膜が形成されたアルミニウム材を
電極として、Agイオンを含有する水溶液を交流電解し
多孔質アルマイト皮膜の細孔中に適切な量のAgを埋入
することにより、抗菌性が優れたアルミニウム又はアル
ミニウム合金材が得られることを見い出した。
べく、実験研究を重ねた結果、表面に適切な膜厚を有す
る多孔質アルマイト皮膜が形成されたアルミニウム材を
電極として、Agイオンを含有する水溶液を交流電解し
多孔質アルマイト皮膜の細孔中に適切な量のAgを埋入
することにより、抗菌性が優れたアルミニウム又はアル
ミニウム合金材が得られることを見い出した。
【0012】以下、本発明に係るアルミニウム材に関す
る数値限定理由について説明する。
る数値限定理由について説明する。
【0013】多孔質アルマイト皮膜の膜厚:1乃至30
μm 多孔質アルマイト皮膜の膜厚が1μm未満であると、埋
入されるAgの量が不足して抗菌効果が低い。また、多
孔質アルマイト皮膜自体が有するアルミニウム材の防食
効果も低下してしまう。一方、多孔質アルマイト皮膜の
膜厚が30μmを超えても、抗菌効果の向上は低く経済
的に無駄である。従って、多孔質アルマイト皮膜の膜厚
は1乃至30μmとする。
μm 多孔質アルマイト皮膜の膜厚が1μm未満であると、埋
入されるAgの量が不足して抗菌効果が低い。また、多
孔質アルマイト皮膜自体が有するアルミニウム材の防食
効果も低下してしまう。一方、多孔質アルマイト皮膜の
膜厚が30μmを超えても、抗菌効果の向上は低く経済
的に無駄である。従って、多孔質アルマイト皮膜の膜厚
は1乃至30μmとする。
【0014】Agの埋入量:1乃至100mg/dm2 抗菌効果を有する金属としてAg及びCu等が挙げられ
るが、Agによる効果が最も優れている。
るが、Agによる効果が最も優れている。
【0015】Agの埋入量が1mg/dm2未満である
と、抗菌効果が不十分となる。一方、Agの埋入量が1
00mg/dm2を超えても、抗菌効果の向上は低く経
済的に無駄である。
と、抗菌効果が不十分となる。一方、Agの埋入量が1
00mg/dm2を超えても、抗菌効果の向上は低く経
済的に無駄である。
【0016】なお、アルミニウム材の組成等は特に限定
されるものではなく、通常の多孔質多孔質アルマイト皮
膜が得られるものであればよい。現在、工業的に量産さ
れているほとんどのアルミニウム材がこれに該当する。
されるものではなく、通常の多孔質多孔質アルマイト皮
膜が得られるものであればよい。現在、工業的に量産さ
れているほとんどのアルミニウム材がこれに該当する。
【0017】また、アルマイト皮膜は、Agを埋入する
ための細孔を有する多孔質アルマイト皮膜である必要が
ある。多孔質アルマイト皮膜の形成方法は、硫酸系水溶
液、シュウ酸系水溶液及びクロム酸系水溶液等の一般的
な浴を使用する方法が安価であり適している。
ための細孔を有する多孔質アルマイト皮膜である必要が
ある。多孔質アルマイト皮膜の形成方法は、硫酸系水溶
液、シュウ酸系水溶液及びクロム酸系水溶液等の一般的
な浴を使用する方法が安価であり適している。
【0018】次に、多孔質アルマイト皮膜の細孔中にA
gを埋入する方法を説明する。
gを埋入する方法を説明する。
【0019】先ず、5乃至30重量%硫酸に、Agイオ
ンの濃度が、例えば、0.01重量%以上となるように
硝酸銀及び硫酸銀等の銀を含有する化合物を溶解するこ
とにより電解浴を作製する。このとき、硫酸の濃度が5
重量%未満であると、電解によりpHが変化し易く長期
間にわたって使用することができない。一方、硫酸の濃
度が30重量%を超えると、多孔質アルマイト皮膜の溶
解が進行して耐食性が劣化する。従って、硫酸の濃度は
5乃至30重量%であることが望ましい。
ンの濃度が、例えば、0.01重量%以上となるように
硝酸銀及び硫酸銀等の銀を含有する化合物を溶解するこ
とにより電解浴を作製する。このとき、硫酸の濃度が5
重量%未満であると、電解によりpHが変化し易く長期
間にわたって使用することができない。一方、硫酸の濃
度が30重量%を超えると、多孔質アルマイト皮膜の溶
解が進行して耐食性が劣化する。従って、硫酸の濃度は
5乃至30重量%であることが望ましい。
【0020】次に、多孔質アルマイト皮膜を有するアル
ミニウム材を電極として、5乃至30Vの交流電圧を印
加することにより、Agを多孔質アルマイト皮膜の細孔
に析出させ埋入する。このとき、印加する交流電圧が5
V未満であると、電解の進行が遅くコストが高くなる。
一方、交流電圧が30Vを超えると、多孔質アルマイト
皮膜が破壊されることがある。従って、印加する交流電
圧は5乃至30Vであることが望ましい。また、一般に
使用されている交流電源の周波数は50Hz又は60H
zであるが、200Hz以下の周波数であれば使用する
ことができる。周波数が200Hzを超えると、Agの
埋入を行うことが不可能となる。
ミニウム材を電極として、5乃至30Vの交流電圧を印
加することにより、Agを多孔質アルマイト皮膜の細孔
に析出させ埋入する。このとき、印加する交流電圧が5
V未満であると、電解の進行が遅くコストが高くなる。
一方、交流電圧が30Vを超えると、多孔質アルマイト
皮膜が破壊されることがある。従って、印加する交流電
圧は5乃至30Vであることが望ましい。また、一般に
使用されている交流電源の周波数は50Hz又は60H
zであるが、200Hz以下の周波数であれば使用する
ことができる。周波数が200Hzを超えると、Agの
埋入を行うことが不可能となる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について、その特許請
求の範囲から外れる比較例と比較して説明する。
求の範囲から外れる比較例と比較して説明する。
【0022】先ず、JIS A 1100 P − H 14
アルミニウム合金材を20℃の15重量%硫酸中で1.
5A/dm2の電流で時間を調節しながら陽極酸化し、
下記表1に示す実施例1乃至5及び比較例6乃至11の
膜厚を有する多孔質アルマイト皮膜をアルミニウム合金
材の表面に形成した。
アルミニウム合金材を20℃の15重量%硫酸中で1.
5A/dm2の電流で時間を調節しながら陽極酸化し、
下記表1に示す実施例1乃至5及び比較例6乃至11の
膜厚を有する多孔質アルマイト皮膜をアルミニウム合金
材の表面に形成した。
【0023】
【表1】
【0024】次に、表面に多孔質アルマイト皮膜が形成
されたアルミニウム合金材を電極として、1重量%の硝
酸銀が溶解された15重量%硫酸を周波数が50Hzの
交流電源を使用し、電圧を15Vとして時間を調節しな
がら電解し、下記表2の実施例1乃至5及び比較例6乃
至9に示す量のAgを埋入した。また、5重量%の硫酸
銅が溶解された15重量%硫酸を同様に電解して下記表
2の比較例10に示す量の銅を埋入した。更に、5重量
%の硫酸ニッケルが溶解された15重量%硫酸を同様に
電解して下記表にの比較例11に示す量のニッケルを埋
入した。また、比較例12として市販の抗菌塗料をJI
S A 1100 P − H 14アルミニウム合金材に塗
布した。
されたアルミニウム合金材を電極として、1重量%の硝
酸銀が溶解された15重量%硫酸を周波数が50Hzの
交流電源を使用し、電圧を15Vとして時間を調節しな
がら電解し、下記表2の実施例1乃至5及び比較例6乃
至9に示す量のAgを埋入した。また、5重量%の硫酸
銅が溶解された15重量%硫酸を同様に電解して下記表
2の比較例10に示す量の銅を埋入した。更に、5重量
%の硫酸ニッケルが溶解された15重量%硫酸を同様に
電解して下記表にの比較例11に示す量のニッケルを埋
入した。また、比較例12として市販の抗菌塗料をJI
S A 1100 P − H 14アルミニウム合金材に塗
布した。
【0025】
【表2】
【0026】そして、抗菌性及び耐摩耗性の評価を行っ
た。抗菌性の評価はフィルム密着法により行った。この
とき、初期の大腸菌の接種菌数を1.8×103とし、2
4時間後の菌数から評価した。また、試験片の表面を1
kg/cm2の荷重をかけながら鉄塊を動かして、その
後の外観から耐摩耗性の評価を行った。これらの評価結
果を表3に示す。なお、表3中の耐摩耗性の欄におい
て、○は外観に変化がないことを示し、×はキズ又は剥
離が発生したことを示している。
た。抗菌性の評価はフィルム密着法により行った。この
とき、初期の大腸菌の接種菌数を1.8×103とし、2
4時間後の菌数から評価した。また、試験片の表面を1
kg/cm2の荷重をかけながら鉄塊を動かして、その
後の外観から耐摩耗性の評価を行った。これらの評価結
果を表3に示す。なお、表3中の耐摩耗性の欄におい
て、○は外観に変化がないことを示し、×はキズ又は剥
離が発生したことを示している。
【0027】
【表3】
【0028】表3に示すように、実施例1乃至5におい
ては、多孔質アルマイト皮膜が本発明で規定した範囲内
の膜厚を有しており、Agの埋入量も本発明で規定した
範囲内であるので、経済的であると共に、抗菌性及び耐
摩耗性が優れている。
ては、多孔質アルマイト皮膜が本発明で規定した範囲内
の膜厚を有しており、Agの埋入量も本発明で規定した
範囲内であるので、経済的であると共に、抗菌性及び耐
摩耗性が優れている。
【0029】一方、比較例6においては、多孔質アルマ
イト皮膜の膜厚が本発明範囲の下限未満であるので、A
gの埋入量が不足し抗菌性が劣っている。比較例7にお
いては、多孔質アルマイト皮膜の膜厚が本発明範囲の上
限を超えているので、抗菌性は優れているものの、コス
トが高くなる。
イト皮膜の膜厚が本発明範囲の下限未満であるので、A
gの埋入量が不足し抗菌性が劣っている。比較例7にお
いては、多孔質アルマイト皮膜の膜厚が本発明範囲の上
限を超えているので、抗菌性は優れているものの、コス
トが高くなる。
【0030】比較例8においては、Agの埋入量が本発
明範囲の下限未満であるので、抗菌性が劣っている。一
方、比較例9においては、Agの埋入量が本発明範囲の
上限を超えているので、抗菌性は優れているものの、コ
ストが高くなる。
明範囲の下限未満であるので、抗菌性が劣っている。一
方、比較例9においては、Agの埋入量が本発明範囲の
上限を超えているので、抗菌性は優れているものの、コ
ストが高くなる。
【0031】比較例10においては、多孔質アルマイト
皮膜の細孔に埋入された金属がCuであるので、抗菌性
が劣っている。
皮膜の細孔に埋入された金属がCuであるので、抗菌性
が劣っている。
【0032】比較例11においては、多孔質アルマイト
皮膜の細孔に埋入された金属がNiであるので、抗菌性
が劣っている。
皮膜の細孔に埋入された金属がNiであるので、抗菌性
が劣っている。
【0033】比較例12においては、市販の抗菌塗料が
塗布されているので、抗菌性は優れているものの、耐摩
耗性が劣っている。
塗布されているので、抗菌性は優れているものの、耐摩
耗性が劣っている。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、アルミニウム又はアルミニウム合金材の表面に形成
された適切な膜厚を有する多孔質アルマイト皮膜の細孔
中に抗菌性を有するAgを適切な量埋入しているので、
低価格で、高い抗菌効果を長期にわたって維持すること
ができ、摩耗にも強い抗菌性が優れたアルミニウム又は
アルミニウム合金材を得ることができる。
は、アルミニウム又はアルミニウム合金材の表面に形成
された適切な膜厚を有する多孔質アルマイト皮膜の細孔
中に抗菌性を有するAgを適切な量埋入しているので、
低価格で、高い抗菌効果を長期にわたって維持すること
ができ、摩耗にも強い抗菌性が優れたアルミニウム又は
アルミニウム合金材を得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 表面に膜厚が1乃至30μmの多孔質ア
ルマイト皮膜が形成され、前記多孔質アルマイト皮膜の
細孔中に1乃至100mg/dm2のAgが埋入されて
いることを特徴とする抗菌性が優れたアルミニウム又は
アルミニウム合金材。 - 【請求項2】 表面に膜厚が1乃至30μmの多孔質ア
ルマイト皮膜が形成されたアルミニウム又はアルミニウ
ム合金材を電極として、Agイオンを含有する水溶液を
交流電解することを特徴とする抗菌性が優れたアルミニ
ウム又はアルミニウム合金材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8308097A JPH10280191A (ja) | 1997-04-01 | 1997-04-01 | 抗菌性が優れたアルミニウム又はアルミニウム合金材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8308097A JPH10280191A (ja) | 1997-04-01 | 1997-04-01 | 抗菌性が優れたアルミニウム又はアルミニウム合金材及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10280191A true JPH10280191A (ja) | 1998-10-20 |
Family
ID=13792216
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8308097A Pending JPH10280191A (ja) | 1997-04-01 | 1997-04-01 | 抗菌性が優れたアルミニウム又はアルミニウム合金材及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10280191A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004067807A1 (ja) * | 2003-01-30 | 2004-08-12 | Nihon Alumina Kakou Kabushiki Kaisha | アルミニウム又はアルミニウム合金の表面に陽極酸化皮膜を形成する方法 |
KR100950442B1 (ko) * | 2009-05-13 | 2010-04-02 | 주식회사 모아기술 | 고주파펄스를 이용한 알루미늄소재의 항균성 표면처리방법 |
WO2013155618A1 (en) * | 2012-04-20 | 2013-10-24 | 9163-0384 Québec Inc. | Anodized metal product with antimicrobial properties and method for producing the same |
US20150208662A1 (en) * | 2014-01-29 | 2015-07-30 | Catcher Technology Co., Ltd. | Antimicrobial complex surface and method of fabricating the same |
US20150373988A1 (en) * | 2014-03-31 | 2015-12-31 | Catcher Technology Co., Ltd. | Method of fabricating antimicrobial complex surface |
-
1997
- 1997-04-01 JP JP8308097A patent/JPH10280191A/ja active Pending
Cited By (7)
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---|---|---|---|---|
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