JP2000044502A - オレフィン混合物より第3級ブチルアルコールの回収方法 - Google Patents

オレフィン混合物より第3級ブチルアルコールの回収方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Mo、W、Vのうち少なくとも1種の元素を
縮合配位元素とするヘテロポリ酸を含む水溶液の存在下
で、nーブテンとイソブチレンを含むオレフィン混合物
よりイソブチレンを選択的に水和して第3級ブチルアル
コールを製造し、第3級ブチルアルコールを蒸留操作に
より分離精製するにあたり、蒸留塔塔内における発泡を
抑制させ、安定かつ連続的に蒸留操作を行うことができ
る方法を提供する。 【解決手段】 Mo、W、Vのうち少なくとも1種の元
素を縮合配位元素とするヘテロポリ酸を含む水溶液の存
在下で、n−ブテンとイソブチレンを含むオレフィン混
合物よりイソブチレンを選択的に水和して第3級ブチル
アルコールを製造し、該第3級ブチルアルコールを含む
水相と残存炭化水素相に分離させて残存炭化水素を除去
後、水相を蒸留操作により分離精製するにあたり、蒸留
塔塔内で第3ブチルアルコール濃度を0.2〜10重量
%に調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イソブチレン、n
−ブテンを含むオレフィン混合物よりイソブチレンのみ
を選択的に水和反応させて第3級ブチルアルコールを製
造し、分離回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】第3級ブチルアルコールは種々の工業原
料として有用であり、例えば、メチルメタアクリレー
ト、メチルメタアクリレート製造の中間体であるメタア
クリロニトリル、メタアクロレインの原料として用いら
れる。従来、n−ブテンとイソブチレンを含むオレフィ
ン混合物よりイソブチレンのみを選択的に水和する反応
としては、50〜65%の硫酸あるいは塩酸や金属化合
物塩酸溶液、強酸性イオン交換樹脂、固体酸等が知られ
ている。しかし、硫酸法では、イソブチレンの2量体、
3量体あるいはポリマーの副生があり、また、n−ブテ
ン特に1−ブテンの一部が反応してsec-ブチルアル
コールを生成しやすいという欠点を有し、かつ、腐食性
が激しく、工業的には高価な材質を使用しなければなら
ない欠点を有している。塩酸あるいは塩化スズ等の無機
酸やハロゲン化物を用いる方法は、オレフィンに対する
付加反応によるハロゲン化物の副生を伴うという欠点、
および著しい腐食性による材質問題も抱えている。
【0003】これら欠点を回避するため、強酸性イオン
交換樹脂や不溶性の固体酸も提案されているが、これら
は水和性が低く、通常120〜200℃の高温が必要で
ある。このような条件ではイオン交換樹脂の寿命が短
く、また、流動する液体に粉砕された微粉の濾過等によ
るプロセスの繁雑化は避け難いと共に、より本質的には
化学平衡上、イソブチレンの水和は高温ほどその転化率
が低くなるため、高温度を要する触媒では、当該第3級
ブチルアルコールの平衡到達濃度が低くなり、低濃度の
第3級ブチルアルコール水しか得られず、また、コンパ
クトな反応装置とはならず、工業上の不利は逃れられな
かった。
【0004】ところが、オレフィンの水和にケイタング
ステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステン酸等の
ヘテロポリ酸を用いた場合においては、100℃未満で
は水和性が低く、実用的な反応温度が得られないとされ
ているが、n−ブテンとイソブチレンを含むオレフィン
混合物の場合には、極めて特異的な挙動を示すことが判
明している。すなわち、ヘテロポリ酸を含む水溶液が液
体として存在するに必要な圧力以上という条件にとどま
らず、n−ブテンとイソブチレンの炭化水素相も液相と
して存在するに必要な圧力以上で反応させると、100
℃未満の反応温度でイソブチレンがsec−ブチルアル
コールの生成を極めて抑制して、イソブチレンの2量体
等の重合物を殆ど生成させず、第3級ブチルアルコール
を非常な選択率で製造することができ、特に80℃以下
の温度以下においては、イソブチレンの2量体のみなら
ず、sec−ブチルアルコールの生成も殆どなく、イソ
ブチレンはn−ブテンより600倍も速やかに反応する
ことが判明している。100℃未満ではsec−ブチル
アルコールの含有率は少なく、また、第3級ブチルアル
コールはヘテロポリ酸に対する還元的分解力が弱いた
め、触媒寿命を飛躍的に延ばす効果がある。その詳細な
理由は不明であるが、低温条件でのヘテロポリ酸は、高
温条件領域とは異なった形態を示し、混合オレフィンか
らイソブチレンの選択的水和に極めて優れた効果を示す
ものと思われる。
【0005】これまで、イソブチレン、n−ブテンを含
むオレフィン混合物の水和にケイタングステン酸、リン
モリブデン酸、リンタングステン酸等のヘテロポリ酸の
水溶液を用い、反応液から第3級ブチルアルコールを回
収する場合、特開昭54−160309号(特公昭58
−39134号)や PETROTEC VOL15N
O.3 P.56〜61(1992年)に記載されてい
るように、水和反応後に当該第3級ブチルアルコールお
よび当該ヘテロポリ酸を含む水相と残存炭化水素相に分
離させて残存炭化水素を除去後、多量の当該第3級ブチ
ルアルコールおよび当該ヘテロポリ酸を含む水相を蒸留
操作により分離精製し、塔頂から当該第3級ブチルアル
コールを回収していた。
【0006】しかし、上記従来の技術においても、第3
級ブチルアルコールを蒸留塔での分離精製する際、原因
は不明であるがヘテロポリ酸の濃度が2重量%以上の蒸
留塔供給液および蒸留塔塔内液に発泡性があることが判
明し、これが原因で蒸留塔塔内で発泡が生じて蒸留塔塔
内圧力および温度が変動し、蒸留操作を安定に行うこと
が非常に困難であった。この対策として蒸留塔塔内圧力
を上昇させること、または発泡を抑制するために新たに
界面活性剤を添加することが考えられる。しかし、蒸留
塔塔内圧力を上昇させることは、塔底温度の上昇を起こ
し、蒸留塔塔内での第3級ブチルアルコールの脱水反応
が促進し、蒸留塔における第3級ブチルアルコールの回
収率を低下させるという問題があった。また、蒸留塔で
当該第3級ブチルアルコールを回収した後の当該ヘテロ
ポリ酸を含む残水溶液は、反応器で使用する触媒として
再利用するため、新たな界面活性剤の使用は、水和反応
における当該第3級ブチルアルコール生成反応の阻害原
因と成り得る。また、新たな界面活性剤を使用した状態
で、蒸留塔塔内において発泡やエントレイメント等が起
こった場合は、回収する当該第3級ブチルアルコール中
へ当該界面活性剤が混入することになり、品質悪化を招
くという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、Mo,W,
Vのうち少なくとも1種の元素を縮合配位元素とするヘ
テロポリ酸を含む水溶液の存在下で、n−ブテンとイソ
ブチレンを含むオレフィン混合物よりイソブチレンを選
択的に水和して第3級ブチルアルコールを製造し、残存
炭化水素を除去後、多量の当該第3級ブチルアルコール
および当該ヘテロポリ酸を含む水相を、蒸留操作により
分離精製する方法にあたり、蒸留塔塔内圧力を上昇させ
ず、また、新たな物質を添加せず、蒸留塔塔内における
発泡を抑制させ、安定かつ連続的に蒸留操作を行うこと
ができる方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の実
状に鑑み、第3級ブチルアルコール回収のための蒸留塔
での発泡抑制について鋭意検討を行った結果、当該第3
級ブチルアルコールを蒸留塔塔内の液中に存在させるこ
とにより、表面張力を低下させ、発泡を抑制することに
着目し、回収する当該第3級ブチルアルコールそのもの
を用いた蒸留塔塔内の発泡抑制方法についてさらに検討
を行った。その結果、発泡を抑制するための蒸留塔塔内
の液中の当該第3級ブチルアルコール濃度に、適正な範
囲があることが判明し、本発明を見い出した。すなわ
ち、本発明は、下記のとおりである。
【0009】1)Mo,W,Vのうち少なくとも1種の
元素を縮合配位元素とするヘテロポリ酸を含む水溶液の
存在下で、n−ブテンとイソブチレンを含むオレフィン
混合物よりイソブチレンを選択的に水和して当該第3級
ブチルアルコール製造し、水和反応後に当該第3級ブチ
ルアルコールおよび当該ヘテロポリ酸を含む水相と残存
炭化水素相に分離させて残存炭化水素を除去後、多量の
当該第3級ブチルアルコールおよび当該ヘテロポリ酸を
含む水相を蒸留操作により分離精製するにあたり、蒸留
塔塔内の当該ヘテロポリ酸が2重量%以上存在する液中
の第3級ブチルアルコールの濃度を0.2〜10重量%
に調整することを特徴とする第3級ブチルアルコールの
回収方法。 2)蒸留塔塔底部から抜き出す液中の当該第3級ブチル
アルコールの濃度を0.2〜5重量%に調整する上記
1)記載の方法。以下、本発明につき、その一例のフロ
ーを示す図1を参照しつつ、詳細に説明する。
【0010】n−ブテンとイソブチレンを含むオレフィ
ン混合物は、導管1から水和反応器2へ供給される。M
o,W,Vのうち少なくとも1種の元素を縮合配位元素
とするヘテロポリ酸を含む水溶液は、導管3より同じく
水和反応器2へ供給され、同反応器においてイソブチレ
ンを選択的に水和反応させる。反応後の液は、導管4を
通してデカンター5へ供給し、2相分離して残存炭化水
素を導管6から除去した後、放圧による残存炭化水素除
去ドラム7で、少量溶解している残存炭化水素をさらに
除去する。得られた当該第3級ブチルアルコールおよび
当該ヘテロポリ酸を含む水溶液は、導管8を通して蒸留
塔9へ供給され、蒸留操作により蒸留塔9で塔頂から導
管10を通して当該第3級ブチルアルコールを回収し、
当該第3級ブチルアルコール回収後の残液である蒸留塔
塔底抜き出し液は、導管3を通して触媒として反応器へ
供給される。
【0011】ここで、蒸留塔9内のヘテロポリ酸が2重
量%以上存在する液中の第3ブチルアルコールの濃度を
0.2〜10重量%に調整することで、その当該第3級
ブチルアルコール自体が界面活性剤の役割となり、蒸留
塔塔内における発泡を抑制させ、安定かつ連続的に蒸留
操作が可能となる。好ましくは、蒸留塔9の塔底部から
抜き出す当該第3級ブチルアルコール濃度を0.2〜5
重量%に調整することにより、安定かつ連続的に蒸留操
作が可能となる。蒸留塔9内の当該ヘテロポリ酸が2重
量%以上存在する液中の当該第3ブチルアルコールの濃
度が10重量%を超えると、原因は不明であるが、発泡
が抑制できず、蒸留塔運転を安定に行うことが非常に困
難となる。
【0012】本発明に用いられるオレフィン混合物に
は、ナフサ分解工程の炭素数4の留分より大部分のブタ
ジエンを除去した後に得られるイソブチレンとn−ブテ
ンを主成分とする、いわゆるスペントBBが用いられる
が、飽和炭化水素や芳香族炭化水素が共存してもよい。
また、石油の流動接触反応装置の副生C4留分、n−ブ
タンの接触脱水素留分等のオレフィン混合物も使用する
ことができる。
【0013】本発明において触媒として用いられるヘテ
ロポリ酸は、縮合配位元素としてMo、WおよびVから
選ばれた少なくとも1種の元素を含むものであるが、さ
らにその他の元素、例えば、Nb、Taなどを縮合配位
元素をとして含んでもよい。また、この当該ヘテロポリ
酸の中心元素は、P、Si、As、Ge、Ti、Ce、
Th、Mn、Ni、Te、I、Co、Cr、Fe、G
a、B、V、Pt、Be、およびZnの群から選ばれた
1種で、特に好ましくは、P、Si、およびGeの群か
ら選ばれた1種であり、当該ヘテロポリ酸中の縮合配位
元素/中心元素(原子比)は2.5〜12である。さら
に、当該ヘテロポリ酸は単体量のみならず、2量体、3
量体などの重合体も使用できる。
【0014】本発明に用いられるヘテロポリ酸の重量%
濃度とは、当該ヘテロポリ酸結晶が水和物を形成する場
合は、その水も含めた濃度である。その分析方法につい
ては下記のとおりである。 (1)試薬特級ヘテロポリ酸結晶物を0〜70重量%ま
で10刻みの水溶液を正確に作成する。 (2)各濃度のヘテロポリ酸水溶液をメスシリンダー
(100ミリリットル以上。但し、浮秤式比重計が入る
容量のもの)に入れる。 (3)20℃の温度水槽に(2)のメスシリンダーを入
れ、恒温になるまでしばらく待つ。 (4)恒温になった時点で浮秤式比重計を入れ、比重計
を読みとる。 (5)比重計を取り出し、メスシリンダーにかるく栓を
して恒温水槽の温度を30℃に上げる。
【0015】(6)(4)と同様に比重を測定し、以下
同様に、40〜70℃まで10℃刻みで比重を測定す
る。 (7)(1)の各濃度の試薬特級ヘテロポリ酸水溶液に
おいて、上記操作により各温度での比重読みとり値をプ
ロットし、比重とヘテロポリ酸濃度の相関グラフおよび
相関式を作成する。 (8)ヘテロポリ酸濃度の測定を行うサンプルをメスシ
リンダーへ入れる。 (9)(8)のメスシリンダーを恒温水槽でサンプル温
度を上記比重測定温度値の一番近い温度に合わせる。 (10)メスシリンダーに浮秤式比重計を入れ、比重計
を読みとり、(7)で作成した相関グラフおよび相関式
からヘテロポリ酸重量%を得る。
【0016】本発明での蒸留塔塔内に存在する液中の第
3級ブチルアルコールを調整する方法としては、蒸留塔
条件を調整することによって行ってもよいし、新たに供
給装置で当該第3級ブチルアルコールを添加してもよ
い。蒸留塔条件を調整することとは、圧力の調整、熱負
荷の調整、供給段の調整、還流量の調整、回収する第3
級ブチルアルコール抜き出し量の調整、塔底抜き出し量
の調整である。本発明に用いられる蒸留塔とは、単蒸留
塔、棚段塔または充填塔でもよい。充填塔内の充填物は
不規則、規則のどちらでもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に実施例をあげて本発明を説
明する。
【実施例1】まず、液の発泡性を示す指標として、泡層
高の測定を行った。該泡層高が低いほど、測定に使用し
たサンプルの発泡性が低いと判断できる。測定は図2に
示した発泡測定装置を用い、この装置を用いた泡層高の
測定方法とは、下記のとおりである。 (1)あらかじめ洗浄し、乾燥させたガラス管11と発
生した泡が放出しないよう2リットルメスシリンダー1
2を用意する。 (2)メスシリンダー12の下部にガラス管11を取り
付け、さらに、ガラス管11のメスシリンダー12側の
先端にガス分散器13を取り付ける。ここで、ガス分散
器13はボールフィルター503G−34を用いた。 (3)メスシリンダー内にメスピペットで常温のサンプ
ル液を200ミリリットル入れ、ガラス管11より窒素
を毎分500ミリリットル供給してサンプル液を発泡さ
せる。 (4)窒素供給前の静止液面高さをゼロとし、供給30
分間での発生した泡までの高さの最高値を泡層高として
測定する。
【0018】また、サンプル液中の第3級ブチルアルコ
ールの測定は、水素炎検出器のガスクロマトグラフで測
定した。ここでの充填剤には、1,2,3−Tris
(2Cyano ethoxy)PropaneをCe
lite545 4Sに20wt%旦持させたものを用
いた。n−ブテンとイソブチレンを含むオレフィン混合
物をスペントBBとし、また、ヘテロポリ酸をリンモリ
ブデン酸とし、図1に示したフローの工程を用いて得ら
れた導管3内の蒸留塔塔底抜き出し液を用いて、リンモ
リブデン酸65.3重量%、第3級ブチルアルコール4
重量%の水溶液を1リットル調製した。その一部を図2
に示した発泡測定装置を用い、泡層高を測定したとこ
ろ、泡層高は50mmであった。
【0019】
【実施例2】実際に第3級ブチルアルコールを回収する
蒸留塔9において、蒸留塔塔内液中の当該第3級ブチル
アルコール濃度を調整し、その蒸留塔の塔頂部と塔底部
の差圧挙動、塔底の気相部の差圧挙動を調査した。塔頂
部と塔底部間の差圧変動が小さく、その変動回数も少な
いほど、蒸留塔塔内での発泡が抑制されていると判断で
きる。また、塔底部における気相部の差圧についても、
その差圧が小さいほど、塔底部付近での発泡が抑制され
ていると判断できる。ここで、塔底の気相部の差圧と
は、塔底の気相部2箇所の静圧差であり、2箇所の測定
端の間隔は、高さ方向1mで行った。
【0020】n−ブテンとイソブチレンを含むオレフィ
ン混合物としてスペントBBを導管1から水和反応器2
へ供給し、また、ヘテロポリ酸としてリンモリブデン酸
を用い、そのリンモリブデン酸の濃度を65.3重量%
とする水溶液を導管3より同じく水和反応器2へ供給
し、温度60℃、圧力8.5キログラム毎平方センチメ
ートルの条件下でイソブチレンを選択的に水和反応させ
た。反応後の液は、導管4を通してデカンター5へ供給
し、圧力8.5キログラム毎平方センチメートルの条件
下で2相分離させて、残存スペントBB相を導管6から
除去した後、放圧による残存炭化水素除去ドラム7で圧
力を1.2キログラム毎平方センチメートルとして、少
量溶解している残存スペントBBをさらに除去した。得
られた第3級ブチルアルコールおよび当該リンモリブデ
ン酸を含む水溶液は、導管8を通して蒸留塔9へ供給
し、蒸留操作により蒸留塔9で塔頂から導管10を通し
て当該第3級ブチルアルコールの回収を行った際、その
蒸留塔9の塔頂圧力145ミリメートル水銀柱、熱負荷
4000Mcal/Hの条件下で、導管3内の蒸留塔塔
底抜き出し液中の当該リンモリブデン酸を65.3重量
%、第3級ブチルアルコールを1.5重量%となるよう
還流量調整を行った結果、その蒸留塔の塔頂と塔底部の
差圧および塔底部の気相部の差圧の挙動について調査し
たところ、以下の事項が判明した。
【0021】蒸留塔の塔頂部と塔底部の差圧において、
±20ミリメートル水銀柱を越える差圧変動の回数が0
回/分であり、また、その塔底の気相部の差圧は0〜1
ミリメートル水銀柱であり、蒸留塔は殆ど圧力変動な
く、安定かつ連続的に蒸留操作を行うことができた。
【0022】
【比較例1】実施例1と同様に導管3内の蒸留塔塔底抜
き出し液を用いて、リンモリブデン酸56.0重量%、
第3級ブチルアルコールを10.7重量%の水溶液を1
リットル調製し、実施例1と同じ実験を行ったところ、
泡層高は440mmであった。
【0023】
【比較例2】導管3内の蒸留塔塔底抜き出し液のリンモ
リブデン酸を65.3重量%、第3級ブチルアルコール
を0.005重量%となるよう還流量調整を行った以外
は、実施例2と同様の方法で行った。その結果、当該蒸
留塔塔頂部と塔底部の差圧において、±20ミリメート
ル水銀柱を越える差圧変動の回数が10〜20回/分発
生し、さらに、その塔底の気相部の差圧においては5〜
20ミリメートル水銀柱であり、運転圧力および温度と
も安定せず、蒸留よる第3級ブチルアルコールの回収操
作が非常に困難となった。
【0024】
【発明の効果】本発明により、Mo,W,Vのうち少な
くとも1種の元素を縮合配位元素とするヘテロポリ酸を
含む水溶液の存在下で、n−ブテンとイソブチレンを含
むオレフィン混合物よりイソブチレンを選択的に水和し
て第3級ブチルアルコールを製造し、水和反応後に当該
第3級ブチルアルコールおよび当該ヘテロポリ酸を含む
水相と残存炭化水素相に分離させて残存炭化水素を除去
後、多量の当該第3級ブチルアルコールおよび当該ヘテ
ロポリ酸を含む水相を蒸留操作により分離精製するにあ
たり、蒸留塔塔内圧力を上昇させず、また、新たな物質
を添加することもなく、安定かつ連続的に蒸留操作がで
き、第3級ブチルアルコールを回収することが達成でき
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用した第3級ブチルアルコールの反
応および回収工程のフローである。
【図2】本発明で使用した発泡測定装置の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 n−ブテンとイソブチレンを含むオレフィン混合
物供給導管 2 水和反応器 3 蒸留塔塔底抜き出し液の導管 4 反応後の液をデカンターへ供給する導管 5 デカンター 6 残存炭化水素を除去する導管 7 放圧による残存炭化水素除去ドラム 8 蒸留塔への水相供給の導管 9 蒸留塔 10 回収した第3級ブチルアルコールの導管 11 ガス供給口 12 メスシリンダー 13 ガス分散器 14 サンプル液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC41 AD11 AD16 BA12 BA14 BA30 BA75 BB31 BC37 BD20 BE60 FE11 4H039 CA60 CF10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mo,W,Vのうち少なくとも1種の元
    素を縮合配位元素とするヘテロポリ酸を含む水溶液の存
    在下で、n−ブテンとイソブチレンを含むオレフィン混
    合物よりイソブチレンを選択的に水和して第3級ブチル
    アルコールを製造し、水和反応後に当該第3級ブチルア
    ルコールおよび当該ヘテロポリ酸を含む水相と残存炭化
    水素相に分離させて残存炭化水素を除去後、多量の当該
    第3級ブチルアルコールおよび当該ヘテロポリ酸を含む
    水相を蒸留操作により分離精製するにあたり、蒸留塔塔
    内で当該ヘテロポリ酸が2重量%以上存在する液中の第
    3ブチルアルコール濃度を0.2〜10重量%に調整す
    ることを特徴とする第3級ブチルアルコールの回収方
    法。
  2. 【請求項2】 蒸留塔塔底部から抜き出す液中の当該第
    3ブチルアルコール濃度を0.2〜5重量%に調整する
    請求項1記載の方法。
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