JP2000051959A - プレス成形方法 - Google Patents

プレス成形方法

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JP2000051959A
JP2000051959A JP10220323A JP22032398A JP2000051959A JP 2000051959 A JP2000051959 A JP 2000051959A JP 10220323 A JP10220323 A JP 10220323A JP 22032398 A JP22032398 A JP 22032398A JP 2000051959 A JP2000051959 A JP 2000051959A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伸びの悪い素材プレートであっても、予備成
形工程を省略し、簡単に低コストで最終成形できるプレ
ス成形方法を提供する。 【解決手段】 エンボス部10が多数形成されたブラン
ク材Bに絞り等の最終成形を施すようにしたプレス成形
方法において、前記各エンボス部10は、曲線のみによ
り外形を形成したものであり、前記ブランク材Bをシー
ト状の素材プレートSから切り出す前に、前記エンボス
部10を当該素材プレートS全面に渡り所定ピッチPで
縦横に連続するように張り出し成形したことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数の凹凸状のエ
ンボス部を形成したブランク材を用いて行なうプレス成
形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、アルミメッキ鋼板のように伸び
性が悪いブランク材を使用して深絞り成形する場合に
は、絞り部に亀裂や割れあるいは皺等が発生する虞れが
ある。
【0003】このため、従来からブランク材に多数の浅
いエンボス部を予備形成した後に、当該エンボス部を押
し潰しながら絞り成形を行う方法が採られている(例え
ば、特許第2541367号参照)。
【0004】また、特公昭45−27703号公報に開
示されているように、予めブランク材に凹凸のある歪模
様を形成することにより、材料に引張歪を与え、材料の
引張曲線の特性を調整した後に、プレス成形する方法も
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の方法
は、後の絞り成形する位置を考慮し、所定の部分を対象
として浅いエンボス部を予備成形しなければならず、し
かも後の絞り成形によりエンボス部分が伸びる方向も考
慮しなければならないので、予備成形といっても型打ち
であるため、通常の絞り成形と同様で、成形に慎重を要
し、面倒な作業となっている。
【0006】また、このエンボス部を成形する範囲は、
後の絞り成形のプロフィル部分が対象となっているの
で、絞り時に最も伸びが必要となる型のエッジ部分、つ
まり型のプロフィルに沿った部分には、エンボス部が存
在せず、このエンボス部を有するブランク材を用いて行
なう成形の効果が半減する虞れがある。
【0007】さらに、エンボス部が形成された範囲より
大きな形状のものを絞り成形する場合には、エンボス部
が形成された材料は、有効に使用できず、成形が限定さ
れ、汎用性のないものとなっている。
【0008】後者の方法は、材料の表面に凹凸のある歪
模様を形成するので、材料の持っている固有の降伏点や
引張曲線が改良でき、またこの材料を用いて成形する場
合に、凹凸表面に潤滑油が保有されるので、加工性も向
上することになるが、このように材料の表面に凹凸模様
を形成すれば、この凹部と絞り成形のプロフィルが一致
したとき、亀裂や割れの原因となる。また、予備成形自
体が極めて面倒な作業となり、コスト的にも不利となる
虞れがある。
【0009】本発明は、上述した従来技術の課題に鑑み
てなされたものであり、伸びの悪い素材プレートであっ
ても、予備成形工程を省略し、簡単に低コストで絞り成
形できるプレス成形方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記す
る手段により達成される。 (1) エンボス部が多数形成されたブランク材に絞り
等の最終成形を施すようにしたプレス成形方法におい
て、前記各エンボス部は、曲線のみにより外形を形成し
たものであり、前記ブランク材をシート状の素材プレー
トから切り出す前に、前記エンボス部を当該素材プレー
ト全面に渡り所定ピッチで縦横に連続するように張り出
し成形したことを特徴とするプレス成形方法。
【0011】(2) 前記エンボス部は、閉鎖された曲
線のみにより外形を形成しかつ相互に入り組むような形
状としたことを特徴とするプレス成形方法。
【0012】(3) 前記エンボス部は、前記ブランク
材を用いて成形するとき、型のプロフィルに跨がって複
数個存在し得るように個々の大きさと相互間のピッチを
設定したことを特徴とするプレス成形方法。
【0013】(4) 前記エンボス部は、前記素材プレ
ートの表面に対し所定の傾斜角を持って立ち上げられた
周壁部を有し、当該周壁部の前記傾斜角はほぼ45゜と
なるようにしたことを特徴とするプレス成形方法。
【0014】(5) 前記エンボス部は、前記素材プレ
ートの表面に対し所定の高さを有する平坦な上面部を有
し、前記高さが前記素材プレートの肉厚の数倍としたこ
とを特徴とするプレス成形方法。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態に係る
プレス成形工程を示す概略断面図、図2は同成形工程で
成形される状態を示すもので、(A)はブランク材、
(B)は張り出し成形された製品をそれぞれ示す斜視
図、図3はエンボス部の成形状態を示す概略断面図、図
4は張り出し成形工程を示す断面図である。
【0016】本発明の実施の形態に係るプレス成形方法
について概説すれば、図1に示すように、コイル状に巻
回されたシート状の素材プレートSを引き出した直後
に、エンボス部10を成形し、このエンボス部10を有
する素材プレートSを所定の形状に打ち抜いて、ブラン
ク材Bを形成する。そして、このエンボス部10が形成
されたブランク材Bを用いて最終成形を施し、最終成形
品Wとする。
【0017】このエンボス部10については、後に詳述
するが、当該エンボス部10が形成されたブランク材B
は、図2(A)に示すように、多数の所定形状のエンボ
ス部10が突設された円板状である。この円板状は、図
2(B)に示す最終成形品Wの形状と歩留まりを考慮し
て決定されたものであるが、最終成形品Wの形状によっ
ては、このような円板状のみでなく、矩形状等どのよう
な外形形状を有しているものであっても良いことはいう
までもない。
【0018】さらに本実施の形態を詳述する。まず、図
3に示す型を用いてエンボス部10を成形する。本実施
の形態では、素材プレートSを引き出した直後に、エン
ボス部10を後述する張り出しにより成形し、そして打
ち抜きによりブランク材Bを形成している。したがっ
て、このエンボス部10の成形に当たっては、複数の型
を準備する必要はなく、ただ1つの型を用いるのみで、
大半の成形に共用化できることになる。
【0019】例えば、この型としては、図3に示すよう
に、相対的に近接離間する上型1aと下型1bとから構
成されたものが使用されている。この上型1aには、平
坦に型面2の全面に、エンボスの形状をした多数の凸部
3が設けられ、下型1bには、平坦な型面4の全面に前
記各凸部3と凹凸嵌合されるように凹部5が設けられて
いる。
【0020】そして、上型1aと下型1bとの間に素材
プレートSを配置した状態で、両型を近接離間すること
により,前記凸部3と凹部5との凹凸嵌合により素材プ
レートSの全面に多数のエンボス部10を張り出し成形
するようになっている。
【0021】ここにおいて、張り出し成形は、ブランク
ホルダーを使用しない成形であり、一般に成形に先立っ
てブランク材等のワークを挟圧保持する必要がなく、次
々と流れてくる素材プレートSに対してエンボス部10
を成形するのみである。したがって、エンボス部10の
成形は、極めて容易に成形でき、型費も高価なものとな
らないので、成形性、コストの面からも極めて有利とな
る。
【0022】ただし、このエンボス成形に当たっては、
必ずしも前述した上下方向に近接離間する一対の型であ
る必要はなく、外周面に前記エンボス部10を成形する
ための所定形状の凹部5と凸部3を有する一対のローラ
により構成し、このローラ間に素材プレートSを通し、
張り出し成形するようにしたものであってもよい。
【0023】次に、ブランク材Bを打抜き成形する。こ
の打抜きは、図1に示すように上下一対の型6を使用
し、両型の剪断によりエンボス部10が形成された素材
プレートSからブランク材Bを成形する。ただし、この
ような打抜きを行なわず、単に所定長のものを切断する
のみであってもよい。
【0024】そして、エンボス部10が形成されたブラ
ンク材Bを用いて、図4に示されているような成形型7
により張り出し成形する。この成形型7も相対的に近接
離間する上型7aと下型7bとから構成されている。こ
の上型7aには、最終成形品Wの形状に対応した凹部8
が形成され、下型7bには当該凹部8に嵌合する凸部9
が形成されている。なお、本実施の形態では最終成形を
張り出し成形としているが、本発明は、これのみに限定
されるものではなく、最終成形を、ブランクホルダーを
使用した通常の深絞り成形としてもよい。
【0025】特に、本実施の形態では、前記エンボス部
10は、凹部8と凸部9の各エッジ部8a,9aにより
形成されるプロフィルを跨ぐように存在しているので、
前記張り出し成形時に材料が十分に行き渡り、割れ等の
発生を防止できる。
【0026】ここにおいて、「プロフィルを跨ぐ」と
は、張り出し成形する成形型7のエッジ部分により特定
されるプロフィルがエンボス部10自体の上を横切るの
みでなく、エンボス部10相互間を通る場合も含む意味
である。
【0027】本実施の形態のエンボス部10について詳
述する。図5は本実施の形態のエンボス部を例示したも
ので、(A)は複数の逆Y字形状のエンボス部を示す平
面図、(B)は1つの逆Y字形状のエンボス部を示す平
面図、(C)は図(B)のC−C線に沿う断面図であ
る。
【0028】本実施の形態のエンボス部10は、図5
(A),(B)に示すように、概して逆Y字形状のもの
であり、これがブランク材B全面に渡り所定ピッチPで
縦横に連続して入り組むように張り出し成形されてい
る。
【0029】このエンボス部10は、最終の張り出し成
形時の材料補給を行ない、割れ等の発生を防止するため
に、成形時の型のプロフィルを跨ぐように存在している
ことが好ましく、またブランク材Bの任意の断面が波形
状となるように、当該ブランク材B全面に形成されてい
ることが好ましい。
【0030】ブランク材全体を使用して成形する場合
や、ブランク材を部分的に用いて成形する場合に、エン
ボス部10が型のプロフィルを跨ぐように存在している
と、ブランク材の任意な位置で成形しても、極部的な伸
びが発生する部分に対する材料補給がより確実になり、
割れや皺の発生を防止できる。つまり、本実施の形態の
ブランク材Bは、予めエンボス部10が形成されている
ので、成形時に材料の引張込みや引き伸し等を行なわな
くても、このエンボス部10を余剰材料として使用する
ことができるので、割れや皺の発生が防止できる。
【0031】このエンボス部10の個々の大きさと相互
間のピッチPは、ブランク材Bを用いて成形するとき、
型のプロフィルに跨がって複数個存在し得るように設定
すればよい。
【0032】各エンボス部10は、図5(C)に示すよ
うに、エンボス自体の成形性を考慮して、上面11が平
坦で周壁部12が素材プレートSの表面に対し所定の傾
斜角θを有する断面台形状としたものであり、また図5
(B)に示すように、Y字の各枝部13の先端部13a
は半径rの湾曲部とし、当該先端部13aは、半径Rの
基礎円14より突出され、その各中心線13bは、12
0゜の等分位置である。
【0033】このようにエンボス部10は、外形が閉鎖
された曲線のみにより形成されているので、任意の方向
から材料を引張る力が作用しても、材料補給が割れや皺
の発生が少なく、円滑に張り出し成形が可能となる。例
えば、このエンボス部10の一部が直線部分を有してい
ると、この直線部分に対して直角方向の力が作用したと
き、エンボス部は、その成形によりある程度弱められ、
簡単に破断する虞れがあるので、直線部は避けることが
好ましい。
【0034】このエンボス部10は、特に限定されるも
のではないが、より具体的には、板圧tが0.6mmの
溶融アルミメッキ鋼板の場合、先端部13aの半径r
は、2.5mm、基礎円14の半径Rは、5.5mm程
度とすることが成形する上からは好ましい。また、この
エンボス部10は、周壁部12の傾斜角θは、当該エン
ボス部10の変形容易性を考慮すれば、45゜とするこ
とが好ましい。
【0035】さらに、このエンボス部10を、伸び性が
悪い溶融アルミメッキ鋼板(肉厚t=0.6mm)に形
成するに当たってのピッチP(各エンボス部10の中心
O間の距離)は、15mmとする。
【0036】このようにして形成されたエンボス部付き
ブランク材Bがどの程度の伸びを有しているかを実験に
より検証した。この実験は、エンボス部10の高さhが
異なる4種類のブランク材B(本実験では、エンボス部
のないもの、高さhが1.0mm,1.65mm,1.
9mmのもの)を用意するとともに、張り出し成形時の
深さH(本実験では、4.3〜6mmまで)を変化させ
て行なった。ただし、高さhが2.0mm以上のもの
は、実質的にエンボス部を形成したとき、材料余り等が
生じる虞れがあるので割愛した。
【0037】結果は、図6に示すものが得られた。ここ
において、亀裂が入ったものには×印(図中破線)、ネ
ッキングが入ったものには△印(図中破線)、亀裂もネ
ッキングもないものには○印(図中実線)を付した。
【0038】この図から明らかなように、エンボス部1
0を形成していない場合に比し、エンボス部10の高さ
hが 1.0mmの時には、 2.3%、 1.65mmの時には、 11.6%、 1.9mmの時には、 17.4%、 という張り出し成形の深さHをより深くすることができ
ることが判明した。
【0039】なお、図中一点鎖線で示すものは、亀裂も
ネッキングもない、良好な結果が得られる張り出し成形
の限界深さHである。
【0040】この結果から明らかなように、個々のエン
ボス部10の高さhは、伸び性が悪い溶融アルミメッキ
鋼板をブランク材Bとして使用しても、板厚tの数倍、
計算上からは3〜4倍程度であれば、6mm弱の張り出
し成形が可能となる。
【0041】ただし、「割れ」は材料の伸び量と関係
し、「皺」の発生は余剰となった材料の吸収力と関係す
ることから、エンボス部10の形成に当たっては、伸び
と材料の吸収という両者のバランスを考慮して行なう必
要がある。
【0042】つまり、張り出し成形したときに、割れや
皺が生じることなく、エンボス部10が潰され、全体が
ほぼ平坦な良好な仕上がりとするには、エンボス部10
の大きさや高さは極力大きく張り出すことが好ましく、
エンボス部10相互間のピッチは小さく、エンボス部1
0の密度が比較的「密」であることが好ましいが、
「皺」の発生と関係する余剰材料の吸収力からすれば、
エンボス部10の大きさや高さhは極力小さく、その密
度は比較的「粗」であることが好ましい。
【0043】したがって、割れや皺がない良好な仕上が
りとするには、両者の兼ね合いを考慮しなければならな
いが、実験によれば、張り出し成形する金型のプロフィ
ルの大きさにもよるが、直径20〜40mm、高さHが
2〜6mmのものに、エンボス部10が2〜8個程度の
密度で存在していることが好ましく、しかもプロフィル
に沿ってエンボス部10が存在していることが好ましい
ことが判明している。
【0044】前述したエンボス部10は、逆「Y」字状
のものであるが、本発明はこれのみでなく、図7に示す
ように、十字形状としたものを、それぞれブランク材B
の全面に渡り所定ピッチで縦横に連続しかつ相互に入り
組むように形成したものも十分使用することができる。
ただし、エンボス部10の形状を定めるに当たり、直線
部分が存在していないエンボス部10を使用することが
好ましい。直線部分が存在しているものの場合、この直
線部分で割れなどが生じる可能性があるからである。
【0045】逆「Y」字状のエンボス部10を形成した
鉄板と、エンボス部10を形成していない鉄板に、それ
ぞれ同じ張り出し成形した実験例を下記する。
【0046】本例は、0.6mmの板厚tのSA1(溶
融アルミメッキ鋼板)に、上面側の一辺の長さが6m
m、下面側の一辺の長さが12mm、エンボスの高さh
が3mmの、台状のエンボス部10を、千鳥状に多数入
り組んで形成した。
【0047】この材料を使用して、予備形成なしに、上
面の直径d1 が20mm、下面の直径d2 が27mm、
深さが10mmのほぼ台形の凸状部を張り出し成形し
た。20個形成した凸状部のうち全ての凸状部の湾曲角
部に割れや皺は生じなかった。
【0048】一方、同様な実験をエンボス部10を形成
していないSA1でも行なった。この結果、20個形成
した凸状部のうち18個の凸状部の湾曲角部において割
れが見られた。エンボス部10を形成されていない材料
は、張り出し成形による材料の引き込みの影響を受ける
ために、このような結果となったものと思われる。
【0049】したがって、エンボス部10が形成された
材料を使用すれば、予備成形を行なわず、直接最終張り
出し成形成形しても、エンボス部10による材料補給に
より凸状部の湾曲角部に割れや皺が生じる可能性が大幅
に低減し、伸び性が悪い材料を使用しても、所定の張り
出し成形を直接行なうことができることが分かる。
【0050】上述したように本実施の形態は、予備絞り
工程を実施すること無く、最終工程としての張り出し成
形若しくは深絞り成形を実施しても、割れや皺が生じな
い成形が可能となり、これにより従来よりも工程数が一
つ減少できることから、成形時間が短縮され、成形、加
工効率も高いものとなり、また予備絞り成形用の金型が
不要になるので、コスト的にも有利となるという優れた
効果を奏する。
【0051】ただし、本実施の形態により形成された最
終成形品Wは、表面に前記エンボスの形状が残ることか
ら、例えば、自動車のボンネットの裏面に取り付けられ
るレインホースメントプレート等のように、外観的に目
視されない部位に使用されるものに対して実施されるこ
とが好ましい。
【0052】本発明は、上述した実施の形態のみに限定
されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変する
ことができるもので、例えば、上述した実施の形態で
は、個々のエンボス部10は、Y字形状、十字形状の2
種類のみを上げているが、本発明は、これのみに限定さ
れるものではなく、ブランク材Bの任意の断面が波形状
となるものであってかつ閉鎖した曲線のみから構成され
た形状のものであれば、種々の形状が考えられる。
【0053】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明
は、外形が曲線のみにより形成されたエンボス部を、シ
ート状の素材プレートからブランク材を切り出す前に、
当該素材プレート全面に渡り所定ピッチで縦横に連続す
るように張り出し成形したので、伸びの悪い素材プレー
トであっても、予備成形工程を省略し、簡単に低コスト
で最終成形ができる。
【0054】また、エンボス部の成形自体も、極めて容
易に成形でき、型費もかからず、成形性、コストの面か
らも極めて有利となる。
【0055】請求項2に記載の発明は、エンボス部を閉
鎖された曲線のみにより外形を形成しかつ相互に入り組
むような形状とすれば、材料補給が促進され、皺やネッ
キング等の発生がより防止される。
【0056】請求項3に記載の発明は、型のプロフィル
に跨がって存在するようにエンボス部個々の大きさと相
互間のピッチを設定すれば、伸びの悪い素材プレートで
あっても、予備成形工程を省略し、簡単に低コストで最
終成形でき、プレス成形の高効率化も図ることができ
る。
【0057】請求項4,5に記載の発明は、エンボス部
の高さを素材プレートの肉厚の数倍とし、周壁部の傾斜
角を45゜とすれば、容易に変形するエンボス部とする
ことができ、前述した材料補給が一層円滑になされ、簡
単に最終成形を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るプレス成形工程を
示す概略断面図である。
【図2】 同成形工程で成形される状態を示すもので、
(A)はブランク材、(B)は張り出し成形された製品
をそれぞれ示す斜視図である。
【図3】 エンボス部の成形状態を示す概略断面図であ
る。
【図4】 張り出し成形工程を示す断面図である。
【図5】 本実施の形態のエンボス部を例示したもの
で、(A)は逆Y字形状のエンボス部を示す平面図、
(B)は1つの逆Y字形状のエンボス部を示す平面図、
(C)は図(B)のC−C線に沿う断面図である。
【図6】 逆Y字形状のエンボス部が形成された材料の
実験結果を示す説明図である。
【図7】 本発明の他の実施の形態に係るエンボス部を
示す平面図である。
【符号の説明】
10…エンボス部、 12…周壁部、 B…ブランク材、 d1 …深絞りする穴の直径、 h…エンボス部の高さ、 S…素材プレート、 t…素材プレートの肉厚。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンボス部(10)が多数形成されたブラン
    ク材(B)に絞り等の最終成形を施すようにしたプレス成
    形方法において、 前記各エンボス部(10)は、曲線のみにより外形を形成し
    たものであり、前記ブランク材(B)をシート状の素材プ
    レート(S)から切り出す前に、前記エンボス部(10)を当
    該素材プレート(S)全面に渡り所定ピッチ(P)で縦横に
    連続するように張り出し成形したことを特徴とするプレ
    ス成形方法。
  2. 【請求項2】 前記エンボス部(10)は、閉鎖された曲線
    のみにより外形を形成しかつ相互に入り組むような形状
    としたことを特徴とする請求項1に記載のプレス成形方
    法。
  3. 【請求項3】 前記エンボス部(10)は、前記ブランク材
    (B)を用いて成形するとき、型のプロフィルに跨がって
    複数個存在し得るように個々の大きさと相互間のピッチ
    (P)を設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載
    のプレス成形方法。
  4. 【請求項4】 前記エンボス部(10)は、前記素材プレー
    ト(S)の表面に対し所定の傾斜角を持って立ち上げられ
    た周壁部(12)を有し、当該周壁部(12)の前記傾斜角はほ
    ぼ45゜となるようにしたことを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載のプレス成形方法。
  5. 【請求項5】 前記エンボス部(10)は、前記素材プレー
    ト(S)の表面に対し所定の高さ(h)を有する平坦な上面
    部を有し、前記高さ(h)が前記素材プレート(S)の肉厚
    (t)の数倍としたことを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載のプレス成形方法。
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