JP2000042477A - 粉体の付着及び融着方法 - Google Patents
粉体の付着及び融着方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 金属系粉体、セラミックス系粉体及び高融点
の合成樹脂粉体を、金属などの被塗物に付着及び融着す
る方法を提案する。 【解決手段】 流動槽1周辺に加熱装置10を取り付
け、塗装用粉体2を加熱し、加熱器6で加熱された空気
を送風ブロア7により空気導入管4を通して空気整流室
5に送り、多孔板3により熱風を分散させ、加熱された
流動層を形成し、この流動層の中に被塗物8を浸漬させ
る。
の合成樹脂粉体を、金属などの被塗物に付着及び融着す
る方法を提案する。 【解決手段】 流動槽1周辺に加熱装置10を取り付
け、塗装用粉体2を加熱し、加熱器6で加熱された空気
を送風ブロア7により空気導入管4を通して空気整流室
5に送り、多孔板3により熱風を分散させ、加熱された
流動層を形成し、この流動層の中に被塗物8を浸漬させ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として金属材料
表面、セラミックス材料表面に有機質被膜、無機質被膜
又は金属被膜を形成するための方法であって、塗装品は
例えば金属材料の防食性、耐汚染性、非粘着、電気特性
などの機能性を付与することができ、工業用分野、科学
分野、家庭用品分野など広範囲にわたり使用することが
できる粉体の付着及び融着方法に関する。
表面、セラミックス材料表面に有機質被膜、無機質被膜
又は金属被膜を形成するための方法であって、塗装品は
例えば金属材料の防食性、耐汚染性、非粘着、電気特性
などの機能性を付与することができ、工業用分野、科学
分野、家庭用品分野など広範囲にわたり使用することが
できる粉体の付着及び融着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】粉体の付着及び融着方法としては、従来
より流動浸漬塗装方法が知られている。この方法は、有
機溶剤や水を使用する溶液塗装とは異なり、空気を媒体
とするため無溶媒であり、安全衛生(中毒、臭気)、公
害(大気汚染)などの問題を発生させない点で優れてい
る。具体的には、ポリエチレンなどの合成樹脂粉体を流
動槽に入れ、流動槽下部より空気を吹き込み、樹脂粉体
を流動させて流動層を形成し、その中に樹脂粉体の溶融
温度より高温に加熱した金属板などの被塗物を浸漬する
ことにより、被塗物が保有する熱によってその表面に樹
脂粉体が融着し、塗膜が形成される方法である。この場
合、粉体流動用として使用される空気は、常温で送風ブ
ロアにより流動槽下部より多孔板を通して流動槽内に送
入される。この流動浸漬塗装方法は、前記粉体塗装とし
ての利点に加え、以下に示す利点がある。原料の損失が
極めて少なく塗装効率は100%に近い。粉体の回収、
循環再使用が容易であり、利用効率が大きい。塗装、設
備費が極めて安価である。
より流動浸漬塗装方法が知られている。この方法は、有
機溶剤や水を使用する溶液塗装とは異なり、空気を媒体
とするため無溶媒であり、安全衛生(中毒、臭気)、公
害(大気汚染)などの問題を発生させない点で優れてい
る。具体的には、ポリエチレンなどの合成樹脂粉体を流
動槽に入れ、流動槽下部より空気を吹き込み、樹脂粉体
を流動させて流動層を形成し、その中に樹脂粉体の溶融
温度より高温に加熱した金属板などの被塗物を浸漬する
ことにより、被塗物が保有する熱によってその表面に樹
脂粉体が融着し、塗膜が形成される方法である。この場
合、粉体流動用として使用される空気は、常温で送風ブ
ロアにより流動槽下部より多孔板を通して流動槽内に送
入される。この流動浸漬塗装方法は、前記粉体塗装とし
ての利点に加え、以下に示す利点がある。原料の損失が
極めて少なく塗装効率は100%に近い。粉体の回収、
循環再使用が容易であり、利用効率が大きい。塗装、設
備費が極めて安価である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の流動浸漬塗装方法では、塗装用粉体としてはポリエ
チレンなどの合成樹脂粉体に限定されるものであって、
例えば金属系粉体及びセラミックス系粉体を被塗物表面
に塗膜形成することは不可能であった。また、高温に加
熱した被塗物は、樹脂粉体の融着により温度が低下する
ので、被塗物への樹脂付着量が不安定になり、特にフッ
素樹脂のような高融点、高溶融粘度の樹脂粉体の流動浸
漬塗装では、膜厚のコントロール、厚膜塗装が困難であ
った。
来の流動浸漬塗装方法では、塗装用粉体としてはポリエ
チレンなどの合成樹脂粉体に限定されるものであって、
例えば金属系粉体及びセラミックス系粉体を被塗物表面
に塗膜形成することは不可能であった。また、高温に加
熱した被塗物は、樹脂粉体の融着により温度が低下する
ので、被塗物への樹脂付着量が不安定になり、特にフッ
素樹脂のような高融点、高溶融粘度の樹脂粉体の流動浸
漬塗装では、膜厚のコントロール、厚膜塗装が困難であ
った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記に鑑み提
案されたものであり、流動槽に、金属系粉体、セラミッ
クス系粉体又は合成樹脂粉体などを入れて流動化する際
に、流動槽を加熱すること、或いは流動槽下部より熱風
を送入すること、或いはその両方により、前記粉体を昇
温して加熱された流動層を形成することを特徴とする付
着及び融着方法に関するものである。尚、流動層とは、
固体粒子、粉体の充填層の底部から空気などの気体を送
入して粒子、粉体群を浮遊させた状態の層を称し、流動
床ともいわれている。また、本発明は、上記方法により
被塗物に金属系粉体又はセラミックス系粉体を付着した
後、その上に合成樹脂粉体を付着して、金属系塗膜又は
セラミックス系塗膜と、合成樹脂塗膜との複合塗膜を形
成する方法をも提案する。
案されたものであり、流動槽に、金属系粉体、セラミッ
クス系粉体又は合成樹脂粉体などを入れて流動化する際
に、流動槽を加熱すること、或いは流動槽下部より熱風
を送入すること、或いはその両方により、前記粉体を昇
温して加熱された流動層を形成することを特徴とする付
着及び融着方法に関するものである。尚、流動層とは、
固体粒子、粉体の充填層の底部から空気などの気体を送
入して粒子、粉体群を浮遊させた状態の層を称し、流動
床ともいわれている。また、本発明は、上記方法により
被塗物に金属系粉体又はセラミックス系粉体を付着した
後、その上に合成樹脂粉体を付着して、金属系塗膜又は
セラミックス系塗膜と、合成樹脂塗膜との複合塗膜を形
成する方法をも提案する。
【0005】前記本発明の方法において、流動槽の加熱
は、主として高融点の金属系粉体、セラミックス系粉体
を加熱昇温する場合に有効である。この加熱方法として
は、例えばバンドヒーターを組み入れた熱板を流動槽の
周囲に巻き付けるなどの方法がある。流動槽下部より送
入する熱風は、エアヒーター、加熱ボイラーのような加
熱器により保温された空気導入管を通じて流動槽下部の
空気整流室より耐熱性多孔板を通して流動槽内の粉体に
供給され、前記の流動槽を加熱する場合よりは低温であ
るが、加熱状態の流動層が形成される。また、昇温した
流動層粉体の温度を保持するために、流動槽全体を保温
材で覆って保温することが必要である。この保温材とし
ては、例えばケイ酸カルシウム系、パーライト系などが
使用できる。
は、主として高融点の金属系粉体、セラミックス系粉体
を加熱昇温する場合に有効である。この加熱方法として
は、例えばバンドヒーターを組み入れた熱板を流動槽の
周囲に巻き付けるなどの方法がある。流動槽下部より送
入する熱風は、エアヒーター、加熱ボイラーのような加
熱器により保温された空気導入管を通じて流動槽下部の
空気整流室より耐熱性多孔板を通して流動槽内の粉体に
供給され、前記の流動槽を加熱する場合よりは低温であ
るが、加熱状態の流動層が形成される。また、昇温した
流動層粉体の温度を保持するために、流動槽全体を保温
材で覆って保温することが必要である。この保温材とし
ては、例えばケイ酸カルシウム系、パーライト系などが
使用できる。
【0006】
【作用】前記のように流動槽の加熱は、主として高融点
の金属系粉体、セラミックス系粉体を加熱する場合に有
効であり、従来の流動浸漬塗装方法では塗膜化できなか
った金属系粉体を被塗物表面に塗膜化できるので、金属
メッキ、金属溶射の代替などに利用できる。さらに、樹
脂塗膜上に金属系粉体を付着したり、金属系塗膜上に樹
脂粉体を付着することにより、両塗膜の特性を併せ持っ
た種々の複合塗膜を形成することができる。そのため、
例えば見かけ上、単なる樹脂塗膜であっても、磁性化、
導電化、電波吸収機能を有する塗膜とすることも可能で
ある。セラミックス系粉体、例えば、ガラス粉体を流動
浸漬方法で付着することにより、従来のグラスライニン
グより工程の簡略化を図ることができ、複雑な形状の被
塗物でもグラスライニングすることができる。また、前
記のように流動槽下部より送入する熱風は、前記の流動
槽を加熱する場合よりは低温であるが、加熱状態の流動
層が形成される。これにより、従来の流動浸漬塗装方法
では生じた被塗物の温度低下を防ぐことができる。この
ため、被塗物への樹脂付着量が安定し、厚膜塗装するこ
とが容易となる。さらに、フッ素樹脂のような高融点、
高溶融粘度の樹脂粉体の塗装において、厚膜のコントロ
ール、厚膜塗装が可能になる。
の金属系粉体、セラミックス系粉体を加熱する場合に有
効であり、従来の流動浸漬塗装方法では塗膜化できなか
った金属系粉体を被塗物表面に塗膜化できるので、金属
メッキ、金属溶射の代替などに利用できる。さらに、樹
脂塗膜上に金属系粉体を付着したり、金属系塗膜上に樹
脂粉体を付着することにより、両塗膜の特性を併せ持っ
た種々の複合塗膜を形成することができる。そのため、
例えば見かけ上、単なる樹脂塗膜であっても、磁性化、
導電化、電波吸収機能を有する塗膜とすることも可能で
ある。セラミックス系粉体、例えば、ガラス粉体を流動
浸漬方法で付着することにより、従来のグラスライニン
グより工程の簡略化を図ることができ、複雑な形状の被
塗物でもグラスライニングすることができる。また、前
記のように流動槽下部より送入する熱風は、前記の流動
槽を加熱する場合よりは低温であるが、加熱状態の流動
層が形成される。これにより、従来の流動浸漬塗装方法
では生じた被塗物の温度低下を防ぐことができる。この
ため、被塗物への樹脂付着量が安定し、厚膜塗装するこ
とが容易となる。さらに、フッ素樹脂のような高融点、
高溶融粘度の樹脂粉体の塗装において、厚膜のコントロ
ール、厚膜塗装が可能になる。
【0007】
【発明の実施の形態】〔実施例1〕図1に示す流動槽加
熱方式の流動浸漬塗装装置は、主として高融点の金属系
粉体、セラミックス系粉体を加熱して高温の流動層を形
成するものである。流動槽1の加熱は、流動槽1の周囲
に配設した加熱装置(加熱ヒーター)10で行うように
しているが、この加熱装置10としては、面発熱体、ヒ
ーティング・ケーブル、フレキシブルヒーター、ヒーテ
ィングテープなどがあげられる。また、流動槽1の周囲
に、高周波誘導装置を設置したり、高周波誘導装置を流
動層粉体内にセットして加熱するようにしても良い。こ
の流動槽1の中に塗装用粉体2を入れ、前記加熱ヒータ
ー10により塗装用粉体2を加熱している。また、エア
ヒーターなどの加熱器6で加熱された空気を送風ブロア
7により空気導入管4を通して空気整流室5に送り、耐
熱性多孔板3により熱風を分散させている。これら加熱
ヒーター10による加熱及び熱風の送入によって、均一
で高温の流動層が形成される。この流動層の中に高温に
加熱した被塗物8を浸漬することにより、被塗物8の表
面に塗装用粉体2が付着して塗膜を形成する。尚、空気
整流室5、空気導入管4の周辺は保温材9によって保温
している。
熱方式の流動浸漬塗装装置は、主として高融点の金属系
粉体、セラミックス系粉体を加熱して高温の流動層を形
成するものである。流動槽1の加熱は、流動槽1の周囲
に配設した加熱装置(加熱ヒーター)10で行うように
しているが、この加熱装置10としては、面発熱体、ヒ
ーティング・ケーブル、フレキシブルヒーター、ヒーテ
ィングテープなどがあげられる。また、流動槽1の周囲
に、高周波誘導装置を設置したり、高周波誘導装置を流
動層粉体内にセットして加熱するようにしても良い。こ
の流動槽1の中に塗装用粉体2を入れ、前記加熱ヒータ
ー10により塗装用粉体2を加熱している。また、エア
ヒーターなどの加熱器6で加熱された空気を送風ブロア
7により空気導入管4を通して空気整流室5に送り、耐
熱性多孔板3により熱風を分散させている。これら加熱
ヒーター10による加熱及び熱風の送入によって、均一
で高温の流動層が形成される。この流動層の中に高温に
加熱した被塗物8を浸漬することにより、被塗物8の表
面に塗装用粉体2が付着して塗膜を形成する。尚、空気
整流室5、空気導入管4の周辺は保温材9によって保温
している。
【0008】尚、上記装置では熱風を送入したが、熱風
を送入しなくても塗膜形成が実施されることは別途実験
にて確認した。また、この流動浸漬塗装装置を利用すれ
ば、水分を含有した湿った金属系粉体、セラミックス系
粉体及び合成樹脂系粉体を乾燥することができる。
を送入しなくても塗膜形成が実施されることは別途実験
にて確認した。また、この流動浸漬塗装装置を利用すれ
ば、水分を含有した湿った金属系粉体、セラミックス系
粉体及び合成樹脂系粉体を乾燥することができる。
【0009】次に、前記構成の流動槽加熱方式の流動浸
漬塗装装置を用いたセラミックス系粉体の付着及び融着
方法の実施例を示す。例えば、グラスライニングにおけ
る熱間乾式くすりかけ法では、下地の鋳鉄に下ぐすり処
理を行い、900℃前後で焼成し、その直後に篩を用い
てフリット粉末を被塗物の上にふりかけてガラス膜を形
成している。これに対して本発明では、流動槽内にフリ
ット粉末を入れ、流動槽を加熱し、粉体温度を900〜
950℃に昇温し、熱風を送入して加熱状態の流動層を
形成させた。この中に900℃前後に加熱した被塗物を
浸漬し、フリット粉末を付着させた。これを900℃前
後で加熱焼成することによりガラス膜を形成させた。前
記熱間乾式くすりかけ法では、複雑な形状の被塗物に対
して均一にフリット粉末をふりかけることができなかっ
たが、本発明ではフリット粉末を流動させているため付
着膜厚の均一化を図ることができた。
漬塗装装置を用いたセラミックス系粉体の付着及び融着
方法の実施例を示す。例えば、グラスライニングにおけ
る熱間乾式くすりかけ法では、下地の鋳鉄に下ぐすり処
理を行い、900℃前後で焼成し、その直後に篩を用い
てフリット粉末を被塗物の上にふりかけてガラス膜を形
成している。これに対して本発明では、流動槽内にフリ
ット粉末を入れ、流動槽を加熱し、粉体温度を900〜
950℃に昇温し、熱風を送入して加熱状態の流動層を
形成させた。この中に900℃前後に加熱した被塗物を
浸漬し、フリット粉末を付着させた。これを900℃前
後で加熱焼成することによりガラス膜を形成させた。前
記熱間乾式くすりかけ法では、複雑な形状の被塗物に対
して均一にフリット粉末をふりかけることができなかっ
たが、本発明ではフリット粉末を流動させているため付
着膜厚の均一化を図ることができた。
【0010】本発明に適用できるセラミックス系粉体
は、ガラス粉体の他に溶射用に使用されている金属酸化
物系、磁性材料であるフェライト等のファインセラミッ
クス粉体などがあげられる。また、金属系粉体は、溶射
用、導電用及び塗料添加用として使用されている亜鉛粉
末、アルミニウム粉末、ニッケル粉末などがあげられ
る。また、例えば、電波吸収、磁性化などの機能化塗膜
にはフェライト粉末、ニッケル粉末などが使用できる。
この場合、流動用粉体の密度、粉体の粒径、粒度分布、
粉体の形状などを考慮して流動化条件を適宜に選定すれ
ばよい。その他、無機系粉体塗料、有機無機複合粉体塗
料も本発明における流動用(塗装用)粉体として適用す
ることができる。
は、ガラス粉体の他に溶射用に使用されている金属酸化
物系、磁性材料であるフェライト等のファインセラミッ
クス粉体などがあげられる。また、金属系粉体は、溶射
用、導電用及び塗料添加用として使用されている亜鉛粉
末、アルミニウム粉末、ニッケル粉末などがあげられ
る。また、例えば、電波吸収、磁性化などの機能化塗膜
にはフェライト粉末、ニッケル粉末などが使用できる。
この場合、流動用粉体の密度、粉体の粒径、粒度分布、
粉体の形状などを考慮して流動化条件を適宜に選定すれ
ばよい。その他、無機系粉体塗料、有機無機複合粉体塗
料も本発明における流動用(塗装用)粉体として適用す
ることができる。
【0011】〔実施例2〕図2に示す熱風送入方式の流
動浸漬塗装装置は、前記図1の装置における加熱ヒータ
ーを設けない以外は殆ど同一である。流動槽1の中に塗
装用粉体2を入れ、加熱器6で加熱された空気を送風ブ
ロア7により空気導入管4を通して空気整流室5に送
り、耐熱性多孔板3により熱風を分散させている。この
熱風の送入によって、均一で、加熱された粉体の流動層
が形成される。熱風の送入は、当初、高温を使用し、流
動層粉体の温度が所定の温度に昇温すると、熱風の温度
を調節する。熱風を送入していくと流動層内では空気と
粉体の撹拌混合により熱の伝達が速やかに行われるた
め、層内温度は均一になる。
動浸漬塗装装置は、前記図1の装置における加熱ヒータ
ーを設けない以外は殆ど同一である。流動槽1の中に塗
装用粉体2を入れ、加熱器6で加熱された空気を送風ブ
ロア7により空気導入管4を通して空気整流室5に送
り、耐熱性多孔板3により熱風を分散させている。この
熱風の送入によって、均一で、加熱された粉体の流動層
が形成される。熱風の送入は、当初、高温を使用し、流
動層粉体の温度が所定の温度に昇温すると、熱風の温度
を調節する。熱風を送入していくと流動層内では空気と
粉体の撹拌混合により熱の伝達が速やかに行われるた
め、層内温度は均一になる。
【0012】尚、流動槽1に送入する熱風の温度低下を
防ぐため、空気導入管4、空気整流室5の全面又は一部
を保温材9で保温する。保温材としてけい酸カルシウム
系、パーライト系などが使用できる。また、流動槽1内
の加熱された流動層粉体の温度低下を防止するため、図
2に示すように流動槽1全体を保温材9により保温して
いる。保温材9は、着脱可能なものを使用することが好
ましい。さらに、耐熱性多孔板3としては、耐熱性で通
気性のある焼結合金、多孔質セラミックス板、耐熱性濾
過布などを使用すれば良い。
防ぐため、空気導入管4、空気整流室5の全面又は一部
を保温材9で保温する。保温材としてけい酸カルシウム
系、パーライト系などが使用できる。また、流動槽1内
の加熱された流動層粉体の温度低下を防止するため、図
2に示すように流動槽1全体を保温材9により保温して
いる。保温材9は、着脱可能なものを使用することが好
ましい。さらに、耐熱性多孔板3としては、耐熱性で通
気性のある焼結合金、多孔質セラミックス板、耐熱性濾
過布などを使用すれば良い。
【0013】次に、前記構成の熱風送入方式の流動浸漬
塗装装置を用いた合成樹脂粉体の付着及び融着方法の実
施例を示す。被塗物として、熱容量の小さい鋼板(15
0mm×10mm×2mm厚、基体係数が0.1〔cal
/cm2 ℃〕以下)を400℃に加熱したものを、約30
0℃の熱風を送入して280℃に加熱されたパーフルオ
ロアルコキシ樹脂(PFA)粉体の流動層中に浸漬し
た。鋼板表面には約100μmのPFA塗膜を形成させ
ることができた。使用したパーフルオロアルコキシ樹脂
(PFA)粉体は、融点が310℃、溶融粘度が380
℃で104 〜105 ポイズと高く、従来の常温の空気を
送入する方法では、被塗物表面温度が低下し、付着させ
ることができなかった。
塗装装置を用いた合成樹脂粉体の付着及び融着方法の実
施例を示す。被塗物として、熱容量の小さい鋼板(15
0mm×10mm×2mm厚、基体係数が0.1〔cal
/cm2 ℃〕以下)を400℃に加熱したものを、約30
0℃の熱風を送入して280℃に加熱されたパーフルオ
ロアルコキシ樹脂(PFA)粉体の流動層中に浸漬し
た。鋼板表面には約100μmのPFA塗膜を形成させ
ることができた。使用したパーフルオロアルコキシ樹脂
(PFA)粉体は、融点が310℃、溶融粘度が380
℃で104 〜105 ポイズと高く、従来の常温の空気を
送入する方法では、被塗物表面温度が低下し、付着させ
ることができなかった。
【0014】本発明に適用できる合成樹脂粉体は、通
常、流動浸漬塗装用に使用されてるポリエチレン、ポリ
塩化ビニル、ポリアミドの他にポリフェニレン・サルフ
ァイド(PPS)、ポリエーテル・エーテルケトン(P
EEK)、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、パ
ーフルオロエチレン・プロピレン樹脂(FEP)、エチ
レン−四フッ化エチレン樹脂(ETFE)及びフッ化ビ
ニリデン樹脂(PVDF)などの耐熱性樹脂があげられ
る。また、熱硬化性樹脂粉体としては、エポキシ樹脂、
ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などをあげることがで
きる。
常、流動浸漬塗装用に使用されてるポリエチレン、ポリ
塩化ビニル、ポリアミドの他にポリフェニレン・サルフ
ァイド(PPS)、ポリエーテル・エーテルケトン(P
EEK)、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、パ
ーフルオロエチレン・プロピレン樹脂(FEP)、エチ
レン−四フッ化エチレン樹脂(ETFE)及びフッ化ビ
ニリデン樹脂(PVDF)などの耐熱性樹脂があげられ
る。また、熱硬化性樹脂粉体としては、エポキシ樹脂、
ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などをあげることがで
きる。
【0015】〔実施例3〕前記図1の装置、及び前記図
2の装置を用いて金属系塗膜又はセラミックス系塗膜
と、合成樹脂塗膜との複合塗膜を形成した実施例を示
す。図1に示す第一の流動浸漬塗装装置の流動槽には、
金属系粉体として、亜鉛粉体(融点420℃)を投入
し、図2に示す第二の流動浸漬塗装装置には、合成樹脂
粉体として、エチレン−四フッ化エチレン樹脂(ETF
E)粉体を投入して使用した。まず、被塗物(鋼板)を
約500℃に加熱し、予め350℃に加熱された亜鉛粉
体の入った第一の流動浸漬塗装装置により浸漬を行い、
鋼板表面に亜鉛膜を形成させた。次いで、約150〜2
00℃の熱風を送入して流動化したエチレン−四フッ化
エチレン樹脂(ETFE)粉体の入った第二の流動浸漬
塗装装置により浸漬を行い、金属系塗膜の上に合成樹脂
塗膜を形成させた複合塗膜を得た。
2の装置を用いて金属系塗膜又はセラミックス系塗膜
と、合成樹脂塗膜との複合塗膜を形成した実施例を示
す。図1に示す第一の流動浸漬塗装装置の流動槽には、
金属系粉体として、亜鉛粉体(融点420℃)を投入
し、図2に示す第二の流動浸漬塗装装置には、合成樹脂
粉体として、エチレン−四フッ化エチレン樹脂(ETF
E)粉体を投入して使用した。まず、被塗物(鋼板)を
約500℃に加熱し、予め350℃に加熱された亜鉛粉
体の入った第一の流動浸漬塗装装置により浸漬を行い、
鋼板表面に亜鉛膜を形成させた。次いで、約150〜2
00℃の熱風を送入して流動化したエチレン−四フッ化
エチレン樹脂(ETFE)粉体の入った第二の流動浸漬
塗装装置により浸漬を行い、金属系塗膜の上に合成樹脂
塗膜を形成させた複合塗膜を得た。
【0016】以上、本発明の実施例を数例示したが、本
発明は前記した実施例に限定されるものではなく、特許
請求の範囲に記載した構成を変更しない限りどのように
でも実施することができる。
発明は前記した実施例に限定されるものではなく、特許
請求の範囲に記載した構成を変更しない限りどのように
でも実施することができる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、流
動槽を加熱すること、流動槽下部より熱風を吹き込むこ
と、或いはその両方により、粉体を昇温して加熱された
流動層を形成する。これにより、従来は塗膜化できなか
った金属系粉体やセラミックス系粉体の付着が可能とな
り、金属メッキ、金属溶射の代替などに適用できる。ま
たガラス粉体を付着することが可能となり、グラスライ
ニングにおける工程の簡略化、及び、複雑形状物への付
着も容易になる。また、高融点、耐熱性の合成樹脂粉体
の付着では、加熱された被塗物温度の低下を防ぐことが
可能となるため、被塗物への樹脂付着量が安定し、膜厚
の均一化、膜厚のコントロール及び厚膜化ができる。さ
らに、金属系塗膜(セラミックス系塗膜)の上に、合成
樹脂系粉体を付着することにより、種々の複合塗膜を形
成することができる。これにより、塗膜の高機能化が図
れる。例えば、塗膜の磁性化、導電化、及び電波吸収機
能化が可能になる。
動槽を加熱すること、流動槽下部より熱風を吹き込むこ
と、或いはその両方により、粉体を昇温して加熱された
流動層を形成する。これにより、従来は塗膜化できなか
った金属系粉体やセラミックス系粉体の付着が可能とな
り、金属メッキ、金属溶射の代替などに適用できる。ま
たガラス粉体を付着することが可能となり、グラスライ
ニングにおける工程の簡略化、及び、複雑形状物への付
着も容易になる。また、高融点、耐熱性の合成樹脂粉体
の付着では、加熱された被塗物温度の低下を防ぐことが
可能となるため、被塗物への樹脂付着量が安定し、膜厚
の均一化、膜厚のコントロール及び厚膜化ができる。さ
らに、金属系塗膜(セラミックス系塗膜)の上に、合成
樹脂系粉体を付着することにより、種々の複合塗膜を形
成することができる。これにより、塗膜の高機能化が図
れる。例えば、塗膜の磁性化、導電化、及び電波吸収機
能化が可能になる。
【図1】流動浸漬塗装装置(流動槽加熱方式)の一例を
模式的に示す断面図である。
模式的に示す断面図である。
【図2】流動浸漬塗装装置(熱風送入方式)の一例を模
式的に示す断面図である。
式的に示す断面図である。
1 流動槽 2 塗装用粉体 3 多孔板 4 空気導入管 5 空気整流室 6 加熱器 7 送風ブロア 8 被塗物 9 保温材 10 加熱装置(加熱ヒーター)
フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AB08 AB10 AE03 BB16Y BB21Y BB22Y BB29Y BB33Y BB92Y CA48 DA06 DB01 DB02 EA02 EB13 EB16 EB18 EC01 EC02 EC03 EC05 EC10 4F042 AB03 EC02 EC05 EC06 EC07 EC09
Claims (4)
- 【請求項1】 加熱装置を取り付けた流動槽に粉体を投
入し、流動槽を加熱して粉体を昇温し、被塗物に粉体を
付着することを特徴とする粉体の付着及び融着方法。 - 【請求項2】 粉体を流動槽に入れ、流動槽下部より熱
風を送入して粉体を流動化し、粉体を昇温し、被塗物に
粉体を付着することを特徴とする粉体の付着及び融着方
法。 - 【請求項3】 加熱装置を取り付けた流動槽の中に粉体
を入れ、流動槽を加熱すると共に、流動槽下部より熱風
を送入して、粉体を流動、昇温し、被塗物に粉体を付着
することを特徴とする粉体の付着及び融着方法。 - 【請求項4】 請求項1乃至3の何れか一項に記載の方
法により、被塗物に金属系粉体又はセラミックス系粉体
を付着した後、その上に合成樹脂粉体を付着して、金属
系塗膜又はセラミックス系塗膜と、合成樹脂塗膜との複
合塗膜を形成することを特徴とする粉体の付着及び融着
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10210770A JP2000042477A (ja) | 1998-07-27 | 1998-07-27 | 粉体の付着及び融着方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10210770A JP2000042477A (ja) | 1998-07-27 | 1998-07-27 | 粉体の付着及び融着方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000042477A true JP2000042477A (ja) | 2000-02-15 |
Family
ID=16594858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10210770A Pending JP2000042477A (ja) | 1998-07-27 | 1998-07-27 | 粉体の付着及び融着方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000042477A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001157869A (ja) * | 1999-09-24 | 2001-06-12 | Ahresty Corp | 粉体供給装置 |
CN110947592A (zh) * | 2018-09-26 | 2020-04-03 | 浙江久大纺织科技有限公司 | 一种植绒烘干去余绒一体式的纱线植绒机构 |
-
1998
- 1998-07-27 JP JP10210770A patent/JP2000042477A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001157869A (ja) * | 1999-09-24 | 2001-06-12 | Ahresty Corp | 粉体供給装置 |
JP4623804B2 (ja) * | 1999-09-24 | 2011-02-02 | 株式会社アーレスティ | 粉体供給装置 |
CN110947592A (zh) * | 2018-09-26 | 2020-04-03 | 浙江久大纺织科技有限公司 | 一种植绒烘干去余绒一体式的纱线植绒机构 |
CN110947592B (zh) * | 2018-09-26 | 2021-10-22 | 浙江久大纺织科技有限公司 | 一种植绒烘干去余绒一体式的纱线植绒机构 |
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