JP2000052225A - ワイヤソ―の被加工物取付構造 - Google Patents

ワイヤソ―の被加工物取付構造

Info

Publication number
JP2000052225A
JP2000052225A JP13186699A JP13186699A JP2000052225A JP 2000052225 A JP2000052225 A JP 2000052225A JP 13186699 A JP13186699 A JP 13186699A JP 13186699 A JP13186699 A JP 13186699A JP 2000052225 A JP2000052225 A JP 2000052225A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
workpiece
wire
slice base
work plate
work
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13186699A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiji Yamamoto
清二 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Seimitsu Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Seimitsu Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Seimitsu Co Ltd filed Critical Tokyo Seimitsu Co Ltd
Priority to JP13186699A priority Critical patent/JP2000052225A/ja
Publication of JP2000052225A publication Critical patent/JP2000052225A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】切断した被加工物の反りを抑制することのでき
るワイヤソーの被加工物取付構造を提供すること。 【解決手段】本発明は、スライスベース46を低熱伝導
材料で且つインゴット32と略同一の線膨張係数を有す
る材料で形成するとともに、該スライスベース46の厚
さをワークプレート42のインゴット32に対する熱膨
張の差を吸収してインゴット32側の伸長を許容範囲内
ですることのできる厚さにした。これにより、ワークプ
レート42やスライスベース46の熱膨張がインゴット
32に影響するのを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はワイヤソーの被加工
物取付構造に係り、特にシリコン、ガラス、セラミック
ス等の脆性材料を切断するワイヤソーの被加工物取付構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】ワイヤソーは、複数個のグルーブローラ
にワイヤを巻き掛けてワイヤ列を形成し、このワイヤを
往復走行させるとともに、前記ワイヤ列の切断部に砥粒
を含む加工液を供給し、被加工物を押し付けてウェーハ
に切断する装置である。前記被加工物は、スライスベー
スを介してワークプレートに固着保持され、ワイヤ列に
押し付けられることによって、前記加工液のラッピング
作用を利用してウェーハに切断される。また、前記スラ
イスベースは、一般に厚さ10mm程度のガラスまたは
カーボン等で形成され、被加工物をワークプレートに固
着保持している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ワイヤソーでは、切断したウェーハ、特にその切り終わ
り部に反りを生じるという欠点があった。これは、被加
工物を切断した際に被加工物に生じた加工熱によってワ
ークプレートが温度上昇して熱膨張し、この熱膨張の影
響を受けてワイヤと被加工物の相対位置が被加工物の切
り終わり部において変化するためである。具体的には、
走行するワイヤで被加工物を切断すると、当然、ワイヤ
と被加工物の摩擦熱が生じ、被加工物は温度上昇する。
被加工物は、通常、シリコン等の比較的線膨張率の低い
材料で形成されているので、温度上昇しても大きく熱膨
張することはない。ところが、前記摩擦熱がスライスベ
ースを介してワークプレートに伝達すると、炭素鋼等の
線膨張率の大きい材料で形成されたワークプレートは温
度上昇して大きく熱膨張する。そして、このワークプレ
ートの熱膨張によって、断面積が小さくなる被加工物の
切り終わり部では伸長が生じる。これにより、被加工物
の切断の開始時と終了時では、被加工物の軸線方向にお
いてワイヤと被加工物の相対位置が変化するため、切断
したウェーハに反りを生じる。
【0004】また、切断した被加工物に反りを生じる他
の原因として、次のようなことが考えられる。ワークプ
レートは、通常、ワイヤソーの保持部材によって複数カ
所を保持されてワイヤソーに取り付けられている。この
ように保持されたワークプレートが熱膨張すると、前記
保持部材がワークプレートを保持しきれなくなり、前記
複数カ所のうち保持力が弱い箇所においてワークプレー
トが滑ってズレを生じる。ワークプレートがズレを生じ
ると、ワークプレートに取り付けられた被加工物とワイ
ヤとの相対位置が急激に変化するので、切断した被加工
物に反りを発生する。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、切断した被加工物の反りを抑制することので
きるワイヤソーの被加工物取付構造を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決する為の手段】請求項1の発明は前記目的
を達成するために、ワイヤを複数個のグルーブローラに
巻き掛けてワイヤ列を形成し、前記ワイヤを走行させる
とともに前記ワイヤ列の切断部に被加工物を押しつける
ことにより、多数のウェーハに切断するワイヤソーにお
いて、前記被加工物は、スライスベースを介してワーク
プレートに取り付けられ、前記スライスベースは、低熱
伝導材料で、且つ、前記被加工物と略同一の線膨張率を
有する材料で形成されるとともに、該スライスベースの
厚さは、前記ワークプレートの前記被加工物に対する熱
による膨張の差を吸収して前記被加工物の前記スライス
ベース側における伸長を許容範囲内にする厚さであるこ
とを特徴とする。
【0007】本発明によれば、スライスベースを低熱伝
導材料で形成したので、前記被加工物で発生した加工熱
は、スライスベースで遮られ、ワークプレートに熱伝達
されにくくなる。したがって、ワークプレートの温度上
昇、及び、熱膨張を抑制することができる。これによ
り、切り終わり部近傍における被加工物の伸長を抑える
ことができるので、ワイヤと被加工物の相対位置の変化
量も少なくなり、切断した被加工物の反りを抑制するこ
とができる。
【0008】また、本発明によれば、前記スライスベー
スは、被加工物と略同一の線膨張率の材料で形成されて
いるので、被加工物がスライスベースの熱膨張の影響を
受けることはない。したがって、被加工物とスライスベ
ースとの接触部、即ち、被加工物の切り終わり部に反り
を生じることがない。具体的には、例えば、スライスベ
ースの線膨張率が被加工物より非常に大きいと、スライ
スベースは、被加工物の加工熱の影響を受けて熱膨張
し、このため、切断した被加工物は、断面積の小さくな
る切り終わり部においてスライスベースの熱膨張の影響
を受けやすくなり、伸長するために反りを生じてしま
う。逆に、スライスベースの熱膨張が被加工物より非常
に小さいと、スライスベースが膨張せず、切断した被加
工物の切り終わり部に収縮方向の反りを生じる。本発明
のスライスベースは、スライスベースが被加工物と略同
一の線膨張率を有しているので、被加工物の切り終わり
部の反りを抑制することができる。
【0009】さらに、本発明によれば、スライスベース
が、前記ワークプレートの前記被加工物に対する熱によ
る膨張の差を吸収して前記被加工物の前記スライスベー
ス側における伸長を許容できる範囲にする厚さに形成さ
れているので、仮にワークプレートが熱膨張しても前記
被加工物の伸長は許容範囲内に抑制される。したがっ
て、被加工物のスライスベース側、即ち、切り終わり部
に反りを生じることがない。
【0010】請求項2の発明は前記目的を達成するため
に、ワイヤを複数個のグルーブローラに巻き掛けてワイ
ヤ列を形成し、前記ワイヤを走行させるとともに前記ワ
イヤ列の切断部に被加工物を押しつけることにより、多
数のウェーハに切断するワイヤソーにおいて、前記被加
工物は、複数の部材を介してワークプレートに取り付け
られ、該複数の部材は、前記被加工物側に取り付けられ
る前記被加工物と略同一の線膨張率を有する材料で形成
されたスライスベースと、前記ワークプレート側に取り
付けられる低熱伝導材料で形成されたプレートとを介し
て、前記被加工物を前記ワークプレートに固着すること
を特徴とする。
【0011】本発明によれば、前記スライスベースが前
記被加工物と略同一の線膨張率を有しているので、被加
工物がスライスベースの熱膨張の影響を受けることはな
い。したがって、被加工物の切り終わり部の反りを防止
することができる。また、本発明によれば、被加工物と
ワークプレートとの間に設けた低熱伝導材料のプレート
が、被加工物で発生した加工熱を遮断するので、ワーク
プレートが熱膨張することがない。したがって、切り終
わり部近傍における被加工物の伸長を抑えることがで
き、被加工物の反りを防止することができる。また、請
求項2の発明は、被加工物をワークプレートに取り付け
るために複数の部材を用いているので、請求項1の発明
に対して材料の制約が少なく、材料選びの点で有利であ
る。
【0012】請求項5の発明は前記目的を達成するため
に、ワイヤを複数個のグルーブローラに巻き掛けてワイ
ヤ列を形成し、前記ワイヤを走行させるとともに前記ワ
イヤ列の切断部に被加工物を押しつけることにより、多
数のウェーハに切断するワイヤソーにおいて、前記被加
工物は、ワークプレートの前記被加工物の軸方向の両端
部を一対の保持部材によって保持することにより前記ワ
イヤソーに取り付けられ、前記一対の保持部材は、保持
したワークプレートがズレを生じる力未満の力で前記被
加工物の軸方向に撓みを生じる強度で形成されるととも
に、それぞれが同じ強度で形成されたことを特徴とす
る。
【0013】本発明によれば、ワークプレートの両端部
を保持する一対の保持部材は、ワークプレートが保持部
材に対してズレを生じる前に撓むので、前記ズレを防止
することができる。したがって、ワークプレートが保持
部材に対してズレを生じたときのように、被加工物に曲
率の大きな反りを発生することがない。また、本発明に
よれば、前記一対の保持部材は、それぞれが同じ強度を
有しているので、ワークプレートが熱膨張した際に撓む
量も同じである。したがって、熱膨張したワークプレー
トは両方向に均等に伸長し、ワークプレートが一方側に
偏って伸長した時のように、ワイヤに対する被加工物の
相対位置が大きく変化して切断した被加工物の反りが大
きくなることはない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
るワイヤソーの被加工物取付構造の第1の実施の形態に
ついて詳説する。図1は、第1の実施の形態の被加工物
取付構造が適用されるワイヤソー10の全体構成図であ
る。
【0015】同図に示すように、ワイヤリール12に巻
かれたワイヤ14は、多数のガイドローラ16、16、
…で形成されるワイヤ走行路を経て3本のグルーブロー
ラ18A、18B、18Cに巻き掛けられ、平行なワイ
ヤ列20を形成する。ワイヤ列20を形成したワイヤ1
4は、ワイヤ列20を挟んで左右対称に形成された他方
側のワイヤ走行路を経て図示しないワイヤリールに巻き
取られる。
【0016】前記ワイヤ列20の両側に形成されるワイ
ヤ走行路には、それぞれワイヤ案内装置22、ダンサロ
ーラ24及びワイヤ洗浄装置26が配設されており(一
方側のみ図示)、ワイヤ案内装置22は、ワイヤリール
12からワイヤ14を一定ピッチでガイドする。また、
ダンサローラ24は、所定重量のウェイト(図示せず)
が架設されていて、走行するワイヤ14にこのウェイト
で一定の張力を付与する。ワイヤ洗浄装置26は、走行
するワイヤ14に洗浄液を噴射してワイヤ14に付着し
たスラリをワイヤ14から除去する。
【0017】前記一対のワイヤリール12及びグルーブ
ローラ18Cには、それぞれ正逆回転可能なモータ(図
示せず)が連結されており、前記ワイヤ14は、このモ
ータを駆動することにより、一対のワイヤリール12間
を高速で往復走行する。前記ワイヤ列20の上方には、
ワイヤ列20に対して垂直に昇降移動するワークフィー
ドテーブル28が設置されている。ワークフィードテー
ブル28には保持部30が備えられており、インゴット
32は、この保持部30の下部に結晶方位合わせして保
持される。
【0018】図2は、インゴット32の取付構造を説明
する側面図である。同図に示すように、インゴット32
には、スライスベース46が固着され、このスライスベ
ース46の上面にワークプレート42が固着される。イ
ンゴット32は、前記ワイヤソー10の保持部30に前
記ワークプレート42を保持することにより、ワイヤソ
ー10に取り付けられる。
【0019】前記スライスベース46は、低熱伝導材料
で、且つ、インゴット32と略同一の線膨張率を有する
材料で形成される。例えば、インゴット32にシリコン
を用いた場合、シリコンの線膨張率、2.6×10-6
近い線膨張率を有するガラスやセラミックス等でスライ
スベース46を形成する。また、スライスベース46
は、厚さ(インゴット32とワークプレート42の最短
距離)が所定の厚さL、例えば30mmに形成されてい
る。ここでいう所定の厚さLは、実験等により求められ
る値であり、ワークプレート42のインゴット32に対
する熱による膨張の差をスライスベース46で吸収し
て、インゴット32のスライスベース46側における伸
長を許容範囲内にする値である。
【0020】次に、上記の如く構成された第1の実施の
形態の被加工物取付構造の作用について説明する。ま
ず、インゴット32を固着保持したワークプレート42
を、保持部30に装着する。次に、モータ(図示せず)
を駆動してワイヤリール12及びグルーブローラ18C
を高速回転させ、ワイヤ14を高速で往復走行させる。
そして、ワークフィードテーブル28を下降させ、走行
するワイヤ列20にインゴット32を押し当てる。この
際、ワイヤ列20とインゴット32との接触部には、図
示しないノズルからスラリが供給され、インゴット32
は、このスラリ中に含有される砥粒のラッピング作用で
多数枚のウェーハに切断される。
【0021】上述した切断工程において、切断中、イン
ゴット32は、ワイヤ14との摩擦によって加工熱を発
生している。このインゴット32で発生した加工熱は、
スライスベース46に熱伝達し、さらにワークプレート
42に熱伝達しようとする。しかし、スライスベース4
6は低熱伝導材料で形成されているので、ワークプレー
ト42への熱伝達が妨げられ、ワークプレート42は、
殆ど温度上昇、即ち熱膨張しない。したがって、ワーク
プレート42の熱膨張によってインゴット32が伸長す
ることはないので、切断したウェーハの反りを抑制する
ことができる。
【0022】また、スライスベース46は、インゴット
32と略同一の線膨張率を有する材料で形成されている
ので、インゴット32で加工熱を発生した際に、インゴ
ット32と略同程度の熱膨張をする。したがって、スラ
イスベース46をインゴット32の線膨張率と大きく異
なる材料で形成した場合のように、インゴット32の熱
膨張がスライスベース46によって助長されたり抑制さ
れたりすることはない。これにより、インゴット32の
スライスベース46側、即ち切り終わり部における反り
を防止することができる。
【0023】また、スライスベース46は所定の厚さL
で形成されているので、ワークプレート42が温度上昇
して熱膨張しても、その熱膨張を吸収することができ
る。したがって、インゴット32のスライスベース46
との接触部分の伸長を許容範囲に抑えることができ、切
断したウェーハの反りを抑制することができる。図3
は、被加工物取付構造の参考図である。なお、図2で示
した第1の実施の形態と同一若しくは類似の部材につい
ては、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0024】同図に示すインゴット32は、スライスベ
ース50とプレート52を介してワークプレート42に
取り付けられる。スライスベース50は、インゴット3
2と同一の材料、例えばシリコン等で形成され、プレー
ト52は、例えば、ガラス、セラミック、または、いわ
ゆる断熱材といった熱伝導率の低い低熱伝導材料で形成
される。
【0025】上記の如く構成された参考例では、プレー
ト52が低熱伝導材料で形成されているので、ワークプ
レート42の温度上昇、即ち、熱膨張を抑制することが
できる。したがって、ワークプレート42の熱膨張に伴
うインゴット32の伸長を防止することができる。ま
た、前記参考例では、スライスベース50とインゴット
32とが同一の線膨張率を有するので、インゴット32
は、その上端部分においてスライスベース50の熱膨張
による影響を受けることがない。したがって、切断した
ウェーハの切り終わり部の反りを防止することができ
る。
【0026】なお、前記参考例では、スライスベース5
0をインゴット32と同一の材料を用いて形成したが、
インゴット32と略同一の線膨張率を有する材料であれ
ばよい。また、前記参考例において、3個以上の部材を
介してインゴット32をワークプレート42に取り付け
てもよい。この場合、インゴット32に接する部材をイ
ンゴット32と略同一の線膨張率を有する材料で形成
し、残りの部材のうち少なくとも1個を低熱伝導材料で
形成すれば、上述した実施の形態と同様の効果を得るこ
とができる。
【0027】第2の実施の形態のワークプレートは、イ
ンゴット32の線膨張率と略同一の材料で形成される。
このように形成された第2の実施の形態では、インゴッ
ト32で発生した加工熱が前記ワークプレートに伝わっ
てワークプレートが熱膨張しても、インゴット32に影
響を及ぼすことがない。即ち、前記ワークプレートは、
インゴット32と略同一の線膨張率を有するので、ワー
クプレートとインゴット32の熱膨張の差は殆どない。
したがって、ワークプレートの熱膨張によってインゴッ
ト32の切り終わり部が伸長することはないので、切断
したウェーハの反りを防止することができる。
【0028】図4は、第3の実施の形態の被加工物取付
構造の側面図である。なお、図2で示した第1の実施の
形態と同一若しくは類似の部材については、同一の符号
を付してその説明を省略する。ワークプレート42は、
インゴット32の軸方向の両端を、保持部30である一
対のワークホルダ(保持部材)44、44とクランプ先
端48、48とで挟持することにより、ワイヤソー10
に保持される。この一対のワークホルダ44、44は、
インゴット32の軸方向の強度が、保持したワークプレ
ート42がズレを生じる力未満の力で撓む強度で形成さ
れている。即ち、インゴット32の軸方向にワークプレ
ート42に力が加わった際、ワークプレート42がワー
クホルダ44に対して滑ってズレを発生する前に、ワー
クホルダ44、44が矢印58方向に撓むように設定さ
れている。
【0029】このように形成された被加工物取付構造で
は、ワークプレート42が温度上昇して熱膨張すると、
ワークホルダ44、44は矢印58方向に撓むので、ワ
ークプレート42がズレを発生することがない。したが
って、前記ズレを発した時のようにワイヤ14とインゴ
ット32との相対位置が大きく変化して、切断したウェ
ーハに大きな反りを発生することがない。また、ワーク
ホルダ44、44は、それぞれが同じ強度で形成されて
いるので、その撓み量は等しくなる。したがって、ワー
クプレート42が一方側に偏って伸長した時のように、
ワイヤ14とインゴット32の相対位置が大きく変化し
てウェーハに大きな反りを発生することがない。
【0030】なお、上述した第3の実施の形態では、ワ
ークプレート42を一対のワークホルダ44、44とク
ランプ先端48、48で挟持したが、ワークプレート4
2の両端を挟持するのであれば何でもよく、例えば、ボ
ルトによる締結であっても良い。また、上述した第1、
2、3の実施の形態及び図3に示した参考例の幾つかを
組み合わせて構成してもよい。例えば、第1の実施の形
態及び図3の参考例を組み合わせて形成し、スライスベ
ース46を低熱伝導材料で且つインゴット32と略同一
の線膨張率を有する材料で形成するとともに、ワークプ
レート42をインゴット32と略同一の線膨張率を有す
る材料で形成する。これにより、インゴット32で加工
熱を発生しても、インゴット32は、ワークプレートや
スライスベースの熱膨張の影響を受けないので、ウェー
ハの反りを確実に防止することができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の被加工物
取付構造は、ワークプレートやスライスベースの熱膨張
を防止したので、切断した被加工物の反りを防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の被加工物取付構造が適用さ
れたワイヤソーの全体構成図
【図2】図1の被加工物取付構造の構成を示す側面図
【図3】被加工物取付構造の構成を示す参考図
【図4】第3の実施の形態の被加工物取付構造の構成を
示す側面図
【符号の説明】
10…ワイヤソー 14…ワイヤ 18A〜18C…グルーブローラ 20…ワイヤ列 28…ワークフィードテーブル 30…保持部 32…インゴット 42…ワークプレート 44、44…ワークホルダ 46、50、56…スライスベース 52…プレート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤを複数個のグルーブローラに巻き
    掛けてワイヤ列を形成し、前記ワイヤを走行させるとと
    もに前記ワイヤ列の切断部に被加工物を押しつけること
    により、多数のウェーハに切断するワイヤソーにおい
    て、 前記被加工物は、スライスベースを介してワークプレー
    トに取り付けられ、前記スライスベースは、低熱伝導材
    料で、且つ、前記被加工物と略同一の線膨張率を有する
    材料で形成されるとともに、該スライスベースの厚さ
    は、前記ワークプレートの前記被加工物に対する熱によ
    る膨張の差を吸収して前記被加工物の前記スライスベー
    ス側における伸長を許容範囲内にする厚さであることを
    特徴とするワイヤソーの被加工物取付構造。
  2. 【請求項2】 ワイヤを複数個のグルーブローラに巻き
    掛けてワイヤ列を形成し、前記ワイヤを走行させるとと
    もに前記ワイヤ列の切断部に被加工物を押しつけること
    により、多数のウェーハに切断するワイヤソーにおい
    て、 前記被加工物は、複数の部材を介してワークプレートに
    取り付けられ、該複数の部材は、前記被加工物側に取り
    付けられる前記被加工物と略同一の線膨張率を有する材
    料で形成されたスライスベースと、前記ワークプレート
    側に取り付けられる低熱伝導材料で形成されたプレート
    と、を備えたことを特徴とするワイヤソーの被加工物取
    付構造。
  3. 【請求項3】 ワイヤを複数個のグルーブローラに巻き
    掛けてワイヤ列を形成し、前記ワイヤを走行させるとと
    もに前記ワイヤ列の切断部に被加工物を押しつけること
    により、多数のウェーハに切断するワイヤソーにおい
    て、 前記被加工物は、前記被加工物と略同一の線膨張率を有
    する材料で形成されたワークプレートにスライスベース
    を介して取り付けられ、前記スライスベースは、低熱伝
    導材料で、且つ、前記被加工物と略同一の線膨張率を有
    する材料で形成されるとともに、該スライスベースの厚
    さは、前記ワークプレートの前記被加工物に対する熱に
    よる膨張の差を吸収して前記被加工物の前記スライスベ
    ース側における伸長を許容範囲内にする厚さであること
    を特徴とするワイヤソーの被加工物取付構造。
  4. 【請求項4】 ワイヤを複数個のグルーブローラに巻き
    掛けてワイヤ列を形成し、前記ワイヤを走行させるとと
    もに前記ワイヤ列の切断部に被加工物を押しつけること
    により、多数のウェーハに切断するワイヤソーにおい
    て、 前記被加工物は、前記被加工物と略同一の線膨張率を有
    する材料で形成されたワークプレートに複数の部材を介
    して取り付けられ、該複数の部材は、前記被加工物側に
    取り付けられて前記被加工物と略同一の線膨張率を有す
    る材料で形成されたスライスベースと、前記ワークプレ
    ート側に取り付けられて低熱伝導材料で形成されたプレ
    ートと、を備えたことを特徴とするワイヤソーの被加工
    物取付構造。
  5. 【請求項5】 ワイヤを複数個のグルーブローラに巻き
    掛けてワイヤ列を形成し、前記ワイヤを走行させるとと
    もに前記ワイヤ列の切断部に被加工物を押しつけること
    により、多数のウェーハに切断するワイヤソーにおい
    て、 前記被加工物は、ワークプレートの前記被加工物の軸方
    向の両端部を一対の保持部材によって保持することによ
    り前記ワイヤソーに取り付けられ、前記一対の保持部材
    は、保持したワークプレートがズレを生じる力未満の力
    で前記被加工物の軸方向に撓みを生じる強度で形成され
    るとともに、それぞれが同じ強度で形成されたことを特
    徴とするワイヤソーの被加工物取付構造。
JP13186699A 1999-05-12 1999-05-12 ワイヤソ―の被加工物取付構造 Pending JP2000052225A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13186699A JP2000052225A (ja) 1999-05-12 1999-05-12 ワイヤソ―の被加工物取付構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13186699A JP2000052225A (ja) 1999-05-12 1999-05-12 ワイヤソ―の被加工物取付構造

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10222836 Division 1998-06-09 1998-08-06

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000052225A true JP2000052225A (ja) 2000-02-22

Family

ID=15067970

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13186699A Pending JP2000052225A (ja) 1999-05-12 1999-05-12 ワイヤソ―の被加工物取付構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000052225A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210084616A (ko) 2018-11-28 2021-07-07 가부시키가이샤 사무코 열 전도율 추정 방법, 열 전도율 추정 장치, 반도체 결정 제품의 제조 방법, 열 전도율 연산 장치, 열 전도율 연산 프로그램이 기록된 컴퓨터 판독가능 기록 매체 및, 열 전도율 연산 방법

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210084616A (ko) 2018-11-28 2021-07-07 가부시키가이샤 사무코 열 전도율 추정 방법, 열 전도율 추정 장치, 반도체 결정 제품의 제조 방법, 열 전도율 연산 장치, 열 전도율 연산 프로그램이 기록된 컴퓨터 판독가능 기록 매체 및, 열 전도율 연산 방법
DE112019005929T5 (de) 2018-11-28 2021-08-05 Sumco Corporation Wärmeleitfähigkeitsschätzungsverfahren, Wärmeleitfähigkeitsschätzungsvorrichtung, Produktionsverfahren für ein Halbleiterkristallprodukt, Wärmeleitfähigkeitsberechnungsvorrichtung, Wärmeleitfähigkeitsberechnungsprogramm und Wärmeleitfähigkeitsberechnungsverfahren

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5370006B2 (ja) ワイヤソー装置
JP4659326B2 (ja) 複数の半導体インゴットをスライスするワイヤソー及びプロセス
US8968054B2 (en) Method for cooling a workpiece made of semiconductor material during wire sawing
JP5007706B2 (ja) ワークの切断方法
US7311101B2 (en) End supporting plate for single crystalline ingot
JP2007538387A (ja) 超薄シリコンウェハを切り出す方法及び装置
US9427888B2 (en) Method for resuming a wire sawing process of a workpiece after an unplanned interruption
JP5806082B2 (ja) 被加工物の切断方法
JP2000052225A (ja) ワイヤソ―の被加工物取付構造
JPH09272122A (ja) マルチワイヤソーによる切断方法
JP5530946B2 (ja) 半導体材料から成る結晶から多数のウェハを切断する方法
JP2010099808A (ja) ワイヤソー装置
JP2671728B2 (ja) ワイヤソーによる切断方法
JP2005153031A (ja) ワイヤソー及びワイヤソーの加工液供給方法
JP2005297156A (ja) ワイヤソー
JP2000108009A (ja) ワイヤソ―のワ―クプレ―ト及びそのワ―クプレ―トを使用した被加工物切断方法
JP2002307283A (ja) ワイヤーソー
KR20200100085A (ko) 와이어소 장치 및 웨이퍼의 제조방법
KR20090066110A (ko) 잉곳의 홀더 유닛 및 이를 구비하는 슬라이싱 장치
JP2008188721A (ja) 基板の製造方法及びワイヤソー装置
JP2005014157A (ja) マルチワイヤソー
JPH1086143A (ja) ワイヤソーの溝付ローラ
KR100981254B1 (ko) 잉곳절단장치 및 방법
JP2023173451A (ja) ワークの切断方法、スライス装置及びスライスベース
JP2004335531A (ja) 硬脆性材料の切断方法