JP3561152B2 - 孔版印刷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は孔版印刷装置に関し、更に詳しくは固体状態から液体状態に相変化するインクを用いてインクの乾燥性を改善し、印刷物の裏移りや裏抜け等の発生を防止することができ、さらに、印刷開始までのウォームアップ時間の短縮と熱エネルギー効率の向上を図った孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
孔版印刷は版の作製が容易なため幅広い分野において利用されている。しかし、孔版印刷後のインクの乾燥に時間を要し、印刷された用紙などを印刷直後に手で持った場合、手にインクが転移したリ、また連続印刷の際に印刷した用紙などを重ね合わせると、インクの裏移りが発生し、特にインクの浸透性が悪い葉書用紙などではこれらの現象が著しいという問題があった。この理由は、従来の孔版印刷用のインクの乾燥が、油相成分の浸透及び水相の蒸発のみに依存しているためであり、従って、インクの浸透性の悪い用紙では、インクの乾燥が著しく低下した。
【0003】
これらの欠点を改良するために、油相及び/又は水相に熱硬化性成分を含有させたり(特開平6−128516号公報、特開平6−172691号公報)、固体微粒子をエマルジョンインクに添加したり(特開平6−116525号公報)する方法が提案されているが、未だ十分な結果が得られていない。
【0004】
また、従来のエマルジョンインクでは使用環境温度によってインクの粘度が変化し、例えば高温のときインクが軟らかくなり、インクの裏抜けや、わき漏れや尻漏れ(版胴に巻装された原紙の端部からインクが漏れる現象)が発生するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、一定の温度で可逆的に固体状態から液体状態に相変化するインクを用いて孔版印刷を行うことにより、インクの乾燥性を向上させ、印刷物の裏移りと裏抜けを防ぎ、わき漏れや尻漏れを防止するとともに、印刷開始までのウォームアップ時間を短縮し、さらに熱エネルギーを効率よく利用することができる孔版印刷装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記目的は、外周面に製版済み孔版原紙が巻装されて自身の中心軸線周りに回転駆動される円筒状版胴と、該版胴の内周面に内接して設けられ、可逆的に固体状態から液体状態に相変化する孔版印刷インクを該版胴の外周面に供給するスキージ手段と、印刷用紙が前記版胴の回転に同期して移動する状態にて、該版胴と該印刷用紙との少なくとも何れか一方を押圧して相互に密着させ、該版胴の内周面の液体状インクを製版された孔版原紙を介して印刷用紙に転移させる押圧機構とを備えた孔版印刷装置において、前記円筒状版胴の周壁は、通電することにより発熱するインク通過性の多孔性部材からなることを特徴とする孔版印刷装置によって達成される。
【0007】
本発明の孔版印刷装置では、一定の温度で可逆的に固体状態から液体状態に相変化するホットメルトインクが使用される。このホットメルトインクは孔版印刷時には加熱装置により一定の粘度を有する液体状のインクとされるため、孔版原紙の穿孔部を通過して、被印刷体上に転移することができる。また被印刷体上に転移した液体状インクは、その搬送中に瞬時に相変化して固体状のインクとなり、被印刷体に短時間で固着することができる。従って、本発明の孔版印刷装置で印刷された印刷物を印刷直後に触れてもインクで手が汚れることもなく、また連続印刷を行っても裏移りは発生しない。
【0008】
さらに、本発明の孔版印刷装置では、版胴の周壁が、通電することにより発熱するインク通過性の多孔性部材からなる。このように、版胴のインキ通過経路である周壁が通電により発熱する多孔性部材からなり、該多孔性部材は適当な電源に接続されて通電時に発熱するため、該周壁の内部及び近傍に存在するホットメルトインクを短時間で加熱することができる。その結果、孔版原紙の近傍のホットメルトインクが最初に固体から液体に相変化するので、直ちに印刷を開始することができる。また、通電された多孔性部材の加熱エネルギーによって、ホットメルトインク及び版胴に接触している部材の温度が優先的に上昇する。従って、本発明の孔版印刷装置の温度勾配は、版胴を最高温度として、該版胴からの距離が離れるほど低温になるので、熱伝導及び熱輻射によるエネルギーの損失が少ない。
【0009】
また本発明で使用するホットメルトインクは瞬時に液体から固体へ相変化するため、被印刷体の内部に浸透せず、インクの裏抜けも発生しない。したがって、通常の印刷用紙やインクの浸透性の悪い葉書用紙はもちろん、フィルムや金属等の被印刷体にも印刷することができる。
【0010】
上記ホットメルトインクは、30〜150℃、好ましくは40〜120℃の温度で固体状態から液体状態へ可逆的に相変化するものが好ましい。ここで、固体状態とは、インキに触れても付着しない程度に流動性を失った状態を意味し、液体状態とは、固体状態よりも流動性が高い状態、好ましくは、インキが孔版原紙の穿孔部から流出し得る程度の粘度を備える状態を意味し、相変化温度とは、該インキが上記固体状態を保つ最高温度を意味する。相変化温度が30℃よりも低い場合、孔版印刷装置の機内温度や環境温度が30℃になるとインクが流動化し、その結果印刷機を汚したり、わき漏れや尻漏れが発生しやすくなる。また、相変化の温度が150℃よりも高い場合、インキの加熱装置が大きくなり、多くの熱エネルギーが必要になり、さらには、インクを液体状態に相変化させるまでの時間も長くかかり、したがって、印刷を開始するまでの待ち時間が長くなる。
【0011】
上記ホットメルトインクは、一定の温度で固体状態から液体状態へ可逆的に相変化する成分に必要に応じて着色剤を混合することによって作成できる。
【0012】
上記可逆的相変化成分としては、ワックス類、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、樹脂類が使用され、具体的には、例えば、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、キャンデリラワックス、シェラックワックス、酸化ワックス、エステルワックス、蜜ロウ、木ロウ、鯨ロウ、ステアリン酸アミド、ラウリル酸アミド、ベヘン酸アミド、カプロン酸アミド、パルミチン酸アミド、低分子ポリエチレン、ポリスチレン、α−メチルスチレン重合体、ビニルトルエン、インデン、ポリアミド、ポリプロピレン、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。該可逆的相変化成分の融点又は軟化点は、好ましくは30〜150℃、特に好ましくは40〜120℃である。
【0013】
上記着色剤の例としては、ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、シアニンブルー、レーキレッド、シアニングリーン、酸化チタン、炭酸カルシウム等の有機無機の顔料、及びアゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系等の染料が挙げられる。
【0014】
上記ホットメルトインクには、必要に応じて、アニオン系、カチオン系、ノニオン系の分散剤を添加してもよく、具体的には、例えばソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、4級アンモニウム塩などがあげられる。
【0015】
上記ホットメルトインクは、油性インク及びW/O型エマルジョンインクの形態をとることができる。油性インクは可逆的相変化成分、着色剤、分散剤等を溶解混合することにより製造される。相変化するエマルジョンインクは、可逆的相変化成分、着色剤、分散剤等を溶解混合しておき、ここに水相成分を撹拌しながら添加して乳化させることにより製造される。なお、着色剤は水相に含有させてもよい。
【0016】
上記ホットメルトインクを用いて孔版印刷する際には、インク粘度が10〜100万cps、好ましくは100〜10万cpsであることが望ましい。印刷時のインク粘度が10cpsよりも低い場合、印刷機からのわき漏れや尻漏れ(版胴に巻装された原紙の端部からインクが漏れる現象)が生じ、また、インクが印刷された用紙の表面から内部へ急速に浸透して裏抜けが発生することがある。印刷時のインク粘度が100万cpsよりも高い場合、穿孔された孔版原紙からインクが通過しにくくなり、印刷濃度が低くムラのある印刷物となることがある。
【0017】
本発明の印刷装置において、製版された孔版原紙の穿孔部から液体状態のインクを通過させ、印刷用紙上にインクを転移させる際、孔版原紙と印刷用紙を0.01〜10kg/cm2、好ましくは0.05〜5kg/cm2の圧力で押し付けて、0.001〜10秒、好ましくは0.005〜5秒の時間で印刷を行うのが好ましい。圧力が低く時間が短いと、穿孔された孔版原紙から液体状態のインクが通過しにくくなり、そのため印刷用紙上のインク転移量が少なく、印刷濃度が低くムラのある印刷物となることがある。一方、圧力が高く時間が長いと、孔版原紙からのインクの通過量が多くなり、そのため印刷用紙上のインク転移量が多くなり、ニジミやボケのある不鮮明の印刷物となることがあり、また、裏抜けや裏移りも発生しやすい。従って、本発明の印刷装置においては、圧力が低いときは時間を長くし、圧力が高いときは時間を短くしたほうが、良好な印刷物を得ることができる。
【0018】
本発明の孔版印刷装置には、感圧性孔版原紙、感熱性孔版原紙、または溶解性孔版原紙のいずれの孔版原紙も使用することができる。感圧性孔版原紙は、鉄筆、ドットプリンター等で直接画像状に孔版原紙を穿孔して製版される。感熱孔版原紙は、熱吸収性原稿と孔版原紙を重ね合わせてフラッシュ露光したり、又はサーマルヘッドで画像状に孔版原紙を溶融穿孔して製版される。溶解性孔版原紙は、溶剤吐出装置から画像状に溶剤を孔版原紙上に転移させ、孔版原紙を溶解穿孔して製版される。
【0019】
本発明の孔版印刷装置の版胴の周壁は、通電することにより発熱するインク通過性の多孔性部材からなる。すなわち、該周壁は、版胴内面から版胴外面にインクを通過させるように貫通した多数の孔を備え、適当な電源に接続して通電することにより発熱する多孔性部材から構成される。かかる発熱性の多孔性部材は、織布、不織布又は紗等の網目状の布にカーボンブラックグラフトポリマーのような導電性樹脂を含浸又は塗布した網目状ヒーター、チタン酸バリウム等を主成分としたPTC(Positive Temperature Coefficient)特性を有する多孔性セラミックス、ガラス状(アモルファス)カーボン多孔体などの発熱抵抗体を用いて作成することができ、自己温度制御型であると好都合である。かかる発熱抵抗体を単独で多孔性成形体に成形して円筒状版胴の周壁として用いてもよいが、機械的強度を保持するために、パンチングメタル、連続孔を有する金属焼結体、連続孔を有する高分子多孔体等の円筒状の多孔性構造体に上記発熱抵抗体の多孔層を積層して用いてもよい。さらに、必要に応じて、通常の孔版印刷装置の版胴に使用されるインク通過性材料、例えば金属繊維、合成繊維、スクリーンメッシュ、高分子多孔性シート等を前記多孔性部材に巻装して多層構造の周壁としてもよい。
【0020】
本発明の孔版印刷装置においては、前記円筒状版胴の周壁にホットメルトインクが予め含浸されていてもよい。すなわち非加熱時は、多孔性部材の表面及び細孔内にホットメルトインクが固体状で充填された状態であるが、該多孔性部材に通電することで該部材の内部が加熱され、ホットメルトインクが液体状になる。この時、該多孔性部材に製版済みの孔版原紙が装着されていれば、この液体状インクにより直ちに印刷可能となる。
【0021】
多孔性部材に予めホットメルトインクを含浸させるには、例えばホットメルトインクを加熱して液体状態とし、この液体状インクの中に円筒版胴を浸漬し、多孔性部材の細孔の内部にインクを充填した後引き上げる。そして、多孔性部材の細孔に充填された液体状インクは、相変化温度よりも冷却されると固体状になり、固体状インクが充填された版胴が得られる。または、版胴を回転させながらその周壁を加熱し、該周壁に固体状または液体状のホットメルトインクを塗布することでも得ることができる。
【0022】
本発明の孔版印刷装置では、印刷時、版胴の周壁が通電されることにより発熱し、インクは該周壁の周辺で加熱されて液体状態とされるとともに、回転駆動された版胴の内部でその周壁の内周面に摺接するスキージ手段により周壁の外方へ押し出されて常に液体状態で孔版原紙に転移する。しかし、版胴内でスキージ手段の近傍に位置して版胴の周壁に未だ至らないインクは必ずしも液体状である必要はない。すなわち、版胴の周壁内に予め充填されていたインクが印刷に消費されて不足した場合は、版胴内部に固体状態のホットメルトインクを補充することで印刷を続けることができる。この補充された固体状のインクは版胴周壁からの加熱でやがて液体状態となり印刷に供される。
【0023】
本発明によれば、製版された孔版原紙は、従来の回転式孔版印刷装置と同様に、自身の中心軸線周りに回転する版胴の外周面に巻装され、印刷用紙が版胴の回転に同期して移動する状態で、版胴と印刷用紙の少なくとも何れか一方を押圧して相互に密着させる押圧機構の助けにより、版胴内部の加熱により固体状態から液体状態に相変化したホットメルトインクを孔版原紙の穿孔部から通過させて印刷用紙に転移させることで印刷を達成する。
【0024】
上記押圧機構は、例えば版胴の外部でこれに対向して設けられ、その外周面を押圧する金属ローラー、ゴムローラー等の剛体又は弾性体からなるプレスローラーのような押圧手段とすることができ、または、金属ローラー、プラスティックブレード等の剛体又は弾性体からなる上記スキージ手段を版胴の外方に押圧して版胴の周面を膨出させる手段としてもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の孔版印刷装置を図面により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】
図1は本発明の一具体例を示す孔版印刷装置の模式断面図である。
【0027】
図1の孔版印刷装置は、インク通過性の円筒状版胴1を備え、該版胴1の周壁は、円筒状パンチングメタル1aと、その外周面に巻装された網目状発熱抵抗体1bとからなる多孔性部材で作製されている。この網目状発熱抵抗体1bは、ガラスクロスに導電性樹脂を塗布して含浸させたインキ通過性の網目状ヒーターであり、電極(図示せず)を介して電源(図示せず)に接続されており、通電することによって発熱する。さらに、該多孔性部材からなる版胴1の外周には、製版済み孔版原紙2が巻装されている。また、該孔版印刷装置は、円筒状パンチングメタル1aの内周面に内接するように配置されたスキージローラ3をスキージ手段として備え、版胴1の外部下方には印刷用紙5を孔版原紙2に押圧するとともに、版胴1の回転に同期して回転して該印刷用紙5を搬送するプレスローラ4が押圧機構として設けられている。
【0028】
以上のような構成において、網目状発熱抵抗体1bに通電すると版胴の周壁は発熱し、該周壁内及びその近傍に存在するホットメルトインクは固体状態から液体状態のインク6に相変化する。このとき、版胴1を回転させるとともに、該回転に同期させて印刷用紙5をプレスローラ4で版胴1の外周面に押圧しつつ搬送すると、該液体状態のインク6はスキージローラ3によって版胴1の外方に押し出され、孔版原紙2を通過した液体状インクが印刷用紙5に転移され印刷が行われる。転移したインクは印刷用紙5の搬送中に室温にさらされると、瞬時に固体状のインク7となり定着する。
【0029】
図2は本発明の孔版印刷装置の別の具体例を示す模式断面図である。
【0030】
図2の孔版印刷装置は、版胴1の周壁を、導電性カーボンの発泡成形体からなるインキ通過性の円筒状多孔性部材で構成した以外、図1の装置と同様である。なお該多孔性部材に通電する電極及び電源は図示されていない。このような構成とすることで、本発明の版胴を低価格で簡単に製造することができる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明する。
【0032】
実施例1
図1の孔版印刷装置を用いて以下のようにして孔版印刷を行った。
【0033】孔径1mm(開孔率25%)の孔を有する直径10cmの円筒のパンチングメタル1aの外周面に、ガラスクロスにカーボンブラックのグラフトポリマーからなる導電性樹脂を含浸塗布したインキ通過性の網目状発熱抵抗体1bを巻き付け、該発熱抵抗体の両端に摺動性の電極を取り付け、版胴1とした。また、スキージローラ3として、図示しない押し付け機構によりパンチングメタル1aの内周面に摺接するように配置された直径2cmの金属ローラを用いた。次に版胴1の外周に製版済みの孔版原紙2を巻き付けた後、版胴1を回転駆動させながらパンチングメタル内周面が70℃になるように、発熱抵抗体1bに通電して加熱した。次に、カーボンブラック5重量部、パラフィンワックス85重量部及びエチレン−酢酸ビニル共重合体10部からなる固体のホットメルトインクを、図示しないインク供給手段により版胴1内に供給すると、ホットメルトインクは液体状態になった。ここで、印刷用紙5をプレスローラ4にて版胴1に圧接した状態で通過させると、液体状態のインクは孔版原紙2の穿孔部を通過し、印刷用紙5の上に液体状態で転移した。印刷用紙5上に転移した液体状態のインクは、印刷用紙5上で瞬時に固体状態のインク7となり鮮明な画像が印刷された。
【0034】
この印刷物を手でこすってもインクで手を汚すことはなかった。また、この状態で100枚連続して印刷を行っても、重ねられた印刷物に裏移りは発生しなかった。
【0035】
また、一旦印刷を終了した後、孔版印刷装置が室温まで下がると、ホットメルトインクが該パンチングメタル1aと発熱抵抗体1bの中に充填されたまま固体状態になった。ここで、再び版胴1が70℃になるように発熱抵抗体1bを通電すると、直ちに印刷を行うことができた。
【0036】
実施例2
図2の孔版印刷装置を用いて以下のようにして孔版印刷を行った。
【0037】
内径5cm、外径6cm、長さ20cmの円筒形の電導性カーボン発泡成形体(平均孔径10μm、気孔率60%)の両端に電極を取り付け版胴1とした。次に実施例1と同様のホットメルトインクを版胴1内に供給しながら、版胴1に通電して加熱した。版胴1内のスキージローラ3の接触面が70℃になるとホットメルトインクは固体状態から液体状態となり、実施例1と同様にして孔版印刷を行うと鮮明な画像が印刷された。また印刷物を手でこすってもインクで手を汚すことはなかった。また、この状態で100枚連続して印刷を行っても、重ねられた印刷物の裏移りは発生しなかった。
【0038】
また、一旦印刷を終了した後、孔版印刷装置が室温まで下がると、ホットメルトインクが版胴1のカーボン発泡成形体の中に充填されたまま固体状態になった。ここで、再び版胴1が70℃になるように通電すると、直ちに印刷を行うことができた。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、孔版印刷装置の円筒状版胴の周壁が、通電することにより発熱するインク通過性の多孔性部材からなるので、印刷開始までのウォームアップ時間を短縮することができ、さらに熱エネルギーを効率よく印刷に使用することができる。また、ホットメルトインクを使用するため、裏移りや裏抜けのない鮮明な印刷物が得られ、また印刷直後に触っても汚れることはないので、印刷を効率よく行うことができる。また、インクが印刷用紙上で瞬時に液体から固体へと相変化するため、通常の印刷用紙やインクの浸透性の悪い葉書用紙だけでなく、フィルムや金属等の被印刷体にも印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の装置の一具体例を示す模式断面図である。
【図2】図2は本発明の装置の別の具体例を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1 版胴
1a 円筒状パンチングメタル
1b 網目状発熱抵抗体
2 製版済み孔版原紙
3 スキージローラ
4 プレスローラ
5 印刷用紙
6 液体状態のインク
7 固体状態のインク
Claims (3)
- 外周面に製版済み孔版原紙が巻装されて自身の中心軸線周りに回転駆動される円筒状版胴と、該版胴の内周面に内接して設けられ、可逆的に固体状態から液体状態に相変化する孔版印刷インクを該版胴の外周面に供給するスキージ手段と、印刷用紙が前記版胴の回転に同期して移動する状態にて、該版胴と該印刷用紙との少なくとも何れか一方を押圧して相互に密着させ、該版胴の内周面の液体状インクを製版された孔版原紙を介して印刷用紙に転移させる押圧機構とを備えた孔版印刷装置において、
前記円筒状版胴の周壁は、円筒状の多孔性構造体に、ガラスクロスにカーボンブラックのグラフトポリマーからなる導電性樹脂を含浸又は塗布したインキ通過性の発熱抵抗体からなる多孔層を積層してなるものであることを特徴とする孔版印刷装置。 - 外周面に製版済み孔版原紙が巻装されて自身の中心軸線周りに回転駆動される円筒状版胴と、該版胴の内周面に内接して設けられ、可逆的に固体状態から液体状態に相変化する孔版印刷インクを該版胴の外周面に供給するスキージ手段と、印刷用紙が前記版胴の回転に同期して移動する状態にて、該版胴と該印刷用紙との少なくとも何れか一方を押圧して相互に密着させ、該版胴の内周面の液体状インクを製版された孔版原紙を介して印刷用紙に転移させる押圧機構とを備えた孔版印刷装置において、
前記版胴の周壁は、通電することにより発熱するインキ通過性カーボン発泡成形体であることを特徴とする孔版印刷装置。 - 前記孔版印刷インクは30〜150℃の温度で可逆的に固体状態から液体状態に相変化するインクである請求項1又は2に記載の孔版印刷装置。
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