JP2000044670A - オキセタニル基を有する化合物およびそれを成分とする硬化性組成物 - Google Patents

オキセタニル基を有する化合物およびそれを成分とする硬化性組成物

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JP2000044670A
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Yutaka Sasaki
裕 佐々木
Akira Kuriyama
晃 栗山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】硬化性組成物とした場合に、組成物の粘度が低
く、また短時間の光照射により速やかな硬化性を有し、
かつ、密着性に優れた硬化物が形成される、オキセタニ
ル基を有する化合物およびそれを成分とする硬化性組成
物を提供する。 【解決手段】下記式(1)で表されるオキセタニル基を
有する化合物。 【化1】 (式中、R1はアルキル基を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、開環重合および付
加反応等の種々の反応に有用なオキセタニル基を有する
化合物およびそれを成分とする硬化性組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】紫外線等の光による樹脂の硬化技術は、
その速い硬化速度、一般に無溶剤であることによる良好
な作業性および極めて低いエネルギー必要量等の種々の
特性から、木材のコーティング、金属塗装および印刷等
の種々の産業において重要になっている。これらの分野
における初期の開発においては、多官能アクリレートお
よび不飽和ポリエステル等を対象とした、紫外線開始ラ
ジカル重合に研究が集中しており、これら多官能アクリ
レートおよび不飽和ポリエステル等からなる材料は広く
使用されてきた。現在においても、これらの研究の大部
分は紫外線開始ラジカル重合に向けられているが、一
方、光開始イオン重合も多くの応用分野でかなり有望で
あることが認められてきている。光開始イオン重合にお
いては、多種多様なモノマーを用いることが可能である
ため、様々な化学的および物理的特性を有する硬化物が
得られる可能性があり、その技術は魅力あるものであ
る。光開始イオン重合の中でも、光開始カチオン重合技
術の開発は、3員環環状エーテルであるオキシラン環を
有するエポキシ樹脂に集中しており、この光硬化性エポ
キシ樹脂は、接着性、耐熱性および耐薬品性等の諸特性
に優れることが知られている。しかしながら、光硬化性
エポキシ樹脂には光硬化速度が遅いという欠陥があり、
このため、速やかな光硬化が必要な紙またはプラスチッ
クのコーティングのような用途には適応が困難な場合が
ある。従って、エポキシ樹脂の特性を生かしながら、硬
化速度を向上させることが熱望されてきた。また、この
エポキシ樹脂からなる組成物は粘度が高いものが多く、
このため反応性希釈剤として単官能エポキシ樹脂等を配
合することにより粘度を低下させる方法が試みられてい
るが、実用的な粘度にしようとすると、硬化速度がより
一層低下してしまうという問題を有する。また、脂環式
エポキシ化合物を用いた光硬化性樹脂は一般に速硬化性
を有しており広くその使用が検討されているが、表面硬
化性と内部硬化性とのバランスを取ることが困難であ
る。さらに、脂環式エポキシ化合物を主として用いた光
硬化性組成物は、10ミクロン以上の厚膜で塗布した場
合、表面硬化のみが先行し内部硬化不良となる場合があ
り、均一な塗膜を形成することが困難であるという問題
を有している。一方、4員環環状エーテルであるオキセ
タン環を重合性基として一分子中に複数個有する多官能
オキセタンモノマーを主成分とする光硬化型組成物が、
速い硬化性を有する組成物として提案され(特開平6−
16804号公報)、さらに、多官能オキセタンモノマ
ーをエポキシ化合物と配合した場合、その硬化速度は更
に向上することが開示されている(特公平9−2679
586号公報)。また、分子中に一個のオキセタニル基
を有する単官能オキセタン化合物を用いることにより、
光硬化性を維持しながら組成物の低粘度化が可能になる
ことも開示されている(特開平7−62082号公
報)。
【0003】しかしながら、光硬化性樹脂において、硬
化速度が速いことは重要な課題であるが、同時に、硬化
物の物性も優れていることが要求され、これまでに報告
されているオキセタン化合物を用いた光硬化性樹脂にお
いては、エポキシ樹脂を主剤とするものと比較して、硬
化後の塗膜の諸特性が劣る場合があり、たとえば、ポリ
カーボネートやアクリル樹脂等の特定の基材に対する密
着性はエポキシ樹脂を主剤とした光硬化性樹脂と比較し
て劣ることが明らかになってきた。このため、オキセタ
ン環を重合性基とする光硬化性樹脂は速やかな光硬化を
有しているが、密着性が必要な用途に使用することは困
難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、硬化
性組成物とした場合に粘度が低く、また、短時間の光照
射により10ミクロンを超える厚膜でも速やかな硬化性
を有し、かつ、密着性に優れた硬化物が形成される、オ
キセタニル基を有する化合物およびそれを成分とする硬
化性組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、下記式(1)で表されるオキセタニル基を有
する化合物を配合した硬化性組成物が低粘度であり、薄
膜でも厚膜でも速硬化性で、かつその硬化塗膜が基材へ
の密着性に優れることを見出し、本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明は、下記式(1)で表されるオ
キセタニル基を有する化合物である。
【0006】
【化2】
【0007】(式中、R1はアルキル基を示す) また、本発明における第2発明は下記各成分からなる硬
化性組成物である。 (成分A)前記式(1)で表されるオキセタニル基を有
する化合物 (成分B)分子中にカチオン開環重合性の環状エーテル
基を有する化合物 (成分C)光カチオン重合開始剤
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における前記式(1)で表されるオキセタニル基
を有する化合物において、化合物の取り扱い易さの面か
ら、式(1)のR1のアルキル基としてはメチル基およ
びエチル基が好ましい。なお、オキセタニル基を有する
化合物は、アルカリ金属水酸化物の水溶液中、下記式
(2)で表される3−(クロロメチル)オキセタンと、
下記式(3)で表されるp−ターシャリーブチルフェノ
ールを層間移動反応させることにより合成される。な
お、層間移動反応の条件は一般に知られたもので良く、
例えば、フェーズトランスファーリアクション(Phase-
Transfer Reactions: Fluka-Compendium Vol. 2 p.467-
484)に開示されている種々の反応条件を用いることが
できる 。
【0009】
【化3】
【0010】(式中、R1はアルキル基を示す)
【0011】
【化4】
【0012】なお、前記3−(クロロメチル)オキセタン
は、工業的に容易に入手できる、トリメチロールプロパ
ンあるいはトリメチロールエタンから公知の方法により
合成することができる。
【0013】本発明の第2発明における硬化性組成物
は、前記オキセタニル基を有する化合物(成分A)と、
分子中にカチオン開環性の環状エーテル基を有する化合
物(成分B)および光カチオン重合開始剤(成分C)か
らなる。前記成分Bの環状エーテル基としては、オキシ
ラン環およびオキセタン環が好ましく、光硬化性が早い
という理由から、特に好ましくはオキシラン環であ
る。。また、組成物の液粘度、硬化速度および硬化物物
性を制御するために、オキシラン環を有する化合物とオ
キセタン環を有する化合物を混合して用いてもよい。
【0014】○分子中にオキシラン環を有する化合物 分子中に下記式(4)で表されるオキシラン環を有する
化合物であり、通常、エポキシ樹脂として用いられてい
るものであれば、モノマー、オリゴマーおよびポリマー
のいずれもが使用可能である。
【0015】
【化5】
【0016】具体例としては、公知の芳香族エポキシ樹
脂、脂環族エポキシ樹脂および脂肪族エポキシ樹脂等が
挙げられる。前記芳香族エポキシ樹脂の中でも、好まし
いものとしては、少なくとも一個の芳香族核を有する多
価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体
とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジま
たはポリグリシジルエーテルであり、例えば、ビスフエ
ノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ
またはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフエノー
ルAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまた
はポリグリシジルエーテル、ならびにノボラック型エポ
キシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイド
としては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサ
イド等が挙げられる。また、脂環族エポキシ樹脂として
は、少なくとも一個のシクロへキセンまたはシクロペン
テン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化
水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによ
つて得られる、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロ
ペンテンオキサイド含有化合物が好ましく、具体例とし
ては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4
−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート等が挙げら
れる。さらに、脂肪族エポキシ樹脂の中でも、好ましい
ものとして、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキ
レンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテ
ル等があり、その代表例としては、エチレングリコール
のジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグ
リシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジ
グリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリ
シジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオ
キサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の
多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレ
ングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体
のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあ
るいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジル
エーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジル
エーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイド
としては、エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサ
イド等が挙げられる。さらに、これらの化合物の他に、
分子内に一個のオキシラン環を有するモノマーである脂
肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルやフェノ
ール、クレゾールまたはこれらのアルキレンオキサイド
付加体のモノグリシジルエーテル等も用いることができ
る。本発明では、上記化合物Bの2種類以上を併用する
ことができる。
【0017】● 分子中にオキセタン環を有する化合物 分子中にオキセタン環を有する化合物としては、種々の
ものが使用でき、好ましい化合物としては、下記式
(5)で表される化合物を挙げることができる。
【0018】
【化6】
【0019】(式中、mは1、2、3または4であり、
Zは酸素原子または硫黄原子を示す。R2は水素原子、
炭素数1〜6個のアルキル基、炭素数1〜6個のフルオ
ロアルキル基、アリル基、アリール基またはフリル基を
示し、R3は、炭素数1〜12の線形もしくは分枝状の
アルキレン基、または線形もしくは分枝状のポリ(アル
キレンオキシ)基を示す。また、R3は、下記式(6)
で表される多価基でもよい。)
【0020】
【化7】
【0021】(式中、R4は、水素原子、炭素数1〜1
0個のアルキル基、炭素数1〜10個のアルコキシ基、
ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低
級アルキルカルボキシレート基またはカルボキシル基を
示す)
【0022】前記式(5)において、R2が低級アルキ
ル基であるものが好ましく、エチル基であるものがより
好ましい。R3としては、前記式(6)においてR4が水
素原子およびヘキサメチレン基のものが好ましい。Zは
酸素原子であることが好ましい。その他の好ましい具体
例としては、下記式(7)で表される化合物を挙げるこ
とができる。なお、上記化合物群の2種類以上を併用す
ることができる。
【0023】
【化8】
【0024】(式中、R2は水素原子、炭素数1〜6個
のアルキル基、炭素数1〜6個のフルオロアルキル基、
アリル基、アリール基またはフリル基を示す)
【0025】○光カチオン重合開始剤(成分C) 活性エネルギー線の照射によりカチオン重合を開始させ
るものであり、従来公知の多種多様なカチオン性光重合
開始剤を用いることができる。これらの開始剤の中で
も、好ましいものとして、ジアリールヨードニウム塩お
よびトリアリールスルホニウム塩が挙げられ、具体的に
は、下記式(8)〜式(11)で表される化合物が挙げ
られる。
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】{式(8)〜式(11)において、R5
水素原子、炭素数1〜18のアルキル基または炭素数1
〜18のアルコキシ基を示し、Mは金属好ましくはアン
チモンであり、Xはハロゲン原子好ましくはフッ素原子
であり、nは金属の価数であり、例えばアンチモンの場
合は5である}
【0031】○その他の成分 本発明における硬化性組成物には、上記必須成分の他、
無機充填剤、染料、顔料、粘度調節剤、処理剤および紫
外線遮断剤などの不活性成分を配合することができる。
また、可視光あるいは紫外線により本発明の組成物を硬
化させる場合、硬化性を改良する目的で光増感剤を配合
することもできる。光増感剤としては、クリベロがアド
バンスド イン ポリマーサイエンス〔Adv. In Polym
er Sci.,62,1(1984)〕で開示している化合物が挙げら
れ、具体例としては、ピレン、ペリレン、アクリジンオ
レンジ、チオキサントン、2−クロロチオキサントンお
よびペンゾフラビンが挙げられる。
【0032】○硬化性組成物の調製方法 硬化性組成物の調製方法としては、上記の成分A、B、
Cおよび必要に応じてその他の成分を常法に従い混合す
ればよい。ここで、成分Aは、成分Aと成分Bの合計量
100重量部に対して5〜50重量部であることが好ま
しい。成分Aの配合量が5重量部に満たない場合は、組
成物の低粘度化が不十分となり、一方、50重量部を越
える場合は硬化性が十分なものでなくなる。また、成分
Cは、成分Aと成分Bの合計量100重量部に対して、
0.01〜20重量部配合することが好ましく、より好
ましくは0.1〜10重量部である。配合量が0.01
重量部に満たない場合は、組成物を十分に硬化させるこ
とができず、一方、20重量部を越える場合には、光透
過性が不良となり、均一な硬化ができなくなる場合があ
る。成分Aと成分Bの具体的な個々の配合比は、上記範
囲内において要求される組成物の粘度、硬化物の硬度等
の諸物性を配慮して決定すればよい。
【0033】○使用方法 本発明における硬化性組成物は、紫外線、X線または電
子線等の活性エネルギー線を照射することにより、容易
に硬化する。紫外線を照射する場合には、様々な光源を
使用することができ、例えば、水銀アークランプ、キセ
ノンアークランプ、螢光ランプ、炭素アークランプ、タ
ングステン−ハロゲン複写ランプおよび周囲の日光から
の照射光により硬化させることができる。紫外線の照射
強度は、少なくとも0.01ワット平方センチである。
前記硬化を、例えば、紙または金属コーティングライン
で連続的に行う場合には、1〜20秒以内に組成物を硬
化を行うことができるように照射速度を設定することが
好ましい。
【0034】本発明における硬化性組成物は、金属、ゴ
ム、塩ビ、ポリカーボネート、アクリル樹脂等のプラス
チック成形部品およびフィルム、紙、木、ガラス、布、
コンクリートおよびセラミック等の基材に適用すること
ができる。前記組成物の用途としては、例えば、保護、
装飾および絶縁用コーテイング、印刷インキ、シーラン
ト、接着剤、フォトレジスト、ラミネートおよび印刷プ
レート等が挙げられる。
【0035】
【実施例】(実施例1)温度計、還流冷却器、滴下ロー
トおよび撹拌器を取りつけた1リットルの三つ口フラス
コ中に、176.0g(1.17mol)のp−ターシ
ャリーブチルフェノール、175.1g(1.30mo
l)のオキセタンクロライド、および相間移動触媒とし
てテトラブチルアンモニウムブロミド(8.8g)を入
れ、内温が100℃になるまで加熱撹拌し、48重量%
の水酸化カリウム水溶液162.7gを徐々に添加し、
添加終了後、内温が120℃になるようにオイルバスを
コントロールしながら反応をさらに10時間継続した。
反応終了後、水を250mlおよびトルエンを350m
l加え、水相(下層)と有機相を分離し、さらに有機相
を二度水洗した後、蒸留により精製し、化合物1を25
5g得た。化合物1の沸点は140℃(0.8mmH
g)であった。 (化合物1の同定) 1)蒸留の流出物は、ガスクロマトグラフィーにより単
一物質であることを確認した。 2)図1に示す化合物1の1H−NMRスペクトルによ
り、化合物1は3−エチル−3−(4−ターシャリーブ
チルフェノキシ)メチルオキセタンであることを確認し
た。
【0036】実施例2 成分Aとして上記実施例1で得られた化合物1を30部
(重量部、以下、「部」は重量部を意味する)、および
成分Bとして下記式(12)で表される3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシ
ルカルボキシレート(以下、化合物2という)を70部
混合した組成物に、成分Cとしてユニオンカーバイド社
のスルフォニウム塩系の光カチオン重合開始剤であるU
VI−6990を3部添加混合して、硬化性組成物を調
製した。B型粘度計を用いて、25℃で測定した結果、
得られた組成物の粘度は270cpsであった。また、
該組成物を膜厚が約5ミクロンになるように塩ビ、AB
S(アクリロニトリルブタジエンスチレンラバー)、P
MMA(ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂)お
よびPC(ポリカーボネート)の4種類の基材に塗布し
た後、80w/cmの集光型高圧水銀灯を設置したコン
ベアタイプの紫外線照射装置(ランプ高さ=10cm)を
用いて、コンベアスピードを変化させ、表面から粘りの
なくなる最大のスピードを測定し、このコンベアスピー
ドで硬化性を評価した。得られた硬化物について、クロ
スカット後テープ剥離して密着性を評価した。厚膜硬化
性は、該組成物を鋼板上に約20ミクロンになるように
塗布した後、上記紫外線照射装置により10m/mi
n.のコンベアスピードで紫外線照射を行い硬化状態を
目視により評価した。配合割合および組成物の粘度を後
記表1に、また、硬化性、厚膜硬化性および4種類の基
材への密着性を後記表2に示した。
【0037】
【化13】
【0038】実施例3−4および比較例1−4 成分Aとして前記化合物1を、成分Bとして前記化合物
2、下記式(13)で表されるビスフェノールAジグリシ
ジルエーテル(以下、化合物3という)、下記式(14)
で表される3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタ
ン(以下、化合物4という)、または下記式(15)で表
される3−エチル−3−ヘキシロキシメチルオキセタン
(以下、化合物5という)を、および成分Cとして前記
UVI−6990を用いて、比較例に関しては成分Aで
ある化合物1を添加しないで、それぞれ表1に示した組
成割合で配合し、実施例2と同様にして組成物を調製し
た。得られた組成物について実施例2と同様に評価を行
い、その結果を後記表1および後記表2に示した。
【0039】
【化14】
【0040】
【化15】
【0041】
【化16】
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明におけるオキセタニル基を有する
化合物を成分とする硬化性組成物は、その粘度が低く、
かつ、短時間の光照射により薄膜および厚膜でも速やか
な硬化性を有し、ポリカーボネートおよびアクリル樹脂
などの基材への密着性に優れた硬化物が形成されるた
め、保護、装飾または絶縁用コーテイング、印刷イン
キ、シーラント、接着剤、フォトレジスト、ラミネート
ならびに印刷プレート等の種々の用途に使用することが
でき、産業界に与える影響は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は実施例1で製造した化合物1の1H−
NMRである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1)で表されるオキセタニル基を
    有する化合物。 【化1】 (式中、R1はアルキル基を示す)
  2. 【請求項2】下記各成分からなる硬化性組成物。 (成分A)請求項1記載のオキセタニル基を有する化合
    物 (成分B)分子中にカチオン開環重合性の環状エーテル
    基を有する化合物 (成分C)光カチオン重合開始剤
  3. 【請求項3】成分Bの環状エーテル基がオキシラン環で
    ある請求項2記載の硬化性組成物。
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