JP2000042339A - 濃縮窒素製造方法 - Google Patents

濃縮窒素製造方法

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JP2000042339A
JP2000042339A JP10217311A JP21731198A JP2000042339A JP 2000042339 A JP2000042339 A JP 2000042339A JP 10217311 A JP10217311 A JP 10217311A JP 21731198 A JP21731198 A JP 21731198A JP 2000042339 A JP2000042339 A JP 2000042339A
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concentrated nitrogen
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勝一 甲斐島
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正訓 三宅
Koji Matsuura
浩二 松浦
Yoshitake Hagiwara
良丈 萩原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製品濃縮窒素の抜出量が増減したり、吸着剤
の吸着能が使用時間の経過とともに低下しても、常に所
定値以上の純度を有する濃縮窒素を製造することができ
る、PSA法による濃縮窒素製造方法を提供する。 【解決手段】 分子篩炭素を充填した複数の吸着塔
(A,B)に窒素と酸素を含有する混合ガスを導入し
て、少なくとも吸着工程、均圧工程及び脱着工程を含む
一連の工程を順次繰り返し、連続的に濃縮窒素を得る方
法において、各吸着塔(A,B)で吸着工程を行ってい
る間に当該吸着塔(A,B)の出口ガス中の酸素濃度を
測定して、その測定酸素濃度が目的とする製品濃縮窒素
における酸素濃度に達した時点で、吸着工程を終了して
均圧工程に移行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は濃縮窒素製造方法に
関する。さらに詳しくは、窒素と酸素を含有する混合ガ
ス、特に空気から圧力スイング吸着法(PSA法)によ
って濃縮窒素を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】窒素ガスは、化学工業、食品工業、半導
体工業等でその不活性な性質を利用して、酸化防止用、
防爆シール用等様々な分野で使用されている。従来この
ような分野には液化窒素が使用されてきたが、近年PS
A法により、比較的簡便かつ、安価に濃縮窒素を得るこ
とが可能となったため、PSA法による窒素ガスの製造
が普及しつつある。
【0003】分子篩炭素(CMS:Carbon Molecular S
ieve)を吸着剤とし、窒素と酸素の混合ガスを原料に用
いて、非吸着ガスとしての窒素を製品ガスとして得るP
SA法による濃縮窒素の製造方法は公知であり様々な技
術が知られている。
【0004】PSA法による窒素ガスの製造は吸着、均
圧、脱着等の一連の工程を周期的に繰り返し行うもので
あるが、従来は、各工程を製品としての濃縮窒素の抜出
量に基づいて予め決められた時間行うようにしていた。
しかしながら、各工程時間を予め決めて行うPSA法で
は、濃縮窒素の抜出量が増加した場合、吸着工程におい
て吸着塔内の吸着剤に供給される原料空気量も増加し、
原料空気量が吸着剤の能力以上に供給されることとな
り、吸着し切れなかった酸素の濃度が上昇し、製品ガス
としての濃縮窒素の品質は低下することになる。
【0005】上記問題を解決するために、従来、濃縮窒
素の抜出量に応じて吸着工程の設定時間を変化させる方
法によって対応してきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、濃縮窒
素の抜出量を変化させるたびに吸着時間を設定し直さな
ければならないのは煩わしいことである。また、吸着時
間を設定し直すにしても、製品ガスとしての品質を保つ
ため、不純物としての酸素濃度をできるだけ低く抑える
必要があり、そのためには安全サイドとして濃縮窒素の
抜出量に上限を設けた上で吸着時間を設定しなければな
らず、その上限以上には抜出量を増加させることができ
ない。さらに、PSA法の一連の工程を繰り返すと、繰
り返し回数の増加とともに、吸着剤の吸着能が低下する
ため、やがては吸着されない酸素が増加して、目標とす
る純度の濃縮窒素が得られなくなるが、吸着時間を設定
し直す方法では、この問題に対処することができない。
【0007】以上の状況に鑑み、本発明の課題は、製品
濃縮窒素の抜出量が増減したり、吸着剤の吸着能が使用
時間の経過とともに低下しても、常に所定値以上の純度
を有する濃縮窒素を製造することができる、PSA法に
よる濃縮窒素製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記課題
を解決するために、本発明の第1の側面によれば、分子
篩炭素を充填した複数の吸着塔に窒素と酸素を含有する
混合ガスを導入して、少なくとも吸着工程、均圧工程及
び脱着工程を含む一連の工程を順次繰り返し、連続的に
濃縮窒素を得る方法において、各吸着塔で吸着工程を行
っている間に当該吸着塔の出口ガス中の酸素濃度を測定
して、その測定酸素濃度が目的とする製品濃縮窒素にお
ける酸素濃度に達した時点で、吸着工程を終了して均圧
工程に移行することを特徴とする、濃縮窒素の製造方法
が提供される。
【0009】以上の製造方法によれば、各吸着塔におけ
る吸着時間を予め設定することに代えて、各吸着塔の出
口ガス中の酸素濃度を測定し、その測定酸素濃度が目的
とする製品濃縮窒素における酸素濃度に達した時点で、
吸着工程を終了して均圧工程に移行するのである。例え
ば、目的とする製品濃縮窒素の純度が99%であれば、
各吸着塔の出口ガス中の酸素濃度が1%まで増加した時
点で吸着工程を終了して、次の均圧工程に移行するので
ある。この場合、製品濃縮窒素の抜出量を増加させる
と、早期に酸素濃度が増加することになるので、結果と
して吸着時間が短くなる(但し、予め短い吸着時間を設
定するのではない)。その反対に、製品濃縮窒素の抜出
量を減少させると、酸素濃度が緩やかに増加することに
なるので、結果として吸着時間が長くなる。また、PS
A法の一連の工程の繰り返しによって分子篩炭素の吸着
能が低下した場合にも、酸素濃度の増加が早まり、結果
として吸着時間が短くなる。この結果、常に製品濃縮酸
素の純度が目標値以上に維持され、予め吸着時間を設定
する必要がない。
【0010】一般に、実用上求められる窒素純度は9
9.999〜90%の範囲内にあるので、上記濃縮窒素
製造方法においては、測定酸素濃度が0.001〜10
%の範囲にある所定値に達したときに吸着工程を終了し
て均圧工程に移行するようにする。
【0011】また、吸着工程の圧力は通常0.3〜1.
0MPaの範囲に設定し、脱着工程の圧力は0.05M
Pa〜大気圧の範囲に設定される。さらに、混合ガス
(原料ガス)としては、空気を用いるのが最も一般的で
ある。
【0012】本発明の好適な実施例によれば、2塔の吸
着塔を用いてPSA法による濃縮窒素製造方法が実施さ
れる。この構成によれば、一方の吸着塔で吸着工程が行
われている間に、他方の吸着塔で脱着工程が行われ、次
いで両吸着塔間での均圧工程を経て吸着工程と脱着工程
が行われる吸着塔が切り替えられる。従って、短時間の
均圧工程を除き、常にいずれか一方の吸着塔が吸着工程
を行うことになるので、濃縮窒素を実質的に連続的に製
造することができる。
【0013】一方、本発明の第2の側面によれば、分子
篩炭素を充填した複数の吸着塔に窒素と酸素を含有する
混合ガスを導入して、少なくとも吸着工程、均圧工程及
び脱着工程を含む一連の工程を順次繰り返し、連続的に
濃縮窒素を得る方法において、各吸着塔で吸着工程を行
っている間に当該吸着塔の出口ガス中の酸素濃度を測定
して、その測定酸素濃度が目的とする製品濃縮窒素にお
ける酸素濃度に達するまでに所定の吸着時間が経過した
場合には、その時点で吸着工程を終了して均圧工程に移
行する一方、この所定の吸着時間が経過するまでに測定
酸素濃度が目的とする製品濃縮窒素における酸素濃度に
達した場合には、その時点で吸着工程を終了して均圧工
程に移行することを特徴とする、濃縮窒素の製造方法が
提供される。
【0014】以上の製造方法によれば、先ず基本となる
吸着時間を予め設定しておき、測定酸素濃度が所定値
(目的とする製品濃縮窒素の純度によって決まる)に達
する前にこの基本の(所定の)吸着時間が経過した場合
には、その時点で吸着工程を終了して均圧工程に移行す
る。基本の吸着時間が経過しても酸素濃度が所定値に達
してないということは、製品濃縮窒素の純度が目標とす
る値よりも依然高いということであるから、その時点で
吸着を終了すればよいのである。一方、この所定の吸着
時間が経過するまでに測定酸素濃度が所定値に達した場
合には、それ以上吸着を続けると濃縮窒素の純度が目標
値を下回ることになるので、その時点で吸着工程を終了
して均圧工程に移行するのである。従って、基本となる
吸着時間を一旦設定すれば、製品濃縮窒素の抜出量を変
更しても、基本となる吸着時間を改めて設定し直す必要
はなく、測定酸素濃度の変化に応じて自動的に吸着時間
が短縮されて、製品濃縮窒素の純度が常に目標値以上に
維持されるのである。
【0015】なお、空気から窒素を濃縮するためのPS
A法において、吸着塔の出口ガス中の酸素濃度を測定し
て、測定酸素濃度が所定のレベルに達したときに吸着工
程から均圧工程に移行することについては特公平4−8
085号公報及び特公平4−9568号公報に記載され
ている。しかしながら、これら各号公報に記載のPSA
法では、富化されたガス(窒素ガス)の純度が予め定め
られた純度(すなわち、製品窒素の目標純度)よりも1
〜10%下がるのをまって吸着工程から均圧工程に移行
させ、この若干純度の低いガスを続く均圧工程で一方の
吸着塔から他方の吸着塔に導いて、当該他方の吸着塔の
再加圧に利用することを最も重要な特徴としている。よ
り具体的には、製品窒素の目標純度が99%であるとす
ると、これよりも1〜10%低い89〜98%(酸素濃
度2〜12%)になるまで吸着工程を引き延ばして、そ
の後に均圧工程に移行するようにしているのである。
【0016】これに対し、本発明の濃縮窒素製造方法で
は、各吸着塔の出口ガスが製品濃縮窒素の目標純度に到
達した時点で直ぐに吸着工程から均圧工程に移行するよ
うにしている。例えば、製品窒素の目標純度が99%で
あるとすると、各吸着塔の出口ガスにおける酸素濃度が
1%まで上昇した時点で直ちに吸着工程を終了して均圧
工程に移行するのである。従って、本発明は上記各公報
に記載のPSA法とは目的・作用・効果において基本的
に異なるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を添付図
面に基づき説明する。
【0018】図1は、本発明に係る濃縮窒素製造方法を
実施するのに用いる典型的なPSA装置を示す。同図に
示されるように、PSA装置は、2つの吸着塔A,B
(第一吸着塔Aと第二吸着塔B)と、濃縮窒素貯槽C
と、真空ポンプDと、酸素濃度計Eと、切替弁制御装置
Fと、複数の切替弁1〜8と、を備えている。
【0019】各吸着塔A,Bには、吸着剤として分子篩
炭素が充填されている。分子篩炭素は、加圧状態におい
ては、原料の混合ガスとしての空気から酸素を選択的に
吸着しつつ窒素を通過させ、減圧状態においては、吸着
した酸素を脱着させる。
【0020】原料の空気は、図外のコンプレッサにより
0.3MPaから1.0MPaまでの範囲の圧力に圧縮
されて、切替弁1,2を介して各吸着塔A,Bにそれぞ
れ供給される(吸着工程)。また、各吸着塔A,Bにお
いて吸着されなかった窒素は、切替弁3,4をそれぞれ
介して濃縮窒素貯槽Cに貯えられる。
【0021】一方、脱着工程においては、各吸着塔A,
Bが切替弁7,8を介して大気に開放されるか、或いは
真空ポンプDにより減圧される。これにより、吸着剤に
吸着された酸素は脱着することになり、吸着剤が再生さ
れる。脱着による吸着剤の再生は通常、大気圧から0.
05MPaまでの範囲の圧力で行われる。
【0022】切替弁5,6は、両吸着塔A,Bの間のガ
ス導通を図るためものもであり、均圧工程等に利用され
る。
【0023】酸素濃度計Eは、各吸着塔A,Bからの出
口ガス中の酸素濃度を測定して、切替弁制御装置Fに濃
度信号を送信する。そして、切替弁制御装置Fは、各種
の切替弁1〜8を適宜開閉制御する。ここで用いられる
酸素濃度計Eとしては、ジルコニア式酸素濃度計、ガル
バニ電池式酸素濃度計等が挙げられる。また、切替弁1
〜8としては、コンピュータ等で構成される切替弁制御
装置Fからの指令に基づいて電気的に制御可能なソレノ
イド弁等を用いることができる。
【0024】図2は上記PSA装置を用いて本発明の濃
縮窒素製造方法を行う第1の実施形態を示すタイミング
図である。同図に示すように、第一吸着塔Aが吸着工程
にある間、第二吸着塔Bは脱着工程にあり、切替弁1,
3,8は開とされ、切替弁2,4,5,6,7は閉とさ
れる。第一吸着塔Aでは、空気から酸素が選択的に吸着
され、吸着されなかった窒素が濃縮窒素貯槽Cに貯えら
れる。第二吸着塔Bでは、吸着された酸素が減圧下で脱
着され、吸着剤の再生が行われる。
【0025】酸素濃度計Eは、第一吸着塔Aからの出口
ガス中の微量の酸素を測定し、測定結果を電気信号とし
て切替弁制御装置Fに送信する。測定酸素濃度が所定値
(製品濃縮窒素の目標純度が99%であれば、酸素濃度
の所定値は1%)に達すると、切替弁制御装置Fは第一
吸着塔Aの吸着工程及び第二吸着塔Bの脱着工程を終了
し、両吸着塔A,B間での均圧工程に移行するように切
替弁の開閉動作を指令する。
【0026】均圧工程においては、切替弁1,2,3,
4,6,7,8が閉とされ、切替弁5のみが開とされ
る。この結果、第一吸着塔Aの残留ガスが切替弁5を介
して第二吸着塔Bに流入して、第二吸着塔Bが後の吸着
工程に備えて部分的に加圧される。この均圧工程は、
0.3〜5秒程度の短時間で終了する。なお、この均圧
工程において、切替弁2を開として第二吸着塔Bについ
ての部分的加圧を促進してもよいし、また切替弁7を開
として第一吸着塔Aについての部分的減圧を促進しても
よい。
【0027】所定の短時間の均圧工程が終了すると、第
一吸着塔Aについて脱着工程が行われ、第二吸着塔Bに
ついて吸着工程が行われる。このために、切替弁制御装
置Fによって、切替弁2,4,7は開とされ、切替弁
1,3,5,6,8は閉とされる。この結果、第二吸着
塔Bでは、空気から酸素が選択的に吸着され、吸着され
なかった窒素が濃縮窒素貯槽Cに貯えられる一方、第一
吸着塔Aでは、先の吸着工程で吸着された酸素が減圧下
で脱着され、吸着剤の再生が行われる。
【0028】第二吸着塔Bについての吸着工程において
も、酸素濃度計Eは、第二吸着塔Bからの出口ガス中の
微量の酸素を測定し、測定結果を電気信号として切替弁
制御装置Fに送信する。測定酸素濃度が所定値に達する
と、切替弁制御装置Fは第二吸着塔Bの吸着工程及び第
一吸着塔Aの脱着工程を終了し、両吸着塔A,B間での
均圧工程に移行するように切替弁の開閉動作を指令す
る。
【0029】第二吸着塔Bの吸着工程に続く均圧工程は
第一吸着塔Aの吸着工程に続く均圧工程と全く同様であ
り、切替弁1,2,3,4,6,7,8が閉とされ、切
替弁5のみが開とされた状態で行われる。これにより、
第二吸着塔Bの残留ガスが切替弁5を介して第一吸着塔
Aに流入して、第一吸着塔Aが後の吸着工程に備えて部
分的に加圧される。
【0030】以上により、両吸着塔A,Bについての完
全な1サイクルが完了する。以降は同様のサイクルが繰
り返されて、濃縮窒素が実質的に連続的に製造される。
【0031】以上述べた実施形態において、各吸着塔
A,Bからの濃縮窒素の抜出量が増加した場合、窒素ガ
ス中に含まれる酸素濃度の上昇速度が速まる。しかしな
がら、酸素濃度計Eは常に酸素濃度をモニタしており、
その測定値が所定レベルに到達した時点で直ちに吸着工
程を終了して(その結果、吸着時間が短くなる)、均圧
工程に移行するため、窒素純度は目標値(例えば、99
%)以上に安定して維持されるのである。
【0032】一方、各吸着塔A,Bからの濃縮窒素の抜
出量が減少した場合、窒素ガス中に含まれる酸素濃度の
上昇速度が低下する。しかしながら、この場合も、酸素
濃度計Eは常に酸素濃度をモニタしており、その測定値
が所定レベルに到達するまでは吸着工程を終了しないた
め、吸着時間が長くなる。この結果、吸着剤が未だ目標
窒素純度を維持しつつ酸素の吸着を継続できる余裕があ
るにも拘わらず、早期に吸着工程を終えてしまうという
事態を回避できる。
【0033】図3は図1に示すPSA装置を用いて本発
明の濃縮窒素製造方法を行う第2の実施形態を示すタイ
ミング図である。第2の実施形態は、吸着工程、均圧工
程、脱着工程及び均圧工程からなる一連の工程で1サイ
クルが構成されている点、各吸着塔A,Bについての吸
着工程において酸素濃度を測定して、測定値が所定値に
到達したときに吸着工程から均圧工程に移行する点、及
び各工程における切替弁1〜8の開閉状態については第
1の実施形態と同じである。
【0034】一方、第2の実施形態においては、各吸着
塔A,Bからの出口ガス中の酸素濃度を測定することに
加えて、基本となる吸着時間を予め切替弁制御装置Fに
設定しておく。具体的には、切替弁制御装置F内に吸着
時間設定用のカウンタ(タイマ)を設け、各吸着塔A,
Bにおける吸着工程が開始されたときにカウンタが計時
を開始するようにし、酸素濃度計Eによって測定された
酸素濃度が所定値に到達する前に所定の吸着時間が経過
した場合には、その時点で吸着工程を終了して均圧工程
に移行するようにするのである。その反対に、所定の吸
着時間が経過する前に測定酸素濃度が所定値に到達した
場合には、その時点で吸着工程を終了して均圧工程に移
行するようにする。
【0035】図3のタイミング図においては、最初の1
サイクルで所定の吸着時間の経過により吸着工程を終了
しており、続く1サイクルで測定酸素濃度が所定値に達
することで吸着工程を終了している。一般的に、濃縮窒
素の抜出量が少ない場合には、酸素濃度の増加速度が遅
くなるため所定の吸着時間の経過によって吸着工程が終
了することになり、濃縮窒素の抜出量が多い場合には、
酸素濃度の増加速度が速くなるため測定酸素濃度が所定
値に達することで吸着工程を終了することになる。ま
た、濃縮窒素の抜出量を少ないまま一定にしていても、
吸着剤の吸着能が経時的に低下するため、当初は所定の
吸着時間の経過によって吸着工程が終了しても、PSA
サイクルを繰り返すうちに、測定酸素濃度が所定値に達
することで吸着工程を終了するように変化する。
【0036】以上の第2の実施形態においても、所定の
吸着時間が経過して吸着工程を終了するということは、
その時間内に酸素濃度が所定値に到達しなかったという
ことであるから、製品濃縮窒素は常に目標純度以上に維
持されることになる。また、予め設定する基本の吸着時
間は一旦設定すれば、濃縮窒素の抜出量を増減しても変
更する必要はない。
【0037】
【実施例】以下、本発明のより具体的な実施例を比較例
とともに説明するが、本発明の技術範囲はこれら実施例
により何ら限定されるものではない。
【0038】(比較例)図1に示すPSA装置におい
て、各吸着塔A,Bに分子篩炭素をそれぞれ100kg
を充填し、混合ガス(原料ガス)として空気を用い、吸
着工程における吸着圧力を0.7MPaとし、脱着工程
における脱着を各吸着塔A,Bを大気圧に開放すること
によって行うものとし、吸着時間を120秒に固定し
て、均圧工程の時間は1秒として、濃縮窒素を製造し
た。その際、濃縮窒素の抜出量を15〜30Nm3 /H
の範囲で変化させて、各吸着塔A,Bからの出口ガス中
の酸素濃度の変化と原料空気の供給量の変化を測定し
た。
【0039】以上の結果を、図4及び図5における曲線
L2,L4にて示す。図4の曲線L2から分かるよう
に、吸着時間を固定した場合、濃縮窒素の抜出量を増加
させると、それに応じて酸素濃度も大きく増加し、濃縮
窒素の純度が低下することになる。また、図5の曲線L
4から分かるように、濃縮窒素の抜出量が比較的少なく
ても供給空気量を比較的多く設定しなければならず、収
率が低くなっている。
【0040】(実施例1)図1に示すPSA装置におい
て、各吸着塔A,Bに分子篩炭素をそれぞれ100kg
を充填し、混合ガス(原料ガス)として空気を用い、吸
着工程における吸着圧力を0.7MPaとし、脱着工程
における脱着を各吸着塔A,Bを大気圧に開放すること
によって行うものとし、均圧工程の時間は1秒として、
上記第1の実施形態に従い濃縮窒素を製造した。その
際、吸着工程から均圧工程への移行タイミングを決定す
る酸素濃度の設定値は0.75%とし、濃縮窒素の抜出
量を15〜30Nm3 /Hの範囲で変化させて、各吸着
塔A,Bからの出口ガス中の酸素濃度の変化と原料空気
の供給量の変化を測定した。
【0041】以上の結果を、図4及び図5における曲線
L1,L3にて示す。図4の曲線L1から分かるよう
に、吸着時間を固定せず酸素濃度が所定値に到達した時
点で吸着工程から均圧工程に切り替えるようにした場
合、酸素濃度がほぼ設定値(本実施例では0.75%)
付近で安定し、濃縮窒素の純度を目標値以上に維持でき
る。また、図5の曲線L3から分かるように、少なくと
も濃縮窒素の抜出量が15〜25Nm3 /Hの範囲では
吸着時間固定の場合よりも少ない供給空気量で多くの濃
縮窒素を製造することができる。
【0042】(実施例2)図1に示すPSA装置におい
て、各吸着塔A,Bに分子篩炭素をそれぞれ100kg
を充填し、混合ガス(原料ガス)として空気を用い、吸
着工程における吸着圧力を0.7MPaとし、脱着工程
における脱着を各吸着塔A,Bを大気圧に開放すること
によって行うものとし、均圧工程の時間は1秒として、
上記第1の実施形態に従い濃縮窒素を製造した。その
際、基本となる吸着時間は180秒に設定する一方、酸
素濃度0.75%に到達した場合には、その吸着時間の
経過前であっても吸着工程を終了するように設定した上
で、濃縮窒素の抜出量を15〜30Nm3 /Hの範囲で
変化させた。
【0043】その結果、濃縮窒素の抜出量が15〜20
Nm3 /Hまでは設定した吸着時間が優先して均圧工程
への切替タイミングを決定し、抜出量が20Nm3 /H
を超えると設定した吸着時間の経過前に均圧工程に切り
替わることが分かった。また、濃縮窒素の抜出量の変化
に拘わらず、酸素濃度は常に0.75%以下に安定し、
濃縮窒素の純度を目標値以上に維持できることも確認で
きた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の濃縮窒素製造方法を実施するために用
いるPSA装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明の濃縮窒素製造方法の第1の実施形態を
示すタイミング図である。
【図3】本発明の濃縮窒素製造方法の第2の実施形態を
示すタイミング図である。
【図4】製品窒素量と酸素濃度との関係を示すグラフで
ある。
【図5】製品窒素量と原料空気供給量との関係を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
A,B ・・・ 吸着塔 C ・・・ 濃縮窒素貯槽 D ・・・ 真空ポンプ E ・・・ 酸素濃度計 F ・・・ 切替弁制御装置 1〜8 ・・・ 切替弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 甲斐島 勝一 伊丹市天津字藤ノ木80 東洋ゴム工業株式 会社内 (72)発明者 三宅 正訓 兵庫県加古郡播磨町宮西346番地の1 住 友精化株式会社ガス・エンジニアリング事 業部内 (72)発明者 松浦 浩二 兵庫県加古郡播磨町宮西346番地の1 住 友精化株式会社ガス・エンジニアリング事 業部内 (72)発明者 萩原 良丈 兵庫県加古郡播磨町宮西346番地の1 住 友精化株式会社ガス・エンジニアリング事 業部内 Fターム(参考) 4D012 BA04 CA06 CB16 CD07 CE01 CE02 CE03 CF01 CF03 CF05 CH03 CJ01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子篩炭素を充填した複数の吸着塔に窒素
    と酸素を含有する混合ガスを導入して、少なくとも吸着
    工程、均圧工程及び脱着工程を含む一連の工程を順次繰
    り返し、連続的に濃縮窒素を得る方法において、各吸着
    塔で吸着工程を行っている間に当該吸着塔の出口ガス中
    の酸素濃度を測定して、その測定酸素濃度が目的とする
    製品濃縮窒素における酸素濃度に達した時点で、吸着工
    程を終了して均圧工程に移行することを特徴とする、濃
    縮窒素製造方法。
  2. 【請求項2】測定酸素濃度が0.001〜10%の範囲
    にある所定値に達したときに吸着工程を終了して均圧工
    程に移行する、請求項1に記載の濃縮窒素製造方法。
  3. 【請求項3】複数の吸着塔が2塔である、請求項1また
    は2に記載の濃縮窒素製造方法。
  4. 【請求項4】分子篩炭素を充填した複数の吸着塔に窒素
    と酸素を含有する混合ガスを導入して、少なくとも吸着
    工程、均圧工程及び脱着工程を含む一連の工程を順次繰
    り返し、連続的に濃縮窒素を得る方法において、各吸着
    塔で吸着工程を行っている間に当該吸着塔の出口ガス中
    の酸素濃度を測定して、その測定酸素濃度が目的とする
    製品濃縮窒素における酸素濃度に達するまでに所定の吸
    着時間が経過した場合には、その時点で吸着工程を終了
    して均圧工程に移行する一方、この所定の吸着時間が経
    過するまでに測定酸素濃度が目的とする製品濃縮窒素に
    おける酸素濃度に達した場合には、その時点で吸着工程
    を終了して均圧工程に移行することを特徴とする、濃縮
    窒素製造方法。
  5. 【請求項5】吸着工程の圧力が0.3〜1.0MPaで
    あり、脱着工程の圧力が0.05MPa〜大気圧であ
    る、請求項4に記載の濃縮窒素製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001353416A (ja) * 2000-06-13 2001-12-25 Sumitomo Seika Chem Co Ltd 特定成分ガスの濃縮方法およびその濃縮装置
JP2008303089A (ja) * 2007-06-06 2008-12-18 Taiyo Nippon Sanso Corp 低純度窒素ガス発生方法

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