JP2000043179A - 調湿性シート - Google Patents

調湿性シート

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JP2000043179A
JP2000043179A JP21276498A JP21276498A JP2000043179A JP 2000043179 A JP2000043179 A JP 2000043179A JP 21276498 A JP21276498 A JP 21276498A JP 21276498 A JP21276498 A JP 21276498A JP 2000043179 A JP2000043179 A JP 2000043179A
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JP
Japan
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humidity
dried
mesoporous silica
sheet
silica
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JP21276498A
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Seiji Sato
静司 佐藤
Tadashi Shimizu
正 清水
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、希望する範囲に湿度を制御するこ
とが可能な調湿性シートを提供する。 【解決手段】 メソポーラスシリカを含有した調湿層を
基材の上に有することを特徴とする調湿性シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水蒸気を吸放湿す
ることにより、湿度調整をすることのできる調湿性シー
トに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、住宅の高気密・高断熱化が進み、
室内の通気性が悪くなったため、床や天井、壁面などの
湿度の高い部分での結露やカビ・ダニの発生などの問題
が生じてきた。カビやダニは、湿度が高いと多くなり、
アレルギーの原因ともなる。一方、湿度が低すぎても、
風邪などのウイルスが増加したり、静電気の発生などに
より、健康に障害をもたらすことが多い。また、美術品
などの文化財やフイルム、ビデオテープ等の記録材、
布、革製品などを保存する際には、最適な湿度で保存す
ることが必要とされている。従来、これらの湿度調整に
は、空調機やシリカゲルなどを用いた調湿材などが用い
られてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、空調機を用い
る場合、風の当たる部分だけの偏った乾燥や温度低下が
生じる、ランニングコストがかかるなどの問題がある。
シリカゲルなどを用いた調湿材は、湿度の変化を抑える
機能はあるが、湿度をある範囲に制御することは困難で
ある。本発明は、希望する範囲に湿度を制御することが
可能な調湿シートを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、メソポーラス
シリカを含有した調湿層を基材の上に有することを特徴
とする調湿性シートを提供するものである(図1)。本
発明に用いるメソポーラスシリカは、メソポア領域の
1.5から10nmに平均細孔径を有するシリカ含有量
が90%以上のシリカ多孔体で、X線回折で明らかに結
晶性が認められ、均一な細孔を持つものである。さら
に、本発明に用いるメソポーラスシリカは、BET比表
面積(窒素吸着比表面積)として好ましくは600〜14
00m2/g、細孔容積として好ましくは1〜4cc/
gの多孔構造を持つものがよい。比表面積が600m2
/g未満もしくは細孔容積が1cc/g未満の場合、調
湿性が不十分となる恐れがある。
【0005】調湿湿度と細孔直径との関係は、次のケル
ビン式が成り立つ。 Ln(P/P0)=−(4γVm/dRT)cosθ 〔P/P0 ×100:相対湿度、γ:水の表面張力、V
m:水のモル体積、d:細孔径、R:気体定数、T:絶
対温度、θ:接触角〕 このことは、メソポーラスシリカ製造時に、その細孔径
を任意に制御するために用いるテンプレートとしてのア
ルキル鎖長を変化させることで1.5から10nmの間
で平均細孔径を制御したメソポーラスシリカが相対湿度
(以下、湿度と称する)を約10から90%の範囲で自
由に調整できることを示している。
【0006】本発明に用いるメソポーラスシリカの具体
的な製造方法は、上述した物性を付与する限り限定され
るものではないが、例えば、US Patent 35
56725に記載されている、シリカのアルコキシドを
シリカ源とし、長鎖のアルキルを含む4級アンモニウム
塩をテンプレートとした合成法を用いることができる。
また、特表平5−503499号公報等に合成法が記載
されているアモルファスシリカ粉末やアルカリシリケー
ト水溶液をシリカ源とし、長鎖のアルキル基を有する4
級アンモニウム塩、あるいはホスホニウム塩をテンプレ
ートとする水熱合成法により合成する方法を用いること
もできる。さらに、特開平4−238810号公報等に
記載されている、シリカ源としてカネマイトなどの層状
珪酸塩を、長鎖のアルキルアンモニウムカチオンなどを
テンプレートとして、イオン交換法により合成する方法
を用いることもできる。あるいは、特願平9−3208
01号公報に記載されているドデシルアミンやヘキサデ
シルアミン等のアミンをテンプレートとして、活性シリ
カをシリカ源として合成する方法を用いることもでき
る。
【0007】基材上に調湿層を設ける手段は、例えばメ
ソポーラスシリカにバインダ等を混ぜて、ダイコータ
ー、ロールコーター、ロッドコーター、ブレードコータ
ー、エアナイフコーター等の各種公知の方法を用いて塗
布し、乾燥する方法を用いることができる。また、ディ
ップコート法やスプレイ法、成形面に調湿層をコーティ
ングし、基材に転写するラミネート法などを用いること
もできる。なお、場合によっては、バインダとメソポー
ラスシリカを混合し、押出し法、キャスティング法、カ
レンダー法などによってシート状に成形し、基材にラミ
ネートすることもできる。調湿層に含まれるメソポーラ
スシリカの量はその水分吸収能力が設置環境の水分量よ
り大きければ問題ないが、調湿層の厚みは、50から5
000μmが好ましい。
【0008】バインダとしては、メソポーラスシリカの
調湿性を確保するものであれば構わないが、透湿性の高
いものが好ましい。具体的には、ポリビニルアルコール
およびその変性物などの水溶性樹脂や透湿性ポリウレタ
ン樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アミノ酸系樹脂、ラテック
スなどの有機物を用いることができる。バインダとメソ
ポーラスシリカの混合割合は、バインダ100重量部に
対し、メソポーラスシリカ10から1000重量部の範
囲が好ましい。メソポーラスシリカ量が10重量部未満
になると調湿性が不十分になる可能性がある。上記以外
の成分として、本発明の特性を損なわない範囲で分散
剤、増粘剤、防カビ剤、難燃剤等の公知の添加剤を添加
できる。
【0009】使用する基材としては、合成樹脂フィルム
や紙、不織布、レーヨンなどの布、皮、金属箔など用途
に応じて使用できる。合成樹脂フィルムとしては、例え
ば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリ
エステルアミド、ポリ塩化ビニルなどを使用することが
できる。基材の厚みはとくに制限はないが、通常10か
ら5000μmのものが好ましく使用される。
【0010】また、紙等の透湿性の高いシートを用いる
場合、用途に応じて水蒸気の透過を防ぐ目的で、シート
の上に防湿層を設けたものを基材として用いることがで
きる(図2)。例えば、内装材として用いた場合、防湿
層を設けることにより壁体内への湿気の透過を防ぎ、壁
体内結露を防止をするとともに、調湿層の効果で湿度の
制御が可能となる。
【0011】防湿層としては、ポリエチレンやポリプロ
ピレン等のオレフィン系樹脂や塩化ビニリデン樹脂等の
透湿性の低い樹脂、アルミ蒸着膜などの金属膜等を用い
ることができる。防湿層の形成方法は、樹脂の場合は調
湿層と同様の方法を用いることができる。金属膜の場合
は、スパッタ等により蒸着したり、金属箔を接着剤で貼
り付けるなどして形成することができる。防湿層の厚み
は、湿気の透過を防げば良く特に制限はないが、通常1
0から100μmが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下実施例をあげて本発明を具体
的に説明するが、本発明はこの実施例により何ら制限さ
れるものではない。実施例において、平均細孔径、細孔
容積、及び比表面積は、カンタクロム社製オートソーブ
−1を用い、窒素により測定した。比表面積はBET法
により求めた。
【0013】
【実施例1】3号水ガラス(SiO2 =29重量%、N
2 O=9.5重量%)345gを水655gで希釈
し、あらかじめH+ 型にしておいたカチオン交換樹脂
(アンバーライト、IR−120B)を充填したカラム
に通過させ、活性シリカ水溶液950gを得た。この活
性シリカ水溶液のSiO2 は8.6重量%であった。エ
タノール613gにヘキサデシルアミン86.8gを溶
解させ、ついで撹拌しながら上記の活性シリカ水溶液8
00gを添加した。この混合物を室温下で静置し22時
間反応させた。得られた複合体を濾過し、濾物を水洗後
70℃で乾燥し、白色粉末を得た。この白色粉末をエタ
ノールに分散し、60℃でヘキサデシルアミンを抽出処
理し、濾過をした。さらにこの操作を2回くり返した。
ついで、得られた濾物を室温で風乾後、70℃で乾燥
し、メソポーラスシリカを得た(今後、試料Aと呼
ぶ)。粉末X線回折図には、d値=4.6nm付近にピ
ークが見られた。比表面積は700m2/gで、細孔容
積は2.26cc/g、メソポア領域の平均細孔径は
4.0nmであった。
【0014】上記のメソポーラスシリカの濃度12.5
重量%の水分散液と、固形分濃度50重量%のアクリル
ラテックス水分散液を混合し、メソポーラスシリカとア
クリルラッテクスの固形分重量比が5:5のスラリーを
調製した。ポリエチレンテレフタレート製シート(厚さ
100μm)にバーコーターで前記スラリーを塗布乾燥
し、厚さ80μmの調湿層を設けた調湿性シートを作成
した。内寸法が20cm×20cm×20cmのステン
レス製密閉箱を2個用意し、一方の内底面に上記で作成
した調湿性シートの調湿層が空間側に面するようにシー
トを張りつけた。両方の箱を乾燥機に入れ、1時間ごと
に25℃と35℃の間で温度を変化させた。シートを貼
り付けない箱内は温度の変動により湿度60%と25%
間で大きく変化した。一方、シートを貼り付けた方の湿
度の変動は50%と65%の間であった。
【0015】
【実施例2】壁紙用難燃紙(厚さ120μm)を用い、
その上に防湿層としてポリエチレンフイルム(厚さ20
μm)を熱圧着したものを基材とした。次いで、防湿層
の上に実施例1で作成したスラリーを塗布乾燥し、厚さ
80μmの調湿層を設け調湿性シートを作成した。内寸
法が20cm×20cm×20cmのステンレス製密閉
箱を2個用意し、一方の内底面に上記で作成した調湿性
シートを調湿層が空間側に面するように張りつけた。両
方の箱を乾燥機に入れ、1時間ごとに25℃と35℃の
間で温度を変化させた。シートを貼り付けない箱内は温
度の変動により湿度60%と25%間で大きく変化し
た。一方、シートを貼り付けた方の湿度の変動は50%
と65%の間であった。
【0016】
【実施例3】実施例1、2で作製した調湿性シートを、
それぞれ実施例1,2と同様にステンレス製密閉箱の内
底面に貼った箱と貼らないステンレス製密閉箱を用意し
た。40%の湿度の密閉箱内に、水0.2gに相当する
水蒸気を導入し湿度の変化を測定した。シートを貼り付
けない箱内の湿度は水蒸気の導入により70%まで上昇
した。シートを貼り付けた箱内は共に、直後の湿度が7
0%に上昇したが、10分後には40%の湿度に戻り一
定となった。ついで、同じ密閉箱内に、湿度10%の乾
燥空気を導入し湿度の変化を測定した。シートを貼り付
けない箱内の湿度は乾燥空気の導入により大きく下降
し、20%になった。一方、シートを貼り付けた箱内は
共に、直後の湿度は20%まで下降したが、6分後には
40%の湿度に戻り一定となった。
【0017】
【発明の効果】本発明の調湿性シートは、メソポーラス
シリカを調湿層に含有することにより、湿度を一定に保
つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の調湿性シートの実施様態の断面模式
図。
【図2】本発明の調湿性シートの他の実施様態の断面模
式図。
【符号の説明】
1 メソポーラスシリカ 2 調湿層 3 基材 4 防湿層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メソポーラスシリカを含有した調湿層を
    基材の上に有することを特徴とする調湿性シート。
  2. 【請求項2】 基材が防湿層を有していることを特徴と
    する請求項1記載の調湿性シート。
JP21276498A 1998-07-28 1998-07-28 調湿性シート Withdrawn JP2000043179A (ja)

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