JP2000042744A - 鋼構造物の防食方法及び防食構造物 - Google Patents

鋼構造物の防食方法及び防食構造物

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JP2000042744A
JP2000042744A JP10216363A JP21636398A JP2000042744A JP 2000042744 A JP2000042744 A JP 2000042744A JP 10216363 A JP10216363 A JP 10216363A JP 21636398 A JP21636398 A JP 21636398A JP 2000042744 A JP2000042744 A JP 2000042744A
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titanium
clad steel
welding
clad
corrosion
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JP10216363A
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Tatsuyuki Hirai
龍至 平井
Nobuo Kitamura
信男 北村
Masaharu Honda
正春 本田
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期耐久性に優れたチタンクラッド鋼板によ
る鋼構造物の防食方法及びその防食構造物を提供する。 【解決手段】 チタンクラッド鋼板2の母材4の周縁を
鋼構造物1に溶接6、7し、隣接のチタンクラッド鋼板
2間で生じるチタン合わせ材3の欠落部5を、チタンそ
の他の金属棒の摩擦肉盛による連続した肉盛部8で被覆
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チタンクラッド鋼
板による鋼構造物の防食方法及びその防食構造物に関
し、特にチタンクラッド鋼板同士の溶接部におけるチタ
ン合わせ材の欠落部を被覆する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】チタンは非常に優れた耐食性を有するた
めに、厳しい腐食環境下におかれる海洋構造物や化学プ
ラント、発電プラント、環境プラント等の分野でその用
途が拡大しつつある。中でも、海洋構造物等の巨大構造
物の分野では、高価なチタンで構造物そのものを製造す
ると莫大なコストがかかるので、安価な鋼で製造された
構造物の表面にチタン板やチタンクラッド鋼板を溶接
し、構造物の防食を図る方法が検討されている。特に最
近では、チタンと鉄の異種金属が溶融する部分(異材接
合部と呼ばれる)には脆弱な金属間化合物やチタンの炭
窒化物が生成して割れ等の溶接不良が発生するので、鋼
構造物との溶接を母材の鋼板で行えるチタンクラッド鋼
板が注目されている。また、チタンクラッド鋼板には、
その鋼板部で強度を維持できるので、合わせ材のチタン
の厚みを耐食性を確保できる最小限の厚みまで薄くでき
るためコスト的なメリットもある。しかし、チタンクラ
ッド鋼板を用いても、それにより鋼構造物の表面を隙間
なく覆うにはチタンクラッド鋼板同士の溶接が必要であ
り、そのときに上記のような異材接合部が生じるので、
溶接割れ等の問題を完全には回避できない。そのため
に、チタンクラッド鋼板の溶接には、日本溶接協会規格
WES7602−1986「チタンクラッド鋼のイナー
トガスアーク溶接およびチタンライニング作業標準」に
示されるもの等、従来より種々の方法が提案されてい
る。例えば、チタンクラッド鋼板同士を溶接する際、突
き合わせ部のチタン合わせ材を除去し(カットバックと
呼ぶ)、そこに開先を設けて炭素鋼母材のみを溶接し、
合わせ材と同質のチタンのインサート材を溶接部に挿入
した後、その上をチタンの当て板で覆う方法があるが、
溶接工程が多いため作業能率が低く、また、チタン板は
重ね隅肉溶接されていることから疲労特性に劣る問題が
ある。また、海洋構造物のスプラッシュゾーン等、耐食
性を要求される部位に限定して、チタンクラッド鋼板を
ライニングする場合は必ず溶接部端部が生じるが、この
方法では、インサート材が接合されていないので、溶接
部端部の空隙から海水等が侵入し、母材および溶接部の
腐食が生じる問題がある。
【0003】一方、真空ろう付け法や拡散接合法等によ
り金属間化合物を生成しないようにインサート材を挿入
接合するものがあり、この方法では強度低下を招く当て
板を使用せず、溶接部端部における海水等の侵入の問題
もない。しかし、高価な真空装置や貴金属のインサート
材を用いるためコスト高になるほか、大きさの制約や、
施工現場での溶接ができない等の問題があり、巨大構造
物には適用できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な課題を解決するためになされたもので、異材接合部の
耐食性及び信頼性を高め、かつ施工現場や巨大構造物へ
の適用が容易なチタンクラッド鋼板同士の接合方法を案
出することにより、長期耐久性に優れたチタンクラッド
鋼板による鋼構造物の防食方法及びその防食構造物を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、チタンと
鋼の異材接合が必須となる、チタン合わせ材欠落部(カ
ットバック部)を補填被覆する手段として、ろう付け等
の溶融接合に替わる接合技術を詳細に検討した結果、固
相接合の一種である摩擦肉盛を用いることで、この部位
の耐食性や信頼性を確保するとともに、現地施工作業を
容易かつ効率的に実施でき、さらに、ライニング端面が
生じる鋼構造物への部分的な適用に対応可能であること
を見出した。また、摩擦肉盛とは回転圧接体を被圧接体
に押し付けることで生じる摩擦発熱と加圧力により、固
相拡散接合を成す摩擦圧接の派生技術であり、圧接体を
加圧回転した状態で横移動させることで、被圧接体表面
へ線状の肉盛物を形成する手法である。この適用技術例
として例えば、特開平9−262688号公報に工具の
硬化肉盛方法が開示されている。
【0006】以上のことから、上記課題を解決する具体
的な手段は以下の通りである。本発明に係る鋼構造物の
防食方法は、鋼構造物の一部に複数のチタンクラッド鋼
板を連続的にライニングする防食方法において、(イ)
前記チタンクラッド鋼板の母材の周縁を前記鋼構造物に
溶接する工程と、(ロ)隣接の前記チタンクラッド鋼板
間で生じるチタン合わせ材欠落部を金属棒の摩擦肉盛に
より被覆する工程と、を含むことを特徴とするものであ
る。また、前記金属棒にステンレス鋼、ニッケル合金、
チタンまたはチタン合金のいずれかを用いて摩擦肉盛を
行うことを特徴とする。
【0007】本発明に係る防食構造物は、鋼構造物の一
部に複数のチタンクラッド鋼板を溶接により連続的にラ
イニングした防食構造物において、隣接の前記チタンク
ラッド鋼板間で生じるチタン合わせ材欠落部を被覆し、
前記チタンクラッド鋼板に固相接合された耐食性材料か
らなる連続肉盛部を有することを特徴とするものであ
る。
【0008】本発明においては、チタンクラッド鋼板を
鋼構造物に接合するに際し、最初に、チタンクラッド鋼
板周縁の母材部のみを鋼構造物に溶接する。この方法は
鋼同士の溶接であるため効率的であり、かつ接合強度も
十分確保できる。次に、隣接したチタンクラッド鋼板間
は隙間があるためチタンの欠落部が生じることから、チ
タン欠落部を金属棒にて摩擦肉盛することで被覆する。
この際、肉盛部の耐食性を確保するため、空隙を密閉す
る金属棒にはステンレス鋼、ニッケル合金、チタンまた
はチタン合金のいずれかを用いることが望ましく、中で
もチタン合わせ材と同程度の耐食性を有する金属材料を
選定することが好ましい。一方、チタンクラッド鋼板が
薄物の場合、溶接部近傍のチタン合わせ材のカットバッ
クが予め必要となるが、上記の方法によれば、同様に対
応できる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1に、本発明のチタンクラッド
鋼板による防食構造物の一実施の形態を示す。本防食構
造物は、例えば、海洋鋼構造物1のスプラッシュゾーン
に薄物のチタンクラッド鋼板2を上下左右に配置し、腹
巻き状にライニングしたものである。この例では、ライ
ニング端に相当する最上段および最下段のチタンクラッ
ド鋼板間の溶接部に端部が形成される。
【0010】図2に、本発明のチタンクラッド鋼板によ
る防食方法の一実施の形態を示す。図2は図1における
ライニング部最下段のチタンクラッド鋼板間の溶接端部
近傍Aを拡大し、防食方法を施工順に示したものであ
る。まず、図2(a)に示すように、チタンクラッド鋼
板2の周縁の母材4を鋼構造物1に溶接する。その際、
チタンクラッド鋼板2が薄物の場合はクラッド界面の脆
化を防止するため、必要に応じて図示のごとく、ライニ
ング端面の溶接部6およびチタンクラッド鋼板間の溶接
部7の近傍におけるチタン合わせ材3を予めカットバッ
クしてもよい。次に、図2(b)に示すように、チタン
合わせ材3の欠落部5を被覆するため、摩擦肉盛により
連続した肉盛部8形成する。
【0011】図3に、本発明のチタンクラッド鋼板によ
る防食方法における、チタン合わせ材欠落部の肉盛被覆
方法の一実施の形態を詳細に示す。図3はチタン合わせ
材欠落部の斜視図を示したものである。摩擦肉盛にて被
覆を行うには、まず、図3(a)に示すように、金属棒
9を回転させながらクラッド鋼板側に押し付ける。さら
に、この状態のまま図3(b)に示すように、金属棒9
を溶接部7の溶接方向に横移動させる。肉盛終了時は、
図3(c)に示すように、金属棒9を上昇させることに
より連続肉盛部8は金属棒9から分離される。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
チタンクラッド鋼板の母材を鋼構造物に溶接後、隣接の
チタンクラッド鋼板間で生じるチタン合わせ材欠落部を
摩擦肉盛による連続した肉盛部で被覆するものであるた
め、異材接合部としての接合強度、耐食性及び信頼性が
高く、長期耐久性に優れた構造物を容易に防食施工する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防食構造物の概要図である。
【図2】本発明の防食方法の工程図である。
【図3】本発明の防食方法におけるチタン合わせ材欠落
部の肉盛被覆方法の説明図である。
【符号の説明】
1 鋼構造物 2 チタンクラッド鋼板 3 チタンクラッド鋼板のチタン合わせ材 4 チタンクラッド鋼板の母材(鋼) 5 チタン合わせ材欠落部 6 ライニング端面の鋼同士の溶接部 7 チタンクラッド鋼板間の鋼同士の溶接部 8 連続肉盛部 9 金属棒
フロントページの続き (72)発明者 本田 正春 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4E001 AA03 BB12 CC01 CC04 DA05 4E081 YQ02 YX03 YX07 YX11 4K062 AA10 BA20 FA01 FA12 FA16

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼構造物の一部に複数のチタンクラッド
    鋼板を連続的にライニングする防食方法において、
    (イ)前記チタンクラッド鋼板の母材の周縁を前記鋼構
    造物に溶接する工程と、(ロ)隣接の前記チタンクラッ
    ド鋼板間で生じるチタン合わせ材欠落部を金属棒の摩擦
    肉盛により被覆する工程と、を含むことを特徴とする鋼
    構造物の防食方法。
  2. 【請求項2】 前記金属棒にステンレス鋼、ニッケル合
    金、チタンまたはチタン合金のいずれかを用いて摩擦肉
    盛を行うことを特徴とする請求項1記載の鋼構造物の防
    食方法。
  3. 【請求項3】 鋼構造物の一部に複数のチタンクラッド
    鋼板を溶接により連続的にライニングした防食構造物に
    おいて、 隣接の前記チタンクラッド鋼板間で生じるチタン合わせ
    材欠落部を被覆し、前記チタンクラッド鋼板に固相接合
    された耐食性材料からなる連続肉盛部を有することを特
    徴とする防食構造物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8569625B2 (en) 2009-12-22 2013-10-29 W. C. Heraeus Gmbh Joined dissimilar materials
US8835799B2 (en) 2009-12-22 2014-09-16 Heraeus Precious Metals Gmbh & Co. Kg Method of joining dissimilar materials
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