JPH08312698A - ベンチレーテッドロータ - Google Patents

ベンチレーテッドロータ

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Publication number
JPH08312698A
JPH08312698A JP11982895A JP11982895A JPH08312698A JP H08312698 A JPH08312698 A JP H08312698A JP 11982895 A JP11982895 A JP 11982895A JP 11982895 A JP11982895 A JP 11982895A JP H08312698 A JPH08312698 A JP H08312698A
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JP
Japan
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flow
inlet
increased
pressure
ventilated rotor
Prior art date
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Pending
Application number
JP11982895A
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English (en)
Inventor
Takashi Matsubara
崇 松原
Katsuyuki Fujii
勝幸 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH08312698A publication Critical patent/JPH08312698A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D65/00Parts or details
    • F16D65/02Braking members; Mounting thereof
    • F16D65/12Discs; Drums for disc brakes
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D65/00Parts or details
    • F16D65/02Braking members; Mounting thereof
    • F16D2065/13Parts or details of discs or drums
    • F16D2065/1304Structure
    • F16D2065/1308Structure one-part
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D65/00Parts or details
    • F16D65/02Braking members; Mounting thereof
    • F16D2065/13Parts or details of discs or drums
    • F16D2065/1304Structure
    • F16D2065/1328Structure internal cavities, e.g. cooling channels

Abstract

(57)【要約】 【目的】従来の構造よりもさらに高い冷却効果を得るこ
とができるベンチレーテッドロータを提供する。 【構成】通風孔7に、内周面1A側の開口部近傍の入口
部7Aと、外周面1B側の開口部近傍の出口部7Cと、
これら入口部7A及び出口部7C間の中央部7Bとを設
定する。そして、入口部7Aの形状のうち、インナディ
スク4Bの内径をアウタディスク4Aの内径に比べて大
きくすることにより、アクスル2外周面とインナディス
ク4Bと間の隙間を拡大させる(図2のA部)。さら
に、アウタディスク4A内面の入口部7Aを形成する部
分を、内周面1A側に向かうに従って徐々に車幅方向外
側(図2左側)に開くようにオフセットさせるとともに
(図2のB1部)、インナディスク4B内面の入口部7
Aを形成する部分を、内周面1A側に向かうに従って徐
々に車幅方向内側(図2右側)に開くようにオフセット
させる(図2のB2部)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車輪とともに回転し
且つブレーキパッドとの摩擦面を構成するディスクブレ
ーキのロータのうち、内周面側から外周面側に通じる通
風孔を形成して冷却効果の向上を図るベンチレーテッド
ロータに関し、特に、従来の構造よりもさらに高い冷却
効果を得ることができるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】冷却効果の向上を図った従来のベンチレ
ーテッドロータとしては、例えば特開平5−32195
9号公報(第1従来例)や、米国特許第4865167
号明細書(第2従来例)等に開示されたものがある。即
ち、上記第1従来例に開示されたベンチレーテッドロー
タにあっては、平行に対向する二枚の円板間に複数のフ
ィンを放射状に配設して通風孔(ベンチホール)を形成
したベンチレーテッドロータにおいて、特にその公開公
報の図2に開示されるように、二枚の円板の肉厚を内周
面側から外周面側に向かうに従って徐々に厚くすること
により、通風孔の断面積を徐々に小さくし、これにより
通風孔内を通過する冷却風の流速を増大させ、冷却効果
の向上を図る、というものであった。
【0003】また、上記第2従来例には、通風孔の入口
に近い部分を湾曲させることにより、通風孔にスムーズ
に冷却風が流れ込むことを期待したベンチレーテッドロ
ータが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た第1従来例にあっては、放射状に配置される複数のフ
ィン間の間隔は、当然に内周面側よりも外周面側の方が
広くなっているため、二枚の円板の肉厚を外周面側に向
かうに従って徐々に厚くしても、通風孔の断面積は必ず
しも縮小しないから、冷却風の流速を増大させる構成と
しては未完成である。また、仮に通風孔の断面積が外周
面側に向かうに従って徐々に小さくなったとしても、こ
れでは通風孔の出口部の通気抵抗が大きくなり、冷却風
が通風孔から吐出する際に縮流されるため、通風孔の出
口部では流速が低下してしまう。従って、この第1従来
例に開示されたベンチレーテッドロータでは、十分な冷
却効果を得るため径を大きなものとしなければならなか
った。
【0005】一方、第2従来例にあっては、通風孔への
冷却風の流入をスムーズにすることはできても、通風孔
内の冷却風の流速を増大させるようには構成されていな
かったので、やはり十分な冷却効果を得るため径を大き
なものとしなければならなかった。この発明は、このよ
うな従来の技術における未解決の課題に着目してなされ
たものであって、十分な冷却効果が得られるベンチレー
テッドロータを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、内周面及び外周面間を通じ
る通風孔が形成されたベンチレーテッドロータにおい
て、前記通風孔に、内周面側開口部近傍の入口部と、外
周面側開口部近傍の出口部と、これら入口部及び出口部
間の中央部とを設定し、それら入口部,中央部及び出口
部毎の機能要求に応じた通流促進機構を、前記入口部,
中央部及び出口部の少なくとも一つに形成したものであ
る。
【0007】また、請求項2に係る発明は、上記請求項
1に係る発明であるベンチレーテッドロータにおいて、
前記入口部に、前記通流促進機構として、圧力増大機
構,圧力回復機構,方向変換機構及び整流機構のうちの
少なくとも一つを形成した。そして、請求項3に係る発
明は、上記請求項1又は請求項2に係る発明であるベン
チレーテッドロータにおいて、前記中央部に、前記通流
促進機構として、流速増大機構,高流速維持機構及び局
所流速増大機構のうちの少なくとも一つを形成した。
【0008】さらに、請求項4に係る発明は、上記請求
項1〜請求項3に係る発明であるベンチレーテッドロー
タにおいて、前記出口部に、前記通流促進機構として、
上流流速増大機構及び整流機構のうちの少なくとも一つ
を形成した。一方、請求項5に係る発明は、上記請求項
1〜請求項4に係る発明であるベンチレーテッドロータ
において、前記入口部の上流側の圧力を増大させる圧力
増大手段を設けた。
【0009】そして、請求項6に係る発明は、上記請求
項1〜請求項5に係る発明であるベンチレーテッドロー
タにおいて、前記入口部の上流側の空気流を整流する整
流手段を設けた。さらに、請求項7に係る発明は、上記
請求項1〜請求項6に係る発明であるベンチレーテッド
ロータにおいて、前記出口部の下流側の圧力を低減させ
る圧力低減手段を設けた。
【0010】
【作用】請求項1に係る発明にあっては、通風孔の入口
部,中央部及び出口部の各部の機能要求に応じた通流促
進機構を、それら入口部,中央部及び出口部のうちの少
なくとも一つに形成しているため、小径でも十分な冷却
効果を得ることができる。
【0011】ここで、請求項2に係る発明では、通風孔
の特に入口部に通流促進機構を形成しているが、通風孔
の通流を促進するために入口部に要求される機能は、ベ
ンチレーテッドロータ外部の空気を大量に通風孔内に導
入することができる機能であるから、通風孔の入口部の
圧力を増大させる機構(圧力増大機構),通風孔の入口
部の流速を下げて入口部の圧力を上昇させる機構(圧力
回復機構),ベンチレーテッドロータの回転軸に沿った
方向の空気流が径方向外側に向かう空気流に変換される
ことを助ける機構(方向変換機構),通風孔の入口部で
の空気流の偏りを無くして乱流を減少させる機構(整流
機構)のうちの少なくとも一つを設けた結果、通風孔内
に大量の空気が流れ込むようになる。
【0012】また、請求項3に係る発明では、通風孔の
特に中央部に通流促進機構を形成しているが、通風孔の
通流を促進するために中央部に要求される機能は、入口
部に流れ込んだ冷却風の流速を増大させて若しくは低下
させることなく出口部に向かわせる機能であるから、冷
却風を縮流させて流速を増大させる機構(流速増大機
構),流速の速い部分を長く確保する機構(高流速維持
機構),平行流から拡大流に移行する流れを形成してそ
の拡大流の折れ点部分の流速を局所的に高める機構(局
所流速増大機構)のうちの少なくとも一つを設けた結
果、冷却風の流速は増大し易くなる又は低下し難くな
る。
【0013】そして、請求項4に係る発明では、通風孔
の特に出口部に通流促進機構を形成しているが、通風孔
の通流を促進するために出口部に要求される機能は、冷
却風をスムーズに吐出させる機能であるから、冷却風の
例えば流れの中心部の流速を上昇させる機構(上流流速
増大機構),吐出部分の冷却風を整流して吐出し易い流
れの向きにして抵抗を下げる機構(整流機構)のうちの
少なくとも一方を設けた結果、冷却風はスムーズに吐出
する。
【0014】また、請求項5に係る発明にあっては、圧
力増大手段が、通風孔の入口部のさらに上流側の圧力を
増大させるため、入口部にさらに空気が流入し易くな
る。そして、請求項6に係る発明にあっては、整流手段
が、通風孔の入口部のさらに上流側の空気流を整流する
ため、入口部にさらに空気が流入し易くなる。さらに、
請求項7に係る発明にあっては、圧力低減手段が、通風
孔の出口部のさらに下流側の圧力を低減させるため、出
口部からさらに冷却風が吐出し易くなる。
【0015】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1乃至図4は本発明の第1実施例を示す図で
あって、図1は一部分を省略したベンチレーテッドロー
タ1の正面図、図2は実際に車両に搭載した状態におけ
るベンチレーテッドロータ1の図1のII−II線断面図で
ある。
【0016】先ず、構成を説明すると、このベンチレー
テッドロータ1は、図2に示すようにアクスル2に対し
て回転自在のハブ3に固定されることにより、図示しな
い車輪と一体に回転するロータであって、ディスクブレ
ーキのブレーキパッドが表裏面に接触することにより摩
擦力(制動力)を発生するための部材である。そして、
本実施例のベンチレーテッドロータ1は、特に図1及び
図2に示すように、ハブ3の回転軸と同軸の円板からな
り且つ車幅方向外側に位置するアウタディスク4Aと、
このアウタディスク4Aと平行に対向する円板からなり
且つ車幅方向内側に位置するインナディスク4Bと、そ
れらアウタディスク4A,インナディスク4Bの相対向
する内面間に介在して両ディスク4A,4Bを結合する
複数のフィン5,…,5と、を有していて、アウタディ
スク4A,インナディスク4Bの対向しない側の面がデ
ィスクブレーキのパッドとの摩擦面となる。ただし、ア
ウタディスク4A,インナディスク4Bの中心部は、ハ
ブ3の外形よりもある程度大きく円形に打ち抜かれてお
り、またアウタディスク4Aのその円形に打ち抜かれた
内周部に連続して、円筒部6が同軸に固定されている。
かかる円筒部6は、このベンチレーテッドロータ1をハ
ブ3に固定する際に利用されるものであって、円筒部6
にはその固定のための複数のボルト孔6aが形成されて
いる。
【0017】一方、フィン5,…,5は、アウタディス
ク4A,インナディスク4Bの内径側から外径側に延び
る細長い流線型の部材であって、アウタディスク4A,
インナディスク4Bの内面(相対向する側の面)に周方
向全域に放射状に略等間隔に配置されている。従って、
アウタディスク4A,インナディスク4Bに挟まれた空
間には、それらフィン5,…,5に仕切られてベンチレ
ーテッドロータ1の内周面1A側から外周面1B側に放
射状に延びる複数の通風孔7,…,7が形成されてい
る。
【0018】ここで、通風孔7には、内周面1A側の開
口部近傍の入口部7Aと、外周面1B側の開口部近傍の
出口部7Cと、これら入口部7A及び出口部7C間の中
央部7Bとが設定されている。そして、通風孔7の入口
部7Aの形状が通常のベンチレーテッドロータ1と大き
く相違しており、その相違点の第1は、インナディスク
4Bの内径をアウタディスク4Aの内径に比べて大きく
することにより、アクスル2外周面とインナディスク4
Bと間の隙間を拡大させている点である(図2のA部参
照)。
【0019】また、その相違点の第2は、アウタディス
ク4A内面の入口部7Aを形成する部分を、内周面1A
側に向かうに従って徐々に車幅方向外側(図2左側)に
開くようにオフセットさせるとともに(図2のB1部参
照)、インナディスク4B内面の入口部7Aを形成する
部分を、内周面1A側に向かうに従って徐々に車幅方向
内側(図2右側)に開くようにオフセットさせている点
である(図2のB2部参照)。
【0020】なお、アウタディスク4A内面及びインナ
ディスク4B内面の中央部7Bを形成する部分は、入口
部7Aの径方向外側端部に連続して、両ディスク4A,
4Bの半径方向に沿って延びる互いに平行な面となって
いる。また、アウタディスク4A内面及びインナディス
ク4B内面の出口部7Cを形成する部分は、中央部7B
に段差なく連続して、両ディスク4A,4Bの半径方向
に沿って延びる互いに平行な面となっている。
【0021】次に、本実施例の動作を説明する。即ち、
ハブ3に固定されたベンチレーテッドロータ1はそのハ
ブ3と一体に回転するため、遠心力等の影響により内周
面1A側と外周面1B側とに前者側が高くなる方向の圧
力差が生じ、これにより通風孔7内を内周面1A側から
外周面1B側に通過する空気流が発生する。
【0022】そして、その空気流が冷却風として作用
し、ディスクブレーキのパッドとの摩擦による高温状態
になり易いベンチレーテッドロータ1の放熱が促進され
るのであるが、本実施例では、図2のA部,B1部及び
B2部に示すような特異な形状を採用しているため、通
風孔7内を通過する冷却風の流量が増大し、良好な放熱
効果を得ることができる。
【0023】これを詳述すると、先ず図2のA部の形状
を採用した結果、ベンチレーテッドロータ1の回転時に
おける空気流を矢印で表す図3(図2と同様に図1のII
−II線断面図である。)にも示すように、ベンチレーテ
ッドロータ1外部と入口部7Aとの間を連通させる開口
部9の開口面積が大きくなっているため、その開口部で
の減圧作用がなくなるから、入口部7Aに入り込む直前
の空間10の圧力が容易に増大するようになる。つま
り、A部が請求項2に係る発明における圧力増大機構
(通流促進機構)として機能する。
【0024】一方、図2のB1部及びB2部の形状を採
用した結果、入口部7Aの直前の空間10の容積が大き
くなるから、開口部9を通じて流れ込んでくる空気流の
流速がその空間10において低下し、その空間10にお
ける圧力がさらに上昇するようになっている。つまり、
B1部及びB2部が請求項2に係る発明における圧力回
復機構(通流促進機構)として機能する。
【0025】そして、空間10の容積が大きくなってそ
の空間10における空気流の流速が低下すると、開口部
9を軸方向(図3左右方向)に流れて入口部7Aの直前
に到達する空気流の方向が、容易に半径方向内側から外
側に向かう流れ(図3の上方から下方に向かう流れ)に
容易に方向変換することができる。つまり、B1部及び
B2部が請求項2に係る発明における方向変換機構(通
流促進機構)としても機能する。
【0026】さらに、空間10の容積が大きくなると、
乱流等が発生し難くなるから、空間10から入口部7A
に流れ込む空気流が偏りのない均一な空気流に整えらる
ようになる。つまり、B1部及びB2部が請求項2に係
る発明における整流機構(通流促進機構)としても機能
する。そして、上述した圧力増大機構や圧力回復機構に
よって空間10の圧力が増大すれば、それだけ大量の空
気が入口部7Aに導入されるようになるし、方向変換機
構によって空気流の方向変換が容易になれば、空間10
に到達した空気流が容易に入口部7Aに向かうようにな
るし、整流機構によって入口部7Aに向かう空気流が均
一になれば入口部7Aにスムーズに空気が流れ込むよう
になる。
【0027】さらに、入口部7Aに続く中央部7B及び
出口部7Cは、入口部7Aとは異なり特に縮流を招くよ
うな形状とはなっていないから、中央部7Bや出口部7
Cで冷却風の流速が低下してしまうようなことはない。
その結果、入口部7Aの通流が促進され、通風孔7全体
を通過する冷却風の流量が増大し、放熱効果が向上する
のである。つまり、本実施例では、通風孔7を入口部7
A,中央部7B及び出口部7Cに分けて考え、各部の機
能要求に応じてその形状を選定しているため、通風孔7
全体を通過する冷却風の流量を確実に増大させることが
できるのである。
【0028】ちなみに、本発明者等が行った実験によれ
ば、A部の大きさと冷却風の流速変化代との関係は、図
4の(a)に示すように、A部が大きくなるに従って流
速も増大することが判っている。実験の条件は、車速が
時速100kmであり、流速は通風孔7内の平均値であ
る。また、同じ条件の実験によると、B1部の大きさと
冷却風の流速変化代との関係は図4(b)に示すように
なり、B2部の大きさと冷却風の流速変化代との関係は
図4(c)に示すようになった。これについては、入口
部7Aを形成するアウタディスク4A及びインナディス
ク4Bの内面をB1部及びB2部のようにオフセットさ
せると、オフセットさせない場合に比べて冷却風の流速
が増大することも判っている。ただし、図4の(b)及
び(c)から明らかなように、B1部及びB2部のオフ
セット量を極端に増大させると、オフセットさせない場
合に比べて冷却風の流速が増大するが、中程度に増大さ
せた場合に比べて流速は低くなるため、オフセット量の
最適値は実験の結果から見つけ出すことが望ましい。
【0029】以上の実験結果からも明らかなように、本
実施例の構成によれば、通風孔7を通過する冷却風の流
量が従来の構成に比べて増大するから、それだけベンチ
レーテッドロータ1の冷却効果が向上し、耐久性等に優
れたベンチレーテッドロータ1とすることができるので
ある。図5及び図6は、本発明の第2実施例を示す図で
あって、上記第1実施例の図2と同様のベンチレーテッ
ドロータ1の断面図である。なお、上記第1実施例と同
様の部材及び部位には、同じ符号を付し、その重複する
説明は省略する。
【0030】即ち、本実施例では、通風孔7の中央部7
Bの形状を工夫することにより、通風孔7を通過する冷
却風の流量が増大するようにしている。具体的には、ア
ウタディスク4A内面及びインナディスク4B内面の中
央部7Bを形成する部分を、入口部7Aに続いて径方向
外側に向かうに従って徐々に通風孔7の幅が狭くなるよ
うな傾斜面(図5のC1部,C2部参照)と、この傾斜
面に続いて径方向外側に延びる互いに平行な面(図5の
D1部,D2部参照)と、この平行な面の径方向外側端
部に形成され通風孔7の幅が広がる方向に折れ曲がる折
れ点(図2のE1,E2参照)とから構成している。
【0031】なお、入口部7Aの形状は上記第1実施例
と同様である。また、折れ点E1,E2には通風孔7の
幅が広がる方向の斜面が若干続いており、その斜面の端
部に続く出口部7Cを形成する部分は、両ディスク4
A,4Bの半径方向に沿って延びる互いに平行な面とな
っている。このような構成であると、特に通風孔7の中
央部7Bによって、通風孔7内を通過する冷却風の流量
が増大し、良好な放熱効果を得ることができる。
【0032】これを詳述すると、先ず図5のC1部及び
C2部の形状を採用した結果、本実施例のベンチレーテ
ッドロータ1の回転時における空気流を矢印で表す図6
にも示すように、入口部7Aに導入されて中央部7Bの
上流側端部に到達した空気流が縮流され、流速が増大す
るようになる。つまり、C1部及びC2部が、請求項3
に係る発明における流速増大機構(通流促進機構)とし
て機能する。
【0033】そして、図5のD1部及びD2部の形状を
採用した結果、C1部及びC2部にて増大した空気流の
流速が維持され、高速の空気流がそのまま下流側に向か
うようになる。つまり、D1部及びD2部が請求項3に
係る発明における高速流維持機構(通流促進機構)とし
て機能する。さらに、図5のE1部及びE2部の形状を
採用した結果、D1部及びD2部を通過する平行な空気
流が折れ点E1,E2にて拡大流に移行し、その折れ点
部分に局所的に流速の高い領域が生成されるようにな
る。つまり、E1部及びE2部が請求項3に係る発明に
おける局所流速増大機構(通流促進機構)として機能す
る。
【0034】このように、本実施例の構成であれば、入
口部7Aに導入された空気流は、中央部7Bにおいて流
速が増大され、その増大された流速が維持され、さらに
流速が増大されて出口部7Cに向かうようになる。そし
て、その出口部7Cは特に縮流を招くような形状とはな
っていないから、出口部7Cで冷却風の流速が低下して
しまうようなことはない。
【0035】その結果、通風孔7全体を通過する冷却風
の流量が増大し、放熱効果が向上するのである。つま
り、本実施例にあっても、入口部7A,中央部7B及び
出口部7Cの各部の機能要求に応じてその形状を選定し
ているため、通風孔7全体を通過する冷却風の流量を確
実に増大させることができるのである。図7及び図8
は、本発明の第3実施例を示す図であって、上記第1実
施例の図2と同様のベンチレーテッドロータ1の断面図
である。なお、上記第1実施例と同様の部材及び部位に
は、同じ符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0036】即ち、本実施例では、通風孔7の出口部7
Cの形状を工夫することにより、通風孔7を通過する冷
却風の流量が増大するようにしている。具体的には、ア
ウタディスク4A内面及びインナディスク4B内面の出
口部7Cを形成する部分を、中央部7Bに続いて径方向
外側に向かうに従って徐々に通風孔7の幅が広くなるよ
うな傾斜面(図7のF1部,F2部参照)と、その傾斜
面を平行面とすることなくそのまま外周面1Bに連続さ
せることにより通風孔7の最外端を拡大する方向に開く
端部(図7のG1部,G2部参照)とから構成してい
る。
【0037】なお、入口部7Aは、オフセットB1,B
2を形成していない点を除いては上記第1実施例と同様
である。また、アウタディスク4A内面及びインナディ
スク4B内面の中央部7Bを形成する部分は、入口部7
Aに段差なく連続して、両ディスク4A,4Bの半径方
向に沿って延びる互いに平行な面となっている。このよ
うな構成であると、特に通風孔7の出口部7Cによっ
て、通風孔7内を通過する冷却風の流量が増大し、良好
な放熱効果を得ることができる。
【0038】これを詳述すると、先ず図7のF1部及び
F2部の形状を採用した結果、本実施例のベンチレーテ
ッドロータ1の回転時における空気流を矢印で表す図8
にも示すように、入口部7A及び中央部7Bを通過して
出口部7Cに到達した空気流が拡大流となり、ベンチュ
リー効果による圧力差が生じてさらに流速が拡大するよ
うになる。つまり、F1部及びF2部が請求項4に係る
発明における上流流速増大機構(通流促進機構)として
機能する。
【0039】ちなみに、本発明者等が行った実験によれ
ば、F1部,F2部の傾斜角度と冷却風の流速変化代と
の関係は、図4の(d)に示すように、F1部,F2部
の傾斜角度が大きくなるに従って流速も増大することが
判っている。実験の条件は、図4の(a)〜(c)の場
合と同様である。また、図7のG1部及びG2部の形状
を採用した結果、F1部及びF2部の傾斜面に沿って流
れる空気流が、通風孔7の外周面1B側開口端部にて拡
大流に移行し、流速が下がるとともに吐出し易い流れの
向きに整流され、出口部7Cの吐出抵抗が小さくなる。
つまり、G1部及びG2部が請求項4に係る発明におけ
る整流機構(通流促進機構)として機能する。
【0040】このように、本実施例の構成であれば、入
口部7A及び中央部7Bを通過した空気流は、出口部7
Cからスムーズに吐出されるようになり、その結果、通
風孔7全体を通過する冷却風の流量が増大し、放熱効果
が向上するのである。つまり、本実施例にあっても、入
口部7A,中央部7B及び出口部7Cの各部の機能要求
に応じてその形状を選定しているため、通風孔7全体を
通過する冷却風の流量を確実に増大させることができる
のである。
【0041】図9及び図10は、本発明の第4実施例を
示す図であって、上記第1実施例の図2と同様のベンチ
レーテッドロータ1の断面図である。なお、上記第1実
施例と同様の部材及び部位には、同じ符号を付し、その
重複する説明は省略する。即ち、本実施例は、通風孔7
に、上記第1実施例で説明した入口部7Aの形状と、上
記第2実施例で説明した中央部7Bの形状と、上記第3
実施例で説明した出口部7Cの形状とを、同時に採用し
たものである。
【0042】その結果、上記各実施例で説明した入口部
7A,中央部7B及び出口部7Cの各部における各機構
が同時に機能するようになるから、本実施例のベンチレ
ーテッドロータ1の回転時における空気流を矢印で表す
図10に示すように、上記各実施例で得られる作用が同
時に発揮されるようになる。つまり、入口部7Aには大
量の空気が導入され、中央部7Bでは流速が増大し、出
口部7Cからは冷却風がスムーズに吐出されるようにな
る。
【0043】従って、本実施例の構成によれば、通風孔
7を通過する冷却風の流量が従来の構成に比べて増大す
るし、しかも入口部7A,中央部7B及び出口部7Cの
それぞれを、各部の機能要求に応じて上記第1〜第3実
施例で説明した最適な形状としているから、ベンチレー
テッドロータ1の冷却効果が極めて向上し、耐久性等に
特に優れたベンチレーテッドロータ1とすることができ
る。
【0044】図11(a)〜(f)は通風孔7の入口部
7Aの形状の他の例を示す図であって、上記各実施例で
説明した入口部7Aの形状に代えて又は上記各実施例で
説明した入口部7Aの形状とともに、適宜採用できるも
のである。即ち、図11(a)はアウタディスク4Aと
円筒部6とを連結するコーナ部分を面取り形状Cとした
ものであり、図11(b)はアウタディスク4Aと円筒
部6とを連結するコーナ部分をアール形状Rとしたもの
であり、図11(c)はアウタディスク4Aの内径を拡
大したものである。そして、これら図11(a)〜
(c)の構成によれば、アウタディスク4Aの表面を通
じて入口部7Aに到達する空気流を整流することができ
るから、入口部7Aへの空気の流入がさらに促進され
る。
【0045】また、図11(d)はインナディスク4B
の入口部7A側を向くコーナ部分を面取り形状Cとした
ものであり、図11(e)はインナディスク4Bの入口
部7A側を向くコーナ部分に大きな曲率のアール形状R
を形成したものである。そして、これら図11(d)及
び(e)の構成によれば、インナディスク4B側から入
口部7Aに入り込む空気流を整流することができるか
ら、入口部7Aへの空気の流入がさらに促進される。
【0046】さらに、図11(f)は、アウタディスク
4の入口部7A側のコーナ部分と、インナディスク4B
の入口部7A側のコーナ部分とのそれぞれに、面取り形
状を施すとともに、その面取り形状の角部分をアール形
状としたものであり、このような構成によれば、アウタ
ディスク4A側から入口部7Aへの空気の流入も促進さ
れ、インナディスク4B側から入口部7A側への空気の
流入も促進されるようになる。
【0047】図12(a)〜(f)は通風孔7の中央部
7Bの形状の他の例を示す図であって、上記各実施例で
説明した中央部7Bの形状に代えて、適宜採用できるも
のである。即ち、図12(a)は上記第2実施例の図5
に示したような中央部7BのC1〜E2の各部分間の段
差を面取り形状Cで連続させたものであり、図12
(b)は同様に中央部7Bの各段差をアール形状Rで連
続させたものである。そして、これら図12(a)及び
(b)の構成によれば、中央部7B内の面と面との繋が
り部分の流れが整流され、冷却風の流速の増大等がさら
に促進される。
【0048】また、図12(c)は中央部7Bの入口部
7Aに連続するC1部,C2部を複数の平面で形成した
ものであり、図12(d)はC1部,C2部を曲面で形
成したものである。そして、これら図12(c)及び
(d)の構成によれば、中央部7Bの流速増大機構とし
て機能していたC1部,C2部での流れが整流され、冷
却風の流速の増大等がさらに促進される。
【0049】そして、図12(e)は、中央部7Bのう
ち、上記第2実施例では互いに平行な面であったD1
部,D2部を曲面形状にしたものであり、このような構
成にすれば、中央部7Bのうち高流速維持機構として機
能していたD1部,D2部での流れが整流され、冷却風
の流速を維持する機能がより顕著になる。さらに、図1
2(f)は、中央部7Bのうち、上記第2実施例では互
いに平行な面であったD1部,D2部を、下流側に向か
うに従って徐々に幅が狭くなるように緩い傾斜面とした
ものである。ただし、かかる傾斜面の角度は、乱流を生
じないように極めて緩いものとする。そして、このよう
な構成によれば、中央部7Bのうち高流速維持機構とし
て機能していたD1部,D2部にて流速を増大させる作
用が得られるようになるから、冷却風のさらなる流量の
増大が図られる。
【0050】図13(a)〜(e)は通風孔7の出口部
7Cの形状の他の例を示す図であって、上記各実施例で
説明した出口部7Cの形状に代えて、適宜採用できるも
のである。即ち、図13(a)は、出口部7Cのうち、
上記第3実施例では一つの斜面であったF1部,F2部
を複数の平面で形成したものであり、図13(b)は、
F1部,F2部を曲面で形成したものである。このよう
な構成であれば、出口部7Cのうち上流流速増大機構と
して機能していたF1部,F2部での流れが整流され、
出口部7Cからの吐出流がよりスムーズになる。
【0051】また、図13(c)は出口部7Cの最外端
部のコーナ部分を面取り形状Cとしたものであり、図1
3(d)は同じく最外端部のコーナ部分をアール形状R
としたものであり、図13(e)は同じく最外端部のコ
ーナ部分に、面取り形状を施すとともに、その面取り形
状の角部分をアール形状としたものである。このような
構成によれば、出口部7Cの最外端部の流れた整流され
るため、出口部7Cからの吐出流がさらにスムーズにな
る。
【0052】図14は本発明の第4実施例を示す図であ
る。即ち、本実施例では、一端側は車両のフロントバン
パ15にて車両前方を向いて開口し、他端側はベンチレ
ーテッドロータ1のインナディスク4Bの内周側端部近
傍にて開口するダクト16を設けたものである。なお、
ダクト16のインナディスク4B側で開口する端部は、
アクスル2を包囲するとともに、インナディスク4Bの
内周面に沿ってリング状に開口している。また、ベンチ
レーテッドロータ1の通風孔7の入口部7A,中央部7
B及び出口部7Cには、上記第1〜第3実施例の構成或
いは図11〜図13に示した構成が適宜採用される。
【0053】このような構成であると、車両走行中にフ
ロントバンパ15に向かってくる風圧がダクト16を通
じてインナディスク4Bの内周側端部、つまり入口部7
Aの上流側に供給されるから、その入口部7Aの直ぐ上
流側の圧力を積極的に増大させることができる。この結
果、入口部7Aにさらに空気が流入し易くなるから、冷
却効果をさらに向上させることができる。
【0054】特に、本実施例では、ダクト16の他端側
をインナディスク4Bの内周面に沿ってリング状に開口
させているため、ベンチレーテッドロータ1の全ての通
風孔7の入口部7Aの上流側の圧力を効率的に増大させ
ることができる。ここで、本実施例では、ダクト16に
よって請求項5に係る発明における圧力増大手段が構成
される。
【0055】図15は本発明の第5実施例を示す図であ
る。即ち、本実施例では、アクスル2に、アウタディス
ク4Aの内周面に近接する外径寸法のフランジ17を設
けたものである。なお、ベンチレーテッドロータ1の通
風孔7の入口部7A,中央部7B及び出口部7Cには、
上記第1〜第3実施例の構成或いは図11〜図13に示
した構成が適宜採用される。
【0056】このような構成であれば、ハブ3にベンチ
レーテッドロータ1を固定するためのボルト等によって
形成される凹凸がフランジ17によって覆われるから、
入口部7Aの直ぐ上流側の空間10の空気流に乱流が発
生し難くなり、これによって入口部7Aにさらにスムー
ズに空気が流入するようになる。ここで、本実施例で
は、フランジ17によって請求項6に係る発明における
整流手段が構成される。
【0057】なお、このような整流手段は、図15に示
したフランジ17に限定されるものではない。例えば図
16に示すように、アクスル2の外径を小さくして、空
間10の容積を大きくすることによりも実現できるし、
或いは図17に示すように、空間10のハブ3や円筒部
6に近接する側を囲むようなバッフルプレート18をア
クスル2の外周面に固定することによっても実現でき
る。つまり、図16の構成では、小径に形成されたアク
スル2の外周面によって請求項6に係る発明における整
流手段が構成され、図17の構成では、バッフルプレー
ト18によって請求項6に係る発明における整流手段が
構成される。
【0058】図18は本発明の第6実施例を示す図であ
って、ベンチレーテッドロータ1を搭載した状態での車
両の概略構成を示す部分平面図である。即ち、本実施例
では、車体のフロントフェンダ20のホイールハウス側
に近接した部分(つまり、車輪19を収容したホイール
ハウスの車両前側の部分)に、車両前方から後方に流れ
る空気流を車幅方向外側に向かわせるエアガイド21を
固定している。なお、ベンチレーテッドロータ1の具体
的な構成は、上記第1〜第3実施例の構成或いは図11
〜図13に示した構成が適宜採用される。
【0059】このような構成であれば、車両前進走行中
に車両前方から後方に流れる空気流が、エアガイド21
に案内されて車幅方向外側に逃げるようになるから、車
輪19の外側に剥離流による負圧領域が形成される。す
ると、ベンチレーテッドロータ1の外周面が存在する空
間の圧力が低下する(つまり通風孔7の出口部7Cの下
流側の圧力が低減する)から、その外周面にて開口する
通風孔7から冷却風がさらに吐出し易くなり、冷却風の
流量の増大が図られ、さらに冷却効果が向上するように
なる。
【0060】ここで、本実施例では、エアガイド21に
よって請求項7に係る発明における圧力低減手段が構成
される。なお、このような圧力低減手段は、図18に示
したエアガイド21に限定されるものではない。例え
ば、図19(a),(b)に示すように、車輪19のリ
ム19aの内周面に、車両前進走行時に車幅方向内側か
ら外側に向かう空気流を生成するように傾斜した複数の
フィン22,…,22を固定すれば、車両前進走行時に
は、フィン22,…,22によってベンチレーテッドロ
ータ1の外周面が存在する空間の空気がホイールハウス
の外側に排出されるから、通風孔7の出口部7Cの下流
側の圧力が低減するようになる。つまり、この図19の
構成では、フィン22,…,22によって請求項7に係
る発明における圧力低減手段が構成される。
【0061】或いは、図20(a),(b)に示すよう
に、ベンチレーテッドロータ1のさらに外側に固定され
るホイールカバー23に、車輪19の径方向内側部分を
外側から覆うフランジ部材23aを固定し、そのフラン
ジ部材23aのベンチレーテッドロータ1側を向く面
に、回転時に径方向内側から外側に向かう空気流を生成
する複数のフィン24,…,24を固定すれば、車両走
行時には、フィン24,…,24によってベンチレーテ
ッドロータ1の外周面が存在する空間の空気がホイール
ハウスの外側に排出されるから、通風孔7の出口部7C
の下流側の圧力が低減するようになる。つまり、この図
20の構成では、フィン24,…,24によって請求項
7に係る発明における圧力低減手段が構成される。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、通風孔の入口部,中央部及び出口部の各部
の機能要求に応じた通流促進機構をそれら入口部,中央
部及び出口部のうちの少なくとも一つに形成しているた
め、通風孔全体を通過する冷却風の流量を確実に増大さ
せることができ、ベンチレーテッドロータの冷却効果が
向上するという効果がある。
【0063】そして、請求項2に係る発明によれば、通
風孔の入口部に大量の空気を導入することができるし、
請求項3に係る発明によれば、入口部に流れ込んだ冷却
風の流速を増大させて若しくは低下させることなく出口
部に向かわせることができるし、請求項4に係る発明に
よれば、冷却風をスムーズに吐出させることができるか
ら、通風孔全体を通過する冷却風の流量を確実に増大さ
せることができ、ベンチレーテッドロータの冷却効果が
向上するという効果がある。
【0064】一方、請求項5又は請求項6に係る発明に
よれば、入口部にさらに空気が流入し易くなるから、冷
却風の流量をさらに増大させることができる。また、請
求項7に係る発明にあっても、出口部からさらに冷却風
が吐出し易くなるから、冷却風の流量をさらに増大させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例におけるベンチレーテッドロータの
一部破断正面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】第1実施例の作用を説明する断面図である。
【図4】本発明者等が行った実験の結果を示すグラフで
ある。
【図5】第2実施例の構成を示す断面図である。
【図6】第2実施例の作用を説明する断面図である。
【図7】第3実施例の構成を示す断面図である。
【図8】第3実施例の作用を説明する断面図である。
【図9】第4実施例の構成を示す断面図である。
【図10】第4実施例の作用を説明する断面図である。
【図11】入口部の他の形状例を示す断面図である。
【図12】中央部の他の形状例を示す断面図である。
【図13】出口部の他の形状例を示す断面図である。
【図14】第5実施例の構成を示す断面図である。
【図15】第6実施例の構成を示す断面図である。
【図16】整流手段の他の構成例を示す断面図である。
【図17】整流手段の他の構成例を示す断面図である。
【図18】第7実施例の構成を示す断面図である。
【図19】圧力低減手段の他の構成例を示す図である。
【図20】圧力低減手段の他の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 ベンチレーテッドロータ 1A 内周面 1B 外周面 4A アウタディスク 4B インナディスク 5 フィン 7 通風孔 7A 入口部 7B 中央部 7C 出口部 16 ダクト(圧力増大手段) 17 フランジ(整流手段) 18 バッフルプレート(整流手段) 21 エアガイド(圧力低減手段) 22,24 フィン(圧力低減手段) A 通流促進機構(圧力増大機構) B1,B2 通流促進機構(圧力回復機構,方向変換機
構,整流機構) C1,C2 通流促進機構(流速増大機構) D1,D2 通流促進機構(高速流維持機構) E1,E2 通流促進機構(局所流速増大機構) F1,F2 通流促進機構(上流流速増大機構) G1,G2 通流促進機構(整流機構)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面及び外周面間を通じる通風孔が形
    成されたベンチレーテッドロータにおいて、前記通風孔
    に、内周面側開口部近傍の入口部と、外周面側開口部近
    傍の出口部と、これら入口部及び出口部間の中央部とを
    設定し、それら入口部,中央部及び出口部毎の機能要求
    に応じた通流促進機構を、前記入口部,中央部及び出口
    部の少なくとも一つに形成したことを特徴とするベンチ
    レーテッドロータ。
  2. 【請求項2】 前記入口部に、前記通流促進機構とし
    て、圧力増大機構,圧力回復機構,方向変換機構及び整
    流機構のうちの少なくとも一つを形成した請求項1記載
    のベンチレーテッドロータ。
  3. 【請求項3】 前記中央部に、前記通流促進機構とし
    て、流速増大機構,高流速維持機構及び局所流速増大機
    構のうちの少なくとも一つを形成した請求項1又は請求
    項2記載のベンチレーテッドロータ。
  4. 【請求項4】 前記出口部に、前記通流促進機構とし
    て、上流流速増大機構及び整流機構のうちの少なくとも
    一つを形成した請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    のベンチレーテッドロータ。
  5. 【請求項5】 前記入口部の上流側の圧力を増大させる
    圧力増大手段を設けた請求項1乃至請求項4のいずれか
    に記載のベンチレーテッドロータ。
  6. 【請求項6】 前記入口部の上流側の空気流を整流する
    整流手段を設けた請求項1乃至請求項5のいずれかに記
    載のベンチレーテッドロータ。
  7. 【請求項7】 前記出口部の下流側の圧力を低減させる
    圧力低減手段を設けた請求項1乃至請求項6のいずれか
    に記載のベンチレーテッドロータ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102207143A (zh) * 2011-05-13 2011-10-05 苏州市伦琴工业设计有限公司 高散热刹车盘
WO2017099073A1 (ja) * 2015-12-08 2017-06-15 東日本旅客鉄道株式会社 鉄道車両用ブレーキディスク
WO2019189487A1 (ja) * 2018-03-30 2019-10-03 日本製鉄株式会社 ブレーキディスク

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