JP3401903B2 - ステロイド・ホルモンまたはビタミン類の測定法 - Google Patents

ステロイド・ホルモンまたはビタミン類の測定法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小分子を免疫学的に測
定する方法において、反応系に疎水性アミノ酸を共存さ
せることにより、小分子の非特異的結合を抑えて、試料
中の小分子の濃度を正確に測定する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】血液中の小分子は、その大部分が特異
的、非特異的に蛋白質、脂質などと結合している。また
容器などに移した場合は、容器にも非特異的に結合する
ことが知られている。そのため、それら小分子の総量を
正確に精度良く低濃度まで測定するためには、小分子を
特異的、非特異的結合から遊離させなければならない。
【0003】特に小分子が甲状腺ホルモン、ステロイド
ホルモンの場合は、それぞれ特異的な結合蛋白質が存在
し、小分子の血液中での安定性を大きく向上させてい
る。例えばサイロキシン・バインディンググロブリンや
セックスホルモン・バインディンググロブリンなどが良
く知られている。
【0004】加えて、小分子はこの他にも非特異的結合
することが知られている。これら小分子の多くは疎水的
性質を有しており、疎水性相互作用により非特異的に結
合することが知られており、低濃度域まで精度良く正確
に小分子濃度を測定するには、小分子を完全に遊離型に
しなければならない。現実には低濃度域で非特異的結合
の影響が大きく反映して、真濃度より低い濃度で測定さ
れる現象が起こっている。しかしながら、小分子につい
ては低濃度域での正確な濃度を測定する必要があり、臨
床的にこれら問題を解決することが望まれている。
【0005】従来知られている小分子の特異的結合阻害
剤は、コルチゾ−ルの免疫測定法におけるグルタミン酸
溶液(特開昭53−101521号公報)、同じくコル
チゾ−ルの分析方法における8−アニリノ−1−ナフタ
レンスルホン酸(ANS)あるいはその塩(特開昭61
−12547号公報)が報告されている。ANSは、蛋
白質の疎水性領域に結合することが知られ、そのため小
分子の特異的結合を阻害すると考えられている。サイロ
イドホルモンの免疫測定では、利用される特異的阻害剤
がI.J.Chopraのアメリカ合衆国特許3,91
1,096号に詳細に記載されている。
【0006】しかしながらこれら特異的阻害剤は、反応
中に存在する蛋白質全般に影響するため、不必要な変性
を誘発し、抗原抗体反応を阻害することもありうる。ま
たこれら特異的阻害剤は、有効なpHが存在し、中性付
近で必ずしも効果があるとは言い難い。そしてこれら特
異的阻害剤は、残念ながら低濃度の小分子を測定する場
合に必ずしも有効とは言いがたく、また非特異的結合阻
害剤については、ほとんど報告がない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、小分子の免
疫学的測定法において、試料中の小分子の濃度を正確に
測定する方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、非特異的
結合が小分子の疎水的な性質に起因していることに注目
し、その反応系に疎水性アミノ酸を添加することで、そ
の疎水性相互作用に起因する非特異的結合を減少させる
ことを見出だした。さらに本発明者らは、小分子の免疫
測定において、疎水性アミノ酸が一般的な抗原抗体反応
活性剤として作用することを見いだし、本発明を完成す
るに至った。
【0009】すなわち本発明は、小分子を免疫測定法に
て測定する際に、疎水性アミノ酸を反応系に共存させる
ことを特徴とする、小分子の測定法である。以下、本発
明をさらに詳細に説明する。
【0010】本発明で小分子とは、免疫測定法で測定さ
れる際の測定対象とされる物であり、その分子量が小さ
い物である。例えばビタミン類または各種ホルモン、具
体的にはステロイドホルモン、甲状腺ホルモン、ペプタ
イドホルモンなどがあげられる。中でもホルモンとして
は、エストラジオ−ル、エストリオ−ル、テストステロ
ン、プロゲステロン、コルチゾ−ル、またはデヒドロエ
ピアンドロステロン硫酸などをあげることができる。ま
たビタミン類としては、ビタミンD、ビタミンB12また
は葉酸などをあげることができる。
【0011】共存させるアミノ酸としては、疎水性アミ
ノ酸であれば特に限定はないが、例えばフェニルアラニ
ン、トリプトファン、イソロイシン、ロイシン、プロリ
ン、チロシン、メチオニン、バリン、アラニンなどをあ
げることができる。特にイソロイシンまたはロイシンを
用いるとよい結果が得られるため、それらを用いること
が好ましい。これらの疎水性アミノ酸は、1種類を単独
で用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよ
い。2種以上を用いた場合は、相乗効果が期待される。
【0012】疎水性アミノ酸は、免疫測定の際に、反応
系に共存させることが必要であるが、共存させるときの
濃度は、通常(w/v)換算で0.01%〜0.5%、
好ましくは0.02〜0.2%である。疎水性アミノ酸
の反応系への共存のさせ方には特に限定はなく、疎水性
アミノ酸は免疫測定の反応時に反応系に共存していれば
よい。したがって、反応系への添加順序にも特に限定は
なく、疎水性アミノ酸は、小分子及びその他の免疫反応
試薬と比較してどちらを先に添加してもよく、また同時
に添加してもよい。もちろん、免疫測定の反応に先立
ち、小分子と疎水性アミノ酸とを前もって混合させてか
ら反応系へ添加してもよい。
【0013】本発明の方法を適用できる免疫反応の種類
には特に限定はなく、免疫反応の原理や検出のためのラ
ベルの種類を問わないものである。例えば免疫反応とし
ては、サンドイッチ法、競合法、凝集法などに適用する
ことができ、ラベルとして、放射性同位元素、酵素、化
学発光、生物化学発光などに適用することができる。特
に放射性同位元素または酵素や蛍光物質を用いた、サン
ドイッチ法や競合法が好ましい。免疫測定の反応条件
は、疎水性アミノ酸の非存在下で測定を行うのと同様の
通常の条件、例えば通常の反応温度・時間で、疎水性ア
ミノ酸の存在下で免疫測定を行えばよい。
【0014】疎水性アミノ酸を測定時に反応系に共存さ
せることの作用は、必ずしも明らかではないが、以下の
ように考えられる。すなわち、過剰の疎水性アミノ酸を
測定対象の小分子と共存させることにより、測定系全体
の疎水的性質を改変させ、遊離型の小分子の比率を多く
することができると考えられる。さらに疎水性アミノ酸
が、小分子に先立って非特異的に蛋白質、脂質、容器な
どと結合するので、遊離型の小分子を正確に測定するこ
とができると考えられる。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、抽出操作なしに試料中
の小分子の濃度を精度良く測定することが可能である。
例えば、臨床検査において非常に有効な手段であるEI
A,RIAで測定されている小分子は、必ず容器などへ
の非特異的結合などが考えられ、特に低濃度では低回収
されることは広く知られている。そのような測定系に
て、正確な小分子濃度を測定することは非常に有用であ
り、高精度な測定、測定時間の短縮、自動化への発展に
たいする多くの要望を簡便に解決するものであり、その
応用範囲は広い。
【0016】また従来使用されていた、小分子の特異的
結合阻害剤であるグルタミン酸溶液やANSは、pH
6.0〜6.5という弱酸性領域においてその効果が発
揮されるが、本発明の疎水性アミノ酸の場合は、中性p
H領域にて非特異的に結合していた小分子を遊離型とす
ることができるため、より生理的pHに近い条件で測定
を実施することができる。
【0017】
【実施例】以下本発明を更に詳細に説明するために実施
例を示すが、本発明はこれら実施例になんら限定される
ものではない。
【0018】(1)エストラジオ−ルの測定反応試薬 アルカリ性フォスファタ−ゼ標識エストラジオ−ル溶
液 L−ロイシンを0.1%(w/v)になるように、0.
5%ウシ血清アルブミンを含む50mMトリス−塩酸緩
衝液(pH7.0)に溶解させ、希釈液1とした。また
L−ロイシン非添加の0.5%ウシ血清アルブミンを含
む50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.0)を希釈液
2とした。アルカリ性フォスファタ−ゼ標識エストラジ
オ−ル溶液を、280nmの吸光度で0.0002Ab
sになるように希釈液1,2にそれぞれ加え、よく混和
した。
【0019】エストラジオ−ル抗血清の固定化 リン酸緩衝液にて4000倍に希釈したウサギ抗−エス
トラジオ−ル抗血清を、ポリスチレンビ−ズ1個あたり
5μgになるように加え、一晩放置した。次に0.5%
BSAにて2時間ブロッキング処理し、エストラジオ−
ル抗血清固定化ポリスチレンビ−ズを作製した。
【0020】エストラジオ−ル標準液 脱エストラジオ−ル・ヒト血清に、市販エストラジオ−
ル(シグマ社製)を0,40,100,580,169
0,または3500pg/mlになるように調製し、エ
ストラジオ−ル標準液とした。
【0021】希釈試験用試料 ヒト血清を用意し、高濃度の既知量のエストラジオ−ル
を添加して1686pg/mlとし、脱エストラジオ−
ル・ヒト血清にて2倍の希釈系列で試料を作製した。
【0022】(2)標準液の測定 で調製した2種類のアルカリ性フォスファタ−ゼ標識
エストラジオ−ル溶液25μl中に、で調製した各標
準液を75μlずつマイクロピペットにて分注した。次
にで調製した抗血清固定化球を加えた後、AIA12
00(東ソ−株式会社製)にて37℃で40分で反応さ
せ、アルカリ性フォスファタ−ゼの蛍光基質である4−
メチルウンベリフェロンの蛍光強度の増加速度を、それ
ぞれ蛍光光度計にて測定した(nM/sec)。各標準
液は、5回ずつ測定した。
【0023】(3)各標準液濃度(pg/ml)におい
て、標識化エストラジオ−ルの抗血清への結合率(B/
0)を下記の計算式より算出し、表1に示した。
【0024】B/B0=(各標準液の蛍光増加速度/濃
度0の標準液の蛍光増加速度)×100 標準液濃度0の時に、希釈液1,2の蛍光増加速度を比
較すると、ロイシンを含有する希釈液1の方が蛍光増加
速度が大きく、遊離の標識化エストラジオ−ルの量が多
いことが示される。
【0025】また標準液濃度40pg/mlの時に、結
合率B/B0を比較すると、希釈液1の方が希釈液2よ
りはるかに結合率が低いことから、同濃度の標準液を加
えた場合でも、希釈液1の方が遊離のエストラジオ−ル
の量が多く、標識化エストラジオ−ルと競合したためと
考えられる。したがって、ロイシン存在下のほうがエス
トラジオ−ルを感度よく測定することができる。一方、
標準液濃度3500pg/mlの場合は、両者の結合率
は変わらない。このように、ロイシンを共存させること
により、特に低濃度域でも精度よく測定することができ
る。
【0026】
【表1】
【0027】(4)希釈直線性試験 1686pg/mlに調製したエストラジオ−ル試料血
清を、脱エストラジオ−ル・ヒト血清で2倍の希釈系列
で希釈し、測定試料とした。この測定試料を「(2)標
準液の測定」と同様に測定した。各試料は3回ずつ測定
した。回収率は下記の計算式により算出し、結果を表2
にまとめた。
【0028】回収率=(測定値/理論値)×100 表からも明らかなように、疎水性アミノ酸であるL−ロ
イシンを添加することにより、エストラジオ−ルの回収
率が低濃度まで著しく改善されていることがわかる。一
方、L−ロイシン非添加の希釈液2を用いた場合は、低
濃度になるほど低回収率となった。
【0029】
【表2】

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステロイド・ホルモンまたはビタミン類
    免疫測定法にて測定する際に、ロイシンを反応系に共存
    させることを特徴とする、ステロイド・ホルモンまたは
    ビタミン類の測定法。
  2. 【請求項2】ステロイド・ホルモンが、エストラジオー
    ル、エストリオール、テストステロン、プロゲステロ
    ン、コルチゾール、またはデヒドロエピアンドロステロ
    ン硫酸である請求項に記載の測定法。
  3. 【請求項3】ビタミン類がビタミンD、ビタミンB12
    たは葉酸である請求項に記載の測定法。
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