JP2000052853A - ポジションバルブ内蔵車両用前照灯 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】ポジションバルブ内蔵車両用前照灯においてポ
ジションバルブ専用反射面の設定の要無く、ポジション
バルブソケットの見栄えがよくまた該ソケットのリブの
先端部をポジションバルブ専用反射面に利用する。 【解決手段】前照灯１において、ポジションバルブ４を
前照灯用リフレクタ３に形成の開口部から前方へ突出し
てソケット８が配され、ソケット８の外周部にはリブ９
を設定しその先端部５を曲面又は平面形状とし、バルブ
４用の反射面とし前方や側方の照射光を得ている。バル
ブ４は先端部５より約０〜１０ｍｍ突出し、バルブ４付
近に専用反射面を形成することで従来のような大き専用
反射面の設定の要なく前照灯の配光への影響を極力低減
可能である。見栄え向上のためのリブ９が設けられ、レ
ンズを通して灯体内部のソケット８がはっきり見えるの
を防止し、リブ９の先端部５をポジションバルブ専用反
射面として利用でき十分な配光を得られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両用の前照灯に
関するものであり、詳細には前記前照灯用のリフレクタ
ー内にポジションバルブが設けられたポジションバルブ
内蔵前照灯に係わるものであり、特にレンズの一部に配
光制御機能を有しない場合に有効な前照灯に係わるもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来この種のポジションバルブ内蔵前照
灯４１の構成の一例を示すものが図４であり、前照灯バ
ルブ４２に焦点を有する回転放物面のリフレクタ−４３
の例えば前記前照灯バルブ４２の真下などに開口部４３
ａを設け、この開口部４３ａからポジションバルブ４４
をリフレクタ−４３の面内に突出させたものである。

【０００３】しかしながら、前記した従来のポジション
バルブ内蔵前照灯４１の構成においては、前記ポジショ
ンバルブ４４はリフレクタ−４３に対して殆ど何等の光
学的な考慮もなされることなくその取付位置が設定され
るものであるので、ポジションバルブ４４の点灯を行っ
たときにはリフレクタ−４３により反射される光は特定
の方向性を持たない散乱光となり、遠方からの視認性を
確保するためには前記ポジションバルブ４４として比較
的に大電力の電球の採用が必要となり、この部分が大型
化して前照灯４１全体の性能低下を来すこと、及びバッ
テリ−の電力消費が増えるなどの問題点を生じ、この点
の解決が課題とされるものとなっていた。

【０００４】そこで、近年は前記した課題を解決するた
めの具体的手段として、前照灯用のリフレクタ−面内に
ポジションバルブを設けて成るポジションバルブ内蔵前
照灯において、前記リフレクタ−には前記ポジションバ
ルブに焦点を有し、且つ反射方向を前記前照灯と平行と
する回転放物面又はその一部で成るポジションバルブ用
反射面が一体に形成されていることを特徴とするポジシ
ョンバルブ内蔵前照灯が提供されている。

【０００５】図５ａ、ｂに示す従来の実施例に基づいて
詳細に説明する。図５ａ及び図５ｂに符号５１で示すも
のは、従来のポジションバルブ内蔵前照灯であり、この
前照灯５１には前照灯バルブ５２と、この前照灯バルブ
５２に焦点を有する回転放物面などのリフレクタ−５３
とが設けられ、加えて前記リフレクタ−５３には開口部
５３ａが設けられてポジションバルブ５４が面内に突出
するように取付けられているものである点は図４記載の
ものと同様である。

【０００６】しかしながら、前記開口部５３aの近傍に
はポジションバルブ用反射面５５が一体に形成され、こ
のポジションバルブ用反射面５５は前記ポジションバル
ブ５４に焦点を有し、且つその光軸方向、即ち反射光を
生ずる方向を前記リフレクタ−５３の光軸方向と平行と
する回転放物面として形成されている。

【０００７】尚、前記ポジションバルブ用反射面５５の
面積は、前記ポジションバルブ５４として１Ｗの電球を
採用したときでも略１０ｍｍ平方以下で充分に目的を達
するものであることが判明しているので、実際の実施時
においては前記に説明した回転放物面の一部を設けるも
のとすれば良い。

【０００８】また、前記ポジションバルブ用反射面５５
は前照灯用のリフレクタ−５３と光軸方向を平行なもの
とされたことで、アンダ−カットなど成形に不利となる
条件を生ずることがないものとなるので、前記リフレク
タ−５３を成形するときの、例えば射出成形型或いはプ
レス金型に一体に彫り込まれ、リフレクタ−５３の成形
と同時に一体として形成されるものとなっている。

【０００９】次いで、上記説明の構成とした前照灯５１
の作用及び効果について説明を行えば、前記ポジション
バルブ５４に前照灯５１と平行の反射方向を有するポジ
ションバルブ用反射面５５を設けたことで、ポジション
バルブ５４の点灯時には、このポジションバルブ５４か
らの光を車両の進行方向に向かう平行光線として反射す
るものとなり遠方からの視認性を向上させる。

【００１０】尚、このときに前記ポジションバルブ用反
射面５５からの反射光は前照灯５１に設けられているレ
ンズ５６を透過するものとなり、このレンズ５６より水
平方向に適宜の照射角を有するものとされるので、車両
の正面からばかりでなく斜め前方からの視認性も可能な
ものとなる。

【００１１】また、ここで問題とするレンズに配光制御
機能を有しないレンズを備えたポジションバルブ内蔵車
両用前照灯の斜視図、正面図、要部拡大Ｂ−Ｂ断面図を
夫々図６ａ、ｂ、ｃに示す。このような、レンズに配光
制御機能を有しない素通しレンズ６６を備えたポジショ
ンバルブ内蔵車両用前照灯６１においては、ポジション
バルブ６４の直射光のみでは十分な配光が得られず、通
常、図５ａ、ｂに示したように前照灯バルブ６２を焦点
とする回転放物面からなる前照灯用のリフレクタ−６３
と連続する(ポジション光を制御する)ポジションバルブ
用反射面６５を設定している。このように、前照灯用の
リフレクタ−６３の一部をポジションバルブ６４付近に
おいて大きく切欠き、ポジションバルブ用反射面６５と
して確保している。

【００１２】ポジションバルブ用反射面６５を前照灯用
のリフレクタ−６３と連続する面に設けているので、ポ
ジション用ソケット６７が露出し見栄えの低下につなが
り、また、ポジションバルブにより、一定の光量を確保
するためには、広範囲なポジション専用リフレクタ−を
設定せざるをえなくなり、前照灯６１の反射光を必要以
上にロスしている。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】通常のポジションバル
ブ内蔵車両用前照灯においては、ポジションバルブの直
射光のみでは十分な配光が得られず、一般には、前照灯
用ランプを焦点とする回転放物面からなる前照灯用のリ
フレクタ−と連続するポジション光を制御するポジショ
ンバルブ用反射面は、ポジションバルブ付近において大
きく切欠き、前照灯用リフレクタ−の一部として確保し
ている。

【００１４】ポジションバルブ用反射面を前照灯用のリ
フレクタ−と連続する面に設定することにより、ポジシ
ョンバルブソケットが露出し見栄えが低下する。また、
ポジションバルブ用反射面を前照灯用のリフレクタ−と
連続する面に設定することにより、一定の光量を確保す
るためには、広範囲なポジションバルブ用反射面を設定
せざるをえなくなり、前照灯の反射光を必要以上にロス
している。

【００１５】

【発明を解決する手段】ポジションバルブ内蔵車両用前
照灯において、ポジションバルブを前照灯用のリフレク
タ−に形成された開口部から前方へ突き出させる様にポ
ジションバルブ又はポジションバルブソケットが配置さ
れ、このポジションバルブ又はポジションバルブソケッ
ト外周部にはリブを設定する。そのリブの先端部を曲面
又は平面とし、ポジションバルブに対し後方に位置させ
ることでポジションバルブ用反射面として、ポジション
バルブに必要な前方の照射光や側方照射光を得る。

【００１６】前記リブの先端部から、ポジションバルブ
がａｍｍだけ突出した状態になる。前記突出長ａは、ａ
＝０〜１０ｍｍとし、ポジションバルブ付近に専用反射
面を形成することで、従来のような大きな専用反射面を
設定する必要が無く、前照灯の配光への影響を極力低減
することが出来る。本願発明において、ポジションバル
ブソケットの外周部に見栄えを向上させる為のリブが設
けられているので、前照灯を観察したとき、従来の様
に、例えば素通しレンズを通して灯体内部のポジション
バルブソケットがはっきり見えてしまうのを防止するこ
とが出来る。なおかつ、見栄えを向上させる為のリブの
先端部をポジションバルブ専用反射面として利用してい
る為、十分なポジションバルブ配光を得ることが出来る
ポジションバルブ内蔵車両用前照灯を提供する。

【００１７】

【発明の実施の形態】図１に本発明の第一の実施形態に
係わる斜視図を示す。図２には、本発明の第一の実施形
態に係わる正面図を示す。また、図３ａには、本発明の
第一の実施形態の要部拡大断面図であるＡ−Ａ断面のポ
ジションバルブの配光を示す。見栄えを向上させる為の
リブの先端部形状が、曲面を示している。図３ｂに図３
ａに係わる拡大図を示す。さらに、図３ｃには、本発明
の第二の実施形態の要部拡大断面を示す。見栄え向上の
ためのリブの先端部形状が、平面であることを示す。詳
細を以下実施形態に沿って説明する。

【００１８】第一の実施形態は、図１及び図２に示すよ
うに、少なくともレンズの一部に配光制御機能を有しな
いレンズ６を備えたポジションバルブ内蔵車両用前照灯
１と回転放物面からなるリフレクタ−３とその回転放物
面の焦点に配置される光源２からなり、図３ａ、図３ｂ
に示すように、該リフレクタ−に、開口部７を有し、該
開口部７から前方へ突き出させる様にポジションバルブ
ソケット８が配置されている。そして、前記ポジション
バルブソケット８の外周部には、前方に突出する見栄え
を向上させる為のリブ９が、形成されている。

【００１９】図３ａのＡ−Ａ拡大断面図と図３ｂに示す
ように見栄えを向上させる為のリブ９を形成し、レンズ
の外側から灯体内を見た時ポジションバルブソケット８
が、はっきり見えるのを防止している。更に前記リブ９
の先端部５を、ポジションバルブ内蔵車両用前照灯１の
ポジションバルブ４に対し後方に位置させ、前記先端部
５をポジションバルブ用反射面として曲面形状とするこ
とで、前記リブ９の先端部５がポジションバルブ用反射
面として作用し、素通しレンズ６を備えたポジションバ
ルブ内蔵車両用ランプ１に必要な前方の照射光や側方照
射光を図示のごとく得る。また、前記曲面形状は、放物
面状又はＲをつけた状態である。すなわち、ポジション
バルブからの照射を有効に使用出来ればよい。

【００２０】このとき、ポジションバルブに対し後方に
位置させるポジションバルブ用反射面として作用するリ
ブ９の先端部５は、図３に示すように突出長ａだけポジ
ションバルブに対しリブ９の先端部５を後方に位置させ
る。その時の突出長ａは、０〜１０ｍｍとしている。

【００２１】次に第二の実施の形態を説明する。構成上
は、要部以外第一の実施形態と殆ど同一であるので、図
１、図２を照射して説明すると、少なくともレンズの一
部に配光制御機能を有しないレンズ６を備えたポジショ
ンバルブ内蔵車両用前照灯１と回転放物面からなるリフ
レクタ−３とその回転放物面の焦点に配置される光源２
からなり、図３ｃに示すように、該リフレクタ−に、開
口部７を有し、該開口部７から前方へ突き出させる様に
ポジションバルブソケット８が配置されている。そし
て、前記ポジションバルブソケット８の外周部には、前
方に突出するリブ９が、形成されている。

【００２２】図３ｃの要部拡大断面図に示すようにこの
見栄えを向上させる為のリブ９を形成し、レンズの外側
から灯体内を見た時ポジションバルブソケット８が、は
っきり見えるのを防止している。更に前記リブ９の先端
部５を、ポジションバルブ内蔵車両用ランプ１のポジシ
ョンバルブに対し後方に位置させ、前記先端部５をポジ
ションバルブ用反射面として平面形状とすることで、前
記リブ９の先端部５の平面がポジションバルブ用反射面
として作用し、レンズ６を備えたポジション内蔵車両用
ランプ１に必要な前方の照射光や側方照射光を図示のご
とく得る。すなわち、ポジションバルブの照射光を有効
に利用することが出来る。

【００２３】このとき、ポジションバルブに対し後方に
位置させるポジションバルブ用反射面として作用する見
栄えを向上させる為のリブ９の先端部５は、図３ｃに示
すように突出長ａだけポジションバルブに対しリブ９の
先端部５を後方に位置させる。その時の突出長ａは、０
〜１０ｍｍとしている。そして、第一及び第二の実施の
形態とも前記リブ９をリフレクタ−３と共に成形によっ
て一体的に作られている。

【００２４】このように、ポジションバルブ４付近にリ
ブ９の先端部５のようなポジションバルブ専用反射面を
形成することで、従来のような大きな専用反射面を設定
する必要が無く、前照灯の配光への影響を極力低減する
ことが出来る。また、本願発明において、ポジション用
ソケットの外周部には、前記リブ９が設けられているの
で、ポジションバルブ内蔵車両用前照灯１を観察したと
き、レンズ６を通して灯体内部のポジションバルブソケ
ット８がはっきり見えてしまうのを防止することが出来
る。従って、前記リブ９によって見栄えを向上させるこ
ともできる。

【００２５】

【発明の効果】本願発明において、従来のような大きな
ポジションバルブ専用反射面を設定する必要が無く、ポ
ジションバルブソケット８の外周部には、ソケットの見
栄えを向上させる為のリブ９が設けられているので、ポ
ジションバルブ内蔵車両用前照灯１を観察したとき、レ
ンズ６を通して灯体内部のポジションバルブソケット８
がはっきり見えてしまうのを防止することが出来る。ま
た、前記リブの先端部５をポジションバルブ専用反射面
として利用している為、十分なポジションバルブ配光を
得ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のポジションバルブ内蔵車両用前照灯の
第一実施例を示す斜視図である。

【図２】本発明のポジションバルブ内蔵車両用前照灯の
第一実施例を示す正面図である。

【図３ａ】本発明のポジションバルブ内蔵車両用前照灯
の第一の実施形態例の要部を示す拡大Ａ−Ａ断面図であ
る。

【図３ｂ】図３ａに係わる要部拡大断面図である。

【図３ｃ】本発明のポジションバルブ内蔵車両用前照灯
の第二の実施形態の要部拡大断面図である。

【図４】従来のポジションバルブ内蔵車両用前照灯の一
例を示す側面図である。

【図５ａ】従来のポジションバルブ内蔵車両用前照灯の
一例を示す斜視図面である。

【図５ｂ】図５ａに係わるポジションバルブ内蔵車両用
前照灯を示す側面図である。

【図６ａ】従来の配光制御機能を持たないレンズを使用
したポジションバルブ内蔵車両用前照灯を示す斜視図で
ある。

【図６ｂ】図６ａに係わるポジションバルブ内蔵車両用
前照灯を示す正面図である。

【図６c】図６ａに係わるポジションバルブ内蔵車両用
前照灯の要部を示す拡大断面図である。

【符号の説明】

ポジションバルブ内蔵車両用前照灯………１、４１、５
１、６１ 前照灯用バルブ…………２、４２、５２、６２ 開口部…………７、４３ａ、５３ａ、 リフレクタ−……３、４３、５３、６３ ポジションバルブ…………４、４４、５４、６４ ポジションバルブ用反射面…………５５、６５ 先端部……………５ レンズ…………６、４６、５６、６６ ポジションバルブソケット…………８、６７ リブ…………９

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ポジションバルブを備えたリフレクタ−か
   ら成るポジションバルブ内蔵車両用前照灯において、該
   リフレクタ−に、開口部を有し、該開口部から前方へ突
   き出す様にポジションバルブ又はポジションバルブソケ
   ットが配置され、該ポジションバルブ又はポジションバ
   ルブソケットの外周部には、前方に突出するリブを有す
   ることを特徴とするポジションバルブ内蔵車両用前照
   灯。
2. 【請求項２】前記リブは、ポジションバルブの配光制御
   機能を有することを特徴とする請求項１記載のポジショ
   ンバルブ内蔵車両用前照灯。
3. 【請求項３】前記配光制御機能は、リブ先端部がポジシ
   ョンバルブ専用反射面として作用することを特徴とする
   請求項２記載のポジションバルブ内蔵車両用前照灯。
4. 【請求項４】前記リブ先端部が、曲面又は平面を有しポ
   ジションバルブが、該リブ先端部より前方へ０〜１０ｍ
   ｍ突出していることを特徴とする請求項３記載のポジシ
   ョンバルブ内蔵車両用前照灯。