JP2000046829A - 生理活性成分の測定法 - Google Patents

生理活性成分の測定法

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JP2000046829A
JP2000046829A JP10217863A JP21786398A JP2000046829A JP 2000046829 A JP2000046829 A JP 2000046829A JP 10217863 A JP10217863 A JP 10217863A JP 21786398 A JP21786398 A JP 21786398A JP 2000046829 A JP2000046829 A JP 2000046829A
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Masato Takada
真人 高田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体試料中に共存する結合タンパク質の影響
を除去して測定対象物を測定するための前処理法を提供
する。 【解決手段】 生体試料に収れん剤を加えて前処理する
ことにより、結合タンパク質を測定対象物から乖離さ
せ、同時に不可逆的変性を起こし失活させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗体、結合タンパ
ク質又はレセプターを用いたバイオアッセイにより、生
体試料中の生理活性成分を測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】成長因子、ホルモン、ビタミン、薬物な
どの生理活性成分は、生体内にあっては結合性のタンパ
ク質と結合し、その作用や代謝速度が調節されている。
抗体、結合タンパク質、又はレセプターを用いたアッセ
イにより生理活性成分を測定する場合、しばしばこの共
存するタンパク質が測定値に影響を及ぼす。
【0003】従来、測定しようとする結合タンパク質が
生体試料中に存在する場合、測定への影響を排除するた
めに様々な前処理が行われてきた。インスリン様成長因
子1(IGF−I)を例に取ると、現在最もよく行われ
ている方法として「酸エタノール法」が挙げられる(W.
H. Daughaday Journal of Clinical Endocrinology and
Metabolism, 1980, Vol.51 p781-788)。この方法は、
生体試料を塩酸−エタノール混液で処理すると、酸性条
件でIGF−Iを乖離した結合タンパク質はエタノール
雰囲気下で不溶性となるため、遠心操作によって容易に
試料中から除くことができることを利用したものであ
る。
【0004】しかしながら、酸エタノール法において、
遠心操作を省略すると、中和した時点でIGF−Iに対
する結合タンパク質の結合活性が回復し、測定値に影響
を及ぼす。この欠点を補うため、酸処理した後の中和用
緩衝液に、再結合阻害剤を添加する方法が報告されてい
る(特開平8−145998)。この方法では、中和後
の生体試料溶液中には、IGF−Iが全て遊離状態で存
在すると考えられるので、結合タンパク質の共存は測定
値に影響を与えない。再結合阻害剤としては、8−アニ
リノ−1−ナフタレンスルホン酸塩(ANS)などが用
いられている。
【0005】ANSは、甲状腺ホルモンを結合タンパク
質から乖離させる目的で古くから使用されているもので
あるが、光や空気酸化に対して不安定であり、かつ毒性
が強い等の操作上の問題の他に、免疫反応に影響を及ぼ
す場合があることが指摘され、生体試料の測定に用いる
には制約が多い。
【0006】また試料中に含まれている結合タンパク質
の影響を除去する方法として、ビタミンB1 2の分析にお
いて結合タンパク質にチオール基を導入し、ビタミンB
1 2に対する結合活性を消失させる方法(特許登録194
0596)や、ペルオキシ酸を用いて結合タンパク質を
変性させる方法(特許登録2023927)が知られて
いる。しかしこれらの方法においては、過剰の変性剤を
添加するため、結合タンパク質を変性させた後、余剰の
変性剤を失活させる必要があった。
【0007】IGF−Iの測定法として、試料中に過剰
のIGF−IIを添加する方法が知られている。IGF−
IIは結合タンパク質の結合部位を全てふさぐため、追い
出される格好で遊離するIGF−Iをイムノアッセイで
測定する方法である(W.F. Blum, Acta Endocrinokogic
a, 1988, Vol.118 p374-380)。この方法では測定に用い
る抗体がIGF−IIと交差反応しないことが求められる
が、IGF−IとIGF−IIは構造が酷似しているた
め、前処理で添加する過剰量のIGF−IIに全く影響を
受けない抗体を得ることは困難である。同様な方法がス
テロイドホルモンの測定でも報告されているが(特開平
06−102275)、使用可能な測定系が限定される
上に、コストが高くつくなどの欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来は、上述のように
生体試料中に共存する結合タンパク質の影響を除去する
のに、高価な試薬や毒性の高い試薬を、前処理剤、中和
剤、又は測定用緩衝液に加えることが必要であったり、
あるいは煩雑な操作や特別な機器を必要とした。そのた
め、このような既存方法の有する欠点を解決することが
求められていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では、測定対象物
の活性に影響を及ぼさない範囲で、収れん剤を試料に添
加すると、結合タンパク質のみが失活することを見い出
した。
【0010】すなわち、生体試料を収れん剤に曝すこと
によって、結合タンパク質が測定対象物から乖離し、同
時に不可逆的変性を起こす。前処理を終えた試料は、変
性剤の官能基を中和したり、測定対象物と結合タンパク
質の再結合を阻止するような特別な物質を加える必要は
なく、pHが測定に適した条件になるように中和もしくは
希釈すればよい。あるいはそのまま測定に供することも
可能である。
【0011】本発明によれば、血清、血漿、尿などの生
体試料中の成長因子、特にインスリン様成長因子1及び
インスリン様成長因子2、ホルモン、ビタミン又は薬
物、あるいはアミノ酸、アミノ酸代謝物、ペプチド又は
タンパク質の測定に、煩雑な操作や危険性の高い特別な
試薬を必要とせず、測定系の精度を損なわないで前処理
を行う測定系が提供される。
【0012】収れん剤としては、例えばナトリウムみょ
うばん、カリウムみょうばん、アンモニウウみょうば
ん、クロムみょうばん、鉄みょうばんなどが用いられ、
0.1mM〜1M、好ましくは0.1Mのみょうばん溶液
(pH3〜3.5)で生体試料を処理する。
【0013】本質的には、収れん剤単独による前処理
で、測定対象物を結合タンパク質から乖離させ、同時に
変性、失活させることができるが、前処理を収れん剤と
共に適量のアルコールのような変性剤や塩酸のような乖
離剤と併用することにより、測定対象物の安定性の向上
及び抽出時間の短縮化が可能となり、また遠心操作は不
要であり、再結合阻害剤の使用も不要である。
【0014】変性剤としては、例えば尿素、塩酸グアニ
ジン、SDSなどの界面活性剤;エタノールなどの有機
溶媒;その他酸、塩基などが用いられる。乖離剤として
は、例えば塩酸などの酸が用いられる。
【0015】測定法としては、抗体、結合タンパク質又
はレセプターを用いた競合的測定法又はサンドイッチ法
に用いる生体試料の前処理に用いることができる。この
際、標識として放射性物質、酵素、蛍光試薬又は化学発
光基質を用いた免疫測定法、あるいはラテックス、磁性
ラテックスもしくは蛍光標識ラテックスを用いた凝集反
応により測定することができる。
【0016】本発明はまた、測定用キットを含む。その
ようなキットを構成する試薬例としては、少なくとも以
下の成分を挙げることができる。一例として、測定対象
物がインスリン様成長因子(IGF)測定用キットは、
例えば、サンドイッチ法の場合、 (a)収れん剤を含む前処理液 (b)標識抗IGF抗体 (c)固相化抗IGF抗体 競合法の場合、 (a)収れん剤を含む前処理液 (b)標識抗IGF (c)抗IGF抗体 ラテックス凝集法を用いた競合法の場合、 (a)収れん剤を含む前処理液 (b)IGF固定ラテックス (c)抗IGF抗体 蛍光標識ラテックスを用いたサンドイッチ法の場合、 (a)収れん剤を含む前処理液 (b)抗IGF抗体固定蛍光(ユーロピウム)標識ラテ
ックス (c)抗IGF抗体固定磁性ラテックス を少なくとも含有するキットが一例として挙げられる。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれにより限定されるものではない。 (実施例1)インスリン様成長因子1(IGF−I)の
測定 a)前処理液の調製 0.1Mカリウムみょうばん水溶液(pH3)を調製し
た。 対照のための酸エタノール液として、1規定塩酸1容
にエタノール9容を加えた前処理液を調製した。
【0018】b)抗体ビーズの調製 抗IGF−Iモノクローナル抗体を、アルカリ条件下で
ポリスチレンビーズに物理的に吸着させ、測定に供し
た。
【0019】c)トレーサーの調製 上記b)の抗体とともに、IGF−Iに対してサンドイ
ッチを形成しうるモノクローナル抗体に、標識としてク
ロラミンT法でヨウ素1 2 5を導入した。このトレーサー
を下記ウシ血清アルブミンなどを含むリン酸緩衝液で希
釈し、測定に供した。 0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4) 0.15M塩化ナトリウム 10mMエデト酸二ナトリウム 0.1%ウシ血清アルブミン 0.1%ツィーン20(界面活性剤) 0.02%アジ化ナトリウム
【0020】d)標準IGF−Iの調製 (株)東洋紡より入手したヒトIGF−Iを、上記と同
様のウシ血清アルブミンなどを含むリン酸緩衝液で0.
3〜100ng/mlになるように希釈した。
【0021】e)ヒト血清試料の入手 健常人より採血し、血清分離後速やかに凍結して、使用
時まで保管した。
【0022】f)試料の前処理 試料のヒト血清25μlを試験管にはかり取り、これに
上記又はの前処理液500μlを加えた。上記の
前処理液は、試料撹拌後直ちに測定に供した。の酸エ
タノール抽出液は、試料撹拌後、遠心操作を加え、上清
を測定に供した。
【0023】g)免疫測定 標準IGF−I及び前処理済み試料各25μlずつを試
験管にはかり取り、これにトレーサー溶液300μlを
添加した。混和後、各試験管に抗体ビーズを1個入れて
室温で2時間撹拌した後、精製水各3mlで2回ずつ洗浄
し、抗体ビーズに結合した放射能をγカウンターで測定
した。標準IGF−Iの7濃度の結合放射能量から検量
線を作製した(表1及び図1)。
【0024】
【表1】
【0025】標準曲線と前処理済み試料の結合放射能量
から、前処理済み試料中のIGF−I濃度を求め、21
倍することで処理前の試料中IGF−I濃度を求めた。
結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】(実施例2)収れん剤と変性剤の併用効果 実施例1と同様の試料中のIGF−I濃度を、前処理液
として0.1M HCl+90%エタノール混液と、
25mMカリウムみょうばん液にHClを添加してpH2.
0とした液を、使用した場合とを実施例1と同様に測定
し比較した。その結果を表3に示す。
【0028】
【表3】
【0029】0.1M HCl+90%エタノール、
25mMカリウムみょうばん/HCl添加によりpH2.0
にした液では、抽出直後に測定に供することが可能であ
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】標準IGF−Iの結合放射能の検量線を示す。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体試料に収れん剤を加えて前処理し、
    結合タンパク質の影響を除去することを特徴とする、生
    理活性成分の測定法。
  2. 【請求項2】 収れん剤が、みょうばんである、請求項
    1記載の測定法。
  3. 【請求項3】 前処理を、収れん剤の他に変性剤及び/
    又は乖離剤を併用して行う、請求項1記載の測定法。
  4. 【請求項4】 生体試料が、体液である、請求項1記載
    の測定法。
  5. 【請求項5】 測定対象物が、成長因子、ホルモン、ビ
    タミン又は薬物である、請求項1記載の測定法。
  6. 【請求項6】 測定対象物が、アミノ酸、アミノ酸代謝
    物、ペプチド又はタンパク質である、請求項1記載の測
    定法。
  7. 【請求項7】 測定対象物が、インスリン様成長因子1
    又はインスリン様成長因子2である、請求項1記載の測
    定法。
  8. 【請求項8】 測定法が、抗体、結合タンパク質又はレ
    セプターを用いた競合的測定法又はサンドイッチ法であ
    り、標識として放射性物質、酵素、蛍光物質もしくは化
    学発光基質を用いた測定法;又はラテックス、磁性ラテ
    ックスもしくは蛍光標識ラテックスを用いた測定法であ
    る、請求項1記載の測定法。
  9. 【請求項9】 少なくとも次の試薬(a)、(b)及び
    (c)を含み、生体試料中のインスリン様成長因子をサ
    ンドイッチ法により測定するためのキット。 (a)収れん剤を含む前処理液 (b)標識抗IGF抗体 (c)固相化抗IGF抗体
  10. 【請求項10】 少なくとも次の試薬(a)、(b)及
    び(c)を含み、生体試料中のインスリン様成長因子を
    競合法により測定するためのキット。 (a)収れん剤を含む前処理液 (b)標識抗IGF (c)抗IGF抗体
  11. 【請求項11】 少なくとも次の試薬(a)、(b)及
    び(c)を含み、生体試料中のインスリン様成長因子を
    ラテックス凝集法を用いた競合法により測定するための
    キット。 (a)収れん剤を含む前処理液 (b)IGF固定ラテックス (c)抗IGF抗体
  12. 【請求項12】 少なくとも次の試薬(a)、(b)及
    び(c)を含み、生体試料中のインスリン様成長因子を
    蛍光標識ラテックスを用いたサンドイッチ法により測定
    するためのキット。 (a)収れん剤を含む前処理液 (b)抗IGF抗体固定蛍光標識ラテックス (c)抗IGF抗体固定磁性ラテックス
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002005936A (ja) * 2000-06-26 2002-01-09 Shino Test Corp 酵素免疫測定法による測定試薬及び測定方法
CN114112599A (zh) * 2021-12-10 2022-03-01 泰州泽成生物技术有限公司 一种胰岛素样生长因子-i解离液

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