JP2000108009A - ワイヤソ―のワ―クプレ―ト及びそのワ―クプレ―トを使用した被加工物切断方法 - Google Patents

ワイヤソ―のワ―クプレ―ト及びそのワ―クプレ―トを使用した被加工物切断方法

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JP2000108009A
JP2000108009A JP13468199A JP13468199A JP2000108009A JP 2000108009 A JP2000108009 A JP 2000108009A JP 13468199 A JP13468199 A JP 13468199A JP 13468199 A JP13468199 A JP 13468199A JP 2000108009 A JP2000108009 A JP 2000108009A
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thermal expansion
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JP13468199A
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Nozomi Takai
望 高井
Seiji Yamamoto
清二 山本
Yuichi Yoshida
裕一 吉田
Akira Miura
晃 三浦
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Tokyo Seimitsu Co Ltd
Siltronic Japan Corp
Original Assignee
Tokyo Seimitsu Co Ltd
NSC Electron Corp
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  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】熱変形を抑制することができるワイヤソーのワ
ークプレートを提供すること。 【解決手段】インゴット32を保持するワークプレート
42をインバーで形成する。インバーは、低熱膨張材料
であるので、温度が上昇しても大きく熱変形することは
ない。これにより、インゴットの切断精度を向上させる
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン、ガラ
ス、セラミックス等の脆性材料を切断するワイヤソーの
ワークプレート及びそのワークプレートを使用した被加
工物の切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ワイヤソーは、複数個のグルーブローラ
にワイヤを巻き掛けてワイヤ列を形成し、このワイヤを
往復走行させるとともに、前記ワイヤ列の切断部に砥粒
を含む加工液を供給し、被加工物を押し付けてウェーハ
に切断する装置である。前記被加工物は、スライスベー
スを介してワークプレートに固着保持され、ワイヤ列に
押し付けられることによって、前記加工液のラッピング
作用を利用してウェーハに切断される。また、前記スラ
イスベースは、一般に厚さ10mm程度のガラスまたは
カーボン等で形成され、被加工物をワークプレートに固
着保持している。
【0003】被加工物を保持するワークプレートは、被
加工物切断中に、走行するワイヤと被加工物との摩擦に
よる発熱等の影響を受けて温度上昇する。温度上昇する
と、ワークプレートが膨張して熱変形するので、ワーク
プレートに保持した被加工物の切断精度が低下してしま
う。例えば、ワークプレートが撓んで被加工物の切断面
に角度誤差が生じたり、ワークプレートが伸長して被加
工物に反りが生じたりする。このため、ワークプレート
の温度上昇に伴う熱変形を防止する必要がある。
【0004】ワークプレートの熱変形を防止する方法と
しては、冷却した水や加工液等の冷却流体によりワーク
プレートを直接冷却する方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では、冷却流体の温度管理が難しいという問題があ
る。また、従来のワイヤソーでは、切断したウェーハ、
特にその切り終わり部に反りを生じるという欠点があっ
た。これは、被加工物を切断した際に被加工物に生じた
加工熱によってワークプレートが温度上昇して熱膨張
し、この熱膨張の影響を受けてワイヤと被加工物の相対
位置が被加工物の切り終わり部において変化するためで
ある。具体的には、走行するワイヤで被加工物を切断す
ると、当然、ワイヤと被加工物の摩擦熱が生じ、被加工
物は温度上昇する。被加工物は、通常、シリコン等の比
較的線膨張率の低い材料で形成されているので、温度上
昇しても大きく熱膨張することはない。ところが、前記
摩擦熱がスライスベースを介してワークプレートに伝達
すると、炭素鋼等の線膨張率の大きい材料で形成された
ワークプレートは温度上昇して大きく熱膨張する。そし
て、このワークプレートの熱膨張によって、断面積が小
さくなる被加工物の切り終わり部では伸長が生じる。こ
れにより、被加工物の切断の開始時と終了時では、被加
工物の軸線方向においてワイヤと被加工物の相対位置が
変化するため、切断したウェーハに反りを生じる。
【0006】また、切断した被加工物に反りを生じる他
の原因として、次のようなことが考えられる。ワークプ
レートは、通常、ワイヤソーの保持部材によって複数カ
所を保持されてワイヤソーに取り付けられている。この
ように保持されたワークプレートが熱膨張すると、前記
保持部材がワークプレートを保持しきれなくなり、前記
複数カ所のうち保持力が弱い箇所においてワークプレー
トが滑ってズレを生じる。ワークプレートがズレを生じ
ると、ワークプレートに取り付けられた被加工物とワイ
ヤとの相対位置が急激に変化するので、切断した被加工
物に反りを発生する。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、簡単な構造で熱変形を抑制することができる
とともに、切断した被加工物の反りを抑制することので
きるワイヤソーのワークプレート及びそのワークプレー
トを使用した被加工物切断方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、走行するワイヤを複数個の溝付ローラに巻
き掛けてワイヤ列を形成し、該ワイヤ列に被加工物を押
し当てることにより該被加工物を多数のウェーハに切断
するワイヤソーにおいて、被加工物を保持するワークプ
レートを低熱膨張材料を用いて形成したことを特徴とす
る。
【0009】また、本発明は前記目的を達成するため
に、走行するワイヤを複数個の溝付ローラに巻き掛けて
ワイヤ列を形成し、該ワイヤ列に被加工物を押し当てる
ことにより該被加工物を多数のウェーハに切断するワイ
ヤソーの被加工物切断方法において、前記被加工物を、
低熱膨張材料で形成されたワークプレート、又は熱膨張
率の異なる複数の低熱膨張材料を組み合わせて形成され
たワークプレート、又は被加工物と略同一の線膨張率を
有する低熱膨張材料で形成されたワークプレートを介し
てワイヤソーに保持させた後、被加工物をワイヤ列に押
し当ててウェーハに切断することを特徴とする。
【0010】請求項1、5記載の発明によれば、低熱膨
張材料、例えばインバーでワークプレートを形成するこ
とにより、外部の熱の影響を受けてワークプレートが変
形するのを防止することができる。これにより、被加工
物の切断精度を向上させることができる。さらに、本発
明のワークプレートは、温度上昇しても熱膨張しないの
で、ワークプレートの冷却装置を必要しない。
【0011】請求項2、5記載の発明によれば、熱膨張
率の異なる複数の低熱膨張材料を組み合わせてワークプ
レートを形成し、これらの材料で形成された複数の部材
のうち被加工物に接する部材をインゴット32と略同一
の線膨張率を有する材料で形成し、残りの部材のうち少
なくとも1個を低熱伝導材料で形成すれば、請求項1の
発明と同様の効果を得ることができる。
【0012】請求項3、5記載の発明によれば、ワーク
プレートが被加工物と略同一の線膨張率を有しているの
で、ワークプレートが温度上昇して熱膨張しても、被加
工物に影響を及ぼすことがない。したがって、被加工物
の反りを防止することができる。また、スライスベース
の厚さを薄くできる点で有利である。請求項4、6記載
の発明によれば、前記ワークプレートに複数本の被加工
物を保持させて、複数本の被加工物を同時にウェーハに
切断する。このような切断方式のワイヤソーに、本発明
のワークプレートを適用すると、短い被加工物を効率よ
く高精度に切断することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
るワイヤソーのワークプレート及びそのワークプレート
を使用した被加工物切断方法の好ましい実施の形態につ
いて詳説する。図1は、ワイヤソー10の全体構成を示
す斜視図である。
【0014】同図に示すように、ワイヤリール12に巻
かれたワイヤ14は、多数のガイドローラ16、16、
…で形成されるワイヤ走行路を経て3本のグルーブロー
ラ18A、18B、18Cに巻き掛けられ、水平なワイ
ヤ列20を形成する。ワイヤ列20を形成したワイヤ1
4は、ワイヤ列20を挟んで左右対称に形成された他方
側のワイヤ走行路を経て図示しないワイヤリールに巻き
取られる。
【0015】前記ワイヤ列20の両側に形成されるワイ
ヤ走行路には、それぞれワイヤ案内装置22、ダンサロ
ーラ24及びワイヤ洗浄装置26が配設されており(一
方側のみ図示)、ワイヤ案内装置22は、ワイヤリール
12からワイヤ14を一定ピッチでガイドする。また、
ダンサローラ24は、所定重量のウェイト(図示せず)
が架設されていて、走行するワイヤ14にこのウェイト
で一定の張力を付与する。ワイヤ洗浄装置26は、走行
するワイヤ14に洗浄液を噴射してワイヤ14に付着し
たスラリをワイヤ14から除去する。
【0016】前記一対のワイヤリール12及びグルーブ
ローラ18Cには、それぞれ正逆回転可能なモータ(図
示せず)が連結されており、前記ワイヤ14は、このモ
ータを駆動することにより、一対のワイヤリール12間
を高速で往復走行する。前記ワイヤ列20の上方には、
ワイヤ列20に対して垂直に昇降移動するワークフィー
ドテーブル28が設置されている。ワークフィードテー
ブル28にはチルチングユニット30が備えられてお
り、インゴット32は、このチルチングユニット30の
下部にワークプレート42(図2参照)を介して保持さ
れる。チルチングユニット30は、インゴット32を水
平方向及び垂直方向に傾斜自在に保持し、これにより、
インゴット32の結晶方位合わせがなされる。なお、ワ
ークプレート42の構成については後に詳説する。
【0017】ワイヤソー10は以上のように構成され
る。そして、次のようにしてインゴット32を切断す
る。まず、ワークプレート42を介してインゴット32
をチルチングユニット30のワーク保持部に装着する。
次いで、そのチルチングユニット30を用いてインゴッ
ト32の結晶方位合わせを行う。
【0018】次に、モータ(図示せず)を駆動してワイ
ヤリール12及びグルーブローラ18Cを高速回転さ
せ、ワイヤ14を高速走行させる。そして、そのワイヤ
14の走行が安定したところで、ワークフィードテーブ
ル28を下降させ、高速走行するワイヤ列20にインゴ
ット32を押し当てる。この際、ワイヤ列20とインゴ
ット32との接触部には、図示しないノズルからスラリ
が供給され、インゴット32は、このスラリ中に含有さ
れる砥粒のラッピング作用で多数枚のウェーハに切断さ
れる。
【0019】インゴット32の加工に供したスラリは、
ワイヤ列20の下方位置に設置されたオイルパン36を
介して回収され、循環供給される。この際、スラリは加
工時に発生する熱を吸熱して温度上昇するので、回収し
たスラリは、熱交換機38に循環されて一定温度に冷却
される。なお、前記ワイヤソー10は、砥粒をスラリに
含有させてインゴット32をウェーハに切断する切断方
式を採用しているが、この切断方式に限られるものでは
なく、砥粒をワイヤ14に固着させて切断する固定砥粒
方式の切断方式を採用してもよい。
【0020】次に、本発明のワークプレート42につい
て詳説する。図2は、本発明に係るワークプレート42
の構成を示す正面図である。同図に示すように、ワーク
プレート42は、略矩形状に形成され、下面にスライス
ベース46を介してインゴット32が接着される。ワー
クプレート42は、その両端部をチルチングユニット3
0のワーク保持部であるワークホルダ44とシリンダロ
ッド48とで挟持することにより、チルチングユニット
30に保持される。
【0021】また、ワークプレート42は、低熱膨張材
料、例えばインバー(invar steel)で形成される。イ
ンバーは、ニッケル鋼の一種であり、約64%の鉄、約
36%のニッケル、及び若干の不純物で組成される。イ
ンバーは、低熱膨張金属であり、熱膨張係数が1.2×
10-6と非常に小さい。このため、温度上昇しても、殆
ど熱変形することがない。
【0022】なお、インバーは上記の成分組成に限定す
るものではなく、インバー特性を示すものならば何でも
よい。例えば、上記の成分組成においてにニッケルの代
わりに4〜6%のコバルトを添加したもの(通称、超イ
ンバー)であっても良い。また、鉄と白金の合金や鉄と
鉛の合金等でも良い。前記のごとく構成された本発明に
係るワークプレート42の作用は次の通りである。
【0023】前述したように、切断中のワークプレート
42は、走行するワイヤ14とインゴット32との摩擦
による発熱等によって温度上昇する。特に、ワークプレ
ート42の中央部では、両端部のようにシリンダロッド
48やワークホルダ44等を介して放熱できないので、
高温になる。しかしながら、本実施の形態のワークプレ
ート42は、インバーで形成されているので、ワークプ
レート42の温度が上昇したり、温度分布に偏りが発生
しても、略一定の形状を保つことができる。これによ
り、ワークプレート42の熱変形に伴うウェーハの反り
や切断面の角度誤差を無くすことができ、ウェーハの切
断精度を向上させることができる。
【0024】なお、本実施の形態では、低熱膨張材料の
みでワークプレート42を形成したが、これに限定する
ものではない。例えば、熱膨張率の異なる複数の物質で
ワークプレート42を形成してもよい。図3は、ワーク
プレート42を熱膨張率の異なる2つの物質を用いて形
成した例である。同図に示すワークプレート42は、イ
ンバーで形成された本体42Bの中央下部に、超インバ
ーで形成されたプレート42Aを嵌合して形成される。
ワークプレート42は、前述したように中央部が両端部
よりも高温になるが、この部分に、両端部のインバーよ
り熱膨張率の小さい超インバーを用いることにより、ワ
ークプレート42全体の熱変形を抑えることができる。
【0025】また、本体42Aとプレート42Bの接触
面には、接触熱抵抗が働くので、本体42Bの中央部に
熱伝導しにくくなる。これにより、本体42Bの中央部
と両端部との温度差は小さくなるので、本体42Bの熱
変形を抑えることができる。なお、本体42Bとプレー
ト42Aの形状は、上述した例に限定するものではな
く、ワークプレート42の温度分布に応じて形成しても
よい。例えば、ワークプレート42の中央に向かうにつ
れてプレート42Aの厚みが増すように形成してもよ
い。
【0026】また、本体42Bとプレート42Aの材質
は上記に限定するものではなく、プレート42Aの材質
が本体42Bの材質よりも熱膨張率が小さければ何でも
良い。例えば、プレート42Aにのみ低熱膨張材料やセ
ラミック等の断熱材料を用いてもよい。図4は、インゴ
ット32の取付構造を説明する参考図である。
【0027】同図に示すように、インゴット32には、
スライスベース46が固着され、このスライスベース4
6の上面にワークプレート42が固着される。インゴッ
ト32は、前記ワイヤソー10のチルチングユニット3
0に前記ワークプレート42を保持することにより、ワ
イヤソー10に取り付けられる。次に、上記の如く構成
された被加工物取付構造の作用について説明する。
【0028】まず、インゴット32を固着保持したワー
クプレート42を、チルチングユニット30に装着す
る。次に、モータ(図示せず)を駆動してワイヤリール
12及びグルーブローラ18Cを高速回転させ、ワイヤ
14を高速で往復走行させる。そして、ワークフィード
テーブル28を下降させ、走行するワイヤ列20にイン
ゴット32を押し当てる。この際、ワイヤ列20とイン
ゴット32との接触部には、図示しないノズルからスラ
リが供給され、インゴット32は、このスラリ中に含有
される砥粒のラッピング作用で多数枚のウェーハに切断
される。
【0029】上述した切断工程において、切断中、イン
ゴット32は、ワイヤ14との摩擦によって加工熱を発
生している。ワークプレート42をインゴット32の線
膨張率と略同一の材料で形成すると、インゴット32で
発生した加工熱が前記ワークプレート42に伝わってワ
ークプレート42が熱膨張しても、インゴット32に影
響を及ぼすことがない。即ち、前記ワークプレート42
は、インゴット32と略同一の線膨張率を有するので、
ワークプレート42とインゴット32の熱膨張の差は殆
どない。したがって、ワークプレート42の熱膨張によ
ってインゴット32の切り終わり部が伸長することはな
いので、切断したウェーハの反りを防止することができ
る。
【0030】ワイヤソーの切断方式には、シングルカッ
トとマルチカットと称される2方式がある。前記シング
ルカット方式は、1本のインゴットを切断する方式(図
1〜図4参照)であり、マルチカット方式は、複数本の
インゴットを同時に切断する方式(図5参照)である。
このマルチカット方式は、結晶方位の異なる複数本のイ
ンゴットを、各々結晶方位を合わせた後、同時に切断す
る際に特に用いられる方式である。
【0031】図5は、3本のインゴット32a、32
b、32cを、各々スライスベース46を介して1本の
ワークプレート42に接着した例である。インゴット3
2a、32b、32cの同時切断中は、ワイヤとインゴ
ット32a、32b、32cとの間で発生する摩擦加工
熱によってインゴット32a、32b、32c及びワー
クプレートの温度が上昇し、各々熱膨張を起こす。それ
に伴い、ワイヤ位置とインゴット32a、32b、32
cの相対位置がずれるので、ウェーハの反り切断精度
(WARP)が悪化する。この現象は、特にマルチカッ
トの時に顕著になり、インゴット32a、32b、32
cの両サイドの反り切断精度(WARP)が特に悪化す
る。
【0032】マルチカットの時に顕著になる理由は、シ
ングルカットの場合、インゴットが1本ものなので、ワ
ークプレートの熱応力に充分に打ち勝つだけの剛性があ
るが、マルチカットでは、インゴット32a、32b、
32cが小片に分かれているため剛性が充分ではなく、
ワークプレートの変形に伴い容易にインゴット32a、
32b、32cの位置がずれてしまうためである。
【0033】このような事情から、マルチカット方式は
短いインゴット32a、32b、32cを効率よく切断
できるにもかかわらず、反り切断精度(WARP)が著
しく悪いため、高精度切断を要求される加工(例えば、
シリコンウェーハの加工)には用いられていなかった。
そこで、上記不具合を解消するために、本発明では、ワ
ークプレート42を低熱膨張材料で形成した。これによ
って、マルチカット方式による反り切断精度(WAR
P)を向上させることができる。
【0034】
【実施例】ワークプレートの熱膨張を抑制するため、低
熱膨張材料(インバー材、2〜3×10-6:シリコンと
同程度の熱膨張率)のワークプレートを用い、ワークプ
レートには200mm、100mm、100mm長さの
3本のインゴットを接着し、マルチカットを実施した。
【0035】図6(A)には、ワークプレートに低熱膨
張材料を用いた場合の反り切断精度が示され、図6
(B)には、ワークプレートに低熱膨張材料を用いなか
った場合の反り切断精度が示されている。図6(B)に
示すように、ワークプレートに低熱膨張材料を用いなか
った場合には、ウェーハの反り精度が悪いが、図6
(A)に示すように、ワークプレートに低熱膨張材料を
用いた場合には、全てのウェーハの反り精度が向上し
た。
【0036】この実施例から明らかなように、熱変形を
生じにくいワークプレートを適用することによって、マ
ルチカット方式でも高精度に切断できることが判明し
た。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ワークプレートを低熱膨張材料を用いて形成することに
より、熱の影響を受けても熱変形の生じにくいワークプ
レートを提供することができる。また、本発明の被加工
物取付構造は、ワークプレートが被加工物と略同一の線
膨張率を有しているので、ワークプレートの熱膨張が被
加工物に影響を及ぼすのを防止することができ、これに
よって、切断した被加工物の反りを防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るワークプレートが適用されたワイ
ヤソーの実施の形態の構成図
【図2】ワークプレートの構成を示す側面図
【図3】2つの材質で構成されたワークプレートの側面
【図4】被加工物取付構造の構成を示す参考図
【図5】3本のインゴットがワークプレートに取り付け
られた状態を示す説明図
【図6】反り切断精度を比較した説明図
【符号の説明】
10…ワイヤソー、12…ワイヤリール、14…ワイ
ヤ、18A〜18C…グルーブローラ、20…ワイヤ
列、30…チルチングユニット、32…インゴット、4
2…ワークプレート、44…ワークホルダ、46…スラ
イスベース、48…シリンダロッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 清二 東京都三鷹市下連雀9丁目7番1号 株式 会社東京精密内 (72)発明者 吉田 裕一 山口県光市大字島田3434 ニッテツ電子株 式会社内 (72)発明者 三浦 晃 山口県光市大字島田3434 ニッテツ電子株 式会社内 Fターム(参考) 3C058 AA05 AA09 AA12 AB04 AB08 CA01 CB02 CB05 DA03 3C069 AA01 BA06 BB02 CA04 CB01 EA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行するワイヤを複数個の溝付ローラに
    巻き掛けてワイヤ列を形成し、該ワイヤ列に被加工物を
    押し当てることにより該被加工物を多数のウェーハに切
    断するワイヤソーにおいて、 被加工物を保持するワークプレートを、低熱膨張材料を
    用いて形成したことを特徴とするワイヤソーのワークプ
    レート。
  2. 【請求項2】 前記ワークプレートは、熱膨張率の異な
    る複数の低熱膨張材料を組み合わせて形成されたことを
    特徴とする請求項1のワイヤソーのワークプレート。
  3. 【請求項3】 前記ワークプレートは、前記被加工物と
    略同一の線膨張率を有する低熱膨張材料で形成されたこ
    とを特徴とする請求項1のワイヤソーのワークプレー
    ト。
  4. 【請求項4】 前記ワークプレートには、複数本の被加
    工物が保持され、該複数本の被加工物は同時にウェーハ
    に切断されることを特徴とする請求項1、2、又は3の
    ワイヤソーのワークプレート。
  5. 【請求項5】 走行するワイヤを複数個の溝付ローラに
    巻き掛けてワイヤ列を形成し、該ワイヤ列に被加工物を
    押し当てることにより該被加工物を多数のウェーハに切
    断するワイヤソーの被加工物切断方法において、 前記被加工物を、低熱膨張材料で形成されたワークプレ
    ート、又は熱膨張率の異なる複数の低熱膨張材料を組み
    合わせて形成されたワークプレート、又は被加工物と略
    同一の線膨張率を有する低熱膨張材料で形成されたワー
    クプレートを介してワイヤソーに保持させた後、被加工
    物をワイヤ列に押し当ててウェーハに切断することを特
    徴とするワークプレートを使用した被加工物切断方法。
  6. 【請求項6】 前記ワークプレートに複数本の被加工物
    を保持させた後、該複数本の被加工物を同時にワイヤ列
    に押し当ててウェーハに切断することを特徴とする請求
    項5記載のワークプレートを使用した被加工物切断方
    法。
JP13468199A 1998-06-09 1999-05-14 ワイヤソ―のワ―クプレ―ト及びそのワ―クプレ―トを使用した被加工物切断方法 Pending JP2000108009A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104044220A (zh) * 2014-06-26 2014-09-17 中磁科技股份有限公司 多线切割机工作台的检验组件及检验方法

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