JP2000044891A - 瞬間接着剤組成物 - Google Patents
瞬間接着剤組成物Info
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Abstract
かも貯蔵安定性に優れた瞬間接着剤組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 シアノアクリレート接着剤組成物であっ
て、シアノアクリレートモノマーと、0.05〜5重量
%の濃度の次式: 【化1】 【化2】 【化3】 (各式において、R1は、水素又は低級アルキルを表
し、異なった芳香環に結合したR1同志は、それぞれ互
いに異なってよく、R2は、水素又は低級アルキルを表
し、異なった芳香環に酸素原子を介して結合したR2同
志は、それぞれ互いに異なってよく、各式において、ト
リ(オキシエチレン)架橋の一端と1つのR2との間
で、芳香環に結合した酸素との結合位置が相互に交換さ
れていてもよく、そして残りのR2のうち少なくとも1
対のR2が一緒になって少なくとも1つのトリ(オキシ
エチレン)架橋を更に形成してもよい。)の何れかで示
されるカリックスクラウン化合物を含有してなることを
特徴とする組成物。
Description
に関し、より詳しくは、貯蔵安定性に優れた瞬間接着剤
組成物に関する。
マーを主体とする接着剤であり、少量の水分の存在下に
速やかにアニオン重合して硬化するという特徴を有す
る。しかしながら、接着面が酸性であるとシアノアクリ
レートの重合に禁止的に作用するため、木材等のような
酸性表面を有する素材を接着しようとする場合には、重
合が速やかに起こらず、瞬間接着剤としての機能が十分
に果たせない。このため、被接着面が酸性であっても重
合を速やかに開始させ進行させることを目的として、瞬
間接着剤には、重合促進剤を含有させることが知られて
いる。
第2816836号には、重合促進剤としてクラウンエ
ーテルを使用したシアノアクリレート接着剤組成物が記
載されており、木材のような酸性表面の接着にシアノア
クリレートを瞬間接着剤として用いること可能にしてい
る。しかしながら、クラウンエーテルは、中枢神経系を
侵し、睾丸萎縮をももたらす等、重大な障害の原因とな
ることが知られており(Leong, B.K.J. Chem. Eng. New
s, 53, 5 (1975))、接着剤の製造及び取り扱いにおいて
問題が大きい。
ある種のフラン誘導体がシアノアクリレート組成物の重
合の共促進剤となることが、ドイツ特許公開公報第30
06071号に記載されているが、そのような手段も、
クラウンエーテルのもつ問題点の故に好ましくない。
(エチレンオキシ)官能性界面活性剤のうちにも、シア
ノアクリレート瞬間接着剤の促進剤として機能しうるも
のがあることが報告されている(米国特許第41705
85号)。しかしながら、ポリエチレングリコールやポ
リ(オキシエチレン)官能性界面活性剤は親水性が高
く、微量の水分を不純物として含有し易く、その除去は
非常に困難である。シアノアクリレートの重合は、被接
着物に含まれている微量の水分や空気中の水分によって
急速に開始されるものであるから、シアノアクリレート
瞬間接着剤に添加される重合促進剤は、重合を開始させ
てしまう水分を含まないものでなければなければならな
い。この点で、ポリエチレングリコール類やポリ(エチ
レンオキシ)官能性界面活性剤を重合促進剤として用い
るのは、実用的でない。
リエーテルの混合物が、シアノアクリレートによる木材
接着製品の初期強度を改善することが、米国特許第43
77490号に記載されている。
ド化合物のうちに、シアノアクリレート接着剤の重合促
進剤となるものがあることが、米国特許第438619
3号に記載されている。
ルガノシロキサン化合物をシアノアクリレート接着剤に
含有させることによって、木材表面との接触によるシア
ノアクリレートの重合を促進させることができること
が、特開昭57−70171号に記載されている。
促進剤としてヒドロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサ
ン)を含有させることが報告されている(Chem. Abstra
cts, 97: 145913n)。
面におけるシアノアクリレートの重合促進と、貯蔵中に
おける組成物の安定性の維持という2つの要求を十分に
満足しない。
は、ある種のカリックスアレーン(calixarene)化合物
が、シアノアクリレート接着剤組成物において、木材と
の接着を促進させるために使用でき、同時に貯蔵安定性
も著しく損なうことのないことが記載されている。カリ
ックスアレーンの範囲として同公報に明確に規定されて
いるのは、次式:
換アルキル、または置換アルコキシ、R5はH,または
アルキル、nは4、6、または8を表す)で示されるも
のである。このうち、実施例には、R4がエトキシであ
るもの、すなわち、反復単位が次式:
もに、そのような化合物が好ましいことが記載されてい
る。
ン化合物はシアノアクリレート組成物の硬化促進剤とし
て添加したとき、貯蔵安定性を著しくは損なうことはな
いものの、これを添加しない場合に比べれば、やはり貯
蔵中の組成物の粘度を経時的にかなりの程度増大させて
品質を劣化させ、貯蔵寿命を相当に短縮してしまうとい
う問題がある。
対してカリックスアレーン含有のシアノアクリレート瞬
間接着剤組成物と同等の迅速な硬化速度を有し、しかも
貯蔵安定性に優れた瞬間接着剤組成物を提供することを
目的とする。
アレーン類縁化合物についての検討を通じて、ある種の
カリックスアレーンのフェノール性水酸基間にクラウン
エーテル型の架橋を導入して得られるカリックスクラウ
ン化合物が、本発明の目的によく適合する重合促進剤と
なることを見出した。
着剤組成物であって、シアノアクリレートモノマーと、
0.05〜5重量%の濃度の次式:
は低級アルキル基を表し、異なった芳香環に結合したR
1同志は、それぞれ互いに異なってよく、R2は、水素
原子又は低級アルキル基を表し、異なった芳香環に酸素
原子を介して結合したR2同志は、それぞれ互いに異な
ってよく、上記各式において、トリ(オキシエチレン)
架橋の一端と1つのR2との間で、芳香環に結合した酸
素との結合位置が相互に交換されていてもよく、そして
残りのR2のうち少なくとも1対のR2が一緒になって
少なくとも1つのトリ(オキシエチレン)架橋を更に形
成してもよい。)の何れかで示されるカリックスクラウ
ン化合物を含有してなることを特徴とする組成物を提供
する。
ン)架橋の一端と1つのR2との間で、芳香環に結合し
た酸素との結合位置の交換は任意に行われてよい。従っ
て、架橋位置の多様なカリックスクラウン化合物が、本
発明の促進剤として包含される。そのような種々のカリ
ックスクラウン化合物のうち、向かい合った芳香環同志
がトリ(オキシエチレン)基を介して架橋されたもの
は、特に好ましい化合物の一例である。また、複数のト
リ(オキシエチレン)架橋を有してもよい。またここ
に、「低級アルキル基」は、炭素数1〜8個のアルキル
基を意味し、直鎖状、分岐鎖状のものを包含する。
促進剤として含有するシアノアクリレート瞬間接着剤
は、前記カリックスアレーン化合物を用いたシアノアク
リレート瞬間接着剤と同等の硬化促進効果を有し、木材
等の酸性表面の瞬間接着に適するとともに、前記カリッ
クスアレーン化合物に起因する貯蔵期間中の接着剤の粘
度上昇を顕著に抑制して、貯蔵寿命を延長する効果を有
する。
度は、好ましくは0.05〜5重量%、より好ましく
は、0.1〜2重量%である。
は、シアノアクリレート接着剤組成物であって、シアノ
アクリレートモノマーと、0.05〜5重量%の濃度の
次式:
ル基を表し、異なった芳香環に結合したR1同志は、そ
れぞれ互いに異なってよく、そしてR2は、水素原子又
は低級アルキル基を表し、異なった芳香環に酸素原子を
介して結合したR2同志は、それぞれ互いに異なってよ
い。)で示されるカリックスクラウン化合物を含有して
なることを特徴とする組成物である。
rt-ブチル基のものである。また、それらのうちでも、
R2が水素原子であるものが最も好ましい。
順によって行なうことができる。原料すなわち、次の一
般式:
キル置換ヒドロキシカリックス[4]アレーン化合物
は、総説 Calixarenes, p.216-219, C.D. Gutsche, Roy
al Society of Chemistry等に記載されている公知の化
合物と、Naイオンを触媒とするトリエチレングリコー
ルジパラトシレートとの反応によってクラウン化され
る。クラウン環形成に寄与しないフェノール性水酸基の
エーテル化は、上記の反応によって合成されたカリック
スクラウンをNaH塩基のもと、アルキルヨウ素との反
応によって行われる。
トとしては、瞬間接着剤として使用しうるものであれば
特に限定されない。例えば次式:
キル基、アルケニル基、ハロアルキル基、アルコキシア
ルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。)で
示されるものであればよい。
ートモノマー及びカリックスクラウン化合物の他に、通
常のシアノアクリレート瞬間接着剤組成物に加えられる
各種の添加剤を通常添加される濃度に含有してよい。そ
のような添加剤としては、ヒドロキノン、ヒドロキノン
モノメチルエーテルその他のラジカル重合禁止剤や三弗
化硼素ジエチルエーテル、二硫化炭素、芳香族スルホン
酸、脂肪族スルホン酸、二酸化炭素その他のアニオン重
合禁止剤等、貯蔵中の硬化を防止するための添加剤のほ
か、木材や皮革など粗面を有する被接着体への浸透を抑
制するためのポリ(メタクリル酸メチル)、メタクリレ
ート型共重合体、アクリルゴム、セルロース誘導体、ポ
リ酢酸ビニル、ポリ(α−シアノアクリレート)その他
の増粘剤、シアノアクリレート硬化物の強度向上を目的
とした化合物、エラストマー、ヒュームドシリカ、染
料、顔料等が挙げられるが、これらに限定されない。
層詳細に説明するが、本発明が当該実施例に限定される
ことは意図しない。
ス[4]クラウン−4の製造 次式:
[4]クラウン−4を次の手順で合成した。10gのp
−tert−ブチルカリックス[4]アレーン(東京化成工
業株式会社)を、250mLのアセトニトリル溶媒中、
炭酸ナトリウム32.7gと共に1時間撹拌した。撹拌
操作を継続しながら、7.8gのトリエチレングリコー
ルジパラトシレート(東京化成工業株式会社)を添加
し、72時間還流した。減圧下で反応液を除去した後の
乾固物に、1N塩酸を溶液が酸性になるまで添加した。
クロロホルムで3回抽出後、有機層を合わせて硫酸マグ
ネシウムにて乾燥し、続いてろ過、濃縮を行なった。ク
ロロホルム/メタノールで再結晶を行い、展開溶媒とし
てクロロホルムを用い、シリカゲルクロマトグラフィー
を行い、目的物7.1gを得た。融点219℃ 元素分析:(計算値)C;78.7、H;8.7:(実測値)
C;77.8、H;8.3IRスペクトル(cm-1): 3420、
2964、2850、1486、1460、1402、1363、1297、1247、12
06、1175、1096、1058、921、872、819、757、6731 H−NMRスペクトル(δ;d6−DMSO):8.65
(s,2H,水酸基)、7.05(s,4H,芳香族)、6.98
(s,4H,芳香族)、4.37(d,4H,ベンジル位メチレ
ン)、4.18(m,8H,オキシエチレン)、3.98(m,4H,
オキシエチレン)、3.33(d,4H,ベンジル位メチレ
ン)、1.20(s,18H,t-ブチル)、1.18(s,18H、t-ブ
チル)
7.8%、ポリアルキルメタクリレート12.1%、
1,2,3−ベンゼントリオール1000ppm、三弗
化硼素ジエチルエーテル錯体25ppmよりなる瞬間接
着剤基本組成物(組成物A)に対して、添加剤として、
参考例1で製造した4−tert−ブチル−カリックス
[4]クラウン−4を0.5W/W%の濃度になるよう
加えた。この組成物について、23℃、50%RH環境
下でのセットタイムを測定した。また、この組成物の粘
度を測定し、次いで、20g充填用ポリエチレン製容器
中において、70℃、湿度0%、暗所での促進試験にお
ける20日後の粘度を測定して、増粘率を測定した。粘
度測定は、株式会社東京計器製、E型粘度計を使用し、
25℃で行い、得られた粘度データより、式: 増粘率=試験後粘度/初期粘度、 によって増粘率を算出した。
平行して、上記組成物Aそのもの(比較例1)、添加剤
として組成物Aに次式:
成工業株式会社)を0.1W/W%の濃度に加えたもの
(比較例2)、および、組成物Aに次式のACROS ORGANI
CS製のテトラエステル 4−tert−ブチル−カリックス
[4]アレーンを1W/W%の濃度に添加したもの(比
較例3)
セットタイム及び増粘率を測定した。
ての、セットタイム及び、促進試験における増粘率の測
定結果を表1に示す。
ムがラワン合板で150秒、コピー用紙で30秒と、瞬
間接着剤としては不十分な機能しか有しないものであ
る。これに対し、4−tert−ブチル−カリックス[4]
クラウン−4を添加した実施例1の組成物は、ラワン合
板およびコピー用紙におけるセットタイムが、それぞれ
15秒及び5秒と、瞬間接着剤に相応しい速やかな硬化
が得られた。また、実施例1を、18−クラウン−6
エーテルを添加剤とする比較例2と対比すると、比較例
2では試験条件でゲル化が起こってしまったのに対し、
実施例1ではそのようなことはないにも拘わらず、ラワ
ン合板におけるセットタイムが比較例2よりも大幅に短
いことが認められた。テトラエステル 4−tert−ブチ
ル−カリックス[4]アレーンを添加剤とする比較例3
と比べたとき、実施例1のセットタイムは同等である
が、その一方、増粘率については、比較例3の組成物で
は5.0であり、添加剤不含の比較例1の増粘率2.5
倍に比べて100%の増加があるのに対し、実施例1の
組成物では増粘率は3.1倍に過ぎず、添加剤不含の比
較例1の増粘率2.5倍に比べて24%だけ大きいに過
ぎない。このように、実施例1は比較例3とセットタイ
ムにおいて同等である一方で、増粘率を増加させる作用
が比較例3より遙かに小さく、より長期間、品質を保持
することが可能であることを示している。
着を行なえる一方、貯蔵中の硬化を抑制することにより
従来の同種製品に比べて長期間保存のできる瞬間接着剤
を提供することを可能にする。
Claims (2)
- 【請求項1】シアノアクリレート接着剤組成物であっ
て、シアノアクリレートモノマーと、0.05〜5重量
%の濃度の次式: 【化1】 【化2】 【化3】 (上記各式において、R1は、水素原子又は低級アルキ
ル基を表し、異なった芳香環に結合したR1同志は、そ
れぞれ互いに異なってよく、 R2は、水素原子又は低級アルキル基を表し、異なった
芳香環に酸素原子を介して結合したR2同志は、それぞ
れ互いに異なってよく、 上記各式において、トリ(オキシエチレン)架橋の一端
と1つのR2との間で、芳香環に結合した酸素との結合
位置が相互に交換されていてもよく、そして残りのR2
のうち少なくとも1対のR2が一緒になって少なくとも
1つのトリ(オキシエチレン)架橋を更に形成してもよ
い。)の何れかで示されるカリックスクラウン化合物を
含有してなることを特徴とする組成物。 - 【請求項2】シアノアクリレートが、次式: 【化4】 (式中、R3は、炭素数1ないし4のアルキル基、アル
ケニル基、ハロアルキル基、アルコキシアルキル基、ア
リール基、又はアラルキル基を表す。)で示される、請
求項1のシアノアクリレート接着剤組成物。
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US9688840B2 (en) | 2014-03-11 | 2017-06-27 | Toagosei Co., Ltd. | 2-cyanoacrylate adhesive composition |
WO2018003682A1 (ja) * | 2016-06-28 | 2018-01-04 | 東亞合成株式会社 | 2-シアノアクリレート系接着剤組成物 |
-
1998
- 1998-07-29 JP JP22929298A patent/JP4347437B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP5556977B1 (ja) * | 2012-09-11 | 2014-07-23 | 東亞合成株式会社 | 2−シアノアクリレート系接着剤組成物 |
KR20150054823A (ko) | 2012-09-11 | 2015-05-20 | 도아고세이가부시키가이샤 | 2-시아노아크릴레이트계 접착제 조성물 |
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US9688840B2 (en) | 2014-03-11 | 2017-06-27 | Toagosei Co., Ltd. | 2-cyanoacrylate adhesive composition |
US9611378B2 (en) | 2014-03-12 | 2017-04-04 | Toagosei Co., Ltd. | 2-cyanoacrylate adhesive composition |
WO2018003682A1 (ja) * | 2016-06-28 | 2018-01-04 | 東亞合成株式会社 | 2-シアノアクリレート系接着剤組成物 |
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