JP2000042575A - 環境ホルモン含有水の処理方法 - Google Patents

環境ホルモン含有水の処理方法

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JP2000042575A
JP2000042575A JP10220487A JP22048798A JP2000042575A JP 2000042575 A JP2000042575 A JP 2000042575A JP 10220487 A JP10220487 A JP 10220487A JP 22048798 A JP22048798 A JP 22048798A JP 2000042575 A JP2000042575 A JP 2000042575A
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water
metal oxide
oxide catalyst
environmental hormone
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Isao Joko
勲 上甲
Naoki Matsutani
直樹 松渓
Masahide Shibata
雅秀 柴田
Tetsuro Fukase
哲朗 深瀬
Ryoichi Yamada
亮一 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水中に含まれる環境ホルモン該当物質を、効率
よく、完全に酸化分解して無害化し、除去することがで
きる環境ホルモン含有水の処理方法を提供する。 【解決手段】環境ホルモン該当物質を含む水を、オゾン
共存下に紫外線照射し、次いでオゾン共存下に金属酸化
物触媒と接触させることを特徴とする環境ホルモン含有
水の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環境ホルモン含有
水の処理方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、水
中に含まれる環境ホルモン該当物質を、効率よく、完全
に酸化分解して無害化し、除去することができる環境ホ
ルモン含有水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、多くの地域で見られる野生生物の
生殖障害には、環境中に放出された化学物質が関与して
いるのではないかという疑念が抱かれ、環境ホルモンに
対する関心が高まっている。環境ホルモンは、生物の体
内に入ると内分泌系を撹乱し、生殖障害など健康や生態
系に悪影響を与える内分泌撹乱化学物質であり、人類に
ついても、特に胎児や乳幼児に対する悪影響が懸念され
ている。このために、米国では環境保護庁が中心となっ
て15,000種の化学物質を対象とする調査が計画さ
れており、わが国の環境庁も1997年に外因性内分泌
撹乱化学物質問題に関する研究班中間報告書において6
7種の化学物質を挙げている。環境ホルモンの一つとさ
れるPCBなどの有機塩素化合物については、従来より
種々の分解処理方法が検討されている。例えば、有機塩
素化合物に水素供与体、炭素系触媒及びアルカリを添加
したのち、窒素雰囲気下、常圧で300〜350℃に加
熱し、脱塩素を図るアルカリ触媒分解法(BCD法)、
アルカリ及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
(DMI)などの非プロトン性極性溶媒存在下で約20
0℃に加熱し、脱塩素を図る化学抽出分解法(DMI/
NaOH法)、カリウム−t−ブトキサイドなどのPC
Bの塩素と反応しやすく、かつ油に溶けやすい有機金属
化合物を添加し、加熱反応により脱塩素するカリウム・
ターシャリー・ブトオキサイド法、PCBをパラフィン
系溶剤で希釈し、パラジウム・カーボン(Pd/C)触
媒の存在下、水素ガスとの接触による水素化脱塩素反応
を行う触媒水素化脱塩素法、臨界条件(374℃、22
MPa)を超えた水、すなわち超臨界水が有する強い反
応溶媒特性を利用して、水中の有機物を完全に酸化分解
する超臨界水酸化法、1,100℃以上の高温で焼却す
る高温焼却処理法などが提案されている。しかし、従来
からPCB分解処理法として検討されているこれらの処
理法は、いずれも高温や高圧条件下での処理であり、実
用化に当たっては取り扱いが難しく、処理コストが高く
なるという問題点があった。また、塩素系酸化剤を共存
させた光酸化処理装置を用いて水中のPCBを分解除去
する方法や、塩素系酸化剤の共存下に過酸化金属触媒を
用いる水中のCOD成分の酸化分解除去方法が提案され
ている。しかし、塩素系酸化剤を用いると、塩素付加化
合物が副生し、新たな環境ホルモン類似物質となって残
留するおそれがある。さらに、PCBやDDTに低圧水
銀灯を用いて紫外線照射した場合、脱塩素反応が促進さ
れることが報告されているが、芳香環構造の分解までの
確認はされていない。このために、水中の環境ホルモン
該当物質を高温高圧を用いることなく、比較的温和な条
件で、効率的に完全に分解除去することができる環境ホ
ルモン含有水の処理方法が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水中に含ま
れる環境ホルモン該当物質を、効率よく、完全に酸化分
解して無害化し、除去することができる環境ホルモン含
有水の処理方法を提供することを目的としてなされたも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、環境ホルモン該
当物質を含む水を、オゾン共存下に紫外線照射し、次い
で、オゾン共存下に金属酸化物触媒と接触させることに
より、環境ホルモン該当物質を完全に酸化分解し得るこ
とを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明は、(1)環境ホルモン該当
物質を含む水を、オゾン共存下に紫外線照射し、次いで
オゾン共存下に金属酸化物触媒と接触させることを特徴
とする環境ホルモン含有水の処理方法、を提供するもの
である。さらに、本発明の好ましい態様として、(2)
金属酸化物触媒が、ニッケル過酸化物触媒又はコバルト
過酸化物触媒である第(1)項記載の環境ホルモン含有水
の処理方法、(3)金属酸化物触媒が、粒状担体に金属
酸化物を担持させた触媒である第(1)項記載の環境ホル
モン含有水の処理方法、(4)粒状担体が、陽イオン交
換能を有する無機系粒状物である第(3)項記載の環境ホ
ルモン含有水の処理方法、(5)陽イオン交換能を有す
る無機系粒状物が、ゼオライト又はアパタイトの結晶構
造を有する粒状物である第(4)項記載の環境ホルモン含
有水の処理方法、及び、(6)オゾン共存下に金属酸化
物触媒と接触させた水を、さらに活性炭と接触させる第
(1)項記載の環境ホルモン含有水の処理方法、を挙げる
ことができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明方法は、環境ホルモン該当
物質を含む環境ホルモン含有水に適用することができ
る。本発明方法により、水中の環境ホルモン該当物質を
酸化分解して無害化し、除去することができる。本発明
方法を適用し得る環境ホルモン該当物質としては、例え
ば、PCB、DDT、ニトロフェン、トキサフェン、ビ
スフェノールA、フタル酸エステル、スチレンダイマ
ー、スチレントリマー、ノニルフェノール、ダイオキシ
ン類、アトラジン、アラクロール、マラチオン、ケルセ
ン、エストロゲン類などを挙げることができる。本発明
方法を適用する環境ホルモン含有水の濃度に特に制限は
ないが、環境ホルモン該当物質を数μg/リットルない
し100mg/リットル含有する水に特に好適に適用する
ことができる。本発明方法においては、環境ホルモン含
有水を、オゾンの共存下に紫外線照射する。オゾンの共
存下に紫外線照射する方法に特に制限はなく、例えば、
1個の反応槽の中で、環境ホルモン含有水へのオゾンの
溶解と紫外線照射を同時に行うことができ、あるいは、
オゾン溶解槽と紫外線照射装置を別個に設けて、オゾン
溶解槽においてオゾンを溶解した環境ホルモン含有水
を、紫外線照射装置に導入して紫外線照射することもで
きる。環境ホルモン含有水へのオゾンの溶解と紫外線照
射は、ワンパス方式で行うことができ、あるいは、循環
方式で行うこともできる。
【0006】本発明方法において、環境ホルモン含有水
にオゾンを溶解させる方法に特に制限はなく、例えば、
耐酸化性の気体透過膜を備えた溶解膜モジュールを用い
て、オゾンを環境ホルモン含有水に溶解させることがで
き、あるいは、環境ホルモン含有水にオゾンを吹き込む
ことにより、オゾンを環境ホルモン含有水に溶解させる
こともできる。本発明方法において、環境ホルモン含有
水に溶解させるオゾンの量に特に制限はないが、水中の
環境ホルモン該当物質を含む有機物の酸化分解に必要な
化学量論量の1〜20倍量であることが好ましく、2〜
7倍量であることがより好ましい。環境ホルモン含有水
に溶解させるオゾンの量が化学量論量の1倍未満である
と、環境ホルモン該当物質の分解が十分に進行しないお
それがある。環境ホルモン含有水に溶解させるオゾンの
量は、通常は化学量論量の20倍以下で十分であり、水
に含まれる環境ホルモン該当物質を酸化分解することが
できる。しかし、環境ホルモン含有水へのオゾンの溶解
方法によっては、使用したオゾンが完全に環境ホルモン
含有水に溶解せずに排出される場合もあるので、オゾン
の溶解効率、共存するオゾン消費物質などを考慮して、
使用するオゾン量を定めることが好ましい。紫外線照射
の際に過剰量のオゾンを溶解しておくと、残存するオゾ
ンを次工程の金属酸化物触媒との接触の際に利用するこ
とができる。紫外線照射の際に過剰量のオゾンを溶解す
ると、紫外線照射による反応も進みやすくなるので好ま
しい。
【0007】本発明方法において使用する紫外線照射装
置に特に制限はなく、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀
灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、水素放電管などを
備えた装置を挙げることができる。紫外線の有するエネ
ルギーは波長に反比例するので、300nm以下の波長
を発生する装置が好ましく、180nm付近の波長の紫
外線を主として発生する装置がより好ましい。低圧水銀
灯は、184.9nmと253.7nmに水銀の原子線を
有するので、好適に使用することができる。環境ホルモ
ン含有水に照射する紫外線の量は、環境ホルモン含有水
に含まれる環境ホルモン該当物質及びその他の有機物の
量に応じて適宜選択することができるが、環境ホルモン
該当物質濃度0.005〜0.05mg/リットルを含む水
を対象とする場合においては、環境ホルモン含有水1リ
ットル当たり1〜20w・hであることが好ましい。環
境ホルモン含有水にオゾン共存下に紫外線を照射する
と、環境ホルモン該当物質がPCB、DDTなどのよう
に塩素を有する場合は、塩素−炭素結合がラジカル的に
切断される。オゾンに紫外線が照射されることにより、
オゾンは酸素ガスと発生期の酸素に分解し、さらに発生
期の酸素は水と反応して酸化力の強いヒドロキシルラジ
カルを生成すると考えられる。 O3 → O2 + ・O ・O + H2O → 2・OH このヒドロキシラジカルが、難分解性有機化合物を分解
し、あるいは脱塩素する。この反応系にオゾンが共存す
ると、脱塩素後の有機体炭素成分の酸化分解が促進され
る。この結果、環境ホルモン該当物質の酸化反応が進行
して低分子化し、一部は二酸化炭素と水にまで酸化され
る。環境ホルモン含有水にオゾン共存下に紫外線を照射
することにより、通常、環境ホルモン該当物質の90%
以上を分解することができる。
【0008】本発明方法においては、オゾン共存下に紫
外線照射処理した水を、次いで、オゾン共存下に金属酸
化物触媒と接触させる。金属酸化物触媒との接触の際に
共存させるオゾンの量は、水中の有機物の分解に必要な
化学量論量の1〜5倍量であることが好ましい。オゾン
は、紫外線照射と金属酸化物触媒との接触の間にあらた
めて溶解させることもできるが、紫外線照射の際に過剰
量のオゾンを溶解した場合には、残存するオゾンを金属
酸化物触媒との接触の際に利用することができる。金属
酸化物触媒との接触時間に特に制限はなく、水中に含ま
れる有機物の量や性質などに応じて適宜選択することが
できるが、通常は10〜60分とすることが好ましい。
金属酸化物触媒は、オゾンの酸化反応を促進し、紫外線
照射処理した水中に残存する有機物の酸化分解を徹底さ
せると同時に、残留オゾンも分解除去する。オゾンの存
在下に金属酸化物触媒と接触させることにより、水中に
残存する有機物がほぼ完全に二酸化炭素と水まで酸化分
解され、通常、環境ホルモン該当物質の98%以上を分
解することができる。
【0009】本発明方法において、使用する金属酸化物
触媒に特に制限はなく、例えば、ニッケル過酸化物触
媒、コバルト過酸化物触媒、過酸化銅触媒、過酸化銀触
媒などを挙げることができる。これらの中で、ニッケル
過酸化物触媒及びコバルト過酸化物触媒を特に好適に使
用することができる。金属酸化物触媒は、1種を単独で
使用することができ、あるいは2種以上を組み合わせて
使用することもできる。本発明方法においては、金属酸
化物触媒が、粒状担体に金属酸化物を担持させた触媒で
あることが好ましい。粒状担体としては、例えば、ゼオ
ライト、アパタイト、チタニア、アルミナなどを挙げる
ことができる。金属酸化物触媒を粒状担体に担持させる
ことにより、金属酸化物触媒を触媒反応塔に充填し、効
率よくオゾンの共存下に水と接触させることができる。
粒状担体は、陽イオン交換能を有する無機系粒状物であ
ることが好ましく、特に、ゼオライト又はアパタイトの
結晶構造を有する粒状物であることが好ましい。陽イオ
ン交換能を有するゼオライト又はアパタイトを担体とす
ることにより、金属酸化物触媒を担持した触媒を容易に
調製することができる。例えば、担体とするゼオライト
に、コバルトの硫酸塩、硝酸塩、塩化物などの水溶液を
接触させることにより、ゼオライト上に必要量のコバル
トを担持させ、次いで、塩素剤を含むアルカリ水溶液と
接触させることにより、コバルト過酸化物触媒を得るこ
とができる。本発明方法において、オゾン共存下の紫外
線照射と、オゾン共存下の金属酸化物触媒との接触を行
う温度に特に制限はなく、常温〜100℃の間の任意の
温度を選択することができる。温度が高いほど反応の進
行は速いが、加温設備を使用しない常温においても、環
境ホルモン該当物質の分解は十分速やかに進行する。
【0010】本発明方法においては、オゾン共存下に金
属酸化物触媒と接触させた水を、さらに活性炭と接触さ
せることができる。活性炭は、ポリッシャとして作用
し、オゾン共存下の金属触媒との接触によっても、なお
二酸化炭素と水まで分解せずに残存するごく微量の有機
物を吸着して除去することができる。使用する活性炭に
特に制限はなく、粉末活性炭と粒状活性炭のいずれをも
使用することができるが、粒状活性炭を充填した活性炭
吸着塔を用いると処理操作が容易になるので好ましい。
図1は、本発明方法の実施の一態様の工程系統図であ
る。環境ホルモン含有水をオゾン溶解槽1に導入し、オ
ゾンと接触することにより、環境ホルモン含有水にオゾ
ンを溶解させる。環境ホルモン含有水のオゾン溶解槽へ
の導入は、回分式に行うことができ、あるいは、連続的
に行うこともできる。オゾン溶解槽においてオゾンを溶
解した環境ホルモン含有水は、循環ポンプ2により紫外
線照射装置3に送られる。紫外線を照射された水はふた
たびオゾン溶解槽へ還流し、環境ホルモン該当物質の濃
度が所定の値まで低下するまで、オゾン溶解と紫外線照
射の循環を繰り返す。環境ホルモン該当物質の濃度が所
定の値まで低下した水は、余剰のオゾンを溶解したまま
触媒反応塔4に導入され、オゾン共存下に金属酸化物触
媒と接触する。触媒反応塔から流出する水は、さらに活
性炭吸着塔5に導入されて、僅かに残存する有機物も吸
着除去されて、処理水が得られる。
【0011】従来の環境ホルモン含有水の処理方法で
は、紫外線照射処理水中に未分解の有機物及び反応副生
物類が微量に残留するおそれがあり、反応率を高めるた
めには、反応時間を長くとる必要があった。また、酸化
分解率を高めるために過剰の酸化剤を添加する必要があ
り、そのような条件で処理した場合には、処理水中に過
剰に加えた酸化剤が残留し、残留する酸化剤を分解除去
するためのさらなる処理工程が必要であった。本発明方
法によれば、環境ホルモン該当物質を含む水を常温で処
理して、水中の環境ホルモン該当物質を短時間で効率よ
く分解除去することができる。また、本発明方法によれ
ば、金属酸化物触媒との接触により過剰のオゾンは分解
されるので、処理水中へ酸化剤が流出するおそれがな
い。さらに、塩素系の酸化剤を使用しないので、環境ホ
ルモン類似物質が副生して残留するおそれがない。本発
明方法を適用することにより、従来、難分解性で微量域
までの処理に多大な費用を要していた環境ホルモン該当
物質を、低濃度まで効率よく分解処理し、無害化するこ
とが可能となる。本発明方法は、産業排水、浄水処理、
研究所排水の処理などに好適に用いることができる。
【0012】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例においては、図1
に示す構成の装置を用いた。オゾン溶解槽1は、高さ2
m、内容積27リットルであり、紫外線照射装置3は、
16ワットの低圧水銀灯1本を内蔵したものである。触
媒反応塔4には、粒径2〜3mmの球状X型合成ゼオライ
トにニッケル過酸化物を2.5重量%担持処理した触媒
500mlを充填し、活性炭吸着塔5には粒径1〜3mmの
破砕状活性炭500mlを充填した。また、処理は、すべ
て常温で行った。 実施例1 超純水20リットルに、ノニルフェノール1.0mgを添
加して溶解し、ノニルフェノール濃度0.05mg/リッ
トルの処理対象原水を調製した。処理実験に先立ち、調
製した原水2リットルを採取し、原水中のノニルフェノ
ールの分析を行い、残りの原水18リットルを処理実験
に用いた。原水中のノニルフェノール濃度は、0.05
05mg/リットルであった。オゾン溶解槽に原水18リ
ットルを仕込み、オゾンを500mg/hの割合で吹き込
みながら、低圧水銀灯を点灯した紫外線照射装置へ、循
環ポンプを用いて60リットル/hの速度で通水した。
この処理を3時間行ったのち、紫外線照射処理を停止し
た。このとき、水中のノニルフェノール濃度は、0.0
012mg/リットルであった。次いで、紫外線照射処理
水を、オゾン溶解槽から触媒反応塔と活性炭吸着塔に、
通液速度1,000ml/h(SV=2/h)でシリーズ
に通液して処理を行った。触媒反応塔から流出する水中
のノニルフェノール濃度は、0.0002mg/リットル
であり、活性炭吸着塔から流出する処理水中にノニルフ
ェノールは検出されなかった。 実施例2 ノニルフェノールの代わりにビスフェノールAを用い
て、実施例1と同じ条件で処理実験を行った。ビスフェ
ノールA濃度は、原水0.0501mg/リットル、紫外
線照射処理水0.0021mg/リットル、触媒反応塔流
出水0.0005mg/リットルであり、活性炭吸着塔か
ら流出する処理水中にビスフェノールAは検出されなか
った。 実施例3 ノニルフェノールの代わりにβ−エストラジオール
【化1】 を用いて、実施例1と同じ条件で処理実験を行った。β
−エストラジオール濃度は、原水0.0509mg/リッ
トル、紫外線照射処理水0.0031mg/リットル、触
媒反応塔流出水0.0009mg/リットルであり、活性
炭吸着塔から流出する処理水中にβ−エストラジオール
は検出されなかった。 実施例4 ノニルフェノールの代わりにDDT(1,1'−(2,2,
2−トリクロロエチリデン)ビス[4−クロロベンゼ
ン])を用いて、実施例1と同じ条件で処理実験を行っ
た。DDT濃度は、原水0.0500mg/リットル、紫
外線照射処理水0.0029mg/リットル、触媒反応塔
流出水0.0007mg/リットルであり、活性炭吸着塔
から流出する処理水中にDDTは検出されなかった。実
施例1〜4の結果を、第1表に示す。
【0013】
【表1】
【0014】第1表に見られるように、環境ホルモン該
当物質を含む水を、オゾン共存下に常温で3時間紫外線
照射することにより、水中の環境ホルモン該当物質の9
4〜98%が分解除去され、次いでSV=2/hで常温
でニッケル過酸化物触媒と接触させることにより、環境
ホルモン該当物質の除去率は98〜99.6%に達し、
さらにSV=2/hで常温で活性炭と接触させることに
より、環境ホルモン該当物質の濃度は検出限界以下まで
低下している。
【0015】
【発明の効果】本発明方法によれば、環境ホルモン該当
物質を含む水を常温で処理して、水中の環境ホルモン該
当物質を短時間で効率よく分解除去することができる。
また、本発明方法によれば、金属酸化物触媒との接触に
より過剰のオゾンは分解するので、処理水中へ酸化剤が
流出するおそれがない。さらに、塩素系の酸化剤を使用
しないので、環境ホルモン類似物質が副生して残留する
おそれがない。本発明方法を適用することにより、従
来、難分解性で微量域までの処理に多大な費用を要して
いた環境ホルモン該当物質を、低濃度まで効率よく分解
処理し、無害化することが可能となる。本発明方法は、
産業排水、浄水処理、研究所排水の処理などに好適に用
いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明方法の実施の一態様の工程系統
図である。
【符号の説明】
1 オゾン溶解槽 2 循環ポンプ 3 紫外線照射装置 4 触媒反応塔 5 活性炭吸着塔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 雅秀 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 (72)発明者 深瀬 哲朗 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 (72)発明者 山田 亮一 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 Fターム(参考) 4D037 AA11 AB14 AB16 BA18 BB09 CA01 CA12 4D038 AA08 AB00 AB11 AB14 BB06 BB07 BB16 BB20 4D050 AA12 AB00 AB15 AB19 BB02 BC06 BC09 CA06 4G069 AA03 BA07B BB04A BB04B BB20B BC68B CA05 CA07 CA11 CA19 DA06 EA02Y EB18Y ZA03B

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】環境ホルモン該当物質を含む水を、オゾン
    共存下に紫外線照射し、次いでオゾン共存下に金属酸化
    物触媒と接触させることを特徴とする環境ホルモン含有
    水の処理方法。
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