JP2000046080A - ブレーキディスクロータ - Google Patents

ブレーキディスクロータ

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JP2000046080A
JP2000046080A JP10214393A JP21439398A JP2000046080A JP 2000046080 A JP2000046080 A JP 2000046080A JP 10214393 A JP10214393 A JP 10214393A JP 21439398 A JP21439398 A JP 21439398A JP 2000046080 A JP2000046080 A JP 2000046080A
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fin
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disk rotor
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三浩 土井
Takashi Matsubara
崇 松原
Tsutomu Hamabe
勉 浜辺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキ鳴き及びグローン音を共に有効に抑
制する。 【解決手段】 対向する摺動板1、2間に略ロータ径方
向に複数のフィン部3A、3Bを配設し、前記2枚の摺
動板1、2間で、且つ、隣接するフィン部3A、3B間
にロータ径方向内外端が開口したベンチホール4を有す
るブレーキディスクロータにおいて、前記フィン部3
A、3Bは、フィン長さが長い長フィン3A、短い短フ
ィン3B、長い長フィン3A及び短い短フィン3Bの順
で、且つ、長フィン3Aの内の1本が外周部に幅方向に
拡張された拡張部5を有するものである4本をセットS
として構成し、このセットSをロータ周方向に周期的に
配列し、前記フィン部3A、3Bのフィン総数は、nを
直径節モードの次数とすると、4×2n枚に設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用のディスク
ブレーキ装置のブレーキディスクロータに係り、特に、
対向する摺動板間に放射状にフィン部を設けることでフ
ィン部間にベンチホールを構成したベンチレーテッド型
のブレーキディスクロータに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来のブレーキディスクロータ
としては、図9及び図10に示すものが提案(機械学会
論文55巻122号No88−0622A参照)され、
図9はブレーキディスクロータの一部断面図、図10は
図9のA−A線相当断面図である。図9及び図10にお
いて、ブレーキディスクロータは、アウタ側の摺動板1
と、これに対向するインナ側の摺動板2と、これらの間
に配置された複数のフィン部3とを有し、制動時には両
摺動板1、2が左右から摩擦パッドで挾圧されるもので
ある。
【0003】前記複数のフィン部3はロータ径方向に間
隔を置いて配置され、隣接するフィン部3間にはロータ
径方向内外端が開口するベンチホール4が構成されてい
る。又、複数のフィン部3の一部3aは、隣接するフィ
ン部間を埋設することによって幅広に構成されている。
【0004】この構成において、ブレーキディスクロー
タの回転により冷却風がベンチホール4をロータ内周側
からロータ外周側へと通過することによって、ブレーキ
ディスクロータが冷却されるものである。
【0005】しかし、前記従来例の構成では、一部のフ
ィン部3aが幅広に構成されているので、冷却性に問題
があると共に、ロータ周方向の熱的な偏りが生じて熱強
度上にも問題がある。
【0006】そこで、本出願人は上記問題点を解決する
べく他の従来例として特開平9−280278号公報に
開示された図11及び図12に示すものを提案した。図
11はブレーキディスクロータの一部断面図、図12は
図11のB−B線相当断面図である。図11及び図12
において、複数のフィン部3A、3Bはフィン長さが長
い長フィン3Aと、フィン長さが短い短フィン3Bとが
交互に配列されて構成されている。又、各長フィン3A
の外周側は幅広の拡張部5として構成されている。他の
構成は前記従来例と同様なので、図面に同一符号を付し
てその説明を省略する。
【0007】このようにベンチホール4の数及び面積を
多くして冷却性の向上が図られると共に、フィン部3
A、3Bを極端に広くしないため、ロータ周方向の熱的
な偏りが極力防止されて熱強度上でも有利な構成となっ
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記他
の従来例においては、ブレーキ鳴きを有効に抑制できな
いという問題がある。つまり、通常ブレーキ鳴きで問題
となる周波数は5〜10kHzのものが多く、フィン部
3A、3Bが長フィン3Aと短フィン3Bの交互の配列
であるブレーキディスクロータでは非常に高い周波数の
ものにしか抑制効果がないため、有効にブレーキ鳴きを
抑制できず、不快な騒音を発生する可能性がある。
【0009】また、ブレーキディスクロータの熱変形に
起因するグローン音を有効に抑制できないという問題も
ある。つまり、図13に示すように、ブレーキディスク
ロータが制動熱の影響によってフィン部3A、3Bを有
する箇所の肉厚が厚く、ベンチホール4を有する箇所の
肉厚が相対的に薄くなる熱変形を起こし、この肉厚変動
が起振力となって自動車キャビン内で異音として聞こえ
るものがグローン音である。上記変形は基本的にフィン
部3A、3Bの本数と長さ/幅(摺動部1、2の剛性)
によって決まり、例えば、48枚の等長フィンでは48
次の変形となって現れる。上記他の従来例のように、長
フィン3Aと短フィン3Bの交互の配列では、図14に
示すように、基本的の48次以外に24次の成分しか現
れないため、振動の振幅ピーク値が2つの次数だけとな
り、グローン音を有効に抑制できない可能性がある。
【0010】そこで、本発明は、ブレーキ鳴き及びグロ
ーン音が共に有効に抑制できるブレーキディスクロータ
の提供を課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、対向
する摺動板間に略ロータ径方向に複数のフィン部を配設
し、前記2枚の摺動板間で、且つ、隣接するフィン部間
にロータ径方向内外端が開口したベンチホールを有する
ブレーキディスクロータにおいて、前記フィン部は、フ
ィン長さが長い長フィン、短い短フィン、長い長フィン
及び短い短フィンの順で、且つ、長フィンの内の1本が
幅方向に拡張された拡張部を有するものである4本をセ
ットとして構成し、このセットをロータ周方向に周期的
に配列したことを特徴とする。
【0012】請求項2の発明は、請求項1記載のブレー
キディスクロータであって、前記拡張部は、前記フィン
部の外周側に配置したことを特徴とする。
【0013】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
記載のブレーキディスクロータであって、前記フィン部
のフィン総数は、nを直径節モードの次数とすると、4
×2n枚であることを特徴とする。
【0014】請求項4の発明は、請求項2又は請求項3
記載のブレーキディスクロータであって、前記長フィン
と前記短フィンは、内周側長さを異ならせることで異な
る長さに構成し、前記拡張部を有する長フィンは、ロー
タ内周側の内端からロータ外周側へフィン長の略1/3
を上回って位置するフィン中央部の幅が、ロータ内周側
の端部のフィン幅に対して同等以上となるよう構成し、
且つ、前記拡張部を外周端に向かうに従って徐々に幅広
に構成したことを特徴とする。
【0015】請求項5の発明は、請求項3又は請求項4
記載のブレーキディスクロータであって、直径節モード
の次数nは5で、フィン総数が40枚であることを特徴
とする。
【0016】請求項6の発明は、請求項3又は請求項4
記載のブレーキディスクロータであって、直径節モード
の次数nは6で、フィン総数が48枚であることを特徴
とする。
【0017】請求項7の発明は、請求項3又は請求項4
記載のブレーキディスクロータであって、直径節モード
の次数nは7で、フィン総数が56枚であることを特徴
とする。
【0018】
【発明の効果】請求項1の発明では、ブレーキディスク
ロータの固有振動の直径節モードは1/4波長位相差を
持つ重根モードとなり、拡張部を有する長フィンの位置
が重根モードの一方のモードに対して節となり、他方の
モードに対して腹となる。ここで、拡張部近傍は、それ
を持たないフィン部に対し拡張部の効果により質量、剛
性共に増加しており、これによって他方のモードの固有
値は変化するが、一方のモードの固有値は変化しないた
め、重根モードは2つの固有値に分離され、ブレーキ鳴
きの発生要因である摩擦パッドとの間に発生する起振力
に対して振動の連成が回避され、これによりブレーキ鳴
きの発生が抑制される。
【0019】また、フィン部の1セットを構成する4本
のフィン部はその長さ/幅(摺動部の剛性)が3種類に
分類されるため、フィン部の総数をMとすると、M次、
(M/2)次、(M/4)次の成分が現れ、振動の振幅
ピーク値が3つの次数に分散されることによりグローン
音が有効に抑制される。
【0020】請求項2の発明では、請求項1の発明の効
果に加え、拡張部が外周部に位置するので、振幅が大き
い外周部の剛性及び質量の変化に大きく寄与するため、
直径節モードに対して有効に作用する。
【0021】請求項3の発明では、請求項1又は請求項
2の発明の効果に加え、nの数を選択することによって
その次数の直径節モードが選択できるため、所望の周波
数近傍のブレーキ鳴きを有効に抑制できる。
【0022】請求項4の発明では、請求項2又は請求項
3の発明の効果に加え、ブレーキディスクロータの回転
に伴い遠心力によってベンチホール内をロータ内周側か
らロータ外周側に向かって冷却風が流れ、これによって
フィン部及び摺動板が冷却される。
【0023】ここで、フィン部は長フィンと短フィンが
交互に配置されて内周側長さが交互に形成されているた
め、冷却風の入口面積が広くなり、良好な冷却性能が得
られる。又、拡張部を有するフィン部に沿って流入した
冷却風は、この流れの後半部分では、対向するフィン部
の傾斜面が位置しているため、流体のコアンダー効果に
より流れが傾斜面に引き寄せられ、傾斜面側に偏向する
ことになる。流れの偏向により、傾斜面付近の剥離流領
域の圧力が上昇して、傾斜面からフィン部の側面に沿っ
てロータ内周側へ向かう流れが生じる。この結果、冷却
風の主流と相俟って渦領域が形成される。渦領域の回転
流による誘起速度が主流の流速に加わる。このため、主
流の流速が上昇する。又、外周側の偏向する流れによ
り、流路幅は、拡張部がない場合の流れの状態に比べて
拡大する。この結果、この部分での通気抵抗が低減し
て、主流の流速が増大する。このように、冷却風は渦に
よる誘起速度の上昇及び流路面積の拡大により冷却効率
が向上する。
【0024】また、フィン部は長フィンと短フィンが交
互に配置されて内周側長さが交互に形成されているた
め、冷却風の流速は短フィン手前の流路より長フィン手
前の流路の方が速く、且つ、長フィン手前の2つの流路
については、拡張部に隣接する流路の方が速くなり、一
方、冷却風で冷却されるフィン部は質量が小さいほど冷
却され易く、その順番は上記流速と逆の順序であるた
め、各フィン部の冷却性はほぼ同等となり、ロータ周方
向での熱的な偏りが生じず熱強度上も有利である。
【0025】請求項5の発明では、請求項3又は請求項
4の発明の効果に加え、5次の直径節モードに対応する
周波数近傍のブレーキ鳴きを有効に抑制できる。
【0026】請求項6の発明では、請求項3又は請求項
4の発明の効果に加え、6次の直径節モードに対応する
周波数近傍のブレーキ鳴きを有効に抑制できる。
【0027】請求項7の発明では、請求項3又は請求項
4の発明の効果に加え、7次の直径節モードに対応する
周波数近傍のブレーキ鳴きを有効に抑制できる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0029】図1は本発明の一実施形態に係るブレーキ
ディスクロータの一部切欠正面図、図2はその断面図、
図3(a)はブレーキディスクロータの要部断面図、図
3(b)は図3(a)のC−C線相当断面図である。図
1〜図3において、この実施形態にあって前記従来例又
は他の従来例と同一構成部分は図面に同一符号を付して
その説明を省略し、異なる構成部分のみを説明する。
【0030】即ち、この実施形態では、フィン部3A、
3Bは、フィン長さが長い長フィン3A、短い短フィン
3B、長い長フィン3A及び短い短フィン3Bの順で、
且つ、長フィン3Aの内の1本が幅方向に拡張された拡
張部5を有するものである4本をセットSとして構成
し、このセットSをロータ周方向に周期的に配列して構
成されている。
【0031】このフィン部3A、3Bのフィン総数は、
nを直径節モードの次数とすると、4×2n枚となるよ
う設定されており、この実施形態ではn=6でフィン総
数が48枚として構成されている。隣接するフィン部3
A、3Bの間隔dは7.5degである。
【0032】長フィン3Aと短フィン部3Bとのフィン
長さは、外周側を略同一とし、内周側を異ならせること
で異なる長さに構成されている。つまり、長フィン3A
の方が短フィン3Bより内周側に突出したものとなって
いる。
【0033】前記拡張部5を有する長フィン3Aは、ロ
ータ内周側の内端からロータ外周側へフィン長Lの略1
/3(L/3)を上回って位置する{X>(L/3)}
フィン中央部の幅W2 が、ロータ内周側の端部のフィン
幅W1 に対して同等以上(W2 ≧W1 )となるよう構成
されている。又、前記拡張部5はフィン外周側に配置さ
れ、且つ、外周端に向かうに従って徐々に幅広に構成さ
れている。一方、拡張部5を有さない長フィン3A及び
短フィン3Bは、ロータ内周側の内端からロータ外周側
の外端までほぼ同一幅で構成されている。
【0034】尚、図1〜図3において、6はブレーキデ
ィスクロータを車軸側のハブ部に取付けるためのハット
部であり、ハット部6はアウタ側の摺動板1と一体に構
成されている。
【0035】次に、上記構成の作用を図4〜図8に基づ
き説明する。図4は、拡張部5を有する長フィン3Aの
位置と、ブレーキ鳴きで問題となる直径節モード(本実
施形態では6次)の面外方向振動とを示す図である。図
4において、ブレーキディスクロータの固有振動の直径
節モードは1/4波長位相差を持つ重根モードとなり、
拡張部5を有する長フィン3Aの位置が重根モードの一
方のモードM1に対して節となり、他方のモードM2に
対して腹となる。
【0036】ここで、拡張部近傍は、それを持たないフ
ィン部に対し拡張部5の効果により質量、剛性共に増加
しており、これによって他方のモードM2の固有値は変
化するが、一方のモードM1の固有値は変化しないた
め、重根モードは2つの固有値に分離され、ブレーキ鳴
きの発生要因である摩擦パッド(図示せず)との間に発
生する起振力に対して振動の連成が回避される。これに
よりブレーキ鳴きの発生が抑制される。
【0037】通常ブレーキ鳴きで問題となる周波数は5
〜10kHzのものが多く、ロータ次数としては5〜7
次に相当するため、本発明で有効にブレーキ鳴きを抑制
できる。この実施形態では、6次の直径節モードに対応
する周波数近傍のブレーキ鳴きの発生が抑制される。
【0038】拡張部5が外周部に位置するので、振幅が
大きい外周部の剛性及び質量の変化に大きく寄与するた
め、直径節モードに対して有効に作用することになる。
【0039】図5は、フィン部3A、3Bの配列と、制
動熱によるブレーキディスクロータの肉厚変動との関係
を示す図、図6は、熱変形時における振動の周波数特性
を示す図である。図5に示すように、ブレーキディスク
ロータが制動熱の影響によってフィン部3A、3Bを有
する箇所の肉厚が厚く、ベンチホール4を有する箇所の
肉厚が相対的に薄くなる熱変形を起こす。
【0040】この変形は基本的にフィン部3A、3Bの
本数と長さ/幅(摺動部1、2の剛性)によって決ま
り、セットSを構成する4本のフィン部3A、3Bは、
その長さ/幅(摺動部の剛性)が3種類に分類、つま
り、拡張部5を有する長フィン3Aと拡張部5を有さな
い長フィン3Aと短フィン3Bに分類される。従って、
フィン部3A、3Bの総数をM(=48)とすると、M
(=48)次、M/2(=24)次、M/4(=12)
次の成分が現れる。制動による入力エネルギーは一定の
ため、振動の振幅ピーク値が3つの次数に分散されるこ
とより図6に示すような2種類以下のフィンを組合わせ
た従来ロータ形状に比べてグローン音が有効に抑制され
る。
【0041】図7は冷却風のベンチホール4への流入状
態を示すブレーキディスクロータの要部断面図、図8は
ベンチホール4内での気流の状態を示すブレーキディス
クロータの要部拡大断面図である。図7及び図8におい
て、ブレーキディスクロータの反時計方向Rの回転に伴
い遠心力によってベンチホール4内をロータ内周側から
ロータ外周側に向かって冷却風が流れ、これによってフ
ィン部3A、3B及び摺動板1、2が冷却される。
【0042】ここで、フィン部3A、3Bは長フィン3
Aと短フィン3Bが交互に配置されて内周側長さが交互
に形成されているため、冷却風の入口面積が広くなり、
良好な冷却性能が得られる。又、拡張部5を有するフィ
ン部3Aに沿って流入した冷却風は、図8に示すよう
に、この流れの後半部分では、対向するフィン部3Aの
傾斜面10が位置しているため、流体のコアンダー効果
により流れが傾斜面10に引き寄せられ、傾斜面側に偏
向することになる。流れの偏向により、傾斜面付近の剥
離流領域の圧力が上昇して、傾斜面10からフィン部3
Aの側面に沿ってロータ内周側へ向かう流れが生じる。
【0043】この結果、冷却風の主流と相俟って渦領域
が形成され、渦領域の回転流rによる誘起速度が主流の
流速に加わる。このため、主流の流速が上昇する。又、
外周側の偏向する流れにより、流路幅は、拡張部5がな
い場合の流れの状態に比べて拡大する。この結果、この
部分での通気抵抗が低減して、主流の流速が増大する。
このように、冷却風は渦による誘起速度の上昇及び流路
面積の拡大により冷却効率が向上する。
【0044】また、図7に示す如く、説明の便宜上各ベ
ンチホール4をA、B、C、Dに区別すると、フィン部
3A、3Bは長フィン3Aと短フィン3Bが交互に配置
されて内周側長さが交互に形成されているため、冷却風
の流速は短フィン3B手前の流路A、Cより長フィン3
A手前の流路B、Dの方が速く、且つ、長フィン3A手
前の2つの流路B、Dについては、拡張部5に隣接する
流路Dの方が速くなり、流速の順序はD>B>A(C)
となり、AとCはほぼ同じとなる。
【0045】一方、図7に示すごとく、説明の便宜上各
フィン部3A、3Bをa、b、c、dに区別すると、冷
却風で冷却されるフィン部3A、3Bは質量が小さいほ
ど冷却され易く、その順番は上記流速と逆の順序a=c
>b>dとなる。ここで、各フィン部3A、3Bの冷却
性は流速とフィン部3A、3B自体の質量で決定される
ことから、各フィン部3A、3Bの冷却性はほぼ同等と
なり、ロータ周方向での熱的な偏りが生じず熱強度上も
有利な構造である。
【0046】また、通常ブレーキ鳴きで問題となる周波
数は5〜10kHzであり、現実的には5次〜7次付近
の振動モードをコントロールできれば効果的である。こ
の実施形態では、直径節モードの次数がn=6でフィン
総数が48枚として構成されているが、n=5でフィン
総数が40枚として構成することによって5次の直径節
モードに対応する周波数近傍のブレーキ鳴きを有効に抑
制できる。又、n=7でフィン総数が56枚として構成
することによって7次の直径節モードに対応する周波数
近傍のブレーキ鳴きを有効に抑制できる。つまり、直径
節モードの次数を可変して振動モードの固有値を、抑制
したい周波数に合わせることにより、所望の周波数のブ
レーキ鳴きを有効に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るブレーキディスクロ
ータの一部切欠正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るブレーキディスクロ
ータの断面図である。
【図3】(a)は本発明の一実施形態に係るブレーキデ
ィスクロータの要部断面図、(b)は図3(a)のC−
C線相当断面図である。
【図4】拡張部5を有する長フィン3Aの位置と、ブレ
ーキ鳴きで問題となる直径節モード(本実施形態では6
次)の面外方向振動とを示す図である。
【図5】フィン部3A、3Bの配列と、制動熱によるブ
レーキディスクロータの肉厚変動との関係を示す図であ
る。
【図6】上記熱変形時における振動の周波数特性を示す
図である。
【図7】冷却風のベンチホール4への流入状態を示すブ
レーキディスクロータの要部断面図である。
【図8】ベンチホール4内での気流の状態を示すブレー
キディスクロータの要部拡大断面図である。
【図9】従来例のブレーキディスクロータの要部断面図
である。
【図10】図9のA−A線相当断面図である。
【図11】他の従来例のブレーキディスクロータの要部
断面図である。
【図12】図11のB−B線相当断面図である。
【図13】フィン部3A、3Bの配列と、制動熱による
ブレーキディスクロータの肉厚変動との関係を示す図で
ある。
【図14】上記熱変形時における振動の周波数特性を示
す図である。
【符号の説明】
1、2 摺動板 3A 長フィン 3B 短フィン 4 ベンチホール 5 拡張部 S セット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜辺 勉 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 久保田 正博 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3J058 BA21 BA23 CB23 CB25 FA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する摺動板間に略ロータ径方向に複
    数のフィン部を配設し、前記2枚の摺動板間で、且つ、
    隣接するフィン部間にロータ径方向内外端が開口したベ
    ンチホールを有するブレーキディスクロータにおいて、 前記フィン部は、フィン長さが長い長フィン、短い短フ
    ィン、長い長フィン及び短い短フィンの順で、且つ、長
    フィンの内の1本が幅方向に拡張された拡張部を有する
    ものである4本をセットとして構成し、このセットをロ
    ータ周方向に周期的に配列したことを特徴とするブレー
    キディスクロータ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のブレーキディスクロータ
    であって、 前記拡張部は、前記フィン部の外周側に配置したことを
    特徴とするブレーキディスクロータ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のブレーキデ
    ィスクロータであって、 前記フィン部のフィン総数は、nをロータ直径節モード
    の次数とすると、4×2n枚であることを特徴とするブ
    レーキディスクロータ。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3記載のブレーキデ
    ィスクロータであって、 前記長フィンと前記短フィンは、内周側長さを異ならせ
    ることで異なる長さに構成し、 前記拡張部を有する長フィンは、ロータ内周側の内端か
    らロータ外周側へフィン長の略1/3を上回って位置す
    るフィン中央部の幅が、ロータ内周側の端部のフィン幅
    に対して同等以上となるよう構成し、且つ、前記拡張部
    を外周端に向かうに従って徐々に幅広に構成したことを
    特徴とするブレーキディスクロータ。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4記載のブレーキデ
    ィスクロータであって、 直径節モードの次数nは5で、フィン総数が40枚であ
    ることを特徴とするブレーキディスクロータ。
  6. 【請求項6】 請求項3又は請求項4記載のブレーキデ
    ィスクロータであって、 直径節モードの次数nは6で、フィン総数が48枚であ
    ることを特徴とするブレーキディスクロータ。
  7. 【請求項7】 請求項3又は請求項4記載のブレーキデ
    ィスクロータであって、 直径節モードの次数nは7で、フィン総数が56枚であ
    ることを特徴とするブレーキディスクロータ。
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