JP3304779B2 - チタンクラッド鋼板の溶接方法 - Google Patents

チタンクラッド鋼板の溶接方法

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哲雄 崎山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チタンクラッド鋼
板の溶接方法、特に耐海水腐食性に優れる溶接方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】チタンクラッド鋼板は、非常に優れた耐
食性を有するチタン(合わせ材と呼ばれる)を強度部材
である鋼板(母材と呼ばれる)の表面に接合させた鋼板
で、コスト的にも有利なため使用環境の厳しい海洋構造
物、化学プラント、発電プラントなどの分野でその用途
を拡大しつつある。しかし、以下に述べるような溶接上
の問題などがあるため、未だ大量使用されるまでには至
ってない。
【0003】チタンクラッド鋼板を通常の方法で溶接す
ると、チタンと鋼の異種金属が溶融する部分(異材溶接
部と呼ばれる)には脆弱な金属間化合物やチタンの炭窒
化物が生成するため、溶接部が割れやすくなる。そのた
め、チタンクラッド鋼板の溶接には、真空ろう付け法や
金属間化合物を生成しないようなインサート材を挿入す
る拡散接合法が用いられているが、高価な真空装置や貴
金属のインサート材を用いるためコスト高になる、大き
さに制約がある、施工現場での溶接ができないなどの問
題がある。
【0004】こうした溶接上の問題を解決するために、
従来より幾つかの方法が提案されている。例えば、特開
平2ー280969号公報や特開平2ー280970号
公報には、溶接される突き合わせ部の合わせ材を除き、
合わせ材の除かれた母材に開先を設け、母材を溶接し、
合わせ材と同質のチタンをスペーサとして溶接部に被せ
る方法や、さらにその上をチタンの当て板で覆う方法が
開示されている。
【0005】いずれの場合も、母材溶接部とスペーサと
は全面接合されないので両者の間には隙間が存在する。
そのため、海洋構造物の脚柱のスプラッシュゾーンなど
に用いられると、溶接部の両端部ではこの隙間より海水
が浸入し溶接部の腐食が生じたり、また、溶接を通常の
方法で行っているため上述したような脆弱な金属間化合
物などが生成し割れが生じるといった問題がある。
【0006】そこで、特開平5ー185237号公報や
特開平6ー15453号公報には、こうした溶接部の腐
食や割れを防止する方法が提案されている。
【0007】図2に、特開平5ー185237号公報に
記載されたチタンクラッド鋼板の溶接方法を示す。図2
で、1はチタンクラッド鋼板、2は合わせ材、3は母
材、4は母材溶接部、6はチタンの当て板、8は異材溶
接部、9はクラッドスペーサ、10は切り込みを表す。
また、図2の(a)は母材2を溶接した後の状態を、
(b)は母材溶接部4の端部の切り込み10にクラッド
スペーサ9を挿入して溶接した後の状態を、(c)は母
材溶接部4およびその周辺部をチタンの当て板7で覆い
溶接した後の状態を表す。
【0008】まず、図2の(a)に示すように、溶接さ
れるチタンクラッド鋼板1の突き合わせ部から合わせ材
2を除き、合わせ材2の除去された母材3には開先を設
けるとともに、その端部に切り込み10を入れ、母材3
を溶接する。
【0009】メインの溶接が母材3同士の溶接となるた
め、強度上の問題が生じることはない。
【0010】次に、図2の(b)に示すように、母材溶
接部4の端部にできた切り込み10にチタンクラッド鋼
板1と同質のクラッドスペーサ9を挿入して溶接する。
このとき、チタンと鋼が溶融する側面の異材溶接部8の
溶接を、不活性ガス雰囲気中でAgーCu系溶材を用い
てプラズマ溶接やTIG溶接で行う。
【0011】クラッドスペーサ9を端部に挿入して溶接
しているため、隙間より海水などが浸入することはな
い。また、異材溶接部8においては、その溶接が不活性
ガス雰囲気中で行われるため酸化物や窒化物が生成する
ことなく、しかも低融点化の図れるAgーCu系溶材を
用いて溶接速度の速いプラズマ溶接やTIG溶接で行わ
れるためチタンと鉄の反応が抑制され、それらの金属間
化合物などの生成が妨げられる。
【0012】最後に、図2の(c)に示すように、母材
溶接部4に隣接するチタンクラッド鋼板1の表面と切り
込み10に挿入されたクラッドスペーサ9の表面に、合
わせ材2と同質のチタンの当て板6を、母材溶接部4表
面を覆うように隅肉溶接する。
【0013】チタンの当て板6で母材溶接部4表面が覆
われるので、溶接部全体の耐食性は確保される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
5ー185237号公報や特開平6ー15453号公報
に記載された方法には、以下のような問題がある。すな
わち、切り込みを作製したり、溶接個所が多いために作
業性が著しく阻害される。また、異材溶接部が存在して
いるため金属間化合物などの生成を完全には抑制でき
ず、割れの生じる場合がある。
【0015】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、溶接部の腐食や割れの発生を招くこと
なく、しかも作業性を阻害しない簡便なチタンクラッド
鋼板の溶接方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題は、下記の工程
を有してなることを特徴とするチタンクラッド鋼板の溶
接方法により解決される。
【0017】(イ)溶接されるチタンクラッド鋼板の突
き合わせ部の合わせ材を除去する工程と、(ロ)前記合
わせ材の除去された部分の母材に開先を設ける工程と、
(ハ)前記開先の設けられた母材を溶接する工程と、
(ニ)前記母材の溶接部の少なくとも両端部において、
隣接するチタンクラッド鋼板表面と高さが一致するよう
にチタンのスペーサを挿入して前記チタンクラッド鋼板
の合わせ材に溶接する工程と、(ホ)前記母材の溶接部
に隣接するチタンクラッド鋼板の合わせ材および前記チ
タンのスペーサに、前記母材の溶接部の表面を覆うよう
にチタンの当て板を溶接する工程と、(ヘ)前記母材の
溶接部から前記母材の溶接部に隣接するチタンクラッド
鋼板にわたる部分の両端部の側面に側面被覆用チタン板
を接着剤を用いて接着する工程。
【0018】メインの溶接は、合わせ材を除いて開先を
設けた母材同士の溶接のため、溶接強度上の問題は生じ
ない。
【0019】母材の溶接部の少なくとも両端部におい
て、隣接するチタンクラッド鋼板表面と高さが一致する
ようにチタンのスペーサを挿入してチタンクラッド鋼板
の合わせ材に溶接した後、母材の溶接部に隣接するチタ
ンクラッド鋼板の合わせ材およびチタンのスペーサに、
母材の溶接部の表面を覆うようにチタンの当て板を溶接
すれば、端部も含めて溶接部表面全体の耐食性が確保さ
れる。
【0020】そして、母材の溶接部から母材の溶接部に
隣接するチタンクラッド鋼板にわたる部分の両端部の側
面に側面被覆用チタン板を接着剤を用いて接着すれば、
側面からの海水などの浸入による腐食が起きることもな
い。
【0021】本発明法では、異材溶接の行われる個所を
接着剤によって接合しているので、金属間化合物などに
起因する割れの恐れは全くない。
【0022】また、特別な加工が必要なく、一部を接着
接合で行っているので溶接個所も著しく少なく、簡便で
作業性に優れた溶接方法といえる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1に、本発明であるチタンクラ
ッド鋼板の溶接方法の1実施の形態を示す。図1で、1
はチタンクラッド鋼板、2は合わせ材、3は母材、4は
母材溶接部、5はチタンのスペーサ、6はチタンの当て
板、7は側面被覆用チタン板を表す。また、図1の
(a)は合わせ材2を除いた母材3を溶接した後の状態
を、(b)は母材溶接部4の両端部にチタンのスペーサ
5を挿入してチタンクラッド鋼板1の合わせ材2に溶接
した後の状態、(c)は母材溶接部4に隣接するチタン
クラッド鋼板1の合わせ材2およびチタンのスペーサ5
に、チタンの当て板6を溶接した後の状態、(d)は母
材溶接部4からそれに隣接するチタンクラッド鋼板1に
わたる部分の両端部の側面に側面被覆用チタン板7を接
着剤により接着した状態を表す。
【0024】まず、図1の(a)に示すように、溶接さ
れるチタンクラッド鋼板1の突き合わせ部分から合わせ
材2を除き、合わせ材2の除去された母材3に開先を設
け、母材3をTIG溶接する。
【0025】次に、図1の(b)に示すように、母材溶
接部4の両端部に、隣接するチタンクラッド鋼板1表面
と高さが一致するようにチタンのスペーサ5を挿入して
チタンクラッド鋼板1の合わせ材2になめ付け溶接す
る。
【0026】そして、図1の(c)に示すように、母材
溶接部4に隣接するチタンクラッド鋼板1の合わせ材2
およびチタンのスペーサ5に、母材溶接部4の表面を覆
うようにチタンの当て板6を隅肉溶接する。
【0027】最後に、図1の(d)に示すように、母材
溶接部4からそれに隣接するチタンクラッド鋼板1にわ
たる部分の両端部の側面に側面被覆用チタン板7をクロ
ロプレンを用いて接着する。
【0028】本発明法はいずれの種類のチタンクラッド
鋼板にも適用できる。チタンのスペーサ、チタンの当て
板および側面被覆用チタン板には、どんな種類のチタン
を用いてもよいが、溶接すべきチタンクラッド鋼板の合
わせ材と同種のチタンを用いることが好ましい。
【0029】接着剤にはクロロプレンの他、エポキシ樹
脂を用いることもできる。なお、本発明法における母材
同士の溶接時に、チタンクラッド鋼板の鋼板側を構造物
表面に溶接などにより貼り付ければ、表面がチタンで覆
われた耐食性に優れる構造物を建造できる。
【0030】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、溶接部の腐食や割れの発生を招くことなく、
しかも作業性を阻害しない簡便なチタンクラッド鋼板の
溶接方法を提供できる。
【0031】本発明である溶接法を適用し、海洋構造物
の表面をチタンクラッド鋼板で覆えば、耐海水腐食性に
優れる構造物を構築できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明であるチタンクラッド鋼板の溶接方法の
1実施の形態を示す図である。
【図2】特開平5ー185237号公報に記載されたチ
タンクラッド鋼板の溶接方法を示す図である。
【符号の説明】
1 チタンクラッド鋼板 2 合わせ材(チタン) 3 母材(鋼板) 4 母材溶接部 5 チタンのスペーサ 6 チタンの当て板 7 側面被覆用チタン板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松野 隆 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 崎山 哲雄 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 高野 俊夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−245648(JP,A) 特開 平5−239817(JP,A) 特開 昭63−157781(JP,A) 特開 昭62−275579(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/23 B23K 9/025

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の工程を有してなることを特徴とす
    るチタンクラッド鋼板の溶接方法。 (イ)溶接されるチタンクラッド鋼板の突き合わせ部の
    合わせ材(チタン)を除去する工程と、 (ロ)前記合わせ材の除去された部分の母材(鋼板)に
    開先を設ける工程と、 (ハ)前記開先の設けられた母材を溶接する工程と、 (ニ)前記母材の溶接部の少なくとも両端部において、
    隣接するチタンクラッド鋼板表面と高さが一致するよう
    にチタンのスペーサを挿入して前記チタンクラッド鋼板
    の合わせ材に溶接する工程と、 (ホ)前記母材の溶接部に隣接するチタンクラッド鋼板
    の合わせ材および前記チタンのスペーサに、前記母材の
    溶接部の表面を覆うようにチタンの当て板を溶接する工
    程と、 (ヘ)前記母材の溶接部から前記母材の溶接部に隣接す
    るチタンクラッド鋼板にわたる部分の両端部の側面に側
    面被覆用チタン板を接着剤を用いて接着する工程。
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