JP2000041918A - 電気掃除機用集塵袋 - Google Patents

電気掃除機用集塵袋

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JP2000041918A
JP2000041918A JP10218333A JP21833398A JP2000041918A JP 2000041918 A JP2000041918 A JP 2000041918A JP 10218333 A JP10218333 A JP 10218333A JP 21833398 A JP21833398 A JP 21833398A JP 2000041918 A JP2000041918 A JP 2000041918A
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bag
support plate
dust
vacuum cleaner
foam
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Takamoto Nomura
孝元 野村
Muneyuki Sasaki
統志 佐々木
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Nexta Corp
Original Assignee
Nexta Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 集塵の初期から後期の各段階における口漏れ
を防止でき、メーカー各社の電気掃除機へも適合できる
集塵袋。 【解決手段】 支持板にある吸入口の外周面に、JIS
−K6401に準拠した嵩密度[Kg/m3]を横軸
に、25%の圧縮時の硬さ[Kgf/314cm2]を
縦軸に目盛った直交座標に示す5つの点イ(22.0,
9.1)、点ロ(22.0,12.2)、点ハ(40.
0,20.1)、点ニ(44.5,18.1)及び点ホ
(52.0,11.6)を結ぶ線で囲まれた5辺形の範
囲内の嵩密度と圧縮時の硬さとを有するポリウレタン系
発泡体のパッキンをシート状に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透気性を有する紙
等の濾材を袋状に成形した電気掃除機用の使い捨ての集
塵袋に関し、更に詳しくは、最近、掃除機本体の小型化
が進められたことに伴い集塵室が縮小化され、且つ、吸
引力が高められハイパワー型となった各社の電気掃除機
に対して、共用タイプとしても使用できる、使い捨ての
電気掃除機用集塵袋に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、吸入口が設けられてある透気性の
濾材で横長に、且つ、筒状に形成され、その長手方向に
沿って形成された蛇腹部の谷折りと該筒体の長手方向両
端開放端縁を平坦に封止した末端封止部との存在によっ
て平坦状に折り畳まれた横長の袋本体と、剛性を有する
板材に吸入口が設けられてある支持板とが、それぞれの
吸入口を合致させて袋本体の表面に支持板が一体的に貼
着された集塵袋は、例えば、米国特許第3559381
号公報に開示されているように公知である。この場合の
前記末端封止部は、濾材の先端部が最内部に位置するよ
うに二段階に折り巻かれ、接着固定されている。このよ
うな集塵袋は、米国では大きなフロアーに土足のままで
住もうという生活事情に合わせ、一般的には大型の集塵
袋が採用されている。
【0003】この種の大型の集塵袋は、例えば、米国特
許第3200571号公報に開示されているように、大
きな集塵量を損なわないように、横長の袋本体の長手方
向両側部を袋本体の裏面側に90°折り曲げて横長の袋
本体を集塵室の内壁に沿って平面視U字形に折り曲げた
状態で収納することが行われている。
【0004】一方、米国に比べて狭い住居に多くの家具
を並べて生活することが多い日本では、掃除機の取り回
しが容易に行えるように小型の家庭用電気掃除機が好ま
れる。この小型の家庭用電気掃除機の集塵室は、上記米
国の掃除機の集塵室とは比べものにならないほど小さな
ものになってしまう。そこで、この小さな集塵室に、少
しでも集塵量の大きな集塵袋を容易に装着できるように
開発された集塵袋の技術として、例えば特公昭60−5
3608号公報、特公昭60−54049号公報等に開
示されたものがある。その技術内容は、横長の袋本体の
両側部を蛇腹部に対して直交方向に、且つ、支持板の背
面側に折り畳んで、コンパクトにして集塵室に装着す
る。そして集塵を開始すると、左右に折り重ねられた袋
本体は、支持板に近い前方に折られた方から徐々に層間
剥離を起こしながら拡がり、つぎに後方に折られた方が
徐々に層間剥離を起こしながら全体が有効に拡がり集塵
されることに最大の利点を有するものである。具体的に
は、図3(イ)に示すように、袋本体101と支持板1
02とが一体に貼着された集塵袋100は、袋本体10
1を拡げた状態では大きな袋(図中、2点鎖線参照。)
であるものが、折り畳むことで小さな集塵室に容易に装
着できるようにしている。集塵を開始すると、この集塵
袋100は、まず図3(ロ)に示すように、集塵袋10
0の吸引口から吸引された空気の風圧が、袋本体101
の背面側の壁に衝突することで、その幅方向両側の蛇腹
部103が層間剥離を起こしながら拡がるとともに左右
に折り重ねられた部分のうち支持板102に近い前方に
折られた部分104が第1の折り目105を支点にして
側方へ反転する。この状態から図3(ハ)に示すよう
に、前記蛇腹部103が更に拡がることにより支持板1
02に近い前方に折られた部分104が層間剥離を起し
て展開するに伴い、第2の折り目107が内側に移動す
ることで袋丈寸法の縮小化現象が起こり、後方に折られ
た部分106が前記のように移動して第2の折り目10
7を支点にして側方へ反転する。更に、図3(ニ)に示
すように、第2の折り目107が更に内側に移動して、
後方に折られた部分106が層間剥離を起こして展開
し、ついには図3(ホ)に示すように、袋本体101全
体が拡がった状態、つまり掃除機の集塵室の左右の壁
w,wに接当した状態まで拡がった状態になるのであ
る。つまり、狭い集塵容積内に広い集塵袋を入れた場
合、この集塵袋を蛇腹状に折った方が集塵量が多いこと
に着目し、同効果をより簡単な折り方で出させるために
袋を折り畳み、風圧により拡がる時に一度に拡がらずに
集塵袋相互が層間剥離を起こしながら丈寸法の縮小化現
象に伴う、支点として折り目の移動を利用することで、
折り畳まれた部分が徐々に拡がるような折り方を見出
し、蛇腹折り同等の吸塵特性を得るようにしている。こ
れにより、上記の集塵袋は、その容積よりも狭い容積の
小型の集塵室内でも容易に展開し、設計された通りの集
塵容積及び濾過面積を確保できる優れた技術として注目
されて、業界で重用され、純正品、共用タイプを問わ
ず、現在市販されている集塵袋は、すべてのものが、横
長の袋本体を上記のように支持板の背面側に折り畳んだ
構造を採用しているのが現状である。
【0005】一方、現在市販されている共用タイプの集
塵袋の特徴は、主として支持板の形状構造と、支持板と
袋本体との取付位置にある。例えば、実用新案登録第2
503096号公報の図1、図2に示されたものが、そ
の特徴をよく表している。即ち、同公報の図2に示され
る四辺形の口ボール板(支持板)は、その四辺のそれぞ
れの辺の周囲に、第一、第二の切り取り部や、丸穴、U
字状の切り欠き部、及び矩形状の切り欠き部が配置され
ている。前記第一、第二の切り取り部は、それを切り取
ることで機種の異なる電気掃除機の集塵室の装着部の寸
法に合わせるものであり、また、前記矩形の切り取り部
や丸穴、U字状切り欠き部は、装着部や本体から突出し
ている突起等に嵌合させて各種機種の異なる掃除機の装
着部に固定できるようにするためのものである。また、
同公報の図1に示されるように、丸穴切り欠き部がある
支持板の一辺部分が袋本体の幅方向の一方側から突出し
た状態で袋本体に貼着されている。このように、支持板
の一辺部分を袋本体の幅方向の一方側から突出させてい
るのは、集塵室へ支持板を装着する方法が、横長の袋本
体を左右(横)方向にして装着する様式の機種の場合
に、袋本体の幅方向の下側が集塵室の底壁につかえない
ように配慮されたものである。ところが一方、掃除機に
は、袋本体の長手方向を上下(縦方向)に装着する様式
の機種が多く、この機種の集塵室は幅方向の中央に吸引
ホースの入口がある。このものに上記したような、支持
板の一辺部分が袋本体の幅方向の一方側から突出した状
態の集塵袋を上下(縦)方向にして装着しようとする
と、集塵袋の幅方向の左右側縁とこれに対応する集塵室
の左右の側壁間との距離が異なるため、集塵袋と集塵室
の左右側壁との間で、一方では無駄な空間が生じる反
面、袋の他側縁は壁面に当接してしまうことになる。そ
の当接をさけるためには、袋本体の幅寸法を純正品より
も狭くしておく必要がある。また、支持板は一般に矩形
であるが、純正品の集塵袋は、その長辺を、袋本体の長
手方向に配して装着するものと、その逆のものとがあ
る。これを共用にする場合は、支持板の長辺方向をいず
れか一方に定め、これと方向の違うものは、掃除機自体
の装着様式の設計方向と異なる装着方向を採用せざるを
得ないといった本質的な問題点を内在している。つま
り、共用タイプのものでは袋の幅寸法において制限を受
けるだけでなく、集塵室内の空間を有効に利用すること
が難しいものである。
【0006】又、一方、集塵袋が装着される電気掃除機
の集塵室側の吸入口には、集塵袋の支持板の吸入口の周
囲に密接して口漏れを防止するための漏れ防止用ゴムパ
ッキンが設けられている。この漏れ防止用ゴムパッキン
の形状や封止の形態は各社毎に様々であることから、こ
れを全て図示することは難しい。そこで、純正品に設け
られた支持板の吸入口の口径dで、支持板に対する漏れ
防止用ゴムパッキンの最適接触位置を示すと、例えば5
2mm、50mm、46mm、45mm等、各社の電気
掃除機毎に異なっていることが分かる。更に、前記漏れ
防止用ゴムパッキンは、図4(ロ)に示すように支持板
111の吸入口の周囲に当接する構造のものもあれば、
又、図4(イ)に示すように、筒状の漏れ防止用ゴムパ
ッキン110が支持板111の吸入口112に内嵌する
構造のものもある。それらの封止の形態の異なる漏れ防
止用ゴムパッキンの全てに共用させるためには、共用タ
イプの集塵袋の支持板の吸入口112の口径Dは、少な
くとも前記筒状の漏れ防止用ゴムパッキン110を内嵌
しうる寸法のもの(実際には52mm)に形成せざるを
得ないのである。そうすると、支持板111の吸入口1
12の周囲に当接する漏れ防止用ゴムパッキンの場合に
は、前記のように支持板の吸入口の口径dで表した最適
接触位置が、例えば50mm、46mm、45mmであ
ると、図4(ロ)、図4(ハ)、図4(ニ)に示すよう
に、漏れ防止用ゴムパッキン110の最適接触位置
(d)よりも共用タイプの集塵袋の支持板111の吸入
口112の口径(D)が大きくて外側に外れてしまい、
漏れ防止用ゴムパッキン110によるシール効果を良好
に発揮させることが実質上困難である。このように、共
用タイプの集塵袋では、全ての機種の電気掃除機の集塵
室側の漏れ防止用ゴムパッキンの最適接触位置に集塵袋
の支持板を接触させることができないことにより、両者
の間から塵埃が漏れる、いわゆる「口漏れ」が発生し易
いという本質的な問題を内在している。そこで、その
「口漏れ」を予防するための対策としては、現状では、
集塵袋の支持板における吸入口の外周面には、例えば1
mmの厚みを有するポリエチレン製のパッキン又は約
1.5mm厚みのポリウレタン製のパッキンを設けるこ
とで、集塵室側の漏れ防止用ゴムパッキンとの密接を図
っている。
【0007】又、近年、電気掃除機の吸引能力は年毎に
大きく高められている。例えば、JIS C9108
付属書1「吸引仕事率の測定方法」によって測定した電
気掃除機の吸引仕事率(以下、単に「吸引仕事率」とい
う。)でみると、平成元年〜平成5年頃には160〜3
00W程度であったものが、平成7年以降には400〜
560Wものハイパワーなものが主流となってきてお
り、従来に比べて約2倍の吸引仕事率を有するものにな
ってきている。しかし、その一方で、狭い部屋での掃除
機の引き回し機動性を高めるために、掃除機本体の更な
る小型、軽量化が進められており、それに伴って集塵室
が縮小化されている。この集塵室の縮小化は、集塵室の
縦(上下)方向、横幅(左右)方向、奥行き方向の、三
方向のいずれにも見られるが、特に奥行き方向の寸法、
即ち、集塵袋の袋本体の蛇腹部の谷折り部が伸びる方向
における寸法の短小化が著しい。この集塵室の奥行き方
向での短小化は、ハイパワー化された吸引力(即ち、集
塵袋に作用する展開応力)に集塵袋の構造強度が耐え易
いように配慮されたものであると考えられる。
【0008】又、現在の集塵袋の袋本体の材質は、所
詮、強度、伸度ともに小さな濾紙であり、ゴム風船のよ
うに伸張展開して拡がる性質は全くなく、せいぜい設計
容積の素材寸法で展開するにすぎない。このため、折り
畳まれた集塵袋を早期に展開させて、袋本体のフィルタ
ー機能を十分に発揮させて集塵袋の内圧を高めることが
ないようにすることが重要になってくる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
共用タイプの集塵袋に「口漏れがひどい」という消費者
の苦情が増加してきた。その苦情の中には純正品のもの
との支持板の口径の違いを、この口漏れに直接結びつけ
て「共用タイプとの表示はおかしい」と指摘したものも
あり、共用タイプとしての商品の存続性を危ぶむ声もあ
る。本発明者等はこの現状に鑑みて現状の実態を調査し
た結果、次のことを究明した。上記口漏れ現象は、ハ
イパワー化した掃除機に多いこと。口漏れ現象を、集
塵の初期の段階(集塵量が少量の段階)で生じるもの、
中期の段階(集塵量が中量の段階)で生じるもの、及び
後期の段階(集塵量が大量の段階)で生じるもの、に分
別し、その初期の段階の口漏れで比較するときは、純正
品では殆ど生じていないのに対し、共用品では既にそれ
が多く、且つ機種により口漏れの程度が違うこと(後掲
の表1参照。)、口漏れ全体としてみると、その原因
は共用品にする為に採用してきた設計上の無理(例え
ば、袋の寸法形状の制約、支持板に多くの折込み・切込
み、支持板の吸入口の口径の不一致、袋の装着方向の相
違等)が、ハイパワー化し、且つ、小型化した集塵室の
中で増幅されている結果であると考えられること。
【0010】そこで、本発明の目的は、前記のような集
塵の初期から後期の各段階における口漏れを防止でき、
メーカー各社の電気掃除機における集塵室へも適合でき
る共用タイプとしても使用できる集塵袋を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る電気掃除機用集塵袋は、吸入口が設
けられてある透気性の濾材で横長に、且つ、筒状に形成
され、その長手方向に沿って形成された蛇腹部の谷折り
と該筒体の長手方向両端開放端縁を平坦に封止した末端
封止部との存在によって平坦状に折り畳まれた横長の袋
本体と、剛性を有する板材に吸入口が設けられてある支
持板とが、それぞれの吸入口を合致させて袋本体の表面
に支持板が一体的に貼着されてなる集塵袋であって、上
記支持板にある吸入口の外周面に、JIS−K6401
に準拠した嵩密度[Kg/m3]を横軸に、JIS−K
6401に準拠した25%の圧縮時の硬さ[Kgf/3
14cm2]を縦軸に、それぞれ目盛った直交座標に示
す5つの点イ(22.0,9.1)、点ロ(22.0,
12.2)、点ハ(40.0,20.1)、点ニ(4
4.5,18.1)及び点ホ(52.0,11.6)を
結ぶ線で囲まれた5辺形の範囲内の嵩密度と圧縮時の硬
さとを有するポリウレタン系発泡体からなるパッキンが
シート状に配されてなることを特徴とする。
【0012】又、上記ポリウレタン系発泡体の厚みは2
〜3.5mmとすることが好ましい。
【0013】更に、上記ポリウレタン系発泡体は、JI
S−K6401に準拠した反発弾性[%]が42以上、
JIS−K6401に準拠した圧縮残留歪[%]が5.
0以下、JIS−K6401に準拠した繰り返し残留歪
[%]が4.0以下の値を持つ発泡体であることが好ま
しい。
【0014】上記のような本発明の電気掃除機用集塵袋
は、上記袋本体に設けられた吸入口の位置が袋幅方向の
一方側に偏っていて、その偏った側の袋側縁から上記支
持板の一辺部分が突出した状態に該支持板が袋本体表面
に貼着されたものであり、構造の異なる複数の掃除機に
共通して適用できる共用タイプとすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1に示すものは、本発明に係る
電気掃除機用集塵袋1の一実施例を示すものであり、集
塵袋1が平坦状に折り畳まれた状態から、理想的な六面
体状に展開した様子を表している。図中、符号2で示す
ものが、透気性のある濾材で作成された袋本体であり、
該袋本体2は、横長に、且つ筒状に形成され、その長手
方向に沿って形成された蛇腹部3の谷折りと、該筒体の
長手方向両端開放端縁を平坦に封止した末端封止部4と
の存在により平坦状に折り畳まれており、更に、長手方
向中程には吸入口5が設けられている。又、図中符号6
で示すものが、剛性を有する板材に吸入口7が設けられ
た支持板である。そして、前記袋本体1と支持板6と
が、それぞれの吸入口5、7を合致させて集塵袋1の吸
入口8が形成され、袋本体2の表面側における吸入口5
の周辺部分と支持板6裏面における吸入口7の周辺部分
とが互いに貼着されて集塵袋1が構成されている。尚、
図示したものでは、前記袋本体2に設けられた吸入口5
が袋幅方向(図中上下方向)の一方側(図中上方)に偏
っていて、その偏った側(上側)の袋側縁から前記支持
板6の一辺部分9が突出した状態に支持板6が袋本体2
の表面に貼着されている。このように袋本体2の一側側
から支持板7を突出させて貼着するのは、横長の袋本体
2を横(左右)方向にして装着する様式の掃除機で集塵
室の底部が突出している機種があり、この場合に袋本体
2の幅方向の下側がつかえないように配慮しているので
ある。
【0016】前記袋本体2の材質としては、例えば、空
気は通過するが塵埃は通さない不織布又は薄い紙等の透
気性を有する素材に、同じく空気は通過するが塵埃は通
さない不織布又は薄い紙等の裏打紙を1枚、あるいは2
枚以上を重ねて濾材としたものを、幅方向の両側部を互
いに重ね合わせて貼着することで横長筒状に形成され
る。前記濾材の透気度としては、JIS P8117に
準拠して測定した透気度が0.30〜0.11秒/20
0mlの範囲のものを用いることが、吸込仕事率が40
0〜560Wにもハイパワー化された近年の電気掃除機
に対応するためには好ましい。前記袋本体2の長手方向
両端開放端縁の末端封止部4は、集塵袋1の表面側又は
裏面側に平坦に折り巻いて形成される。この末端封止部
4は、例えば、袋本体2の開放端縁の内面全周に塗布し
てある感熱性接着剤を、両側の蛇腹部3を折り畳んだ後
に加熱圧着して袋本体2の筒状濾材の開放端縁の内面相
互を貼着する。しかる後、筒状濾材の端部を、その先端
部が最内部に位置するように表面側あるいは裏面側に二
段階に折り巻いたのち、接着剤により袋本体2の表面に
接着して末端封止部4が形成される。このように、末端
封止部4を筒状濾材の内面相互を貼着したうえで折り巻
いて形成することで、ハイパワーの電気掃除機に用いて
蛇腹部3が外側に反転するように展開された場合にも末
端封止部4の封止構造が破壊されて塵漏れするといった
恐れがない。
【0017】次に、前記袋本体2の表面側に貼着された
支持板6は、厚紙あるいは合成樹脂等の剛性を有する板
材にて作成されており、その形状は、各メーカーの各種
電気掃除機の集塵室に装着しうるように形成されてい
る。例えば、図例の集塵袋1における支持板6は、その
略中央部に吸入口7が形成されるとともに、該吸入口7
の外周面にはポリウレタン系発泡体からなり、厚み2〜
3.5mmのシート状に周設されたパッキン12が配さ
れている。又、支持板6の一側辺には、第1ガイド部1
3、第2ガイド部14の2つのガイド部がそれぞれミシ
ン目15、16により切り取り可能に連設されており、
更に、支持板6の他の側辺部分には、切り欠き部17〜
20が、それぞれミシン目により切り取り可能に形成さ
れていて、各種の電気掃除機における集塵室内の取付部
の大きさ、形状、構造に応じて前記ガイド部13、1
4、更には切り欠き部17〜20を、指等で簡単に切り
取って、それぞれの電気掃除機における集塵室に対応し
て装着可能とされている。
【0018】尚、支持板6の形状、構造、更には、袋本
体2と支持板6との位置関係等は、特に限定されるもの
ではなく、各種態様のものを採用することができる。例
えば、当初から支持板6のガイド部13、14を切除し
た後の形態をした支持板6の吸入口7を袋本体2の幅方
向の中央に設けた吸入口5に合致させるように配置して
もよい。
【0019】次に、本発明における「特殊な発泡体のパ
ッキンが配された集塵袋の発明」の技術的意義について
説明する。
【0020】
【表1】
【0021】表1は、「口漏れの状態を示す実験結果の
まとめ一覧表」であり、我が国における代表的家庭用電
気掃除機メーカーの8社について、各社の最新型(平成
9年〜10年製)の電気掃除機における集塵袋の口漏れ
の状態を一定の評価結果に基づいてまとめたものであ
る。但し、この評価は、実験的評価になることに鑑み、
通常の消費者が行う吸引条件よりは極めて厳しい条件を
採用している。まとめ方としては、縦欄には8社の掃除
機の[パワー(=吸引仕事率)]を社名を伏せて配置
し、横欄には、各区分毎の集塵袋の構成及び評価結果を
示してある。この横欄の「口漏れの状況(初期段階)」
を示す欄には、いずれも市販されている、現行での各社
「純正品」の集塵袋と各社の「共用タイプ品」の集塵袋
とを各社掃除機で評価した結果が、それぞれ対比できる
形で示されている。
【0022】表1中における「口漏れ状況」は、市販の
小麦粉(薄力粉)を、20g/(1回・約10秒)の割
合で段階的に最終300gの吸引量になるように吸引さ
せ、吸引量が100gの時を「初期の段階」、同200
gの時を「中期の段階」、同300gの時を「後期の段
階」として、集塵室内壁(殊に支持板近傍部)の粉付着
による汚れの状態を調べたものである。評価記号は、
「◎」が「殆ど汚れなし」、「○」が「汚れがごくわず
か」、「△」が「汚れが目立つ」、そして「×」が「汚
れがひどい」である。
【0023】この表1の結果について解析すると、変遷
した近年の掃除機にあっても、純正品では、「口漏れ」
現象について各社共に問題にならない程度の良い結果を
示すのに対し、共用タイプ品は、いずれも、全体として
「漏れが多い」「ひどく漏れるものもある」ことから、
各社の掃除機に共用出来ると言える商品価値が喪失して
しまう危機にあることが分かる。
【0024】そこで、本発明の内容を、発泡体(パッキ
ン)の特性から説明する。先に、発明者等の知見とし
て、「口漏れ」は、吸引量に応じた「初期の段階」「中
期の段階」「後期の段階」に3分されると述べたが、口
漏れ防止を集塵袋の持つ一つの性能として捕えると、要
するに、「初期の段階」で結果の悪いものは「中期の段
階」「後期の段階」でこれが良くなる道理はなく、どち
らかと言えば急激に悪化する傾向をたどる。一方「初期
の段階」で良い結果のものでは、その良い結果が「中期
の段階」「後期の段階」にどれだけ持続できるかが問わ
れることになるのである。殊に、各種の機種を対象にす
る共用タイプの集塵袋にあっては、図4を参照して詳細
に説明した通り、共用化を図る為には、支持板の吸入口
は最大口径D(52mm)を採用せざるを得ず、その大
口径(52mm)にしたことが、純正品の支持板吸入口
の口径dで表した各社掃除機側の漏れ防止ゴムパッキン
の持つ夫々の最適接触位置との密接を困難にしてしまう
結果、共用タイプ品には物理的に「口漏れが生じ易い」
要素を備えているのである。従って、仮に、「初期の段
階」での口漏れ防止効果が達成できたとしても、「中期
の段階」、「後期の段階」での、その防止効果の持続は
困難になる。
【0025】上記の理由から、ここでの「口漏れの評
価」は、全て支持板の吸入口にパッキンを配した集塵袋
を対象とし、評価には、吸引量に応じた「中期の段階」
と「後期の段階」の結果を採用し、そのパッキンが示す
「中期の段階」及び「後期の段階」での口漏れ防止効果
の優劣から、発明の内容を説明することにした。
【0026】先ず、表2は、実施例、比較例でパッキン
として使用したポリウレタン系発泡体の特性値(JIS
K6401に準拠)を示すものである。表2中の「実
施例」、「比較例」の袋本体部は全て、その袋幅寸法が
120mm、蛇腹部のマチ幅寸法は140mm(但し、
両側の蛇腹部のマチ幅寸法のうち、一方が160mm、
他方が120mmと不均等な変則ダブルガゼット構
造)、丈寸法が240mmである。又、表2中での「実
施例」、「比較例」の内容は、各種市販のポリウレタン
系発泡体20種類を入手し、これをパッキンに加工して
集塵袋の支持板吸入口の外周面に配したものであるが、
発泡体メーカー名、品番は伏せて一連の通し番号にして
いる。又、発泡体の各特性値は発泡体メーカーの提供に
よるものである。
【0027】
【表2】
【0028】表3は、支持板吸入口の外周面にパッキン
を配した「実施例」、「比較例」の集塵袋の、代表8社
の各社電気掃除機における、吸引量に応じた「中期の段
階」、「後期の段階」での口漏れ状態を示す表で、「総
合評価」は、前記各社掃除機毎の「中期の段階」及び
「後期の段階」の両者の評価を総合的にまとめて示した
ものである。尚、参考例として、表1に掲載した現行の
共用タイプ品1及び2(現行のパッキン付き)を挙げ
た。各社掃除機における口漏れ状態の評価方法、及び評
価記号は先に示したものと同じであり、「総合評価」
は、各社掃除機における口漏れ評価の結果が、「◎」、
「◎〜○」及び「○」のみのものを「◎」印で、同じく
「◎〜○」及び「○」のみのものを「○」印で、各記号
が混在するが「△〜×」及び「×」はないものを「△」
印で、そして、「△〜×」又は「×」があるものを
「×」印で、それぞれ表している。尚、この「総合評
価」は、表2にも併記してある。
【0029】
【表3】
【0030】表3の口漏れ状態の結果をみれば、良い結
果のものは「実施例」に、良くない結果のものは「比較
例」に区分されており、又、参考例として挙げた現行の
共用タイプ品1及び2(現行のパッキン付き)のもの
も、良くない結果を示すものであることは分かる。しか
し、この表3の結果のみでは、技術的な意味が判別出来
ない。そこで本発明者等は、JIS K6401に準じ
て測定された発泡体の「嵩密度[Kg/m3]及び「2
5%圧縦時の硬さ[Kgf/314cm2](以下、単
に「嵩密度」及び「硬さ」と呼称する。)に着目して、
表3の結果の解析を試みて見た。この場合の解析の根拠
は、先ず、書物によると、ポリウレタン系発泡体は、通
常、相隣なれる個々の気泡の共通する気泡壁が、そのど
こかで繁っている気泡群の割合が多い、所謂「連通発泡
構造」を有するといわれている。しかし、入手した各種
発泡体は同一素材のものとは考え難く、恐らくは、構成
成分の純度が違うとか、或いは成分内容が多少違うとい
うことが考えられるが、その素材成分は発泡体メーカー
の企業秘密に当たるので明らかにされることはない。け
れども、いずれも市販品であり、その特性値が明らかで
あれば、再度入手して結果の再現を図ることは可能なの
で、ここでの分析では、発泡体の基本構造を形成するこ
とになる「嵩密度」に着目した。つまり、「嵩密度」
は、「全体容積に占める樹脂(気泡壁)部分の割合」を
示す1指標である筈であるから、素材内容は不明でも、
ひとまずは、その「嵩密度」の値の順に並べれば、大ま
かな発泡構造が分かるのではないかと推測した。そして
一方、素材は樹脂であるから、その樹脂の持つ特性がそ
の「嵩密度」即ち、大まかな発泡構造になった時に、発
泡体の特性値になって示されたものが〔「素材の特
性」〕×〔「嵩密度」だけでは代表出来ない別の気泡構
造、例えば、気泡径やその分布、気泡壁の構造等〕を意
味するのではないかと考えて、その特性値にパッキンと
して注目したい「硬さ」を選んだのである。
【0031】そして、図2が、その解析結果を示すもの
で、横軸(X軸)に「嵩密度」を、横軸(Y軸)に「硬
さ」を夫々目盛った直交座標を作り、各種発泡体の「嵩
密度」と「硬さ」の座標点の位置に、その発泡体が示す
「総合評価」の評価記号(「◎」印、「○」印、「△」
印、「×」印)をそのままプロツトしたものである。そ
うしてみると、「◎」印、「○」印のものと、「△」印
及び「×」印のものとは、座標点の位置が違って分布し
ている様子が分かる。そこで、全ての「◎」印と「○」
印を含むように「○」印である座標点(Kg/m3,K
gf/314cm2)を直線で結ぶと、点イ(22.
0,9.1)、点ロ(22.0,12.2)、点ハ(4
0.0,20.1)、点ニ(44.5,18.1)及び
点ホ(52.0,11.6)の5点を直線で結ぶ5辺形
が形成され、その5辺形の内側には、口漏れ総合評価で
「◎」印及び「○」印のものが、その外側には「△」印
及び「×」印が分布する状態に区分できる。
【0032】これをみると、試験に供した発泡体の「嵩
密度」における特性値「硬さ」の分布の範囲は、「嵩密
度」の低い方では「硬さ」は低い(柔らかい)位置に狭
い範囲で、そして「嵩密度」が高くなにつれ「硬さ」は
少し高まる(固くなる)傾向に、低い(柔らかい)もの
から高い(固くなる)位置に広い範囲を持って、夫々に
分布し、全体としては右上がりの扇型の分布状態になっ
ていることが分かる。これは恐らく、以下のような理由
によるものであると考えられる。即ち、先ず、発泡体
は、その「嵩密度」を低くする(発泡倍率を高める)こ
とで、「硬さ」の値を低く(柔らかく)調節することが
出来る。しかし、「嵩密度」を低くする方法は、気泡の
径を大きくするか、或いは気泡数を極端に多くして気泡
壁を薄くするしかないので、安定した発泡状態の維持が
困難になるので限度が生じ、普通では気泡の径を大きく
して「嵩密度」で20[Kg/m3]程度にするのが限
界である。その限界の「嵩密度」の位置で「硬さ」の値
を広い範囲に調整して作るのは更に難しく、一般的には
粗悪な発泡体になってしまう。しかし体積が極端に高ま
って量産が可能で安価になることから、発泡体の座屈現
象で衝撃を緩衝する包装材分野に広く使用されている。
一方、発泡体の「嵩密度」を高くする(発泡倍率を下げ
る)方向は、安定した発泡状態の維持が容易になるの
で、素材成分を変更することも含めて、種々の値の「硬
さ」のものが作れる方向になるが、「嵩密度」の高まり
につれ高価なものになることは否めない。又、種々の値
の「硬さ」を形成させた内容、及び用途目的(例えば、
フィルター、電気部品、車両部品)も様々なものがある
ので、本発明で要求される特性のものであるかは分から
ないという状況にあると推測される。
【0033】そこで、再度、この5辺形の各辺に沿っ
て、発明者等が実験の過程で実感した感触上の知見を並
べて考察してみると、先ず、点イと点ロとを結ぶ辺の外
側、即ち、「嵩密度」が22[Kg/m3]未満になる
領域のものは、柔らかさと相まってパッキン面(発泡体
面)の肌の粗さ(気泡径の大きさと推定される)に沿っ
て、塵が吹き抜けてしまう口漏れ現象が認められる。因
みに、現行の共用タイプ品に配されているウレタン製の
パッキンの材質は、この粗悪な気泡構造の領域の、包装
材用途のものであることが確認されている。又、点イと
点ホとを結ぶ辺の下側、即ち、それぞれの「嵩密度」で
得られる「硬さ」の下限側の領域のものは、柔らかくな
り過ぎて、各社掃除機側の漏れ防止用ゴムパッキンの様
々な形状(殊に、漏れ防止用ゴムパッキン面が押圧で変
形し易い構造のもの)に適合し難く、加えてその中でも
「嵩密度」が高まる方向のものでは、パッキン内(発泡
体内)に点在するボイド(穴)が禍して、口漏れ現象が
認められる。一方、点ロと点ハとを結ぶ辺の上側、即
ち、それぞれの「嵩密度」で得られる「硬さ」の上限側
の領域のものは、一つは単純に硬すぎること、もう一つ
は変形に対して瞬間的に反発して追従できないという感
触で、それぞれ掃除機側の漏れ防止用ゴムパッキンに適
合し難く、口漏れ現象が認められる。この点ロと点ハと
を結んだ領域区分線が異様に右上がりになっているの
は、本発明でパッキンとして求める特性は、単に「硬
さ」では表現できない「粘弾性を伴った『硬さ』(柔ら
かさ)」を求めているからだと考えられる。そう考える
と、図中右側の点ハと点ニを経て点ホとを結ぶ中折れ線
は、同じ「粘弾性を伴った『硬さ』(柔らかさ)」を求
めて、実験対象の発泡体の範囲で得られた結果での領域
の区分線を示したものであるといえる。又、この区分線
は、吸引量が高まるにつれ、発泡体(パッキン)の中
を、粉が吹き抜けたのではないかと思えるものも区分し
ている。
【0034】よって、図2は、表3の結果の内容の技術
的な解析に成功しているので、図2の発泡体(パッキ
ン)の「嵩密度」と「硬さ」との座標点で示される5辺
形の範囲内を、本発明の発泡体(パッキン)として採用
した。
【0035】次に、本発明のパッキンにするための発泡
体の厚みについて説明する。発泡体の厚み2mm〜3.
5mmの範囲の規定は、上記の技術的解析の結果で選ば
れた発泡体であることを前提にして、「支持板の特質か
ら生じる掃除機側の漏れ防止用ゴムパッキンとの適合
性」から選定したものである。即ち、共用タイプの集塵
袋にある支持板の、その吸引口径が持つ掃除機側の漏れ
防止用ゴムパッキンとの不適合の内容は、図4で既に詳
述した。しかしながら、本発明者等の研究によって、上
述の「吸入口径の不一致」とは別に、支持板の特質から
生じる問題も「口漏れ」の大きな要因になることが究明
されるに至った。そして、その特質上の問題とは、支持
板に、特に経時的に生じてくる「反り」の問題と、使用
中の吸引力により生じてしまう「反る」という問題であ
る。
【0036】一般に、支持板には、紙の厚板が使用され
ている。これは、適度の剛性と、集塵袋の使用後には焼
却できる易燃性を重視したものであろう。しかしなが
ら、この厚板は、全体としての剛性と、表面の美粧性、
裏面側の袋本体との接着性とが求められる関係で、2〜
5層の異種積層体でなることから、細心の注意が払われ
ていても、製造−加工−移送−保管時の湿度等の影響
で、「反り」が生じるのは避け難いのである。しかも、
この反りの問題は、「反り」の大小がバラツキとして生
じてくるので、純正品、共用品を問わず、掃除機側の漏
れ防止用ゴムパッキンとの不適合が生じてしまうのであ
る。
【0037】又、一方、吸引力で生じてしまう「反る」
という問題は、支持板の有する剛性に関係する問題で、
一般には共用タイプ品に顕著な問題点である。それは、
支持板に厚紙を使用する上では、厚紙の縦・横方向の片
方側の軸の剛性はそれと直交する軸側よりも弱いという
方向性を有する紙目が生じることが避け難く、一般に
は、長方形の長軸側に剛性の高い方の紙軸が沿うように
使用される。因みに、この紙軸としての剛性は、無傷な
4辺形の厚紙でのものであって、厚紙に切れ目や欠如部
分が生じてしまうと、力の掛かる支点との関係で、紙軸
の元の剛性とは違う値のものになってしまう。しかる
に、図1に示すように、支持板には、大きな縦、横の寸
法比を有する支持板の、先ずそのほぼ中央に大きな口径
の吸入口7が穿たれており、しかも共用タイプ品では、
支持板6の縦方向を横断する2本の切り取り線(ミシン
目15、16)や、吸入口7を通って縦方向軸を横断す
る位置に切り欠き部17、20が配されており、更に、
支持板6の一辺の中央には、大きな矩形の切り欠き部1
8が配されてある。この現実は、共用タイプ品の支持板
の厚紙として、純正品と同等の厚紙を用いたとしても、
その剛性は極めて小さくならざるを得ないことを意味し
ている。しかも、この支持板が使われる紙軸方向は、純
正支持板のそれとは必ずしも同じでない。以上のよう
に、共用タイプ品の支持板には、集塵袋の展開時に、力
が掛かれば「反ってしまう」=「掃除機側の漏れ防止用
ゴムパッキンとの接面に不適合さが出る」という問題が
別の問題として存在するのである。
【0038】本発明の集塵袋においては、上記のような
支持板の「反り」と「反る」という2つの問題解決を、
「厚みで埋める」という新規な発想で達成するものであ
る。即ち、発泡体(パッキン)の厚みは、2mm未満で
は、「反り」のバラツキを含めて吸収することが難し
い。しかし、その一方で、3.5mmを超える厚みは、
口漏れ防止効果の高まりよりも、支持板の装着の困難性
が高まることになる。従って、実用上の厚みの最適範囲
は、2.5mm〜3mmである。
【0039】更に、本発明の発泡体(パッキン)を実用
に供する上で、留意しておくべき問題がある。それは、
この発泡体(パッキン)を配した集塵袋が、その製造段
階から消費者で使用されるまでの間で、発泡体(パッキ
ン)がどのような状態に置かれるかの問題である。それ
は、この発泡体は柔軟であるため、力を受けると圧縮変
形することである。例えば、製造工程では、支持板と袋
本体を貼着させる際に、支持板上の発泡体(パッキン)
も大きな押圧を受けることになるし、パッケージにして
消費者に届くまでには、包装時の押圧で生じた圧縮変形
は、ほぼそのままの状態にあることを考慮しておく必要
がある。この指標には、JIS K6401に準じて測
定される「反発弾性[%]」、「圧縮残留歪[%]」及
び「繰り返し圧縮残留歪[%]」の値を参考にすること
ができる。つまり、「反発弾性[%]」の値が高い方向
は、加えられている変形量が瞬時に良く回復することの
指標であり、「圧縮残留歪[%]」及び「繰り返し圧縮
残留歪[%]」の値の小ささは、いずれも、加えられた
変形量のうちで回復できなくなった割合が小さいことを
示す指標である。こうした観点からみると、表2の実施
例(図2の5辺形の範囲内)のものは、いずれも「反発
弾性[%]」が42〜48という高い水準にあって、し
かも「圧縮残留歪[%]」と「繰り返し圧縮残留歪
[%]」のそれぞれが、「5.0%以下の低い水準」と
「4.0%以下の低い水準」に保たれているので、満足
できるものと考えられる。換言すれば、図2の5辺形の
範囲内の領域は、「反発弾性[%]」、「圧縮残留歪
[%]」及び「繰り返し圧縮残留歪[%]」との関係が
バランスされた状態で得られる発泡体の領域であるとい
える。従って、実用に当たっては、図2に示す5辺形の
範囲の内から、更に厳選して、例えば、「反発弾性
[%]」が45以上の値で、且つ、「圧縮残留歪
[%」」と「繰り返し圧縮残留歪[%]」のそれぞれが
4.0以下と3.5以下という、より低い値のものを用
いることが最も望ましい。
【0040】又、表4は、表1に先に挙げた共用タイプ
品1及び2のパッキンを、本発明でいう発泡体(表2及
び図2中の「U−9」で示すもの)に変更して、前記と
同様の方法で小麦粉による吸引テストをした場合の「中
期の段階」及び「後期の段階」における「口漏れ」の各
々の結果を示すものである。この結果によれば、口漏れ
防止効果としては、表3に示す実施例1〜12のものよ
りは幾分悪いが、表3の共用品1、2の結果よりは格段
に優れており、パッキンを本発明のものに変えるだけ
で、従来の共用タイプ品における口漏れを改善できるこ
とを示している。そして、この種の発泡体(パッキン)
は、上記共用タイプ品のみでなく純正品に用いても効果
がある。
【0041】
【表4】
【0042】上記のような本発明の観点からみれば、1
mm厚のポリエチレン発泡体や、1.5mm厚のポリウ
レタン発泡体をパッキンに用いている従来の共用タイプ
品は、用いている発泡体そのものに上記のような特性値
が得られてはおらず、しかも、その厚みにおいても、上
記のような配慮が全くなされていないことから、一層、
口漏れが生じ易くなっていることは、極めて当然のこと
である。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、集塵の
初期から後期の各段階における口漏れを防止でき、メー
カー各社の電気掃除機における集塵室へも適合できる共
用タイプとしても使用できる集塵袋を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る集塵袋の一実施例を示す斜視図
であり、平坦状の集塵袋と、それが理想的な六面体に展
開した状態を示す。
【図2】 ポリウレタン系発泡体の嵩密度と硬さとの関
係を示すグラフ。
【図3】 従来の集塵袋が展開する様子を示す説明図。
【図4】 (イ)〜(ニ)は、それぞれ、共用タイプの
集塵袋の支持板吸入口と各種電気掃除機の集塵室側の漏
れ防止用ゴムパッキンとの接面状態を示す模式的断面
図。
【符号の説明】
H:袋幅寸法、M:蛇腹部のマチ幅寸法、T:丈寸法、
1:集塵袋、2:袋本体、3:蛇腹部、4:末端封止
部、5:吸入口、6:支持板、7:吸入口、8:吸入
口、9:一辺部分、10:脇部、11:曲がり癖、1
2:パッキン、13:ガイド部、14:ガイド部、1
5:ミシン目、16:ミシン目、17:切り取り部、1
8:切り取り部、19:切り取り部、20:切り取り
部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸入口が設けられてある透気性の濾材で
    横長に、且つ、筒状に形成され、その長手方向に沿って
    形成された蛇腹部の谷折りと該筒体の長手方向両端開放
    端縁を平坦に封止した末端封止部との存在によって平坦
    状に折り畳まれた横長の袋本体と、剛性を有する板材に
    吸入口が設けられてある支持板とが、それぞれの吸入口
    を合致させて袋本体の表面に支持板が一体的に貼着され
    てなる集塵袋であって、上記支持板にある吸入口の外周
    面に、JIS−K6401に準拠した嵩密度[Kg/m
    3]を横軸に、JIS−K6401に準拠した25%の
    圧縮時の硬さ[Kgf/314cm2]を縦軸に、それ
    ぞれ目盛った直交座標に示す5つの点イ(22.0,
    9.1)、点ロ(22.0,12.2)、点ハ(40.
    0,20.1)、点ニ(44.5,18.1)及び点ホ
    (52.0,11.6)を結ぶ線で囲まれた5辺形の範
    囲内の嵩密度と圧縮時の硬さとを有するポリウレタン系
    発泡体からなるパッキンがシート状に配されてなること
    を特徴とする電気掃除機用集塵袋。
  2. 【請求項2】 上記ポリウレタン系発泡体の厚みが2〜
    3.5mmのものである請求項1記載の電気掃除機用集
    塵袋。
  3. 【請求項3】 上記ポリウレタン系発泡体が、JIS−
    K6401に準拠した反発弾性[%]が42以上、JI
    S−K6401に準拠した圧縮残留歪[%]が5.0以
    下、JIS−K6401に準拠した繰り返し残留歪
    [%]が4.0以下の値を持つ発泡体である請求項1又
    は2に記載の電気掃除機用集塵袋。
  4. 【請求項4】 上記袋本体に設けられた吸入口の位置が
    袋幅方向の一方側に偏っていて、その偏った側の袋側縁
    から上記支持板の一辺部分が突出した状態に該支持板が
    袋本体表面に貼着されたものであり、構造の異なる複数
    の掃除機に共通して適用できる共用タイプのものである
    請求項1、2又は3に記載の電気掃除機用集塵袋。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003079878A1 (de) * 2002-03-22 2003-10-02 Vorwerk & Co. Interholding Gmbh Filterbeutel für einen staubsauger
JP2012176244A (ja) * 2006-08-01 2012-09-13 Dyson Technology Ltd フィルタ組立体

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