JP2000044356A - 吹付け用坏土、及び不定形耐火物 - Google Patents

吹付け用坏土、及び不定形耐火物

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JP2000044356A JP11150577A JP15057799A JP2000044356A JP 2000044356 A JP2000044356 A JP 2000044356A JP 11150577 A JP11150577 A JP 11150577A JP 15057799 A JP15057799 A JP 15057799A JP 2000044356 A JP2000044356 A JP 2000044356A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】気孔率の小さい不定形耐火物の施工体が得られ
る吹付け用坏土の提供。 【解決手段】耐火性骨材、耐火性粉末及び少量の分散剤
を含む不定形耐火物用粉体組成物に水を加えて混練され
てなり、フロー値が180mm以上である自己流動性を
有する坏土に、急結剤が混入されてなることを特徴とす
る吹付け用坏土。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吹付け用坏土、及
び吹付け用坏土が施工された不定形耐火物に関する。
【0002】
【従来の技術】不定形耐火物を吹付け施工すると、型枠
を必要としないなどによって流し込みによる施工方法と
比べて施工作業を省力化できるという利点がある。この
ため、従来から不定形耐火物の吹付け施工方法が実施さ
れている。
【0003】従来の吹付け施工方法はいわゆる乾式又は
半乾式の吹付け施工方法であり、流動性のない坏土、す
なわち乾いた不定形耐火物用粉体組成物又は不定形耐火
物用粉体組成物に流動性を呈さない量の水分を混合した
湿った坏土を、圧縮空気をキャリアとして配管で施工現
場に搬送し、吹付けノズルで不定形耐火物が必要とする
水分又は不足している水分及び急結剤を注入して吹付け
ノズルから吹付け施工している。
【0004】しかし、このような方法では不定形耐火物
用粉体組成物の坏土中の細かい、たとえば0.1mm以
下の、耐火性粉末の粒子の分散状態と濡れが不充分な状
態で吹付け施工されるため、坏土中には多くの空気が取
り込まれ、その結果吹き付け施工された不定形耐火物の
施工体は流し込み施工された不定形耐火物の施工体と比
べて気孔率が大きく(嵩比重が小さく)なり、その気孔
率が大きい分、耐食性などの耐火物特性が劣るものであ
った。
【0005】特公平2−27308や特開昭62−36
071では、施工時における粉塵の発生を抑制するた
め、予め不定形耐火物用粉体組成物にある程度の水分を
混合しておき、足りない水分と急結剤の水溶液を吹付け
ノズルで注入する方法を提案しているが、気流搬送配管
が不定形耐火物の坏土で閉塞しないようにするため不定
形耐火物用粉体組成物に予め混合できる水分の量に限界
があり、空気の取り込みや粉塵の発生を充分には回避で
きなかった。また、吹付け施工時にはリバウンドによる
ロスが相当量発生し、粉塵が周囲にまき散らされるとい
う作業環境上の問題もあった。
【0006】また、吹付けノズルの直前で搬送されてき
た湿った坏土に残りの水分を注入する場合、吹付け施工
する坏土中の水分の分布が不均一になるのを避けられな
い。特に流動性を向上させるとともに不定形耐火物を緻
密化するため耐火性超微粉を混合してある不定形耐火物
を施工する場合には、不定形耐火物用粉体組成物に混合
しておく水分の絶対量が少なく、吹付け施工は一層困難
であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術が有していた前述の課題を解決し、施工に際して一
層の省力化が可能で、周囲への粉塵の飛散が少なく、か
つ得られる施工体は気孔率を小さくできることにより、
その嵩比重が大きく、耐火物としての特性に優れたもの
となる吹付け用坏土、及びその吹付け用坏土が施工され
た不定形耐火物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の吹付け用坏土
は、耐火性骨材、耐火性粉末及び少量の分散剤を含む不
定形耐火物用粉体組成物(以下、単に粉体組成物とい
う)に水を加えて混練されてなり、かつ、上端内径50
mm、下端内径100mm、高さ150mmで上下端が
開口した円錐台形状のコーン型に混練直後の坏土を流し
込んで充たしコーン型を上方に抜き取って60秒間静置
したときの広がり直径が180mm以上である自己流動
性を有する坏土に、急結剤が混入されてなることを特徴
とする。また、本発明の不定形耐火物は、上記吹付け用
坏土が施工されたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本明細書中において吹付け用坏土
とは、吹付け用の急結剤が混入した坏土をいう。本発明
の吹付け用坏土の吹付け施工方法の主な特徴は、自己流
動性を有する不定形耐火物の坏土を圧送ポンプと圧送配
管によって施工現場に圧送できる点にある。この方法に
よれば、予め所要の水分を混合してある不定形耐火物の
坏土を圧送ポンプと圧送配管で施工現場に送ることがで
き、予め所要の水分を混合してあることによって坏土中
の水の分布が均等であり、圧縮空気を注入するまでの坏
土中には粒子の周囲に随伴する空気がほとんどなく、坏
土にキャリアである圧縮空気を注入したときに巻き込ま
れる気泡も、そのほとんどが吹付け施工時に坏土から放
出され、その結果として気孔率が小さく嵩比重の大きい
不定形耐火物の施工体が得られる。
【0010】本発明の吹付け用坏土の吹付け施工方法で
は、所要量の急結剤が坏土中に注入され、吹付けノズル
から施工箇所に吹付けられた坏土は注入後急速に流動性
が低下する。このため、たとえば垂直な壁面に坏土を吹
付け施工しても、吹付けられた坏土が壁面から流れ落ち
たりせず施工できる。また、ノズル配管の先に吹付けノ
ズルが接続されている場合は、吹付けノズルに接続する
配管は一本で済み、吹付けノズルの上下左右への移動操
作は容易である。また好ましくはノズル配管をフレキシ
ブルな配管としてノズル配管を屈曲しやすくすることで
人手による吹付け施工を容易にすることができる。
【0011】急結剤の注入箇所は、圧縮空気の注入口の
下流又は圧縮空気の注入口と同位置とするのが好まし
い。たとえば、急結剤を注入後の坏土は急速に硬化を起
こした状態でノズル配管を通って、吹付けノズルに送ら
れ吹付けノズルから吹付け施工される。急結剤を注入後
の坏土は、ノズル配管を通過中に乱流の撹拌を受け、坏
土中によりよく分散され、その結果坏土に注入する急結
剤の所要量を減少できる。
【0012】圧送配管及びノズル配管は、人手によって
吹付けたり位置の移動を行うが、ポンプへの圧送負荷を
低下させるために配管は50A以上(JIS G345
2による、以下同様)が好ましい。配管は坏土で満たさ
れるとかなりの重量となる。
【0013】ここで、急結剤の注入箇所を、圧縮空気の
注入口の下流、さらに好ましくは1m以上下流に設ける
ことで、圧縮空気の注入口より下流の配管内の坏土は、
空送状態になるため、配管重量が軽くなり人手によるハ
ンドリングが容易となる。
【0014】急結剤の注入箇所を圧縮空気の注入口と同
位置にすると、急結後の坏土の空送負荷区間は、ノズル
配管部のみでよく、注入する空気量を低下できるため、
特に低水量(実施例と同じ基準で好ましくは5〜7%)
で施工されるので不定形耐火物で発生する粉塵量を低下
させうる。ここで、ノズル配管より上流の圧送配管は坏
土で満たされて重くなるため、配管サイズは50A前後
とするのが好ましい。
【0015】急結剤の注入箇所を圧縮空気注入口と同位
置にする場合の一つの態様としては、坏土に注入される
圧縮空気の一部又は全部を使用し、急結剤が注入され
る。特に坏土に注入される圧縮空気の全部を急結剤の注
入に使用した場合には、圧縮空気は急結剤と一緒に共通
する配管によって坏土に注入されるので、圧縮空気を坏
土に注入するそれ独自の配管が省ける。
【0016】本発明では坏土の流動性を約20℃の室温
下でコーン型を用いて評価する。すなわち、粉体組成物
に約20℃の水を加えて混練した直後の坏土を、上端内
径50mm、下端内径100mm、高さ150mmで上
下端が開口した円錐台形状のコーン型に混練直後の坏土
を流し込んで充たし、コーン型を上方に抜き取って60
秒間静置したときの広がり直径(2方向の広がりを測定
した平均値、以下フロー値という)で表示する。
【0017】坏土はフロー値が165mm以上あれば自
己流動性を呈する。しかし、圧送ポンプと圧送配管で混
練された坏土を施工現場に容易、かつ滞りなく送れるよ
うにするためには、圧送ポンプで圧送する坏土のフロー
値は180mm以上とする。坏土のフロー値は、さらに
は200mm以上とするのが好ましい。フロー値が大き
い坏土を使用すれば、圧送ポンプの吸込み抵抗と圧送配
管内の流動抵抗を小さくでき、圧送配管の直径の低減や
坏土の長距離圧送を実現できる。
【0018】本発明で使用する粉体組成物は、耐火性骨
材、耐火性粉末及び少量の分散剤を含むものである。耐
火性粉末は耐火性骨材の隙間を埋めて耐火性骨材を結合
する結合部を形成する。
【0019】耐火性骨材としては、アルミナ、ボーキサ
イト、ダイアスポア、ムライト、礬土頁岩、シャモッ
ト、ケイ石、パイロフィライト、シリマナイト、アンダ
リュサイト、クロム鉄鉱、スピネル、マグネシア、ジル
コニア、ジルコン、クロミア、窒化ケイ素、窒化アルミ
ニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、黒鉛などの炭素、ホ
ウ化チタン及びホウ化ジルコニウムから選ばれる1種以
上が好ましい。
【0020】耐火性粉末としては、アルミナセメント、
アルミナ、チタニア、ボーキサイト、ダイアスポア、ム
ライト、礬土頁岩、シャモット、パイロフィライト、シ
リマナイト、アンダリュサイト、ケイ石、クロム鉄鉱、
スピネル、マグネシア、ジルコニア、ジルコン、クロミ
ア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化
ホウ素、ホウ化ジルコニウム、ホウ化チタン及びヒュー
ムドシリカ等の無定形シリカから選ばれる1種以上であ
って、平均粒径が30μm以下のものが好ましい。
【0021】これらの耐火性粉末の一部として、アルミ
ナやヒュームドシリカ等の平均粒径が10μm以下、好
ましくは5μm以下の耐火性超微粉を使用すると、組成
物の坏土に加える水の量を減らすことができ、かつ混練
後の坏土に良好な流動性を付与できる。
【0022】耐火性粉末の一部として、平均粒径が30
μm以下の球状化された粒子からなる粉末を使用するこ
とによっても坏土に良好な流動性を付与できる。耐火性
粉末の一部としてアルミナセメントを使用すれば、アル
ミナセメントが不定形耐火物の結合剤として機能し、施
工体は常温から高温までの広い範囲において強度を保持
できる。
【0023】良好な自己流動性を坏土に付与するための
手段として、使用する耐火性骨材及び耐火性粉末の種類
に合わせて選定した粉末の分散剤を粉体組成物に配合し
ておくのが好ましい。分散剤としては、ポリメタリン酸
塩類、ポリカルボン酸塩類、ポリアクリル酸塩類及びβ
−ナフタレンスルホン酸塩類から選ばれる1種以上が好
ましく、粉体組成物の耐火性骨材と耐火性粉末の合量1
00重量部に対して0.02〜1重量部添加しておくの
が好ましい。
【0024】粉体組成物100重量部に対して加える水
の量は、粉体組成物に配合される主要原料である骨材の
比重や気孔率によって変化するが、自己流動性を付与す
るために必要な坏土中の水分量には自ら下限があり、粉
体組成物100重量部に対して4重量部以上(比重が大
きく気孔率が小さい電融アルミナ等の骨材の場合には
4.5重量部で自己流動性を付与できる)の水分を加え
るのが好ましい。粉体組成物は、たいてい乾いた粉体の
状態で施工現場の近くに運搬し、施工現場に持ち込んだ
ミキサー中で粉体組成物に水を加えて混練し、吹付け施
工に供される。しかし、工場で粉体組成物に水を加えて
混練した坏土をコンクリートミキサー車で施工現場に運
んで吹付け施工することもできる。
【0025】ポンプ圧送する坏土中の水分、すなわち粉
体組成物に加える水分は、施工された不定形耐火物の気
孔率を小さくして耐火物としての良好な特性を確保でき
るように、粉体組成物100重量部に対して15重量部
以下、さらには12重量部以下とするのが好ましい。坏
土中の水分が少なければ、坏土中に含まれる耐火性骨材
が沈降して坏土が不均質化するのを抑制でき、気孔率が
小さく均質な組織の不定形耐火物の施工体が得られる。
【0026】坏土に注入する急結剤としては、水溶液の
急結剤も使用できるが、吹付け施工する坏土中の水分量
を必要最小限にとどめて良好な耐火物特性を確保するた
め、好ましくは粉末の急結剤を使用する。粉末の急結剤
は、好ましくは圧縮空気をキャリアとして急結剤注入口
から坏土中に注入する。水溶液の急結剤を坏土に注入す
るときはなるべく濃い水溶液を使用するのが好ましい。
急結剤は、均一に分散するように圧縮空気で吹いて圧縮
空気をキャリアとして坏土中に注入するのが好ましい。
【0027】急結剤としては、アルミン酸ナトリウム、
アルミン酸カリウム、アルミン酸カルシウム等のアルミ
ン酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリ
ウム、重炭酸カリウム等の炭酸塩、硫酸ナトリウム、硫
酸カリウム、硫酸マグネシウム等の硫酸塩、CaO・A
23、12CaO・7Al23、CaO・2Al
23、3CaO・Al23、3CaO・3Al23・C
aF2、11CaO・7Al23・CaF2等のカルシウ
ムアルミネート類、酸化カルシウム、水酸化カルシウ
ム、及びこれらの複合物又は混合物から選ばれる1種以
上が使用できる。
【0028】急結剤の所要量は、急結剤の種類によって
ある程度変化するので、急結剤の種類と、急結剤を注入
した後のノズル配管の長さなどによって注入量を調節す
るのが好ましい。
【0029】上記急結剤のなかでも、入手が容易であっ
て安価であり、かつその急結特性が優れていることか
ら、アルミン酸ナトリウムの粉末又は水溶液を使用する
のが好ましい。アルミン酸ナトリウムはその融点が高い
ので耐火物の耐火度を低下させず、坏土中に注入すると
加水分解してNaOHの他にAl(OH)3のゲルを生
じて坏土を急速に硬化させる。
【0030】急結剤の注入量は、分散剤を除く粉体組成
物100重量部に対して、乾量基準の重量で0.05〜
3重量部とするのが好ましい。0.05重量部より少な
いと、性能のよい急結剤であっても急結速度が不足して
吹付け施工された坏土が流れ落ちることになり、3重量
部を超えて多く注入すると急速に硬化して吹付け施工が
難しくなったり、耐熱性や耐食性などの耐火物としての
性能が低下することになる。
【0031】また、圧送ポンプとしては、市販品を入手
できることから、ピストン式又はスクイーズ式の圧送ポ
ンプを使用するのが好ましい。スクイーズ式とはダイヤ
フラムを圧縮空気で駆動するダイヤフラム式ポンプ、弾
性を有するチューブをローラでしごいて坏土を圧送する
ポンプ等をいう。これらの圧送ポンプとしては圧送する
坏土の脈動が小さくなるように、好ましくは複数のダイ
ヤフラム、複数のチューブ又は複数のピストンを備えた
圧送ポンプを使用するのが好ましい。
【0032】また、粉体組成物100重量部に対して、
0.002〜0.2重量部の遅延剤を添加すれば、混練
した坏土の可使時間を延長でき、気温が高い夏場でも充
分な可使時間を確保でき、安定して耐火物を吹付け施工
できる。遅延剤には、シュウ酸、ホウ酸、リンゴ酸、ク
エン酸などの弱酸が好ましく使用できる。
【0033】
【実施例】[例1〜6、1’及び2’]耐火性骨材とし
て、Al23、SiO2及びFe23の含有量がそれぞ
れ43重量%、53重量%及び0.9重量%であって、
粒径が1.68〜5mmの粗粒、粒径が0.1〜1.6
8mmの中粒及び粒径が0.02〜0.1mmで平均粒
径が0.03mmの細粒からなるシャモット質骨材を使
用した。
【0034】耐火物の結合部を構成する耐火性粉末とし
て、Al23とCaOの含有量がそれぞれ55重量%と
36重量%で平均粒径が9μmのアルミナセメント、A
23の純度が99.6重量%で平均粒径が4.3μm
のバイヤーアルミナ及びSiO2の純度が93重量%で
平均粒径が0.8μmのヒュームドシリカを用いた。ま
た、分散剤としてP25とNa2Oの含有量がそれぞれ
60.4重量%と39.6重量%のテトラポリリン酸ナ
トリウムの粉末を用いた。
【0035】耐火性骨材と耐火性粉末及び分散剤を調合
して表1に示す粉体組成物を調合し、各組成物に表1に
示す量の水(耐火性骨材と耐火性粉末は内掛け重量%、
他はいずれも外掛け重量%)を加え、500kg容量の
ボルテックスミキサー中で3分間混練して坏土とした。
各坏土の流動性は、混練した各坏土を上端内径50m
m、下端内径100mm、高さ150mmで上下端が開
口した円錐台形状のコーン型に混練直後の坏土を流し込
んで充たし、コーン型を上方に抜き取って60秒間静置
したときの広がり直径を2方向についてノギスで測定
し、その平均値をフロー値とした。
【0036】急結剤には、粒径が800μm以下で平均
粒径が約150μmの粉末であって、アルミン酸ナトリ
ウム(約20%の結晶水を含む)と炭酸ナトリウムを
3:1の重量比で含むものを用い、表1に示した調合の
坏土を調製して吹付け施工した。すなわち、図1の系統
概要図に示す構成の吹付け施工装置を使用し、垂直な鉄
板からなる壁面(アンカーは設けず)に約100mmの
厚さに吹付け施工を行った。これらの試験は、特に断り
のない限り約20℃の室内で、組成物に約20℃の水を
混合して行った。
【0037】図1において、1は圧送ポンプ、2a、2
bは圧送配管、3はノズル配管、4は吹付けノズル、5
は急結剤のフィーダ、6はエヤーコンプレッサ、7は混
練手段を備えた坏土の容器、8は施工壁面、9は吹付け
施工された施工体、10は圧縮空気注入口、11は急結
剤注入口、12、13は空気用弁である。なお、以下の
例では圧送ポンプとして2つのピストンを備えるPut
zmister社製圧送ポンプBSA702を用い、圧
送速度を混練した坏土で3トン/時間とし、圧縮空気注
入口から4〜6気圧に調節した圧縮空気を注入して吹付
けノズルに坏土を供給した。
【0038】また、粉末状急結剤を定量的に坏土に注入
するため、テーブルフィーダを備える日本プライブリコ
社製のQガンを用い、空気圧力を3〜4kg/cm2
範囲で制御して表1に示す急結剤の注入量に調節した。
【0039】なお、上記実施例で使用された吹付け施工
装置では、圧送ポンプ1から圧縮空気の注入口10まで
の圧送配管2aを寸法65Aで長さが70mの鋼管及び
65Aから50Aに絞った長さ1mのテーパ付き鋼管を
接続したものとし、圧縮空気の注入口10から急結剤の
注入口11までの圧送配管2bを寸法50Aで長さ3m
のゴムホースとし、急結剤の注入口11から吹付けノズ
ル4までのノズル配管3を寸法50Aで長さが1.2m
のゴムホースとして配管の内側に段差ができないように
接続した。また、圧縮空気注入口10と急結剤の注入口
11にはそれぞれY字管を取り付けた。
【0040】吹付けノズル4は柔軟なゴムホースに接続
されているのでゴムホースの及ぶ範囲で移動と方向の変
更が容易であるので、吹付けノズル4は手で持って操作
し、壁面8に吹付け施工した。本発明の吹付け用坏土の
吹付け施工方法では、吹付け施工時のリバウンドと粉塵
の発生はほとんどなく、従来の不定形耐火物の吹付け施
工方法と比べて施工歩留と作業環境はきわめて良好であ
った。
【0041】施工壁面に厚さ約100mmに吹付け施工
した施工体を20℃の室内に24時間放置し、各施工体
から約30cm×30cmの大きさの施工体試料を採取
し、採取した試料を110℃で24時間乾燥した後、J
IS R2205に規定された方法に準じて気孔率と嵩
比重を測定した。
【0042】表1の例1、例2、例1’、例2’は本発
明の実施例であり、例3と例4は急結剤の注入量が不適
当な例であり、例3では急結剤が不足して壁面から坏土
がタレ落ち、満足な施工体が得られなかった。また、例
4では急結剤が過剰なため坏土の硬化が急速に進行し、
吹付けノズルからの吹付けが不安定となり、リバウンド
ロスが多く出て壁面への付着性が悪く、やはり満足な施
工体が得られなかった。このため、例3と例4について
は施工体の性質の測定等がなされていない。
【0043】例5と例6はそれぞれ例1と例2の坏土
を、内寸40mm×40mm×80mmの型枠に流し込
み成形した不定形耐火物の施工体について求めた結果で
あり、表1に示された例1と例2との比較から、本発明
の吹付け用坏土を吹付け施工して得られた不定形耐火物
の施工体の嵩比重や圧縮強度等の物性は、流し込み成形
して得られた不定形耐火物の施工体の耐火物の物性と比
べてほとんど劣らないことが分かる。例1’は例1の粉
体組成物に遅延剤であるシュウ酸を添加した実施例であ
り、例2’は例2の粉体組成物に遅延剤であるホウ酸を
添加した実施例である。
【0044】[例7、8、7’及び7’’]耐火性骨材
として上記シャモットの代わりにボーキサイトを用いた
試験結果を表2に示す。使用したボーキサイト中のAl
23、SiO2及びFe23の含有量はそれぞれ89重
量%、7重量%及び1.3重量%であり、粗粒、中粒及
び細粒の粒度範囲はシャモットの骨材と同じにした。た
だし、ボーキサイトの細粒の平均粒径は0.02mmで
あった。表2の例7は本発明の実施例であり、例8は同
じ坏土を流し込み施工した比較例である。
【0045】例7’及び例7’’は例7の粉体組成物中
に遅延剤としてシュウ酸を添加した実施例であり、例
7’’のみは試験を気温約30℃の夏場に行った。例
7’’の結果から、適当量の遅延剤を粉体組成物に添加
しておくことによって、混練後の坏土の可使時間を延長
でき、気温が30℃の夏場であっても安定して吹付け施
工できることが分かった。
【0046】表1と表2から分かるように、本発明の吹
付け用坏土が吹付け施工された不定形耐火物の施工体の
気孔率と嵩比重の値は、流し込み施工された不定形耐火
物の施工体の気孔率と嵩比重の値と比べて遜色がない。
この12.5%以下という気孔率は従来の不定形耐火物
の吹付け施工方法で得られている不定形耐火物の気孔率
(特開昭62−36071の実施例に記載のあるシャモ
ット等を骨材とした不定形耐火物の吹付け施工体の気孔
率は16%以上)と比べて顕著に小さい。
【0047】耐火物の重要な使用特性である耐食性が耐
火物の気孔率によって大きく左右されることから、本発
明の吹付け用坏土を吹付け施工すれば、流し込み施工さ
れた不定形耐火物の施工体と比べて遜色のない優れた耐
食性を有する不定形耐火物の施工体が得られる。
【0048】図2に示す吹付け施工装置は、本発明の吹
付け用坏土の吹付け施工方法を実施するために使用でき
る他の施工装置の例であり、この施工装置では圧縮空気
と急結剤の坏土への注入が同位置でなされるように圧縮
空気及び急結剤注入口14が圧送配管2aとノズル配管
3の間に設けられており、図1の装置と同じ名称の部分
には図1と同じ符号が付してある。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明の吹付け用坏土を用いることによ
り、得られる施工体の気孔率を従来の吹付け施工方法に
よる施工体の気孔率と比べて顕著に小さくでき、流し込
み施工された不定形耐火物の施工体に劣らない嵩比重、
すなわち良好な耐食性を有する不定形耐火物の施工体が
得られる。この吹付け用坏土が施工されてなる施工体
は、従来の吹付け施工法による嵩比重の小さい不定形耐
火物の施工体と比べて耐火物としての特性が顕著に優れ
ている。
【0052】また、本発明の吹付け用坏土の吹付け施工
によれば、流し込みによる施工方法と比べて型枠が不要
であることなどによって顕著な省力化が達成でき、工期
も顕著に短縮できるという利点が得られる。
【0053】また、吹付け施工時のリバウンドによるロ
スが非常に少ないので不定形耐火物の施工歩留がよく、
粉塵がほとんど発生しないので作業環境も良好である。
省力化と良好な作業環境の確保は、今後の産業の存続と
発展に不可欠な要件でもあるので、その産業上の価値は
多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吹付け用坏土を吹付け施工するのに使
用される装置の系統概要図。
【図2】本発明の吹付け用坏土を吹付け施工するのに使
用される他の装置の系統概要図。
【符号の説明】
1:圧送ポンプ 2a、2b:圧送配管 3:ノズル配管 4:吹付けノズル 5:急結剤のフィーダ 6:エヤーコンプレッサ 7:混練手段を備えた坏土の容器 8:施工する壁面 9:吹付け施工された施工体 10:圧縮空気注入口 11:急結剤注入口 12、13:空気用弁 14:圧縮空気及び急結剤注入口

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐火性骨材、耐火性粉末及び少量の分散剤
    を含む不定形耐火物用粉体組成物に水を加えて混練され
    てなり、かつ、上端内径50mm、下端内径100m
    m、高さ150mmで上下端が開口した円錐台形状のコ
    ーン型に混練直後の坏土を流し込んで充たしコーン型を
    上方に抜き取って60秒間静置したときの広がり直径が
    180mm以上である自己流動性を有する坏土に、急結
    剤が混入されてなることを特徴とする吹付け用坏土。
  2. 【請求項2】水の添加量が、粉体組成物100重量部に
    対して15重量部以下である請求項1に記載の吹付け用
    坏土。
  3. 【請求項3】耐火性粉末の一部としてアルミナセメント
    を含有する請求項1又は2に記載の吹付け用坏土。
  4. 【請求項4】耐火性粉末の一部として、アルミナ及び/
    又はヒュームドシリカからなる平均粒径が10μm以下
    の耐火性超微粉を含有する請求項1、2又は3に記載の
    吹付け用坏土。
  5. 【請求項5】急結剤の添加量が、不定形耐火物用粉体組
    成物100重量部に対して乾量基準で0.05〜3重量
    部である請求項1〜4のいずれかに記載の吹付け用坏
    土。
  6. 【請求項6】急結剤が粉末として混入されている請求項
    1〜5のいずれかに記載の吹付け用坏土。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の吹付け用
    坏土が施工された不定形耐火物。
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