JP2000052630A - 感熱浸透型印判 - Google Patents

感熱浸透型印判

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JP2000052630A
JP2000052630A JP10220816A JP22081698A JP2000052630A JP 2000052630 A JP2000052630 A JP 2000052630A JP 10220816 A JP10220816 A JP 10220816A JP 22081698 A JP22081698 A JP 22081698A JP 2000052630 A JP2000052630 A JP 2000052630A
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ink
heat
printing
heater
sheet
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JP10220816A
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English (en)
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Tomosuke Fukuda
智丞 福田
Yuji Tanaka
佑司 田中
Yoji Ogawa
洋史 小川
Keiichi Sakai
啓一 阪井
Kenichi Harada
賢一 原田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱用ヒータの電源をオンにしてから印刷ス
タンバイ状態とするまでの時間を大幅に短縮するととも
に、多数回使用しても鮮明な印刷が可能で、また必要に
応じて印字体を容易に交換することのできる感熱浸透型
印判を提供する。 【解決手段】 熱溶融性不揮発インクが含浸された多孔
質性金属体2と、この多孔質性金属体を加熱して熱溶融
性不揮発インクを溶融させる加熱用ヒータ3と、多孔質
性金属体の表面に設けられるとともに、溶融された熱溶
融性不揮発インクを所定パターンで浸出させる印字シー
ト4と、多孔質性金属体および加熱用ヒータを収容保持
する収容ホルダー6とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱浸透型印判に
関し、より詳しくは、加熱用ヒータの電源をオンにして
から印刷スタンバイ状態とするまでの時間を大幅に短縮
するとともに、多数回使用しても鮮明な印刷が可能で、
また必要に応じて印字体を容易に交換することのできる
感熱浸透型印判に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、所定の文字等を印刷する印判とし
ては、多孔質性ゴム凸板もしくは多孔質性樹脂凸板から
なる印字体にインクを含浸したものが使用されている。
この従来の印判で使用されるインクとしては、水性イン
ク、油性液体インク、油性不揮発インクの種類があっ
た。このようなインクのうち水性インクもしくは油性液
体インクを含浸した印判では、インクが常温で液体であ
るため、被印字体が紙等のインクを吸収できるものであ
れば問題ないが、被印字体が、金属、ガラス、プラスチ
ック等の非吸収性材料から構成されている場合には、捺
印後に印刷された文字等が手でこすれたり、あるいは印
字体を複数枚重ねたときに裏うつりが起きてしまうこと
があった。また、油性液体インクが用いられる印判は、
インクが揮発するため使用時に不快な臭いを発し、健康
面でも好ましくなかった。
【0003】一方、油性不揮発インクを用いる印判とし
ては、図5に示すような感熱浸透型印判が提案されてい
る。この感熱浸透型印判は、熱溶融性不揮発インクが含
浸されたフェルト体(21)と、フェルト体(21)を
加熱して熱溶融性不揮発インクを溶融する加熱用ヒータ
(22)と、加熱溶融されたインクを浸出させる印字体
(23)と、フェルト体(21)および加熱用ヒータ
(22)を収容保持する収容ホルダ(24)と、を備え
てなるものである。熱溶融性不揮発インクは、常温では
固体であり、また或る温度以上では液体となる、いわゆ
るコールドセットインクである。
【0004】この感熱浸透型印判においては、加熱用ヒ
ータ(22)によって加熱溶融された熱溶融性不揮発イ
ンクを印字体(23)から浸出させることにより、被印
字体に所望の文字等を印刷することができる。また、熱
溶融性不揮発インクは、被印字体に転写されると急速に
常温に戻るので、被印字体が金属やプラスチックのよう
な非吸収性材料であってもその表面で瞬間的に硬化し、
手でこすれたり裏うつりが起きる恐れがない。また、熱
溶融性不揮発インクを使用するから、印刷時に不快な臭
いを発することもない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た感熱浸透型印判には、以下のような課題が存在した。
すなわち、熱溶融性不揮発インクが含浸されるフェルト
体(21)は、熱伝導性が悪く、加熱用ヒータ(22)
からの熱を熱溶融性不揮発インク全体へ速やかに伝える
ことができない。従って、熱溶融性不揮発インクを溶融
させ、印刷可能な状態とするまでにかなりの時間を要し
た。また、印字体(23)も樹脂製であり、且つかなり
厚いものであったため、加熱用ヒータ(22)からの熱
がその全体へ伝わりにくく、印字体(23)表面のイン
クが溶融するまでにかなりの時間を要し、このことも印
刷作業を遅らす一因となっていた。また印字体(23)
は、多孔質性樹脂の表面に、印字パターンを構成する凹
凸を形成しただけのものであったため、何回も使用して
いるうちにその凸部近傍が変形し、鮮明な印刷ができな
くなる恐れがあった。しかも、この印字体(23)は、
収容ホルダ(24)内に固定されていたため、印刷が不
鮮明になっても新しいものと交換することが困難であっ
た。
【0006】本発明は、そのような実情に鑑みてなされ
たもので、加熱用ヒータの電源をオンにしてから印刷ス
タンバイ状態とするまでの時間を大幅に短縮するととも
に、多数回使用しても鮮明な印刷が可能で、また必要に
応じて印字体を容易に交換することのできる感熱浸透型
印判の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、熱溶
融性不揮発インクが含浸された多孔質性金属体と、この
多孔質性金属体を加熱して熱溶融性不揮発インクを溶融
させる加熱用ヒータと、多孔質性金属体の表面に設けら
れるとともに、溶融された熱溶融性不揮発インクを所定
パターンで浸出させる印字シートと、多孔質性金属体お
よび加熱用ヒータを収容保持する収容ホルダーと、を備
えてなることを特徴とする感熱浸透型印判である。
【0008】請求項2の発明は、前記印字シートが、不
織布の表面にインク不透過層が形成されるとともにこの
インク不透過層が前記所定パターンを除く部位に形成さ
れてなることを特徴とする請求項1に記載の感熱浸透型
印判である。
【0009】請求項3の発明は、前記印字シートが、多
孔質性樹脂シートを加工したものであり、前記インク不
透過層が、多孔質性樹脂シートに熱を加えて孔をつぶす
ことで形成されていることを特徴とする請求項2に記載
の感熱浸透型印判である。
【0010】請求項4に記載の発明は、前記印字シート
が、前記収容ホルダーに対し、着脱自在に取り付けられ
ていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記
載の感熱浸透型印判である。これらの発明を提供するこ
とにより、上記課題を悉く解決する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
面を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係る感熱浸
透型印判を示す斜視図である。図2は、この感熱浸透型
印判において、その箱本体と蓋体とを分離した状態を示
す斜視図である。図3は、この感熱浸透型印判を示す断
面図である。
【0012】本発明に係る感熱浸透型印判(1)は、図
1乃至図3に示すように、多孔質性金属体(2)と、加
熱用ヒータ(3)と、印字シート(4)と、断熱材
(5)と、収容ホルダー(6)と、を備えてなるもので
ある。
【0013】以下、これら構成要素について詳細に説明
する。多孔質性金属体(2)は、熱溶融性不揮発インク
を貯留するものである。この多孔質性金属体(2)に
は、多孔質性金属焼結体や、多孔質性金属発泡体等を挙
げることができる。その気孔率は望ましくは45%程度
であり、通常は20〜80%のいずれかに設定される。
気孔率が80%を上回ると、強度が低下してしまい、耐
久性の面で好ましくない。一方、気孔率が20%を下回
ると、インクの貯留量が少なくなって印刷可能回数が少
なくなる。また、多孔質性金属体(2)の厚みは、特に
問われない。通常望ましい厚みは例えば3mm程度であ
るが、これに限定されるものではない。一方、厚みが3
mmを超えても、材質が金属であるため、後述する加熱
用ヒータ(3)からの熱が多孔質性金属体(2)全体に
瞬間的に伝わり、熱溶融性不揮発インク全体をすぐに融
解することができ、この発明では好適に使用できる。な
お、多孔質性金属体(2)の金属の種類には、例えばア
ルミニウムを挙げることができるが、それに限定される
ものではない。
【0014】この多孔質性金属体(2)には、熱溶融性
不揮発インクが含浸される。この熱溶融性不揮発インク
は、常温では固体であり、また或る温度以上になると液
体となる不揮発性インクである。このようなインクとし
ては、例えば、ワックス、バインダー、着色顔料をロー
ラミルで混練りしながら加熱したものを挙げることがで
きる。ワックスとしては、例えばカルナバワックスを挙
げることができる。バインダーとしては、例えばエポキ
シ樹脂、ロジン、ロジンエステル樹脂、フェノール樹
脂、スチロール系樹脂、アルキド樹脂からなる群から選
ばれた一種またはそれらの混合物からなるものを挙げる
ことができる。着色顔料としては、例えばカーボンブラ
ック、フタロシアニンブルー、酸化チタンを挙げること
ができる。また、このようにしてなる熱溶融性不揮発イ
ンクは、融点が50〜150°Cであればよく、また1
00°Cにおける粘度が100〜3000cpsであれ
ばよい。粘度が3000cpsを上回ると、インクの浸
出量が少なくなって印字がかすれる。一方、粘度が10
0cpsを下回ると、インクの浸出量が多くなって印字
がにじむ。なお、融点が70°Cであり、且つ100°
Cにおける粘度が980cpsであれば、より好まし
い。この場合、加熱時の溶融速度、溶融時の流動性の面
で非常に好ましい結果が得られる。
【0015】加熱用ヒータ(3)(図3参照)は、多孔
質性金属体(2)を加熱して内部の熱溶融性不揮発イン
クを溶融させるものである。この加熱用ヒータ(3)
は、例えば、平面状に配置されたニクロム線の周囲にシ
リコンゴムを装着してなる平板状ヒータであり、多孔質
性金属体(2)の内側に接触状態で設けられている。な
お、加熱用ヒータ(3)は、このような構成に限定され
るものではない。加熱用ヒータ(3)には、サーモスタ
ット(7)および温度ヒューズ(8)が接続されてい
る。サーモスタット(7)は、加熱用ヒータ(3)の温
度を一定温度に維持するものである。温度ヒューズ
(8)は、サーモスタット(7)が故障して加熱用ヒー
タ(3)が前記一定温度を超えたときに、加熱用ヒータ
(3)への電力供給を遮断するものである。これらサー
モスタット(7)、温度ヒューズ(8)を設けることに
より、加熱用ヒータ(3)が異常過熱するのを確実に防
止することができる。従って、印字シート(4)や熱溶
融性不揮発インクが焼けたり変性する恐れがない。加熱
用ヒータ(3)、サーモスタット(7)には、交流電源
用のプラグ(図示せず)が接続されている。なお、加熱
用ヒータ(3)、サーモスタット(7)の電源には電池
等の直流電源を用いてもよい。
【0016】印字シート(4)は、溶融された熱溶融性
不揮発インクを所定パターンで浸出させ、その熱溶融性
不揮発インクを被印字体に転写するものである。この印
字シート(4)は、図4(a)に示すように、不織布
(9)の表面に所定パターンのインク透過層(10)が
形成されるとともに、その所定パターン以外の部分にイ
ンク不透過層(11)が形成されてなるものである。イ
ンク透過層(10)およびインク不透過層(11)は、
可撓性を有する多孔質性樹脂シート(20)を製版加工
することで得られる。
【0017】ここで、多孔質性樹脂シート(20)の製
造方法について詳説する。この多孔質性樹脂シート(2
0)は、熱可塑性樹脂に少なくとも形孔剤及び形孔助剤
を混練りし、成形後、水系溶媒で形孔剤を溶出させるこ
とにより得られる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂やエチレンビ
ニルアルコール(EVA)等が用いられるが特に限定は
されない。また、それら2種以上の熱可塑性樹脂を混合
して用いることも可能である。
【0018】形孔剤としては結晶性粉末の多価アルコー
ルが用いられ、この形孔剤を後述する如く溶出させるこ
とにより径が50ミクロン以下の気孔が形成される。結
晶性粉末の多価アルコールとしては、コーンスターチ、
コムギ澱粉やジャガイモ澱粉等の澱粉、砂糖、ヘミセル
ロース等の多糖類等が挙げられるが特に限定されるもの
ではない。本発明の実施形態においては上記した種々の
結晶性粉末の多価アルコールの中から1種を選択して単
独で用いることも或いは2種以上を用いることも可能で
ある。
【0019】本発明における多孔質性樹脂シート(2
0)は、前述した如く、熱可塑性樹脂に少なくとも形孔
剤及び形孔助剤を混練りした後、所要の形状に成形し、
水系溶媒を用いて形孔剤を溶出させることにより得られ
る。成形方法は特に限定されず、圧縮成形法、押出成形
法、射出成形法等により成形される。シート状或いはロ
ール状に成形する場合は押出成形法により成形される。
多孔質性樹脂シート(20)は、サーマルヘッドによる
製版加工、フラッシュ閃光による製版加工、熱盤転写方
法等で印字シート(4)に調整される。
【0020】なお、多孔質性樹脂シート(20)のTg
(ガラス転移点)は、印字温度より20°C以上高いこ
とが好ましく、40°C以上高ければなおよい。多孔質
性樹脂シート(20)のTgから印字温度を差し引いた
値が20°Cより小さいと、印刷時に多孔質性樹脂シー
ト(20)が変性する恐れがある。また、その厚みは、
望ましくは0.3mm程度であり、通常は0.2〜0.
5mmに設定される。厚みが0.5mmを上回ると、加
熱用ヒータ(3)からの熱を多孔質性樹脂シート(2
0)の表面へすぐに伝えることができず、印刷スタンバ
イ状態とするまでに時間がかかる。一方、厚みが0.2
mmを下回ると、多孔質性樹脂シート(20)表面に十
分な凹凸が形成されず、印字が不鮮明になる恐れがあ
る。また、多孔質性樹脂シート(20)のゴム硬度は2
0〜80°とするのが望ましい。ゴム硬度が80°を上
回ると、柔軟性に欠け、凹凸のある被印字面に印刷しに
くくなる。一方、ゴム硬度が20°を下回ると、柔らか
過ぎて強度が落ちる。また、その比重は0.3g/cm
3 程度であることが望ましく、通常は0.2〜0.6g
/cm3 のいずれかに設定される。比重が0.6g/c
3 を上回ると、孔が少なくなり、インクの浸出性が低
下する。一方、比重が0.2g/cm 3 を下回ると、孔
が多くなり、インクが浸出しすぎて印字がにじむ。
【0021】多孔質性樹脂シート(20)の加工方法と
しては、例えば前述の如く、多孔質性樹脂シートの前記
所定パターン以外の部分をサーマルヘッド等を用いて加
熱圧縮し、これにより孔をつぶすことで所定パターン以
外の部分にインク不透過層(11)を形成する方法を挙
げることができる。なお、多孔質性樹脂シート(20)
の加工方法はそのような方法に限定されず、例えば所定
パターン以外の部分にレーザ光を照射して加熱して孔を
つぶし、これによって所定パターン以外の部分にインク
不透過層(11)を形成するようにしてもよい。これら
の方法では、インク透過層(10)がインク不透過層
(11)よりも若干突出したいわゆる凸版を製作するこ
とができ(図4(a)参照)、その凸部からインクを浸
出させて、いわゆる凸版印刷を行うことができる。
【0022】なお、印字シート(4)の凹部からインク
を浸出させて印刷する、いわゆる凹版を製作してもよい
(図4(b)参照)。その製作方法としては、例えば、
多孔質性樹脂シート(20)の表面に感光性樹脂(3
0)を塗布した後、前記所定パターン以外の部分を露光
硬化させ、未露光部分すなわち所定パターンの部分を洗
い出し液で除去する方法を挙げることができる。この場
合、多孔質性樹脂シート(20)内の熱溶融性不揮発イ
ンクは、感光性樹脂(30)の除去部分からのみ浸出
し、いわゆる凹版印刷を行うことができる。
【0023】なお、前者の方法、すなわち多孔質性樹脂
シート(20)の前記所定パターン以外の部分を加熱し
て孔をつぶす方法は、加熱処理工程のみでよいのに対
し、後者の方法、すなわち多孔質性樹脂シート(20)
の表面に感光性樹脂(30)を塗布した後、所定パター
ン以外の部分を露光硬化させ、未露光部分を洗い出し液
で除去する方法は、感光性樹脂(30)の塗布工程と除
去工程の2工程が必要である。従って、前者を採用した
方が、加工時間と加工コストを低減することができる。
【0024】不織布(9)は、このような版を補強する
ためのものである。その材質としては、例えばポリエス
テル等の合成樹脂を挙げることができる。またその厚み
は、例えば0.3mm程度である。この厚みは、0.3
mm程度以下だと十分な強度を発揮できず、0.3mm
程度以上だと加熱用ヒータ(3)からの熱を不織布の表
面付近まで十分に伝えにくくなる。
【0025】断熱材(5)(図3参照)は、加熱用ヒー
タ(3)からの熱を外部に漏らさないようにするための
ものである。この断熱材(5)は、加熱用ヒータ(3)
の熱に耐えうるものであればよく、例えば発泡性合成樹
脂等であるが特に限定はされない。
【0026】収容ホルダー(6)は、多孔質性金属体
(2)および加熱用ヒータ(3)等を収容保持するもの
である。この収容ホルダー(6)は、図2および図3に
示すように、箱体(12)と蓋体(13)とで構成され
る。
【0027】箱体(12)は、例えば一面が開口した箱
体であって、図3に示すように、その内部に断熱材
(5)、サーモスタット(7)および温度ヒューズ
(8)、加熱用ヒータ(3)、多孔質性金属体(2)が
奥から順次配設される。このような順序で配設されるこ
とにより、加熱用ヒータ(3)の熱が箱体(12)に伝
わらない。従って、加熱用ヒータ(3)の熱を、実質的
に多孔質性金属体(2)へのみ伝えることができ、無駄
な放熱をなくすことができる。
【0028】蓋体(13)は、図2および図3に示すよ
うに、印字シート(4)を保持した状態で、箱体(1
2)上に被せられるものである。この蓋体(13)は、
蓋本体(14)と押さえ板(15)とから構成される。
蓋本体(14)は、箱体(12)を収容しうる大きさの
筒体であって、その一端開口部側に、印字シート(4)
を保持するための保持用畝部(16)が形成されてい
る。押さえ板(15)は、保持用畝部(16)との間に
印字シート(4)を挟持するためのものである。この押
さえ板(15)は、弾性材料から構成されており、相対
向する湾曲辺部(17)(図2参照)と、それら湾曲辺
部(17)の端部同士を繋ぐ挟持辺部(18)(図2参
照)とからなる。印字シート(4)は、この湾曲辺部
(17)の弾性力によって保持される。すなわち、印字
シート(4)は、蓋本体(14)の一端開口部を覆うよ
うに設けられ、そのとき印字シート(4)の両側縁が保
持用畝部(16)を越えるように設けられる。そして、
挟持辺部(18)と保持用畝部(16)との間に印字シ
ート(4)の両側縁部を挟むようにすることで、印字シ
ート(4)は蓋体(13)に保持される。蓋体(13)
は、箱体(12)に被せられるが、その際に印字シート
(4)の裏面が多孔質性金属体(2)の表面に当接する
ように構成されている(図3参照)。
【0029】なお、収容ホルダー(6)は、このような
構成に限定されるものではなく、例えば、蓋体(13)
を設けず、箱体(12)の一端開口部側に保持用畝部
(16)を形成し、この保持用畝部(16)と押さえ板
(15)との間で印字シート(4)を保持するようにし
てもよい。
【0030】このようにしてなる感熱浸透型印判(1)
の使用方法について、図1乃至図3を参照しつつ説明す
る。まず、所望の印刷パターンが形成された印字シート
(4)を用意する。次いで、図2に示す蓋本体(14)
から押さえ板(15)を取り外し、蓋本体(14)の一
端開口部上に印字シート(4)を被せる。そして、この
印字シート(4)の両側縁部が、押さえ板(15)の挟
持辺部(17)と蓋本体(14)の保持用畝部(16)
(図3参照)との間で挟持されるように押さえ板(1
5)を装着する。次いで、印字シート(4)が保持され
た蓋体(13)を、箱体(12)に被せる。このとき、
印字シート(4)の裏面が多孔質性金属体(2)の表面
に当接される(図3参照)。次いで、交流電源用のプラ
グをコンセント(図示せず)に差し込み、加熱用ヒータ
(3)、サーモスタット(7)を作動させる。すると、
多孔質性金属体(2)が加熱される。多孔質性金属体
(2)は金属であるから、熱はその全体へ瞬間的に伝わ
り、内部の熱溶融性不揮発インクもすぐに溶融する。ま
た、多孔質性金属体(2)に当接する印字シート(4)
にも瞬間的に熱が伝わり、その内部の熱溶融性不揮発イ
ンクもすぐに溶融する。これで印刷スタンバイ状態とな
る。後は、被印刷物上に印字シート(4)を押しつけ、
印刷を実行すればよい。
【0031】本発明においては、インクに熱溶融性不揮
発インクを用いているので、金属、ガラス、プラスチッ
ク等の非吸収性材料への印字が可能である。従来は、ス
ーパーマーケット等における賞味期限の管理を、裏面に
粘着層が設けられた紙ラベルの表面に期限を印字し、こ
の印字された紙ラベルを金属製品やプラスチック製品に
貼り付けることで行っていたが、本発明に係る感熱浸透
型印判を用いれば、金属製品やプラスチック製品等に直
接印字して期限管理を行うことが可能となる。これによ
り、紙ラベルが不要になるとともに、紙ラベルの貼付作
業が不要となり、期限管理コストを低減することができ
る。また、本発明においては、インクに熱溶融性不揮発
インクを用いているので、インクの揮発による不快な臭
いが発生することもない。
【0032】また、本発明に係る感熱浸透型印判におい
ては、多数回印刷しても、多孔質性金属体(2)内の熱
溶融性不揮発インクが順次、染みだしてくるため、何回
でも印刷を行うことができる。しかも、印字シート
(4)は不織布(9)によって強化されているために傷
みにくく、多数回印刷をしても鮮明な印刷を行うことが
できる。また、他のパターンで印刷したい場合には、蓋
本体(14)から押さえ板(15)を取り外して他の印
刷パターンが形成された印字シート(4)に交換し、再
度押さえ板(15)を装着すればよい。この場合、押さ
え板(15)の着脱操作のみで交換作業を行えるため、
印字シート(4)の交換作業を非常に容易に行うことが
できる。また、上記したように、熱溶融性不揮発インク
が多孔質性金属体(2)の中に収容されているため、ヒ
ータ(3)で加熱したときその熱が熱溶融性不揮発イン
ク全体へ瞬間的に伝わり、印刷スタンバイ状態とするま
での時間を非常に短くすることができる。
【0033】
【発明の効果】請求項1の発明は、熱溶融性不揮発イン
クが含浸された多孔質性金属体と、この多孔質性金属体
を加熱して熱溶融性不揮発インクを溶融させる加熱用ヒ
ータと、多孔質性金属体の表面に設けられるとともに、
溶融された熱溶融性不揮発インクを所定パターンで浸出
させる印字シートと、多孔質性金属体および加熱用ヒー
タを収容保持する収容ホルダーと、を備えてなることを
特徴とする感熱浸透型印判であるから、以下の効果を奏
する。すなわち、熱溶融性不揮発インクが多孔質性金属
体の中に収容されているため、ヒータで加熱したときそ
の熱が熱溶融性不揮発インク全体へ瞬間的に伝わる。し
かも、印字体がシートなので加熱用ヒータからの熱がシ
ート表面まで瞬間的に伝わる。従って、加熱用ヒータの
電源をオンにしてから印刷スタンバイ状態とするまでの
時間を大幅に短縮することができる。また、熱溶融性不
揮発インクが含浸される部材は金属であるから、従来の
ように樹脂で成形されたものよりも、熱などに対する耐
久性が格段に優れている。請求項2の発明は、前記印字
シートが、不織布の表面にインク不透過層が形成される
とともにこのインク不透過層が前記所定パターンを除く
部位に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載
の感熱浸透型印判であるから、以下の効果を奏する。す
なわち、印刷パターンを構成するインク不透過層は不織
布の表面に形成されたものであるため、インク不透過層
は不織布によって補強され、多数回印刷しても傷みにく
くなる。従って、多数回にわたって鮮明な印刷を行うこ
とができる。請求項3の発明は、前記印字シートが、多
孔質性樹脂シートを加工したものであり、前記インク不
透過層が、多孔質性樹脂シートに熱を加えて孔をつぶす
ことで形成されていることを特徴とする請求項2に記載
の感熱浸透型印判であるから、以下の効果を奏する。す
なわち、印字シートを、多孔質性樹脂シートに熱を加え
て一部の孔をつぶすだけで得ることができるので、印字
シートの製造時間および製造コストを低減することがで
きる。請求項4に記載の発明は、前記印字シートが、前
記収容ホルダーに対し、着脱自在に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の感
熱浸透型印判であるから、以下の効果を奏する。すなわ
ち、印字シートを着脱可能とすることにより、印刷パタ
ーンの変更時や、印字シートが傷んだ場合等に、容易に
交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る感熱浸透型印判を示す斜視図であ
る。
【図2】本発明に係る感熱浸透型印判において、その箱
本体と蓋体とを分離した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る感熱浸透型印判を示す断面図であ
る。
【図4】本発明に係る感熱浸透型印判において、その印
字シートの構造を示す断面図で、(a)は、凸版の場合
を示す図であり、(b)は、凹版の場合を示す図であ
る。
【図5】従来の感熱浸透型印判を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・感熱浸透型印判 2・・・・・多孔質性金属体 3・・・・・加熱用ヒータ 4・・・・・印字シート 6・・・・・収容ホルダー 9・・・・・不織布 11・・・・インク不透過層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 598104540 阪井 啓一 大阪市住之江区浜口西2丁目10番7号 (71)出願人 598104551 原田 賢一 大阪府藤井寺市藤ケ丘1−13−4 (72)発明者 福田 智丞 大阪府藤井寺市小山藤の里町7番20号 (72)発明者 田中 佑司 大阪府堺市常磐町3丁19−8 (72)発明者 小川 洋史 大阪府吹田市高野台3−9−11 (72)発明者 阪井 啓一 大阪市住之江区浜口西2丁目10番7号 (72)発明者 原田 賢一 大阪府藤井寺市藤ケ丘1−13−4

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱溶融性不揮発インクが含浸された多孔
    質性金属体と、この多孔質性金属体を加熱して熱溶融性
    不揮発インクを溶融させる加熱用ヒータと、多孔質性金
    属体の表面に設けられるとともに、溶融された熱溶融性
    不揮発インクを所定パターンで浸出させる印字シート
    と、多孔質性金属体および加熱用ヒータを収容保持する
    収容ホルダーと、を備えてなることを特徴とする感熱浸
    透型印判。
  2. 【請求項2】 前記印字シートは、不織布の表面にイン
    ク不透過層が形成されるとともにこのインク不透過層が
    前記所定パターンを除く部位に形成されてなることを特
    徴とする請求項1に記載の感熱浸透型印判。
  3. 【請求項3】 前記印字シートは、多孔質性樹脂シート
    を加工したものであり、前記インク不透過層は、多孔質
    性樹脂シートに熱を加えて孔をつぶすことで形成されて
    いることを特徴とする請求項2に記載の感熱浸透型印
    判。
  4. 【請求項4】 前記印字シートは、前記収容ホルダーに
    対し、着脱自在に取り付けられていることを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれかに記載の感熱浸透型印判。
JP10220816A 1998-08-04 1998-08-04 感熱浸透型印判 Pending JP2000052630A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017185688A (ja) * 2016-04-05 2017-10-12 グローリ産業株式会社 レーザ加工用多孔質印材およびこれを用いた多孔質印版、並びにその製造方法

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